JP2000080406A - 電池用電極の製造方法および該方法で製造された電池用電極 - Google Patents

電池用電極の製造方法および該方法で製造された電池用電極

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JP2000080406A
JP2000080406A JP11273242A JP27324299A JP2000080406A JP 2000080406 A JP2000080406 A JP 2000080406A JP 11273242 A JP11273242 A JP 11273242A JP 27324299 A JP27324299 A JP 27324299A JP 2000080406 A JP2000080406 A JP 2000080406A
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metal
metal sheet
powder
sheet
rolling
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JP11273242A
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Hirofumi Sugikawa
裕文 杉川
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Katayama Special Industries Ltd
Original Assignee
Katayama Special Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉末から電池用電極を連続的に製造す
る。 【解決手段】 連続的に回転する一対の圧延ローラを設
け、これら一対の圧延ローラの表面に、金属粉末を散布
して圧延ローラの間を通し、該金属粉末を上記一対の圧
延ローラにより所要圧力で押圧して圧延し、隣接する金
属粉末同士の接触面積を制御して圧延される金属粉末同
士の間に微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔とし
て多孔性シートとし金属シートとし、該金属シートを焼
結炉に通して焼結し、その後、該金属シートを連続して
搬送し、上方に配置したホッパより活物質が供給される
一対のローラの間を通し、空孔に活物質を充填している
と共に、金属シートの少なくとも一面に所要厚さの活物
質層を設けている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池電極基板等に
好適に用いられる金属シートの製造方法、該方法により
製造された金属シートおよび該金属シートを用いた電池
用電極に関し、詳しくは、金属粉末より多孔質のシート
を形成し、その空孔に活物質が充填されるようにしたも
ので、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リ
チウム一次電池、リチウム二次電池、アルカリ乾電池、
燃料電池等の電極基板、自動車用バッテリーの電極板な
ど各種の電池の電極板として好適に用いられるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電池電極基板として用い
られる多孔質の金属シートとして、本出願人は、発泡
体、不織布、メッシュ等の単体、あるいはこれらを2種
以上積層した積層体に導電処理を施した後、電気メッキ
を施して金属シートとしたものを種々提供している(特
開平1−290792号公報、特開平3−130393
号等)。
【0003】上記方法で多孔質の金属シートを製造する
場合、電気メッキの前処理として蒸着方法、化学メッキ
方法、カーボン塗布方法等の方法で導電処理を施す必要
があり、いずれも手数がかかり、コスト高になる等の問
題がある。また、発泡体、不織布、メッシュ等に電気メ
ッキを施した後に脱煤、焼結して基材を焼き飛ばすと、
焼き飛ばされた部分が空洞となり、活物質の充填が出来
ない問題等もある。
【0004】上記した問題に鑑みて、本出願人は先に、
金属粉末から多孔質の金属シートを製造する方法を多数
提供している(特開平7−138609号、特開平7−
118706号等)。
【0005】上記した方法は、いずれも、発泡体、不織
布、メッシュ等の単体、あるいはこれらの積層体からな
る多孔性基材の空孔部の内周面を含む全表面に金属微粒
粉を接着剤を用いて塗布して導電性金属層を形成し、そ
の後、脱煤、焼結して金属シートを形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した金属微粒粉を
用いた従来の多孔質の金属シートの製造方法では、発泡
体、不織布、メッシュ等の多孔性基材の表面に金属微粒
粉を塗布して製造しているため、空孔の大きさおよび形
状は基材の空孔の大きさ及び形状により規制され、基材
の空孔よりも微小な空孔、あるいは逆に基材の空孔より
も大きな空孔、さらに、基材の空孔とは異なる形状の空
孔を形成することは困難であった。
【0007】また、電極板の基板として要求される条件
の1つとして、板厚を薄くして電池ケース内への収容量
を増加し、電池性能を向上させることが要求されている
が、上記した金属微粒粉を用いた従来の多孔質の金属シ
ートの製造方法では、厚みも基材の厚みにより制限さ
れ、1mm以下の厚みの多孔質の金属シートを製造する
ことは困難であった。
【0008】さらに、金属微粒粉と接着剤を混合して、
あるいは、接着剤を基材に塗布した後に金属微粒粉を塗
布しており、いずれも接着剤を用いているため、金属微
粒粉の間に接着剤が介在し、脱煤、焼結時に基材と共に
接着剤が焼き飛ばされると、金属微粒粉の隙間が大きく
なるなど、空孔を制御することが困難であった。また、
接着剤を用いるため、工程数が増加する等の問題もあっ
た。
【0009】さらにまた、リチウム二次電池の正極基板
および負極基板として、従来、金属無垢箔が用いられて
いるが、電極基板の表→裏、裏→表へのリチウムイオン
の移動ができないため、出来るだけ均一で薄い活物質層
を得るために、基板の片面づつに活物質を塗布しなけれ
ばならなかった。また、基板の表面が平滑であるため、
活物質が剥離しやすい問題もあった。
【0010】そこで、パンチング状、ラス状、メッシュ
状、発泡状、不織布状などの多孔質の金属シートが、基
板の表→裏、裏→表へリチウムイオンが移動できると共
に活物質の厚みを表裏両面併せて制御出来るため、リチ
ウム二次電池用電極基板として用いられることが検討さ
れているが、従来の多孔質の金属シートでは無垢部およ
び空孔の大きさが不均一であり、リチウムイオンの移動
が均一に十分に行えない問題があった。このリチウムイ
オンの移動をスムーズに行うためには、より小さい穴が
無数に開いていることが望ましいが、従来の多孔質の金
属シートでは、この要求を完全に充足するものは提供さ
れていなかった。
【0011】さらに、リチウム二次電池の電極基板とし
ては、10μm〜30μm程度の厚みの基板が求められ
るが、前記したように、従来の金属シートでは厚みを1
mm以下とすることすら困難であり、要求されるような
箔のように薄い厚みの金属シートを製造することは不可
能であった。
【0012】さらにまた、近年、ビデオカメラ、液晶小
型テレビ、CDプレーヤーなどの大電流を必要とするポ
ータブル機器が普及し、放電容量が大きく、かつ高負荷
放電特性に優れた電池が益々要求されるようになってき
た。しかし、従来、汎用されているアルカリ乾電池は、
缶の中に、外側に正極合剤ペレットを、セパレータを介
して、その内側にゲル状粉末亜鉛を詰め込む構造となっ
ていたため、定められた電池缶容量の中で、放電容量を
大とするとともに、高負荷放電特性を向上させることは
非常に困難であった。
【0013】そこで、亜鉛無垢箔や亜鉛箔をパンチング
加工あるいはエキスパンデッド加工等したものからなる
負極板と、金属酸化物からなる正極板をセパレータを介
して渦巻き状に巻き回して、正負極板の電極面積を増大
させ、放電容量を大とするとともに、高負荷放電性能を
向上させる構造のアルカリ乾電池が検討されている。し
かしながら、上記パンチング加工亜鉛箔あるいはエキス
パンデッド加工亜鉛箔等を用いた場合、開孔が二次元的
であるため開孔率50%程度が限度であるとともに、孔
あけ加工を施すため、開孔部は切り落とされて材料ロス
が非常に大きくなり、また、板厚が薄くなるほど加工
費、材料費とも高くなり、かつ、孔あけ加工時に歪みや
バリが発生しやすくなるという問題があった。また、亜
鉛無垢箔および上記した従来の多孔質の金属シートを用
いた場合には、上記したリチウム二次電池の場合と同様
の問題があった。
【0014】また、従来、ニッケル水素電池、ニッケル
カドミウム電池等のアルカリ二次電池の電極は、パンチ
ングメタル、金属メッシュ、エキスパンデッドメタル等
の集電体に、水素吸蔵合金粉末や水酸化ニッケル粉末等
の活物質に結着剤(バインダー)やカーボン等の導電剤
を混合したペースト状の活物質スラリーを塗着している
が、上記結着剤(バインダー)によって電流の流れが妨
げられ、電極の厚み方向の集電性が悪くなる問題があっ
た。
【0015】本発明は上記した問題を解消し、金属粉末
から金属シートを製造する方法をさらに改良し、厚み、
空孔の大きさ、形状を任意に制御でき、かつ、接着剤を
不要として、簡単な工程で品質の優れた金属シートを製
造する方法および該方法により製造された金属シートを
提供することを課題としている。さらに、結着剤(バイ
ンダー)を添加していない粉末からなる活物質を金属シ
ートに充填可能として集電性に優れた電極を提供するこ
とを課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1で、金属粉末を連続的に搬送さ
れる搬送ベルト上に散布し、該金属粉末が散布された搬
送ベルトを圧延ローラに通し、該搬送ベルト上の上記金
属粉末を所要圧力で圧延して、隣接する金属粉末同士の
接触面積を制御し、該圧延後に、焼結炉に通して金属粉
末同士の接触部を融着して金属シートを形成しているこ
とを特徴とする金属シートの製造方法を提供している。
【0017】上記搬送ベルトは、ベルトコンベヤ式の循
環駆動装置の金属無垢シート、金属多孔シートを含む無
機材シートの単体あるいはこれらシートの積層体から形
成している(請求項5)。例えば、上記搬送ベルトはS
US(3I0S)からなり、散布した金属粉末を焼結し
てシートとした状態で、その表面から剥がすことができ
るものであり、この連続移動される搬送シ−トを焼結炉
に通すことにより、非常に効率よく連続的に金属粉末か
ら金属シートを連続的に形成することができる。
【0018】上記のように、金属粉末を搬送ベルト上に
散布して、該搬送ベルトを圧延ローラに通して金属粉末
を所要圧力で圧延すると、散布された金属粉末が圧延に
より固着されて金属シートとなり、この状態のまま焼結
炉に通して所要温度で加熱すると、固着された部分が融
着結合して、金属シートを連続的に形成することができ
る。
【0019】上記圧延ローラによる圧下力を小さくし
て、該圧延ローラにより圧延される金属粉末同士の間に
微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔として多孔性
シートとしている(請求項3)。
【0020】即ち、圧延ローラによる金属粉末の圧下率
を小さくすると、散布された金属粉末の間に微小な透き
間を残すことができ、この金属粉末間の微細な隙間を無
数に有する金属多孔性シートを得ることができる。な
お、圧延ローラによる圧下率を大きくすると孔のない無
垢状の金属シートを連続的に得ることができる。
【0021】上記孔の大きさは金属粉末の大きさに応じ
た大きさとなり、金属粉末の粒径が大きいと、空孔が大
きくなり、粒径が小さいと小さくなる。この金属粉末と
しては0.lμm〜100μmが好適に用いられる。
【0022】使用する金属は特に限定されないが、N
i,Cu,A1,Ag,Fe,Zn,In,Ti,P
b,V,Cr,Co,Sn,Au,Sb,C,Ca,M
o,P,W,Rh,Mn,B,Si,Ge,Se,L
a,Ga,Ir、これらの金属の酸化物および硫化物、
これら金属の化合物を含む単体あるいは混合物が好適に
用いられる。即ち、電気メッキでは用いることが出来な
いAl,Ti,V等も用いることが出来る。かつ、一種
類の金属粉末、あるいは複数種類の金属粉末を混合して
用いることが出来る。また、これら金属粉末は相互に絡
み付かず分散性が良いことが望ましいため、外面に相互
に絡み合う凹部と凸部とを有しない形状、例えば、球
状、サイコロ状、四角柱状、円柱状等が好ましい。
