JPH1013740A - 画像処理方法および画像処理装置並びにx線透視装置 - Google Patents

画像処理方法および画像処理装置並びにx線透視装置

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JPH1013740A
JPH1013740A JP8167112A JP16711296A JPH1013740A JP H1013740 A JPH1013740 A JP H1013740A JP 8167112 A JP8167112 A JP 8167112A JP 16711296 A JP16711296 A JP 16711296A JP H1013740 A JPH1013740 A JP H1013740A
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frequency component
data
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JP8167112A
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Shigeru Matsumura
滋 松村
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GE Healthcare Japan Corp
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GE Yokogawa Medical System Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラグが少なくしかもS/Nの良い画像が得ら
れる画像処理方法および画像処理装置並びにX線透視装
置を実現することである。 【解決手段】 画像データを高周波成分と低周波成分に
分離し(112,113)、高周波成分について現フレ
ームの入力画像データと前フレームの出力画像データと
を重み付け加算して現フレームの出力画像データの高周
波成分とし(114〜116)、低周波成分については
現フレームの入力画像データを現フレームの出力画像デ
ータの高周波成分と合成し(116)て出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理方法およ
び画像処理装置並びにX線透視装置に関する。さらに詳
しくは、本発明は、画像データをリカーシブフィルタ(r
ecursive filter)で処理するときラグ(lag) が少なくか
つS/N(signal-to-noise ratio) の良い画像が得られ
る画像処理方法および画像処理装置並びにX線透視装置
である。
【0002】
【従来の技術】X線透視装置においては、被写体の透視
像をイメージ・インテンシファイヤ(image intensifie
r) で増強し、それをTVカメラ(television camera)
で撮影して表示用の画像を得るようにしている。その
際、ノイズ(noise) を低減した画像を得るために、画像
データをリカーシブフィルタで処理される。
【0003】リカーシブフィルタの処理内容は次式で表
される。
【0004】
【数1】 ここで、 D:出力画像データ I:入力画像データ a,b:係数 (a+b=1) i:フレーム(frame) 番号
【0005】すなわち、リカーシブフィルタでの処理
は、前フレームの出力画像データと現フレームの入力画
像データを、同じ画素のもの同士で、所定の重み付きで
加算して現フレームの出力画像データとする処理であ
る。入力画像データに含まれるノイズはフレーム間でラ
ンダム(random)であるから、このようなリカーシブフィ
ルタでの処理により効果的にノイズを低減してS/Nを
向上させることができる。
【0006】(1)式に示すように、リカーシブフィル
タを経て得られる表示画像には前フレームの出力画像デ
ータの影響が含まれているので、被写体が動くとその残
像によってボケが生じる。この現象をラグ(lag) とい
う。
【0007】被写体が動くのは、透視をしながら被写体
を載せたテーブルを移動させる場合が典型的であるが、
被写体自身の心拍や呼吸あるいは身動き等による場合も
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(1)式において係数
aの値を大きくすると、リカーシブフィルタを経てノイ
ズが低減されている前フレームの出力画像データの重み
が増すのでS/Nが向上する。しかしその反面ラグが大
きくなるという副作用が生じる。すなわち、リカーシブ
フィルタにおいてS/Nを向上させようとしてもラグの
面での制約がある。
【0009】画像のマトリクスサイズ(matrix size) が
例えば1000x1000という高分解能のX線透視装
置においては、1画素当たりの入射X線量が小さくなる
のでX線検出信号のレベルが低下する。これに対してノ
イズレベルはマトリクスサイズに関係しないので相対的
にS/Nが低下する。その場合、リカーシブフィルタを
強く利かせてS/Nを上げたいが、ラグ増加との兼ね合
