JPH10134823A - 金属多孔体の製造方法 - Google Patents

金属多孔体の製造方法

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JPH10134823A
JPH10134823A JP8292342A JP29234296A JPH10134823A JP H10134823 A JPH10134823 A JP H10134823A JP 8292342 A JP8292342 A JP 8292342A JP 29234296 A JP29234296 A JP 29234296A JP H10134823 A JPH10134823 A JP H10134823A
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JP
Japan
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metal
base plate
fibrous
metal base
conveyor
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Application number
JP8292342A
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English (en)
Inventor
Tsumoru Ohata
積 大畠
Yoriko Takai
より子 高井
Junjiro Awano
順二郎 粟野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Priority to PCT/JP1997/002612 priority patent/WO1998004374A1/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属基材板上に多数の繊維状金属を垂直の配置
で固定してなる疑似多孔質の構造を備えた金属多孔体を
高い生産性と低コストで製造して高品質のものを得るこ
とができる金属多孔体の製造方法を提供する。 【解決手段】帯状の金属基材板9を連続的に移送し、こ
の移送中の金属基材板9上に繊維状金属3を散布する。
金属基材板9を垂直磁界中に進入させて、繊維状金属3
を金属基材板9に対し垂直方向に配向させる。繊維状金
属3を垂直に配向させた金属基材板9上に接着剤19を
噴霧して繊維状金属3を配向状態に保持する。金属基材
板9を乾燥炉20を通過させることにより接着剤19を
熱分解する。金属基材板9を還元炉を通過させることに
より繊維状金属3と金属基材板9とを焼結により一体化
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばリチウムイ
オン二次電池、ニッケル水素蓄電池またはニッケルカド
ミウム電池等の二次電池における電極板の芯材として好
適に用いることのできる金属多孔体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】金属多孔体は、機械部品やその他の種々
の産業分野に広く用いられており、様々な方法で製造さ
れてきた。古くは金属粉末を原料粉末充填焼結法や粉末
圧縮焼結法などにより成形および焼結する製造方法があ
り、近年ではウレタンなどの三次元網目形状のスポンジ
状発泡体の骨格表面に無電解めっき、電解めっきまたは
気相めっきなどのめっき法により金属を付着させる製造
方法や、金属粉末を分散したスラリーに発泡体を浸漬さ
せる製造方法が一般的に採用されている。さらに、繊維
状金属が不規則に絡み合うフェルト状不織布を形成する
方法(特開昭56-88266号公報参照)や、ステンレス鋼の
細線集合体を焼結および圧延する方法(特開平4-165006
号公報参照)などが検討されている。
【0003】ところで、電池の電極板は、一般に、上述
のような金属多孔体を芯材として、この金属多孔体に正
または負の活物質を充填した構造になっている。化学反
応が生じる電池における電極板の芯材用の金属多孔体と
しては、上述のように種々のものが存在するなかで、三
次元網目構造を有する金属発泡多孔体が近年において一
般的に採用されている。この金属発泡多孔体は、スポン
ジ状発泡体に電気めっきを施したもので、主にニッケル
カドミウム電池やニッケル水素蓄電池などの二次電池に
おける電極板用の芯材としては、図8に示すように、例
えば多数の孔2が形成されたスポンジ状金属(例えばニ
ッケル)1である金属発泡多孔体が用いられている。こ
の金属発泡多孔体は、従来からの金属多孔体と比較する
と、金属骨格が海綿状三次元網目構造を有していること
から多孔率が最大98%にも達し、高比表面積で通気抵
抗が少なく、さらに、圧力損失が微小で、形状が自由で
あるという優れた特性を有している。
【0004】この金属発泡多孔体は、特公昭57-39317号
公報に記載されているような製造方法により製造され
る。すなわち、三次元網目形状となったポリウレタンシ
ートのようなスポンジ状発泡体に、カーボンのような導
電性塗料を含浸または無電解めっきなどの手段によって
導電性を付与したのちに、その発泡体の骨格表面にめっ
き法により金属を付着させ、これを加熱してスポンジ状
発泡体のみを焼成脱煤して除去することにより、金属発
