JPH10135526A - 極低温冷却装置 - Google Patents

極低温冷却装置

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Publication number
JPH10135526A
JPH10135526A JP8306006A JP30600696A JPH10135526A JP H10135526 A JPH10135526 A JP H10135526A JP 8306006 A JP8306006 A JP 8306006A JP 30600696 A JP30600696 A JP 30600696A JP H10135526 A JPH10135526 A JP H10135526A
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JP
Japan
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pressure
tank
valve
helium
compressor
Prior art date
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Pending
Application number
JP8306006A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsutaro Nakagawa
徹太郎 中川
Hideo Misawa
秀雄 三澤
Toshiyuki Amano
俊之 天野
Taiji Fujimoto
泰司 藤本
Masatoshi Shinobu
正寿 忍
Motoaki Terai
元昭 寺井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Central Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジュールトムソン回路内のヘリウムの消費を
無くし、省資源で安定した車載用極低温冷却装置を提供
すること。 【解決手段】 超電導磁石を収納した液体ヘリウム貯槽
1と、該液体ヘリウム貯槽1を覆った熱シールド板10
と、該熱シールド板10と前記液体ヘリウム貯槽とを収
納した真空断熱外槽容器11と、冷凍機本体2およびジ
ュールトムソン回路3と、該ジュールトムソン回路3の
一部を構成する圧縮機本体4と、該圧縮機本体4に接続
された常温ヘリウムガスタンクである中圧タンク5と、
該中圧タンク5と前記圧縮機4との間に配設され、前記
中圧タンク5の圧力が安全弁設定圧力を越えそうになる
と閉じる開閉弁61を備え、該中圧タンク5へのヘリウ
ムの供給を停止するヘリウム供給停止機構6とから成る
極低温冷却装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導式磁気浮上鉄
道の車両(リニアモータカー)に車載される超電導磁石
装置を冷却する車載用の極低温冷却装置であって、中圧
タンクの圧力が安全弁設定圧力を越えそうになると該中
圧タンクへのヘリウムの供給を停止するヘリウム供給停
止機構を備えている極低温冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の極低温冷凍装置(特公平2−27
828号)は、図4に示されるように液体ヘリウム貯槽
C、C1内の液体ヘリウムは熱シールド板Pからの熱侵
入で蒸発するだけでなく超電導磁石Mを励磁または消磁
する際にパワーリード冷却用として蒸発し、また車両走
行中には車両揺動損失(スロッシングロス)や液体ヘリ
ウム貯槽板での渦電流損失(ACロス)により更に蒸発
し液体ヘリウム貯槽上部タンクC1内の液体ヘリウム貯
量が減少するのは冷凍機の能力を越える多大な蒸発が発
生した時にのみ一時的におこる現象である。
【0003】このように定常時より増加した多量の蒸発
ヘリウムガスは、一部が液体ヘリウム貯槽上部タンクC
1内の増加したガス層に蓄えられるが、その他は圧縮機
K本体の低圧側に戻ってくる。戻りガスが増加した分だ
け圧縮機K本体の低圧圧力は上昇するため、圧縮機K本
体で圧縮された吐出ガスは定常時より更に高圧になる。
その結果吐出圧力調整弁Vの設定圧力以上になったヘリ