いがあるので、ある程度のところで妥協せざるを得な
い。
【0010】X線照射量を増やして1画素当たりの入射
X線量を多くし、X線検出信号のレベルを上げてS/N
を上げる方法もあるが、これは被写体のX線被曝量が増
えるので好ましくない。
【0011】S/Nとラグとの兼ね合いは、X線透視装
置に限らずリカーシブフィルタを用いる各種画像処理装
置に共通する問題である。一つの割り切り方として、被
写体が動かないときはリカーシブフィルタを強く利か
せ、被写体が動いたときは利きを弱くすることが考えら
れる。これによって被写体が静止している間はS/Nの
良い画像が得られ、また被写体が動いてもラグを小さく
押さえることができるが、被写体が動いているときはリ
カーシブフィルタの利きが弱いのでその分だけS/Nが
低下する。S/Nの低下は画像のテクスチャ(texture)
のざらつきの増加となって現れ、被写体が静止している
ときのスムーズ(smooth)なテクスチャとの落差が大きく
なり、観察者を疲れさせる元になる。
【0012】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、リカーシブフィルタを用いるに
当たり、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得られる
画像処理方法および画像処理装置並びにX線透視装置を
実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する第
1の発明は、画像データを高周波成分と低周波成分に分
離し、そのうちの高周波成分について現フレームの入力
画像データと前フレームの出力画像データとを重み付け
加算して現フレームの出力画像データの高周波成分と
し、低周波成分については現フレームの入力画像データ
を現フレームの出力画像データの高周波成分と合成し、
この合成の画像データを現フレームの出力画像データと
することを特徴とする画像処理方法である。
【0014】課題を解決する第1の発明によれば、現フ
レームの入力画像データと前フレームの出力画像データ
について高周波成分についてのみリカーシブフィルタリ
ングを行ってそれを現フレームの入力画像データの低周
波成分と合成することにより、画像データの低周波成分
にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだけフィル
タリングを利かせた出力画像データを得る。それによっ
て、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得られる画像
処理方法を実現する。
【0015】前記の課題を解決する第2の発明は、画像
データを高周波成分と低周波成分に分離する周波数分離
手段と、前記周波数分離手段によって分離された高周波
成分について現フレームの入力画像データと前フレーム
の出力画像データとを重み付け加算するリカーシブフィ
ルタ手段と、前記周波数分離手段によって分離された画
像データの低周波成分について現フレームの入力画像デ
ータを前記リカーシブフィルタの出力画像データと合成
して現フレームの出力画像データを生成する合成手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0016】課題を解決する第2の発明によれば、現フ
レームの入力画像データと前フレームの出力画像データ
について高周波成分についてのみリカーシブフィルタリ
ングを行ってそれを現フレームの入力画像データの低周
波成分と合成することにより、画像データの低周波成分
にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだけフィル
タリングを利かせた出力画像データを得る。それによっ
て、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得られる画像
処理装置を実現する。
【0017】前記の課題を解決する第3の発明は、被写
体を撮影して得られる画像についての現フレームの入力
画像データから高周波成分を求める第1の高周波成分分
離手段と、被写体を撮影して得られる画像についての現
フレームの入力画像データから低周波成分を求める低周
波成分分離手段と、被写体を撮影して得られる画像につ
いての前フレームの出力画像データから高周波成分を求
める第2の高周波成分分離手段と、前記第1の高周波成
分分離手段の出力データと前記第2の高周波成分分離手
段の出力データとの差を求める減算手段と、前記減算手
段の出力データをそれが小さいときは1より小さい係数
で縮小した変換データとし大きいときは非縮小の変換デ
ータとする変換手段と、前記変換手段の出力データと前
記低周波成分分離手段の出力データと前記第2の高周波
成分分離手段の出力データとを加算することにより現フ
レームの出力画像データを求める加算手段とを具備する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0018】課題を解決する第3の発明によれば、現フ
レームの入力画像データと前フレームの出力画像データ
について高周波成分についてのみリカーシブフィルタリ