泡多孔体を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
金属発泡多孔体を電極板用の芯材として用いた電池は、
比較的粘度の高いスラリー状活物質の単位体積当たりの
充填量を大きくする目的で図8の孔2を大きくすると、
網目状の金属1に直接的に接触しない孔2の中央部の活
物質が充放電に活用されないことから、活物質の利用効
率の低下を招いて電池の単位体積当たりの放電特性の向
上を図れない。逆に、孔2を小さくしながら空孔率を高
める形状とすれば、活物質の充填量が少なくなるととも
に電気抵抗が増大し、十分な電流が流れなくなる。した
がって、この金属発泡多孔体を芯材とした電極板を用い
た電池は、大きな電流を流すことが条件となる用途、例
えば電気自動車用、電動工具用または電動芝刈り機用な
どの用途には使用することができない。
【0006】しかも、金属発泡多孔体は、その製造工程
にめっき法を用いることに起因して、関連設備および廃
液処理にかかる費用並びに消費電力が大きくなってコス
ト高となり、さらに、めっき条件の制御が困難であるこ
とからめっき速度を上げることができず、生産性の向上
を図れない。そのため、金属発泡多孔体は高価なものに
なっており、この点からも、電極板の使用数が多くなる
電気自動車用電池における電極板用芯材としてはコスト
面から到底使用できない。
【0007】そこで、本件出願人は、低コストで簡単に
製造でき、電池の電極板用の芯材として用いた場合に活
物質の利用度をより高めることが可能な疑似多孔質の金
属多孔体を提案している(特願平8-73528 号)。この金
属多孔体は、主集電体となる金属基材板に、ニッケル繊
維などの多数本の繊維状金属を金属基材板に対し垂直な
配置で林立させ、金属多孔体と繊維状金属とを焼結によ
り結合させた構成になっている。この金属多孔体を電池
の電極板用の芯材として用いれば、金属多孔体が剣山状
になっていることから多くの活物質を円滑に充填するこ
とができ、且つ、多数の繊維状金属が活物質の集電子と
して機能するので、活物質の利用度が金属発泡多孔体に
比較して格段に高くなる。したがって、上記金属多孔体
を電極板用の芯材として用いた電池は、電気自動車用な
どの大きな電流を必要とする用途に好適なものとなる
が、残存する問題は、上述の金属多孔体を連続的な生産
工程によって低コストで量産することのできる製造方法
の確立であり、このような製造方法の案出が待望されて
いる。
【0008】そこで、本発明は、金属基材板上に多数の
繊維状金属を垂直の配置で固定してなる疑似多孔質の構
造を備えた金属多孔体を高い生産性と低コストで製造し
て高品質のものを得ることができる金属多孔体の製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、金属基材板の片面または両面に多数
の繊維状金属を垂直の配置で接合してなる三次元形状の
疑似多孔質の金属多孔体を製造する方法であって、帯状
の前記金属基材板を連続的に移送しながらこの金属基材
板上に前記繊維状金属を散布する工程と、前記繊維状金
属が散布された前記金属基材板を垂直磁界中に進入させ
て前記繊維状金属を前記金属基材板に対し垂直方向に配
向させる工程と、前記繊維状金属が垂直に配向させた前
記金属基材板上に接着剤を噴霧して前記繊維状金属を配
向状態に保持する工程と、前記接着剤を熱分解する工程
と、前記繊維状金属と前記金属基材板とを焼結により一
体化する工程とを備えている。
【0010】この金属多孔体の製造方法では、金属基材
板を帯状として連続的に移送させながら、その移送中に
多数の繊維状金属を垂直の配置で固定できるので、高い
生産性で量産できる。しかも、めっき法などを用いず、
繊維状金属の散布、接着剤の塗布、垂直磁界の発生など
の安価で容易な工程によって製造できるので、製造コス
トを低減できる。また、繊維状金属は、垂直磁界中を通
過させることにより、金属基材板に対し確実に垂直に配
向させることができ、この配向した繊維状金属を接着剤
により仮固定してから繊維状金属と前記金属基材板とを
焼結により一体化するので、所要の形状のものを確実に
得ることができる。
【0011】また、上記発明において、垂直磁界は、金
属基材板の移送路における繊維状金属の散布する面とは
反対側において、複数個の電磁石または永久磁石が前記
移送路に沿って配置されてなる1つの配向磁石部により
発生させる。
【0012】それにより、繊維状金属が絡み合った状態
で金属基材板に接合された形状の金属多孔体を得られる
ので、例えばフィルタなどの特殊な用途に用いて特に効
果のある金属多孔体を生産できる。また、垂直磁界を発
生させる装置を、金属基材板の移送路における一方側に
のみに配置すればよいので、低コストで構成したい場合
に有効となる。
【0013】また、第2の発明は、金属基材板の片面ま
たは両面に多数の繊維状金属を垂直の配置で固定してな
る三次元形状の疑似多孔質の金属多孔体を製造する方法
であって、帯状の前記金属基材板を連続的に移送しなが
らこの金属基材板の表面に接着剤を塗布して粘着層を形
成する工程と、連続的に移送されるコンベア上に前記繊
維状金属を散布する工程と、前記繊維状金属が散布され
た前記コンベアを垂直磁界中に進入させて前記繊維状金
属を前記コンベアに対し垂直方向に配向させる工程と、
