JPH0676268B2 - 金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体並びにその製造方法 - Google Patents

金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体並びにその製造方法

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JPH0676268B2
JPH0676268B2 JP61056371A JP5637186A JPH0676268B2 JP H0676268 B2 JPH0676268 B2 JP H0676268B2 JP 61056371 A JP61056371 A JP 61056371A JP 5637186 A JP5637186 A JP 5637186A JP H0676268 B2 JPH0676268 B2 JP H0676268B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は窒化アルミニウム焼結体に関する。更に詳しく
は、熱伝導性の基板として特に集積回路(IC)用絶縁基
板として有用な、金属化面を有する窒化アルミニウム焼
結体並びにその製造方法に関する。
従来の技術 一般に、半導体装置あるいはこれを利用した装置、機器
は、各種の能動・受動素子を搭載しており、これらは発
熱の問題を内包している。従って、これ等素子等を安定
かつ信頼性良く動作させるためには、実装の際に最良の
熱設計を行うことが必要であり、これは半導体装置等の
設計、製作において極めて重要である。
更に、近年半導体装置の高速動作化、高集積化等の大き
な動向がみられ、特にLSIなどでは集積度の向上が著し
い。しかし、このような動向はパッケージ当たりの発熱
量の増大を伴うため、基板材料の放熱性等の改良を図る
など実装技術面での一層の改善が必要となる。
従来、IC基板用材料としてはアルミナセラミックス基板
が使用されてきたが、このアルミナ焼結体は熱伝導率が
低く、十分な放熱性を確保できず、ICチップの上記のよ
うな発熱量の増大に十分対応できなくなりつつある。そ
こで、このようなアルミナ基板に代る高熱伝導率を有す
る新しい基板材料の開発が望まれ、窒化アルミニウムが
注目を集め、基板あるいはヒートシングなどとして実用
化するための多数の研究がなされてきた。
しかしながら、窒化アルミニウムはその粉末自体が焼結
性に劣るために、満足な熱伝導率のものが得難かった。
即ち、窒化アルミニウム焼結体は粉末成形後焼結するこ
とによって得られるが、上記の如く焼結性が悪いため
に、多くの場合大量の気孔を含有する低熱伝導率の製品
しか得られなかった。この窒化アルミニウムの如き絶縁
性セラミックスはイオン結合、共有結合からなっている
ために、その熱伝導機構は主として格子振動間の非調和
相互作用によるフォノン伝導を主体としており、そのた
め焼結体内に大量の気孔並びに不純物等の欠陥を含有す
る場合には、フォノン散乱が著しく、低熱伝導度の製品
を与えることになる。しかしながら、極最近になって製
法の改善が進み良好な熱伝導性のものが得られるように
なってきている。
窒化アルミニウム焼結体は熱伝導性が高く、また電気絶
縁性、機械的強度の点でも優れていることから、IC用絶
縁基板などとして注目されている。ところで、窒化アル
ミニウム焼結体は金属との濡れ性が著しく低く、そのた
め予め表面に金属層を形成し、該表面の金属との濡れ性
を改善した後、IC用基板等として用いられているのが現
状である。
しかしながら、窒化アルミニウム焼結体表面に直接金属
化またはガラス化処理を施してもこれらに対する親和性
並びに濡れ性が本質的に低いために、密着力が低く、そ
のためにその焼結体表面に金属との親和性の高い酸化ア
ルミニウムなどの酸化物層を介在層として形成させ、し
かる後に金属化を施していた。
かくして、金属化層と、介在層としての酸化アルミニウ
ム層とは強固に結合することとなったが、この介在層と
窒化アルミニウム焼結体との密着性の問題は依然として
解決されずに残されている。即ち、酸化アルミニウムな
どの酸化物層は、本質的に窒化アルミニウム焼結体など
の窒化物と親和性または濡れ性が悪く、また結果として
密着性が低いためにガラス化層あるいは金属化層を有す
る窒化アルミニウム焼結体製品の信頼性は不十分であっ
た。
更に、酸化アルミニウム介在層を形成する方法の一つと
して、窒化アルミニウム焼結体表面を酸化する方法が知
られているが、この方法で得られる酸化アルミニウム層
は極めて不均一(厚さ等)でポーラスなものである。こ
のような例においてはSi、Al2O3、Feなどの粉末を表面
