JPH10135592A - 窒化ケイ素回路基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素回路基板およびその製造方法

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JPH10135592A
JPH10135592A JP2395297A JP2395297A JPH10135592A JP H10135592 A JPH10135592 A JP H10135592A JP 2395297 A JP2395297 A JP 2395297A JP 2395297 A JP2395297 A JP 2395297A JP H10135592 A JPH10135592 A JP H10135592A
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JP
Japan
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silicon nitride
oxide layer
circuit board
aluminum oxide
nitride substrate
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JP2395297A
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Takashi Takahashi
孝 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化ケイ素基板を用いたDBC基板におい
て、窒化ケイ素基板に対してDBC法を適用する際に必
須の、安定で十分な厚さを有する酸化物層を容易に形成
することを可能にすると共に、酸化物層による熱抵抗の
増大を抑制する。 【解決手段】 表面に酸化アルミニウム層2を有する窒
化ケイ素基板1と、この窒化ケイ素基板1上に酸化アル
ミニウム層2を介してDBC法で直接接合された銅系回
路板4、5とを具備する窒化ケイ素回路基板6である。
この酸化アルミニウム層2は、例えば超微粒子アルミナ
ゾルの塗布、焼成により形成する。酸化アルミニウム層
2は、窒化ケイ素基板1に対して熱酸化法等で形成した
Si−O系酸化物層に比べて、緻密でかつ安定である。
特に、超微粒子アルミナゾルの塗布、焼成により形成さ
れた酸化アルミニウム層2は、窒化ケイ素基板1との界
面接合性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ケイ素基板に
銅直接接合法を適用して銅系回路板を接合した窒化ケイ
素回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体素子等の電子部品を搭
載するための基板としては、セラミックス基板や樹脂基
板等の種々の基板が用いられている。これらのうち、優
れた絶縁性や放熱性等を有することから、高放熱性電子
部品を搭載する回路基板等としてはセラミックス基板が
多用されている。
【0003】上述したようなセラミックス基板には、従
来、アルミナ焼結体が主として用いられてきた。しか
し、アルミナ基板では放熱性の点で限界が生じている。
これは最近の半導体素子の高集積化、高周波化、高出力
化等に伴って、半導体素子からの発熱量は年々増加する
傾向にあるためである。そこで、アルミナに比べて熱伝
導率が約10倍程度高く、さらに熱膨張率がSiに近似す
る窒化アルミニウム(AlN)焼結体からなるセラミッ
クス基板が実用化されている。
【0004】ところで、窒化アルミニウム基板は上述し
たような特性を有する反面、機械的強度や靭性等が低い
ことから、アッセンブリ工程での締め付けにより割れが
発生したり、また熱サイクルが付加された際にクラック
が発生しやすい等の難点を有している。このため、電子
部品搭載用のセラミックス基板としては、機械的な信頼
性が劣っている。これは材料特性に基くものである。
【0005】そこで、窒化アルミニウム基板より熱伝導
率は劣るものの、熱膨張率がSiに近似すると共に、機
械的強度や靭性に優れる窒化ケイ素(Si3 4 )焼結
体からなるセラミックス基板が注目されている。窒化ケ
イ素基板においても、焼結体原料となる窒化ケイ素粉末
の粒径や焼結助剤組成等を制御することによって、例え
ば 40W/m K以上の熱伝導率が実現されるようになってき
ている。
【0006】上述したような窒化ケイ素基板を回路基板
等として利用する場合には、通常のセラミックス基板と
同様に、表面に金属回路板を接合することが不可欠であ
る。窒化ケイ素基板への回路板の接合には、銅系回路板
を銅直接接合法(DBC法)や活性金属法で接合するこ
とが検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、窒化ケイ素
基板上にDBC法で銅系回路板を接合する場合、DBC
法は銅−酸素系の共晶化合物を利用した接合方法である