ングを行ってそれを現フレームの入力画像データの低周
波成分と合成することにより、画像データの低周波成分
にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだけフィル
タリングを利かせた出力画像データを得る。それによっ
て、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得られる画像
処理装置を実現する。
【0019】課題を解決する第3の発明において、前記
変換手段はルックアップテーブルを用いたものであるこ
とが所望の変換特性を容易に実現できる点で好ましい。
前記の課題を解決する第4の発明は、X線照射手段と、
前記X線照射手段から照射されて被写体を透過したX線
像を形成するX線像形成手段と、前記X線像形成手段に
よって形成されたX線像について複数のフレームの入力
画像データを形成する画像データ形成手段と、出力画像
データを記憶する画像記憶手段とを有するX線透視装置
において、画像データを高周波成分と低周波成分に分離
する周波数分離手段と、前記周波数分離手段によって分
離された高周波成分について現フレームの入力画像デー
タと前フレームの出力画像データとを重み付け加算する
リカーシブフィルタ手段と、前記周波数分離手段によっ
て分離された画像データの低周波成分について現フレー
ムの入力画像データを前記リカーシブフィルタの出力画
像データと合成して現フレームの出力画像データを生成
する合成手段とを具備することを特徴とするX線透視装
置である。
【0020】課題を解決する第4の発明によれば、現フ
レームの入力画像データと前フレームの出力画像データ
について高周波成分についてのみリカーシブフィルタリ
ングを行ってそれを現フレームの入力画像データの低周
波成分と合成することにより、画像データの低周波成分
にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだけフィル
タリングを利かせた出力画像データを得る。それによっ
て、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得られるX線
透視装置を実現する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本発明は実施
の形態に限定されない。
【0022】図1は本発明の実施の形態の一例の画像処
理装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の
形態の一例のX線透視装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、本発明の実施の形態の一例の画像処理方法
は、本発明の実施の形態の一例の装置の動作で示され
る。
【0023】まず、図2により、本発明の実施の形態の
一例のX線透視装置について説明する。図2において、
X線発生装置1は、被写体2に向けてX線を照射するも
のである。このX線発生装置1は、本発明におけるX線
照射手段の実施の形態の一例である。テーブル3は、被
写体2を搭載するものである。テーブル3は、例えば炭
素繊維やアルミニウムのようなX線に対して透過性を有
する材料によって構成されており、テーブル送り機構4
によって駆動されて、テーブル面に沿って2次元的に移
動できるようになっている。位置検出器5は、テーブル
2の位置を検出するものである。
【0024】イメージ・インテンシファイヤ6は、被写
体2とテーブル3を透過して入射したX線による蛍光像
を光電子増倍により増強するものである。このイメージ
・インテンシファイヤ6は、本発明におけるX線像形成
手段の実施の形態の一例である。
【0025】TVカメラ7は、イメージ・インテンシフ
ァイヤ6の出力像を撮影し、その撮影画像を走査線で分
解したアナログ映像信号を出力する。アナログ映像信号
は所定のフレームレート(frame rate)例えば30Hzで
出力される。TVカメラ7は本発明における画像データ
形成手段の実施の形態の一例である。
【0026】支持台8は、テーブル3を支持するととも
に、テーブル送り機構4、位置検出器5、メージ・イン
テンシファイヤ6およびTVカメラ7を下部の空間に収
容するものである。
【0027】画像入力装置10は、TVカメラ7から与
えられるアナログの映像信号をディジタルの画像データ
に変換して入力画像データのフレームを形成するととも
に、この入力画像データを画素毎にフィルタ装置11に
入力するものである。この画像入力装置10は、本発明
における画像データ形成手段の実施の形態の一例であ
る。
【0028】フィルタ装置11は、画像入力装置10か
らの入力画像データと画像バッファ装置12から読み出
された画像データとを用いて画素毎にリカーシブフィル
タリング処理を行なうものである。フィルタ装置11に
ついては後に詳しく説明する。
【0029】画像バッファ装置12は、フィルタ装置1
1の出力画像データを記憶し、これを読出制御装置15
による制御の下に読み出してフィルタ装置11に入力す
るものである。この画像バッファ装置12は、本発明に
おける画像記憶手段の実施の形態の一例である。