前記金属基材板と前記コンベアとの各々の移送方向が互
いに平行になるよう導くとともに、前記粘着層を前記コ
ンベアに垂直配向された前記繊維状金属の先端に接触さ
せて、前記繊維状金属を前記コンベアから前記金属基材
板上に転移させる工程と、前記接着剤を熱分解する工程
と、前記繊維状金属と前記金属基材板とを焼結により一
体化する工程とを備えている。
【0014】それにより、繊維状金属を、一旦コンベア
上に散布させたのちに、垂直磁界中を通過させることに
よってコンベアに対し垂直に配向させる。一方、金属基
材板には接着剤の塗布による粘着層を形成して、この粘
着層をその表面が未乾燥の状態において配向状態の繊維
状金属の先端に接触させて、繊維状金属を配向された状
態のまま金属基材板上に転移させることができる。した
がって、第1の発明と同様に、金属多孔体を低コスト
で、且つ高い生産性で製造できるのに加えて、繊維状金
属をコンベア上に散布するので、繊維状金属をより一層
均一な分布とし易く、また、接着剤を繊維状金属の無い
状態の金属基材板上に塗布して粘着層を形成するので、
接着剤による繊維状金属の保持が確実となる。
【0015】また、第3の発明は、金属基材板の片面ま
たは両面に多数の繊維状金属を垂直の配置で固定してな
る三次元形状の疑似多孔質の金属多孔体を製造する方法
であって、帯状の前記金属基材板を連続的に移送しなが
らこの金属基材板の表面に接着剤を塗布して粘着層を形
成する工程と、連続的に移送されるコンベア上に前記繊
維状金属を散布する工程と、前記金属基材板が前記コン
ベアに対し前記繊維状金属の長さよりも大きな間隔で平
行で且つ同方向に移送する移送区間において、繊維状金
属が散布された前記コンベアを、コンベア側が金属基材
板側より大きな磁界強度に設定された垂直磁界中に通過
させて、前記繊維状金属を前記コンベアに対し垂直方向
に配向させる工程と、前記移送区間において、繊維状金
属が垂直に配向された前記コンベアを、金属基材板側が
コンベア側より大きな磁界強度に設定された垂直磁界中
に進入させて、前記繊維状金属を前記配向状態のまま前
記金属基材板に転移させて前記粘着層により保持する工
程と、前記接着剤を熱分解する工程と、前記繊維状金属
と前記金属基材板とを焼結により一体化する工程とを備
えている。
【0016】それにより、第2の発明と同様に、コンベ
ア上に一旦散布した繊維状金属をコンベアに対し垂直に
配向させるが、この配向は、コンベア側が金属基材板側
より大きな磁界強度に設定された垂直磁界中を通過させ
ることにより行うので、繊維状金属をコンベアに対しよ
り正確に垂直に配向させることができる。さらに、コン
ベアに対し垂直に配向した繊維状金属を、金属基材板側
がコンベア側より大きな磁界強度に設定された垂直磁界
の磁界の力で金属基材板上に転移させるので、金属基材
板を繊維状金属の先端に機械的に押し付けて繊維状金属
を転移させる場合に比較して、転移された繊維状金属の
端部を確実に金属基材板の表面に接触させることができ
る。そのため、電池の電極板用芯材として用いた場合
に、繊維状金属の金属基材板への接合が確実な接触状態
で強固となるため、電気抵抗が低減する結果、大きな電
流を流す用途に使用する電池の電極板用芯材として特に
有効な金属多孔体を得られる。
【0017】また、上記の各発明において、金属基材板
は穿孔処理されたシート状の金属平板、通気性を有する
材質の金属平板および孔無しの金属平板の何れかを用
い、あるいは接着剤は樹脂溶液または金属粉末分散樹脂
溶液の何れかを用いることができる。
【0018】穿孔処理されたシート状の金属平板を金属
基材板として用いた場合には、電池の電極板用芯材とし
て適した金属多孔体を得ることができる。また、接着剤
として金属粉末分散樹脂溶液を用いれば、より強固に繊
維状金属を金属基材板上に接合することができる。
【0019】また、上記の各発明において、垂直磁界
は、金属基材板の移送路の両側または前記金属基材板と
コンベアの各々の移送路の外側において、複数個の電磁
石または永久磁石が両側で対をなすよう対向させて前記
移送路に沿って配置されてなる2つの配向磁石部により
発生させることが好ましい。
【0020】それにより、一定速度で連続的に走行する
金属基材板またはコンベア上の繊維状金属を連続的に配
向するのに必要な一定距離の配向磁場を低コストで構成
できるとともに、対をなすよう配置された磁石により均
一な磁界を発生させることができる。
【0021】また、上記の各発明において、好ましい実
施の形態では、金属基材板またはコンベア上に散布する
繊維状金属に、散布に先立って消磁処理を施している。
【0022】それにより、金属基材板またはコンベア上
に散布された繊維状金属が互いに磁気的に凝集するのを
防止でき、繊維状金属を均一な分布となるよう容易に配
置させることができる。
【0023】また、上記の各発明において、他の好まし
い実施の形態では、上面に繊維状金属が散布された金属
基材板またはコンベアに、垂直磁界への進入前におい
て、下面から超音波振動を付与するようにした。
【0024】それにより、繊維状金属を均一に分布する
ようにできるので、高品質の金属多孔体を得ることがで
きる。
【0025】また、上記発明において、金属基材板とし
てニッケルめっき鋼板を用いるとともに、繊維状金属と
してニッケル繊維状金属またはニッケル金属粉からなる
ニッケル焼結体繊維状金属を用いることができる。