ため、まず窒化ケイ素基板の表面に酸化物層を形成する
必要がある。セラミックス基板表面への酸化物層の形成
には、通常、熱酸化法が用いられている。しかし、熱酸
化法では窒化ケイ素焼結体に対して、DBC法で要求さ
れる安定な酸化物層を形成することが難しいという問題
がある。これは、窒化ケイ素焼結体は微細構造が複雑
で、また熱酸化法により形成されるSi−O系酸化物
(SiO2 等)は種々の結晶構造をとり得るためであ
る。
【0008】すなわち、DBC法で銅系回路板を接合す
るためには、 1〜 3μm 程度の厚さを有する酸化物層が
必要となる。このような厚さを有する酸化物層を窒化ケ
イ素基板の表面に熱酸化法で形成すると、微細なクラッ
クや大径のポアの発生が避けられない。DBC法は、高
温で生成する銅−酸素系の共晶化合物(Cu−Cu2
共晶化合物等)の液相を接合に利用するため、酸化物層
にクラックやポアが存在すると、液化した共晶化合物が
酸化物層を通り抜けて窒化ケイ素基板に到達してしま
う。窒化ケイ素基板に到達した液状の共晶化合物は、窒
化ケイ素と反応して窒素ガスを生成する。このガスが窒
化ケイ素基板と銅系回路板との接合不良や膨れの発生原
因となっている。
【0009】さらに、SiO2 等のSi−O系酸化物
は、熱伝導率が低いという欠点を有している。熱伝導率
が低いSi−O系酸化物層を介して窒化ケイ素基板上に
銅系回路板を接合した場合、Si−O系酸化物層が半導
体素子等から窒化ケイ素基板への熱伝達(放熱)を阻害
する要因となる。このために、窒化ケイ素基板が本来有
する熱伝導率を有効に利用することができなくなってし
まう。
【0010】このようなことから、窒化ケイ素基板を用
いたDBC基板においては、窒化ケイ素基板に対してD
BC法を適用する際に必須の、安定で十分な厚さを有す
る酸化物層を容易に形成することを可能にすると共に、
酸化物層による熱抵抗の増大を抑制することが課題とさ
れている。
【0011】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、窒化ケイ素基板に対してDBC法に
適用可能な安定でかつ十分な厚さ有する酸化物層を容易
に形成することを可能にすることによって、接合不良や
膨れ等の発生を抑制し、かつ酸化物層による熱抵抗の増
大を抑制した窒化ケイ素回路基板およびその製造方法を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化ケイ素回路
基板は、請求項1に記載したように、表面に酸化物層を
有する窒化ケイ素基板と、前記窒化ケイ素基板上に前記
酸化物層を介して直接接合された銅系回路板とを具備す
る窒化ケイ素回路基板において、前記窒化ケイ素基板の
表面に設けられた酸化物層は、酸化アルミニウムから実
質的になることを特徴としている。
【0013】本発明の窒化ケイ素回路基板における酸化
物層は、例えば請求項2に記載したように、その内部に
存在するポアの径が 100nm以下であることを特徴として
いる。また請求項3に記載したように、高純度のα−A
2 3 からなることを特徴としている。さらには、請
求項4に記載したように、前記窒化ケイ素基板と酸化物
層との界面には、窒化ケイ素と酸化アルミニウムとの反
応層が存在していることを特徴としている。
【0014】また、本発明の窒化ケイ素回路基板におい
て、前記酸化物層は請求項5に記載したように、さらに
Sn、Si、Ti、YおよびErから選ばれる少なくと
も1種を10〜 1000ppmの範囲で含有しているものであっ
てもよい。この際、反応層は請求項6に記載したよう
に、Si、N、AlおよびOを含み、さらにSn、S
i、Ti、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種を
含有しているものであってもよい。
【0015】本発明の窒化ケイ素回路基板の製造方法
は、請求項8に記載したように、窒化ケイ素基板の表面
に超微粒子アルミナゾルを塗布した後、大気中で熱処理
して酸化アルミニウム層を形成する工程と、前記窒化ケ
イ素基板上に前記酸化アルミニウム層を介して銅系回路
板を接触配置し、熱処理を施して前記銅系回路板を前記
窒化ケイ素基板に接合する工程とを有することを特徴と
している。
【0016】本発明の窒化ケイ素回路基板の製造方法に
おいては、請求項9に記載したように、前記超微粒子ア
ルミナゾルとしてSn、Si、Ti、YおよびErから
選ばれる少なくとも 1種を10〜 1000ppmの範囲で含有し
ているものを用いてもよい。本発明の窒化ケイ素回路基
板においては、窒化ケイ素基板に対して通常の熱酸化法
を適用した場合に得られるSiO2 等のSi−O系酸化
物に比べ、熱伝導率が大きい酸化アルミニウム層を表面
酸化物層として使用している。従って、酸化物層に起因
する窒化ケイ素回路基板の放熱性の低下を抑制すること
ができる。
【0017】また、酸化アルミニウム層は、例えば窒化
アルミニウム基板に対してDBC法を適用する際の酸化
物層として使用されているように、ポアやクラック等の
