JPH10136987A - ピコリン酸類の製造方法 - Google Patents

ピコリン酸類の製造方法

Info

Publication number
JPH10136987A
JPH10136987A JP9075692A JP7569297A JPH10136987A JP H10136987 A JPH10136987 A JP H10136987A JP 9075692 A JP9075692 A JP 9075692A JP 7569297 A JP7569297 A JP 7569297A JP H10136987 A JPH10136987 A JP H10136987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aminophenol
seq
acid sequence
dioxygenase
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9075692A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Aoki
健次 青木
Kazuhisa Hatakeyama
和久 畠山
Hideaki Yugawa
英明 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP9075692A priority Critical patent/JPH10136987A/ja
Publication of JPH10136987A publication Critical patent/JPH10136987A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 医・農薬の合成中間体として有用なピコリン
酸類の製造方法を提供する。 【解決手段】 シュードモナス・エスピーAP−3株由
来のアミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ等の
酵素を2−アミノフェノール類に作用させることにより
ピコリン酸類を製造する。また、該酵素をコードするD
NAを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酵素反応によるピ
コリン酸(2−pyridinecarboxylic
acid)類の製造方法に関し、詳しくは、2−アミ
ノフェノール類を1,6−ジオキシゲナーゼ等の酵素に
接触させることにより、ピコリン酸類を製造する方法に
関する。また、本発明は、ピコリン酸類の製造方法で使
用するのに適する2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼ及びそれをコードするDNAに関し、詳し
くは、シュードモナス(Pseudomonas)属由来であり、
2−アミノフェノール類を酸化反応してピコリン酸類を
生成する活性を有する酵素及びそれをコードするDN
A、このDNAを保持する形質転換体、及びこの形質転
換体を用いた前記酵素の製造法並びにピコリン酸類の製
造法に関する。
【0002】ピコリン酸及びその誘導体などのピコリン
酸類は、医薬あるいは農薬の合成中間体として有用な物
質である。
【0003】
【従来の技術】従来、ピコリン酸誘導体の製造方法とし
ては、例えば、3−ヒドロキシピリジンに二酸化炭素を
反応させて5−ヒドロキシ−2−ピリジンカルボン酸を
合成する方法〔ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)、19巻、510
頁、1954年〕が知られている。しかし、この方法は
高温高圧(170℃、85〜170kg/cm2)の条
件を必要とする反応であると共に、収率も低く、工業的
な製造方法としては適さないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、より温和な条
件下で効率的に5−ヒドロキシ−2−ピリジンカルボン
酸を得る方法の更なる改良が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率よく
ピコリン酸類を製造する方法を確立すべく鋭意検討を行
った結果、ジオキシゲナーゼ活性を有する微生物又はそ
の処理物と、2−アミノフェノール類を水性溶液中で混
合し、酵素反応を行なうことにより、高収率で効率よく
ピコリン酸類が生成することを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
【0006】かくして本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ
れ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水
酸基、アミノ基、ニトロ基またはカルボキシル基であ
る。)で表される2−アミノフェノール類を酵素と反応
させることを特徴とする下記一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通
りである。)で表されるピコリン酸類の製造方法を提供
する。好ましくは、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C10
アルキル基であり、さらに好ましくは、それぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C3のアルキル
基である。
【0011】酵素は、1,6−ジオキシゲナーゼであ
り、さらに好ましくは、2−アミノフェノール 1,6
−ジオキシゲナーゼである。2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼは、好ましくは、シュードモ
ナス・エスピーAP−3株由来であり、具体的には、下
記(A)又は(B)に示すポリペプチドと下記(C)又
は(D)に示すポリペプチドとを含むものである。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
ブユニットのポリペプチド。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
ド。 (C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有す
る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
ブユニットのポリペプチド。 (D)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列におい
て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
ド。
【0012】また、さらに、上記の好ましい2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコードするD
NAを取得し、これを適当なベクターを用いて微生物に
導入し、菌体内に同DNAを保持する形質転換体を得る
ことができれば、微生物の触媒能力を従来の方法に比し
て飛躍的に増大させたり、該酵素を大量に製造したりす
ることが可能となる。
【0013】このために、本発明は、2−アミノフェノ
ール 1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNA、
及びそれを用いたピコリン酸類の製造方法も提供する。
すなわち、本発明は、(1)上記の2−アミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼのサブユニットのポリペ
プチドをコードするDNA、(2)上記(1)のDNA
がベクターに連結されてなる組換えベクター、(3)上
記(1)のDNAが導入されて形質転換された形質転換
体、及び、(4)上記(3)の形質転換体を培地で培養
し、その培養物から2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼを採取することを特徴とする2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼの製造法も提供
する。
【0014】上記(1)のDNAは、具体的には、下記
(i)〜(iv)の通りである。 (i)上記(A)又は(B)に示すポリペプチドをコー
ドするDNA、 (ii)上記(C)又は(D)に示すポリペプチドをコー
ドするDNA、 (iii)下記(a)又は(b)に示すDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列を
含むDNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
であって、かつ、配列表の配列番号3に示すアミノ酸配
列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノール
を酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタンパ
ク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。 (iv)下記(c)又は(d)に示すDNA。 (c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号1113〜1925からなる塩基配列
を含むDNA。 (d)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号1113〜1925からなる塩基配列
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aであって、かつ、配列表の配列番号2に示すアミノ酸
配列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノー
ルを酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタン
パク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <1>ピコリン酸類の製造方法 上記一般式(I)及び(II)で表される化合物の置換基
1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、ニ
トロ基またはカルボキシル基である。好ましくは、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C
10のアルキル基であり、さらに好ましくは、それぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C3のアル
キル基である。アルキル基は、直鎖及び分岐のいずれで
もよい。
【0016】本発明のピコリン酸類の製造方法に用いら
れる酵素としては、一般式(I)で表される2−アミノ
フェノール類に作用して、一般式(II)で表されるピコ
リン酸類を生成する酵素であれば特に制限されない。な
お、本明細書では、「ピコリン酸類を生成する」という
用語を、ピコリン酸類に自発的に変換される中間体を生
成することも包含する意味で用いる。このような酵素の
例としては、1,6−ジオキシゲナーゼが挙げられ、よ
り具体的には、2−アミノフェノール 1,6−ジオキ
シゲナーゼが挙げられる。
【0017】本発明のピコリン酸類の製造方法におい
て、2−アミノフェノール類を酵素と反応させる態様に
は特に制限はなく、上記酵素を産生する微生物の菌体又
はその処理物を2−アミノフェノール類に作用させるな
どの方法を採用することができる。より具体的には、上
記微生物の菌体又は上記微生物の培養物から採取した2
−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼの粗精
製画分若しくは精製酵素等のその処理物を2−アミノフ
ェノール類を含有する水性溶液に加えることにより、2
−アミノフェノール類を酵素と反応させる方法が挙げら
れる。ここで、培養物とは、微生物の菌体及び/又は培
養後の培地(培養に液体培地を用いた場合にはその培養
上清)をいう。また、微生物の菌体を2−アミノフェノ
ール類に作用させる場合には、通常、上記酵素を菌体外
に産生する微生物を用いる。
【0018】上記微生物としては、上記酵素を産生する
微生物であれば特に制限はないが、具体的には、2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼを産生する
シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)AP−3
株が挙げられる。シュードモナス・エスピーAP−3株
は、生命工学工業技術研究所に寄託され、受託番号FE
RM P−15775が付与されている。
【0019】上記微生物の培養は、一般に、炭素源、窒
素源、無機塩、各種ビタミン等を含む通常の栄養培地で
行うことができ、炭素源としては、例えばブドウ糖、シ
ョ糖、果糖、麦芽糖等の糖類、エタノール、メタノール
等のアルコール類、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、マ
レイン酸、フマル酸等の有機酸類、廃糖蜜等が用いられ
る。窒素源としては、例えばアンモニア、硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素等が
それぞれ単独もしくは混合して用いられる。また、無機
塩としては、例えばリン酸一水素カリウム、リン酸二水
素カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。この他
にペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンステイープ
リカー、カザミノ酸、ビオチン等の各種ビタミン等の栄
養素を培地に添加することができる。
【0020】培養は、通常、通気攪拌、振とう等の好気
条件下で行う。培養温度は、微生物の生育し得る温度で
あれば特に制限はなく、また、培養途中のpHについて
も宿主微生物が生育し得るpHであれば特に制限はな
い。培養中のpH調整は、酸またはアルカリを添加して
行うことができる。
【0021】また、上記微生物が2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼを産生するものである場合
には、その活性を高めるために、培地中に2−アミノフ