【0026】それにより、特にニッケル水素蓄電池など
の二次電池の電極板用芯材として適した金属多孔体を得
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本
発明の第1の実施の形態に係る金属多孔体の製造方法に
よる前段工程の工程図を示す。この前段工程では、
(a)消磁工程、(b)散布工程、(c)分布修正工
程、(d)整列工程および(e)接着剤塗布工程を経る
ことにより、金属基材板9上に多数本の繊維状金属3が
垂直の配置で林立状態に立てられる。
【0028】この実施の形態の製造方法では、金属基材
板9と繊維状金属3のうちの少なくとも繊維状金属3が
磁性体であることが条件となり、繊維状金属3が強磁性
体であればより好ましい。
【0029】先ず、本発明の金属多孔体の構成要素であ
る金属基材板9および繊維状金属3について説明する。
金属基材板9としては、穿孔処理を施されて多数の微細
孔が形成された薄い帯状の金属平板、穿孔処理を施すこ
となく通気性を有する不織布のような素材からなる薄い
帯状金属平板、穿孔されていない薄い帯状の金属平板ま
たは金属箔などを用いにことができ、磁性または非磁性
の何れでもよいが、電池用電極板の芯材として用いる場
合には、集電作用を行わせることから、導電性を有して
いることが必要である。
【0030】一方、繊維状金属3は、純金属からなるも
の、或いは金属粉末を樹脂中に分散させて成型したもの
の何れでもよく、素材としては、ニッケル、コバルト、
鉄、鉄・ニッケル合金、鉄・コバルト・ニッケル合金、
ニッケル被覆鉄、フェライトなどの強磁性体金属材料を
用いることができ、要は焼結できる金属であればよい。
なお、電池の電極板用の芯材として用いる金属多孔体を
製造する場合には、金属基材板9および繊維状金属3と
して、ニッケルを主体として用いるのが好ましい。
【0031】上記の繊維状金属3は、金属粉と結合剤樹
脂を混練したものを細長く成形することで得られる。例
えば、平均粒径が1.0 μmのニッケル粉にプチラール樹
脂(PBV)を100対25の重量割合で混合し、溶剤
としてイソホロンを混ぜ、それを周知の3本ロール機や
ニーダー等の混練機により十分に混練する。スクリーン
印刷法やグラビア印刷法で離形処理を施したフイルムま
たは紙上に、上記混練物を細長い繊維状に塗布して形成
したのちに、剥離するか、または通常の紡糸法により引
き延ばすことにより得られる。
【0032】繊維状金属3の径や長さ、あるいは金属基
材板9に対する密集度、さらには金属基材板9の大きさ
や厚みには特に制限がなく、必要とする特性や用途に応
じて適宜選択できる。電池の電極板用の芯材として用い
る場合には、繊維状金属3として直径が数十μm〜数百
μmで、且つ長さが1mm〜3mmのものを用いて,こ
の繊維状金属3を各々の間隔が数十μm〜数百μmとな
る密集度で金属基材板9に配置するのが好ましく、間隔
が200〜300μmの密集度に設定すればより好まし
い。この実施の形態では、電池の電極用の芯材として用
いることを目的として、繊維状金属3として、直径がほ
ぼ50μm、平均長さが2.5 mmのニッケル繊維材を用
い、金属基材板9として、直径が0.5 mmの小孔が無数
に形成された厚さ35μmのニッケルめっき鋼板を用い
た。この金属多孔体を用いれば、活物質を剣山状に林立
した繊維状金属3の根元まで円滑に充填することがで
き、活物質の利用効率に優れた電池用電極板を得ること
ができる。
【0033】先ず、強磁性体材料のニッケルからなる繊
維状金属3が、周知の磁気テープ用消磁器と同様の原理
に基づき構成された消磁装置8によって磁石化が無いよ
うに予め消磁される。すなわち、多数本の繊維状金属3
を内部に収容したプラスチック製の搬送ケース4がベル
トコンベア7により搬送されながら消磁装置8の内部を
通過するときに、搬送ケース4内の繊維状金属3は、消
磁装置8内で回動する強力な磁力の磁石(図示せず)に
よって攪乱され、消磁される。このように繊維状金属3
を搬送ケース4に収容した状態で消磁装置8の内部を通
過させているのは、繊維状金属3をそのまま消磁装置8
の内部を通過させると、繊維状金属3が消磁装置8の磁
石に吸引されてしまうためである。搬送ケース4は、消
磁装置8から出て2点鎖線で示すベルトコンベア7の搬
送終端に達した時点で停止し、その送出口4aから繊維
状金属3を強制的に送出して、ホッパー10内に投入す
るようになっている。
【0034】ホッパー10の下方には、金属基材板9が
図示しない移送機構および一対のガイドローラ11など
により一定速度で水平方向に連続的に移送されている。
この金属基材板9上にはホッパー10から繊維状金属3
が一定量ずつ散布される。ここで、繊維状金属3は、消
磁装置8により予め消磁されていることにより、金属基
材板9の上面に均一な分布で散布される。もし仮に繊維
状金属3を消磁せずにホッパー10内に投入した場合、
鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性体金属からなる繊
維状金属3は、機械的な応力やモータ類からの外部磁界
によって若干の磁石化が発生することから、お互いに磁
気的に凝集してしまい、ホッパー10から金属基材板9
上に均一な分布で散布できない。
【0035】ホッパー10に対し金属基材板9が僅かに