少ない緻密な層が得られやすい。酸化アルミニウム層
は、窒化ケイ素基板に対しても各種形成方法を適用して
安定に形成することができる。従って、このような酸化
アルミニウム層を介して銅直接接合法(DBC法)で銅
系回路板を接合することによって、酸化物層のポアやク
ラック等の微小欠陥に由来する、接合不良や膨れ等の発
生を抑制することが可能となる。
【0018】さらに、酸化アルミニウム層にSn、S
i、Ti、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種を
10〜 1000ppmの範囲で含有させることによって、窒化ケ
イ素基板と酸化アルミニウム層との界面接合性をより一
層向上させることができる。
【0019】本発明の製造方法で用いる超微粒子アルミ
ナゾルは、アルミナの超微粒子を水中に直接分散させた
ものである。アルミナ超微粒子は、水中に比較的多量に
分散させることができる。このような超微粒子アルミナ
ゾルを用いることによって、例えば 1回の塗布、焼成に
よっても、DBC法に必要な膜厚を有する酸化アルミニ
ウム層が得られる。従って、酸化アルミニウム層の形成
に要する工数およびコストは低減される。
【0020】加えて、超微粒子アルミナゾルは活性が高
いため、窒化ケイ素基板との間に反応層を形成しやす
い。この反応層は窒化ケイ素基板と酸化アルミニウム層
との接合強度の向上に大きく貢献する。さらに、Sn、
Si、Ti、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種
を10〜 1000ppmの範囲で含有する超微粒子アルミナゾル
を用いることによって、窒化ケイ素基板と酸化アルミニ
ウム層との界面の接合強度をより一層向上させることが
できる。
【0021】また、得られる酸化アルミニウム層は、ア
ルミナ超微粒子の焼結層であるために、極めて緻密質な
膜となる。さらに、表面の平滑性も極めて高いものとな
る。従って、DBC工程時にCu−O系共晶化合物液相
が良好に濡れて、窒化ケイ素基板と銅系回路板との接合
強度の向上を図ることができる。さらに、緻密な酸化ア
ルミニウム層は、接合不良や膨れ等の防止および熱抵抗
の低減に寄与する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の窒化ケイ素回路基板の一
実施形態を示す断面図である。同図において、1は窒化
ケイ素基板である。この窒化ケイ素基板1としては、特
に50W/m K 以上の熱伝導率を有するものが好ましく用い
られる。
【0024】窒化ケイ素基板1を構成する窒化ケイ素
(Si3 4 )焼結体は、高強度・高靭性のセラミック
ス焼結体としてよく知られている。さらに、例えば焼結
体原料となる窒化ケイ素粉末の微粒子化、高純度化、焼
結助剤組成等の組成制御等を行うことにより、本来の高
強度・高靭性という機械的特性を損うことなく、比較的
熱伝導性に優れた窒化ケイ素焼結体を得ることができ
る。例えば、熱伝導率が50W/m K 以上の窒化ケイ素焼結
体(窒化ケイ素基板1)が得られる。本発明ではこのよ
うな比較的熱伝導性に優れた窒化ケイ素基板1を用いる
ことが好ましい。
【0025】窒化ケイ素基板1の表面には、それぞれ酸
化物層として、酸化アルミニウム層2、2が形成されて
いる。酸化アルミニウム層2の厚さは 1〜 5μm の範囲
とすることが好ましい。酸化アルミニウム層2の厚さが
1μm 未満であると、後述する銅系回路板4、5を銅直
接接合法(DBC法)で接合する際に、接合が不安定と
なるおそれがある。一方、 5μm を超えると酸化アルミ
ニウム層2自体の剥離等が生じやすくなるおそれがあ
る。
【0026】酸化アルミニウム層2は、表面平滑性に優
れ、ポアやクラック等の少ない緻密質なものが得られや
すい。また、窒化ケイ素基板1に対しても各種膜形成方
法を適用して安定に形成することができる。酸化アルミ
ニウム層2は、スパッタ法のような薄膜法、アルミニウ
ムアルコキシド等を用いたゾルゲル法等の膜形成法を適
用して形成することも可能であるが、特に後に詳述する
超微粒子アルミナゾルの塗布、焼成により形成すること
が好ましい。
【0027】超微粒子アルミナゾルの塗布、焼成によれ
ば、特に緻密な酸化アルミニウム層2が得られる。例え
ば、酸化アルミニウム層2の内部に存在するポアを、直
径100nm以下というように、微細化することができる。
さらに、高純度なα−Al2 3 からなる酸化アルミニ
ウム層2が得られる。これらは酸化アルミニウム層2の
熱伝導率を向上させる。さらに、内部ポアの微細化は後
に詳述するように、窒化ケイ素基1と銅系回路板4、5
との接合強度の向上にも大きく寄与する。
【0028】さらに、超微粒子アルミナゾルは、例えば
粒子径が 2〜20nm程度の粒状アルミナ超微粒子を水中に
直接分散させたものである。このような粒状アルミナ超
微粒子は非常に活性が高い。このような粒状アルミナ超
微粒子を酸化アルミニウム層2の出発原料として用いる
ことによって、図2に拡大して示すように、窒化ケイ素
