JP2001522586A - 慢性閉塞性気道疾患に対する診断法および治療法 - Google Patents

慢性閉塞性気道疾患に対する診断法および治療法

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Abstract

(57)【要約】 被験者が慢性閉塞性気道疾患を発生する罹患性と共に、疾患の相対的重症度を予測する、多型を検出するための方法およびキットが記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の背景 喘息は、気道の炎症および反応性亢進から生じる可逆的な気流閉塞のための、
咳、胸苦しさ、息切れ、および喘鳴をすることにより特徴付けられる慢性肺疾患
である。敏感な個人において、アレルゲンの吸入は気道裏打ち(lining)
の炎症を生じ、そして喘息の突発を促進する可能性がある。喘息はまた、気道感
染など、他の炎症性刺激の結果起こる可能性もある。特定の食物に敏感になった
個人は、これらの物質の摂取後、ひどいそして命を脅かす可能性がある反応を起
こす可能性がある。喘息は、かつて「単純な」過敏反応と考えられていたが、現
在、おそらく広い範囲の原因および寄与する要因を持ち、その中心的特性として
気道炎症がある、複雑な状態であることが知られている。肺の研究者は、多くの
相互作用する側面があるという意味で、喘息をアテローム性動脈硬化症に例えて
いる。寄与する要因の多くは、現在、喘息過程で起こる化学反応;細胞−細胞伝
達の性質、1つの細胞または1つの種類の細胞から別のものに情報が送られる方
法;および反応性または他の上皮細胞の役割を含め、徹底的な研究下にある。ア
レルギーは、喘息症状の発生および重症度の両方に寄与する。アレルギー(即時
過敏症としても知られる)は、通常寛容されそして一般的に無害であると見なさ
れる物質に対する異常な敏感さとして、そして誘発事象が用量非依存性であるた
め、物質に対する用量依存性特異体質反応とは対照的であるとして定義される。
すべての免疫反応は、異物に対する曝露の結果として起こるが、アレルギー性反
応は免疫感作または天然感染により与えられる防御的または亢進された「免疫性
」とは異なる。喘息の子供の約4分の1のみが、気道が成人の大きさに達したと
き、該異常を脱する;残りにとって、該異常は一生の苦難である。米国肺協会(
American Lung Association)により公表された研究
報告によれば、該異常は、女性の85パーセントおよび男性の72パーセントで
持続する(Journal of Allergy and Clinical
Immunology Vol.96:5 11/96)。
【0002】 1993年に記録されている喘息による死亡は米国のみで4,964件であっ
た。子供の喘息死亡の発生は、1980年から1993年に倍になった。15お
よび24歳の間の年齢の人の間で、死亡数は、1980年の100万人当たり2
.5件から1993年の100万人当たり5.2件に上昇した。1993年には
、喘息は342件の死亡、および年齢25歳以下の人のおよそ198,000の
入院の原因となった。
【0003】 喘息のための死亡の21パーセントをアフリカ系アメリカ人が占める。アフリ
カ系アメリカ人の子供は、白人系の子供より、喘息で死ぬ可能性が4倍高い。1
5および24歳の間のアフリカ系アメリカ人男性は、死亡の最大の危険性を有す
る。
【0004】 家族歴が陽性であることは、喘息に関連付けられる最も強い危険因子の1つで
ある。陽性の同定はしかし、困難である可能性がある。喘息は、先天的異常、感
染性異常、および嚢胞性線維症などの他の異常と共存する可能性がある。病歴が
変則的であるかまたはすぐれた医学的管理に対する反応が劣っている場合、さら
なる指標が考慮される。本疾患の管理に経験が少ない医師は、根底にある原因が
喘息であると気づかずに、これらの症状を感染として治療する可能性がある。
【0005】 子供における喘息の同定は、臨床的手がかりに関する両親の観察に非常に頼っ
ている。正しい同定には、小児喘息の特異性を認識する喘息およびアレルギー専
門家が必要である。胸苦しさなどのより微妙な喘息徴候は、特に子供により、見
逃される可能性がある。再発するまたは定期的な咳発作は、小さい子供における
喘息の唯一よく見られる観察可能な症状である可能性がある。しかし、気管支拡
張療法に対する好ましい臨床反応の立証は、喘息の存在を確認するのを補助する
可能性がある。
【0006】 一般的に、喘息に対し罹患性である人の早期の同定に関する、非常な必要性が
ある。COADは治療しなければ慢性および進行性疾患であるため、早期同定に
より、最も速い段階での適切な治療の執行が容易になり、それにより、有望な結
果の可能性が増加するであろう。
【0007】 2.発明の概要 1つの側面において、本発明は、被験者が慢性閉塞性気道疾患を発生する罹患
性を決定するための、または該被験者における慢性閉塞性気道疾患の迅速性およ
び/または究極的な進行に対し予測するためのアッセイを特徴とする。1つの態
様において、該方法は、被験者から得た核酸試料の遺伝子型を決定し、IL−1
炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子を決定する段階を含む。
【0008】 例えば、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子は:1)核酸試料およ
び被験者におけるIL−1ハプロタイプの対立遺伝子に対しハイブリダイズする
ことが可能である単数または複数のプローブの間のハイブリダイゼーション反応
を行うこと;2)IL−1ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子の少なく
とも一部の配列を決定すること;または3)IL−1ハプロタイプの少なくとも
1つの対立遺伝子またはそれらの構成要素の電気泳動移動度を測定することによ
り、検出することが可能である。別の好ましい態様において、検出段階を行う前
に、IL−1ハプロタイプの構成要素を増幅段階にさらす。好ましい増幅段階は
:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅
(SDA)、クローニング、および上記の変形(例えば、RT−PCRおよび対
立遺伝子特異的増幅)からなる群より選択される。特に好ましい態様において、
試料を、IL−1ハプロタイプの対立遺伝子のセンスまたはアンチセンスに対し
5’および3’にハイブリダイズする一組のプライマーとハイブリダイズさせ、
そしてPCR増幅にさらす。
【0009】 別の側面において、本発明は、上述のアッセイを行うためのキットを特徴とす
る。該キットは、DNA試料収集手段および被験者のIL−1ハプロタイプの少
なくとも1つの対立遺伝子を決定するための手段を含んでもよい。該キットはま
た、コントロール試料または標準も含んでもよい。
【0010】 本明細書に記載されるアッセイおよびキットを用いて得られた情報は(単独で
、または慢性閉塞性気道疾患に寄与する、別の遺伝的欠陥または環境的要因に関
する情報と共に)、被験者が慢性閉塞性気道疾患を発生する可能性が高いかどう
かを予測するのに有用である。さらに、該情報は単独で、または慢性閉塞性気道
疾患に寄与する、別の遺伝的欠陥に関する情報(慢性閉塞性気道疾患の遺伝的プ
ロフィール)と共に、該個人の遺伝的プロフィールに対し治療をあつらえること
を可能にする。例えば、本情報は医師が:1)慢性閉塞性気道疾患を生じるカス
ケードの分子的基礎に注意を向けた薬剤をより効果的に処方し;そして2)特定
の患者に対する特定の薬剤の適切な投薬量をよりよく決定するのを可能にするこ
とができる。最大の臨床利益を示すと期待される患者集団を標的とすることがで
きれば:1)期待に反する市場結果の市場化された薬剤の再配置;2)患者サブ
グループ特異的である、安全性または効能制限の結果として臨床的開発が中断さ
れている、薬剤候補の救出;および3)薬剤候補の加速したそしてより安価な開