に有する焼結体を酸化することにより生ずる反応層も同
様に不均一で、かつポーラスであり、密着強度、熱伝導
性、信頼性が不十分であり、従って目的とするIC用基板
などとして使用することが難しい。
発明が解決しようとする問題点 以上述べてきたように、最近の半導体技術の動向に適し
た、特に放熱性、電気絶縁性の優れた基板、ヒートシン
クなどの開発研究が広範に行われており、これら両特性
並びに機械的強度の点でも申し分のない窒化アルミニウ
ム焼結体が注目されている。この窒化アルミニウムを、
半導体IC等の基板材料などとして実用化するためには解
決しなければならないいくつかの問題がある。その一つ
として緻密かつ熱伝導性良好な焼結体を得るという技術
的課題はほぼ解決された。しかしながら、もう一つの重
大な問題、即ち窒化アルミニウム固有のガラス質並びに
金属等に対する親和性、濡れ性が低いという問題は依然
として未解決のまま残されており、過渡的な方策とし
て、上記の如く金属化面に対してのみ親和性の良好な酸
化アルミニウムなどの介在層を設けることが行われてき
た。
しかしながら、このような処置は新たに介在層と窒化ア
ルミニウムの密着性の問題を提供したにすぎず、根本的
な問題解決とはならなかった。また、このような介在層
を、特に窒化アルミニウム焼結体表面の酸化処理によっ
て形成した場合には、酸化反応物質(例えばアルミナ、
シリカ、ムライト、酸化鉄など)の組織は著しく多孔質
のものとなり、しかも膜厚が不均一であるために密着
性、信頼性の点で大きな問題となっている。
このような情況の下で、窒化アルミニウムとガラス質あ
るいは金属化面との高い密着性を確保できる処理技術を
開発することが切に望まれており、これに対する大きな
要求がある。
そこで、本発明の目的は改善された密着性、信頼性を有
する金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体を提供す
ることにある。
本発明のもう一つの目的は、上記のような金属化面を有
する窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供すること
にある。
問題点を解決するための手段 本発明者等は窒化アルミニウム焼結体のIC用基板等とし
ての実用化研究における上記の如き現状に鑑みて、上記
目的とする窒化アルミニウム焼結体を得るべく鋭意検討
・研究した結果、窒化アルミニウム焼結体表面をエッチ
ング処理して結晶粒を溶出させ、その上にガラス化層を
特定の方法に従って形成したものを使用することが有利
であることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結
体は、窒化アルミニウム層と、腐食表面層と、該腐食層
を介して形成されたガラス層と、該ガラス層を介して形
成された金属層とで構成されるものである。
本発明の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体は以
下のようにして得ることができる。即ち、まず窒化アル
ミニウム焼結体基板としては、多量の気孔、不純物等の
欠陥を含まない良好な熱伝導率を有するものであること
が重要である。
そこで、本発明者等が開発した緻密質かつ良好な熱伝導
率を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法により得
られたものを使用することが好ましく、その方法は1.8
重量%以下の酸素含有率の窒化アルミニウム粉末にイッ
トリウムおよびセリウムのアルコキシドからなる群から
選ばれた少なくとも1種の溶液をイットリウムまたはCe
換算で0.1〜10重量%添加し、混合・分解した後成形
し、1,700〜2,200℃の範囲内の温度で非酸化性雰囲気下
で常圧焼結することからなる(特開昭60-184635号明細
書参照)。しかしながら、この例に限らず、緻密質かつ
良好な熱伝導率を有するものであれば制限されず、例え
ば特開昭59-121175号明細書に開示されているものの
他、上記焼結助剤としてCaOを用いたものなどを挙げる
ことができる。
次いで、この窒化アルミニウム表面をエッチング処理す
るが、これは一般にアルカリ水溶液などを用いるウェッ
トエッチングで実施する。特に好ましい例としては、15
〜85℃程度のNaOH、KOH等のpH約10以上の水溶液を挙げ
ることができる。この処理によって1〜20μm程度の厚
さに亘り、窒化アルミニウム結晶粒を溶出する。従っ
て、基板としては粒界組織の平均粒径が10〜30μm程度
の窒化アルミニウム焼結体を使用することが好ましい。
かくしてエッチング処理した窒化アルミニウム焼結体表
面には、次いでガラス層が適用される。このガラス層の