基板1と酸化アルミニウム層2との界面に、これらの反
応層3を比較的容易に形成することができる。
【0029】上記した反応層3は、酸化アルミニウム層
2の構成元素であるAlおよびOが、窒化ケイ素基板1
の表面近傍に拡散固溶して形成されたものである。この
ような反応層3は、窒化ケイ素基板1に対する酸化アル
ミニウム層2の接合強度の向上に大きく貢献する。言い
換えると、窒化ケイ素基板1と酸化アルミニウム層2と
の界面に反応層3が形成されることによって、これらの
接合強度は極めて大きくなる。窒化ケイ素基板1と酸化
アルミニウム層2との接合強度の向上は、窒化ケイ素回
路基板6の信頼性を大きく向上させる。
【0030】酸化アルミニウム層2は、Sn、Si、T
i、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種を10〜 1
000ppmの範囲で含有するものであってもよい。これらの
元素は、窒化ケイ素基板1と酸化アルミニウム層2との
界面接合性を高めるものである。上記した各元素は、酸
化アルミニウム層2と後述する銅系回路板4、5との界
面接合性の向上にも寄与する。ただし、上記した元素の
含有量があまり多すぎると、酸化アルミニウム層2にポ
アやクラック等の微小欠陥が生じやすくなるため、その
含有量は 1000ppm以下とする。また、上記した元素の含
有量が10ppm 未満の場合には、界面接合性の向上効果を
十分に得ることができないため、その含有量は10ppm 以
上とすることが好ましい。
【0031】上述したSn、Si、Ti、YおよびEr
から選ばれる少なくとも 1種の元素は、酸化アルミニウ
ム層2の形成原料、例えば超微粒子アルミナゾルに所定
量添加しておくことによって、酸化アルミニウム層2に
含有させることができる。この際、上述した添加元素の
酸化物や加熱により酸化物に変換する化合物等の形で添
加してもよい。これらの添加元素は、酸化アルミニウム
層2から窒化ケイ素基板1側に拡散して上記した界面反
応層3にも含まれる。このようなSi、N、Alおよび
Oに加えて、上記した添加元素を含む界面反応層3は、
窒化ケイ素基板1と酸化アルミニウム層2との接合強度
をより一層向上させる。
【0032】上述した各元素のうち、窒化ケイ素基板1
の主構成元素であるSiや窒化ケイ素基板1に焼結助剤
成分として配合する場合があるTi、Y、Er等は、窒
化ケイ素基板1からの拡散により酸化アルミニウム層2
に含有させることもできる。窒化ケイ素基板1から酸化
アルミニウム層2側に拡散させた元素も、窒化ケイ素基
板1と酸化アルミニウム層2との界面反応層3の形成、
さらには接合強度の向上に寄与する。
【0033】上述したような酸化アルミニウム層2を表
面酸化物層として有する窒化ケイ素基板1上には、酸化
アルミニウム層2を介して銅系回路板4、5がそれぞれ
DBC法により直接接合されている。これらによって、
本発明の窒化ケイ素回路基板6が構成されている。銅系
回路板4、5としては、通常のDBC基板と同様に、銅
板や銅合金板を用いることができる。また、銅板で他の
金属板をクラッドした銅クラッド板等を用いることも可
能である。
【0034】銅系回路板4、5は、予め所望の回路形状
にエッチングやプレス加工等でパターニングしたものを
接合することができる。また、銅や銅合金等の単板を接
合した後、エッチング等で回路形状にパターニングして
もよい。銅系回路板4、5の厚さは 0.5mm以下であるこ
とが好ましい。銅系回路板4、5の厚さが 0.5mmを超え
ると、加熱接合後の冷却過程等で発生する熱応力が増大
して、接合不良が発生するおそれがある。
【0035】上述した窒化ケイ素回路基板6において
は、緻密で表面平滑性に優れ、かつ酸化ケイ素に比べて
熱伝導率が大きい酸化アルミニウム層2を介して、銅系
回路板3、4をDBC法で接合している。従って、まず
接合のための熱処理時に生じるCu−O系共晶化合物が
酸化物層(酸化アルミニウム層2)を通り抜けて、窒化
ケイ素基板1に到達することが防止できる。これによ
り、ガスの発生が抑制される。よって、窒化ケイ素基1
と銅系回路板4、5とを安定して高強度で接合すること
が可能となる。また、接合不良や膨れの発生を防止する
ことができる。
【0036】さらに、酸化アルミニウム層2がSn、S
i、Ti、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種を
10〜 1000ppmの範囲で含有する場合、上述したように界
面接合性が向上する。このため、上記した接合不良や膨
れの発生をより一層安定に防止することができる。ま
た、窒化ケイ素基1と銅系回路板4、5との接合強度も
より一層増大させることが可能となる。
【0037】酸化アルミニウム層2は、熱伝導率が約2W
/m K程度の酸化ケイ素に比べて、20W/m K程度と酸化物
の中では良好な熱伝導率を有する。従って、酸化物層に
起因する熱抵抗の増大を抑制することができる。図3
は、窒化ケイ素基板1の表面に設けた酸化物層の厚さ