ウムガスは吐出圧力調整弁Vを介して中圧タンクT内へ
押し込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の極低温冷却
装置は、以上のように構成されているので、超電導磁石
Mの励消磁時の液体ヘリウム蒸発やスロッシングロスに
よる蒸発およびACロスによる蒸発によって発生したヘ
リウムガスは中圧タンクTの安全弁SVの設定圧力を越
えて中圧タンクT内に押し込まれると、その分が該安全
弁SVから大気へ放出されるという問題点があるととも
に、ジュールトムソン回路JC内の貴重なヘリウムの一
部を消失してしまい車両停止中にヘリウムガスを補給し
なければならないという問題点があった。
【0005】またヘリウムの消失を防止するため安全弁
の設定圧力を高く設定すると中圧タンクTの構成板厚を
厚くしなければならなくなり多大な重量増加を招く。ま
た液体ヘリウム貯留上部タンクC1の容量を増大したり
中圧タンクTの容量を増大したりすると、強度の観点よ
り各タンクの構成板厚を更に厚くする必要が発生し重量
増加となるだけでなく大形になり小形軽量化が図れな
い。さらに冷凍機R本体の冷凍能力を増大する方法もあ
るが、これも重量増加と大形化を招くとともに、所要電
力も多くなる等の問題点があった。
【0006】そこで本発明者らは、極低温冷却装置にお
いて、中圧タンクの圧力が安全弁設定圧力を越えそうに
なると該中圧タンクへのヘリウムの供給を停止するとい
う本発明の技術的思想に着眼し、さらに研究開発を重ね
た結果、ジュールトムソン回路内のヘリウムの消費を無
くし、省資源で安定した車載用極低温冷却装置を提供す
るという目的を達成する本発明に到達したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の極低温冷却装置は、超電導磁石を収納す
る液体ヘリウム貯槽と熱シールド板とを収納した真空断
熱外槽容器と、冷凍機本体およびジュールトムソン回路
の一部を構成する圧縮機本体に接続された常温ヘリウム
ガスタンクである中圧タンクを有する極低温冷却装置に
おいて、前記中圧タンクの圧力が安全弁設定圧力を越え
そうになると該中圧タンクへのヘリウムの供給を停止す
るヘリウム供給停止機構を備えているものである。
【0008】本発明(請求項2に記載の第2発明)の極
低温冷却装置は、超電導磁石を収納した液体ヘリウム貯
槽と、液体ヘリウム貯槽を覆った熱シールド板と、該熱
シールド板と液体ヘリウム貯槽とを収納した真空断熱外
槽容器と、冷凍機本体およびジュールトムソン回路と、
該ジュールトムソン回路の一部を構成する圧縮機本体
と、該圧縮機本体に接続された常温ヘリウムガスタンク
である中圧タンクと、該中圧タンクと前記圧縮機との間
に配設され、前記中圧タンクの圧力に基づき開閉する開
閉弁とから成るものである。
【0009】本発明(請求項3に記載の第3発明)の極
低温冷却装置は、前記第2発明において、前記中圧タン
クに作用している圧力を検知する圧力検知手段を備えて
いるものである。
【0010】本発明(請求項4に記載の第4発明)の極
低温冷却装置は、前記第3発明において、前記開閉弁
が、前記圧力検知手段からの信号に基づき電気的に弁を
開閉する電磁開閉弁または電動開閉弁によって構成され
ているものである。
【0011】本発明(請求項5に記載の第5発明)の極
低温冷却装置は、前記第4発明において、前記圧力検知
手段が、前記中圧タンク内に配設され、中圧タンク内の
圧力を検知する圧力センサーによって構成され、前記電
磁開閉弁または電動開閉弁が、前記中圧タンクと前記圧
縮機の吐出部との間を接続する回路に配設され、前記圧
力センサーの出力が安全弁設定圧力を越えた場合に前記
電磁開閉弁または電動開閉弁に信号を出力するコントロ
ーラを備えているものである。
【0012】本発明(請求項6に記載の第6発明)の極
低温冷却装置は、前記第3発明において、前記開閉弁
が、前記中圧タンクの圧力を直接検知して開閉する圧力
調整弁によって構成されているものである。
【0013】本発明(請求項7に記載の第7発明)の極
低温冷却装置は、前記第6発明において、前記圧力調整
弁が、前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出部との間を接
続する回路に配設され、前記中圧タンクに作用している
