JPH10136998A - mRNAの定量法 - Google Patents

mRNAの定量法

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JPH10136998A
JPH10136998A JP8299136A JP29913696A JPH10136998A JP H10136998 A JPH10136998 A JP H10136998A JP 8299136 A JP8299136 A JP 8299136A JP 29913696 A JP29913696 A JP 29913696A JP H10136998 A JPH10136998 A JP H10136998A
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gene
mrna
seq
cdna
primer
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JP8299136A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Otsuka
喜彦 大塚
Mitsunobu Shimazu
光伸 島津
Masakazu Miura
雅一 三浦
Hiromi Hatake
啓視 畠
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Mitsubishi Kagaku VCL Inc
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku VCL Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビタミンDレセプター遺伝子などの遺伝子の
発現量と遺伝子多型を同時にあるいは遺伝子多型を利用
して該遺伝子の発現量を対立遺伝子ごとに解析する方法
を提供する。 【解決手段】 検出対象のmRNAから逆転写により合
成されたcDNAを、該cDNAに対応する部分の染色
体DNAと共に増幅させることを含む競合PCR法によ
るmRNA定量法において、増幅させる塩基配列が一つ
のエクソン内にあり、前記塩基配列内に遺伝子多型があ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組織中のmRNAの
定量法に関し、詳しくはビタミンDレセプター遺伝子な
どの遺伝子の発現量と遺伝子の多型を同時にあるいは遺
伝子の多型を利用して該遺伝子の発現量を対立遺伝子ご
とに解析する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】組織中又は細胞中の特定の遺伝子発現量
を正確に測定することは病態の診断や薬剤の効果判定に
極めて重要な情報を与え、さらに、対立遺伝子ごとの発
現量を測定することは、生体内の状態を詳細に調べる上
で非常に有用である。しかしながら、組織中のmRNA
を正確に定量することは、その存在量が少ないために困
難であり、微量なmRNAを扱える定量性の高い方法が
望まれている。
【0003】従来、微量なmRNAの定量は、mRNA
から逆転写によりcDNAを合成し、これを、カリー・
バンクス・マリスが示した遺伝子増幅法(Polymerase C
hainReaction法、以下PCR法と略す;特開昭61−2
74697号公報および特開昭62−281号公報)に
より増幅するというRT−PCR法(ダニエルAラボー
リーら、サイエンス241巻、708〜712頁、19
88年)を利用して行われている。これは、組織中の目
的とする特定の遺伝子(例えば、種々のホルモンレセプ
ター遺伝子等)と、細胞中で構成的に発現している目的
とする特定の遺伝子とは塩基配列の全く異なる遺伝子
(例えば、β−アクチン遺伝子)とに由来するmRNA
を、同時に逆転写して各々のcDNAをつくり、これら
をPCR法にて増幅し、両者の比率により細胞中の相対
的な発現量を比較するというものである。この方法は、
発現量を比較する二つのmRNAの塩基配列が異なるの
で、逆転写酵素を用いてcDNAを合成する際のcDN
A合成効率が異なり、さらに、合成したcDNAをPC
Rにより増幅させる際にも、その増幅効果が異なるとい
う欠点を有し、定量性に問題がある。したがって、この
方法では、あくまでも発現の有無の確認ないしは相対的
な発現量の比較しか行なえない。
【0004】この方法の改良法として、競合鋳型として