と、この酸化物層を有する窒化ケイ素基板1の熱抵抗比
R/R0 (厚さxμm の表面酸化物層を両面に形成した
場合の単位面積当たりの熱抵抗Rと、表面酸化物層を有
しない場合の単位面積当たりの熱抵抗R0 との関係(窒
化ケイ素の熱伝導率を100W/m Kとする))を示す図であ
る。
【0038】図3において、実線Aは酸化物層として酸
化アルミニウム層(熱伝導率= 20W/m K)2を適用した場
合の結果である。破線Bは本発明との比較として、酸化
ケイ素層(熱伝導率=2W/m K)を酸化物層として用いた場
合の結果である。図3から明らかなように、酸化ケイ素
はDBC法に必要な膜厚の酸化物層を形成した際に熱抵
抗が大幅に増大する。これに対して、酸化アルミニウム
層2を酸化物層として用いた窒化ケイ素基板1では、D
BC法に必要な膜厚の酸化物層を形成しても熱抵抗の増
加を抑えることができる。従って、酸化物層に起因する
放熱性の低下を抑制することが可能となる。また、酸化
アルミニウム層2を用いた場合には、上述したように接
合不良や膨れの発生等を防止でき、この点からも熱伝達
性に優れた窒化ケイ素回路基板6が得られる。
【0039】この実施形態の窒化ケイ素回路基板6は、
窒化ケイ素基板1と銅系回路板4、5との良好な接合状
態および優れた接合強度を有し、かつ熱抵抗が小さく放
熱性に優れるものである。従って、発熱量の大きい半導
体素子等を高信頼性の下で実装することができ、さらに
は回路基板自体の信頼性を大幅に高めることが可能とな
る。
【0040】上記実施形態の窒化ケイ素回路基板6は、
例えば以下のようにして製造することができる。図4を
参照して、本発明の窒化ケイ素回路基板6の製造工程に
ついて説明する。
【0041】まず、窒化ケイ素基板1を作製する。窒化
ケイ素基板1の作製にあたっては、まず窒化ケイ素粉末
に希土類酸化物粉末、ハフニア粉末、アルミナ粉末等の
焼結助剤を添加、混合して窒化ケイ素焼結体原料粉末を
調整する。出発原料としての窒化ケイ素粉末には、平均
粒径が 5μm 以下の微粉末を用いることが好ましい。こ
のような微粒子状の窒化ケイ素粉末を用いることによっ
て、緻密質で機械特性に優れると共に、熱伝導率の高い
窒化ケイ素焼結体、すなわち窒化ケイ素基板1が得られ
る。窒化ケイ素粉末の平均粒径は 1μm 以下であること
がさらに好ましく、特に好ましくは 0.5μm 以下であ
る。
【0042】また、焼結助剤として添加する希土類元素
としては、Y、La、Sc、Pr、Ce、Nd、Dy、
Gd、Er等の酸化物、もしくは焼結操作によりこれら
の酸化物となる物質が挙げられる。また、Hfの酸化物
を用いることもできる。これらは単独で、または 2種以
上の組合せとして含有される。特に、酸化イットリウム
(Y2 3 )が好ましい。これらの焼結助剤は、窒化ケ
イ素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤とし
て機能する。
【0043】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で窒
化ケイ素粉末に対して 2〜 7.5重量% の範囲に設定する
ことが好ましい。この添加量が 2重量% 未満であると、
焼結体が緻密化されず、低強度で低熱伝導率の窒化ケイ
素焼結体となってしまう。一方、添加量が 7.5重量% を
超えると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率や強度が低
下しはじめる。特に好ましくは 3〜 6重量% の範囲であ
る。
【0044】また、他の添加成分としてのアルミナ(A
2 3 )は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機
能を助長する役割を果たすものである。アルミニウム源
としてのアルミナの添加量が 0.5重量% 未満の場合には
緻密化が不十分となる一方、2重量% を超えると過量の
粒界相が生成したり、また窒化ケイ素に固溶しはじめて
熱伝導率の低下が起こる。このため、アルミナの添加量
は 0.5〜 2.0重量% の範囲に設定することが好ましい。
特に強度および熱伝導率共に良好な性能を確保するため
には、添加量を 0.7〜 1.5重量% の範囲に設定すること
が望ましい。
【0045】さらに、上記したような窒化ケイ素焼結体
原料粉末には、脱脂後の炭素分の残留防止等を目的とし
て、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タン
グステン等を添加してもよい。ただし、その他の不純物
陽イオン元素としてのLi、Na、K、Fe、Ca、M
g、Sr、Ba、Mn、B等は、熱伝導性を阻害する物
質となるため、 50W/m K以上の熱伝導率を確保するため
に、上記不純物陽イオン元素の含有量は 0.3重量% 以下
となるようにすることが好ましい。
【0046】上述したような窒化ケイ素焼結体原料粉末
に、有機バインダや有機溶剤等を添加、混合してスラリ
ー化する。このスラリーをドクターブレード法等の通常