【0023】また、本発明は、請求項2で、支持シート
を連続的に搬送させ、該支持シート上に金属粉末を散布
し、該金属粉末が散布された支持シートを搬送ベルト上
に移送し、該搬送ベルトと共に圧延ローラに通し、該支
持シート上の上記金属粉末を所要圧力で圧延して、隣接
する金属粉末同士の接触面積を制御し、該圧延後に、焼
結炉に通して金属粉末同士の接触部を融着して金属シー
トを形成していることを特徴とする金属シートの製造方
法を提供している。
【0024】上記のように、支持シート上に金属粉末を
散布し、該支持シートを搬送ベルト上に載置して圧延ロ
ールに通した場合も、請求項1と同様に金属シートを得
ることができ、かつ、支持シートを用いると、搬送ベル
ト上に金属粉末を直接散布する場合と比較して形成され
た金属シートを剥がしやすくなる。
【0025】上記支持シートとしては、無垢状樹脂シー
ト、三次元網状樹脂シート、多孔性繊維状樹脂シートを
含む有機材シート、金属無垢シート、金属多孔シートを
含む無機材シートの単体あるいは、これらシートの積層
体などが好適に用いられる(請求項6)。
【0026】上記支持シートおよび前記搬送ベルトとし
て、三次元網状シート、多孔性繊維状シート等からなる
多孔性シートを用いると、散布した金属粉末は支持シー
トおよび搬送ベルトの孔より落下して、孔の部分が貫通
した空孔となる。この空孔は上記金属粉末間の微小な隙
間からなる空孔と比較して大きく、製造される金属シー
トは微小な空孔と、比較的大きな貫通した空孔を有する
形状となる。なお、上記支持シートおよび搬送ベルトの
孔より落下した金属粉末は回収して再利用することがで
きる。
【0027】上記のように、搬送ベルトおよび支持シー
トとして多孔シートを用いる場合、該孔の形状が丸形、
菱形、多角形、楕円形状など任意の形状のものが用いら
れる(請求項8)。このように搬送ベルトおよび支持シ
ートに任意の形状の孔を設けておくと、該孔の形状に応
じた空孔を有する金属シートが形成されることとなり、
丸形の場合は形成される金属シートはパンチング状とな
る。また、菱形の場合は形成される金属シートはラス状
となる。
【0028】また、加熱で焼き飛ばされる昇華性微小物
を、上記金属粉末と混合して、あるいは、金属粉末の散
布の前に上記搬送ベルト上あるいは上記支持シート上に
散布し、この搬送ベルト上あるいは支持シート上に散布
された昇華性微小物と金属粉末との混合物を上記圧延ロ
ーラにより圧延し、該圧延後に脱煤炉において上記昇華
性微小物を焼き飛ばすことにより、該昇華性微小物が焼
き飛ばされた後に形成される空孔を有する多孔性シート
とすることもできる(請求項4)。
【0029】上記昇華性微小物として、加熱により分解
してガスを発生する発泡剤のようなものを用いた場合、
発生したガスにより貫通孔が得られ、貫通孔を有する金
属シートを製造することができる。また、昇華性微小物
の粒径の大きさに応じて空孔の大きさを制御することも
できる。
【0030】上記支持シートを脱煤炉を設けて焼き飛ば
している(請求項7)。すなわち、上記支持シートのう
ち樹脂シート等は脱煤炉における加熱で焼き飛ばされて
除去される。
【0031】一方、支持シートが金属シート等の無機材
のシートの場合は加熱により除去されず、焼結炉から出
た段階で、形成された金属シートと分離する場合と、分
離しない状態のまま下流へと搬送して一体に巻き取る場
合とがある。このように、支持シートを金属薄板等から
形成すると、搬送速度を上げて、生産性を高めることが
できる。
【0032】さらに、上記支持シートを、脱煤炉で焼き
飛ばさず、上記金属粉末より形成される金属シートと一
体に積層した状態として、積層構造の金属シートを製造
してもよい。このように、支持シートとの積層構造とす
ると、支持シートを種々選択することにより、多様な形
態の金属シートを製造することができる。
【0033】即ち、上記金属シートとしては、無垢状金
属シートあるいは金属箔、多数の小孔を設けた金属シー
トあるいは金属箔、金属メッシュ、金属スクリーン、あ
るいは/および三次元網状発泡体、多孔性繊維状樹脂、
メッシュ体あるいはこれらの積層体に金属をメッキある
いは蒸着、金属微粒粉を塗布、あるいは金属を溶射した
後に脱煤、焼結して形成した金属シート、金属繊維から
なる金属シート、少なくとも一方のローラをパターンロ
ーラとした一対の圧延ローラにより金属粉末を圧延して
なる金属シートの単体あるいはこれらを積層して一体化
した物からなる。
【0034】さらに、上記した本発明方法で製造された
金属シートの両面に、該金属シート、多数の小孔を設け
た金属シートあるいは金属箔、金属メッシュ、金属スク
リーン、三次元網状金属シートあるいは不織布状金属シ
ートを積層して、上記金属シートを同一の金属シートで
サンドイッチ状に挟み、これら両面の金属シートの開孔
の大きさ、開孔率あるいは/および線径を相違させても
よい。
【0035】また、本発明は、請求項9で、金属粉末を
連続的に回転する一対の圧延ローラの表面に散布して圧
延ローラの間を通し、上記金属粉末を所要圧力で圧延し
て隣接する金属粉末同士の接触面積を制御して金属シー
トとし、該金属シートを焼結炉に通して焼結しているこ
とを特徴とする金属シートの製造方法を提供している。
【0036】即ち、搬送ベルトあるいは支持シートに散
布された金属粉末を圧延ローラで圧延する代わりに、圧
延ローラの表面に直接金属粉末を散布して、該圧延ロー
ラの回転により、接合部側で所要圧力で金属粉末を圧延
することにより金属シートとしている。該方法による
と、上記圧延ローラより引き出された状態で連続した金
属シートとなっているため、該金属シートを搬送ベルト
あるいは支持シート上に載置しないで焼結炉へと移動す
ることも可能となる。しかしながら、引張速度をあげて
生産性を高めるためには、圧延ローラより引き出された
金属シートを搬送ベルト上に移送して、搬送ベルトと共
に焼結炉に通す方が引張速度を高めることが出来るため
に好ましい。
【0037】上記圧延ローラによる圧下力を小さくし
て、該圧延ローラにより圧延される金属粉末同士の間に
微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔として多孔性
シートとしてもよい(請求項10)。すなわち、圧延ロ
ーラの圧下率を調整することで微細な空孔を有する多孔
性シートとすることが出来ると共に、無垢状のシートと
することもできる。
【0038】上記金属粉末と共に昇華性微小物を上記圧
延ローラの表面に散布して圧延ローラで圧延し、金属シ
ート状とした後に、脱煤・焼結炉に通して上記昇華性微
小物を焼き飛ばし、該昇華性微小物が焼き飛ばされた後
に形成される空孔を有する多孔性シートとしてもよい
(請求項11)。
【0039】上記のように昇華性微小物を金属粉末と混
合すると、昇華性微小物の大きさに応じた比較的大きな
空孔を、金属粉末間の隙間からなる微小な空孔と共に有
する金属多孔性シートを形成することができる。
【0040】さらに、圧延ローラにより微小な空孔を有
する金属多孔性シートとした後に、前記した金属多孔性
シートからなる支持シート上に移送して、支持シートと
共に焼結炉に通して焼結すると、種々の形態の金属多孔
性シートと積層した一体構造の金属多孔性シートを得る
ことができる。
【0041】上記金属粉末が散布される一対の圧延ロー
ラの少なくとも一方の表面に、軸線方向の両側と中央部
との間に段差を設け、段差のある中央部に金属粉末を集
め、該金属粉末を上記一対の圧延ローラにより所要圧力
で押圧している(請求項12)。
【0042】例えば、一対の圧延ローラのうち、一方の
圧延ローラの中央部に凹部を設けると共に、他方の圧延
ローラは平ローラとしている。この場合、上記一方のロ
ーラの中央凹部に金属粉末を溜め、両側の凸部に散布さ
れた金属粉末は吸引等で除去し、上記凹部に溜めた金属
粉末を他方の平ローラにより所要圧力で圧延している。
あるいは、一方の圧延ローラの中央部に凹部を設けると
共に他方の圧延ローラの中央部に上記凹部に挿入する凸
部を設けている。この場合、上記一方の凹部に溜めた金
属粉末を他方のローラの凸部で圧延している。
【0043】さらに、一方の圧延ローラの中央部に凸部
を設けると共に、他方の圧延ローラは平ローラとし、上
記凸部の表面に散布した金属粉末を圧延している。さら
に、一方の圧延ローラの中央部に設けた凸部の表面の金
属粉末を他方の圧延ローラの中央部に設けた凹部に嵌合
して、上記金属粉末を圧延している。
【0044】以上いずれの場合も、上記焼結炉を通した
後に、連続して冷却炉に通している(請求項13)。さ
らに、圧延、焼結および冷却を複数回繰り返してもよい
(請求項14)。即ち、焼結して形成した金属シートは
電極基板として使用することが出来るが、所望の強度が
得られない場合は、再度、圧延して金属粉末の結合部を
増加させることが好ましい。なお、一度に大きな力で圧
延すると金属シートが蛇行したり、亀裂が入る恐れがあ
るため、小さい圧下率で複数回圧延を行うことが好まし
い。
【0045】上記冷却後の金属シートを、上記搬送ベル
トあるいは支持シートより分離させている(請求項1
4)。なお、支持シートが金属シートの場合は、分離せ
ずに、前記したように、製造する金属シートと積層した
一体構造としてもよい。
【0046】上記焼結により形成される金属シートの表
面に再度、金属粉末を散布して、圧延した後に焼結して
もよい(請求項16)。これにより、所要の厚さまで金
属シートの厚さを増加させて、引張強度を高めることが
できる。
【0047】さらに、本発明は、請求項17で、請求項
1乃至請求項16のいずれか1項に記載の方法により製
造された金属シートに、針を突き刺してバリつき孔を形
成している金属シートの製造方法を提供している。この
方法では、上記連続して搬送する金属シートを一対の針
付きローラの間を通して上記バリつき孔を形成すること
が好ましい(請求項18)。
【0048】なお、上記請求項1乃至請求項16のいず
れか1項に記載の方法により金属シートを形成した後、
一旦、コイル状に巻き取り、その後、コイルより巻き出
しながら金属シートを搬送して針でバリつき孔をあけて
もよいし、コイルに巻き取らずに、連続的に搬送して針
でバリつき孔をあけてもよい。
【0049】上記針付きローラに代えて、針を突設した
プレス板を搬送する金属シートに対して近接離反させ
て、バリ付きの孔(即ち、針であけた孔の周囲にバリが
発生している孔)を形成していもよい。このように、バ
リ付きの孔を形成すると、活物質の保持力をバリで増強
させることができる。
【0050】さらに、本発明は、請求項19で、請求項
1乃至請求項18のいずれかl項に記載の方法により製
造された金属シートを提供している。
【0051】上記昇華性微小物あるいは/および搬送ベ
ルトおよび支持シートとして多孔シートを用いて形成さ
れた孔を有する金属多孔体は、パンチング状、網状、ハ
ニカム状、ラス状、格子状、エキスパンデッド状、スク
リーン状、レース状としている(請求項20)。即ち、
昇華性微小物、多孔シートの孔によって任意の形状の金
属シートを製造することができる。
【0052】上記金属シートは、空孔が設けられていな
いリード部を一定間隔をあけて備えている構成とするこ
とが好ましい(請求項21)。
【0053】さらに、本発明は、請求項22で、請求項
19乃至請求項21のいずれか1項に記載の金属シート
からなる電池電極用基板を提供している。
【0054】さらに、本発明は、請求項23で、上記電
池電極用基板の空孔に活物質を充填していると共に、上
記電池電極用基板の少なくとも片側の表面に活物質層を
設けている電池用電極を提供している。上記活物質とし
ては、亜鉛・鉛・鉄・カドミウム・アルミニウム・リチ
ウム等の各種金属、水酸化ニッケル・水酸化亜鉛・水酸
化アルミニウム・水酸化鉄等の金属水酸化物、コバルト
酸リチウム・ニッケル酸リチウム・マンガン酸リチウム
・バナジウム酸リチウム等のリチウム複合酸化物、二酸
化マンガン・二酸化鉛等の金属酸化物、ポリアニリン・
ポリアセン等の導電性高分子、水素吸蔵合金、カーボ
ン、その他、その種類は特に限定されない。なお、通
常、上記活物質を電池電極用基板に充填する時、活物質
にカーボン粉末等の導電剤や結着剤(バインダー)を添
加して充填しているが、本発明では、活物質に結着剤を
添加せずに用いている(請求項24)。
【0055】例えば、ニッケル水素電池の陰極の場合、
上記活物質として、水素吸蔵合金を主成分とした粉末を
用いている。この場合、結着剤(バインダー)を添加し
てもしなくてもよい。この水素吸蔵合金粉末を主成分と
する上記活物質は、水素吸蔵合金粉末単体、あるいは、
該水素吸蔵合金粉末に遷移金属を混合したものからなる
(請求項26)。