目的の配列とホモロガスな配列を用いる方法が実施され
ている。すなわち、目的遺伝子に予め人為的変異を導入
(例えば、従来存在しない制限酵素認識部位を挿入、ま
たは、制限酵素認識部位を除去)しておき、この変異を
人為的に導入した遺伝子からmRNAを調製し、目的の
mRNAとは区別出来るようにしておく。これを検体に
添加して同時にPCRを行うと、塩基配列が一部のみ異
なるだけで他の領域は同一であるため、増幅効率が同等
となり定量性が向上する(マイケル・ベッカー・アンド
レら、ニュークレイック・アッシド・リサーチ 17
巻、9437〜9446頁、1989年)。しかしなが
ら、上記の改良法では、目的とする遺伝子に対応した点
突然変異等を導入したmRNAを予め調製しておく必要
がある。また、サンプルの重量ないしは抽出した全mR
NAの量を別に測定しておく必要があり、サンプルが多
量にないと組織中の目的とするmRNA量の正確な定量
を行えないという欠点がある。
【0005】この欠点を補えるものとして、谷口の方法
(特開平7−231797号公報)が提案されている。
この方法によれば、mRNA由来のcDNAを、染色体
のDNAと直接比較定量することにより、変異を導入し
たmRNAを予め調製する必要がなく、さらに、サンプ
ルの重量ないしは抽出した全mRNAの量を測定する必
要がなく、サンプルより抽出した核酸を全てPCRのサ
ンプルとして用いることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、制限酵素断片長
多型(RFLP)などの遺伝子の多型と疾患との関連が
明らかにされつつある。例えば、ビタミンDレセプター
の対立遺伝子からは、骨無機質密度、骨代謝回転および
ビタミンD内分泌系の生理学的関連などが予測される。
そのため、このような遺伝子の多型とmRNAの発現を
定量的に解析する方法が求められている。
【0007】また、このような解析に用いるサンプルは
微量であることが多い。例えば、ビタミンDレセプター
遺伝子の場合には、初代培養の骨細胞の分析が必要とな
る。従って、本発明の目的は、微量のサンプルに対して
も適用することのできる、遺伝子の発現量と遺伝子の多
型を同時にあるいは遺伝子の多型を利用して該遺伝子の
発現量を対立遺伝子ごとに定量的に解析できる方法を開
発することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、微量のサンプルに
も適用できる、染色体DNAを競合物とすることを特徴
とする競合PCR法によるmRNAの定量法において、
増幅するmRNAの塩基配列を設定する際に、遺伝子多
型領域を含むようにすることにより、mRNAの発現量
を対立遺伝子ごとに区別して定量することが可能になる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のmRNA定量法は、検
出対象のmRNAから逆転写により合成されたcDNA
を、該cDNAに対応する部分の染色体DNAと共に増
幅させることを含む競合PCR法による定量法におい
て、増幅させる塩基配列が一つのエクソン内にあり、前
記塩基配列内に遺伝子の多型があることを特徴とするも
のである。
【0010】好ましい態様では、組織もしくは細胞より
抽出したmRNAを鋳型にして、cDNAを合成する際
に、新たに制限酵素認識部位を導入するか、または、制
限酵素認識部位を除去するように設定したオリゴヌクレ
オチド(RTプライマー)が用いられる。
【0011】本発明方法によれば、遺伝子のmRNA由
来のcDNAを、染色体のDNAと直接比較定量するこ
とにより、変異を導入したmRNAを予め調製する必要
がなく、さらに、サンプルの重量ないしは抽出した全m
RNAの量を測定する必要がないため、サンプルより抽
出した核酸を全てPCRのサンプルとして用いることが
可能となるのに加え、mRNAの定量に用いる塩基配列
を設定する際に、遺伝子多型領域を含むようにすること
により、mRNAの発現量を対立遺伝子ごとに区別して
定量することが可能となる。該遺伝子がビタミンDレセ
プター遺伝子の場合には、この方法は骨粗鬆症のリスク
ファクターの検査となりうると予想される。
【0012】mRNAの定量を行う遺伝子がビタミンD
レセプター遺伝子である場合には、増幅させる塩基配列
がビタミンDレセプター遺伝子exon9内にあり、遺
伝子の多型がTaqI認識部位(T’CGA)の有無で
あることが好ましい。この場合、RTプライマーが配列