発およびより最適な薬剤標識を可能にすることができる。
【0011】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項により明白と
なるであろう。
【0012】 3.発明の詳細な説明 3.1 定義 便宜のため、本明細書、実施例、および付随する請求の範囲に使用される特定
の用語および句の意味を以下に提供する。
【0013】 「対立遺伝子(Genotyping)」という用語は、特定のマーカーでの
遺伝子の代替型を指す。被験者が2つの同一の対立遺伝子を有する場合、該被験
者はホモ接合体であると言われる。被験者が2つの異なる対立遺伝子を有する場
合、該被験者はヘテロ接合体であると言われる。
【0014】 「慢性閉塞性肺疾患」または「慢性閉塞性気道疾患」(COAD)は、共通の
気流制限または気流閉塞を有する異常の複合体を記述するのに用いられる用語で
ある。COADには、喘息、気腫、慢性気管支炎および慢性細気管支炎が含まれ
る。COADにおける気道閉塞の部位は、上部気道から最も末梢の細気管支まで
多様である。気道疾患のほとんどの正確な原因はよく理解されていない。気道疾
患の定義が混乱を増している。慢性気管支炎は、臨床的に咳および痰産生の慢性
的存在により定義されている。一方、気腫は、解剖学的に、肺組織の破壊および
肺胞嚢の増大に基づき定義されている。COADはすべて疾患パラメーターとし
て気道狭窄を有し、そしてCOADはまた、疾患過程の構成要素として炎症を共
有する。
【0015】 「遺伝子型決定」は、特定の疾患を生じるまたは特定の疾患に寄与する突然変
異または多型(polymorphism)を直接、または疾患を引き起こすま
たは疾患に寄与する遺伝子と連鎖不均衡にある突然変異または多型(マーカー)
の検出に基づき、同定するための、個人のゲノムDNA(またはそれに対応する
核酸)の解析を指す。
【0016】 「ハプロタイプ」という用語は、群として共に遺伝する(連鎖不均衡にある)
一組の対立遺伝子を指す。本明細書において、ハプロタイプは、統計学的に有意
なレベル(Pcorr≦0.05)で出現するハプロタイプを含むと定義される。本
明細書において、「IL−1ハプロタイプ」という句は、IL−1A、IL−1
BおよびIL−1RN遺伝子の対立遺伝子およびそれらと不均衡にあるマーカー
を含むIL−1遺伝子座におけるハプロタイプを指す。「炎症誘発性IL−1ハ
プロタイプ」は、炎症誘発性放出および/または活性過剰(例えば、機能的なI
L−1αおよび/またはIL−1βの上方制御および/または機能的なIL−1
受容体アンタゴニストの下方制御)と関連付けられるハプロタイプを指す。
【0017】 「連鎖不均衡」は、既定のコントロール集団における各対立遺伝子出現の独立
した頻度から期待されるであろうより、高い頻度で2つの対立遺伝子が共遺伝す
ることを指す。独立して遺伝する2つの対立遺伝子の期待される出現頻度は、第
一の対立遺伝子の頻度に第二の対立遺伝子の頻度を乗じたものである。期待され
る頻度で共出現する対立遺伝子は、「連鎖均衡」にあると言われる。
【0018】 連鎖不均衡にある多型性マーカーの例には:IL−1B対立遺伝子2(−51
1)、IL−1A対立遺伝子4(222/223)、IL−1A対立遺伝子1(
gz5/gz6)、IL−1A対立遺伝子1(−889)、IL−1B対立遺伝
子2(+6912)、IL−1B対立遺伝子1(+3954)、IL−1B/I
L−1RN遺伝子間領域(gaat.p33330)および(Y31)、IL−
1RN対立遺伝子2(+2018)、IL−1RN対立遺伝子2(VNTR)お
よびIL−1RN対立遺伝子2(VNTR)と連鎖不均衡にある3つの多型が含
まれる(Clayら,(1996)Hum Genet 97:723−726
を参照されたい)。
【0019】 「多型性」という用語は、遺伝子またはその部分(例えば対立遺伝子変異体)
の1つ以上の型の共存を指す。少なくとも2つの異なる型、すなわち2つの異な
るヌクレオチド配列がある遺伝子部分は、「遺伝子の多型領域」と呼ばれる。多
型領域は、異なる対立遺伝子でその同一性が異なる、単一のヌクレオチドであっ
てもよい。多型領域はまた、長さ数ヌクレオチドであってもよい。
【0020】 3.2 予測医学 3.2.1 予後アッセイおよびキット 以下の実施例に詳細に記載される、IL−1B対立遺伝子2(+3954)お
よびIL−1B対立遺伝子2(−511)が喘息と有意に関連付けられるという
発見に基づき、本発明は、被験者が慢性閉塞性気道疾患を有するまたは発生する
可能性があるかどうかを決定するための、および/または被験者におけるこうし
た疾患の度合いまたは進行を予測するための方法およびキットを提供する。
【0021】 1つの態様において、該方法は、被験者から得た核酸試料の遺伝子型を決定し
、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子を検出するこ
とを含む。例えば、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子は、例えば、
IL−1遺伝子またはタンパク質の転写速度またはmRNAおよび/またはタン
パク質レベルを、例えばノーザンブロット解析、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(
RT−PCR)、in situハイブリダイゼーション、免疫沈降、ウェスタ
ンブロットハイブリダイゼーション、または免疫組織化学により、測定すること
によって、検出することが可能である。1つの方法にしたがい、細胞を被験者か
ら得、そしてIL−1タンパク質またはmRNAレベルを測定し、そして健康な
被験者におけるIL−1タンパク質またはmRNAのレベルと比較する。
【0022】 別の態様において、該方法は、IL−1タンパク質の少なくとも1つの活性を
測定することを含む。例えば、被験者のIL−1αまたはβタンパク質の受容体
との親和性定数を測定してもよい。得られた結果をその後、慢性閉塞性気道疾患
を有することが知られる被験者に行った同じ解析からの結果と比較してもよい。
【0023】 好ましい態様において、該方法は、被験者から得られた核酸試料の遺伝子型を
決定し、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子を決定
することとして特徴付けられる。典型的な態様において、IL−1炎症誘発性ハ
プロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子のセンスまたはアンチセンス配列に対
しハイブリダイズすることが可能であるヌクレオチド配列の領域を含む核酸プロ
ーブを含む核酸組成物が提供される。例えば、核酸を、ハイブリダイゼーション
可能なようにしてもよく、プローブを試料の核酸に接触させてもよく、そしてプ
ローブの試料核酸へのハイブリダイゼーションを検出してもよい。こうした技術
を用い、ゲノムまたはmRNAレベルのどちらかで、改変または対立遺伝子変異
体(variant)を検出すると共にmRNA転写レベルを測定してもよい。
【0024】 好ましい検出法は、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立
遺伝子の領域と一致し、そして突然変異または多型領域の周りに約5、10、2
0、25、または30ヌクレオチドを有するプローブを用いた対立遺伝子特異的
ハイブリダイゼーションである。本発明の好ましい態様において、慢性閉塞性気
道疾患に関与する他の対立遺伝子変異体に特異的にハイブリダイズすることが可
能ないくつかのプローブを固体相支持体、例えば「チップ」(最大約250,0
00のオリゴヌクレオチドを保持することが可能である)に付着させる。オリゴ
ヌクレオチドは、石版印刷(lithography)を含む、多様な方法によ
り固体支持体に結合させてもよい。オリゴヌクレオチドを含むこれらのチップを
用いた突然変異検出解析はまた、「DNAプローブアレイ」とも呼ばれ、例えば