移送した位置における金属基材板9の下方位置には、超
音波振動子12が移送中の金属基材板9の下面に接触す
る配置で設置されている。金属基材板9上に散布されて
移送中の繊維状金属3は、超音波振動子12から超音波
振動を受けて、より均一な分布となるよう修正される。
【0036】続いて、(d)整列工程において、上述の
ように均一な分布に修正された繊維状金属3は、金属基
材板9の移送に伴って、金属基材板9の移送路の上下に
配置された配向磁石部13内に進入する。この両配向磁
石部13は、複数の例えば磁石13aが互いに対をなす
よう対向させて金属基材板9の移送路に沿って配置され
ており、金属基材板9の移送路に沿った一定距離の範囲
内に均一な磁界の配向磁場を発生させている。したがっ
て、金属基材板9上の繊維状金属3は、金属基材板9に
対し直交方向の磁界を受けて、金属基材板9に垂直に配
向される。すなわち、繊維状金属3は金属基材板9上で
林立状態となる。なお、配向磁石部13の磁石13aの
配列数は、金属基材板9の移送速度などに対応して適宜
に設定すればよい。また、磁石13aは、電磁石または
永久磁石の何れでもよい。
【0037】上記両配向磁石部13の間には、接着剤容
器14に接続された配管17が挿入されて、配管17の
先端のスプレーノズル18が金属基材板9の上面に向け
て配置されている。このスプレーノズル18からは、接
着剤容器14に収容された接着剤19が、金属基剤板9
における繊維状金属3が垂直に配向された後の箇所に向
けて噴霧され、上記の金属基材板9上に垂直に配向され
た繊維状金属3は、金属基材板9上に形成される接着剤
19の粘着層によって配向状態に仮固定される。接着剤
14としては、樹脂溶液または金属粉末分散樹脂溶液が
用いられる。なお、図示していないが、接着剤19を噴
霧した直後の金属基材板9および繊維状金属3に乾燥風
を吹き付けるようにすれば、噴霧した接着剤19が固化
して繊維状金属3を金属基剤板9に対し垂直状態に確実
に保持させることがでる。
【0038】図2は上記実施の形態に係る金属多孔体の
製造方法による後段工程の工程図を示す。この後段工程
では、(f)乾燥工程および(g)還元工程を経ること
により、多数本の繊維状金属3が金属基材板9に一体化
され、金属多孔体が得られる。(f)乾燥工程におい
て、乾燥炉20内で乾燥する。最後に、(g)還元工程
において、還元炉21により還元性ガス、例えば水素、
窒素ガス中で加熱すると、接着剤19中の有機物質が分
解して除去され、上記の酸化ニッケルが水素と結合して
金属となるから、繊維状金属3と金属基材板9とが溶融
した金属状態で強固に接着して一体化され、図3に示す
ような高い気孔率の剣山状の金属多孔体22が出来上が
る。なお、図2に示すものは、金属多孔体22が金属基
材質9の片面に固定されたものであるが、同様の工程に
より、金属基材板9の他方の面にも多数本の繊維状金属
3を固定することができ、図3はこのようにして形成さ
れたものを示している。
【0039】上記の製造方法では、金属基材板9が一定
速度で連続的に移送され、この移送中の金属基材板9上
に繊維状金属3を垂直に配向しながら接着剤19で保持
させたのちに、焼結により金属基材板9と繊維状金属3
とを一体化できるので、従来の金属発泡多孔体のように
単品単位で製造する場合に比較して、極めて高い生産性
で量産することができる。しかも、めっき法などを用る
ことなく、繊維状金属3を金属基材板9上へ単に散布し
た後に、この繊維状金属3を配向磁石部13により金属
基材板9に対し垂直に配向させ、繊維状金属3を接着剤
19により配向状態に仮固定したのに焼結する、簡単で
低コストの設備で容易に製造できる。
【0040】さらに、強磁性体の繊維状金属3を予め脱
磁処理して金属基材板9上に散布するので、繊維状金属
3が着磁による磁石化により互いに引き合って磁気的に
凝集するといったことを未然に防止でき、ほぼ均一に散
布できる。そのうえに、超音波振動を付与して繊維状金
属3を均一に分布させるようにしているから、繊維状金
属3の分布にばらつきのない高品質の金属多孔体を得る
ことができる。したがって、この金属多孔体22を芯材
として用いた電極板で構成した電池は、電極板の性能が
均等となることから、特に大きな電流容量を必要とする
電気自動車用などに使用した場合に良好な電池特性を発
揮することができる。
【0041】上記の金属多孔体22を芯材として電池用
電極板を構成する場合、剣山状の各繊維状金属3の間に
活物質がスムーズに充填して十分な充填量となり、しか
も、活物質の殆どが繊維状金属3に接触するので、活物
質の利用率が極めて高くなり、大きな電流を取り出すこ
とのできる電池用電極板が出来上がる。なお、上記の接
着剤19として金属粉分散樹脂溶液を用いると、金属基
材板9の表面に形成される金属塗料層によって繊維状金
属3をより強固に金属基材板9上に密着固定でき、より
高品質の金属多孔体22を得られることが確認できた。
【0042】図4は本発明の第2の実施の形態に係る金
属多孔体の製造方法の一部の工程を示す工程図である。
この製造方法は、第1の実施の形態に対し(h)整列工
程が異なるのみで、他の工程は同様である。すなわち、
(h)整列工程では、移送される金属基材板9における
繊維状金属3を配向する面とは反対側の面に対してのみ
配向磁石部13が配置されている。この製造方法による
と、図5に示すような繊維状金属3が三次元的に絡み合