番号1または配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴ
ヌクレオチドであり、増幅の際に用いる同一エクソン内
のオリゴヌクレオチドが、RTプライマーが配列番号1
の塩基配列を有する場合には、配列番号3および配列番
号4に示す塩基配列を有し、RTプライマーが配列番号
2の塩基配列を有する場合には、配列番号3および配列
番号5に示す塩基配列を有するものであることがさらに
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法を、以下に詳細に説
明する。先ず、本発明の基礎となる競合PCR法につい
て説明する。この方法の特徴は、一組のPCRプライマ
ーを用いてmRNA由来のcDNAと該cDNAに対応
する部分の染色体DNAとをPCR法により同時に増幅
させることによりmRNAの発現量を特異的にかつ定量
的に検出することにある。なお、ここで、「cDNAに
対応する部分」とは、同一プライマーを用いたPCR法
によって該cDNAと同様に増幅される部分を意味す
る。
【0014】この方法は、通常には、サンプルから抽出
されたmRNAから逆転写によりcDNAを合成し、次
いで、PCRを行い、その合成されたcDNAと染色体
DNAとを同時に増幅し、生成した該cDNAおよび染
色体DNA由来の増幅産物の量を比較することにより、
目的mRNAを定量するものである。この染色体DNA
は、mRNAと同時に抽出されたものでもよいし、既知
量を添加したものであってもよい。また、増幅産物の量
の比較のためには、増幅産物をcDNA由来のものと染
色体DNA由来のものとに区別する必要があるので、c
DNAの合成の際に、分子量あるいは制限酵素認識部位
が染色体DNAと相違するように、逆転写のためのプラ
イマー(RTプライマー)を設定する。好ましくは、制
限酵素認識部位が異なるcDNAが合成されるように設
定する。この場合、組織もしくは細胞より抽出したmR
NAを鋳型にして、cDNAを合成する際に、新たに制
限酵素認識部位を導入するか、または、制限酵素認識部
位を除去するように設定したオリゴヌクレオチドを用い
る。
【0015】このような競合PCR法としては、例え
ば、特開平7−231797号公報に記載されている方
法がある。以下、好ましい態様の競合PCR法を、より
具体的に説明する。先ず、目的遺伝子の特定のエクソン
部分の3’側の領域に、新たな制限酵素認識部位を生じ
るように、または元々存在する制限酵素認識部位を除去
するように塩基置換した相補的RTプライマーにより、
mRNAからcDNAを合成する。これより後述するP
CRで同時に増幅する染色体DNAには元来存在しなか
った制限酵素認識部位が導入あるいは除去されたcDN
Aが合成される。この反応後に塩基置換した相補的RT
プライマーが残存する場合には、エクソヌクレアーゼI
等を用いて除去することができる。次に、制限酵素認識
部位が導入あるいは除去されたcDNAと元の塩基配列
を保有している染色体DNAとについて、前述のRTプ
ライマーの制限酵素認識部位を導入あるいは除去するよ
うに塩基置換した領域を含まない5’領域の少なくとも
一部と同一の配列のプライマーとcDNAの3’側の相
補的プライマーの二つのプライマーを用いてPCR法を
行うことにより、cDNA由来の新たに制限酵素認識部
位の導入あるいは除去された変異型PCR産物と染色体
DNA由来野性型PCR産物とが増幅される。これら二
つのPCR産物は同じ一組のPCRプライマーにより合
成され、また、ほとんど同じ配列を有するため、合成さ
れる比率は全く同じと考えられる。これによりPCR段
階での増幅効率の差は除外できる。増幅されたPCR産
物を前述した制限酵素認識部位に対応する制限酵素で処
理し、電気泳動により分子量に基づく分離を行い、染色
体由来のPCR産物とcDNA由来PCR産物を区別す
る。分離したPCR産物は、エチジウムブロマイド染色
等により検出することができる。また、検出したバンド
の濃度は、目視ないしはデンシトメター等により定量す
ることができる。この方法の概略を図1に示す。
【0016】サンプルから抽出した全核酸をcDNA合
成および増幅にそのまま用いた場合、染色体中の遺伝子
の量は、癌遺伝子等の遺伝子増幅もしくは欠失が起きて
いる場合を除いて常に一定であり、また、増幅に先だっ
て染色体DNAを添加する場合も添加量は既知であるか
ら、上記PCR法による染色体DNA由来PCR産物と