Croninら(1996)Human Mutation 7:244に記載
される。1つの態様において、チップは、遺伝子の少なくとも1つの多型領域の
すべての対立遺伝子変異体を含む。固体支持体をその後、試験核酸と接触させ、
そして特定のプローブに対するハイブリダイゼーションを検出する。したがって
、1つまたはそれ以上の遺伝子の非常に多くの対立遺伝子変異体の同一性を、単
純なハイブリダイゼーション実験で同定することが可能である。
【0025】 これらの技術はまた、解析前に核酸を増幅する段階を含んでもよい。増幅技術
は当業者に知られ、そして限定されるわけではないが、クローニング、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)、特定の対立遺伝子のポリメラーゼ連鎖反応(ASA)
、リガーゼ連鎖反応(LCR)、入れ子式(nested)ポリメラーゼ連鎖反
応、自己維持配列複製(Guatelli, J.C.ら,1990, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874−1878
)、転写増幅系(Kwoh, D.Y.ら, 1989, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 86:1173−1177)、およびQ
−ベータレプリカーゼ(Lizardi, P.M.ら, 1988, Bio
/Technology 6:1197)を含む。
【0026】 PCR反応に使用するのに特に好ましいプライマーには:
【0027】
【化1】
【0028】 が含まれる。
【0029】 増幅産物は、大きさ解析、制限消化後の大きさ解析、反応産物中の特定のタグ
化オリゴヌクレオチドプライマーの検出、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド
(ASO)ハイブリダイゼーション、対立遺伝子特異的5’エキソヌクレアーゼ
検出、配列決定、ハイブリダイゼーション、およびそれらに匹敵するものを含む
、多様な方法でアッセイしてもよい。
【0030】 PCRに基づく検出手段は、同時に多数のマーカーの多重増幅を含んでもよい
。例えば、大きさが重なり合わずそして同時に解析することが可能であるPCR
産物を生成するPCRプライマーを選択することが、当業に周知である。あるい
は、区別して標識され、そしてしたがって、各々を区別して検出することが可能
であるプライマーで、異なるマーカーを増幅することが可能である。もちろん、
ハイブリダイゼーションに基づく検出手段は、試料中の多数のPCR産物の区別
的検出を可能にする。多数のマーカーの多重解析を可能にする他の技術が当業に
知られる。
【0031】 単なる例示的態様において、該方法は、(i)患者から細胞試料を収集し、(
ii)試料細胞から核酸(例えばゲノム、mRNAまたは両方)を単離し、(i
ii)IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子に対し5
’および3’に特異的にハイブリダイズする1つまたはそれ以上のプライマーと
該核酸試料を、対立遺伝子のハイブリダイゼーションおよび増幅が起こる条件下
で接触させ、そして(iv)増幅産物を検出する段階を含む。これらの検出計画
は、非常に少ない数で存在する核酸分子の検出に特に有用である。
【0032】 本アッセイの好ましい態様において、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立
遺伝子は、制限酵素切断パターンの改変により同定される。例えば、試料および
コントロールDNAを単離し、増幅し(所望による)、1つまたはそれ以上の制
限エンドヌクレアーゼで消化し、そして断片長の大きさをゲル電気泳動により測
定する。
【0033】 さらに別の態様において、当業に知られる多様な配列決定反応のいずれを用い
、対立遺伝子の配列を直接決定してもよい。典型的な配列決定反応には、Max
imおよびGilbert(Proc. Natl Acad Sci USA
(1977)74:560)またはSanger(Sangerら(1977)
Proc. Nat. Acad. Sci. 74:5463)により開発さ
れた技術に基づくものが含まれる。本アッセイを行う場合、質量分析による配列
決定(例えばPCT公開WO 94/16101;Cohenら(1996)A
dv Chromatogr 36:127−162;およびGriffinら
(1993)Appl Biochem Biotechnol 38:147
−159を参照されたい)を含む、多様な自動化配列決定法(Biotechn
iques(1995)19:448)のいずれを利用してもよいこともまた、
意図される。当業者には、特定の態様に関し、配列決定反応において、核酸塩基
の1つ、2つまたは3つのみの出現が決定される必要があることが明白であろう
。例えば、1つのみの核酸が検出される、A−トラックまたはそれに匹敵するも
のを実行してもよい。
【0034】 さらなる態様において、切断剤(例えばヌクレアーゼ、ヒドロキシルアミンま
たは四酸化オスミウムおよびピペリジンでのもの)からの防御を用い、RNA/
RNAまたはRNA/DNAまたはDNA/DNA異種二重鎖におけるミスマッ
チ塩基を検出してもよい(Myersら(1985)Science 230:
1242)。一般的に「ミスマッチ切断」の当業技術は、野生型対立遺伝子を含
む(標識)RNAまたはDNAを試料とハイブリダイズすることにより形成され
る異種二重鎖を提供することにより、開始する。コントロールおよび試料鎖の間
の塩基対ミスマッチのために存在するであろうものなどの、二重鎖の一本鎖領域
を切断する剤で、二重鎖を処理する。例えば、ミスマッチ領域を酵素的に消化す
るため、RNA/DNA二重鎖をRNaseで処理してもよく、そしてDNA/
DNAハイブリッドをS1ヌクレアーゼで処理してもよい。他の態様において、
DNA/DNAまたはRNA/DNA二重鎖を、ミスマッチ領域を消化するため
、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムおよびピペリジンで処理してもよ
い。ミスマッチ領域の消化後、生じた成分をその後、変性ポリアクリルアミドゲ
ル上で大きさにより分離し、突然変異部位を決定する。例えば、Cottonら
(1988)Proc. Natl Acad Sci USA 85:439
7;Saleebaら(1992)Methods Enzymol. 217
:286−295を参照されたい。好ましい態様において、コントロールDNA
またはRNAを検出のため標識してもよい。
【0035】 さらに別の態様において、ミスマッチ切断反応は、二重鎖DNAにおけるミス
マッチ塩基対を認識する1つまたはそれ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミ
スマッチ修復」酵素)を使用する。例えば、大腸菌(E.coli)のmutY
酵素はG/AミスマッチのAを切断し、そしてHeLa細胞由来のチミジンDN
AグリコシラーゼはG/TミスマッチのTを切断する(Hsuら(1994)C
arcinogenesis 15:1657−1662)。典型的な態様にし
たがい、炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子に基づくプローブを、試験細胞由
来のcDNAまたは他のDNA産物にハイブリダイズさせる。二重鎖をDNAミ
スマッチ修復酵素で処理し、そしてあるとすれば切断産物を電気泳動プロトコル
またはそれに匹敵するもので検出してもよい。例えば米国特許第5,459,0
39号を参照されたい。
【0036】 他の態様において、電気泳動移動度の改変を用いIL−1β対立遺伝子2(−
511)が同定されるであろう。例えば、一本鎖高次構造多型(SSCP)を用
い、突然変異体および野生型核酸の間の電気泳動移動度の相違を検出してもよい