【0030】表示装置13は、フィルタ装置11の出力
画像データに基づいて画像を表示するものである。読出
制御装置15は、画像バッファ装置12に記憶されてい
る前フレームの出力画像データの読出を制御するもので
ある。
【0031】次に、図1によりフィルタ装置11の詳細
について説明する。高周波成分分離装置112は画像入
力装置10から与えられる現フレームの入力画像データ
iから高周波成分IHi を分離するものである。この
高周波成分分離装置112は、本発明における周波数分
離手段および第1の高周波成分分離手段の実施の形態の
一例である。
【0032】低周波成分分離装置113は画像入力装置
10から与えられる入力画像データIi から低周波成分
ILi を分離するものである。この低周波成分分離装置
113は本発明における周波数分離手段および低周波成
分分離手段の実施の形態の一例である。
【0033】高周波成分分離装置111は画像バッファ
装置12から与えられる前フレームの出力画像データD
i-1 から高周波成分DHi-1 を分離するものである。こ
の高周波成分分離装置111は本発明における周波数分
離手段および第2の高周波成分分離手段の実施の形態の
一例である。
【0034】高周波成分分離装置111,112および
低周波成分分離装置113は、それぞれ例えば図3に示
すような高周波成分通過帯域HBおよび低周波成分通過
帯域LBを有する。これら両通過帯域HBおよびLB
は、被写体像の低コントラスト(contrast)部を表す画像
データの周波数成分の上限付近でクロスオーバー(cross
over)するように設定される。そして、クロスオーバー
する周波数領域CRでは両帯域のゲイン(gain)の和が1
になるようになっている。
【0035】高周波成分分離装置111,112および
低周波成分分離装置113は例えばIIR(infinite im
pulse response) フィルタまたはFIR(finite impuls
e response) フィルタによって実現される。
【0036】減算装置115は高周波成分分離装置11
2の出力データIHi と高周波成分分離装置111の出
力データDHi-1 との差のデータΔ(=IHi −DH
i-1 )を求めるものである。この減算装置115は本発
明における減算手段の実施の形態の一例である。
【0037】ルックアップテーブル装置114はルック
アップテーブルを有し、それに基づいて減算装置115
から与えられる入力データΔを出力データkΔ(=k
(IH i −DHi-1 ))に変換するものである。kは変
換係数である。このようなルックアップテーブル装置1
14は例えばROM(read only memory)によって実現さ
れる。これは勿論RAM(random access memory)で構成
しても良い。RAMはテーブルデータの書替えが自在な
点で好ましい。ルックアップテーブル装置114は本発
明における変換手段の実施の形態の一例である。
【0038】入力出力変換特性は例えば図4に示すよう
に定められている。すなわち、入力データΔの絶対値が
所定値ε以内の範囲では、係数kが1よりもかなり小さ
くなるように定められ、所定値εを越えると係数kが1
に漸近するように定められている。εより十分大きい範
囲では係数kは1となっている。係数が1の状態では入
力データΔをそのまま出力するのと同じになる。この状
態をスルー(through)と呼ぶ。なお、εの値はノイズ振
幅の上限に相当するように定められる。
【0039】加算装置116は、ルックアップテーブル
装置114の出力データΔと、低周波成分分離装置11
3の出力データILi と、高周波成分分離装置111の
出力データDHi-1 との和を求め、現フレームの出力画
像データDi を形成するものである。加算装置116は
本発明における合成手段および加算手段の実施の形態の
一例である。
【0040】加算装置116の出力データすなわち現フ
レームの出力画像データDi は次式で表される。
【0041】
【数2】
【0042】(2)式において、第1項と第2項は現フ
レームの入力画像データIi と前フレームの出力画像デ
ータDi-1 に関しそれらの高周波成分についてリカーシ
ブフィルタリングが行われることを表し、第3項は現フ
レームの入力画像データIiの低周波成分ILi がスル
ーで出力されることを表す。すなわち、図1のフィルタ
装置11は高周波成分のみに対するリカーシブフィルタ
となる。
【0043】ルックアップテーブル装置114、減算装
置115および加算装置116は本発明におけるリカー
シブフィルタ手段の実施の形態の一例である。(2)式
を(1)式と対比すると、係数(1−k)およびkがそ
れぞれ係数aおよびbに相当する。両係数の和が1とな
るのはいうまでもない。係数kが小さいほどリカーシブ
フィルタの利きが強くなる。係数kが1のときはスルー
となる。
【0044】次に、本発明の実施の形態の一例の装置の
動作を説明する。X線発生器1から照射されたX線が被
写体2とテーブル3を透過してイメージ・インテンシフ
ァイヤ6に入射する。入射X線による蛍光像がイメージ
・インテンシファイヤ6で増強されてTVカメラ7で撮