cDNA由来PCR産物の量の比較によってmRNAの
定量ができる。
【0017】そして、本発明は、上記の競合PCR法に
よるmRNAの定量法において、増幅させる塩基配列が
一つのエクソン内にあり、その塩基配列内に遺伝子の多
型があることを特徴とする。すなわち、遺伝子の多型を
有し且つ一つのエクソン内である部分をmRNAの定量
に用いる塩基配列として設定することを特徴とする。
【0018】本発明の方法の具体例としては、 1)定量対象のmRNAからのcDNAの合成を、新た
な制限酵素認識部位を導入するか、又は制限酵素認識部
位を除去するように選択したRTプライマーを用いて行
い、 2)工程1)で合成したcDNAと、該cDNAに対応
する部分の染色体DNAとを共に、遺伝子の多型を有し
且つ一つのエクソン内である部分で増幅させ得る塩基配
列を有する一組のPCRプライマーを用いて、PCRを
行い、工程1)のRTプライマー配列部分を含むPCR
産物を得、 3)工程2)で増幅したPCR産物を、工程1)で導入
又は除去した制限酵素認識部位に対応する制限酵素で処
理し、 4)工程3)で処理したPCR産物を、分子量の違いに
よりcDNA由来のPCR産物と染色体DNA由来のP
CR産物と区別し、 5)各々のPCR産物を定量することにより、検出対象
のmRNAを定量する各工程を含む方法が挙げられる。
【0019】この例のように、遺伝子の多型が、制限酵
素認識部位である場合には、その部位に対応する制限酵
素による処理および電気泳動により、遺伝子の多型を検
出することが可能であるが、多型はこれに限定されるも
のではない。例えば、塩基配列の一部の欠失などPCR
産物の分子量に影響を与えるものである場合には、PC
R産物をそのまま電気泳動に付することにより多型を検
出することが可能である。
【0020】以下、mRNAの発現量を測定する遺伝子
として、骨粗鬆症のリスクファクターと言われているビ
タミンDレセプター遺伝子を例にとって説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0021】例えば、増幅する部分として、骨無機成分
濃度に関連するexon9のTaqI RFLP領域を
採用する。TaqIの認識部位はT’CGAであ
る(「’」は切断部位を示す)。TaqI認識部位は、
オステオカルシンや骨密度とその多型が強く連鎖するこ
とが知られているBsmI認識部位と強く連鎖してい
る。
【0022】RTプライマーは、制限酵素認識部位が導
入されるかまたは除去されるように設定する。このよう
に設定したRTプライマーの例としては、配列番号1ま
たは配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオ
チドが挙げられる。配列番号1のRTプライマーは、B
glII認識部位を除去するように設定したものであり、
配列番号2のRTプライマーは、KpnI認識部位を導
入するように設定したものである。
【0023】増幅のためのプライマー(PCRプライマ
ー)は、多型領域が含まれるように設定する。アンチセ
ンスPCRプライマーは、RTプライマーにより導入さ
れるかまたは除去される制限酵素認識部位の塩基配列が
増幅されるように設定する。通常には、アンチセンスP
CRプライマーとしては、RTプライマーの5’末端側
の部分(改変した制限酵素認識部位よりも5’末端側の
部分)と同一の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが
使用される。このように設定したPCRプライマーの例
としては、センスPCRプライマーとして配列番号3に
示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、アンチセン
スPCRプライマーとして配列番号4又は5に示す塩基
配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。配列番
号1のRTプライマーがcDNAの合成に使用された場
合には、配列番号4のPCRプライマーが、配列番号2
のRTプライマーが使用された場合には、配列番号5の
PCRプライマーが使用される。
【0024】上記のRTプライマーおよびPCRプライ
マーを使用して、cDNAの合成およびPCRを行って
得られたPCR産物を、制限酵素による処理および該処
理物の電気泳動により解析する。
【0025】図2に示されるように、配列番号1のRT
プライマーを用いてcDNAを合成し、配列番号3およ