【0056】本発明の金属シートは多数の空孔を備えて
いるため、活物質、例えば、水素吸蔵合金粉末を結着剤
(バンダー)で結着することなく充填でき、金属シート
より脱落させることなく確実に保持できる。このよう
に、結着剤(バインダー)を添加しないことにより、飛
躍的に電極の集電性を高めることができる。特に、金属
シートに針を突き刺してバリ付き孔を設けた場合には、
金属シートの両側表面は水素吸蔵合金粉末をバリで保持
することができ、保持力の強い電極を提供することがで
きる。
【0057】上記活物質層の表面を部分的あるいは全体
的に、遷移金属を被覆している(請求項27)。例え
ば、ニッケル水素電池に用いる水素吸蔵合金電極の場
合、水素吸蔵合金層の表面をNi粉末および/またはC
u粉末などからなる遷移金属で被覆している。このよう
に遷移金属で被覆すると、遷移金属により活物質層、例
えば、水素吸蔵合金層の粉末の保持力を増強させること
ができる。
【0058】上記した電極は、請求項1乃至請求項18
のいずれか1項に記載の方法により連続的に形成される
金属シートに、さらに、その下流側に連続させて、ある
いは、一旦コイルに巻き取った後に、該コイルより巻き
出して連続搬送し、活物質を金属シートに連続的に供給
して、所要圧力で加圧して、上記金属シートの空孔に上
記活物質を充填すると共に、該金属シートの少なくとも
片面に上記活物質層を所要厚さで設けて製造することが
好ましい。即ち、金属粉末から電池電極用基板となる金
属シートを形成する連続工程に続いて、活物質の粉末を
金属シートに所要圧力で供給することにより、電極を製
造すると、非常に効率よく電池用電極を製造することが
できる。
【0059】さらに、本発明は、請求項28で、請求項
23乃至請求項27のいずれか1項に記載の電池用電極
を備えている電池を提供している。該電池としては、ニ
ッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム一
次電池、リチウム二次電池、アルカリ乾電池、燃料電
池、自動車用バッテリーなど各種の電池を対象とするこ
とができる。
【0060】
【発明の実施形態】以下、本発明を図面に示す実施形態
により詳細に説明する。図1は第1実施形態を示し、ベ
ルトコンベヤ式の循環駆動装置1の無端状の搬送ベルト
2の上流側上の上方に金属粉末Pの貯留ホッパ3を設置
すると共に、中流領域に圧延ローラ15を配置して搬送
ベルト2を上下一対のローラ15A、15Bの間を通る
ようにし、さらに、下流側に焼結炉4および冷却炉5を
配置して、上記搬送ベルト2が焼結炉4および冷却炉5
内を通るようにしている。
【0061】上記搬送ベルト2はSUS(310S)製
で可撓性を有する。上記貯留ホッパ3の下端吐出口3a
には計量制御器(図示せず)を取り付けて、所要の密度
且つ所要の厚さで金属粉末Pを搬送ベルト2の上面に散
布している。これら金属粉末Pとしては、0.1μm〜
100μmで、球状、フレーク状、スパイク状等の適宜
な形状をしたものが好適に用いられる。
【0062】上記のように搬送ベルト2上に散布された
金属粉末Pは圧縮されない状態であるため、図2に示す
ように、隣接する金属粉末同士は全面が接触しておら
ず、部分的な点接触あるいは線接触がなされた状態、隣
接する金属粉末Pの間には空孔(隙間)Cが存在する。
【0063】この状態で、搬送ベルト2と共に、圧延ロ
ーラ15の上下一対のローラ15Aと15Bの間を通し
て金属粉末Pを圧延することにより金属粉末同士が固着
してシート状となる。其の際、圧下率を調整することに
より、上記隣接する金属粉末同士の接触面積を制御し、
金属粉末間の隙間を調整する。すなわち、大きな圧下率
を付与すると隙間がない無垢状となり、圧下率を小さく
すると微細な空孔を比較的多く有する多孔状の金属シー
ト状となり、かつ、同時に、この金属シートの厚さも所
要の厚さに調整される。
【0064】上記のように圧延ロール15を通すことに
より、搬送ベルト2の上面に配置された金属シート状と
なり、ついで、この金属シートを搬送ベルト2と共に焼
結炉4に挿入して、所要温度で加熱して焼結する。該焼
結により、上記金属粉末P同士の固着部分が融着して結
合して金属シート10となる。かつ、圧延時に金属粉末
同士の隙間からなる空孔が残存している場合には、焼結
により結合した金属粉末Pの間に空孔Cが存在し、微細
な多孔構造を形成し、金属シート10が連続的に形成さ
れる。このように、焼結炉4で焼結して金属シート10
とした後、冷却炉5に通して所要温度で冷却する。
【0065】上記した冷却炉5を通過したのち、搬送ベ
ルト2の表面より金属シート10を剥がして分離し、ス
キンパスローラ13を通して調質圧延を行ったのち、コ
イル14として巻き取っている。
【0066】
【実験例1】図1に示す装置を用いて金属シート10を
製造した。即ち、搬送ベルト2上に貯留ホッパ3から平
均粒径15〜60μmの電解Cu粉末を散布し、圧延ロ
ーラ15により圧縮荷重4トンで圧延して金属シート状
とした。ついで、焼結炉4内において、非酸化雰囲気中
で950℃で30秒間焼結し、ついで、冷却炉5で50
℃まで冷却させた後、冷却炉5から出た段階で、搬送ベ
ルト2から形成された金属シート10を剥がした。その
後、スキンパスローラ13を通して荷重6トンを負荷し
た。得られたCuからなる金属シート10は板厚が14
μm、空孔率が7.7% 目付重量が115g/m2
張力が1.98kgf/20mmであった。
【0067】図3は第1実施形態の第1変形例を示し、
搬送ベルト2上で圧延ローラ15により圧延して金属シ
ート状とした後、搬送ベルト2より剥がして分離し、そ
の後、金属シート状となったもののみを焼結炉4および
冷却炉5に通している。即ち、圧延ローラ15により圧
延して金属シート状とした後、搬送ベルト2により支持
して搬送しなくても、金属シート状の単体のみでも引張
して搬送できるため、焼結炉4および冷却炉5に搬送ベ
ルト2により支持した状態で通す必要はない。
【0068】図4は第1実施形態の第2変形例を示し、
搬送ベルト2を循環させる一方の駆動ローラ16を圧延
ローラ15’の一方のローラとして用いており、該駆動
ローラ16と対向してローラ15A’を配置している。
該変形例では、搬送ベルト2の上面にホッパ3から散布
された金属粉末Pは搬送ベルト2により圧延ローラ1
5’のローラ16と15A’との間に搬送され、ここで
所要圧力で圧延される。該圧延で金属シート状となり、
圧延ローラ15’より下方に引き出される。この下方位
置には水平方向に循環駆動装置1’の搬送ベルト2’を
配置し、かつ該搬送ベルト2’が通過する焼結炉4およ
び冷却炉5を設置している。
【0069】よって、圧延ローラ15’より下方へ引き
出される金属シート状のものが下方の搬送ベルト2’上
に移し替えられ、搬送ベルト2’と共に焼結炉4を通っ
て焼結されて金属シート10となり、続いて、冷却炉5
を通って冷却される。その後、搬送ベルト2’より分離
してスキンパスローラ13を通し、最後にコイル14と
して金属シート10を巻き取っている。
【0070】さらに、図5は第1実施形態の第3変形例
であって、循環駆動搬送装置1の搬送ベルト2の下流
に、金属シート10の搬送経路に沿って、さらに、第2
の圧延ローラ6、第2の焼結炉7、冷却炉8を配置し、
さらに、その下流に、第3の圧延ローラ9、第3の焼結
炉11、冷却炉12を配置し、その下流にスキンパスロ
ーラ13を配置している。このように、圧延、焼結、冷
却を複数回繰り返すと、強度の高い金属シートを得るこ
とができる。尚、圧延する際には、一度に大きな圧下を
かけると、金属シート10に損傷および切断、蛇行が発
生する恐れがあるため、第4変形例に示すように、複数
回に分けて行うことが好ましい。しかしながら、この複
数回の圧延時においても、製造する金属シートを多孔性
シートとする場合には、複数回の圧延によっても金属粉
末間に微小な空孔が保持されるように圧下率を調節して
いる。
【0071】図6は第1実施形態の第4変形例を示し、
ベルトコンベヤ式の循環駆動装置1を長く設定し、その
搬送ベルト2上において、第1ホッパ3Aから金属粉末
Pを散布した後、第1圧延ローラ15で圧延後、第1焼
結炉4A、第1冷却炉5Aを通して金属シートを形成
し、さらに、該金属シート上に、第2ホッパ3Bより金
属粉末Pを散布して、第2圧延ローラ150、第2焼結
炉4Bで焼結し、第2冷却炉5Bで冷却している。この
ように、金属粉末Pの散布と圧延・焼結・冷却を複数回
繰り返すことにより、厚さの大きな金属シート10を得
ることができる。
【0072】このように、搬送ベルト2上で金属粉末P
の散布と圧延・焼結・冷却を複数回繰り返した後、搬送
ベルト2より剥がして、第1実施形態と同様に圧延ロー
ラ6を通し、その後、再度、焼結炉7、冷却炉8を通し
て、強度を高めた後に、スキンパスローラ13を通した
後に、コイル14として巻き取っている。
【0073】図7は本発明の第2実施形態を示す。該第
2実施形態では、金属粉末Pを循環駆動装置1の搬送ベ
ルト2に直接散布するのではなく、有機樹脂製シートか
らなる支持シート20を用い、該支持シート20をコイ
ル21より連続的に巻き出し、案内ローラ22で案内し
て移送して、下流側で循環駆動装置1の搬送ベルト2の
上面へと導いている。この循環駆動装置1に達するまで
の領域で、支持シート20の上方にホッパ3から金属粉
末Pを散布している。
【0074】金属粉末Pが散布された支持シート20
は、該支持シート20を挟むように配置した圧延ローラ
15により圧延した後、循環駆動装置1の搬送ベルト2
の上面に乗り移つり、搬送ベルト2と共に脱煤炉23、
焼結炉4、冷却炉5を順次通過する。上記圧延ローラ1
5により所要の圧力で金属粉末Pを圧延して、隣接する
金属粉末Pの間に微細な空孔を残しておき、ついで、脱
煤炉23に通して上記支持シート20を焼き飛ばし、続
いて、焼結炉4で金属粉末Pを焼結して、金属シート1
0とし、続いて、冷却炉5で冷却している。該冷却炉5
を出た段階で、搬送ベルト2から剥がして、金属シート
10をスキンパスローラ13を通してコイル14として
巻き取っている。
【0075】図8は第2実施形態の第1変形例を示し、
支持シートとして、焼結炉における加熱により除去され
ない無機質の無垢状の支持シート20’を用いている。
この無機質の支持シート20’を用いる場合、循環駆動
装置1の搬送ベルト2から剥がす段階で、さらに、支持
シート20’と金属シート10とを分離して、金属シー
ト10のみを再度、圧延ローラ6、第2の焼結炉7、冷
却炉8に通し、その後、スキンパスローラ13を通して
巻き取っている。
【0076】尚、加熱により除去されない無機質の支持
シートを用いた場合、金属粉末が金属シート10として
形成された後に上記支持シートと剥がして分離せず、支
持シートと共に連続して移送し、金属シート10と支持
シートとを一体にして、コイル14として巻き取っても
よい。この場合、無機質からなる支持シートを薄い無垢
状の金属シートとしておくと、該無垢状の金属シートの
表面に多孔状の金属シートが積層された構造の金属シー
トが得られる。
【0077】上記図8の変形例では、支持シート20’
として無垢状の金属シートを用いているが、パンチング
メタル等の穴あき金属シート、あるいは三次元網状、多
孔性繊維状の多孔性金属シートと、さらには、図1で製
造した多孔状の金属シートを支持シートとして用いて、
一体化した積層構造の金属多孔性シートを得ることもで
きる。
【0078】図9は第3実施形態を示し、上記第2実施
形態との相違点は、支持シートとして加熱で焼き飛ばす
ことができる孔あきの支持シート30を用いている点で
あり、工程は第2実施形態と同様であり、同一符号を付
して説明を省略する。
【0079】即ち、図11(A)に示すように、パンチ
ング状に丸穴30aが縦横等ピッチであけられた樹脂製
シートを支持シート30として用いている。よって、該
支持シート30に対してホッパ3より金属粉末Pを散布
すると、上記丸穴30aが存在する部分は、金属粉末P
が丸穴30aを通って落下することとなり、支持シート
30の上面に所要ピッチで穴あき状態で金属粉末Pが積
もることとなる。
【0080】上記丸穴30aを通して落下した金属粉末
Pは、ホッパ3と対向した位置に金属粉末受け31を設
置して、該金属粉末受け31に貯留し、再利用を図って
いる。
【0081】上記のように、穴あきの支持シート30上
に散布された金属粉末Pを、圧延ローラ15により所要
の圧力で圧延した後、循環駆動装置1の搬送ベルト2上
に乗り移し、支持シート30と共に脱煤炉23に搬入
し、所要温度で加熱して支持シート30を焼き飛ばす。
続いて、焼結炉4に搬入して、所要温度で加熱して焼結
している。
【0082】その後、第2実施形態と同様に、焼結炉