圧力をスプールに作用させ、安全弁設定圧力を越えそう
になった場合に該スプールが移動して前記中圧タンクと
前記圧縮機の吐出部との間の連通を遮断するように構成
されているものである。
【0014】(作用)上記構成より成る第1発明の極低
温冷却装置は、超電導磁石を収納する液体ヘリウム貯槽
と熱シールド板とを収納した真空断熱外槽容器と、冷凍
機本体およびジュールトムソン回路の一部を構成する圧
縮機本体に接続された常温ヘリウムガスタンクである中
圧タンクを有する極低温冷却装置において、前記中圧タ
ンクの圧力が安全弁設定圧力を越えそうになると、前記
ヘリウム供給停止機構が前記中圧タンクへのヘリウムの
供給を停止する。
【0015】上記構成より成る第2発明の極低温冷却装
置は、前記超電導磁石を収納した前記液体ヘリウム貯槽
と該液体ヘリウム貯槽を覆った前記熱シールド板とを収
納した前記真空断熱外槽容器と、前記冷凍機本体および
前記ジュールトムソン回路と、該ジュールトムソン回路
の一部を構成する圧縮機本体と、該圧縮機本体に接続さ
れた常温ヘリウムガスタンクである中圧タンクとから成
る極低温冷却装置において、該中圧タンクと前記圧縮機
との間に配設された前記開閉弁が、前記中圧タンクの圧
力に基づき開閉する。
【0016】上記構成より成る第3発明の極低温冷却装
置は、前記第2発明において、前記圧力検知手段が前記
中圧タンクに作用している圧力を検知して、前記開閉弁
が検知された前記中圧タンクの圧力に基づき開閉する。
【0017】上記構成より成る第4発明の極低温冷却装
置は、前記第3発明において、前記開閉弁を構成する前
記電磁開閉弁または電動開閉弁が、前記圧力検知手段か
らの信号に基づき電気的に弁を開閉する。
【0018】上記構成より成る第5発明の極低温冷却装
置は、前記第4発明において、前記圧力検知手段を構成
する前記中圧タンク内に配設された前記圧力センサー
が、前記中圧タンク内の圧力を検知して信号を出力し、
前記圧力センサーの出力が安全弁設定圧力を越えそうに
なった場合に前記コントローラが前記電磁開閉弁または
電動開閉弁に信号を出力し、前記中圧タンクと前記圧縮
機の吐出部との間を接続する回路に配設された前記電磁
開閉弁または電動開閉弁が閉となる。
【0019】上記構成より成る第6発明の極低温冷却装
置は、前記第3発明において、前記開閉弁を構成する圧
力調整弁が、前記中圧タンクの圧力を直接検知して前記
安全弁設定圧力を越えそうになると閉となる。
【0020】上記構成より成る第7発明の極低温冷却装
置は、前記第6発明において、前記中圧タンクと前記圧
縮機の吐出部との間を接続する回路に配設された前記圧
力調整弁が、前記中圧タンクに作用している圧力を前記
スプールに作用させ、安全弁設定圧力を越えそうになっ
た場合に該スプールが移動して、前記中圧タンクと前記
圧縮機の吐出部との間の連通を遮断する。
【0021】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明の極低温冷却
装置は、前記中圧タンクの圧力が安全弁設定圧力を越え
そうになると、前記ヘリウム供給停止機構が前記中圧タ
ンクへのヘリウムの供給を停止するので、前記ジュール
トムソン回路内のヘリウムの消費を無くし、省資源を実
現するという効果を奏する。
【0022】上記作用を奏する第2発明の極低温冷却装
置は、前記中圧タンクの圧力が安全弁設定圧力を越えそ
うになると、前記中圧タンクと前記圧縮機との間に配設
された前記開閉弁が、前記中圧タンクの圧力に基づき閉
じて、前記中圧タンクへのヘリウムの供給を停止するの
で、前記ジュールトムソン回路内のヘリウムの消費を無
くし、省資源を実現するという効果を奏する。
【0023】上記作用を奏する第3発明の極低温冷却装
置は、前記圧力検知手段が前記中圧タンクに作用してい
る圧力を検知して、前記開閉弁が検知された前記中圧タ
ンクの圧力に基づき開閉するので、前記中圧タンクへの
ヘリウムの供給停止を精度良く制御することが出来ると
いう効果を奏する。
【0024】上記作用を奏する第4発明の極低温冷却装
置は、前記開閉弁を構成する前記電動開閉弁が、前記圧
力検知手段からの信号に基づき電気的に弁を開閉するの
で、制御の自由度が高いという効果を奏する。
【0025】上記作用を奏する第5発明の極低温冷却装
置は、前記中圧タンク内に配設された前記圧力センサー