ェノール類を添加して培養をすることが好ましい。2−
アミノフェノール類の添加濃度は、通常、1〜100m
M、好ましくは3〜30mMである。
【0022】かくして得られる培養物から遠心分離等に
より菌体を集めることにより、2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼを含有する菌体を取得するこ
とができる。
【0023】菌体は、リン酸緩衝液等の緩衝液(pH約
7.5)等で洗浄してから用いてもよい。洗浄用のリン
酸緩衝液の濃度としては、0.05M〜0.2Mの濃度
が好適に用いられる。また、菌体は、予め菌体を凍結し
たり、上記緩衝液中にTriton X−100、Tw
een 20等の界面活性剤を0.01〜0.2%添加
した液中、15〜40℃で、10〜120分間、菌体を
処理したりすることにより菌体の透過性を高めてから用
いることもできる。
【0024】処理物とは、菌体を超音波破砕等で処理し
て得られる菌体破砕物、該破砕物を遠視分離して得られ
る無細胞抽出物、該無細胞抽出液を硫安分画法、イオン
交換カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマ
トグラフィー等で精製して得られる粗精製画分または精
製酵素、これらの菌体や精製物等をアクリルアミドモノ
マー、アルギン酸等の担体に固定化して得られる固定化
物等である。
【0025】上記微生物の菌体を担体に固定化する場合
には、培養物から回収されたまま、あるいは適当な緩衝
液、例えば0.02〜0.2M程度のリン酸緩衝液(p
H6〜10)等で洗浄された菌体を使用することができ
る。また、培養物から回収された菌体を、超音波、圧搾
等の手段で破砕して得られる破砕物、該破砕物を水等で
抽出して得られる2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼを含有する抽出物、該抽出物を更に硫安分
画、カラムクロマトグラフィー等の処理を行って得られ
る2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼの
部分精製画分等を担体に固定化したものも、本発明のピ
コリン酸類の製造方法に使用することができる。
【0026】これら菌体、及び、菌体破砕物、抽出物、
精製物等の処理物の固定化は、それ自体既知の通常用い
られている方法に従い、アクリルアミドモノマー、アル
ギン酸、カラギーナン等の適当な担体に菌体等を固定化
させる方法により行うことができる。
【0027】反応に用いる水性溶液は、2-アミノフェノ
ール類を含有する水溶液または適当な緩衝液、例えば
0.02〜0.2M程度のリン酸緩衝液(pH6〜1
0)とすることができる。この水性溶液には、更に菌体
の細胞膜の物質透過性を高める目的で、トルエン、キシ
レン、非イオン性界面活性剤等を0.05〜2%(w/
v)添加することもできる。
【0028】反応の条件としては、通常4〜10好まし
くは7.5〜9のpH、通常10〜50℃好ましくは2
0〜30℃の温度、通常5分間〜120時間の時間が採
用される。本反応液には、酵素の安定化のため、必要に
より、エタノール、L−アスコルビン酸、ジチオスレー
トール等を添加することができる。
【0029】反応に用いるアミノフェノール類水性溶液
のアミノフェノール類の濃度は、通常、0.01mM〜
20mM、好ましくは0.1〜10mMであるが、例え
ば連続反応等においては、アミノフェノール類の濃度が
0.01〜1mM程度に維持される事もある。
【0030】反応に用いる菌体またはその処理物の添加
量は、特に制限されるものではないが、水性溶液重量に
対し菌体重量(湿菌体)として1〜30%が好適に用い
られる。
【0031】本発明のピコリン酸類の製造方法において
好ましい酵素は、シュードモナス・エスピーAP−3株
由来であり、具体的には、下記(A)又は(B)に示す
ポリペプチドと下記(C)又は(D)に示すポリペプチ
ドとを含む2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲ
ナーゼである。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
ブユニットのポリペプチド。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
ド。 (C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有す
る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
ブユニットのポリペプチド。 (D)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列におい
て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
ド。
【0032】<2>2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNA 本発明の2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナ
ーゼをコードするDNAの塩基配列としては、配列番号
2(配列番号1に示す塩基配列中の塩基番号163〜塩
基番号1077に相当)に示すアミノ酸配列(以下、β
サブユニットともいう)及び配列番号3(配列番号1に
示す塩基配列中の塩基番号1113〜塩基番号1925
に相当)に示すアミノ酸配列(以下、αサブユニットと
もいう)をコードし得る塩基配列が挙げられる。これら
のDNAは、2−アミノフェノール 1,6−ジオキシ
ゲナーゼのサブユニットのポリペプチドをコードしてお
り、両サブユニットの会合によって2−アミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質
が構成される。従って、本明細書では、2−アミノフェ
ノール 1,6−ジオキシゲナーゼ活性を有するタンパ
ク質の構成に寄与するポリペプチドをコードする限り、
これらのDNAを2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼをコードするDNAと言うことにする。ま
た、本発明のDNAは、この配列に限定されるものでは
なく、前記アミノ酸配列のうち、2−アミノフェノール
類を酸化してピコリン酸類を生成する活性を実質的に害
さない1以上のアミノ酸残基の置換、欠失または挿入を
有する2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼ
のポリペプチドをコードするDNA、更にまた、これら
のDNAにハイブリダイズし得る2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼのポリペプチドをコードす
るDNAのいずれもが本発明のDNAに包含されるもの
である。
【0033】すなわち、本発明のDNAは、下記(i)
〜(iv)のDNAを包含する。 (i)上記(A)又は(B)に示すポリペプチドをコー
ドするDNA、 (ii)上記(C)又は(D)に示すポリペプチドをコー
ドするDNA、 (iii)下記(a)又は(b)に示すDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列を
含むDNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
であって、かつ、配列表の配列番号3に示すアミノ酸配
列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノール
を酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタンパ
ク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。 (iv)下記(c)又は(d)に示すDNA。 (c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号1113〜1925からなる塩基配列
を含むDNA。 (d)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号1113〜1925からなる塩基配列
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aであって、かつ、配列表の配列番号2に示すアミノ酸
配列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノー
ルを酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタン
パク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。
【0034】本発明の2−アミノフェノール 1,6−
ジオキシゲナーゼをコードするDNAは、本発明により
その塩基配列が決定されたので、この配列に基づいて合
成することが可能である。また、シュードモナス・エス
ピー(Pseudomonas sp.)AP−3株
(FERM P−15775)から、以下の手順により
単離することができる。すなわち、概略的に示すと、シ
ュードモナス・エスピーAP−3株の菌体より直接全D
NAを常法により抽出し、これを適切なベクターに導入
する。次いで、その導入ベクターを当該ベクターの種類
に対応した宿主に導入して、全DNAについて遺伝子ラ
イブラリーを調製する。次いで、当該遺伝子ライブラリ
ーから、2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナ
ーゼのN−末端アミノ酸配列からその塩基配列を推定し
て調製した合成DNAプローブを用いて本発明DNAを
含むクローンを選択する。そして、得られたクローンか
ら目的DNAを単離する。あるいは、本発明によって明
らかにされた塩基配列に基づいて作製した当該塩基配列
の少なくとも一部に相補的なオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いたPCR法に従って、目的DNAを増幅させ
ることにより上記クローニングをすることもできる。な
お、配列表1に示すシュードモナス・エスピーAP−3
株の2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ
をコードするDNAの塩基配列は実施例に詳述する方法
によって初めて明らかにされたものである。
【0035】アミノ酸残基の置換、欠失または挿入は、
部位特異的突然変異などの公知の方法によって塩基配列
にヌクレオチドの置換、欠失、挿入などの変異を導入す
ることによって生じさせることができる。2−アミノフ
ェノール類を酸化してピコリン酸類を生成する活性の測
定方法は後記実施例1に示す通りであり、2−アミノフ
ェノール類を酸化してピコリン酸類を生成する活性を実
質的に害さない1以上のアミノ酸残基の置換、欠失また
は挿入を当業者は容易に選択することができる。
【0036】配列番号2又は3に示すアミノ酸配列を有
するポリペプチドとともに2−アミノフェノールを酸化
してピコリン酸類を生成する活性を有するタンパク質を
構成し得るポリペプチドをコードするDNAは、本発明
のDNA又はこれを有する細胞に変異処理を行い、これ
らのDNA又は細胞から、例えば配列番号1に記載の塩
基配列のうち、少なくとも塩基番号163〜1077又
は1113〜1925からなる塩基配列を有するDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aを選択することによっても得ることができる。ここで
いう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的
なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが
形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化する
ことは困難であるが、一例を示せば、相同性が高い核酸
同士、例えば完全にマッチしたハイブリッドのTm±1
5℃、あるいは70%以上の相同性を有するDNA同士
がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸同士が
ハイブリダイズしない条件が挙げられる。なお、「ポリ
ペプチドをコードする」とは、DNAの相補2本鎖のい
ずれか一方がポリペプチドをコードする塩基配列を有す
ることを意味する。
【0037】以下の(1)〜(3)に、上記微生物から
2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコ
ードするDNAを取得する方法の一例を説明する。 (1)2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナー
ゼの精製及びそのアミノ酸配列の部分的決定とそれに基
づくDNAプローブの作製 シュードモナス・エスピーAP−3株の菌体から2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼを抽出・精
製する方法は、公知の酵素の精製に関するいずれの方法
も使用できる。
【0038】例えば菌体の破壊法としては、超音波破
砕;フレンチプレス、ホモジナイザーなどを用いた機械
的破壊法;リゾチームなどを用いた酵素的破壊法を用い
ることができる。2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼは、この菌体破壊物より可溶性画分を分離
することにより、粗酵素液として得ることができる。
【0039】得られた粗酵素液からの2−アミノフェノ
ール 1,6−ジオキシゲナーゼの精製法としては、通
常、(イ)沈澱法による分離、例えば硫安沈澱法、
(ロ)クロマトグラフィーによる分離法、例えばイオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティ吸着クロマトグ
ラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等、(ハ)電気
泳動による分離法等を組み合わせることによって実施す
ることができ、その一例を後記実施例1に詳述する。
【0040】精製された2−アミノフェノール 1,6
−ジオキシゲナーゼを、Davis法[B.J.Davis, Ann.N.Y.