び4のPCRプライマーを用いて増幅を行って得られた
PCR産物をBglIIにより消化し、電気泳動を行う
と、274bpのcDNA由来PCR産物(以下、mR
NA由来PCR産物という)のフラグメントと250b
pの染色体DNA由来PCR産物(以下、DNA由来P
CR産物という)のフラグメントとが検出される。これ
らのPCR産物の量を比較することにより、mRNAの
定量を行うことができる。また、PCR産物をTaqI
により消化し、電気泳動を行うと、201bpのt型
(TaqI認識部位有り)を示すフラグメントと232
bpのT型(TaqI認識部位無し)を示すフラグメン
トが検出され、これにより遺伝子型を決定することがで
きる。
【0026】配列番号2のRTプライマーと配列番号3
および5のPCRプライマーを使用した場合には、制限
酵素としてKpnIを使用すると、179bpのmRN
A由来PCR産物のフラグメントと206bpのDNA
由来PCR産物のフラグメントとが検出される。これら
のPCR産物の量を比較することにより、mRNAの定
量を行うことができる。また、PCR産物をKpnIお
よびTaqIにより消化し、電気泳動を行うと、mRN
A由来PCR産物から、148bpのt型を示すフラグ
メントと179bpのT型を示すフラグメントが、DN
A由来PCR産物から、175bpのt型を示すフラグ
メントと206bpのT型を示すフラグメントが検出さ
れ、これによりmRNA由来遺伝子型とDNA由来遺伝
子型を同時に決定することができる。
【0027】従って、ビタミンDレセプター遺伝子の発
現量と、exon9のTaqI RFLP領域の多型を
同時に解析でき、または、該遺伝子の発現量を対立遺伝
子(t型およびT型)ごとに解析できる。また、この結
果に基づいて、この多型の部位と強く連鎖しているBs
mI部位などの部位の多型を判定できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0029】
【実施例1】培養細胞HL60の1×104、5×1
4、1×105、5×105細胞のそれぞれからスマイ
テストR&Dキット(住友金属)でDNAとRNAを抽
出し、最終液量15μlとした。このうち7μlを新し
いチューブに移し、配列番号1に示す塩基配列を有する
100fmol/μlのRTプライマー1μlと滅菌純
水4μlを添加し、65℃で5分間加熱後、氷中にて急
冷し、10×緩衝液(100mMトリス緩衝液pH8.
3、500mM KCl、15mM MgCl2、0.1
%(w/v)ゼラチン)2μl、0.5U/μlのRN
ase阻害剤0.2μl、各10mMのdNTP0.3
μl、10U/μlのAMV由来の逆転写酵素0.8μ
lを加え、最終液量20μlとして42℃で1時間、c
DNA合成を行った。
【0030】cDNA反応終了後、65℃、10min
の加熱により、反応を停止させた。このcDNA反応物
を鋳型にして、配列番号3および4に示す塩基配列を有
するPCRプライマーを用いて以下の反応液組成、反応
条件のもとPCR反応を行った。
【0031】
【表1】 反応液組成: 10×緩衝液(100mMトリス緩衝液pH8.3、500mM KCl、15 mM MgC12、0.1%(w/v)ゼラチン) 1.5μl cDNA反応物 10μl 25pmol/μlに調製した配列番号2および3に示す塩基配列を有するPC Rプライマー 各0.25μl 各10mM dNTP 0.3μl DMSO 0.12μl TaqDNAポリメラーゼ(5U/μl) 0.2μl 最終液量を25μlとした。 反応条件: 94℃ 3分 (94℃ 30秒、62℃ 30秒、72℃ 1分)3
5サイクル 使用機器:Perkin Elmer 2400
【0032】このPCR産物を定量するために反応液1
0μlを新しいチューブに移し、750nmol Na
Cl、150nmol MgCl2、150nmolトリ
ス緩衝液(pH7.5)と2.0U BglIIを加え滅
菌純水で最終液量15μlにして37℃で1時間反応さ
せた。
【0033】遺伝子多型用として反応液を10μl、新
しいチューブに移し、1.5μmol NaCl、75
nmol MgCl2、1.5mol 2−メルカプトエ
タノール、150nmolトリス緩衝液(pH8.0)
と2.0U TaqIを加え、滅菌純水で最終液量15
μlにして65℃で1時間反応を行った。
【0034】各制限酵素で反応処理を行ったPCR産物
をアガロース電気泳動により分離し、エチジウムブロマ