が、前記中圧タンク内の圧力を検知して信号を出力し、
前記圧力センサーの出力が安全弁設定圧力を越えそうに
なった場合に前記コントローラが前記電磁開閉弁または
電動開閉弁に信号を出力し、前記中圧タンクと前記圧縮
機の吐出部との間を接続する回路に配設された前記電磁
開閉弁または電動開閉弁が閉となるので、前記中圧タン
クへのヘリウムの供給停止を精度良く制御することが出
来るとともに、制御の自由度が高いという効果を奏す
る。
【0026】上記作用を奏する第6発明の極低温冷却装
置は、前記第3発明の効果に加え、前記開閉弁を構成す
る圧力調整弁が、前記中圧タンクの圧力を直接検知して
前記安全弁設定圧力を越えそうになると閉じるので、構
成がシンプルであり、信頼性が高いという効果を奏す
る。
【0027】上記作用を奏する第7発明の極低温冷却装
置は、前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出部との間を接
続する回路に配設された前記圧力調整弁が、前記中圧タ
ンクに作用している圧力を前記スプールに作用させ、安
全弁設定圧力を越えそうになった場合に該スプールが移
動して、前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出部との間の
連通を遮断するので、前記スプールの移動により連通を
制御するため、構成および作用がシンプルであり、信頼
性が一層高いという効果を奏する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面を用いて説明する。
【0029】(第1実施態様)本第1実施形態の極低温
冷却装置は、図1に示されるように超電導磁石を収納し
た液体ヘリウム貯槽1と、該液体ヘリウム貯槽1を覆っ
た熱シールド板10と、該熱シールド板10と前記液体
ヘリウム貯槽とを収納した真空断熱外槽容器11と、冷
凍機本体2およびジュールトムソン回路3と、該ジュー
ルトムソン回路3の一部を構成する圧縮機本体4と、該
圧縮機本体4に接続された常温ヘリウムガスタンクであ
る中圧タンク5と、該中圧タンク5と前記圧縮機4との
間に配設され、前記中圧タンク5の圧力が安全弁設定圧
力を越えそうになると閉じる開閉弁61を備え、該中圧
タンク5へのヘリウムの供給を停止するヘリウム供給停
止機構6とから成るものである。
【0030】前記液体ヘリウム貯槽1は、その内部に、
パワーリード71を介して電源装置7に接続された超電
導磁石12が配設され、真空断熱外槽上部タンク13に
連絡している。
【0031】該真空断熱外槽上部タンク13内に液体ヘ
リウム貯槽上部タンク14が形成され、前記冷凍機2の
吐出部に連絡された気液分離器141および制御装置1
43に接続され液面を計測する液面計142が配設され
ている。
【0032】前記液体ヘリウム貯槽上部タンク14に
は、上部空間と前記冷凍機2の吸入部に連絡するガス戻
り管16と、前記圧縮機本体4および冷凍機2に連絡す
る電磁開閉弁171が配設された配管17と、安全弁1
8とが配設されている。
【0033】前記真空断熱外槽上部タンク13には、液
体窒素供給弁151を介して地上液体窒素タンク150
に連絡するとともに、窒素ガス戻り放出管152が配設
された液体窒素タンク15が形成されている。
【0034】前記冷凍機本体2および圧縮機本体4は、
それぞれ電動機20および40によって回転駆動されて
いる。
【0035】前記ジュールトムソン回路3(以下単にJ
T回路と言う)は、前記圧縮機本体4に接続された常温
ヘリウムガスタンクである中圧タンク5と、該中圧タン
ク5にガスを初期供給するガス供給弁31と、前記中圧
タンク5内の圧力が安全弁設定圧力を越えるとヘリウム
ガスを逃がす安全弁32と、前記圧縮機本体4の吸入圧
を調整する吸入圧力調整弁33と、前記圧縮機本体4の
吐出圧を調整する吐出圧力調整弁34とから成る。
【0036】前記ヘリウム供給停止機構6は、前記中圧
タンク5内に配設され、該中圧タンク5内の圧力を検出
する圧力センサ62と、該圧力センサ62によって検出
された中圧タンク5内の圧力が安全弁設定圧力より若干
低い一定値を越えると出力信号を出力するコントローラ
63と、前記中圧タンク5と前記圧縮機4との間の配管
に配設され、前記中圧タンク5の圧力が安全弁設定圧力