Acad.Sci., Vol.121, p.404 (1964)]またはLaemmli法
[U.K.Laemmli, Nature, Vol.227, p.680 (1970)]によ
るポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、クマシーブ
ルー色素液[組成:0.2%(w/v)クマシーブリリ
アントブルーR250、40%(v/v)メタノール、
10%(v/v)酢酸]、あるいは銀染色キット(和光
純薬製)等を用いて酵素タンパク質を染色することによ
り、精製純度及び2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼの分子量等を知ることができる。
【0041】精製された2−アミノフェノール 1,6
−ジオキシゲナーゼのアミノ酸配列の部分的決定は、同
酵素をこれを構成するサブユニットに分離後、各サブユ
ニットのN末端からのアミノ酸配列、あるいは適当なタ
ンパク質分解酵素により各サブユニットを消化して得ら
れるペプチド断片のN末端からのアミノ酸配列を、エド
マン分解法によるアミノ酸シーケンサー(アプライドバ
イオシステムズ社製、473A型)を用いて決定するこ
とにより、行うことができる。
【0042】次いで、得られたアミノ酸配列から予想さ
れる塩基配列を持ったプローブをDNA合成装置(アプ
ライドバイオシステムズ社製、394型)を用いて合成
する。
【0043】上記のようにして得られる2−アミノフェ
ノール 1,6−ジオキシゲナーゼの部分アミノ酸配列
の一例を、配列番号3及び5に示す。また、該アミノ酸
配列より推定されるプライマーDNAの配列の一例を配
列番号6及び7に示す。
【0044】(2)2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNAを含む染色体DNA
断片の単離 シュードモナス・エスピーAP−3株の菌体から、2−
アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコード
するDNAを含む染色体DNAを単離する方法は、DN
Aの単離に関する公知のいずれの方法もが使用できる。
以下(i)〜(ii)にその一例を説明する。
【0045】(i)染色体DNAライブラリーの作製 上記菌株より染色体DNAを抽出する際には、適当な培
地で培養した該菌株の菌体を使用することができるが、
培養した菌体を集菌後に凍結保存した保存試料を使用す
ることも可能である。
【0046】得られた染色体DNAを適当な制限酵素、
例えばSau3AIを用いて部分分解し、エシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)等の宿主−ベクター系を用
いて染色体DNAのライブラリーを作製する。具体的に
使用し得るベクターとしては、例えばλFIXII(東洋
紡績(株)製)等のラムダファージベクター、pUC1
18(宝酒造製)、pBR322(宝酒造製)、コスミ
ドpWE15(Stratagene社製)等のプラスミドベクタ
ーが挙げられる。
【0047】上記部分分解により得られる様々なDNA
断片の上記ベクターへの挿入、例えばファージベクター
λFIXII(東洋紡績(株)製)への挿入は、適当な制
限酵素、例えばSau3AIで開裂したベクターと部分
分解DNA断片とをT4DNAリガーゼを用いて連結す
ることにより行うことができる。かくして染色体DNA
ライブラリーが得られる。
【0048】(ii)2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNAを含むベクターの選
別 上記(i)項で調製した染色体DNAライブラリーから
2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼをコー
ドするDNAを含むベクターを選別するには、この染色
体DNAライブラリーを用いて宿主微生物、例えばエシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)の形質導入あるい
は形質転換を行い、得られる形質導入体あるいは形質転
換体から、適当な手段により2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを保持す
るクローンを選別すればよい。
【0049】具体的には、上記ファージベクターをエシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)、例えばP239
2株[Ausubel et al., Nucleic Acid Res.Vol.7, p.15
13 (1979)]に感染させ、これを寒天培地上に重層する
ことによりプラークを形成させる。
【0050】また、前記(1)項で作製したプライマー
DNA、例えば配列番号6及び7に示す塩基配列を有す
る合成オリゴヌクレオチドを用いたポリマラーゼ連鎖反
応(PCR)を、上記染色体DNAを鋳型として行い、
2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコ
ードするDNAの部分断片を得ることができる。
【0051】PCRで得られた2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNAの部分断
片を鋳型として、上記遺伝子ライブラリーからプラーク
ハイブリダイゼーション[Molecular Cloning, Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press (1989)]で、該断片を
含むファージを単離する。
【0052】こうして、シュードモナス・エスピーAP
−3株の染色体DNA由来の2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを有する
ファージベクターを含む形質導入体を検出し、選別する
ことが可能である。
【0053】更に、上記のようにして選別された形質導
入体あるいは形質転換体よりファージDNA、あるいは
プラスミドDNAを抽出し、挿入断片を適当な制限酵
素、例えばEcoRIあるいはSacIでベクターから
切り出すことで本発明のDNAを取得することができ
る。
【0054】上記操作によって切り出されたDNA断片
につき、上記PCRで得られた部分断片をプローブとし
て用いてサザンハイブリダイゼーション[E.M.Souther
n, J.Mol.Biol., Vol.98, p.503 (1975)]を行うことに
より、2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼ
をコードするDNAが挿入DNA断片内に存在すること
を再確認できる。
【0055】このようにして得られるDNA断片の1つ
として、上記シュードモナス・エスピーAP−3株染色
体DNAを制限酵素EcoRIの完全分解により切断し
て得られる、大きさが約1.3kbのDNA断片、及
び、制限酵素SacIの完全分解により切断して得られ
る、大きさが約1.6kbのDNA断片を挙げることが
できる。
【0056】(3)塩基配列の決定 前記(2)項で得られたEcoRIの1.3kb DN
A断片、及び、SacIの1.6kb DNA断片の全
塩基配列は、例えばプラスミドpUC118ベクタ−
(宝酒造(株)製)を用いるジデオキシヌクレオチド酵素
法[dideoxy chain termination法 Sanger,F.et.al.,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA, Vol.74, p.5463(1977)]によ
り決定することができる。
【0057】このようにして決定された上記の両DNA
断片の塩基配列には、0.8kbの重なりが見られた
(図1)。重ね合わせた全長約2.1kbの塩基配列の
中には、2つのオープンリーデイングフレームの存在が
確認され、シュードモナス・エスピーAP−3株の2−
アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコード
するDNAは、配列番号2(配列番号1に示す塩基配列
中の塩基番号163〜塩基番号1077に相当)に示す
アミノ酸配列(βサブユニット)をコードする915塩
基対、及び、配列番号3(配列番号1に示す塩基配列中
の塩基番号1113〜塩基番号1925に相当)に示す
アミノ酸配列(αサブユニット)をコードする813塩
基対の2つのオープンリーデイングフレームから構成さ
れることがわかった。また、得られた塩基配列(配列番
号1)には、前記(1)で決定した配列番号4及び5に
示すアミノ酸配列から予想される塩基配列に相当する配
列を含むことが再確認された。
【0058】上記の塩基配列を包含する本発明の2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコードす
るDNAは、天然のシュードモナス属細菌の染色体DN
Aから分離されたもののみならず、通常用いられるDN
A合成装置、例えばアプライド・バイオシステムズ(App
lied Biosystems)社製394DNA/RNAシンセサイ
ザーを用いて合成されたものであってもよい。
【0059】<3>組換えベクター、形質転換体および
2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ又は
そのサブユニットの製造方法 本発明は、本発明の2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNAがベクターに連結さ
れてなる組換えベクター、本発明の2−アミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNAが導
入されることにより形質転換された形質転換体、及び、
この形質転換体を培地で培養し、その培養物から2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ又はそのサ
ブユニットを採取することを特徴とする2−アミノフェ
ノール 1,6−ジオキシゲナーゼ又はそのサブユニッ
トの製造方法も提供する。
【0060】本発明の2−アミノフェノール 1,6−
ジオキシゲナーゼをコードするDNAは、これを適当な
ベクターに連結して組換えベクターを調製し、この組換
えベクターで適当な宿主微生物を形質転換することによ
り、2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼを
発現させることができる。
【0061】このような発現ベクターを用いた発現方法
の他に、プロモーターを連結した2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼをコードするDNAを含む
DNA断片を、宿主微生物の染色体中に直接導入する相
同組換え技術[A.A.Vertes,et al., Biosci.Biotechno
l.Biochem., Vol.57, p.2036 (1993)、等]、あるいは
トランスポゾンや挿入配列等を用いて導入する技術[A.
A.Vertes et al., Molecular Microbiol., Vol.11, p.7
39 (1994)、等]によっても発現させることができる。
【0062】組換えベクターを調製する際には、通常、
2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコ
ードするDNAを宿主微生物に適したプロモーターとと
もに、このプロモーターの下流に該DNAのコード領域
の5’末端側が連結されるようにして、ベクターに挿入
する。あるいはプロモーターを含む発現ベクターを用
い、これに2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲ
ナーゼをコードするDNAを挿入してもよい。
【0063】発現ベクターとしては、宿主微生物内で複
製増殖可能であれば特に制限されるものではないが、プ
ラスミドベクター、ファージベクターのいずれかを用い
ることができる。具体的なプラスミドベクターとして
は、pBR322、pUC18、pHSG298、pU
C118、pSTV28、pTWV228、pHY30
0PLK(以上のプラスミドベクターは、例えば宝酒造
(株)から購入できる)、pKK223−3、pPL-La
mbda Inducible Expression Vector(以上は、例えばフ
ァルマシア社から購入できる)、pCRY31、pCR
Y3KE、pCRY3KX(米国特許第5,185,2
62号明細書)、あるいはこれらの誘導体等を挙げるこ
とができる。また、ファージベクターとしては、(λF
ixIIベクタ−(Stratagene社から購入できる)等を
挙げることができる。
【0064】2−アミノフェノール 1,6−ジオキシ
ゲナーゼをコードするDNAを転写さるためのプロモー
ターは、宿主微生物が保有するプロモーターを一般に用
いることができるが、それに限られるものではなく、2
−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコー
ドするDNAの転写を開始させるための原核生物由来の
塩基配列であればいかなるプロモーターであっても良
い。具体的には、ラクトースオペロンのプロモーター、
トリプトファンオペロンのプロモーター、λファージ由
来のPLプロモーター、トリプトファンラクトース雑種
(tac)プロモーター[H.A.Bose et al., Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A., Vol.80, p.21 (1983)]等が挙げら