形成は金属アルコキシド(好ましくはアルキル部分が低
級アルキル基であるものを使用する)を塗布し、次いで
焼結することによって形成することが特に好ましい。金
属アルコキシドとしてはシリコンアルコキシド、アルミ
ニウムアルコキシドが特に好ましい例として挙げられ、
また特定の物性を付与する目的で(例えば、耐薬品性、
濡れ性改善)で硼素(B)源(1〜20モル%)、Zr源
(5〜30モル%)などを添加してもよい。好ましいB源
またはZr源としてはアルキル部分が低級アルキル基であ
るアルコキシドが挙げられる。
ガラス層を設けた窒化アルミニウム焼結体は金属との親
和性、濡れ性が改善されているので、金属化層の適用は
容易である。そこで、この金属層は、例えば厚膜ペース
トをスクリーン印刷法で所定の厚さに塗布し、次いで焼
成するか、あるいはイオンプレーテンィング法などの物
理蒸着法に従って形成できる。
まず、厚膜ペースト法による場合、Au、Au−Pt、Pt、A
g、Ag−Pdなどが利用でき、これらのペーストをスクリ
ーン印刷法でコーティングし、次いで大気中、酸素雰囲
気中あるいは窒素雰囲気中で、約850〜940℃の範囲内の
温度下で焼付けすることにより金属化面の形成を行うこ
とができる、これらの例示した金属はガラス化層との強
固な密着性を達成し、またIC用導体としても優れたもの
であることから例示したものであり、本発明はこれに何
等限定する意図はなく、他の金属を用いることも勿論可
能である。この厚膜ペースト法は、特に単一金属層の形
成に有利である。
一方、物理蒸着法は特に二層以上の積層構造の金属化面
を得るのに適しており、例えば三層構造の例としてTi/M
o/Ni、Ti/Mo/Au、Ti/Pt/Au、Zr/Mo/Ni、Zr/Mo/Au、Zr/P
t/Auなどを挙げることができる。物理蒸着法の中でも特
にイオンプレーティング法が、堆積膜の密着性等におい
て優れていることから好ましく、また最下層即ちガラス
層と接する層としてはTi、Zrなどの活性金属を用いるこ
とが有利であり、これらは酸素または窒素との化学親和
性が高いために粒界層と強固な結合を形成することが予
想される。
作用 窒化アルミニウム焼結体をIC用基板、ヒートシンクなど
の材料として実用化可能なものとするためには、これと
金属、ガラス等の親和性もしくは濡れ性を改善して、こ
れらの間の高い密着強度を確保しなければならない。
本発明者等は窒化アルミニウムの固有の特性である他の
物質との低い親和性または濡れ性が、その表面の構造に
起因するものであるとの着想の下に、この表面をウェッ
トエッチング処理することによりその構造を変化させ
た。この処理により、アルカリ、特にNaOH、KOHなどの
水溶液によって、窒化アルミニウム焼結体の結晶粒は優
先的に溶出され、これが部分的に脱落することにより粒
界組織のネットワーク中に、溶出された結晶粒の粒径に
相当する大きさのホールが形成される。このようなホー
ルの存在のために、次いで適用されるガラス層形成材料
が窒化アルミニウム焼結体表面内に侵入し易くなり、結
果的にガラス層と窒化アルミニウム層との結合・密着強
度が大巾に改善されることになる(いわゆるアンカー効
果)。
このようなホールの形成を有利に実施するためには、窒
化アルミニウム焼結体を形成する際に使用する焼結助剤
の選択は重要であり、この助剤としてCeO2などの酸化物
を使用することが特に好ましい。というのは、これを助
剤として得られる焼結体は構成元素をAl、N、Ce、Oと
する反応生成物で構成されることとなり、このようなも
のはガラスとの親和性が著しく高い。尚、助剤としては
上記CeO2の他、Y2O3、CaOなどを用いることも有利であ
り、同様な効果が期待できる。
また、既に述べたようにエッチング処理は窒化アルミニ
ウム表面の粒界組織の厚さ1〜20μm程度とすることが
好ましい。1μmに満たない処理では上記アンカー効果
を期待できず、一方20μmを越えて処理してもそれ程大
きな効果の改善は認められないばかりでなく、逆に表面
層のポーラス化を招き、ガラス層形成後その界面におけ
る十分な強度を確保し得なくなるので、いずれも望まし
くない。このようなエッチングによる表面処理上の制限
に対応して、使用する窒化アルミニウム焼結体について
も平均粒径が10〜30μm程度のものとすることが好まし
い。
かくして形成されたホールにガラス形成材料を十分に侵
入させるためには、使用する材料についても十分に選択
することが必要となる。そこで、上記のように液体状の
金属アルコキシドを利用する。このようにガラス層形成
材料として液体を選択したことにより、エッチング処理
で形成されたホール内には十分な量のガラス層形成材料