を越えそうになると前記コントローラ63からの出力信
号によって弁を閉じる電磁開閉弁または電動開閉弁から
成る開閉弁61とから成る。
【0037】実運用状態において前記JT回路3内のヘ
リウムを大気へ消失させないために、前記中圧タンク5
の容積および液体ヘリウム貯槽上部タンク14の容積
は、蒸発ヘリウムガスの量や前記中圧タンク5の前記安
全弁32の設定圧力や前記液体ヘリウム貯槽上部タンク
14の許容圧力や液体ヘリウムの初期注液量や冷凍機2
の能力等を考慮して最適に設定されている。
【0038】上記構成より成る第1実施形態の極低温冷
却装置において、常温外部から内部へ侵入してくる熱は
液体窒素で冷却されている前記熱シールド板10によっ
て遮断される。該熱シールド板から液体ヘリウム貯槽
1、14へ侵入してくる熱によって液体ヘリウムは蒸発
し、蒸発したヘリウムガスはガス戻り管16を介して前
記冷凍機本体2を経由して前記圧縮機本体4の低圧吸い
込み側へ戻る。
【0039】該圧縮機本体4の低圧側に戻ったヘリウム
ガスは圧縮機内で高圧に圧縮され前記冷凍機本体2内へ
送り込まれる。該冷凍機本体2内で冷却され一部が液化
されたミスト状ヘリウムは、前記気液分離器141を介
して前記液体ヘリウム貯槽上部タンク14のガス層へ送
り込まれる。
【0040】液体ヘリウム貯槽1、14内の液体ヘリウ
ムは前記熱シールド板10からの熱侵入で蒸発するだけ
でなく前記超電導磁石12を励磁または消磁する際にパ
ワーリード冷却用として蒸発し、また車両走行中には車
両揺動損失( スロッシングロス)や液体ヘリウム貯槽板
での渦電流損失(ACロス)により更に蒸発し、前記液
体ヘリウム貯槽上部タンク14内の液体ヘリウム貯量が
減少するのは冷凍機の能力を越える多大な蒸発が発生し
た時にのみ一時的に発生する現象である。
【0041】このように定常時より増加した多量の蒸発
ヘリウムガスは一部が前記液体ヘリウム貯槽上部タンク
14内の増加したガス層に蓄えられるがその他は圧縮機
本体4の低圧側に戻ってくる。戻りガスが増加した分だ
け圧縮機本体4の低圧圧力は上昇するため圧縮本体で圧
縮された吐出ガスは定常時より更に高圧になる。
【0042】定常状態の冷凍能力を上回る多量の蒸発ヘ
リウムガスすなわち前記超電導磁石12の励消磁時の液
体ヘリウム蒸発やスロッシングロスによる蒸発およびA
Cロスによる蒸発によって発生した多量の蒸発ヘリウム
ガスは、前記圧縮機4によって前記中圧タンク5内へ押
し込まれるが、前記安全弁32から大気へ放出される直
前の一定圧力で電磁開閉弁または電動開閉弁61が閉
じ、前記中圧タンク5への連通関係が遮断されるため、
前記JT回路3内のヘリウムは前記安全弁32から消失
することは無い。
【0043】この時中圧タンク5以外のJT回路3内す
なわちJT回路の高低圧配管および前記液体ヘリウム貯
槽1や前記液体ヘリウム貯槽上部タンク14の内部圧力
は定常時よりある一定の圧力だけ高くなってバランスし
て維持される。
【0044】また逆に前記JT回路3における液体ヘリ
ウムの蒸発量が少なくなって前記冷凍機2の能力の方が
勝った状態になった場合、前記中圧タンク5に押し込ま
れていたヘリウムガスは吸入圧力調整弁33を介して前
記圧縮機4の低圧側へ呼び込まれ前記冷凍機2の内部で
液化され前記液体ヘリウム貯槽上部タンク14内へ送り
込まれ同タンク内の液体ヘリウム貯量は増加し前記中圧
タンク5の圧力は低下する。該中圧タンク5の圧力が一
定圧以下になった時、前記電磁開閉弁または電動開閉弁
61は、開の状態となる。
【0045】上記作用を奏する第1実施形態の極低温冷
却装置は、前記中圧タンク5の前記安全弁32が動作す
る前に開閉弁を閉じる前記ヘリウム供給停止機構6を設
けたので、定常状態より多量に液体ヘリウムが蒸発した
場合でも前記中圧タンク5には前記安全弁32の設定圧
力以下のヘリウムガスしか押し込まれないので、前記安
全弁32から大気へ放出して消失してしまうことが無い
ため、省資源を実現するという効果を奏する。
【0046】また第1実施形態の極低温冷却装置は、前
記中圧タンク5の圧力が前記安全弁32の設定圧力を越
えそうになると、前記中圧タンク5と前記圧縮機4との
間に配設された前記開閉弁61が、前記中圧タンク5の
圧力に基づき閉じて、前記中圧タンク5へのヘリウムの
供給を停止するので、上記従来装置のように安全弁の設