れる。また、バチルス属細菌由来のプロモーターが機能
可能な微生物を宿主として用いる場合には、得られた2
−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ遺伝子
固有のプロモーターを使用してもよい。更には、通常用
いられるDNA合成装置、例えばアプライド・バイオシ
ステムズ(Applied Biosystems)社製394DNA/RN
Aシンセサイザーを用いて合成されたものであってもよ
い。
【0065】これらのプローモーターのうち、誘導性の
あるプロモーターでは、その誘導因子(物質あるいは温
度等の生育環境、等)により発現効率を向上させること
もできる。たとえば、上記ラクトースオペロンのプロモ
ーターの場合には、ラクトースやイソプロピル-β-D-チ
オガラクトシド(IPTG)を添加することにより遺伝
子発現を誘導することができる。
【0066】2−アミノフェノール 1,6−ジオキシ
ゲナーゼをコードするDNAを導入する宿主としては、
特に限定されるものではないが、エシェリヒア(Eschei
chia)属細菌、バチルス(Bacillus)属細菌、セラチア
(Serratia)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)
属細菌、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属細
菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、ロ
ドコッカス(Rhodococcus)属細菌、ラクトバチルス(L
actobacillus)属細菌、ストレプトマイセス(Streptom
yces)属細菌、サーマス(Thermus)属細菌、ストレプ
トコッカス(Streptococcus)属細菌等を好適に用いる
ことができる。
【0067】具体的には、エシェリヒア・コリ(Esheri
chia coli)、バチルス・サチリス(Bacillus subtili
s)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチル
ス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermop
hilus)、セラチア・マーセッセンス(Seratia marcesc
ens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putid
a)、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aer
uginosa)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Coryn
ebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラ
バム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム
・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermen
tum)、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus e
rythropolis)、サーマス・サーモフィラス(Thermus t
hermophilus)、ストレプトコッカス・ラクティス(Str
eptococcus lactis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lacto
bacillus casei)、ストレプトマイセス・リビダンス
(Streptomyces lividans)等を用いることができる。
【0068】上記宿主微生物へのDNAの導入法として
はコンピテントセル法[Journal ofMolecular Biolog
y,Vol.53, p.159 (1970)]、パルス波通電法[J.Indus
t.Microbiol., Vol.5, p.159 (1990)]等による形質転換
法、ファージを用いた形質導入法[E.Ohtsubo, Genetic
s, Vol.64, p.189 (1970)]、接合伝達法[J.G.C.Otto
w, Ann.Rev.Microbiol., Vol.29, p.80 (1975) ]、細
胞融合法[M.H.Gabor, J.Bacteriol., Vol.137, p.1346
(1979)]等を用いることができる。
【0069】形質転換体の培養に用いる培地や培養の条
件は、宿主にあわせて適宜選択される。例えば、シュー
ドモナス属の微生物の場合には、上記<1>に記載した
ような微生物の培養に用いる培地及び条件が採用でき
る。
【0070】培養物からの2−アミノフェノール 1,
6−ジオキシゲナーゼ又はそのサブユニットの採取は、
例えば、上記<2>に記載した、2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼの精製方法によって行うこ
とができる。
【0071】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。しかしながら、下記の実施例は本発明について
具体的な認識を得る一助としてのみ挙げるものであり、
これによって本発明の範囲は何ら限定されるものではな
い。
【0072】
【実施例1】 シュードモナス・エスピーAP−3株由来の2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼの精製及び精製
酵素を用いた2−アミノフェノールからのピコリン酸の
生成 アミノフェノール培地AP−3(溶液A〔KH2PO4
20g、Na2HPO4・12H2O 2.5g、NaCl
1g、Yeast Extract 0.4g、ポリペプ
トン 20g、脱イオン水 1L、pH5.5に調整後、
120℃、15分間滅菌〕と溶液B〔MgSO4・7H2
O 1g、CaCl2・2H2O 1mg、CuSO4・5
2O 1mg、ZnCl2 1mg、FeSO4・7H2
1mg、脱イオン水 300ml、120℃、15分間
滅菌〕と溶液C〔2−アミノフェノール 2.4g、K
2PO4 6g、脱イオン水 700ml、pH5.5に
調整後、濾過滅菌〕を室温にて混合)1000mlを5
L容の三角フラスコ、6本に分注し、シュードモナス・
エスピーAP−3株を植菌し、30℃にて24時間振と
う培養した。培養後の培養液を遠心分離(3,500×
g、4℃、20分間)し、菌体30gを回収し、−20
℃にて保存した。
【0073】得られた菌体からの2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼの抽出は、菌体を緩衝液A
〔10%(v/v)エタノール、1mM ジチオスレイ
トール、0.5mM L−アスコルビン酸を含むトリス
−塩酸緩衝液(20mM、pH8.0)〕に懸濁し、超
音波破砕器(ブランソン社製)により菌体を破砕するこ
とにより行った。菌体破砕物を遠心分離(10,000
×g、4℃、30分間)し、上清の可溶性画分を粗酵素
液として得た。
【0074】次に、この粗酵素液を、常法に従いストレ
プトマイシン硫酸塩水溶液(1%(w/v))で処理し
た後、硫安分画(42〜57%飽和)し、上記緩衝液A
に対して4℃で8時間透析した。この透析液をアセトン
分画(50〜65%飽和)し、上記緩衝液Aに対して4
℃で8時間透析した。次いで、DE−52セルロースカ
ラム(ワットマン社製)クロマトグラフィー及びセルロ
ファイン A−500(生化学工業(株)社製)クロマ
トグラフィーにかけ、2−アミノフェノール1,6−ジ
オキシゲナーゼの精製画分(精製酵素)を得た。2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼの活性の検
出は、2−アミノフェノールの減少を282nmの吸光
度変化として測定した。
【0075】上記2−アミノフェノール 1,6−ジオ
キシゲナーゼの精製画分をポリアクリルアミドゲル(4
〜20%グラジエントゲル)電気泳動〔25mM トリ
ス−192mM グリシンからなる緩衝液(pH8.
4)中にて、40mA定電流で1時間泳動〕により分離
し、クマシーブルー色素〔組成:0.2%(w/v)ク
マシーブリリアントブルーR250、40%(v/v)
メタノール、10%(v/v)酢酸〕によって染色した
ところ、分子量約140kDaの単一バンドが検出され
た。
【0076】更に同精製画分をドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)処理液〔組成:62.5mM トリス−塩酸
(pH6.8)、2% SDS、10% グリセロール、
5%2−メルカプトエタノール、0.001% ブロモ
フェノールブルー(BPB)〕に溶解し、95℃にて3
分間熱変性処理後、ポリアクリルアミドゲル(10〜2
0%グラジエントゲル)電気泳動〔25mM トリス−
192mM グリシン−0.1% SDSからなる緩衝液
(pH8.4)中にて、40mA定電流で1時間泳動〕
により分離し、上記と同様に染色したところ、分子量約
40kDaのバンド及び約32kDaのバンドを検出し
た。これらの結果より、該2−アミノフェノール 1,
6−ジオキシゲナーゼの構成は、分子量約40kDaと
32kDaの2つのサブユニットから成る分子量約14
0kDaのヘテロ4量体であることが推定された。
【0077】さらに精製酵素0.2mgを反応液〔0.
4mM 2−アミノフェノール〕1mlに添加後、24
℃で30分間反応させた。反応終了後、煮沸処理により
反応を停止させた後、反応液を遠心分離(8,000×
g、4℃、20分間)し、得られた上清液を、逆相カラ
ム(ウォーターズ社製Bondapak C18カラ
ム)及びUV検出器(264nm)を用いた高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)分析(日立社製、L−6
200)に供した。その結果、原料の2−アミノフェノ
ールのピークの他にピコリン酸のピークの生成を検出
し、また、原料2−アミノフェノールが減少しているこ
とが確認された。
【0078】また、反応液の吸収スペクトル(220〜
450nm)を日立社製・U−2000スペクトロフォ
トメーターを用いて分析したところ、図1に示すとお
り、反応開始前においては2−アミノフェノールの特徴
的な283nmの吸収ピークが観察され()、反応開
始30秒後には2−アミノムコン酸6−セミアルデヒド
に特徴的な382nmの吸収ピークが観察され()、
反応開始150時間後にはピコリン酸に特徴的な264
nmの吸収ピークが観察された()。
【0079】以上の結果より、2−アミノフェノール
は、下記反応式で表されるように、2−アミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼにより2−アミノムコン
酸6−セミアルデヒドに変換された後、自発的にピコリ
ン酸に変換されていることが明らかになった。
【0080】
【化5】
【0081】
【実施例2】 シュードモナス・エスピーAP−3株由来の2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼを用いた2−ア
ミノ−p−クレゾールからの4−メチルピコリン酸の生
成 実施例1において精製した酵素と、0.4mM 2−ア
ミノフェノールの代わりに0.4mM 2−アミノ−p
−クレゾールを含む反応液とを用いて実施例1と同様に
反応をさせ、反応液を実施例1と同様にHPLC分析し
た。その結果、原料の2−アミノ−p−クレゾールのピ
ークの他に4−メチルピコリン酸と考えられるピークの
生成が検出され、また、原料の2−アミノ−p−クレゾ
ールが減少していることが確認された。
【0082】また、反応液の吸収スペクトル(220〜
450nm)を日立社製・U−2000スペクトロフォ
トメーターを用いて分析したところ、実施例1と同様
に、反応開始前においては2−アミノフェノール類の特
徴的な283nm付近に吸収ピークが観察され、反応開
始30秒後には2−アミノムコン酸6−セミアルデヒド
類に特徴的な382nm付近に吸収ピークが観察され、
反応開始150時間後にはピコリン酸類に特徴的な26
4nm付近に吸収ピークが観察された。
【0083】反応終了後の反応液をエバポレーターを用
いて濃縮し、濃縮液を塩酸で酸性にした後、遠心分離し
て上清を得、上清を酢酸エチルで抽出した。抽出液を酢
酸エチルで平衡化したシリカゲルカラムにアプライし、
酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール(1:1)、メタ
ノールの順に溶媒を変えて溶出させた。その結果、酢酸
エチル−メタノール(1:1)の画分に生成物が溶出し
た。得られた生成物をNMR及びマススペクトルにより
同定した。
【0084】1H NMRは、日本電子製GSX400を
用いて測定した。1 H NMR(ppm、DMSO−d6、50℃)7.3
1(1H,s)、7.86(1H,s)、8.05(1
H,br) 一方、マススペクトルは、上記生成物にシリル化試薬B
STFA(N,O−bis−TMS−trifluor
oacetamide)を加え、約30分間加熱して酸
の部分をTMS(トリメチルシリル)化してからGC/
MS(JOELJMS−SX−102/DA6000)
で分析した。その結果、4−メチルピコリン酸(分子量
=137)+TMS基−メチル基と考えられる、m/z
194のフラグメントイオンが見られた。
【0085】