4、冷却炉5を通した後、搬送ベルト2と分離して、ス
キンパスローラ13を通してコイル14として巻き取っ
ている。
【0083】上記第3実施形態では、第1実施形態およ
び第2実施形態と同様に、丸穴30aが設けられていな
い部分では、圧延ローラ15による圧下率を制御するこ
とにより、散布された金属粉末同士の接触面が結合され
て微細な多孔構造になっていると共に、丸穴30aに当
たる部分には、比較的大きな貫通穴からなる空孔が形成
される。即ち、図10に示すように、金属粉末同士の隙
間からなる微細な空孔C1と丸穴30cに当たる大きな
貫通穴からなる空孔C2との2種類の空孔を有する多孔
状の金属シート10’が連続的に製造できる。
【0084】第3実施形態では、支持シート30として
図11(A)に示す丸穴をあけた支持シートを用いてい
るため、形成される多孔状の金属シートの大きな貫通し
た空孔C2は丸穴となっている。なお、図11(B)に
示す四角穴をあけた支持シート30、図11(C)に示
す多角形穴をあけた支持シート30、図11(D)に示
す菱形穴をあけた支持シート30を用いると、それぞれ
対応した形状の大きな貫通した空孔C2をあけた多孔状
の金属シートを得ることができる。
【0085】図12および図13は第4実施形態を示
し、金属粉末Pに昇華性微小物50を混合して、第1実
施形態と同様な装置の場合はベルトコンベヤ式の循環駆
動装置1の搬送ベルト2上に散布し、この金属粉末Pと
昇華性微小物50との混合物を圧延ローラ15に通して
所要の圧下率で圧延し、その後、脱煤炉に通して昇華性
微小物50を焼き飛ばして、その後に比較的大きな空孔
を形成している。
【0086】上記昇華性微小物としては、例えば、加熱
により焼き飛ばされる樹脂製の球状体(所謂ビーズ状の
もの)、立方体、直方体、あるいは超微粒粉などが用い
られる。
【0087】具体的には、図12(A)に示すように、
金属粉末Pを貯留したホッパ3と上記昇華性微小物50
を貯留したホッパ51とを混合ホッパ52の上方に設置
し、該混合ホッパ52を第1実施形態のホッパ3と同様
に、循環駆動装置1の搬送ベルト2の上方に配置してい
る。上記混合ホッパ52の内部には金属粉末Pと昇華性
微小物50とを混合するための撹拌器53を設けて、略
均一になるように混合している。
【0088】このように、金属粉末Pと昇華性微小物5
0とを混合して、循環駆動装置1の搬送ベルト2の上面
に散布した後、圧延ローラ15を通して所要の圧下率で
圧延した後、脱煤炉23、焼結炉4に搬入して加熱する
と、昇華性微小物50が昇華して、図13に示すよう
に、昇華性微小物50が存在した部分が空孔C3とな
る。即ち、隣接する金属粉末Pの間の微小な空孔C1と
昇華性微小物50が存在していた部分に形成される比較
的大きな空孔C3とが存在した金属シート10”を形成
している。この空孔C3は、貫通穴に限られず、厚さ方
向にランダムに存在する空孔となる。
【0089】上記昇華性微小物50の大きさを変えるこ
とにより、任意の大きさの空孔C3を形成でき、かつ、
大きさ及び形状の相違する昇華性微小物50を混合する
と、任意の大きさ及び形状の空孔C3を容易に形成する
ことができる。
【0090】上記のように脱煤・焼結した後に冷却し、
その後、前記実施形態と同様に、圧延し、焼結、冷却を
繰り返すことが好ましいことは言うまでもない。
【0091】また、図12(B)に示すように、搬送ベ
ルト2上に、上流側に昇華性微小物50を貯留したホッ
パ51、下流側に金属粉末Pを貯留したホッパ3を並設
し、昇華性微小物50を搬送ベルト2上に散布した後、
金属粉末Pを散布してもよい。この場合、昇華性微小物
50の隙間に金属粉末Pが散布されるため、予め混合し
た場合と同様となる。
【0092】さらに、上記昇華性微小物50として、例
えば、加熱により分解してガスを発生する発泡剤のよう
なものを用いた場合、発生したガスによって、貫通穴が
得られる。即ち、図14(A)に示すように、比較的大
きな昇華性微小物50を混合しておくと、加熱によりガ
スが発生して(図14(B))、昇華性微小物50の存
在した部分が上下両面に連通して貫通穴C4となる(図
14(C))。よって、比較的大きな貫通穴からなる空
孔と微細な空孔を有する金属シートが得られる。
【0093】図15は本発明の第5実施形態を示し、圧
延ローラ150に金属粉末Pをホッパ3から直接的に散
布し、該圧延ローラ150の一対のローラ150Aと1
50Bとの回転により最小間隙部分Xでローラ表面に散
布された金属粉末Pを所要の圧下率で圧延して、上記第
1〜第4実施形態と同様に金属粉末Pの間に微小な隙間
を設けて、該隙間を空孔としている。
【0094】即ち、第5実施形態では、一対のローラ1
50Aと150Bとからなる圧延ローラ150を循環駆
動装置1の搬送ベルト2を挟むように配置しているので
はなく、循環駆動装置1の上方に圧延ローラ150を配
置し、該圧延ローラ150の上方にホッパ3を配置し
て、該ホッパ3から一方のローラ150Aの上面に金属
粉末Pを連続的に散布している。
【0095】上記圧延ローラ3の下方に循環駆動装置1
を配置し、圧延ローラ150から引き出されてくる金属
シート10’を循環駆動装置1の搬送ベルト2上に移し
かえ、該搬送ベルト2と共に焼結炉4および冷却炉5に
通し、その後、搬送ベルト2と分離して、スキンパスロ
ーラ13を通してコイル14として巻き取っている。
【0096】このように、圧延ローラ150の表面に金
属粉末Pを直接的に散布しても、該圧延ローラ150の
ローラ150Aと150Bとにより金属粉末Pが圧延さ
れて金属シート10’として圧延ローラ150より引き
出されてくるため、搬送ベルトあるいは支持シートが無
くても移送することができる。
【0097】上記図15に示す第5実施形態では、圧延
ローラ150の一対のローラはいずれも表面が平滑な平
ローラを用いているが、図16(A)(B)および図1
7(A)(B)に示すように、金属粉末Pが散布される
一対の圧延ローラの少なくとも一方の表面に、軸線方向
の両側と中央部との間に段差を設け、段差のある中央部
に金属粉末を集め、該金属粉末を上記一対の圧延ローラ
により所要圧力で押圧する構成としてもよい。
【0098】即ち、図16(A)に示す圧延ローラ15
0では、一対の圧延ローラのうち、一方の圧延ローラ1
50Aの中央部に凹部150aを設けると共に、他方の
圧延ローラ150Bは平ローラとしている。この場合、
上記ローラ150Aの中央凹部150aに金属粉末Pが
溜められ、両側の凸部150bに散布された金属粉末P
を吸引等で除去している。凹部150aに溜めた金属粉
末Pは他方の平ローラ150Bとの接合部位において所
要圧力で圧延される。該構成とすると、凹部150aの
深さおよび金属粉末Pの散布量を制御することにより、
圧延ローラ150による圧下率を容易に制御することが
できる。さらに、圧延されて形成される金属シートの幅
を容易に制御できる。
【0099】また、図16(B)に示す圧延ローラ15
0では、一方の圧延ローラ150Aの中央部に凹部15
0aを設けると共に他方の圧延ローラ150Bの中央部
に上記凹部に挿入する凸部150cを設けている。この
場合、上記凹部150aに溜めた金属粉末Pが他方のロ
ーラの凸部150cで圧延される。この場合も、凹部1
50aと凸部150cとの嵌合条件の設定により金属粉
末の圧下率を容易に制御できると共に、圧延で形成され
る金属シートの幅を容易に制御できる。
【0100】また、図17(A)に示す圧延ローラ15
0では、一方の圧延ローラ150Aの中央部に凸部15
0dを設けると共に、他方の圧延ローラ150Bは平ロ
ーラとし、上記凸部150dの表面に散布した金属粉末
Pを他方の平ローラ150Bで圧延している。該構成と
すると、圧延ローラ150Aの表面に金属粉末Pを散布
した時、凸部150dの両側の下方段部150eには金
属粉末Pが落下するため、該金属粉末Pを吸引除去しな
くてもよく、凸部150dの表面の金属粉末Pのみが圧
延できる。
【0101】図17(B)に示す圧延ローラ150で
は、一方の圧延ローラ150Aの中央部に設けた凸部1
50dの表面の金属粉末を、他方の圧延ローラ150B
の中央部に設けた凹部150fに嵌合して、上記金属粉
末を圧延している。
【0102】図18は第5実施形態の変形例を示し、金
属粉末Pと上記昇華性微小物50をホッパ52に投入し
て撹拌機53で撹拌した後、ホッパ52より圧延ローラ
150に直接散布している。この場合、昇華性微小物5
0を含んだ状態で圧延ローラ150により金属シート状
とされ、その後、下方に配置した循環駆動装置1の搬送
ベルト2上に移送して、搬送ベルト2と共に脱煤炉23
に通して昇華性微小物50を焼き飛ばし、比較的大きな
三次元状の空孔を形成している。その後、焼結炉4、冷
却炉5を通した後、搬送ベルト2から分離し、スキンパ
スローラ13を通してコイル14として巻き取ってい
る。
【0103】
【実験例2】電解Cu粉末(平均粒径15〜60μm)
80重量部と樹脂製の昇華性微小物(粒径15〜20
μ)20重量部を混合して、圧延ローラ150の表面に
直接散布し、荷重8トンにて圧延して金属シート状とし
た。これを搬送ベルト2上に移送して、脱煤炉23内に
おいて大気雰囲気中500℃で脱煤して、昇華性微小物
を除去した。その後、焼結炉4内で非酸化雰囲気中で9
50℃で30秒間焼結した。ついで、冷却炉5で冷却し
た後、搬送ベルト2から剥がし、スキンパスローラ13
で荷重8トンで調質圧延を行ってコイルとして巻き取っ
た。製造された金属シートは、板厚が17μm 空孔率
が24.1% 目付量が115g/m2で、引張力が
1.67kgf/20mmであった。
【0104】図19は第6実施形態を示し、スキンパス
ローラ13を通す前に、前工程で製造された金属シート
10をリード部付与ローラ70Aと70Bの間に通して
いる。これらリード部付与ローラ70Aと70Bとに
は、長さ方向の両端および中央部に所定間隔をあけて、
かつ上下対向させた位置に凸部71を設けている。よっ
て、このリード部付与ローラ70Aと70Bの間を通し
た金属シート10は、凸部71により上下両面より押圧
される部分は、微細な空孔がつぶれて金属無垢状とな
る。この金属無垢部がリード部72となり、電池電極用
基板として金属シート10が用いられた場合に、集電機
能を果たすリード部となる。
【0105】なお、本発明の金属シートの製造方法は上
記した各実施形態に限定されず、製造した多孔状の金属
シートを支持シートとして用い、該支持シート上に金属
粉末を散布して、繰り返し使用し、所要の板厚および強
度を有する多孔状の金属シートとしてもよい。また、圧
延ローラによる圧下率を大きくして微小な空孔を有しな
い無垢状としてもよい。
【0106】図20および図21は第7実施形態を示
す。該第7実施形態は前記図1に示す第1実施形態の方
法で形成してコイルに巻き取った金属シート10を、コ
イル14より巻き出して連続して搬送し、針付きローラ
100A、100Bの間を通して搬送して、針101で
両側よりバリ付き孔を金属シート10にあけ、その後、
さらに連続して搬送して、活物質、例えば、水素吸蔵合
金粉末を主成分とする活物質を供給して、連続的に電極
を形成している。
【0107】即ち、図20に示すように、第1実施形態
と同様な工程で、そのスキンパスローラ13を通して調
質圧延を行って金属シート10を作成し、一旦コイル1
4として巻き取っている。このコイル14より巻き出し
た金属シート10を連続的に搬送して垂直方向へと案内
し、針付きローラ100A、100Bの間を通して搬送
して、針101で両側よりバリ付き孔110を金属シー
ト10にあけている。その後、金属シート10の両側の
ローラ80Aと80Bの上方に配置したホッパー81よ
り、その内部に貯溜している活物質の粉末(例えば、水
素吸蔵合金粉末とNi粉末との混合粉末)82を金属シ
ート10の両側とローラ80Aと80Bの間に供給して
いる。
【0108】上記供給された混合粉末82はローラ80
Aと80Bによる押圧力で、金属シート10のバリ付き
孔110に充填されると共に、金属シート10の両面に
バリ111で保持され、所要厚さの活物質層(例えば、
水素吸蔵合金層)85A、85Bを形成する。
【0109】ついで、焼結炉86を挿通させ、非酸化雰
囲気内で焼結し、その後、冷却炉87に通して冷却す
る。最後にスキンパスローラ88を通して所要荷重で調
質圧延する。このようにして形成した図21に示す電極
(例えば、水素吸蔵合金電極)90を連続的にコイル9
1として巻き取っている。
【0110】
【実験例3】スキンパスローラ13で圧延して形成され
たNi金属シート10は、板厚25μm、幅100mm
である。該金属シート10を、針付きローラ100A、
100Bの針101の太さを直径0.7mmとし、0.