イド染色を行った。その結果、mRNA定量用のBgl
II処理PCR産物は、mRNA由来の274bpと染
色体DNA由来の250bpのバンドとして検出され
た。各々の産物の定量結果は図4に示す。また、遺伝子
多型検出用のTaqI処理PCR産物については、この
制限酵素で消化できるものは201bpのバンドとし
て、消化できないものは232bpのバンドとして検出
された。検出結果を図3に示す。201bpのバンドの
み検出される場合はTT型、232bpのバンドのみ検
出される場合はtt型、両方が検出される場合はTt型
である。これらは、TaqI認識部位多型がBsmI認
識部位多型と強く連鎖しているので、それぞれ、bb
型、BB型、Bb型と判定できる。
【0035】
【実施例2】小腸組織(ヒト女性小腸由来(クローンテ
ック))よりRNAをISOGEN(ニッポンジーン)
で抽出し、Oligotex−dT30Super(T
aKaRa)を用いてpolyA選択RNAを得た。こ
のpolyA選択RNAの一部を使って、分光光度計に
より濃度を測定し10ng/μlとなるように調製し
た。このRNA(10ng/μl)の0.1、0.5、
1.0、5.0、10μgのそれぞれに、ビタミンDレ
セプターの発現がないことを確認したヒトリンパ球由来
polyA選択RNAを加え、総量1μgのRNAにし
て、配列番号1または配列番号2に示す塩基配列を有す
る100fmol/μlのRTプライマー1μlと滅菌
純水を添加し最終液量12μlとして、65℃5分間加
熱後、氷中にて急冷した。これに、10×緩衝液(10
0mMトリス緩衝液pH8.3、500mM KCl、
15mM MgCl2、0.1%(w/v)ゼラチン)2
μl、0.5U/μl RNase阻害剤0.2μl、
各10mMのdNTP、0.3μl、AMV由来の逆転
写酵素(10U/μl)0.8μlを加え、滅菌純水で
最終液量20μlとして42℃、1時間、それぞれcD
NA合成を行った。
【0036】cDNA反応終了後、65℃、10min
の加熱により、反応を停止させた。各反応終了液を新し
いチューブに1μl移し、さらに競合物として健常者よ
り常法に従って抽出した染色体DNAを100ngを同
チューブに添加し、配列番号1に示す塩基配列を有する
RTプライマーにてcDNAを合成したものは配列番号
3および4に示す塩基配列を有するPCRプライマーを
用いて、配列番号2に示す塩基配列を有するRTプライ
マーにてcDNAを合成したものは配列番号3および5
に示す塩基配列を有するPCRプライマーを用いて以下
の反応条件のもとPCR反応を行った。
【0037】
【表2】 反応液組成: 10×緩衝液(100mMトリス緩衝液pH8.3、500mM KCl、15 mM MgCl2、0.1%(w/v)ゼラチン) 2.5μl 各10mMのdNTP 0.3μl DMSO 0.12μl Taqポリメラーゼ(5U/μl) 0.2μl 最終液量を25μlとした。 反応条件: 94℃ 3分 (94℃ 30秒、62℃ 30秒、72℃ 1分)3
5サイクル 使用機器:Perkin Elmer 2400
【0038】このPCR産物を定量するために反応液1
0μlを新しいチューブに移し、750nmol Na
Cl、150nmol MgCl2、150nmolトリ
ス緩衝液(pH7.5)を含む溶液と2.0U BglI
Iを加え最終液量15μlにして37℃1時間反応させ
た。
【0039】また、遺伝子多型を検出するために反応液
を10μl、新しいチューブに移し、1.5μmol
NaCl、75nmol MgCl2、1.5mol 2
−メルカプトエタノール、150nmolトリス緩衝液
(pH8.0)を含む溶液と2.0U TaqIを加
え、最終液量15μlにして65℃1時間反応を行っ
た。
【0040】各制限酵素処理を行ったPCR産物をアガ
ロースゲル電気泳動に付した後、エチジウムブロマイド
染色により定量を行った。結果は図5に示す。
【0041】
【発明の効果】本発明は、PCR法を基本とし、さらに
それを発展させた、ビタミンDレセプターなどの遺伝子
のmRNAの定量と遺伝子多型解析が同時にできるmR
NAの定量法を提供する。従来別々に定量と遺伝子多型
解析を行っていたものが同じ反応系において検出解析す
ることができ、従来法より優れた定量法である。
【0042】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACAGGCTGTC CTAGTCAGGA GATATCATTG CCAAA 35