(Oritaら(1989)Proc Natl. Acad. Sci US
A 86:2766、またCotton(1993)Mutat Res 28
5:125−144;およびHayashi(1992)Genet Anal
Tech Appl 9:73−79も参照されたい)。試料およびコントロ
ールIL−1β対立遺伝子(−511)の一本鎖DNA断片を変成し、そして再
結合させる。一本鎖核酸の二次構造は、配列にしたがい多様であり、生じた電気
泳動移動度の改変により単一の塩基変化であっても検出が可能になる。DNA断
片を標識プローブで標識しまたは検出してもよい。アッセイ感度は、(DNAよ
りも)二次構造が配列変化に対し、より感度が高いRNAを用いることにより亢
進される可能性がある。好ましい態様において、本方法は、異種二重鎖解析を利
用し、電気泳動移動度の変化に基づき、異種二重鎖を分離する(Keenら(1
991)Trends Genet 7:5)。
【0037】 さらに別の態様において、変成剤の勾配を含むポリアクリルアミドゲルにおけ
る対立遺伝子の動きを、変成勾配ゲル電気泳動(DGGE)を用い、アッセイす
る(Myersら(1985)Nature 313:495)。DGGEを解
析法として用いる場合、DNAは、例えばPCRにより高融解GCリッチDNA
のおよそ40bpのGC留め具(clamp)を添加することにより、完全に変
成しないことを確実にするように、修飾されるであろう。さらなる態様において
、コントロールおよび試料DNAの移動度の相違を同定するため、変成剤勾配の
代わりに温度勾配を用いる(RosenbaumおよびReissner(19
87)Biophys Chem 265:12753)。
【0038】 対立遺伝子を検出するための他の方法の例には、限定されるわけではないが、
選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的
プライマー伸長が含まれる。例えば、(例えば対立遺伝子変異体における)既知
の突然変異またはヌクレオチド相違が中央に置かれるオリゴヌクレオチドプライ
マーを調製し、そしてその後、完全な一致が見られる場合のみ、ハイブリダイゼ
ーションが許される条件下で、標的DNAとハイブリダイズさせてもよい(Sa
ikiら(1986)Nature 324:163;Saikiら(1989
)Proc. Natl Acad. Sci USA 86:6230)。こ
うした対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション技術を用い
、オリゴヌクレオチドがPCR増幅標的DNAにハイブリダイズする場合、反応
当たり1つの突然変異または多型領域を、あるいはオリゴヌクレオチドがハイブ
リダイズ膜に付着し、そして標識標的DNAとハイブリダイズする場合、いくつ
かの異なる突然変異または多型領域を試験してもよい。
【0039】 あるいは、選択的PCR増幅に頼る対立遺伝子特異的増幅技術を、本発明と共
に用いてもよい。特異的増幅のプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチド
は、目的の突然変異または多型領域を、(増幅が区別的ハイブリダイゼーション
次第であるように)該分子の中央に(Gibbsら(1989)Nucleic
Acids Res. 17:2437−2448)、または適切な条件下で
、ミスマッチがポリメラーゼ伸長を妨げまたは減少させる可能性がある、1つの
プライマーの最端の3’端に(Prossner(1993)Tibtech
11:238)、有してもよい。さらに、突然変異領域に新規制限部位を導入し
、切断に基づく検出を生成することが望ましい可能性がある(Gasparin
iら(1992)Mol. Cell Probes 6:1)。特定の態様に
おいて、増幅はまた、増幅にTaqリガーゼを用いて行ってもよいことが予想さ
れる(Barany(1991)Proc. Natl. Acad. Sci
USA 88:189)。こうした場合、連結は、5’配列の3’端に完全な
一致がある場合のみ起こり、増幅の有無を探すことにより、特定の部位での既知
の突然変異の存在を検出することが可能になる。
【0040】 別の態様において、対立遺伝子変異体の同定は、例えば米国特許第4,998
,617号およびLandegren,Uら, Science 241:10
77−1080(1988)に記載されるような、オリゴヌクレオチド連結アッ
セイ(OLA)を用い行われる。OLAプロトコルは、標的の一本鎖の隣接配列
にハイブリダイズすることが可能であるように設計されている2つのオリゴヌク
レオチドを使用する。オリゴヌクレオチドの1つは、分離マーカーに連結、例え
ばビオチン化されており、そしてもう一方は、検出可能であるように標識されて
いる。正確な相補配列が標的分子中に見られる場合、オリゴヌクレオチドは、そ
の末端が隣接するようにハイブリダイズし、そして連結基質を生成するであろう
。その後、連結により、アビジンまたは別のビオチンリガンドを用い、標識オリ
ゴヌクレオチドを回収することが可能になる。Nickerson,D.A.ら
は、PCRおよびOLAの特性を組み合わせた核酸検出アッセイを記載してきて
いる(Nickerson,D.A.ら, Proc. Natl. Acad
. Sci.(U.S.A.) 87:8923−8927(1990))。本
方法において、PCRを用い、標的DNAの指数増幅を達成し、該増幅をその後
、OLAを用い検出する。
【0041】 本OLA法に基づくいくつかの技術が開発されてきており、そしてIL−1炎
症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子を検出するのに用いてもよい。例えば、米国
特許第5,593,826号は、3’−アミノ基を有するオリゴヌクレオチドお
よび5’−リン酸化オリゴヌクレオチドを用いて、ホスホロアミデート(pho
sphoramidate)連結を有する結合体を形成するOLAを開示する。
Tobeら((1996)Nucleic Acids Res 24:372
8)に記載される別のOLAの変形において、PCRと組み合わせたOLAによ
り、単一のマイクロタイターウェル中の2つの対立遺伝子の型決定が可能になる
。特有のハプテン、すなわちジゴキシゲニンおよびフルオレセインで、対立遺伝
子特異的プライマーの各々に印をつけることにより、異なる酵素リポーター、ア
ルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼで標識されている、ハ
プテン特異的抗体を用いることにより、各OLA反応を検出してもよい。本系は
、2つの異なる色の産生を導く、高効率形式を用いた2つの対立遺伝子の検出を
可能にする。
【0042】 単一ヌクレオチド多型性の解析を容易にする、いくつかの方法が開発されてき
ている。1つの態様において、単一塩基多型性は、例えばMundy, C.R
.(米国特許第4,656,127号)に開示されるような、特殊化エキソヌク
レアーゼ耐性ヌクレオチドを用いることにより、検出してもよい。該方法にした
がい、多型部位に対しすぐ3’の対立遺伝子配列に相補的なプライマーを、特定
の動物またはヒトから得られた標的分子にハイブリダイズさせる。標的分子上の
多型部位が、存在する特定のエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレオチド誘導体に相補
的なヌクレオチドを含むならば、その誘導体がハイブリダイズしたプライマーの
末端上に取り込まれるであろう。こうした取り込みにより、プライマーがエキソ
ヌクレアーゼに耐性となり、そしてそれにより、その検出が可能になる。該試料
のエキソヌクレアーゼ耐性誘導体の同一性が知られるため、プライマーがエキソ
ヌクレアーゼに耐性になったという発見は、標的分子の多型部位に存在するヌク
レオチドが、反応に用いられたヌクレオチド誘導体のものに相補的であったこと
を明らかにする。本方法は、大量の無関係な配列データの決定を必要としないと