2mmピッチで孔をあけ0.6mmの高さのバリを設け
た。針を突き刺してバリつき孔を設けた状態で金属シー
ト10の開孔率は54.8%(平面)であった。該金属
シート10に供給する混合粉末82は、球状で粒径が6
0〜80μmのAB5型の水素吸蔵合金粉末を18重量
部、平均粒径2.5μmのNi粉末を2重量部を混合し
た。該混合粉末を金属シート10の両面に片面づつ90
0g/m2(90g/m)となるように供給し、150
mmφのローラ80A、80Bで荷重5トンで加圧し、
ラインスピード1m/minとして、圧延を行った。そ
の後、焼結炉86で非酸化雰囲気中で950℃で2分間
焼結し、最後にスキンパスローラ88で荷重5トンで調
質圧延し、板厚0.3mmの水素吸蔵合金電極90を作
成した。
【0111】製造された水素吸蔵合金電極90は、供給
する水素吸蔵合金粉末とNi粉末との混合粉末に結着剤
(バインダー)を添加していなかったが、金属シートに
はバリつき孔110が0.2mmピッチで微細に設けら
れていると共に、該バリつき孔110には0.6mmの
高さのバリ111が両側面に突出しているため、上記混
合粉末がしっかりと金属シート10に保持されていた。
【0112】上記のように製造した水素吸蔵合金電極9
0は結着剤(バインダー)を添加していないため、結着
剤(バインダー)により電流の流れを阻害されず、ま
た、従来導電剤として用いられているカーボンに代えて
Ni粉末を添加しているため、集電性の高い電極となっ
ていた。
【0113】図22および図23は第8実施形態を示
す。該第8実施形態は前記図9に示す第3実施形態の方
法で形成する大きな空孔C2と微細な空孔C1とを有す
る金属シート10’に、連続して水素吸蔵合金粉末とN
i粉末とを混合した活物質を供給して、連続的に水素吸
蔵合金電極を形成している。
【0114】即ち、図22に示すように、スキンパスロ
ーラ13を通して調質圧延を行って金属シート10’を
作成した後、コイルに巻き取らずに、該金属シート1
0’を連続的に搬送して垂直方向へ案内し、金属シート
10’の両側のローラ80Aと80Bの上方に配置した
ホッパー81より、その内部に貯溜している水素吸蔵合
金粉末とNi粉末との混合粉末82を金属シート10’
の両側とローラ80Aと80Bの間に供給する。この供
給された混合粉末82はローラ80Aと80Bによる押
圧力で、金属シート10’の空孔C1,C2に充填され
ると共に、金属シート10’の両面に固着され、所要厚
さの水素吸蔵合金層85A、85Bを形成する。つい
で、焼結炉86を挿通させ、非酸化雰囲気内で焼結し、
その後、冷却炉87に通して冷却する。最後にスキンパ
スローラ88を通して所要荷重で調質圧延する。このよ
うにして形成した水素吸蔵合金電極90(図21に示
す)を連続的にコイル91として巻き取っている。
【0115】
【実験例4】スキンパスローラ13で圧延して形成され
Ni金属シート10’は、大きな空孔C2の孔径1.8
mm、空孔率47.0%、板厚25μmである。該金属
シート10’に供給する混合粉末82は、60〜80μ
mのAB2型の水素吸蔵合金粉末を18重量部、平均粒
径2.5μmのNi粉末を2重量部を混合した。該混合
粉末を金属シート10’の両面に片面づつ540g/m
2となるように供給し、150mmφのローラ80A、
80Bで荷重5トンで加圧し、ラインスピード1m/m
inとして、圧延を行った。その後、焼結炉86で非酸
化雰囲気中で950℃で2分間焼結し、最後にスキンパ
スローラ88で荷重5トンで圧延し、板厚0.18mm
の水素吸蔵合金電極90を作成した。
【0116】上記のように製造した水素吸蔵合金電極9
0は結着剤(バインダー)を添加していないため、結着
剤(バインダー)により電流の流れを阻害されず、ま
た、従来導電剤として用いられているカーボンに代えて
Ni粉末を添加しているため、集電性の高い電極とな
る。
【0117】上記金属シートの製造後、水素吸蔵合金電
極等の電極を連続的に製造する方法は、上記方法に限定
されない。即ち、前記第2、第4、第5、第6の実施形
態の方法の後に第7実施形態と同様にコイルより巻き戻
して金属シートを搬送して活物質を充填することによ
り、あるいは、第8実施形態と同様に、コイルに巻かず
に連続的に搬送して活物質を充填することにより、電極
を連続的に製造することができる。また、水素吸蔵合金
粉末にNi粉末に代えて他の遷移金属、例えば、Cu粉
末を混合してもよいし、あるいは、Ni粉末とCu粉末
などの遷移金属の両方を水素吸蔵合金粉末に混合しても
よい。さらに、水素吸蔵合金粉末のみを単体で用いても
よく、また、遷移金属も粉末形状に限定されない。
【0118】例えば、図12に示す第4実施形態の昇華
性微小物を混合粉末と混合して搬送ベルトに供給し、そ
の後、昇華性微小物を焼き飛ばして空孔を設けた金属シ
ート10”に対して、水素吸蔵合金粉末を供給して水素
吸蔵合金電極を連続して製造することができる。
【0119】
【実験例5】図12に示す第4実施形態の方法により、
板厚25μm、空孔率35%のNi金属シート10”を
作成した。これに、実験例4と同様な水素吸蔵合金粉末
を、金属シートの両面から供給し、荷重5トンで加圧
し、その後、焼結炉で非酸化雰囲気中で950℃で2分
間焼結し、最後にスキンパスローラで調質圧延して、板
厚0.18mmの水素吸蔵合金電極を作成した。
【0120】上記のように作成した水素吸蔵合金電極
は、 金属シートに昇華性微小物による空孔と、 金属粉末
間の微細な空孔を有しているため、これら空孔に水素吸
蔵合金粉末が充填され、かつ、金属シートの両側表面に
は水素吸蔵合金粉末層の厚さが薄いと共に、焼結および
スキンパスローラによる加圧で確実に固定されていた。
【0121】上記のように、金属シートに水素吸蔵合金
粉末を供給して、金属シートの空孔および両側表面に水
素吸蔵合金粉末を充填した後、図24に示すように、両
側の水素吸蔵合金層85A、85Bの表面にNi粉末等
の遷移金属粉末を供給して、遷移金属層95を形成して
もよい。このように、遷移金属層95を設けると、水素
吸蔵合金粉末の保持力を更に高めることができる。
【0122】また、水素吸蔵合金層85A、85Bの表
面に供給する金属は、Ni粉末にかぎらず、Cu粉末等
の遷移金属あるいはNi粉末とCu粉末等の遷移金属の
混合粉末でもよい。さらに、水素吸蔵合金層は多孔状の
金属シートの両面でなく、片面にだけ設けてもよい。
【0123】
【実験例6】前記実験例2で得られた多孔状のCu金属
シート(板厚17μm、空孔率24.1%)を連続的に
搬送し、その両面に、メソフェーズ黒鉛100重量部と
スチレンブタジエンゴム5重量部の混合物をカルボキシ
メチルメルロース水溶液に懸濁させたペースト状活物質
を塗着し、乾燥、圧延して、板厚0.2mmの電極を形
成した。
【0124】上記実験例6に記載したように、水素吸蔵
合金電極のみならず、リチウム二次電池の負極用として
用いられる電極も、電極基板となる金属多孔性シートを
形成した後に、一旦コイルに巻き取った後に巻き戻して
連続して、あるいはコイルとして巻き取らずに、多孔状
の金属シートを連続搬送して活物質を供給して電極を作
成することもできる。
【0125】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、金属粉末を循環駆動装置の搬送ベルト上、あ
るいは、該搬送ベルト上にのせる支持シート上に密に直
接散布し、この状態で、金属粉末を圧延ローラにより所
要の荷重で圧延して、隣接する金属粉末の間に微小な空
孔を残し、この状態で焼結炉に通して焼結するため、上
記圧延ローラにより固着された部分が融着により結合さ
れ、固着されておらずに隙間があった部分は微細な空孔
としてのこる。よって、微細な空孔を多数有する金属シ
ートを連続的に形成することができる。勿論、圧延ロー
ラによる荷重を大として微細な空孔を有しない無垢状の
金属シートも容易に得ることが出来る。
【0126】さらに、支持シートとして穴あきシートを
用いると、穴の部分が貫通した空孔となり、金属粉末間
の隙間の微細な空孔と貫通した比較的大きな空孔とを有
する金属シートを連続的に形成することができる。
【0127】さらに、昇華性微小物を金属粉末と混合し
て搬送ベルトあるいは支持シートに散布し、この昇華性
微小物と金属粉末との混合物を圧延ローラにより所要の
圧下率で圧延し、その後、脱煤すると、昇華性微小物が
昇華した後に空孔が形成できるため、三次元形状で、昇
華性微小物の大きさに応じた所要の大きさの空孔を形成
することができる。よって、金属粉末間の微小な空孔と
上記昇華性微小物による比較的大きな空孔とを有する金
属シート、さらには、上記穴あきのシートを用いると、
貫通した空孔も含んだ多様な空孔を有する金属シートを
連続的に製造することができる。
【0128】上記したように、微細な空孔、貫通した空
孔、三次元状の空孔を、単独で、あるいは、組み合わせ
て形成できるため、電池の種類に対応した好適な金属シ
ートからなる電極基板を提供することができる。即ち、
ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム
一次電池、リチウム二次電池、アルカリ乾電池、燃料電
池、自動車用バッテリー等の電極基板として好適に用い
ることが出来る。
【0129】さらに、圧延ローラの表面に金属粉末ある
いは、金属粉末と昇華性微小物とを散布しても、圧延ロ
ーラの回転により上記金属粉末、あるいは混合物が所要
の圧下率で圧延でき、所要の微細な空孔を有する金属シ
ートを形成することができる。また、昇華性微小物を混
合する場合には、その後、脱煤すると昇華性微小物が焼
き飛ばされて、その後に空孔を形成できる。よって、容
易に任意な形状および大きな空孔を有する金属シートを
製造することができる。
【0130】また、金属粉末より金属性シートを連続的
に製造した後、該金属シートに水素吸蔵合金粉末等の活
物質の粉末を供給することにより、水素吸蔵合金電極等
の電池用電極を連続的に製造することができる。このよ
うに、金属シートの製造と該金属シートを基板とした電
極を一貫的に製造できるため、電極の生産性を飛躍的に
高めることができる。
【0131】さらに、本発明の電池電極では、粉末から
なる活物質に結着剤(バインダー)を添加していないた
め、その分、活物質の量を増加させることができ、集電
性を向上させることができる。具体的には、従来添加し
ていた結着剤(バインダー)の量に相当して、活物質の
量を増加させることができ、該増加量は約7%程度であ
る。さらに、従来、導電材として用いていたカーボン等
の代わりにNi粉末やCu粉末等の遷移金属を添加する
と集電性をさらに高めることができ、電池性能を5〜1
0%向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の方法を実施する装置
の概略図である。
【図2】 散布された金属粉末の状態を示す概略拡大図
である。
【図3】 第1実施形態の第1変形例を示す概略図であ
る。
【図4】 第1実施形態の第2変形例を示す概略図であ
る。
【図5】 第1実施形態の第3変形例を示す概略図であ
る。
【図6】 第1実施形態の第4変形例を示す概略図であ
る。
【図7】 本発明の第2実施形態の方法を実施する装置
の概略図である。
【図8】 第2実施形態の第1変形例を示す概略図であ
る。
【図9】 本発明の第3実施形態の方法を実施する装置
の概略図である。
【図10】 第3実施形態により製造される金属シート
の平面図である。
【図11】 (A)乃至(D)はそれぞれ第3実施形態
で用いる支持シートを示す平面図である。
【図12】 (A)(B)は第4実施形態の概略図であ
る。
【図13】 第4実施形態により製造される金属シート
の概略断面図である。
【図14】 (A)(B)(C)は第4実施形態の変形
例の貫通孔形成工程を示す概略断面図である。
【図15】 第5実施形態の方法を実施する装置の概略
図である。
【図16】 (A)(B)はそれぞれ圧延ローラの変形
例を示す概略図である。
【図17】 (A)(B)はそれぞれ圧延ローラの変形
例を示す概略図である。
【図18】 第5実施形態の変形例を示す概略図であ
る。
【図19】 第6実施形態の変形例を示す概略図であ
る。
【図20】 第7実施形態を示す概略図である。
【図21】 第7実施形態の方法で製造された電極の拡
大断面図である。
【図22】 第8実施形態を示す概略図である。
【図23】 第8実施形態の方法で製造された電極の拡
大断面図である。
【図24】 第8実施形態の変形例で製造された電極の
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ベルトコンベヤ式の循環駆動装置 2 搬送ベルト 3 金属粉末貯留用のホッパ 4、7、11 焼結炉 5、8、12 冷却炉 6、9 圧延ローラ 10 金属シート 13 スキンパスローラ 15 圧延ローラ 20 支持シート 30 孔あきの支持シート 30a 孔 50 昇華性微小物 70A、70B リード部付与ローラ 82 水素吸蔵合金粉末とNi粉末の混合粉末 90 水素吸蔵合金電極 P 金属粉末 C,C1,C2、C3 空孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月6日(1999.10.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電池用電極の製造方法および該方法で
製造された電池用電極
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用電極の製造