【0043】配列番号:2 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GCACTCAGGC TGGAAGGAGA GGCAGCGGTA CCGCTT 36
【0044】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATCGTCCTGG GGTGCAGGAC 20
【0045】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ACAGGCTGTC CTAGTCAGGA 20
【0046】配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GCACTCAGGC TGGAAGGAGA 20
【図面の簡単な説明】
【図1】競合的PCR法の概略を示す。
【図2】本発明に用いたオリゴヌクレオチドおよび制限
酵素で消化したPCR産物の概略を示す。
【図3】制限酵素処理後のPCR産物の検出結果を示
す。
【図4】mRNAの定量結果を示す。
【図5】mRNAの定量結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 啓視 東京都板橋区志村3丁目30番1号 株式会 社三菱化学ビーシーエル内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象のmRNAから逆転写により合
    成されたcDNAを、該cDNAに対応する部分の染色
    体DNAと共に増幅させることを含む競合PCR法によ
    るmRNA定量法において、 増幅させる塩基配列が一つのエクソン内にあり、前記塩
    基配列内に遺伝子の多型があることを特徴とするmRN
    A定量法。
  2. 【請求項2】 組織もしくは細胞より抽出したmRNA
    を鋳型にして、cDNAを合成する際に、新たに制限酵
    素認識部位を導入するか、または、制限酵素認識部位を
    除去するように設定したオリゴヌクレオチド(RTプラ
    イマー)を用いることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 mRNAの定量を行う遺伝子がビタミン
    Dレセプター遺伝子であり、増幅させる塩基配列がビタ
    ミンDレセプター遺伝子exon9内にあり、遺伝子の
    多型がTaqI認識部位(T’CGA)の有無であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 RTプライマーが配列番号1または配列
    番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであ
    り、増幅の際に用いる同一エクソン内のオリゴヌクレオ
    チドが、RTプライマーが配列番号1の塩基配列を有す
    る場合には、配列番号3および配列番号4に示す塩基配
    列を有し、RTプライマーが配列番号2の塩基配列を有
    する場合には、配列番号3および配列番号5に示す塩基
    配列を有するものであることを特徴とする請求項3記載
    の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000032763A1 (fr) * 1998-11-27 2000-06-08 Takara Shuzo Co., Ltd. Synthese d'adn complementaire

Cited By (3)

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WO2000032763A1 (fr) * 1998-11-27 2000-06-08 Takara Shuzo Co., Ltd. Synthese d'adn complementaire
US6485917B1 (en) 1998-11-27 2002-11-26 Takara Shuzo Co., Ltd. Method for synthesizing cDNA
US6949634B2 (en) 1998-11-27 2005-09-27 Takara Shuzo Co., Ltd. Method for synthesizing cDNA

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