影され、所定のフレームレート(frame rate)(例えば3
0Hz)のアナログ映像信号として画像入力装置10に
入力される。
【0045】画像入力装置10は、入力のアナログ映像
信号からディジタルの入力画像データを形成する。入力
画像データはフレーム毎に形成される。現フレームの画
像データIi は画素毎にフィルタ装置11に入力され
る。それと同順で前フレームの出力画像データDi-1
画素毎に画像バッファ装置12からフィルタ装置11に
入力される。
【0046】これら現フレームの入力画像データIi
前フレームの出力画像データDi-1がフィルタ装置11
によって前記(2)式に従って処理され現フレームの出
力画像データDi が形成される。
【0047】いま、被写体2が静止しているとし、図5
に示すような現フレームの入力画像データIi が得られ
たとする。図5は1本の走査線に沿った被写体2の画像
のプロファイル(profile) である。このプロファイルに
おいてEGは画像のエッジ(edge)成分、NZは画像に重
畳したノイズ成分である。
【0048】このような現フレームの入力画像データI
i が高周波成分分離装置112および低周波成分分離装
置113によってそれぞれ高周波成分IHi と低周波成
分ILi に分離される。その様子を図6に示す。図6に
示すように、高周波成分IH i はエッジ成分EGとノイ
ズ成分NZからなり、低周波成分ILi はそれらが除か
れたものとなる。
【0049】現フレームの入力画像データにIi 対応し
て、画像バッファ12から前フレームの出力画像データ
i-1 が読み出される。そのプロファイルを図7に示
す。このプロファイルは現フレームの入力画像データI
i のプロファイルと同様なものであるがノイズが低減さ
れているものである。
【0050】前フレームの出力画像データDi-1 につい
て高周波成分分離装置111により高周波成分DHi-1
が分離される。その様子を図8に示す。高周波成分DH
i-1はエッジ成分EGと残留ノイズ成分からなる。ただ
し、残留ノイズ成分については図示を省略してある。
【0051】減算装置115によって現フレームの入力
画像データの高周波成分IHi から前フレームの出力画
像データの高周波成分DHi-1 が減算され、差データΔ
が形成され、ルックアップテーブル装置114によって
差データΔが出力データkΔに変換される。
【0052】このような減算および変換を概念的に図9
に示す。図9に示すように、現フレームの入力画像デー
タの高周波成分IHi から前フレームの出力画像データ
の高周波成分DHi-1 が減算されることによりエッジ成
分EGが相殺されノイズ成分NZ’だけが残った差デー
タΔが得られる。
【0053】なお、この差データΔにおけるノイズ成分
NZ’は、現フレームの入力画像データIi のノイズ成
分NZと前フレームの出力画像データDi-1 の残留ノイ
ズ成分との差である。この差データΔが前記のような変
換特性を持つルックアップテーブルで変換されるが、差
データΔの振幅がεより小さいことによりkが小さい部
分で変換される。このため変換データkΔすなわちノイ
ズ成分NZ’は小さな値に縮小される。
【0054】このような変換データkΔが加算装置11
6によって現フレームの入力画像データの低周波成分I
i および前フレームの出力画像データの高周波成分D
i- 1 と加算される。この加算の概念図を図10に示
す。加算の結果、エッジ成分EGが復元されかつノイズ
が低減された現フレームの出力画像データDi が得られ
る。すなわち、現フレームの入力画像データIi につい
て、それに含まれるノイズ成分に対してとくに強くフィ
ルタリングを利かせたS/Nの良い現フレームの出力画
像データDi が得られる。
【0055】次に、被写体2が動いた場合について説明
する。被写体2が動いたことにより、図11に示すよう
に、現フレームの入力画像データIi のプロファイルと
前フレームの出力画像データDi-1 のプロファイルの間
に位置ずれMが生じたものとする。
【0056】現フレームの入力画像データIi につい
て、高周波成分分離装置112および低周波成分分離装
置113によって高周波成分IHi と低周波成分ILi
がそれぞれ分離される。前フレームの出力画像データD
i-1 については高周波成分分離装置111により高周波
成分DHi-1 が分離される。
【0057】減算装置115によって現フレームの入力
画像データIi の高周波成分IHiから前フレームの出
力画像データDi-1 の高周波成分DHi-1 が減算され、
差データΔが形成される。そして、ルックアップテーブ
ル装置114によって差データΔが出力データkΔに変
換される。
【0058】このような減算および変換の概念図を図1
2に示す。被写体2の位置ずれMのために差データΔに
は現フレームの入力画像データの高周波成分IHi と前
フレームの出力画像データの高周波成分DHi-1 の差と
してのエッジ成分EG’が残り、またノイズ成分NZ’
も含まれる。エッジ成分EG’の振幅はεより十分大き
く、ノイズ成分NZ’の振幅はεよりも小さい。
【0059】このような差データΔがルックアップテー
ブルでの変換にかけられると、エッジ成分EG’はεよ