の成形法でシート状に成形して、窒化ケイ素グリーンシ
ートを作製する。この窒化ケイ素グリーンシートを、空
気中もしくは窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気中で脱脂処
理した後、窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気中で焼成し
て、窒化ケイ素基板1を作製する。
【0047】次いで、酸化アルミニウム層2の形成源と
なる超微粒子アルミナゾルを用意する。ここで、超微粒
子アルミナゾルとしては、例えば粒子径が 2〜20nm程度
の粒状アルミナ超微粒子を、水(分散剤)中に 5〜20重
量% 程度の範囲で分散させたコロイド液が用いられる。
このような粒状アルミナ超微粒子を用いることによっ
て、直接アルミナ粒子の形で水中に分散させることがで
きる。さらに、上記したように、分散剤としての水に対
して 5〜20重量% 程度と比較的多量のアルミナ粒子を分
散させることが可能となる。
【0048】また、超微粒子アルミナゾルには必要に応
じて、Sn、Si、Ti、YおよびErから選ばれる少
なくとも 1種を10〜 1000ppmの範囲で添加してよい。上
述した元素は、各元素の単体粉末や合金粉末等に限ら
ず、各元素の酸化物や加熱により酸化物に変換する化合
物等の形で添加してもよい。
【0049】そして、上記したような超微粒子アルミナ
ゾルを、図4(a)に示すように、窒化ケイ素基板1の
表面に塗布して、アルミナゾルの塗膜2′を窒化ケイ素
基板1の表面に形成する。アルミナゾルの塗布は、スピ
ンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の
常法により実施する。塗布厚は焼成後の酸化アルミニウ
ム層2の必要膜厚に応じて設定する。
【0050】次に、アルミナゾルの塗膜2′を形成した
窒化ケイ素基板1を、大気中にて例えば1173〜 1573Kの
温度で熱処理(焼成)する。この大気中熱処理によっ
て、図4(b)に示すように、アルミナゾル中のアルミ
ナ超微粒子が焼結して酸化アルミニウム層2が得られ
る。この際、Sn、Si、Ti、YおよびErから選ば
れる少なくとも 1種の元素を含有する超微粒子アルミナ
ゾルを用いれば、これらの元素を10〜 1000ppmの範囲で
含有する酸化アルミニウム層2が得られる。このように
して、酸化アルミニウム層2、2を窒化ケイ素基板1の
表面に形成するここで、酸化アルミニウム層2の形成に
用いる超微粒子アルミナゾルは、上述したように直接ア
ルミナ粒子の形で比較的多量に水中分散させたものであ
る。従って、例えば塗布条件を調整することにより、 1
回の塗布、焼成でDBCに必要な膜厚を有する酸化アル
ミニウム層2、具体的には 1〜 5μm 程度の酸化アルミ
ニウム層2を得ることができる。
【0051】例えば、通常のゾルゲル法を用いた場合に
は、同程度の膜厚を有する酸化アルミニウム層を得るた
めには数回の塗布、焼成工程を繰り返し行わなければな
らない。これでは製造工数および製造コストの増大が避
けられない。また、スパッタ法等を適用した場合にも製
造コストの増大は避けられない。さらに、スパッタ法で
は窒化ケイ素基板と酸化アルミニウム層との間に、反応
層を良好に形成することができないため、酸化アルミニ
ウム層の接合強度は小さいものとなる。
【0052】これに対して、上記した酸化アルミニウム
層2の形成工程によれば、超微粒子アルミナゾルの塗
布、焼成という簡易で安価な工程で、しかも 1回の塗
布、焼成工程により必要膜厚を有する酸化アルミニウム
層2が得られる。よって、酸化アルミニウム層2の形成
に要する工数およびコストの低減を図ることができる。
さらに反応層3を比較的容易に形成することができる。
反応層3は窒化ケイ素基板1と酸化アルミニウム層2と
の接合強度を高める。加えて、Sn、Si、Ti、Yお
よびErから選ばれる少なくとも 1種の元素も、容易に
酸化アルミニウム層2に含有させることができる。
【0053】また、得られる酸化アルミニウム層2は、
粒状アルミナ超微粒子の焼結層であるため、緻密質な膜
になると共に、表面の平滑性も極めて高いものとなる。
従って、後工程のDBC工程時において、熱処理時に生
じるCu−O系共晶化合物が酸化物層(酸化アルミニウ
ム層2)を通り抜けて窒化ケイ素基板1に到達すること
が防止できる。さらに、Cu−O系共晶化合物液相が良
好に濡れて、窒化ケイ素基1と銅系回路板4、5との接
合強度を高めることができる。
【0054】この後、図4Cに示すように、通常のDB
C法にしたがって、銅系回路板4、5を上記した酸化ア
ルミニウム層2、2を介して窒化ケイ素基板1に接合し
て、目的とする窒化ケイ素回路基板6を得る具体的に
は、まず窒化ケイ素基板1表面の酸化アルミニウム層
2、2上に、それぞれ銅系回路板4、5を接触配置す
る。次いで、酸素分圧を制御した窒素雰囲気等の不活性
雰囲気中にて、銅の融点(1356K) 以下で銅−酸素系共晶