【実施例3】 シュードモナス・エスピーAP−3株由来の2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼを用いた2−ア
ミノ−m−クレゾールからの5−メチルピコリン酸の生
成 実施例1において精製した酵素と、0.4mM 2−ア
ミノフェノールの代わりに0.4mM 2−アミノ−m
−クレゾールとを含む反応液を用いて実施例1と同様に
反応をさせ、反応液を実施例1と同様にHPLC分析し
た。その結果、原料の2−アミノ−m−クレゾールのピ
ークの他に5−メチルピコリン酸と考えられるピークの
生成が検出され、また、原料2−アミノ−m−クレゾー
ルが減少していることが確認された。
【0086】また、反応液の吸収スペクトル(220〜
450nm)を日立社製・U−2000スペクトロフォ
トメーターを用いて分析したところ、実施例1と同様
に、反応開始前においては2−アミノフェノール類の特
徴的な283nm付近に吸収ピークが観察され、反応開
始30秒後には2−アミノムコン酸6−セミアルデヒド
類に特徴的な382nm付近に吸収ピークが観察され、
反応開始150時間後にはピコリン酸類に特徴的な26
4nm付近に吸収ピークが観察された。
【0087】反応終了後の反応液をエバポレーターを用
いて濃縮し、濃縮液を塩酸で酸性にした後、遠心分離し
て上清を得、上清を酢酸エチルで抽出した。抽出液を酢
酸エチルで平衡化したシリカゲルカラムにアプライし、
酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール(1:1)、メタ
ノールの順に溶媒を変えて溶出させた。その結果、酢酸
エチル−メタノール(1:1)の画分に生成物が溶出し
た。得られた生成物をNMR及びマススペクトルにより
同定した。
【0088】1H NMRは、日本電子製GSX400を
用いて測定した。1 H NMR(ppm、DMSO−d6、50℃)7.7
8(1H,d,J=7.0Hz)、7.93(1H,
d,J=7.7Hz)、8.07(1H,br) 一方、マススペクトルは、上記生成物にシリル化試薬B
STFA(N,O−bis−TMS−trifluor
oacetamide)を加え、約30分間加熱して酸
の部分をTMS(トリメチルシリル)化してからGC/
MS(JOELJMS−SX−102/DA6000)
で分析した。その結果、5−メチルピコリン酸(分子量
=137)+TMS基−メチル基と考えられる、m/z
194のフラグメントイオンが見られた。
【0089】
【実施例4】 シュードモナス・エスピーAP−3株由来の2−アミノ
フェノール 1,6−ジオキシゲナーゼを用いた2−ア
ミノ−4−クロロフェノールからの4−クロロピコリン
酸の生成 実施例1において精製した酵素と、0.4mM 2−ア
ミノフェノールの代わりに0.4mM 2−アミノ−p
−クロロフェノールを含む反応液を用いて実施例1と同
様に反応をさせ、反応液を実施例1と同様にHPLC分
析した。その結果、原料の2−アミノ−4−クロロフェ
ノールのピークの他に4−クロロピコリン酸と考えられ
るピークの生成が検出され、また、原料2−アミノ−4
−クロロフェノールが減少していることが確認された。
【0090】また、反応液の吸収スペクトル(220〜
450nm)を日立社製・U−2000スペクトロフォ
トメーターを用いて分析したところ、実施例1と同様
に、反応開始前においては2−アミノフェノール類の特
徴的な283nm付近に吸収ピークが観察され、反応開
始30秒後には2−アミノムコン酸6−セミアルデヒド
類に特徴的な382nm付近に吸収ピークが観察され、
反応開始150時間後にはピコリン酸類に特徴的な26
4nm付近に吸収ピークが観察された。
【0091】反応終了後の反応液をエバポレーターを用
いて濃縮し、濃縮液を塩酸で酸性にした後、遠心分離し
て上清を得、上清を酢酸エチルで抽出した。抽出液を酢
酸エチルで平衡化したシリカゲルカラムにアプライし、
酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール(1:1)、メタ
ノールの順に溶媒を変えて溶出させた。その結果、酢酸
エチル−メタノール(1:1)の画分に生成物が溶出し
た。得られた生成物をNMR及びマススペクトルにより
同定した。
【0092】1H NMRは、日本電子製GSX400を
用いて測定した。1 H NMR(ppm、DMSO−d6、50℃)7.6
4(1H,s)、8.01(1H,s)、8.54(1
H,br) 一方、マススペクトルは、上記生成物にシリル化試薬B
STFA(N,O−bis−TMS−trifluor
oacetamide)を加え、約30分間加熱して酸
の部分をTMS(トリメチルシリル)化してからGC/
MS(JOELJMS−SX−102/DA6000)
で分析した。その結果、4−クロロピコリン酸(分子量
=157)+TMS基−メチル基と考えられる、m/z
214のフラグメントイオンが見られた。
【0093】
【実施例5】 2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼをコ
ードするDNAの取得 (1)シュードモナス・エスピーAP-3株の染色体DNA
断片の調製 シュードモナス・エスピーAP-3株を実施例1のアミノフ
ェノール培地AP−3を用いて30℃で対数増殖期後期
まで振とう培養し、菌体を集めた。
【0094】得られた菌体を10mg/mlの濃度にな
るよう、リゾチームを含む10mMNaCl−20mM
トリス緩衝液(pH8.0)−1mM EDTA・2Na
溶液15mlに懸濁した。次にプロテナーゼK(宝酒造
製)を最終濃度が100μg/mlになるように添加
し、37℃で1時間保温した。さらにドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)を 最終濃度が0.5%になるように添
加し、50℃で6時間保温して溶菌させた。この溶菌液
に、等量のフェノール/クロロホルム溶液を添加し、室
温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離
(5,000×g, 20分間,10〜12℃)し、上清
を分取した。この上清に酢酸ナトリウムを0.3Mとな
るよう添加した後、2倍量のエタノールをゆっくりと加
えた。水層とエタノール層の間に存在するDNAをガラ
ス棒でまきとり、70%エタノールで洗浄した後、風乾
した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液(pH
7.5)−1mMEDTA・2Na溶液5mlを加え、
4℃で一晩静置し染色体DNA断片の溶液を得た。
【0095】(2)2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNAの一部を含むDNA
断片の取得 実施例1で得られた精製2−アミノフェノール 1,6
−ジオキシゲナーゼ(αサブユニット:32kDa、β
サブユニット:40kDa)のN末端からのアミノ酸配
列をアミノ酸シーケンサー(アプライドバイオシステム
ズ社製、473A型)を用いて決定した。その結果を配
列番号4及び5に示す。
【0096】次いで、得られたアミノ酸配列から予想さ
れる配列番号6及び7に示した塩基配列を有する2−ア
ミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ遺伝子クロ
ーニング用のPCRプライマーDNAをDNA合成装置
(アプライドバイオシステムズ社製、394型)を用い
て合成した。
【0097】ポリメラーゼ連鎖反応の反応液は以下の組
成(総容量100μl)で行った。濃度は最終濃度を表
す。[25ユニット/ml Taq DNAポリメラー
ゼ,10mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、5
0mM KCl,1.5mM MgCl2,0.25mM
dATP,0.25mM dCTP,0.25mM dG
TP,0.25mM dTTP,0.5μg/ml 染色
体DNA,1μM プライマーDNA1 CATNACYTTRAANS
WYTCCCA(Nはイノシン、Yは(TC)、Rは(AG)、Sは(GC)、W
は(AT)を示す。)(配列番号4記載のアミノ酸配列にお
けるアミノ酸番号23〜30を元にして設計した配列:
配列番号6)、1μM プライマーDNA2 TTYATNGCNC
CNCAYCCNCCNCA(Nはイノシン、Yは(TC)を示す。)(配
列番号5記載のアミノ酸配列におけるアミノ酸番号10
〜16を元にして設計した配列:配列番号7)]
【0098】ポリメラーゼ連鎖反応の反応条件は、94
℃,1分、55℃,2分、72℃,3分を1サイクルと
する25サイクルであった。そして上記反応で増幅され
たDNA断片を以下の方法に従い、プラスミドpGEM
−Tにクローニングした。即ち、50mM トリス−塩
酸緩衝液(pH7.9),10mM MgCl2,20
mM ジチオスレイトール,1mM ATP,100un
it/ml T4DNAリガーゼ,5μg/ml pGE
M−Tベクター,1μg/ml PCR産物(各濃度は
最終濃度)の反応液(総容量10μl)となるように各
成分を添加し、16℃で3時間反応させて、PCR産物
DNAを結合させた。ついで、常法[J.Mol.Bi
ol.,53,159(1970)参照]に従って、得
られた溶液を用いてエシエリヒア・コリJM109を形
質転換した。得られた形質転換菌を選択培地[組成:ト
リプトン 10g,酵母エキス 5g,NaCl 5g,
寒天 15g,アンピシリン 50mg,イソプロピオチ
オガラクトシド 0.238g,X−gal 0.2g及
びジメチルホルムアミド 2mlを蒸留水に溶解して1
リットルとする]に塗抹し、37℃で20時間培養し
た。こうして得られたコロニーを青/白カラースクリー
ニングした。選択培地上に生育した白いコロニーを、ア
ンピシリンを最終濃度で50μg/ml含有するL培養液
[トリプトン 10g,酵母エキス 5g,NaCl 5
gを蒸留水に溶解して1リットルとする]に植菌し、こ
れを30℃で12時間培養した。培養液を4℃で10分
間8,000×gの遠心分離にかけて菌体を回収した。
回収した菌体からアルカリ−SDS法[T.Mania
tis, E.F.Fritsch, J.Sambro
ok, Molecular cloning, p.9
0−91(1982)参照]によりプラスミドを抽出し
た。
【0099】次に、得られた該プラスミドに挿入された
染色体DNA断片の塩基配列をジデオキシヌクレオチド
酵素法により決定した。具体的には、上記培養物より抽
出したプラスミドDNAをパーキン・エルマー社製カタ
リスト800モレキュラー・バイオロジー・ラボステー
ション(CATALYST 800 Moleculer
Biology Labostation; Perk
in−Elmer)を用いてプロトコールに従い反応さ
せた後、パーキン・エルマー社製373A DNAシー
クエンサーによりプラスミドの挿入DNA断片の塩基配
列を決定した。
【0100】決定した塩基配列を翻訳して得られるタン
パク質のアミノ酸配列と、上記2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼのN末アミノ酸配列との相同
性の比較により、PCRにより得られたDNA断片は、
シュードモナス・エスピーAP-3株由来のアミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼのβサブユニットほぼ全
域とαサブユニットの上流部分をコードするもの(配列
番号1記載の塩基配列中の193番目から1205番
目)であることが判明した。
【0101】次に、上記(1)で得た染色体DNA溶液
の90μlに制限酵素EcoRIあるいはSacI、5
0U(units)を加え、37℃で1時間反応させ完
全分解し、アガロース電気泳動に供した。このアガロー
スゲルよりDNAをナイロン膜上に移し取り、Ramdom P
rimer DNA Labeling Kit Ver.2(宝酒造製)及び[α- 32
P]dCTPを用いてラジオアイソトープラベル[Anal.B
iochem., 158, 307-315 (1986)]した上記PCR増幅断
片をDNAプローブとして用い、常法[Molecular Cloni
ng, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)]に
従ってサザンハイブリダイゼーションを行った。
【0102】その結果、上記ナイロン膜上、制限酵素E
coRIで処理した場合は約1.3kbの位置に、制限
酵素SacIで処理した場合は約1.6kbの位置に、
上記合成プローブが強くハイブリダイズするDNA断片
の存在を確認した。
【0103】(3)シュードモナス・エスピーAP-3株の
染色体DNAライブラリーの作製 上記(1)項で得たシュードモナス・エスピーAP-3株の
染色体DNA溶液の90μlに制限酵素Sau3AI
5unitsを加え、37℃で10分間反応させて部分
分解した。この様々な長さの部分分解DNAと、制限酵
素XhoIで切断後、DNAポリメラーゼクレノウフラ
グメント(Klenow fragment)を用いてT(チミジ
ン)、C(デオキシシトシン)を埋めたファージベクタ
ーλFIXII(λFIXII/XhoI−partial fill-i
n treated DNA:東洋紡績(株)製)とを混合し、50
mMトリス緩衝液(pH7.6),10mMジチオスレイ
トール,1mM ATP,10mM MgCl2及び T4D
NAリガーゼ 1unit/10μlの各成分を添加し
(各成分の濃度は最終濃度である)、16℃で10時間
反応させて部分分解DNAとベクターとを連結させ、染