定圧を高くしたり中圧タンクまたは前記ヘリウムガス貯
槽上部タンク14を大きくすることなく、かつ前記冷凍
機2の所要電力を最低必要限に出来、小形で軽量および
高効率で高性能の極低温冷却装置が得られるという効果
を奏する。
【0047】さらに第1実施形態の極低温冷却装置は、
前記中圧タンク5内に配設された前記圧力センサー62
が、前記中圧タンク5内の圧力を検知して信号を出力
し、前記圧力センサー62の出力が前記安全弁32の設
定圧力を越えそうになった場合に前記コントローラ63
が前記電磁開閉弁または電動開閉弁61に信号を出力
し、前記中圧タンク5と前記圧縮機4の吐出部との間を
接続する前記回路64に配設された前記電磁開閉弁また
は電動開閉弁61が閉じるので、前記中圧タンク5への
ヘリウムの供給停止を精度良く制御することが出来ると
ともに、制御の自由度が高いという効果を奏する。
【0048】(第2実施形態)本第2実施形態の極低温
冷却装置は、図1に示される前記第1実施形態における
圧力センサ62と電磁開閉弁または電動開閉弁61の代
わりに、図2および図3に示されるように中圧タンクの
圧力を直接作用させ開閉する圧力調整弁65を設けた点
が、前記第1実施形態との相違点であり、以下相違点の
み説明する。
【0049】図3から明かなように 前記圧力調整弁6
5が、中圧タンク5と圧縮機4の吐出部との間を接続す
る回路64に配設され、前記中圧タンク5に作用してい
る圧力を制御ポート653を介してスプール651に作
用させ、該圧力が安全弁32の設定圧力より若干低い設
定圧を越えた場合に、該スプール651の連通孔654
の位置がバネ652の付勢力に抗して移動して前記中圧
タンク5と前記圧縮機4の吐出部との間の連通を遮断す
るように構成されているものである。
【0050】上記構成より成る第1実施形態の極低温冷
却装置は、前記中圧タンク5の圧力が一定の上記設定圧
力以上になった時、前記圧力調整弁65は閉の状態とな
り、該中圧タンク5の圧力が一定設定圧力以下になった
時該圧力調整弁65は開の状態となる。
【0051】上記作用を奏する第2実施形態の極低温冷
却装置は、開閉弁を構成する前記圧力調整弁65が、前
記中圧タンク5の圧力を直接検知して前記安全弁32の
設定圧力を越えそうになると開閉するものであるため、
構成がシンプルであり、信頼性が高いという効果を奏す
る。
【0052】また第2実施形態の極低温冷却装置は、前
記中圧タンク5と前記圧縮機4の吐出部との間を接続す
る前記回路64に配設された前記圧力調整弁65が、前
記中圧タンク5に作用している圧力を前記スプール65
1に作用させ、前記安全弁32の設定圧力に近づいた場
合に該スプール651の連通孔654が移動して、前記
中圧タンク5と前記圧縮機4の吐出部との間の連通を遮
断するので、前記スプール651の移動により連通を制
御するため、構成および作用がシンプルであり、信頼性
が一層高いとともにコストを低減することが出来るとい
う効果を奏する。
【0053】上述の実施形態は、説明のために例示した
もので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の極低温冷却装置を示す
ブロック回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態の極低温冷却装置を示す
ブロック回路図である。
【図3】本第2実施形態の極低温冷却装置における圧力
調整弁を示す断面図である。
【図4】従来の極低温冷却装置の一例を示すブロック回
路図である。
【符号の説明】
1 液体ヘリウム貯槽 10 熱シールド板 11 真空断熱外槽容器 2 冷凍機本体 3 ジュールトムソン回路 4 圧縮機本体 5 中圧タンク 6 ヘリウム供給停止機構 61 開閉弁
フロントページの続き (72)発明者 三澤 秀雄 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 天野 俊之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤本 泰司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 忍 正寿 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 寺井 元昭 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導磁石を収納する液体ヘリウム貯槽