いう利点を有する。
【0043】 本発明の別の態様において、多型部位のヌクレオチドの同一性を決定するのに
、溶液に基づく方法を用いる。Cohen, D.ら(フランス特許第2,65
0,840号;PCT出願第WO91/02087号)。米国特許第4,656
,127号のMundy法におけるように、多型部位に対しすぐ3’の対立遺伝
子配列に相補的であるプライマーを使用する。該方法は、多型部位のヌクレオチ
ドに相補的であれば、プライマーの末端上に取り込まれるであろう標識ジデオキ
シヌクレオチド誘導体を用い、その部位のヌクレオチドの同一性を決定する。
【0044】 遺伝的小片解析(Genetic Bit Analysis)またはGBA TM として知られる代替法は、Goelet, P.ら(PCT出願第92/15
712号)に記載されている。Goelet, P.らの方法は、標識ターミネ
ーターおよび多型部位に対し3’の配列に相補的であるプライマーの混合物を用
いる。取り込まれる標識ターミネーターは、したがって、評価される標的分子の
多型部分に存在するヌクレオチドにより決定され、そして該ヌクレオチドに相補
的である。Cohenら(フランス特許第2,650,840号;PCT出願第
WO91/02087号)の方法と対照的に、Goelet, P.らの方法は
、好ましくは異種相アッセイであり、ここでプライマーまたは標的分子は固体相
に固定されている。
【0045】 近年、DNA中の多型部位をアッセイするためのいくつかのプライマー誘導ヌ
クレオチド取り込み法が記載されてきている(Komher, J.S.ら,
Nucl. Acids. Res. 17:7779−7784(1989)
;Sokolov, B.P., Nucl. Acids Res. 18:
3671(1990);Syvanen, A.−C.ら, Genomics
8:684−692(1990);Kuppuswamy, M.N.ら,
Proc. Natl. Acad. Sci.(U.S.A.) 88:11
43−1147(1991);Prezant, T.R.ら, Hum. M
utat. 1:159−164(1992);Ugozzoli, L.ら,
GATA 9:107−112(1992);Nyren, P.ら, An
al. Biochem. 208:171−175(1993))。これらの
方法は、これらがすべて、多型部位での塩基の間を識別するため、標識デオキシ
ヌクレオチドの取り込みに頼っている点で、GBATMとは異なる。こうした形式
において、シグナルは取り込まれたデオキシヌクレオチドの数に比例するため、
同一ヌクレオチドが連続して出現する多型は、連続する長さに比例しているシグ
ナルを生じる可能性がある(Syvanen, A.−C.ら, Amer.
J. Hum. Genet. 52:46−59(1993))。
【0046】 タンパク質翻訳の未成熟な終結を生じる突然変異に関しては、タンパク質一部
切除(truncation)試験(PTT)が効果的な診断アプローチを提供
する(Roestら,(1993)Hum. Mol. Genet. 2:1
719−21;van der Luijtら,(1994)Genomics
20:1−4)。PTTでは、まず入手可能な組織からRNAを単離し、そし
て逆転写し、そして目的の部分をPCRにより増幅する。逆転写PCRの産物を
その後、入れ子式PCR増幅のテンプレートとして、RNAポリメラーゼプロモ
ーターおよび真核翻訳を開始するための配列を含むプライマーと共に用いる。目
的の領域の増幅後、プライマーに取り込まれている特有のモチーフにより、PC
R産物の連続in vitro転写および翻訳が可能になる。翻訳産物のドデシ
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に際し、一部切除ポリペプ
チドの出現は、翻訳の未成熟な終結を引き起こす突然変異の存在を知らせる。本
技術の変形において、目的の標的領域が単一エクソンから由来する場合、(RN
Aではなく)DNAをPCRテンプレートとして用いる。
【0047】 本明細書に記載される診断法に使用する核酸試料を得るのに、いかなる細胞種
または組織を利用してもよい。好ましい態様において、DNA試料は、体液、例
えば、既知の技術(例えば静脈穿刺)により得られた血液または唾液から得られ
る。あるいは、乾燥試料(例えば毛髪または皮膚)に対し核酸試験を行ってもよ
い。RNAまたはタンパク質を用いる場合、利用してもよい細胞または組織は、
IL−1遺伝子を発現しなければならない。
【0048】 診断法はまた、核酸増幅が不要であるように、生検または切除により得られた
患者組織の(固定および/または凍結)組織切片に対し直接in situで行
ってもよい。こうしたin situ法には、核酸試薬をプローブおよび/また
はプライマーとして用いてもよい(例えば、Nuovo, G.J., 199
2, PCR in situ hybridization: protoc
ols and applications,ニューヨーク州レーブンプレスを
参照されたい)。
【0049】 1つの核酸配列の検出に主に重点を置く方法に加え、こうした検出計画におけ
るプロフィールもまた、評価してもよい。例えば、ディファレンシャルディスプ
レイ、ノーザン解析および/またはRT−PCRを利用することにより、フィン
ガープリントプロフィールを生成してもよい。
【0050】 本発明の別の態様は、慢性閉塞性気道疾患を発生する、および/またはより迅
速にまたは重症に進行させる傾向を検出するためのキットに向けられる。本キッ
トは、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子に対し5
’および3’にハイブリダイズする5’および3’オリゴヌクレオチドを含む、
1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含んでもよい。PCR増幅オリゴヌ
クレオチドは、続く解析に便利な大きさのPCR産物を産生するため、25およ
び2500塩基対の間で、好ましくは約100および約500塩基の間で、離れ
てハイブリダイズするべきである。
【0051】 キットに使用するオリゴヌクレオチドは、多様な天然および/または合成組成
物、例えば合成オリゴヌクレオチド、制限断片、cDNA、合成ペプチド核酸(
PNA)、およびそれらに匹敵するもののいずれであってもよい。該アッセイキ
ットおよび方法はまた、アッセイにおける同定を容易にするため、標識オリゴヌ
クレオチドを使用してもよい。使用してもよい標識の例には、放射標識、酵素、
蛍光化合物、ストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、磁気部分、金属結合部
分、抗原または抗体部分、およびそれらに匹敵するものが含まれる。
【0052】 該キットはまた、所望により、DNAサンプリング手段を含んでもよい。DN
Aサンプリング手段は当業者に周知であり、そして限定されるわけではないが、
支持体、例えばフィルターペーパー、AmpliCardTM(シェフィールド大
学(University of Sheffield), Sheffiel
d, England S10 2JF;Talow, JWら,J. of
Incest. Dermatol. 103:387−389(1994))
およびそれらに匹敵するもの;DNA精製試薬、例えばNucleonTMキット
、溶解緩衝液、プロテイナーゼ溶液およびそれらに匹敵するもの;PCR試薬、
例えば10X反応緩衝液、熱安定性ポリメラーゼ、dNTP、およびそれらに匹
敵するもの;並びに対立遺伝子検出手段、例えばHinfI制限酵素、対立遺伝
子特異的オリゴヌクレオチド、乾燥血液からの入れ子式PCRのための縮重オリ
ゴヌクレオチドプライマーを含んでもよい。
【0053】 3.2.2. 薬理ゲノム学(Pharmacogenomics) 敗血症を予測する特定のIL−1多型性を知ることは、単独で、または慢性閉