った状態で金属基材板9上に固定された金属多孔体23
を得ることができた。このような形状の金属多孔体23
であっても十分に利用できる場合、例えばフィルタなど
の特殊な用途に用いる場合には、(h)整列工程におけ
る磁石13aの数を半分にしながらも、一定速度で移送
する金属基材板9上の繊維状金属3を連続的に配向処理
することのできる所定の配向磁場を設けることができ、
製造コストを低減できる利点がある。
【0043】図6は、本発明の第3の実施の形態の金属
多孔体の製造方法に係る要部の工程を示した工程図であ
る。(i)散布工程では、繊維状金属3を、上述の各実
施の形態のように金属基材板9上に直接散布するのでは
なく、複数個のガイドローラ24により回送される非磁
性体からなるコンベア27上にホッパー10から連続的
に散布し、図示を省略してあるが、図1に示した超音波
振動子12によるコンベア27への超音波振動の付与に
よって繊維状金属3の分布が均一なるようにする。一
方、(j)接着剤塗布工程では、ガイドローラ28を介
して一定速度で連続移送される金属基材板9に対してス
プレーノズル18から接着剤19を吹き付けて、金属基
材板9の対向面に粘着層29を形成する。
【0044】さらに、(k)整列・転移工程において、
コンベア27上に散布された繊維状金属3は、コンベア
27により移送されて、コンベア27の搬送路の上下に
配置された第1の実施の形態と同様の配向磁石部13内
に進入され、コンベア27の移送方向に対し直交方向の
磁界を受けて、コンベア27に対し垂直に配向される。
一方、金属基材板9は、2つの押圧ガイドローラ30に
よってコンベア27の走行方向に平行になるよう移送方
向を変換され、且つコンベア27に垂直に立てられた繊
維状金属3に対して粘着層29を押し付けるように案内
される。したがって、コンベア27上の繊維状金属3
は、金属基材板9に垂直に対向した状態のまま粘着層2
9に付着して、コンベア27から金属基材板9上に転移
する。その後に、第1の実施の形態と同様の(f)乾燥
工程および(g)還元工程を経ることにより、図3に示
すような金属多孔体22を得ることができる。
【0045】この実施の形態では、金属基材板9の表面
に均等な粘着層29を確実に形成することができ、繊維
状金属3は、コンベア27上に散布するので、金属基材
板9上に直接散布する場合に比較してより一層均一な分
布とすることができる。さらに、繊維状金属3を、予め
形成した粘着層29に押し付けて金属基材板9上に転移
するので、密集度の高い高品質の金属多孔体を得ること
ができる。
【0046】図7は、本発明の第4の実施の形態の金属
多孔体の製造方法に係る要部の工程を示した工程図であ
り、第3の実施の形態に対して、(l)整列・転移工程
が相違するだけで、その他の工程は同様である。すなわ
ち、(l)整列・転移工程における前半工程部では、コ
ンベア27に対し繊維状金属3の散布面に小さい磁界の
配向磁石部13Aを、且つ上記散布面と反対側の面に大
きい磁界の配向磁石部13Bを互いに相対向させて配置
しており、後半工程部では、前半工程部とは逆に、コン
ベア27に対し繊維状金属3の散布面に大きい磁界の配
向磁石部13Bを、且つ上記散布面と反対側の面に小さ
い磁界の配向磁石部13Aを互いに相対向させて配置し
ている。
【0047】したがって、前半工程部において、繊維状
金属3をコンベア27に対し予め垂直に配向させ、その
のちに、後半工程部において、大きな磁界の配向磁石部
13Aによる吸引力により、繊維状金属3を粘着層29
に突き刺すようにして金属基材板9に転移させる。その
結果、この実施の形態により得られる金属多孔体は、各
繊維状金属3をその先端部を金属基材板9の表面に確実
に接触させた垂直状態に林立させることができるので、
この金属多孔体を芯材として電極板を構成した電池は、
電気抵抗が低減することから、特に大きな電流を必要と
する用途に有効なものとなる。
【0048】つぎに、上記の各実施の形態による製造方
法により得られた金属多孔体22,23を用いて構成し
た電池用電極板、特に繊維状金属3としてニッケルを用
いた金属多孔体により製作したニッケル水素蓄電池用の
電極板について説明する。図3に示した金属多孔体22
を電極板の芯材、つまり電極活物質支持体とする。水酸
化ニッケルを83重量部、ニッケル粉末を10重量部、
コバルト粉末を7重量部の割合として、これらをカルポ
シキメチルセルロースの水溶液でペースト化した活物質
を、上記金属多孔体22に刷り込むように充填し、乾燥
したのちに圧延ロールで圧延し、厚さ1mmのニッケル
電極板を得た。このニッケル電極板を正極とし、これと
水素吸蔵合金からなる負極板との間に公知のセパレータ
を介在させて渦巻き状に巻回して、密閉型ニッケル水素
蓄電池を製作した。また、比較のために、めっき法によ
り得られる図8に示す従来の金属発泡多孔体を用いて電
池を製作した。
【0049】これらの電池について所定の充電条件で充
電を行い、定電流放電試験を行って放電時間を観測した
結果を、(表1)に示す。この(表1)では、従来の金
属発泡多孔体による電池の放電時間を100 %として、本
発明の金属多孔体22による電池の放電時間を相対的に
示してある。
【0050】 (表1) 400 mA放電 1200mA放電 金属多孔体22を用いた電池 100% 270% 金属発泡多孔体を用いた電池 100% 100% この(表1)から明らかなように、本発明の製造方法に