色体DNAのλDNAライブラリーを得た。
【0104】(4)形質転換体の作製及び目的組換え体
DNAの選別 上記(3)で作製したλDNAライブラリーファージ溶
液(2〜5×104pfu;SM緩衝液希釈)と、エシェ
リヒア・コリP2392の培養液を当量混合し、37℃
で15分間保温した。これに50℃にて保温しておいた
3〜4mlのλ培地(1% Trypton,0.5%
Yeast extract,0.5%NaCl,0.2
% MgSO4・7H2O,0.5%Agar)を加え、λ
プレート(1% Trypton,0.5% NaCl,
0.2% MgSO4・7H2O,1%Agar)に均一に
塗布し、37℃で12〜16時間培養した。
【0105】この培地上にニトロセルロースフィルター
を載せ、培地上に形成されたプラークをフィルターに吸
着させ、順次5分間ずつ以下 イ)〜ハ)の試薬に浸した
濾紙上にフィルターをのせて処理した。 イ)0.5M NaOH,1.5M NaCl ロ)0.5M Tris−HCl(pH7.5),1.5
M NaCl,0.001M EDTA ハ)2×SSC(20×SSC;NaCl 175.3
g,クエン酸三ナトリウム二水和物 88.2gを蒸留
水1Lに溶解)
【0106】上記フィルターを風乾後、80℃にて2時
間乾熱処理をしてDNAを固定した。前記(2)で得た
PCR増幅断片をDNAプローブとして用い、上記で作
製したフィルターにつきプラークハイブリダイゼーショ
ンを常法[Molecular Cloning, Cold Spring Harbor La
boratory Press(1989)]に従って行った。
【0107】この結果、上記プローブについてハイブリ
ダイゼーション陽性のプラークを選択し、そこからファ
ージDNAを抽出して、制限酵素EcoRIで切り出さ
れる長さ約1.3kbの挿入断片、及び、制限酵素Sa
cIで切り出される長さ約1.6kbの挿入断片をアガ
ロースゲル電気泳動により確認した。
【0108】(5)2−アミノフェノール 1,6−ジ
オキシゲナーゼをコードするDNAのサブクローニング
及びDNA塩基配列の決定 上記(4)で得られた、制限酵素EcoRIで切り出さ
れる長さ約1.3kbの挿入断片、及び、制限酵素Sa
cIで切り出される長さ約1.6kbの挿入断片に存在
する2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ
をコードするDNAの全塩基配列を決定するために、該
DNA断片を下記のようにプラスミドpUC118(宝
酒造(株)製)へサブクローニングした。
【0109】上記EcoRIまたはSacIで切り出さ
れるDNA断片と、クローニングベクターpUC118
(宝酒造(株)製)を、各々制限酵素EcoRIまたは
SacIで切断した後、脱リン酸化処理したものを混合
し、50mMトリス緩衝液(pH7.6),10mMジ
チオスレイトール,1mM ATP,10mM MgCl
2及びT4DNAリガーゼ 1unit/10μlの各成
分を添加し(各成分の濃度は最終濃度である)、16℃
で10時間反応させ、上記EcoRI−EcoRI断片
またはSacI−SacI断片とベクターを連結させ
た。
【0110】得られた連結反応液を用い、塩化カルシウ
ム法[Journal of Molecular Biology,Vol.53, p.159
(1970)]により エシェリヒア・コリJM109(宝酒
造社製)を形質転換し、アンピシリン 50μg/ml
を含む培地[トリプトン10g,イーストエキストラク
ト 5g,NaCl 5g及び寒天16gを蒸留水1Lに
溶解]に塗抹した。
【0111】この培地上の生育株を常法により液体培養
し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミ
ドを制限酵素EcoRIまたはSacIにより切断し、
上記(2)で得られたPCR増幅断片をDNAプローブ
としたハイブリダイゼーション法を用いて挿入断片を調
べたところ、プラスミドpUC118の長さ3.2kb
のDNA断片に加え、長さ約1.3kbのEcoRI断
片、及び、長さ約1.6kbのSacI断片が確認され
た。
【0112】上記で得られた長さ約1.3kbのEco
RI断片を含むプラスミドをpAPEと命名し、該プラ
スミドで形質転換されたエシェリヒア・コリJM109
株(宝酒造(株)製)をECAPEと命名し、長さ約
1.6kbのSacI断片を含むプラスミドをpAPS
と命名し、該プラスミドで形質転換されたエシェリヒア
・コリJM109株(宝酒造(株)製)をECAPSと
命名した。
【0113】上記で得られた2−アミノフェノール
1,6−ジオキシゲナーゼコードするDNAを含む長さ
が約1.3kbのDNA(EcoRI−EcoRI)断
片、及び、長さが約1.6kbのDNA(SacI−S
acI)断片について、その塩基配列をpUC118
(宝酒造(株)製)を用いるジデオキシヌクレオチド酵
素法(dideoxychain termination法)[Sanger,F.et a
l.,プロシ−ディング・オブ・ナショナル・アカデミ−
・オブ・サイエンス・オブ・ユナイテッド・ステイツ・
オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)Vol.74,p.5
463,(1977)]により決定した。
【0114】このようにして決定された上記の両DNA
断片(長さが約1.3kbのDNA(EcoRI−Ec
oRI)断片、及び、長さが約1.6kbのDNA(S
acI−SacI)断片)の塩基配列には、0.8kb
の重なりが見られた(図1)。重ね合わせた全長約2.
1kbの塩基配列の中には、2つのオープンリーデイン
グフレームの存在が確認され、シュードモナス・エスピ
ーAP−3株の2−アミノフェノール 1,6−ジオキ
シゲナーゼをコードするDNAは、後記配列表の配列番
号2(配列番号1に示す塩基配列中の塩基番号163〜
塩基番号1077に相当)に示すアミノ酸配列(βサブ
ユニット)をコードする915塩基対、及び、配列番号
3(配列番号1に示す塩基配列中の塩基番号1113〜
塩基番号1925に相当)に示すアミノ酸配列(αサブ
ユニット)をコードする813塩基対の2つのオープン
リーデイングフレームから構成されることがわかった。
また、得られた塩基配列(配列番号1)には、前記
(1)で決定した配列番号4及び5に示すアミノ酸配列
から予想される塩基配列に相当する配列が含まれること
が再確認された。
【0115】
【発明の効果】本発明の方法により2−アミノフェノー
ル類からピコリン酸類を簡便に得ることができる。ま
た、本発明のDNAによれば、微生物の触媒能力を従来
の方法に比して飛躍的に増大させたり、2−アミノフェ
ノール 1,6−ジオキシゲナーゼを大量に製造したり
することが可能となる。
【0116】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:2139 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.) 株名:AP−3 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:163..1077 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1113..1925 特徴を決定した方法:E 配列 GAATTCAATG CCGTATGGGA TGAGTATTTC AAAGACCAAA CGCCTCCGGC GCGAACGTCT 60 ATAGGAGTAT CAGCGCTTCC GCTGGGTGCG CTGATTGAGA TGGAGTTCCA ATTCGCAATC 120 GATTGATCCT GCCTTCAAAA AACAAATACT AGGAGAAGCG AT ATG GCA AAC GGT 174 Met Ala Asn Gly 1 GAA ATT ATC AGC GGC TTC ATT GCC CCC CAT CCA CCT CAC TTG GTT TAT 222 Glu Ile Ile Ser Gly Phe Ile Ala Pro His Pro Pro His Leu Val Tyr 5 10 15 20 GGC GAA AAC CCT CCG CAG AAT GAG CCT AAG TCT ACG GGC GGT TGG GAG 270 Gly Glu Asn Pro Pro Gln Asn Glu Pro Lys Ser Thr Gly Gly Trp Glu 25 30 35 CAG TTA CGG TGG GCC TAT GAG CGT GCC AGG GCC AGT ATC GAG GAA CTG 318 Gln Leu Arg Trp Ala Tyr Glu Arg Ala Arg Ala Ser Ile Glu Glu Leu 40 45 50 AAA CCA GAT GTT CTT CTG GTG CAC TCG CCT CAC TGG ATC ACC TCG GTT 366 Lys Pro Asp Val Leu Leu Val His Ser Pro His Trp Ile Thr Ser Val 55 60 65 GGT CAT CAT TTC ATC GGC GTC GAC CAT CTT CAG GGG CGG TCG GTC GAT 414 Gly His His Phe Ile Gly Val Asp His Leu Gln Gly Arg Ser Val Asp 70 75 80 CCC ATT TTT CCG AAC CTG TTC CGT TTT GAC TAT TCG ATC AAT TTC GAC 462 Pro Ile Phe Pro Asn Leu Phe Arg Phe Asp Tyr Ser Ile Asn Phe Asp 85 90 95 100 GTC GAG CTC TCT GAG GCC TGT TGC GAG GAA GGC CGC AAG GCC GGG CTT 510 Val Glu Leu Ser Glu Ala Cys Cys Glu Glu Gly Arg Lys Ala Gly Leu 105 110 115 GTT ACG AAG ATG ATG CGT AAC CCC CGA TTC CGG CCT GAT TAT GGA ACG 558 Val Thr Lys Met Met Arg Asn Pro Arg Phe Arg Pro Asp Tyr Gly Thr 120 125 130 ATC ACT ACC CTG CAC ATG ATA CGC CCG CAA TGG GAT ATT CCG GTC GTG 606 Ile Thr Thr Leu His Met Ile Arg Pro Gln Trp Asp Ile Pro Val Val 135 140 145 TCG ATT TCC GCG AAC AAT ACG CCG TAC TAC CTG AGT ATG GAA GAG GGG 654 Ser Ile Ser Ala Asn Asn Thr Pro Tyr Tyr Leu Ser Met Glu Glu Gly 150 155 160 CTT GGG GAA ATG GAC GTG CTC GGT AAG GCG ACC CGT GAA GCC ATT CTG 702 Leu Gly Glu Met Asp Val Leu Gly Lys Ala Thr Arg Glu Ala Ile Leu 165 170 175 180 AAA TCT GGA AAG CGT GCG GTT TTG CTC GCT TCT AAT ACG TTA TCC CAT 750 Lys Ser Gly Lys Arg Ala Val Leu Leu Ala Ser Asn Thr Leu Ser His 185 190 195 TGG CAC TTC CAC GAG GAA CCC GTG CCG CCA GAG GAT ATG TCC AAA GAG 798 Trp His Phe His Glu Glu Pro Val Pro Pro Glu Asp Met Ser Lys Glu 200 205 210 CAT CCC CAG ACC AAG ATC GGC TAC GAA TGG GAC ATG CGC ATG ATT GAG 846 His Pro Gln Thr Lys Ile Gly Tyr Glu Trp Asp Met Arg Met Ile Glu 215 220 225 TTG ATG CGG CAA GGG CGT ATG GAG GAA GTT TTC CAA CTT CTC CCT CAG 894 Leu Met Arg Gln Gly Arg Met Glu Glu Val Phe Gln Leu Leu Pro Gln 230 235 240 TTT ATT GAG GAA GCT TTT GCT GAG GTC AAA TCG GGC GCG TTC ACC TGG 942 Phe Ile Glu Glu Ala Phe Ala Glu Val Lys Ser Gly Ala Phe Thr Trp 245 250 255 260 ATG CAT GCC GCC ATG CAG TAT CCG AAC CTC CCT GCG GAG TTG CAT GGC 990 Met His Ala Ala Met Gln Tyr Pro Asn Leu Pro Ala Glu Leu His Gly 265 270 275 TAC GGA ACG GTG ATC GGT ACC GGA AAT GCC GTA GTG GAG TGG AAT TTG 1038 Tyr Gly Thr Val Ile Gly Thr Gly Asn Ala Val Val Glu Trp Asn