塞性気道疾患に寄与する他の遺伝的欠陥に関する情報(慢性閉塞性気道疾患の遺
伝的プロフィール)と共に、個人の遺伝的プロフィールに対し、特定の疾患に関
する治療をあつらえること、「薬理ゲノム学」の目的を可能にする。例えば、I
L−1B対立遺伝子2(−511)および/またはIL−1B対立遺伝子2(+
3954)を有する被験者は、慢性閉塞性気道疾患を発生する、または慢性閉塞
性気道疾患に、より迅速にまたは重症に進行する傾向がある。したがって、個人
のIL−1炎症誘発性プロフィールを、慢性閉塞性気道疾患の集団プロフィール
に比較することにより、特定の患者または患者集団(すなわち同一の遺伝的改変
を有する患者群)に対し安全でそして有効であると期待される薬剤の選択または
設計が可能になる。
【0054】 IL−1Bまたは疾患遺伝的プロフィールに基づき、最大の臨床利益を示すと
期待される集団を標的とすることができれば:1)期待に反する市場結果の市場
化された薬剤の再配置;2)患者サブグループ特異的である、安全性または効能
制限の結果として臨床的開発が中断されている、喘息薬剤候補の救出;および3
)喘息薬剤候補の加速したそしてより安価な開発およびより最適な薬剤標識(例
えば、本明細書に記載されるマーカーの使用は、有効量を最適化するのに有用で
あるため)を可能にすることができる。
【0055】 被験者の細胞はまた、治療薬の投与前および後に得て、IL−1以外の遺伝子
の発現レベルを検出し、該治療薬が、有害である可能性がある遺伝子の発現を増
加させまたは減少させないことを確認してもよい。これは、例えば転写プロフィ
ール決定の方法を用いることにより、行ってもよい。したがって、in viv
oで治療薬に曝露された細胞由来のmRNAおよび該治療薬に曝露されなかった
同一種の細胞由来のmRNAを逆転写し、そして多くの遺伝子由来のDNAを含
むチップにハイブリダイズさせ、それにより該治療薬で処理されたおよび処理さ
れていない細胞における遺伝子発現を比較してもよい。
【0056】 本発明はさらに、以下の実施例により例示されるが、これは、いかなる点でも
限定するものとして解釈されてはならない。本出願の至るところで引用された、
すべての引用参考文献の内容(参考文献、発行された特許、公開特許出願を含む
)は、本明細書に特に援用される。本発明の実施は、別に示されない限り、当業
の範囲内である、慣用技術を使用するであろう。こうした技術は、文献に完全に
説明されている。例えば、Molecular Cloning A Labo
ratory Manual,第2版, Sambrook監修, Frits
h and Maniatis(Cold Spring Harbor La
boratory Press: 1989);DNA Cloning,第1
巻および第2巻(D. N. Glover監修, 1985);Oligon
ucleotide Synthesis(M.J. Gait監修, 198
4);Mullisら、米国特許第4,683,195号;Nucleic A
cid Hybridization(B.D. Hames & S.J.
Higgins監修, 1984);Transcription And T
ranslation(B.D. Hames & S.J. Higgins
監修, 1984)を参照されたい。
【0057】
【実施例】
実施例1:IL−1B(+3954)の検出 IL−1B塩基+3954での単一塩基変動(C/T)多型のスクリーニング
を、ゲノムテンプレートのPCR増幅により行った。陽性コントロールとして、
1つのミスマッチをプライマーに挿入し、TaqI部位を完成させた。多型Ta
qI部位は天然である。ゲノム配列(Clarkら,1986;GENBANK
X04500)に基づき、以下のプライマー: 5’ CTC AGG TGT CCT CGA AGA AAT CAA A
3’(配列番号1) 5’ GCT TTT TTG CTG TGA GTC CCG 3’(配列
番号2) をABI DNA合成装置で産生した。
【0058】 PCR反応条件は以下の通りであった: [95℃(2分)]1サイクル [95℃(1分)、67.5℃(1分)、74℃(1分)]38サイクル;およ
び [72℃(8分)]1サイクル 制限酵素消化を60℃で8時間行った。大きさ決定は8% PAGEによった
。PCR産物のTaqIでの消化により、12bpの部分(該部分がないことは
不完全な消化を示す)並びに85および97bpの2つのさらなる部分(対立遺
伝子1)、または182bpの単一のもの(対立遺伝子2)のいずれかを生じる
【0059】 実施例2:IL−1B(−511)の検出 IL−1B遺伝子の位−511での単一塩基多型(C/T)を、ゲノムテンプ
レートのPCR増幅に続き、RFLP(制限断片長多型)解析によりスクリーニ
ングした。遺伝子変動は、最もよくある対立遺伝子において、Ava I制限部
位を完全にし、そしてより稀な対立遺伝子ではBsu 36 Iを完全にする。
したがって、これらの酵素でPCR産物を消化することにより、IL−1B(−
511)遺伝子座の効率的な解析が提供される。
【0060】 ゲノム配列(Clarkら,1986;Genbank X04500)に基
づき、以下のプライマー: 5’ TGG CAT TGA TCT GGT TCA TC−3’(配列番
号3); 5’ GTT TAG GAA TCT TCC CAC TT−3’(配列番
号4) をABI合成装置で産生した。
【0061】 PCR条件は以下の通りであった: [95℃(1分)]1サイクル [95℃(1分)、53℃(1分)、72℃(1分)]35サイクル [72℃(5分)]1サイクル 各PCR反応物を2つの25μlアリコットに分けた;特異的10X制限緩衝
液3μlに加え、1つに3単位のAva Iを添加し、もう一方に3.7単位の
Bsu 36 Iを添加した。消化は37℃で一晩であり、大きさ決定は9%
PAGEによった。Ava I消化は、対立遺伝子1で190+114bp部分
を生じた一方、対立遺伝子2は切断しなかった(304bp)。Bsu 36
I消化は、対立遺伝子2で190+114bp断片を生じた一方、対立遺伝子1
は切断しなかった(304bp)。得られた制限パターンは2つのアリコットで
逆転するか(ホモ接合体を同定する)または同一(ヘテロ接合体を同定する)で
あった。本プロトコルは、IL−1B(−511)遺伝子座の効率的な解析を提
供した。
【0062】 実施例3:IL−1RN(VNTR)の検出 IL−1RN遺伝子のイントロン2内に多様な数の直列反復が存在することは
、該遺伝子のクローニング中、最初に報告された(Steinkasserer
, A.ら,(1991)Nucleic Acids Res 19:509
5)。本VNTRは、Tarlowら((1993)Hum Genet. 9
1:403−404)により、多様な数(2ないし6)の86bpリピートと特
徴付けられた。ゲノム配列(Genbank X64532)に基づき、以下の
プライマー: 5’−CTC AGC AAC ACT CCT AT−3’(+2879/+
2895)(配列番号5) 5’−TCC TGG TCT GCA GCT AA−3’(+3274/+
3290)(配列番号6) をABI合成装置で産生した。
【0063】 PCR反応条件は以下の通りであった: サイクリングを、[96℃、1分]X 1;[60℃、1分;70℃、2分]
X 35;[70℃、5分]X 1;4℃で行う。2%アガロースで、90Vで
30分電気泳動する。
【0064】 PCR産物サイズは、リピート数の直接の指標である;最もよくある対立遺伝
子(対立遺伝子1)は412bp産物を生じる。隣接領域が66bp伸長するた
め、残った344が4つの86bp反復を暗示する。同様に、240bp産物は
2つの反復を示し(対立遺伝子2)、326は3つの反復であり(対立遺伝子3
)、498は5つであり(対立遺伝子4)、584は6つである(対立遺伝子6
)。4つの最もよくある対立遺伝子に関する北部英国系白人集団の頻度は、0.