より得られた金属多孔体を用いた電池では大きな電流を
流す用途において特に顕著な放電効果を得られることが
判明した。それに加えて、本発明の製造方法は、低コス
トで、且つ高い生産性で製造できるから、この点からも
多くの極板面積を必要とする電気自動車用電池などの電
極板の芯材の製造方法として極めて適している。
【0051】
【発明の効果】以上のように請求項1の金属多孔体の製
造方法によれば、金属基材板を帯状として連続的に移送
させながら、その移送中に多数の繊維状金属を垂直の配
置で固定するようにしたので、高い生産性で量産でき
る。しかも、めっき法などを用いない安価で容易な工程
によって製造できるので、製造コストを低減できる。ま
た、繊維状金属を垂直磁界により金属基材板に対し確実
に垂直に配向させることができ、この配向した繊維状金
属を接着剤により仮固定してから繊維状金属と前記金属
基材板とを焼結により一体化するので、所要の形状のも
のを確実に得ることができる。
【0052】請求項2の金属多孔体の製造方法によれ
ば、金属基材板の移送路の一方側にのみ配置した配向磁
石部をより垂直磁界を発生させるようにしたので、繊維
状金属が絡み合った状態で金属基材板に接合された形状
の金属多孔体を得ることができ、また、垂直磁界を発生
させる装置が低コストとなる。
【0053】請求項3の金属多孔体の製造方法によれ
ば、金属多孔体を低コストで、且つ高い生産性で製造で
きるのに加えて、繊維状金属を、一旦コンベア上に散布
させたのちに垂直に配向させるので、繊維状金属をより
一層均一な分布とし易く、接着剤を繊維状金属の無い状
態の金属基材板上に塗布して粘着層を形成するので、接
着剤による繊維状金属の保持が確実となる。
【0054】請求項4の金属多孔体の製造方法によれ
ば、コンベア上に一旦散布した繊維状金属を、コンベア
側が金属基材板側より大きな磁界強度に設定された垂直
磁界中を通過させることにより配向させるので、繊維状
金属をコンベアに対しより正確に垂直に配向させること
ができる。また、コンベアに対し垂直に配向した繊維状
金属を、金属基材板側がコンベア側より大きな磁界強度
に設定された垂直磁界の磁界の力で金属基材板上に強制
的に転移させるので、繊維状金属の金属基材板への接合
が確実な接触状態で強固となる。したがって、大きな電
流を流す用途に使用する電池の電極板用芯材として特に
有効な金属多孔体を得られる。
【0055】請求項5の金属多孔体の製造方法によれ
ば、穿孔処理されたシート状の金属平板を金属基材板と
して用いると、電池の電極板用芯材として適した金属多
孔体を得ることができ、接着剤として金属粉末分散樹脂
溶液を用いれば、より強固に繊維状金属を金属基材板上
に接合することができる。
【0056】請求項6の金属多孔体の製造方法によれ
ば、一定速度で連続的に走行する金属基材板またはコン
ベア上の繊維状金属を連続的に配向するのに必要な一定
距離の配向磁場を低コストで構成できるとともに、対を
なすよう配置された磁石により均一な磁界を発生させる
ことができる。
【0057】請求項7の金属多孔体の製造方法によれ
ば、繊維状金属に対し散布に先立って消磁処理をほどこ
すので、金属基材板またはコンベア上に散布された繊維
状金属が互いに磁気的に凝集するのを防止でき、繊維状
金属を均一な分布となるよう容易に配置させることがで
きる。
【0058】請求項8の金属多孔体の製造方法によれ
ば、繊維状金属を均一に分布するようにできるので、高
品質の金属多孔体を得ることができる。
【0059】請求項9の金属多孔体の製造方法によれ
ば、二次電池の電極板用芯材として適した金属多孔体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る金属多孔体の
製造方法に係る前半工程を示す工程図。
【図2】同上実施の形態における後半工程を示す工程
図。
【図3】同上実施の形態により製造された金属多孔体を
示す側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る金属多孔体の
製造方法に係る要部の工程を示す工程図。
【図5】同上実施の形態により製造された金属多孔体を
示す側面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る金属多孔体の
製造方法に係る要部の工程を示す工程図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る金属多孔体の
製造方法に係る要部の工程を示す工程図。
【図8】従来の金属発泡多孔体の模式的な部分断面図。
【符号の説明】
3 繊維状金属 8 消磁装置 9 金属基材板 12 超音波振動子 13,13A,13B 配向磁石部 13a 磁石 19 接着剤 20 乾燥炉 21 還元炉 22,23 金属多孔体 27 コンベア 29 粘着層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材板の片面または両面に多数の繊
    維状金属を垂直の配置で接合してなる三次元形状の疑似
    多孔質の金属多孔体を製造する方法であって、 帯状の前記金属基材板を連続的に移送しながらこの金属
    基材板上に前記繊維状金属を散布する工程と、 前記繊維状金属が散布された前記金属基材板を垂直磁界