Leu 280 285 290 GTC AAG GCG GGC CTA GCC AGA GTG GCA GGA AAA GCA GCC TAACCGTCCC 1087 Val Lys Ala Gly Leu Ala Arg Val Ala Gly Lys Ala Ala 295 300 305 TTTTTCCCAA TCAGGTATTA AGTCC ATG ACC ATT GTT TCC GCC TTC CTT GTT 1139 Met Thr Ile Val Ser Ala Phe Leu Val 1 5 CCC GGT AGC CCT CTG CCT CAT TTG CGC CCA GAT GTC AAA AGC TGG GAA 1187 Pro Gly Ser Pro Leu Pro His Leu Arg Pro Asp Val Lys Ser Trp Glu 10 15 20 25 AGC TTC AAA GTT GCT ATG CAA AAC GTG GGC GAA AAG CTG CGC GCC TCG 1235 Ser Phe Lys Val Ala Met Gln Asn Val Gly Glu Lys Leu Arg Ala Ser 30 35 40 AAG CCC GAC GTA GTT TTA ATT TAT TCA ACT CAA TGG TTT GCA GTG CTG 1283 Lys Pro Asp Val Val Leu Ile Tyr Ser Thr Gln Trp Phe Ala Val Leu 45 50 55 GAT GAG ATC TGG CTA ACA CGC CAG CGC AGC CTG GAT ATT CAT GTT GAT 1331 Asp Glu Ile Trp Leu Thr Arg Gln Arg Ser Leu Asp Ile His Val Asp 60 65 70 GAG AAC TGG CAT GAA TTC GGA GAG TTG CCC TAT GAT ATT TAT TCA GAT 1379 Glu Asn Trp His Glu Phe Gly Glu Leu Pro Tyr Asp Ile Tyr Ser Asp 75 80 85 GTC GAC CTC GCT AAT GCC TGT ATT GAA AGC TGC CGT GCT GCG GGG GTG 1427 Val Asp Leu Ala Asn Ala Cys Ile Glu Ser Cys Arg Ala Ala Gly Val 90 95 100 105 AAC GCG CGG GGT GCT GAC TAC GAG AGC TTC CCG ATT GAT ACC GGG ACA 1475 Asn Ala Arg Gly Ala Asp Tyr Glu Ser Phe Pro Ile Asp Thr Gly Thr 110 115 120 ATC GTA GCC TGC AAT GCA CTC AAG GTC GGT ACT TCA GAT CTG CCA GTT 1523 Ile Val Ala Cys Asn Ala Leu Lys Val Gly Thr Ser Asp Leu Pro Val 125 130 135 GTG GTG GCA TCT AAC AAT CTT TAT GAC GAT CAA GCC GCT ACC GAG AGG 1571 Val Val Ala Ser Asn Asn Leu Tyr Asp Asp Gln Ala Ala Thr Glu Arg 140 145 150 CTT GCG GCT CTT GCA GTC GCC TGT ATT TCG GAA AAA GGT AAG CGG ATT 1619 Leu Ala Ala Leu Ala Val Ala Cys Ile Ser Glu Lys Gly Lys Arg Ile 155 160 165 GCT GTC ATT GGC GTC GGT GGC CTG TCC GGC AGC GTT TTC ACC ACC GCC 1667 Ala Val Ile Gly Val Gly Gly Leu Ser Gly Ser Val Phe Thr Thr Ala 170 175 180 185 ATC GAT CCC GCT GAA GAC CGC GTA GTG AAA GCG GTC GAA GAC GAC TGC 1715 Ile Asp Pro Ala Glu Asp Arg Val Val Lys Ala Val Glu Asp Asp Cys 190 195 200 AAC AAG AAC ATT CTC AGT TTG ATG GAG TCT GGG AAT ATC CAG GCT TTG 1763 Asn Lys Asn Ile Leu Ser Leu Met Glu Ser Gly Asn Ile Gln Ala Leu 205 210 215 AGG GAG GCA CTC AAA TCT TAT TCT AAA GAG GCG AGA GCG GAA ATG GGG 1811 Arg Glu Ala Leu Lys Ser Tyr Ser Lys Glu Ala Arg Ala Glu Met Gly 220 225 230 TTC AAA CAT TTC CAC TGG TTA CTA GGT GCA TTG GAT GGG CAT TTC AAA 1859 Phe Lys His Phe His Trp Leu Leu Gly Ala Leu Asp Gly His Phe Lys 235 240 245 GGT GCC ACA GTT CAT CAC TAC GGT GCT CTT TAT GGT AGC GGC GCT GCA 1907 Gly Ala Thr Val His His Tyr Gly Ala Leu Tyr Gly Ser Gly Ala Ala 250 255 260 265 GTG GTT GAG TTT TCA ATC TGACAACGTT TCGCTGACTG TATTAGATGC 1955 Val Val Glu Phe Ser Ile 270 AGTGAATCTT CGCTAGTTTT CTTGTCACGA TGGCCCCCTT ACATGTCGGG GGGACGGGTT 2015 ACTGCGCTTT TTATTCGGCT TGGCCCGTCA TGCCCGACAG CCAGCACCAA TGTATGAATG 2075 TTTTATCGAG GTAGTTTATG AAGCAATATC GAAACTTTGT GGATGGCAAG TGGGTCGAGA 2135 GCTC 2139
【0117】配列番号:2 配列の長さ:305 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Asn Gly Glu Ile Ile Ser Gly Phe Ile Ala Pro His Pro Pro 1 5 10 15 His Leu Val Tyr Gly Glu Asn Pro Pro Gln Asn Glu Pro Lys Ser Thr 20 25 30 Gly Gly Trp Glu Gln Leu Arg Trp Ala Tyr Glu Arg Ala Arg Ala Ser 35 40 45 Ile Glu Glu Leu Lys Pro Asp Val Leu Leu Val His Ser Pro His Trp 50 55 60 Ile Thr Ser Val Gly His His Phe Ile Gly Val Asp His Leu Gln Gly 65 70 75 80 Arg Ser Val Asp Pro Ile Phe Pro Asn Leu Phe Arg Phe Asp Tyr Ser 85 90 95 Ile Asn Phe Asp Val Glu Leu Ser Glu Ala Cys Cys Glu Glu Gly Arg 100 105 110 Lys Ala Gly Leu Val Thr Lys Met Met Arg Asn Pro Arg Phe Arg Pro 115 120 125 Asp Tyr Gly Thr Ile Thr Thr Leu His Met Ile Arg Pro Gln Trp Asp 130 135 140 Ile Pro Val Val Ser Ile Ser Ala Asn Asn Thr Pro Tyr Tyr Leu Ser 145 150 155 160 Met Glu Glu Gly Leu Gly Glu Met Asp Val Leu Gly Lys Ala Thr Arg 165 170 175 Glu Ala Ile Leu Lys Ser Gly Lys Arg Ala Val Leu Leu Ala Ser Asn 180 185 190 Thr Leu Ser His Trp His Phe His Glu Glu Pro Val Pro Pro Glu Asp 195 200 205 Met Ser Lys Glu His Pro Gln Thr Lys Ile Gly Tyr Glu Trp Asp Met 210 215 220 Arg Met Ile Glu Leu Met Arg Gln Gly Arg Met Glu Glu Val Phe Gln 225 230 235 240 Leu Leu Pro Gln Phe Ile Glu Glu Ala Phe Ala Glu Val Lys Ser Gly 245 250 255 Ala Phe Thr Trp Met His Ala Ala Met Gln Tyr Pro Asn Leu Pro Ala 260 265 270 Glu Leu His Gly Tyr Gly Thr Val Ile Gly Thr Gly Asn Ala Val Val 275 280 285 Glu Trp Asn Leu Val Lys Ala Gly Leu Ala Arg Val Ala Gly Lys Ala 290 295 300 Ala 305
【0118】配列番号:3 配列の長さ:271 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Thr Ile Val Ser Ala Phe Leu Val Pro Gly Ser Pro Leu Pro His 1 5 10 15 Leu Arg Pro Asp Val Lys Ser Trp Glu Ser Phe Lys Val Ala Met Gln 20 25 30 Asn Val Gly Glu Lys Leu Arg Ala Ser Lys Pro Asp Val Val Leu Ile 35 40 45 Tyr Ser Thr Gln Trp Phe Ala Val Leu Asp Glu Ile Trp Leu Thr Arg 50 55 60 Gln Arg Ser Leu Asp Ile His Val Asp Glu Asn Trp His Glu Phe Gly 65 70 75 80 Glu Leu Pro Tyr Asp Ile Tyr Ser Asp Val Asp Leu Ala Asn Ala Cys 85 90 95 Ile Glu Ser Cys Arg Ala Ala Gly Val Asn Ala Arg Gly Ala Asp Tyr 100 105 110 Glu Ser Phe Pro Ile Asp Thr Gly Thr Ile Val Ala Cys Asn Ala Leu 115 120 125 Lys Val Gly Thr Ser Asp Leu Pro Val Val Val Ala Ser Asn Asn Leu 130 135 140 Tyr Asp Asp Gln Ala Ala Thr Glu Arg Leu Ala Ala Leu Ala Val Ala 145 150 155 160 Cys Ile Ser Glu Lys Gly Lys Arg Ile Ala Val Ile Gly Val Gly Gly 165 170 175 Leu Ser Gly Ser Val Phe Thr Thr Ala Ile Asp Pro Ala Glu Asp Arg 180 185 190 Val Val Lys Ala Val Glu Asp Asp Cys Asn Lys Asn Ile Leu Ser Leu 195 200 205 Met Glu Ser Gly Asn Ile Gln Ala Leu Arg Glu Ala Leu Lys Ser Tyr 210 215 220 Ser Lys Glu Ala Arg Ala Glu Met Gly Phe Lys His Phe His Trp Leu 225 230 235 240 Leu Gly Ala Leu Asp Gly His Phe Lys Gly Ala Thr Val His His Tyr 245 250 255 Gly Ala Leu Tyr Gly Ser Gly Ala Ala Val Val Glu Phe Ser Ile 260 265 270
【0119】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Ile Val Ser Ala Phe Leu Val Pro Gly Ser Pro Leu Pro His Leu 1 5 10 15 Arg Pro Asp Val Lys Ser Trp Glu Ser Phe Lys Val Ala Met 20 25 30
【0120】配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Asn Gly Glu Ile Ile Ser Gly Phe Ile Ala Pro His Pro Pro His 1 5 10 15 Leu Val Tyr Gly 20