734、0.241、0.021および0.04である。
【0065】 実施例4:IL−1RN(+2018)の検出 エクソン2内の本単一塩基変動(+2016でのC/T)は、Clayら((
1996)Hum. Genet 97:723−726)に記載された。これ
らのPCRプライマー(ゲノム配列に対しミスマッチしている)は、2つの対立
遺伝子上に2つの酵素切断部位を持つよう設計した。これらの2つの対立遺伝子
は、IL−1RN(VNTR)の2つの最もよくある対立遺伝子と100%連鎖
不均衡にある。ゲノム配列(Genbank X04532)に基づき、以下の
プライマー: 5’−CTA TCT GAG GAA CAA ACT AGT AGC−3
’(+1990/+2015)(配列番号7) 5’−TAG GAC ATT GCA CCT AGG GTT TGT−3
’(+2133/+2156)(配列番号8) をABI合成装置で産生した。
【0066】 サイクリングを、[96℃、1分]X 1;[94℃、1分;57℃、1分;
70℃、2分]X 35;[70℃、5分]X 1;4℃で行う。各PCR反応
を2μlの特異的10X制限緩衝液中に分ける。インキュベーションは37℃で
一晩である。電気泳動はPAGE 9%による。
【0067】 2つの酵素は、それぞれ2つの異なる対立遺伝子を切断する。Alu Iは、
対立遺伝子1に関し、126+28bp断片を生じるであろう一方、対立遺伝子
2は消化しない(154bp)。Msp Iは、対立遺伝子2で、125+29
bp断片を生じるであろう一方、対立遺伝子1は切断しない(154bp)。し
たがって、2つの反応(PAGEで並べて分離される)は、ホモ接合体の個人で
消化の逆転パターン、そしてヘテロ接合体で同一パターンを与えるであろう。北
部英国系白人集団の対立遺伝子頻度は、0.74および0.26である。同様の
遺伝的プールにおける0.05有意レベルでの90%能力(power)には、
頻度の1.5倍増加を検出するのに251例を調べなければならず、または頻度
の0.1の絶対増加には420例を調べなければならない。
【0068】 実施例5:IL−1A(−889)の検出 IL−1Aプロモーターにおける該C/T単一変動はMcDowellら(A
rthritis and Rheumatism 38:221−228(1
995))に記載された。PCRプライマーの1つは、対立遺伝子1(−889
がシトシン)を増幅する際、Nco I部位を生成するよう、塩基変化を有する
。ゲノム配列(Genbank X03833)に基づき、以下のプライマー:
5’−AAG CTT GTT CTA CCA CCT GAA CTA G
GC−3’(−967/−945)(配列番号9) 5’−TTA CAT ATG AGC CTT CCA TG−3’(−88
8/−869)(配列番号10) をABI合成装置で産生した。
【0069】 最終1mMでMgCl2を、そして0.8μMでPCRプライマーを用いる。
【0070】 サイクリングを、[96℃、1分]X 1;[94℃、1分;50℃、1分;
72℃、2分]X 45;[72℃、5分]X 1;4℃で行う。
【0071】 各PCR反応に、1μlの特異的10X制限緩衝液に加え、6単位のNco
Iを添加する。インキュベーションは37℃で一晩である。電気泳動はPAGE
6%による。
【0072】 Nco Iは、対立遺伝子1に関し、83+16を生じるであろう一方、対立
遺伝子2は切断しない(99bp)。ヘテロ接合体は3つのバンドを有するであ
ろう。北部英国系白人集団の対立遺伝子頻度は、0.71および0.29である
。同様の遺伝的プールにおける0.05有意レベルでの90%能力には、頻度の
1.5倍増加を検出するのに214例を調べなければならず、または頻度の0.