り十分大きいことにより変換係数kが1すなわちスルー
で出力される。これに対して、ノイズ成分NZ’はεよ
りも小さいことにより前記の場合と同様に小さな値に縮
小される。この結果、出力データkΔは実質的にエッジ
成分EG’だけのデータとなる。
【0060】このような出力データkΔが加算装置11
6によって現フレームの入力画像データの低周波成分I
i および前フレームの出力画像の高周波成分DHi-1
と加算される。この加算の概念図を図13に示す。加算
の結果、出力データkΔのエッジ成分EG’のうち前フ
レームの出力画像データDi-1 のものが相殺されて現フ
レームの入力画像データIi のものだけが残り、これが
現フレームの入力画像データの低周波成分ILi と再結
合されて現フレームの出力画像データDi が得られる。
【0061】現フレームの出力画像データDi の低周波
成分は現フレームの入力画像データの低周波成分ILi
がスルーで出力されたものであるから、前フレームに対
して位置ずれがあっても低周波成分についてはラグは生
じない。また、高周波成分であるエッジ成分について
も、ルックアップテーブル装置114の変換特性により
現フレームの入力画像データの高周波成分IHi がスル
ーで出力されるので、やはりラグは生じない。そして、
ノイズ成分だけに強いフィルタリングがかけられる。す
なわち、被写体2が動いた場合でも、ラグを生じること
なく強いフィルタリングを行うことができる。したがっ
て、テクスチャの荒れを生じることもなく、S/Nの良
い出力画像を得ることができる。
【0062】なお、本発明はX線透視装置に限らずX線
以外の放射線、光、電磁波または超音波等の種々の波動
もしくは物理現象を利用して被写体を撮影する各種の画
像撮影装置に実施することができる。
【0063】また、変換手段の実施の形態の一例として
説明したルックアップテーブル装置は、所望の変換特性
が容易に実現できる点で好ましいが、必ずしもルックア
ップテーブル装置に限るものではなく、例えば関数発生
装置等入力信号に対して所定の関数関係にある出力信号
を生じるものであればよい。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、課題を解決
する第1の発明によれば、現フレームの入力画像データ
と前フレームの出力画像データについて高周波成分につ
いてのみリカーシブフィルタリングを行ってそれを現フ
レームの入力画像データの低周波成分と合成することに
より、画像データの低周波成分にはフィルタリングを利
かせず高周波成分にだけフィルタリングを利かせた出力
画像データを得る。それによって、ラグが少なくかつS
/Nの良い画像が得られる画像処理方法を実現する。
【0065】また、課題を解決する第2の発明によれ
ば、現フレームの入力画像データと前フレームの出力画
像データについて高周波成分についてのみリカーシブフ
ィルタリングを行ってそれを現フレームの入力画像デー
タの低周波成分と合成することにより、画像データの低
周波成分にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだ
けフィルタリングを利かせた出力画像データを得る。そ
れによって、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得ら
れる画像処理装置を実現する。
【0066】また、課題を解決する第3の発明によれ
ば、現フレームの入力画像データと前フレームの出力画
像データについて高周波成分についてのみリカーシブフ
ィルタリングを行ってそれを現フレームの入力画像デー
タの低周波成分と合成することにより、画像データの低
周波成分にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだ
けフィルタリングを利かせた出力画像データを得る。そ
れによって、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得ら
れる画像処理装置を実現する。
【0067】また、課題を解決する第4の発明によれ
ば、現フレームの入力画像データと前フレームの出力画
像データについて高周波成分についてのみリカーシブフ
ィルタリングを行ってそれを現フレームの入力画像デー
タの低周波成分と合成することにより、画像データの低
周波成分にはフィルタリングを利かせず高周波成分にだ
けフィルタリングを利かせた出力画像データを得る。そ
れによって、ラグが少なくかつS/Nの良い画像が得ら
れるX線透視装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置の構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置における高周
波成分分離装置および低周波成分分離装置の周波数特性
を示す線図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置におけるルッ
クアップテーブル装置の入出力特性を示す線図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置における入力