方法、該方法により製造された電池用電極に関し、詳し
くは、金属粉末より多孔質のシートを形成し、その空孔
に活物質が充填されるようにしたもので、ニッケル水素
電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム一次電池、リ
チウム二次電池、アルカリ乾電池、燃料電池等の電極基
板、自動車用バッテリーの電極板など各種の電池の電極
板として好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電池電極基板として用い
られる多孔質の金属シートとして、本出願人は、発泡
体、不織布、メッシュ等の単体、あるいはこれらを2種
以上積層した積層体に導電処理を施した後、電気メッキ
を施して金属シートとしたものを種々提供している(特
開平1−290792号公報、特開平3−130393
号等)。
【0003】上記方法で多孔質の金属シートを製造する
場合、電気メッキの前処理として蒸着方法、化学メッキ
方法、カーボン塗布方法等の方法で導電処理を施す必要
があり、いずれも手数がかかり、コスト高になる等の問
題がある。また、発泡体、不織布、メッシュ等に電気メ
ッキを施した後に脱煤、焼結して基材を焼き飛ばすと、
焼き飛ばされた部分が空洞となり、活物質の充填が出来
ない問題等もある。
【0004】上記した問題に鑑みて、本出願人は先に、
金属粉末から多孔質の金属シートを製造する方法を多数
提供している(特開平7−138609号、特開平7−
118706号等)。
【0005】上記した方法は、いずれも、発泡体、不織
布、メッシュ等の単体、あるいはこれらの積層体からな
る多孔性基材の空孔部の内周面を含む全表面に金属微粒
粉を接着剤を用いて塗布して導電性金属層を形成し、そ
の後、脱煤、焼結して金属シートを形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した金属微粒粉を
用いた従来の多孔質の金属シートの製造方法では、発泡
体、不織布、メッシュ等の多孔性基材の表面に金属微粒
粉を塗布して製造しているため、空孔の大きさおよび形
状は基材の空孔の大きさ及び形状により規制され、基材
の空孔よりも微小な空孔、あるいは逆に基材の空孔より
も大きな空孔、さらに、基材の空孔とは異なる形状の空
孔を形成することは困難であった。
【0007】また、電極板の基板として要求される条件
の1つとして、板厚を薄くして電池ケース内への収容量
を増加し、電池性能を向上させることが要求されている
が、上記した金属微粒粉を用いた従来の多孔質の金属シ
ートの製造方法では、厚みも基材の厚みにより制限さ
れ、1mm以下の厚みの多孔質の金属シートを製造する
ことは困難であった。
【0008】さらに、金属微粒粉と接着剤を混合して、
あるいは、接着剤を基材に塗布した後に金属微粒粉を塗
布しており、いずれも接着剤を用いているため、金属微
粒粉の間に接着剤が介在し、脱煤、焼結時に基材と共に
接着剤が焼き飛ばされると、金属微粒粉の隙間が大きく
なるなど、空孔を制御することが困難であった。また、
接着剤を用いるため、工程数が増加する等の問題もあっ
た。
【0009】さらにまた、リチウム二次電池の正極基板
および負極基板として、従来、金属無垢箔が用いられて
いるが、電極基板の表→裏、裏→表へのリチウムイオン
の移動ができないため、出来るだけ均一で薄い活物質層
を得るために、基板の片面づつに活物質を塗布しなけれ
ばならなかった。また、基板の表面が平滑であるため、
活物質が剥離しやすい問題もあった。
【0010】そこで、パンチング状、ラス状、メッシュ
状、発泡状、不織布状などの多孔質の金属シートが、基
板の表→裏、裏→表へリチウムイオンが移動できると共
に活物質の厚みを表裏両面併せて制御出来るため、リチ
ウム二次電池用電極基板として用いられることが検討さ
れているが、従来の多孔質の金属シートでは無垢部およ
び空孔の大きさが不均一であり、リチウムイオンの移動
が均一に十分に行えない問題があった。このリチウムイ
オンの移動をスムーズに行うためには、より小さい穴が
無数に開いていることが望ましいが、従来の多孔質の金
属シートでは、この要求を完全に充足するものは提供さ
れていなかった。
【0011】さらに、リチウム二次電池の電極基板とし
ては、10μm〜30μm程度の厚みの基板が求められ
るが、前記したように、従来の金属シートでは厚みを1
mm以下とすることすら困難であり、要求されるような
箔のように薄い厚みの金属シートを製造することは不可
能であった。
【0012】さらにまた、近年、ビデオカメラ、液晶小
型テレビ、CDプレーヤーなどの大電流を必要とするポ
ータブル機器が普及し、放電容量が大きく、かつ高負荷
放電特性に優れた電池が益々要求されるようになってき
た。しかし、従来、汎用されているアルカリ乾電池は、
缶の中に、外側に正極合剤ペレットを、セパレータを介
して、その内側にゲル状粉末亜鉛を詰め込む構造となっ
ていたため、定められた電池缶容量の中で、放電容量を
大とするとともに、高負荷放電特性を向上させることは
非常に困難であった。
【0013】そこで、亜鉛無垢箔や亜鉛箔をパンチング
加工あるいはエキスパンデッド加工等したものからなる
負極板と、金属酸化物からなる正極板をセパレータを介
して渦巻き状に巻き回して、正負極板の電極面積を増大
させ、放電容量を大とするとともに、高負荷放電性能を
向上させる構造のアルカリ乾電池が検討されている。し
かしながら、上記パンチング加工亜鉛箔あるいはエキス
パンデッド加工亜鉛箔等を用いた場合、開孔が二次元的
であるため開孔率50%程度が限度であるとともに、孔
あけ加工を施すため、開孔部は切り落とされて材料ロス
が非常に大きくなり、また、板厚が薄くなるほど加工
費、材料費とも高くなり、かつ、孔あけ加工時に歪みや
バリが発生しやすくなるという問題があった。また、亜
鉛無垢箔および上記した従来の多孔質の金属シートを用
いた場合には、上記したリチウム二次電池の場合と同様
の問題があった。
【0014】また、従来、ニッケル水素電池、ニッケル
カドミウム電池等のアルカリ二次電池の電極は、パンチ
ングメタル、金属メッシュ、エキスパンデッドメタル等
の集電体に、水素吸蔵合金粉末や水酸化ニッケル粉末等
の活物質に結着剤(バインダー)やカーボン等の導電剤
を混合したペースト状の活物質スラリーを塗着している
が、上記結着剤(バインダー)によって電流の流れが妨
げられ、電極の厚み方向の集電性が悪くなる問題があっ
た。
【0015】本発明は上記した問題を解消し、金属粉末
から金属シートを製造する方法をさらに改良し、厚み、
空孔の大きさ、形状を任意に制御でき、かつ、接着剤を
不要として、簡単な工程で品質の優れた金属シートを電
池用電極の基板とした電池用電極の製造方法および該方
法により製造された電池用電極を提供することを課題と
している。さらに、結着剤(バインダー)を添加してい
ない粉末からなる活物質を金属シートに充填可能として
集電性に優れた電池用電極を提供することを課題として
いる。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、連続的に回転する一対の圧延ローラを設
け、これら一対の圧延ローラの表面に、金属粉末を散布
して圧延ローラの間を通し、該金属粉末を上記一対の圧
延ローラにより所要圧力で押圧して圧延し、隣接する金
属粉末同士の接触面積を制御して圧延される金属粉末同
士の間に微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔とし
て多孔性シートとし金属シートとし、該金属シートを焼
結炉に通して焼結し、その後、該金属シートを連続して
搬送し、上方に配置したホッパより活物質が供給される
一対のローラの間を通し、金属シートの空孔に活物質を
充填していると共に少なくとも一面に所要厚さの活物質
層を設けている電池用電極の製造方法を提供している。
【0017】上記のように、圧延ローラによる圧下力を
小さくして、該圧延ローラにより圧延される金属粉末同
士の間に微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔とし
て多孔性シートとしている。
【0018】即ち、圧延ローラによる金属粉末の圧下率
を小さくすると、散布された金属粉末の間に微小な透き
間を残すことができ、この金属粉末間の微細な隙間を無
数に有する金属多孔性シートを得ることができる。な
お、圧延ローラによる圧下率を大きくすると孔のない無
垢状の金属シートを連続的に得ることができる。
【0019】上記孔の大きさは金属粉末の大きさに応じ
た大きさとなり、金属粉末の粒径が大きいと、空孔が大
きくなり、粒径が小さいと小さくなる。この金属粉末と
しては0.lμm〜100μmが好適に用いられる。
【0020】使用する金属は特に限定されないが、N
i,Cu,A1,Ag,Fe,Zn,In,Ti,P
b,V,Cr,Co,Sn,Au,Sb,C,Ca,M
o,P,W,Rh,Mn,B,Si,Ge,Se,L
a,Ga,Ir、これらの金属の酸化物および硫化物、
これら金属の化合物を含む単体あるいは混合物が好適に
用いられる。即ち、電気メッキでは用いることが出来な
いAl,Ti,V等も用いることが出来る。かつ、一種
類の金属粉末、あるいは複数種類の金属粉末を混合して
用いることが出来る。また、これら金属粉末は相互に絡
み付かず分散性が良いことが望ましいため、外面に相互
に絡み合う凹部と凸部とを有しない形状、例えば、球
状、サイコロ状、四角柱状、円柱状等が好ましい。
【0021】連続的に回転する一対の圧延ローラは、少
なくとも一方の表面に、軸線方向の両側と中央部との間
に段差をつけて凹部を設け、これら一対の圧延ローラの
表面に、金属粉末を散布して圧延ローラの間を通し、段
差のある中央部に金属粉末を集め、該金属粉末を上記一
対の圧延ローラにより所要圧力で押圧して圧延してい
る。
【0022】例えば、一対の圧延ローラのうち、一方の
圧延ローラの中央部に凹部を設けると共に、他方の圧延
ローラは平ローラとしている。この場合、上記一方のロ
ーラの中央凹部に金属粉末を溜め、両側の凸部に散布さ
れた金属粉末は吸引等で除去し、上記凹部に溜めた金属
粉末を他方の平ローラにより所要圧力で圧延している。
あるいは、一方の圧延ローラの中央部に凹部を設けると
共に他方の圧延ローラの中央部に上記凹部に挿入する凸
部を設けている。この場合、上記一方の凹部に溜めた金
属粉末を他方のローラの凸部で圧延している。
【0023】上記一対のローラの間で金属粉末を圧延す
る場合、金属粉末と共に昇華性微小物を上記圧延ローラ
の表面に散布して圧延ローラで圧延し、金属シート状と
した後に、脱煤・焼結炉に通して上記昇華性微小物を焼
き飛ばし、該昇華性微小物が焼き飛ばされた後に形成さ
れる空孔を有する多孔性シートとしてもよい。
【0024】上記のように昇華性微小物を金属粉末と混
合すると、昇華性微小物の大きさに応じた比較的大きな
空孔を、金属粉末間の隙間からなる微小な空孔と共に有
する金属多孔性シートを形成することができる。
【0025】さらに、圧延ローラにより微小な空孔を有
する金属多孔性シートとした後に、前記した金属多孔性
シートからなる支持シート上に移送して、支持シートと
共に焼結炉に通して焼結すると、種々の形態の金属多孔
性シートと積層した一体構造の金属多孔性シートを得る
ことができる。
【0026】以上いずれの場合も、上記焼結炉を通した
後に、連続して冷却炉に通している。さらに、圧延、焼
結および冷却を複数回繰り返してもよい。即ち、焼結し
て形成した金属シートは電極基板として使用することが
出来るが、所望の強度が得られない場合は、再度、圧延
して金属粉末の結合部を増加させることが好ましい。な
お、一度に大きな力で圧延すると金属シートが蛇行した
り、亀裂が入る恐れがあるため、小さい圧下率で複数回
圧延を行うことが好ましい。
【0027】上記焼結により形成される金属シートの表
面に再度、金属粉末を散布して、圧延した後に焼結して
もよい。これにより、所要の厚さまで金属シートの厚さ
を増加させて、引張強度を高めることができる。
【0028】さらに、上記記載の方法により製造された
金属シートに、針を突き刺してバリつき孔を形成してい
る。この方法では、上記連続して搬送する金属シートを
一対の針付きローラの間を通して上記バリつき孔を形成
することが好ましい。
【0029】なお、上記記載の方法により金属シートを
形成した後、一旦、コイル状に巻き取り、その後、コイ
ルより巻き出しながら金属シートを搬送して針でバリつ
き孔をあけてもよいし、コイルに巻き取らずに、連続的
に搬送して針でバリつき孔をあけてもよい。
【0030】上記針付きローラに代えて、針を突設した
プレス板を搬送する金属シートに対して近接離反させ
て、バリ付きの孔(即ち、針であけた孔の周囲にバリが
発生している孔)を形成していもよい。このように、バ
リ付きの孔を形成すると、活物質の保持力をバリで増強
させることができる。
【0031】上記金属シートは、空孔が設けられていな
いリード部を一定間隔をあけて備えている構成とするこ
とが好ましい。よって、該金属シートから構成される電
池用電極では幅方向の一端に長さ方向に連続して空孔が
無く且つ活物質が充填されていない無垢状の金属からな
るリード部が設けられる。
【0032】上記活物質としては、亜鉛・鉛・鉄・カド
ミウム・アルミニウム・リチウム等の各種金属、水酸化
ニッケル・水酸化亜鉛・水酸化アルミニウム・水酸化鉄
等の金属水酸化物、コバルト酸リチウム・ニッケル酸リ
チウム・マンガン酸リチウム・バナジウム酸リチウム等