    中に進入させて前記繊維状金属を前記金属基材板に対し
    垂直方向に配向させる工程と、 前記繊維状金属が垂直に配向させた前記金属基材板上に
    接着剤を噴霧して前記繊維状金属を配向状態に保持する
    工程と、 前記接着剤を熱分解する工程と、 前記繊維状金属と前記金属基材板とを焼結により一体化
    する工程とを備えていることを特徴とする金属多孔体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 垂直磁界は、金属基材板の移送路におけ
    る繊維状金属の散布する面とは反対側において、複数個
    の電磁石または永久磁石が前記移送路に沿って配置され
    てなる1つの配向磁石部により発生させるようにした請
    求項1に記載の金属多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属基材板の片面または両面に多数の繊
    維状金属を垂直の配置で接合してなる三次元形状の疑似
    多孔質の金属多孔体を製造する方法であって、 帯状の前記金属基材板を連続的に移送しながらこの金属
    基材板の表面に接着剤を塗布して粘着層を形成する工程
    と、 連続的に移送されるコンベア上に前記繊維状金属を散布
    する工程と、 前記繊維状金属が散布された前記コンベアを垂直磁界中
    に進入させて前記繊維状金属を前記コンベアに対し垂直
    方向に配向させる工程と、 前記金属基材板と前記コンベアとの各々の移送方向が互
    いに平行になるよう導くとともに、前記粘着層を前記コ
    ンベアに垂直配向された前記繊維状金属の先端に接触さ
    せて、前記繊維状金属を前記コンベアから前記金属基材
    板上に転移させる工程と、 前記接着剤を熱分解する工程と、 前記繊維状金属と前記金属基材板とを焼結により一体化
    する工程とを備えていることを特徴とする金属多孔体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 金属基材板の片面または両面に多数の繊
    維状金属を垂直の配置で接合してなる三次元形状の疑似
    多孔質の金属多孔体を製造する方法であって、 帯状の前記金属基材板を連続的に移送しながらこの金属
    基材板の表面に接着剤を塗布して粘着層を形成する工程
    と、 連続的に移送されるコンベア上に前記繊維状金属を散布
    する工程と、 前記金属基材板が前記コンベアに対し前記繊維状金属の
    長さよりも大きな間隔で平行で且つ同方向に移送する移
    送区間において、繊維状金属が散布された前記コンベア
    を、コンベア側が金属基材板側より大きな磁界強度に設
    定された垂直磁界中に通過させて、前記繊維状金属を前
    記コンベアに対し垂直方向に配向させる工程と、 前記移送区間において、繊維状金属が垂直に配向された
    前記コンベアを、金属基材板側がコンベア側より大きな
    磁界強度に設定された垂直磁界中に進入させて、前記繊
    維状金属を前記配向状態のまま前記金属基材板に転移さ
    せて前記粘着層により保持する工程と、 前記接着剤を熱分解する工程と、 前記繊維状金属と前記金属基材板とを焼結により一体化
    する工程とを備えていることを特徴とする金属多孔体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 金属基材板は穿孔処理されたシート状の
    金属平板、通気性を有する材質の金属平板および孔無し
    の金属平板の何れかである請求項1ないし4の何れかに
    記載の金属多孔体の製造方法。
  6. 【請求項6】 接着剤は樹脂溶液または金属粉末分散樹
    脂溶液の何れかである請求項1ないし5の何れかに記載
    の金属多孔体の製造方法。
  7. 【請求項7】 垂直磁界は、金属基材板の移送路の両側
    または前記金属基材板とコンベアの各々の移送路の外側
    において、複数個の電磁石または永久磁石が両側で対を
    なすよう対向させて前記移送路に沿って配置されてなる
    2つの配向磁石部により発生させるようにした請求項2
    に記載の金属多孔体の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属基材板またはコンベア上に散布する
    繊維状金属に、散布に先立って消磁処理を施した請求項
    1ないし7の何れかに記載の金属多孔体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上面に繊維状金属が散布された金属基材
    板またはコンベアに、垂直磁界への進入前において、下
    面から超音波振動を付与するようにした請求項1ないし
    8の何れかに記載の金属多孔体の製造方法。
  10. 【請求項10】 金属基材板としてニッケルめっき鋼板
    を用いるとともに、繊維状金属としてニッケル繊維状金
    属またはニッケル金属粉からなるニッケル焼結体繊維状
    金属を用いた請求項1ないし9の何れかに記載の金属多
    孔体の製造方法。
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