画像データのプロファイルである。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明図
である。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置における出力
画像データのプロファイルである。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明図
である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明図
である。
【図10】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明
図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明
図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明
図である。
【図13】本発明の実施の形態の一例の装置の動作説明
図である。
【符号の説明】
1 X線発生器 2 被写体 3 テーブル 4 テーブル送り機構 5 位置検出器 6 イメージ・インテンシファイヤ 7 TVカメラ 8 支持台 10 画像入力装置 11 フィルタ装置 12 画像バッファ装置 13 表示装置 15 読出制御装置 111,112 高周波成分分離装置 113 低周波成分分離装置 114 ルックアップテーブル装置 115 減算装置 116 加算装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データを高周波成分と低周波成分に
    分離し、そのうちの高周波成分について現フレームの入
    力画像データと前フレームの出力画像データとを重み付
    け加算して現フレームの出力画像データの高周波成分と
    し、低周波成分については現フレームの入力画像データ
    を現フレームの出力画像データの高周波成分と合成し、
    この合成の画像データを現フレームの出力画像データと
    することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 画像データを高周波成分と低周波成分に
    分離する周波数分離手段と、前記周波数分離手段によっ
    て分離された高周波成分について現フレームの入力画像
    データと前フレームの出力画像データとを重み付け加算
    するリカーシブフィルタ手段と、前記周波数分離手段に
    よって分離された画像データの低周波成分について現フ
    レームの入力画像データを前記リカーシブフィルタの出
    力画像データと合成して現フレームの出力画像データを
    生成する合成手段とを具備することを特徴とする画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 被写体を撮影して得られる画像について
    の現フレームの入力画像データから高周波成分を求める
    第1の高周波成分分離手段と、被写体を撮影して得られ
    る画像についての現フレームの入力画像データから低周
    波成分を求める低周波成分分離手段と、被写体を撮影し
    て得られる画像についての前フレームの出力画像データ
    から高周波成分を求める第2の高周波成分分離手段と、
    前記第1の高周波成分分離手段の出力データと前記第2
    の高周波成分分離手段の出力データとの差を求める減算
    手段と、前記減算手段の出力データをそれが小さいとき
    は1より小さい係数で縮小した変換データとし大きいと
    きは非縮小の変換データとする変換手段と、前記変換手
    段の出力データと前記低周波成分分離手段の出力データ
    と前記第2の高周波成分分離手段の出力データとを加算
    することにより現フレームの出力画像データを求める加
    算手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 X線照射手段と、前記X線照射手段から
    照射されて被写体を透過したX線像を形成するX線像形
    成手段と、前記X線像形成手段によって形成されたX線
    像について複数のフレームの入力画像データを形成する
    画像データ形成手段と、出力画像データを記憶する画像
    記憶手段とを有するX線透視装置において、画像データ
    を高周波成分と低周波成分に分離する周波数分離手段
    と、前記周波数分離手段によって分離された高周波成分
    について現フレームの入力画像データと前フレームの出
    力画像データとを重み付け加算するリカーシブフィルタ
    手段と、前記周波数分離手段によって分離された画像デ
    ータの低周波成分について現フレームの入力画像データ
    を前記リカーシブフィルタの出力画像データと合成して
    現フレームの出力画像データを生成する合成手段とを具
    備することを特徴とするX線透視装置。
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