    と熱シールド板とを収納した真空断熱外槽容器と、冷凍
    機本体およびジュールトムソン回路の一部を構成する圧
    縮機本体に接続された常温ヘリウムガスタンクである中
    圧タンクを有する極低温冷却装置において、 前記中圧タンクの圧力が安全弁設定圧力を越えそうにな
    ると該中圧タンクへのヘリウムの供給を停止するヘリウ
    ム供給停止機構を備えていることを特徴とする極低温冷
    却装置。
  2. 【請求項2】 超電導磁石を収納した液体ヘリウム貯槽
    と、 液体ヘリウム貯槽を覆った熱シールド板と、 該熱シールド板と液体ヘリウム貯槽とを収納した真空断
    熱外槽容器と、 冷凍機本体およびジュールトムソン回路と、 該ジュールトムソン回路の一部を構成する圧縮機本体
    と、 該圧縮機本体に接続された常温ヘリウムガスタンクであ
    る中圧タンクと、 該中圧タンクと前記圧縮機との間に配設され、前記中圧
    タンクの圧力に基づき開閉する開閉弁とから成ることを
    特徴とする極低温冷却装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記中圧タンクに作用している圧力を検知する圧力検知
    手段を備えていることを特徴とする極低温冷却装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記開閉弁が、前記圧力検知手段からの信号に基づき電
    気的に弁を開閉する電磁弁または電動開閉弁によって構
    成されていることを特徴とする極低温冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記圧力検知手段が、前記中圧タンク内に配設され、中
    圧タンク内の圧力を検知する圧力センサーによって構成
    され、 前記電動開閉弁が、前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出
    部との間を接続する回路に配設され、 前記圧力センサーの出力が安全弁設定圧力を越えそうに
    なった場合に前記電磁弁または電動開閉弁に信号を出力
    するコントローラを備えていることを特徴とする極低温
    冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、 前記開閉弁が、前記中圧タンクの圧力を直接検知して開
    閉する圧力調整弁によって構成されていることを特徴と
    する極低温冷却装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記圧力調整弁が、前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出
    部との間を接続する回路に配設され、 前記中圧タンクに作用している圧力をスプールに作用さ
    せ、安全弁設定圧力を越えそうになった場合に該スプー
    ルが移動して前記中圧タンクと前記圧縮機の吐出部との
    間の連通を遮断するように構成されていることを特徴と
    する極低温冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002272060A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Railway Technical Res Inst 超電導磁石の液体水素冷却システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002272060A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Railway Technical Res Inst 超電導磁石の液体水素冷却システム
JP4567220B2 (ja) * 2001-03-08 2010-10-20 財団法人鉄道総合技術研究所 超電導磁石の液体水素冷却システム

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