【0121】配列番号:6 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成オリゴヌクレオチド) 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 CATNACYTTR AANSWYTCCC A 21
【0122】配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成オリゴヌクレオチド) 配列の特徴: 特徴を表す記号: 存在位置: 特徴を決定した方法: その他の情報:Nはイノシンを表す。 配列 TTYATNGCNC CNCAYCCNCC NCA 23
【図面の簡単な説明】
【図1】 2−アミノフェノールに2−アミノフェノー
ル 1,6−ジオキシゲナーゼを作用させた場合のUV
スペクトルの経時変化を示す図である。
【図2】 アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナー
ゼをコードするDNAを含むEcoRI−SacI断片
(約2.1kb)の制限酵素地図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:38) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/06 C12R 1:19) (C12N 9/06 C12R 1:38) (C12P 17/12 C12R 1:38) (C12P 21/02 C12R 1:38) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ
    基、ニトロ基またはカルボキシル基である。)で表され
    る2−アミノフェノール類を酵素と反応させることを特
    徴とする下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4は上記の通りである。)
    で表されるピコリン酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】 R1、R2、R3及びR4が、それぞれ独立
    して、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C10のアル
    キル基である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 R1、R2、R3及びR4が、それぞれ独立
    して、水素原子、ハロゲン原子またはC1〜C3のアルキ
    ル基である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酵素が1,6−ジオキシゲナーゼで
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酵素が2−アミノフェノール 1,
    6−ジオキシゲナーゼである請求項4に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記2−アミノフェノール 1,6−ジ
    オキシゲナーゼが、シュードモナス・エスピーAP−3
    株由来である請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記2−アミノフェノール 1,6−ジ
    オキシゲナーゼが、下記(A)又は(B)に示すポリペ
    プチドと下記(C)又は(D)に示すポリペプチドとを
    含む請求項5に記載の製造方法。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。 (C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (D)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。
  8. 【請求項8】 下記(A)又は(B)に示すポリペプチ
    ドと下記(C)又は(D)に示すポリペプチドとを含む
    2−アミノフェノール 1,6−ジオキシゲナーゼ。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。 (C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (D)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。
  9. 【請求項9】 下記(A)又は(B)に示すポリペプチ
    ドをコードするDNA。 (A)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (B)配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。
  10. 【請求項10】 下記(C)又は(D)に示すポリペプ
    チドをコードするDNA。 (C)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列を有す
    る2−アミノフェノール1,6−ジオキシゲナーゼのサ
    ブユニットのポリペプチド。 (D)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列におい
    て、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつ、配列表の配列番
    号2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドととも
    に、2−アミノフェノールを酸化してピコリン酸類を生
    成する活性を有するタンパク質を構成し得るポリペプチ
    ド。
  11. 【請求項11】 下記(a)又は(b)に示すDNAで
    ある請求項9記載のDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列を
    含むDNA。 (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号163〜1077からなる塩基配列と
    ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
    であって、かつ、配列表の配列番号3に示すアミノ酸配
    列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノール
    を酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタンパ
    ク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。
  12. 【請求項12】 下記(c)又は(d)に示すDNAで
    ある請求項10記載のDNA。 (c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号1113〜1925からなる塩基配列
    を含むDNA。 (d)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号113〜1925からなる塩基配列と
    ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
    であって、かつ、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配
    列を有するポリペプチドとともに2−アミノフェノール
    を酸化してピコリン酸類を生成する活性を有するタンパ
    ク質を構成し得るポリペプチドをコードするDNA。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか一項に記載
    のDNAがベクターに連結されてなる組換えベクター。
  14. 【請求項14】 請求項9〜12のいずれか一項に記載
    のDNAが導入されることにより形質転換された形質転
    換体。
  15. 【請求項15】 請求項9又は11に記載のDNA及び
    請求項10又は12に記載のDNAが導入されることに
    より形質転換された形質転換体。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15記載の形質転換体
    を培地で培養し、その培養物から2−アミノフェノール
    1,6−ジオキシゲナーゼ又はそのサブユニットを採
    取することを特徴とする2−アミノフェノール 1,6
    −ジオキシゲナーゼ又はそのサブユニットの製造法。
JP9075692A 1996-09-13 1997-03-27 ピコリン酸類の製造方法 Pending JPH10136987A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9075692A JPH10136987A (ja) 1996-09-13 1997-03-27 ピコリン酸類の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24351596 1996-09-13
JP8-243515 1996-09-13
JP9075692A JPH10136987A (ja) 1996-09-13 1997-03-27 ピコリン酸類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10136987A true JPH10136987A (ja) 1998-05-26

Family

ID=26416850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9075692A Pending JPH10136987A (ja) 1996-09-13 1997-03-27 ピコリン酸類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10136987A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5274476B2 (ja) コリネバクテリウム属菌株から発現されたアラビノース異性化酵素及びそれを用いたタガトースの製造方法
JP3198842B2 (ja) ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素およびそれをコードするdna
US5807730A (en) Nitrile hydratase
JPH10229885A (ja) 新規アルコールアルデヒド脱水素酵素
JP2003520580A (ja) バニリンを生産するための酵素および遺伝子
JPH0573387B2 (ja)
JP2008228628A (ja) ニトリルヒドラターゼの製造方法
JP4216719B2 (ja) ハロゲン化合物耐性新規ギ酸脱水素酵素及びその製造方法
JP2007189905A (ja) 好アルカリ性サイクロデキストラン合成酵素遺伝子を含有するdna、組み換え体dna、および好アルカリ性サイクロデキストラン合成酵素の製造法
KR20010111574A (ko) 소르비톨 데하이드로게나제, 그를 코딩하는 유전자 및그의 용도
JP2002291477A (ja) フマラーゼをコードするdna及びその利用
JP2002209582A (ja) 耐熱性グルコキナーゼ遺伝子、それを含有する組換えベクター、その組換えベクターを含有する形質転換体及びその形質転換体を用いた耐熱性グルコキナーゼの製造方法
US5314819A (en) Protein having nitrile hydratase activity obtained from rhizobium, gene encoding the same, and a method for producing amides from nitriles via a transformant containing the gene
JPH10136987A (ja) ピコリン酸類の製造方法
JP3850557B2 (ja) 新規遺伝子及びその遺伝子を保有する形質転換細胞
JPH11137254A (ja) バチルス属細菌由来のトランスグルタミナーゼの製造法
JP3440100B2 (ja) トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリン
JPH1033181A (ja) マレイン酸異性化酵素をコードするdnaおよびその利用
JPH104967A (ja) マレイン酸異性化酵素をコードするdnaおよびその利用
JPH06303971A (ja) ニトリルヒドラターゼ活性を有する新規なタンパク質およびそれをコードする遺伝子ならびに該遺伝子を含有する形質転換体によるニトリル類からアミド類の製造方法
JP2000069971A (ja) 新規な耐熱性蟻酸脱水素酵素
JP2000279172A (ja) 新規なインドール酸化酵素をコードするdnaとその利用
JPH10248574A (ja) 新規な乳酸酸化酵素
JPH10313871A (ja) マレイン酸異性化酵素をコードするdnaおよびその利用
EP0747478A1 (en) Dna encoding maleate isomerase and use of the same

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051025