1の絶対増加には446例を調べなければならない。
【0073】 実施例6:被験者における喘息の存在と、IL−1B対立遺伝子2(+395 4)およびIL−1B対立遺伝子2(−511)の関連 以下の研究を行い、喘息およびIL−1B遺伝子の相当する領域に見られる対
立遺伝子との間に関連があるかどうか評価した。106人の喘息患者を研究に勧
誘した。251人の北部英国系白人の非喘息被験者を、コントロールとして勧誘
した。喘息患者はすべて、喘息の定義としてのATS規準(Amer Rev
Respir Dis 1985,132:180−182)を満たし、そして
相当する場合、4mg/ml未満のPC20メタコリンを有した。喘息患者は、
臨床的に軽症または重症の喘息を有すると分類された。重症の喘息は、800m
g/日以上の吸入ステロイドを必要とする患者と定義された。ベータ−2アゴニ
ストのみを受けている喘息患者は軽症の喘息を有すると分類された。喘息患者の
総数のうち、50がベータ2アゴニストのみを受けている軽症喘息患者(FEV
1 92.5±1.5%pred)で、そして平均年齢26.5±0.9であり
、そして56が1日当たり少なくとも800 mgの吸入ステロイド処方計画を
受けている重症喘息患者(FEV1 58.4±3.4%pred)で、平均年
齢は47.2±2.3であった。インフォームドコンセントを得た後、各患者か
ら静脈血10mlを抜き取り、そしてEDTA含有試験管に収集した。総ゲノム
DNAを抽出し、106人の患者から抽出したDNAで対立遺伝子頻度を評価し
た。IL−1B(+3954)に関し、105人の患者の遺伝子型を決定するこ
とが可能であった。IL−1B(−511)に関しては、104人の患者の遺伝
子型を決定した。各DNAに関し、IL−1B遺伝子の相当する領域に渡る単一
PCR産物を産生し、そして実施例1に記載されるように解析した。カイ平方試
験を用いてデータを解析し、稀な対立遺伝子の運搬を比較した(コーホート間の
対立遺伝子2の少なくとも1つのコピーを運搬する遺伝子型)。IL−1B(+
3954)に関する結果を以下の表1に示し、そしてIL−1B(−511)に
関する結果を以下の表2に示している。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】 表1および2により明らかなように、IL−1B対立遺伝子2(+3954)
およびIL−1B対立遺伝子2(−511)の存在は、臨床的喘息に有意に関連
している。さらに、IL−1B(−511)遺伝子座の対立遺伝子2の少なくと
も1つのコピーの存在は、より重症な疾患と関連付けられることが発見された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトIL−1A遺伝子のDNA配列を示す(GenBa
nk寄託番号第X03833号)。
【図2】 図2は、ヒトIL−1B遺伝子のDNA配列を示す(GenBa
nk寄託番号第X04500号)。
【図3】 図3は、ヒトIL−1RN遺伝子のDNA配列を示す(GenB
ank寄託番号第X64532号)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ジョバイン,マルコ イギリス国エス10・3ビー2 サウス・ヨ ークシャー,シェフィールド,アッシュゲ イト・ロード 18 (72)発明者 バーネス,ピーター・ジェイ イギリス国エスダブリュー3・6エルワイ ロンドン,ドーブハウス・ストリート, インペリアル・カレッジ・スクール・オ ブ・メディシン・アット・ザ・ナショナ ル・ハート・アンド・ラング・インスティ チュート・デパートメント・オブ・ソーラ シック・メディシン内 (72)発明者 リム,サイモン イギリス国エスダブリュー3・6エルワイ ロンドン,ドーブハウス・ストリート, インペリアル・カレッジ・スクール・オ ブ・メディシン・アット・ザ・ナショナ ル・ハート・アンド・ラング・インスティ チュート・デパートメント・オブ・ソーラ シック・メディシン内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者が慢性閉塞性気道疾患を発生する罹患性を決定する
    ための、または該被験者における慢性閉塞性気道疾患の迅速性または究極的な進
    行を予測するための方法であって: a)該被験者から核酸試料を得て;そして b)前記試料におけるIL−1炎症誘発性(proinflammatory)
    ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子を検出する ここでIL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子の検出は
    、該患者の慢性閉塞性気道疾患を発生する罹患性が増加していることを示す 段階を含む、前記方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つの対立遺伝子がIL−1B対立遺伝子2(
    −511)である、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 検出段階が: 5’ CTC AGG TGT CCT CGA AGA AAT CAA A
    3’(配列番号1); 5’ GCT TTT TTG CTG TGA GTC CCG 3’(配列
    番号2) からなる群より選択される少なくとも1つのプライマーを用いた増幅を含む、請
    求項2の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの対立遺伝子がIL−1B対立遺伝子2(
    +3954)である、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 検出段階が: 5’ TGG CAT TGA TCT GGT TCA TC−3’(配列番
    号3); 5’ GTT TAG GAA TCT TCC CAC TT−3’(配列番
    号4) からなる群より選択される少なくとも1つのプライマーを用いた増幅を含む、請
    求項4の方法。
  6. 【請求項6】 慢性閉塞性気道疾患が:喘息、気腫、慢性気管支炎および
    慢性細気管支炎からなる群より選択される、請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 検出段階が: 5’−CTC AGC AAC ACT CCT AT−3’(配列番号5) 5’−TCC TGG TCT GCA GCT AA−3’(配列番号6) 5’−CTA TCT GAG GAA CAA ACT AGT AGC−3
    ’(配列番号7) 5’−TAG GAC ATT GCA CCT AGG GTT TGT−3
    ’(配列番号8) 5’−AAG CTT GTT CTA CCA CCT GAA CTA G
    GC−3’(配列番号9) 5’−TTA CAT ATG AGC CTT CCA TG−3’(配列番
    号10) からなる群より選択される少なくとも1つのプライマーを用いた増幅を含む、請
    求項1の方法。
  8. 【請求項8】 被験者が慢性閉塞性気道疾患を発生する罹患性を決定する
    ためのキットであって: (a)DNA試料収集手段; (b)該DNA試料中のIL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対
    立遺伝子を検出するための手段 を含む、前記キット。
  9. 【請求項9】 検出手段がIL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子
    に対し5’または3’にハイブリダイズする第一のプライマーを含む、請求項8
    のキット。
  10. 【請求項10】 プライマーが: 5’ CTC AGG TGT CCT CGA AGA AAT CAA A
    3’(配列番号1) 5’ GCT TTT TTG CTG TGA GTC CCG 3’(配列
    番号2) 5’ TGG CAT TGA TCT GGT TCA TC−3’(配列番
    号3) 5’ GTT TAG GAA TCT TCC CAC TT−3’(配列番
    号4) 5’−CTC AGC AAC ACT CCT AT−3’(配列番号5) 5’−TCC TGG TCT GCA GCT AA−3’(配列番号6) 5’−CTA TCT GAG GAA CAA ACT AGT AGC−3
    ’(配列番号7) 5’−TAG GAC ATT GCA CCT AGG GTT TGT−3
    ’(配列番号8) 5’−AAG CTT GTT CTA CCA CCT GAA CTA G
    GC−3’(配列番号9) 5’−TTA CAT ATG AGC CTT CCA TG−3’(配列番
    号10) からなる群より選択される、請求項9のキット。
  11. 【請求項11】 IL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子が:IL
    −1B対立遺伝子2(−511)、IL−1A対立遺伝子4(222/223)
    、IL−1A対立遺伝子1(gz5/gz6)、IL−1A対立遺伝子1(−8
    89)、IL−1B対立遺伝子2(+6912)、IL−1B対立遺伝子1(+
    3954)、IL−1B/IL−1RN遺伝子間領域(gaat.p33330
    )および(Y31)、IL−1RN対立遺伝子2(+2018)、IL−1RN
    対立遺伝子2(VNTR)からなる群より選択される、請求項8のキット。
  12. 【請求項12】 さらに、第一のプライマーがIL−1炎症誘発性ハプロ
    タイプの対立遺伝子に対し5’にハイブリダイズする場合、3’にハイブリダイ
    ズし、そして第一のプライマーがIL−1炎症誘発性ハプロタイプに対し3’に
    ハイブリダイズする場合、5’にハイブリダイズする、第二のプライマーを含む
    、請求項10のキット。
  13. 【請求項13】 前記の第一のプライマーおよび前記の第二のプライマー
    が約50および1000塩基対の間の範囲内にある領域に対しハイブリダイズす
    る、請求項12のキット。
  14. 【請求項14】 さらに検出因子オリゴヌクレオチドを含む、請求項10
    のキット。
  15. 【請求項15】 検出因子オリゴヌクレオチドが標識を含む、請求項14
    のキット。
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US09/005,923 1998-01-12
US9723553.5 1998-01-12
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