が導入されることとなり、ガラス化処理(焼付け)後得
られるガラス層は窒化アルミニウム焼結体表面と構造的
に相互に嵌合した状態が実現でき、しかも上記の如きガ
ラス層との親和性の点で有利な焼結助剤を選択した場合
には密着性に優れたガラス層を有する窒化アルミニウム
製品を得ることができる。
尚、本発明におけるようにガラス層形成材料として液体
である金属アルコキシドを用いたことにより、従来の介
在層としての特に表面化処理により形成した酸化物層に
おいてみられた表面の平坦性並びに膜厚の不均一性の問
題も解決することが可能となり、この点からも後に形成
される金属化面の特性の改善が期待できる。
かくして得られるガラス層を有する窒化アルミニウム製
品は、十分な金属との接合強度、密着性を与えるもので
あり、このガラス層上に金属化面を施すことにより、本
発明の意図するIC等に対する基板、ヒートシンクなどと
して有利に使用できる金属化層を有する窒化アルミニウ
ム焼結体が得られ、最近の半導体技術の動向である高集
積化などに伴う発熱量の増大に十分対応できる基板材料
等を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、更に窒化アルミニウム焼結体製
品を高機能化でき、例えば、ガラス層形成材料としてZr
のアルコキシド、Bのアルコキシド等を上記の如き量で
併用することにより、夫々耐環境性、耐薬品性(特に耐
酸またはアルカリ性)および濡れ性の改善を行うことが
できる。
実施例 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明すると供
に、その奏する効果を実証するが、本発明の範囲は以下
の実施例により何等制限されるものではない。
実施例1 第1図に模式的に示したような構成の窒化アルミニウム
基板1と、その腐食層2と、、腐食層2を介して形成さ
れたガラス層3および更にその上に形成した金属層4と
で構成される金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体
を以下のように作製した。
pH13.6の79℃のNaOH水溶液に焼結助剤としてCeO2、Y2O3
およびCaOを夫々用いて得た窒化アルミニウム焼結体を
浸漬して、エッチング処理(エッチング厚み:1〜3μ
m)した。次いで、その表面にテトラエトキシシリケー
ト、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブト
キシボロンを含有するテトラエトキシシリケート(モル
比B:Si=1:9)混合溶液およびジルコニウムメトキシド
を含有するテトラエトキシシリケート(モル比Zr:Si=
1:3)混合溶液を各基板に塗布し、大気中にて900℃で10
分間焼成した。各アルコキシドによって生成したガラス
層膜厚は1〜2μmであった。次いで、かくして得たガ
ラス層を有する窒化アルミニウム焼結体基板表面に夫々
Au、Pt、Au−Pt、Agペーストを厚さ25〜30μm程度に塗
布し、次いで大気中にて850〜940℃で10分間焼付けを行
い、金属化面を有する窒化アルミニウム焼結体を形成し
た。かくして得た金属化面上に0.8mmφの軟鋼線を半田
付して引張強度を求め、結果を以下の第1−a表〜第1
−c表に総めた。
各アルコキシドによって生成したガラス膜は夫々SiO2
Al2O3、B2O3−SiO2およびZrO2−SiO2である。
尚、エッチング処理なしで同様にガラス膜を形成させた
後、同様にメタライズしたものを作製し、比較例として
併せて表に示した。
実施例2 pH12.7のKOH水溶液(68℃)に、焼結助剤としてCeO2
使用した窒化アルミニウム焼結体を浸漬して、エッチン
グ厚1〜3μmとなるようにエッチング処理を施した。
この表面に上記実施例1のアルコキシドを塗布し焼成し
てガラス層を設けた。次いで、この基板をpH13.6、72℃
のNaOH水溶液に浸漬し、十分に洗浄した後実施例1と同
様にメタライズ層を形成した。このようにして得たメタ
ライズ層を有する窒化アルミニウ焼結体につき、実施例
1と同様な引張強度測定を行い、アルコキシド成分の違
いによるアルカリ耐食性を調べた。結果を第2表に示
す。
実施例3 pH13.1で温度66℃のNaOH水溶液で、実施例1と同様にAl
N−(助剤CeO2)、AlN(Y2O3)、AlN(CaO)の基板をエ
ッチング厚1〜2μmとなるようにエッチング処理し、
次いで実施例1と同様なアルコキシドでガラス膜を形成
した後、各基板の表面にイオンプレーティング法により
夫々Ti/Mo/Ni、Zr/Mo/Ni、Ti/Mo/Au、Zr/Mo/Au、Ti/Pt/
Au、Zr/Pt/Auなる順序で金属層を各々の厚みが0.4〜0.