のリチウム複合酸化物、二酸化マンガン・二酸化鉛等の
金属酸化物、ポリアニリン・ポリアセン等の導電性高分
子、水素吸蔵合金、カーボン、その他、その種類は特に
限定されない。なお、通常、上記活物質を電池電極用基
板に充填する時、活物質にカーボン粉末等の導電剤や結
着剤(バインダー)を添加して充填しているが、本発明
では、活物質に結着剤を添加せずに用いている。
【0033】例えば、ニッケル水素電池の陰極の場合、
上記活物質として、水素吸蔵合金を主成分とした粉末を
用いている。この場合、結着剤(バインダー)を添加し
てもしなくてもよい。この水素吸蔵合金粉末を主成分と
する上記活物質は、水素吸蔵合金粉末単体、あるいは、
該水素吸蔵合金粉末に遷移金属を混合したものからな
る。
【0034】本発明の電極基板となる金属シートは多数
の空孔を備えているため、活物質、例えば、水素吸蔵合
金粉末を結着剤(バンダー)で結着することなく充填で
き、金属シートより脱落させることなく確実に保持でき
る。このように、結着剤(バインダー)を添加しないこ
とにより、飛躍的に電極の集電性を高めることができ
る。特に、金属シートに針を突き刺してバリ付き孔を設
けた場合には、金属シートの両側表面は水素吸蔵合金粉
末をバリで保持することができ、保持力の強い電極を提
供することができる。
【0035】上記活物質層の表面を部分的あるいは全体
的に、遷移金属を被覆してもよい。例えば、ニッケル水
素電池に用いる水素吸蔵合金電極の場合、水素吸蔵合金
層の表面をNi粉末および/またはCu粉末などからな
る遷移金属で被覆している。このように遷移金属で被覆
すると、遷移金属により活物質層、例えば、水素吸蔵合
金層の粉末の保持力を増強させることができる。
【0036】上記のように、本発明の電極は、前記方法
により連続的に形成される金属シートに、さらに、その
下流側に連続させて、あるいは、一旦コイルに巻き取っ
た後に、該コイルより巻き出して連続搬送し、活物質を
金属シートに連続的に供給して、所要圧力で加圧して、
上記金属シートの空孔に上記活物質を充填すると共に、
該金属シートの少なくとも片面に上記活物質層を所要厚
さで設けて製造している。即ち、金属粉末から電池電極
用基板となる金属シートを形成する連続工程に続いて、
活物質の粉末を金属シートに所要圧力で供給することに
より、電極を製造すると、非常に効率よく電池用電極を
製造することができる。
【0037】さらに、本発明は、上記電池用電極を備え
ている電池を提供している。該電池としては、ニッケル
水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム一次電
池、リチウム二次電池、アルカリ乾電池、燃料電池、自
動車用バッテリーなど各種の電池を対象とすることがで
きる。
【0038】
【発明の実施形態】以下、本発明を図面に示す実施形態
により詳細に説明する。
【0039】図1は本発明の第1実施形態の前工程の装
置を示し、圧延ローラ150に金属粉末Pをホッパ3か
ら直接的に散布し、該圧延ローラ150の一対のローラ
150Aと150Bとの回転により最小間隙部分Xでロ
ーラ表面に散布された金属粉末Pを所要の圧下率で圧延
して、金属粉末Pの間に微小な隙間を設けて、該隙間を
空孔としている。
【0040】即ち、本実施形態では、一対のローラ15
0Aと150Bとからなる圧延ローラ150を、循環駆
動装置1の上方に圧延ローラ150を配置し、該圧延ロ
ーラ150の上方にホッパ3を配置して、該ホッパ3か
ら一方のローラ150Aの上面に金属粉末Pを連続的に
散布している。これら金属粉末Pとしては、0.1μm
〜100μmで、球状、フレーク状、スパイク状等の適
宜な形状をしたものが好適に用いられる。
【0041】上記圧延ローラ3の下方に循環駆動装置1
を配置し、圧延ローラ150から引き出されてくる金属
シート10’を循環駆動装置1の搬送ベルト2上に移し
かえ、該搬送ベルト2と共に焼結炉4および冷却炉5に
通し、その後、搬送ベルト2と分離して、スキンパスロ
ーラ13を通してコイル14として巻き取っている。
【0042】このように、圧延ローラ150の表面に金
属粉末Pを直接的に散布すると、該圧延ローラ150の
ローラ150Aと150Bとにより金属粉末Pが圧延さ
れて金属シート10’として圧延ローラ150より引き
出されてくるため、搬送ベルトあるいは支持シートが無
くても移送することができる。
【0043】上記図1に示す実施形態では、圧延ローラ
150の一対のローラはいずれも表面が平滑な平ローラ
を用いているが、図2(A)(B)および図3(A)
(B)に示すように、金属粉末Pが散布される一対の圧
延ローラの少なくとも一方の表面に、軸線方向の両側と
中央部との間に段差を設け、段差のある中央部に金属粉
末を集め、該金属粉末を上記一対の圧延ローラにより所
要圧力で押圧する構成としてもよい。
【0044】上記のように圧延ロール150を通すこと
により、搬送ベルト2の上面に配置された金属シート状
となり、ついで、この金属シートを搬送ベルト2と共に
焼結炉4に挿入して、所要温度で加熱して焼結する。該
焼結により、上記金属粉末P同士の固着部分が融着して
結合して金属シート10となる。かつ、圧延時に金属粉
末同士の隙間からなる空孔が残存している場合には、焼
結により結合した金属粉末Pの間に空孔が存在し、微細
な多孔構造を形成し、金属シート10が連続的に形成さ
れる。このように、焼結炉4で焼結して金属シート10
とした後、冷却炉5に通して所要温度で冷却する。
【0045】上記した冷却炉5を通過したのち、搬送ベ
ルト2の表面より金属シート10を剥がして分離し、ス
キンパスローラ13を通して調質圧延を行ったのち、コ
イル14として巻き取っている。
【0046】即ち、図2(A)に示す圧延ローラ150
では、一対の圧延ローラのうち、一方の圧延ローラ15
0Aの中央部に凹部150aを設けると共に、他方の圧
延ローラ150Bは平ローラとしている。この場合、上
記ローラ150Aの中央凹部150aに金属粉末Pが溜
められ、両側の凸部150bに散布された金属粉末Pを
吸引等で除去している。凹部150aに溜めた金属粉末
Pは他方の平ローラ150Bとの接合部位において所要
圧力で圧延される。該構成とすると、凹部150aの深
さおよび金属粉末Pの散布量を制御することにより、圧
延ローラ150による圧下率を容易に制御することがで
きる。さらに、圧延されて形成される金属シートの幅を
容易に制御できる。
【0047】また、図2(B)に示す圧延ローラ150
では、一方の圧延ローラ150Aの中央部に凹部150
aを設けると共に他方の圧延ローラ150Bの中央部に
上記凹部に挿入する凸部150cを設けている。この場
合、上記凹部150aに溜めた金属粉末Pが他方のロー
ラの凸部150cで圧延される。この場合も、凹部15
0aと凸部150cとの嵌合条件の設定により金属粉末
の圧下率を容易に制御できると共に、圧延で形成される
金属シートの幅を容易に制御できる。
【0048】また、図3(A)に示す圧延ローラ150
では、一方の圧延ローラ150Aの中央部に凸部150
dを設けると共に、他方の圧延ローラ150Bは平ロー
ラとし、上記凸部150dの表面に散布した金属粉末P
を他方の平ローラ150Bで圧延している。該構成とす
ると、圧延ローラ150Aの表面に金属粉末Pを散布し
た時、凸部150dの両側の下方段部150eには金属
粉末Pが落下するため、該金属粉末Pを吸引除去しなく
てもよく、凸部150dの表面の金属粉末Pのみが圧延
できる。
【0049】図3(B)に示す圧延ローラ150では、
一方の圧延ローラ150Aの中央部に設けた凸部150
dの表面の金属粉末を、他方の圧延ローラ150Bの中
央部に設けた凹部150fに嵌合して、上記金属粉末を
圧延している。
【0050】図4は変形例を示し、金属粉末Pと昇華性
微小物50をホッパ52に投入して撹拌機53で撹拌し
た後、ホッパ52より圧延ローラ150に直接散布して
いる。この場合、昇華性微小物50を含んだ状態で圧延
ローラ150により金属シート状とされ、その後、下方
に配置した循環駆動装置1の搬送ベルト2上に移送し
て、搬送ベルト2と共に脱煤炉23に通して昇華性微小
物50を焼き飛ばし、比較的大きな三次元状の空孔を形
成している。その後、焼結炉4、冷却炉5を通した後、
搬送ベルト2から分離し、スキンパスローラ13を通し
てコイル14として巻き取っている。
【0051】上記昇華性微小物は、例えば、加熱により
焼き飛ばされる樹脂製の球状体(所謂ビーズ状のも
の)、立方体、直方体、あるいは超微粒粉などが用いら
れ、また、加熱により分解してガスを発生する発泡剤の
ようなものを用いた場合、発生したガスによって、貫通
穴が得られる。即ち、図5(A)に示すように、比較的
大きな昇華性微小物50を混合しておくと、加熱により
ガスが発生して(図5(B))、昇華性微小物50の存
在した部分が上下両面に連通して貫通穴C4となる(図
5(C))。よって、比較的大きな貫通穴からなる空孔
と微細な空孔を有する金属シートが得られる。
【0052】このように、金属粉末Pと昇華性微小物5
0とを混合して、循環駆動装置1の搬送ベルト2の上面
に散布した後、圧延ローラ15を通して所要の圧下率で
圧延した後、脱煤炉23、焼結炉4に搬入して加熱する
と、昇華性微小物50が昇華して、図6に示すように、
昇華性微小物50が存在した部分が空孔C3となる。即
ち、隣接する金属粉末Pの間の微小な空孔C1と昇華性
微小物50が存在していた部分に形成される比較的大き
な空孔C3とが存在した金属シート10”を形成してい
る。この空孔C3は、貫通穴に限られず、厚さ方向にラ
ンダムに存在する空孔となる。
【0053】上記昇華性微小物50の大きさを変えるこ
とにより、任意の大きさの空孔C3を形成でき、かつ、
大きさ及び形状の相違する昇華性微小物50を混合する
と、任意の大きさ及び形状の空孔C3を容易に形成する
ことができる。
【0054】
【実験例1】電解Cu粉末(平均粒径15〜60μm)
80重量部と樹脂製の昇華性微小物(粒径15〜20
μ)20重量部を混合して、圧延ローラ150の表面に
直接散布し、荷重8トンにて圧延して金属シート状とし
た。これを搬送ベルト2上に移送して、脱煤炉23内に
おいて大気雰囲気中500℃で脱煤して、昇華性微小物
を除去した。その後、焼結炉4内で非酸化雰囲気中で9
50℃で30秒間焼結した。ついで、冷却炉5で冷却し
た後、搬送ベルト2から剥がし、スキンパスローラ13
で荷重8トンで調質圧延を行ってコイルとして巻き取っ
た。製造された金属シートは、板厚が17μm 空孔率
が24.1% 目付量が115g/m2で、引張力が
1.67kgf/20mmであった。
【0055】図7は第3実施形態を示し、スキンパスロ
ーラ13を通す前に、前工程で製造された金属シート1
0をリード部付与ローラ70Aと70Bの間に通してい
る。これらリード部付与ローラ70Aと70Bとには、
長さ方向の両端および中央部に所定間隔をあけて、かつ
上下対向させた位置に凸部71を設けている。よって、
このリード部付与ローラ70Aと70Bの間を通した金
属シート10は、凸部71により上下両面より押圧され
る部分は、微細な空孔がつぶれて金属無垢状となる。こ
の金属無垢部がリード部72となり、電池電極用基板と
して金属シート10が用いられた場合に、集電機能を果
たすリード部となる。
【0056】図8および図9は第1実施形態の後工程を
示す。即ち、上記した方法で形成してコイルに巻き取っ
た金属シート10を、コイル14より巻き出して連続し
て搬送し、針付きローラ100A、100Bの間を通し
て搬送して、針101で両側よりバリ付き孔を金属シー
ト10にあけ、その後、さらに連続して搬送して、活物
質、例えば、水素吸蔵合金粉末を主成分とする活物質を
供給して、連続的に電極を形成している。なお、図8の
金属シート10の製造方法は一対の圧延ローラの表面に
直接金属粉末を塗布する代わりに、搬送ベルト上に金属
粉末を散布し、搬送ベルトを圧延ローラ間に通して金属
シート10を製造しているが、前記図1の方法を用いて
も良いことは言うまでもない。
【0057】即ち、図8に示すように、図1と同様な工
程で、そのスキンパスローラ13を通して調質圧延を行
って金属シート10を作成し、一旦コイル14として巻
き取っている。このコイル14より巻き出した金属シー
ト10を連続的に搬送して垂直方向へと案内し、針付き
ローラ100A、100Bの間を通して搬送して、針1
01で両側よりバリ付き孔110を金属シート10にあ
けている。その後、金属シート10の両側のローラ80
Aと80Bの上方に配置したホッパー81より、その内
部に貯溜している活物質の粉末(例えば、水素吸蔵合金
粉末とNi粉末との混合粉末)82を金属シート10の
両側とローラ80Aと80Bの間に供給している。
【0058】上記供給された混合粉末82はローラ80
Aと80Bによる押圧力で、金属シート10のバリ付き
孔110に充填されると共に、金属シート10の両面に
バリ111で保持され、所要厚さの活物質層(例えば、
水素吸蔵合金層)85A、85Bを形成する。
【0059】ついで、焼結炉86を挿通させ、非酸化雰
囲気内で焼結し、その後、冷却炉87に通して冷却す
る。最後にスキンパスローラ88を通して所要荷重で調
質圧延する。このようにして形成した図9に示す電極
(例えば、水素吸蔵合金電極)90を連続的にコイル9
1として巻き取っている。
【0060】
【実験例2】スキンパスローラ13で圧延して形成され
たNi金属シート10は、板厚25μm、幅100mm
である。該金属シート10を、針付きローラ100A、
100Bの針101の太さを直径0.7mmとし、0.