化合物の融点(1338K) 以上の温度で熱処理を施す。この
熱処理により銅−酸素系共晶化合物液相で窒化ケイ素基
板1表面を濡らし、この液相を冷却固化することによっ
て、窒化ケイ素基板1と銅系回路板4、5とを接合す
る。
【0055】上述したような工程を経ることによって、
前述したように熱抵抗が小さく、かつ高接合強度を有す
ると共に、接合不良や膨れの発生を防止した窒化ケイ素
回路基板6を、低コストで再現性よく得ることができ
る。
【0056】
【実施例】次に、本発明の具体例な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0057】実施例1 まず、熱伝導率が 70W/m Kで厚さ 0.5mmの窒化ケイ素基
板1を用意した。この窒化ケイ素基板1上に、粒子径 2
〜20nmの粒状アルミナ超微粒子を10重量% 含む超微粒子
アルミナゾル(水分散体/アルミナゾル-10 ;商品名、
川研ファインケミカル(株)製)を、スピンコータを用
いて塗布した。塗布条件は、焼成後の酸化アルミニウム
層の膜厚が 2μm となるように選定した。
【0058】次いで、超微粒子アルミナゾルの塗膜2′
を形成した窒化ケイ素基板1を、大気中で熱処理した。
熱処理温度はDBCによる接合温度より高い 1473Kとし
た。この大気中熱処理で、窒化ケイ素基板1の表面に厚
さ約 2μm の酸化アルミニウム層2を形成した。このよ
うな膜厚を有する酸化アルミニウム層2は、超微粒子ア
ルミナゾルの 1回の塗布、焼成工程により得られた。
【0059】得られた酸化アルミニウム層2の微構造を
走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、ク
ラックがほとんど存在しない緻密な微構造を有してい
た。また粗大なポアは存在しておらず、大きさ 100nm以
下の微小なポアが点在するだけであり、酸化アルミニウ
ム層2の表面は平滑性に優れるものであった。さらに、
窒化ケイ素1と酸化アルミニウム層2との界面には、反
応層が形成されていることが認められた。
【0060】次に、上記酸化アルミニウム層2上にそれ
ぞれ厚さ 0.3mmの銅板4、5を接触配置し、窒素ガス
(酸素濃度100ppm以下)中にて 1443Kで熱処理を施し
た。この熱処理により銅板4、5をそれぞれ窒化ケイ素
基板1に接合した。このようにして得た窒化ケイ素回路
基板6を後述する特性評価に供した。
【0061】比較例1 上記実施例1において、窒化ケイ素基板1の表面に熱酸
化処理(1473K)でSi−O系酸化物層を形成する以外
は、実施例1同様にして、窒化ケイ素回路基板を作製
し、後述する特性評価に供した。
【0062】参考例1 酸化アルミニウム層の形成原料として、アルミニウムエ
トキシドを含む一般的なゾルを用いた。このゾルの 1回
の塗布、焼成により酸化アルミニウム層を形成する以外
は、実施例1同様にして窒化ケイ素回路基板を作製し、
後述する特性評価に供した。なお、得られた酸化アルミ
ニウム層の厚さは 1μm 以下であった。上記実施例1、
比較例1および参考例1で得た各窒化ケイ素回路基板に
おける銅板の接合状態を検査した。その結果、実施例1
による窒化ケイ素回路基板では接合不良や膨れはほとん
ど認められなかった。これに対して、比較例1による窒
化ケイ素回路基板では所々に膨れが発生していた。ま
た、各窒化ケイ素回路基板における銅板の接合強度と熱
抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】 上述した測定結果からも明らかなように、本発明の窒化
ケイ素回路基板においては、窒化ケイ素基板に対して銅
板をDBC法により良好かつ高接合強度で接合すること
ができる。さらに、良好な熱伝達性が得られる。
【0064】なお、参考例1による窒化ケイ素回路基板
は、 1回の塗布、焼成によるゾルゲル法で酸化アルミニ
ウム層を形成したものである。これは、実施例1に比べ
て酸化アルミニウム層の膜厚が薄いために、実効的に接
合している面積が小さい。このため、上記したような結
果となったものである。ゾルゲル法によっても塗布、焼
成工程を複数回実施することで、実施例1よりは劣るも
のの、比較例1に比べて良好な結果を得ることができ
る。ただし、製造工数および製造コストの点は実施例1
より劣る。また、酸化アルミニウム層の密着強度や緻密
度の点からも、ゾルゲル法よりアルミナゾル法の方が良
好な結果を得ることができる。
【0065】実施例2〜6 上述した実施例1において、50ppm のSn(実施例
2)、 1000ppmのSi(実施例3)、50ppm のTi(実
施例4)、200ppmのY(実施例5)、500ppmのEr(実
施例6)を添加した超微粒子アルミナゾル(水分散体/
アルミナゾル-10 ;商品名、川研ファインケミカル
(株)製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、そ
れぞれ窒化ケイ素回路基板6を作製した。これらの銅板
の接合強度を実施例1と同様にして測定、評価した。そ