7、0.5〜0.9および1.9〜2.4μmとなるように3層構造
のメタライズ層を設けた。実施例1と同様に引張強度を
測定した。また、比較例としてエッチング処理なしで実
施例1における比較的と同様にガラス膜を形成し、次い
でその上にイオンプレーティング法により金属層を形成
した。これについても引張強度を測定し、結果を第3−
a表〜第3−1表に示す。
発明の効果 以上詳しく説明したように、本発明によれば、窒化アル
ミニウム焼結体表面をまずアルカリ水溶液等でエッチン
グ処理して、優先的に結晶粒を溶出させ、粒界層を残
し、次いでこの表面にアルコキシド液を塗布してガラス
層を形成させたことに基き、結晶粒溶出に基くアンカー
効果とガラス層との親和性の向上との相乗効果により、
ガラス層と窒化アルミニウム焼結体との十分に高い密着
強度を確保することができる、更にその上に形成される
金属層との密着強度も十分な値を維持できることとなっ
た。
更に、アルコキシド成分にB源を共存させることによ
り、窒化アルミニウムとガラス層との密着性は更に一層
改善され、またはZr源を共存させた場合には耐環境性、
特に耐アルカリ性の向上を期待することができる。
従って、本発明の金属化面を有する窒化アルミニウム焼
結体はIC基板、ヒートシンク等としてばかりでなく、金
属と窒化アルミニウム焼結体との複合材料が必要とされ
るすべての分野で有利に使用することができ、窒化アル
ミニウの有する優れた特性、即ち高熱伝導性、高電気絶
縁性並びに高い機械強度を十分に発揮させることができ
る。
【図面の簡単な説明】 添付第1図は本発明のガラス化層および金属化層を有す
る窒化アルミニウム焼結体の構成を説明するための模式
的な断面図である。 (主な参照番号) 1……窒化アルミニウム焼結体基板、 2……腐食面、3……ガラス層、 4……金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/14 H05K 1/03 7011−4E 3/38 A 7011−4E

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面から所定の深さまで結晶粒を除去して
    形成されたホールを含む腐蝕層を有する窒化アルミニウ
    ム焼結体基板と、該腐食層に被着されたガラス層と、該
    ガラス層を介して窒化アルミニウム表面に設けられた金
    属層とを備え、該ガラス層の一部が該ホールの内部に入
    り込んでいることを特徴とする、金属化層を有する窒化
    アルミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】上記腐食層が1〜20μmの厚さを有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の窒化アル
    ミニウム焼結体。
  3. 【請求項3】上記窒化アルミニウム焼結体を構成する粒
    界組織が平均粒径10〜30μmの範囲内であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の窒化
    アルミニウム焼結体。
  4. 【請求項4】窒化アルミニウム焼結体基板表面をpH10以
    上で温度15〜85℃のNaOHまたはKOH水溶液によりウェッ
    トエッチングし、次いでアルコキシドを塗布し、焼成す
    ることによりガラス層を形成し、次いで該ガラス層上に
    金属化層を形成することを特徴とする金属化層を有する
    窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記アルコキシドがシリコンアルコキシ
    ド、アルミニウムアルコキシドまたはこれらの混合物で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の窒
    化アルミニウム焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】上記アルコキシドのアルキル部分が低級ア
    ルキル基であることを特徴とする特許請求の範囲第5項
    に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】上記アルコキシドがボロンアルコキシドを
    1〜20モル%含有することを特徴とする特許請求の範囲
    第6項に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】上記アルコキシドがジルコニウムアルコキ
    シドを5〜30モル%含有することを特徴とする特許請求
    の範囲第6項または第7項に記載の窒化アルミニウム焼
    結体の製造方法。
  9. 【請求項9】上記金属層が厚膜ペースト法で金属ペース
    トを塗布し、次いで大気中、酸素雰囲気中あるいは窒素
    雰囲気中で850〜940℃の範囲内の温度下で焼付けするこ
    とにより得られることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項から第8項までのいずれか1項に記載の窒化アルミニ
    ウム焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】上記金属層を物理蒸着法で形成し、金属
    材料がTi、Zr、Mo、Ni、AuおよびPtからなる群から選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする特許請求の
    範囲第4項から第8項までのいずれか1項に記載の窒化
    アルミニウム焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】上記金属層の物理蒸着において、積層構
    造の金属層を形成する場合、上記ガラス層と接する層と
    してTiまたはZrを選ぶことを特徴とする特許請求の範囲
    第10項に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
JP61056371A 1986-03-15 1986-03-15 金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体並びにその製造方法 Expired - Lifetime JPH0676268B2 (ja)

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