2mmピッチで孔をあけ0.6mmの高さのバリを設け
た。針を突き刺してバリつき孔を設けた状態で金属シー
ト10の開孔率は54.8%(平面)であった。該金属
シート10に供給する混合粉末82は、球状で粒径が6
0〜80μmのAB5型の水素吸蔵合金粉末を18重量
部、平均粒径2.5μmのNi粉末を2重量部を混合し
た。該混合粉末を金属シート10の両面に片面づつ90
0g/m2(90g/m)となるように供給し、150
mmφのローラ80A、80Bで荷重5トンで加圧し、
ラインスピード1m/minとして、圧延を行った。そ
の後、焼結炉86で非酸化雰囲気中で950℃で2分間
焼結し、最後にスキンパスローラ88で荷重5トンで調
質圧延し、板厚0.3mmの水素吸蔵合金電極90を作
成した。
【0061】製造された水素吸蔵合金電極90は、供給
する水素吸蔵合金粉末とNi粉末との混合粉末に結着剤
(バインダー)を添加していなかったが、金属シートに
はバリつき孔110が0.2mmピッチで微細に設けら
れていると共に、該バリつき孔110には0.6mmの
高さのバリ111が両側面に突出しているため、上記混
合粉末がしっかりと金属シート10に保持されていた。
【0062】上記のように製造した水素吸蔵合金電極9
0は結着剤(バインダー)を添加していないため、結着
剤(バインダー)により電流の流れを阻害されず、ま
た、従来導電剤として用いられているカーボンに代えて
Ni粉末を添加しているため、集電性の高い電極となっ
ていた。
【0063】図10および図11は後工程の変形例を示
す。該変形例では大きな空孔C2と微細な空孔C1とを
有する金属シート10’に、連続して水素吸蔵合金粉末
とNi粉末とを混合した活物質を供給して、連続的に水
素吸蔵合金電極を形成している。
【0064】即ち、図10に示すように、スキンパスロ
ーラ13を通して調質圧延を行って金属シート10’を
作成した後、コイルに巻き取らずに、該金属シート1
0’を連続的に搬送して垂直方向へ案内し、金属シート
10’の両側のローラ80Aと80Bの上方に配置した
ホッパー81より、その内部に貯溜している水素吸蔵合
金粉末とNi粉末との混合粉末82を金属シート10’
の両側とローラ80Aと80Bの間に供給する。この供
給された混合粉末82はローラ80Aと80Bによる押
圧力で、金属シート10’の空孔C1,C2に充填され
ると共に、金属シート10’の両面に固着され、所要厚
さの水素吸蔵合金層85A、85Bを形成する。つい
で、焼結炉86を挿通させ、非酸化雰囲気内で焼結し、
その後、冷却炉87に通して冷却する。最後にスキンパ
スローラ88を通して所要荷重で調質圧延する。このよ
うにして形成した水素吸蔵合金電極90を連続的にコイ
ル91として巻き取っている。
【0065】
【実験例3】スキンパスローラ13で圧延して形成され
Ni金属シート10’は、大きな空孔C2の孔径1.8
mm、空孔率47.0%、板厚25μmである。該金属
シート10’に供給する混合粉末82は、60〜80μ
mのAB2型の水素吸蔵合金粉末を18重量部、平均粒
径2.5μmのNi粉末を2重量部を混合した。該混合
粉末を金属シート10’の両面に片面づつ540g/m
2となるように供給し、150mmφのローラ80A、
80Bで荷重5トンで加圧し、ラインスピード1m/m
inとして、圧延を行った。その後、焼結炉86で非酸
化雰囲気中で950℃で2分間焼結し、最後にスキンパ
スローラ88で荷重5トンで圧延し、板厚0.18mm
の水素吸蔵合金電極90を作成した。
【0066】上記のように製造した水素吸蔵合金電極9
0は結着剤(バインダー)を添加していないため、結着
剤(バインダー)により電流の流れを阻害されず、ま
た、従来導電剤として用いられているカーボンに代えて
Ni粉末を添加しているため、集電性の高い電極とな
る。
【0067】上記金属シートの製造後、水素吸蔵合金電
極等の電極を連続的に製造する方法は、上記方法に限定
されない。即ち、金属粉末を圧延して形成した金属シー
トをコイルとして巻き取り、該コイルより巻き戻して金
属シートを搬送して活物質を充填することにより、ある
いは、コイルに巻かずに連続的に搬送して活物質を充填
することにより、電極を連続的に製造することができ
る。また、水素吸蔵合金粉末にNi粉末に代えて他の遷
移金属、例えば、Cu粉末を混合してもよいし、あるい
は、Ni粉末とCu粉末などの遷移金属の両方を水素吸
蔵合金粉末に混合してもよい。さらに、水素吸蔵合金粉
末のみを単体で用いてもよく、また、遷移金属も粉末形
状に限定されない。
【0068】例えば、前記した昇華性微小物を混合粉末
と混合して供給し、その後、昇華性微小物を焼き飛ばし
て空孔を設けた金属シート10”に対して、水素吸蔵合
金粉末を供給して水素吸蔵合金電極を連続して製造する
ことができる。
【0069】上記のように作成した水素吸蔵合金電極
は、 金属シートに昇華性微小物による空孔と、 金属粉末
間の微細な空孔を有しているため、これら空孔に水素吸
蔵合金粉末が充填され、かつ、金属シートの両側表面に
は水素吸蔵合金粉末層の厚さが薄いと共に、焼結および
スキンパスローラによる加圧で確実に固定されていた。
【0070】上記のように、金属シートに水素吸蔵合金
粉末を供給して、金属シートの空孔および両側表面に水
素吸蔵合金粉末を充填した後、図12に示すように、両
側の水素吸蔵合金層85A、85Bの表面にNi粉末等
の遷移金属粉末を供給して、遷移金属層95を形成して
もよい。このように、遷移金属層95を設けると、水素
吸蔵合金粉末の保持力を更に高めることができる。
【0071】また、水素吸蔵合金層85A、85Bの表
面に供給する金属は、Ni粉末にかぎらず、Cu粉末等
の遷移金属あるいはNi粉末とCu粉末等の遷移金属の
混合粉末でもよい。さらに、水素吸蔵合金層は多孔状の
金属シートの両面でなく、片面にだけ設けてもよい。
【0072】
【実験例4】前記実験例1で得られた多孔状のCu金属
シート(板厚17μm、空孔率24.1%)を連続的に
搬送し、その両面に、メソフェーズ黒鉛100重量部と
スチレンブタジエンゴム5重量部の混合物をカルボキシ
メチルメルロース水溶液に懸濁させたペースト状活物質
を塗着し、乾燥、圧延して、板厚0.2mmの電極を形
成した。
【0073】上記実験例4に記載したように、水素吸蔵
合金電極のみならず、リチウム二次電池の負極用として
用いられる電極も、電極基板となる金属多孔性シートを
形成した後に、一旦コイルに巻き取った後に巻き戻して
連続して、あるいはコイルとして巻き取らずに、多孔状
の金属シートを連続搬送して活物質を供給して電極を作
成することもできる。
【0074】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、金属粉末を一対の圧延ローラ上に密に直接散
布し、この状態で、金属粉末を圧延ローラにより所要の
荷重で圧延して、隣接する金属粉末の間に微小な空孔を
残し、この状態で焼結炉に通して焼結するため、上記圧
延ローラにより固着された部分が融着により結合され、
固着されておらずに隙間があった部分は微細な空孔とし
てのこる。よって、微細な空孔を多数有する金属シート
を連続的に形成することができる。勿論、圧延ローラに
よる荷重を大として微細な空孔を有しない無垢状の金属
シートも容易に得ることが出来る。
【0075】さらに、圧延ローラの表面に金属粉末ある
いは、金属粉末と昇華性微小物とを散布しても、圧延ロ
ーラの回転により上記金属粉末、あるいは混合物が所要
の圧下率で圧延でき、所要の微細な空孔を有する金属シ
ートを形成することができる。また、昇華性微小物を混
合する場合には、その後、脱煤すると昇華性微小物が焼
き飛ばされて、その後に空孔を形成できる。よって、容
易に任意な形状および大きな空孔を有する電極用基板と
なる金属シートを製造することができる。
【0076】上記したように、微細な空孔、貫通した空
孔、三次元状の空孔を、単独で、あるいは、組み合わせ
て形成できるため、電池の種類に対応した好適な金属シ
ートからなる電極基板を提供することができる。即ち、
ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム
一次電池、リチウム二次電池、アルカリ乾電池、燃料電
池、自動車用バッテリー等の電極基板として好適に用い
ることが出来る。
【0077】また、金属粉末より金属性シートを連続的
に製造した後、該金属シートに水素吸蔵合金粉末等の活
物質の粉末を供給することにより、水素吸蔵合金電極等
の電池用電極を連続的に製造することができる。このよ
うに、金属シートの製造と該金属シートを基板とした電
極を一貫的に製造できるため、電極の生産性を飛躍的に
高めることができる。
【0078】さらに、本発明の電池電極では、粉末から
なる活物質に結着剤(バインダー)を添加していないた
め、その分、活物質の量を増加させることができ、集電
性を向上させることができる。具体的には、従来添加し
ていた結着剤(バインダー)の量に相当して、活物質の
量を増加させることができ、該増加量は約7%程度であ
る。さらに、従来、導電材として用いていたカーボン等
の代わりにNi粉末やCu粉末等の遷移金属を添加する
と集電性をさらに高めることができ、電池性能を5〜1
0%向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の方法の前工程を実施
する装置の概略図である。
【図2】 (A)(B)はそれぞれ圧延ローラの変形例
を示す概略図である。
【図3】 (A)(B)はそれぞれ圧延ローラの変形例
を示す概略図である。
【図4】 第2実施形態の方法を実施する装置の概略図
である。
【図5】 (A)(B)(C)は第2実施形態の貫通孔
形成工程を示す概略断面図である。
【図6】 第2実施形態により得られた金属シートの断
面図である。
【図7】 第3実施形態の要部を示す概略図である。
【図8】 第1実施形態の後工程を示す概略図である。
【図9】 図8の装置で製造された電極の拡大断面図で
ある。
【図10】 後工程の変形例を示す概略図である。
【図11】 図10に示す装置で製造された電極の拡大
断面図である。
【図12】 図11の変形例を示す電極の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】 1 ベルトコンベヤ式の循環駆動装置 2 搬送ベルト 3 金属粉末貯留用のホッパ 4、7、11 焼結炉 5、8、12 冷却炉 10 金属シート 13 スキンパスローラ 150 圧延ローラ 50 昇華性微小物 70A、70B リード部付与ローラ 82 水素吸蔵合金粉末とNi粉末の混合粉末 90 水素吸蔵合金電極 P 金属粉末 C,C1,C2、C3 空孔
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図12】
【図8】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/64 B22F 5/00 K

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に回転する一対の圧延ローラを設
    け、これら一対の圧延ローラの表面に、金属粉末を散布
    して圧延ローラの間を通し、該金属粉末を上記一対の圧
    延ローラにより所要圧力で押圧して圧延し、隣接する金
    属粉末同士の接触面積を制御して圧延される金属粉末同
    士の間に微細な隙間を残し、この微細な隙間を空孔とし
    て多孔性の金属シートとし、該金属シートを焼結炉に通
    して焼結し、その後、該金属シートを連続して搬送し、
    上方に配置したホッパより活物質が供給される一対のロ
    ーラの間を通し、空孔に活物質を充填していると共に、
    金属シートの少なくとも一面に所要厚さの活物質層を設
    けている電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記金属粉末と共に加熱で焼き飛ばされ
    る昇華性微小物を圧延ローラに散布している請求項1に
    記載の電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼結により形成される金属シートの表面
    に再度、金属粉末を散布して、圧延した後に焼結してい
    る請求項1または請求項2に記載の電池用電極の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記金属シートを焼結後に、該金属シー
    トを一対の針つきローラの間をとおして、針を突き刺し
    てバリつき孔を形成し、その後、上記活物質供給ローラ
    の間を通している請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載の電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の方法で製造された電池用電極。
  6. 【請求項6】 空孔が設けられていないリード部を備え
    ている請求項5に記載の電池用電極。
  7. 【請求項7】 活物質層は結着剤(バインダー)を添加
    していない請求項5または請求項6に記載の電池用電
    極。
  8. 【請求項8】 上記活物質は水素吸蔵合金粉末を主成分
    とする請求項7に記載の電池用電極。
  9. 【請求項9】 上記活物質は、水素吸蔵合金粉末単体、
    あるいは、該水素吸蔵合金粉末に遷移金属を混合したも
    のからなる請求項8に記載の電池用電極。
  10. 【請求項10】 上記活物質層の表面を部分的あるいは
    全体的に、遷移金属を被覆している請求項7乃至請求項
    9のいずれか1項に記載の電池用電極。
  11. 【請求項11】 請求項5乃至請求項10のいずれか1
    項に記載の電池用電極を備えている電池。
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