の結果を表2に示す。
【0066】
【表2】 表2から明らかなように、酸化アルミニウム層にSn、
Si、Ti、YおよびErから選ばれる少なくとも 1種
を10〜 1000ppmの範囲で含有させることによって、銅板
の接合強度を向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化ケイ
素回路基板によれば、窒化ケイ素基板に対して安定な酸
化物層を再現性よく形成することが可能となるため、酸
化物層のポアやクラック等の微小欠陥に由来する接合不
良や膨れ等の発生、さらには接合強度の低下等を抑制す
ることが可能となる。さらに、酸化物層に起因する熱抵
抗の増加を抑制することができる。従って、窒化ケイ素
基板を用いて健全で放熱性に優れるDBC基板を安定に
提供することが可能となる。また、本発明の窒化ケイ素
回路基板の製造方法によれば、上述したような健全で熱
抵抗が小さい窒化ケイ素回路基板を再現性よく作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による窒化ケイ素回路基
板の構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す窒化ケイ素回路基板の窒化ケイ素
基板と酸化アルミニウム層との接合界面を拡大して示す
模式断面図である。
【図3】 窒化ケイ素基板表面の酸化物層の厚さと酸化
物層を有する窒化ケイ素基板の熱抵抗比R/R0 との関
係を示す図である。
【図4】 図1に示す窒化ケイ素回路基板の製造工程の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1……窒化ケイ素基板 2……酸化アルミニウム層 3……反応層 4,5……銅系回路板 6……窒化ケイ素回路基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に酸化物層を有する窒化ケイ素基板
    と、前記窒化ケイ素基板上に前記酸化物層を介して直接
    接合された銅系回路板とを具備する窒化ケイ素回路基板
    において、 前記窒化ケイ素基板の表面に設けられた酸化物層は、酸
    化アルミニウムから実質的になることを特徴とする窒化
    ケイ素回路基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記酸化物層は、その内部に存在するポアの径が 100nm
    以下であることを特徴とする窒化ケイ素回路基板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記酸化物層は、高純度のα−Al2 3 からなること
    を特徴とする窒化ケイ素回路基板。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記窒化ケイ素基板と酸化物層との界面には、窒化ケイ
    素と酸化アルミニウムとの反応層が存在していることを
    特徴とする窒化ケイ素回路基板。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記酸化物層は、さらにSn、Si、Ti、YおよびE
    rから選ばれる少なくとも 1種を10〜 1000ppmの範囲で
    含有していることを特徴とする窒化ケイ素回路基板。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記反応層は、Si、N、AlおよびOを含み、さらに
    Sn、Si、Ti、YおよびErから選ばれる少なくと
    も 1種を含有していることを特徴とする窒化ケイ素回路
    基板。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の窒化ケイ素回路基板にお
    いて、 前記酸化物層は、超微粒子アルミナゾルの塗布、焼成層
    であることを特徴とする窒化ケイ素回路基板。
  8. 【請求項8】 窒化ケイ素基板の表面に、超微粒子アル
    ミナゾルを塗布した後、大気中で熱処理して酸化アルミ
    ニウム層を形成する工程と、 前記窒化ケイ素基板上に、前記酸化アルミニウム層を介
    して銅系回路板を接触配置し、熱処理を施して前記銅系
    回路板を前記窒化ケイ素基板に接合する工程とを有する
    ことを特徴とする窒化ケイ素回路基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の窒化ケイ素回路基板の製
    造方法において、 前記超微粒子アルミナゾルは、Sn、Si、Ti、Yお
    よびErから選ばれる少なくとも 1種を10〜 1000ppmの
    範囲で含有していることを特徴とする窒化ケイ素回路基
    板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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