JPH10134444A - 光情報記録再生装置および光磁気記録媒体 - Google Patents

光情報記録再生装置および光磁気記録媒体

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JPH10134444A
JPH10134444A JP28443696A JP28443696A JPH10134444A JP H10134444 A JPH10134444 A JP H10134444A JP 28443696 A JP28443696 A JP 28443696A JP 28443696 A JP28443696 A JP 28443696A JP H10134444 A JPH10134444 A JP H10134444A
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magneto
optical
signal
groove
land
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Hideo Hayashida
英夫 林田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光磁気記録媒体のランドおよび、またはグル
ーブ記録において再生時に最適な位相条件を設定するこ
とにより、高品質の光磁気信号を得る。 【解決手段】 波長板の傾き角を調整することにより、
ランドあるいはグルーブに対して最適な位相補償量をあ
たえる。また、波長板の傾きが可変で位相補償するため
に、光磁気信号の直流成分を調整信号として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体の
ランドおよび、またはグルーブに情報を記録し、再生す
るための光情報記録再生装置が、光磁気信号検出光学系
に位相補償手段を有し、前記位相補償手段が供する位相
補償量が前記ランド再生時と前記グルーブ再生時では互
いに異なるようにした光情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光記録媒体は、音声信号や画像信
号を再生できる記録媒体として広く使われている。特
に、光磁気記録媒体や相変化記録媒体は、書き換え可能
な高密度記録媒体として、各所で研究開発がなされてい
る。
【0003】螺旋状あるいは同心円状に情報を記録する
光記録媒体の記録密度を向上させるためには、トラック
ピッチの短縮と線記録密度の向上という二つの手法が考
えられる。いずれの場合も、記録再生に使用する半導体
レーザーの短波長化によって実現できるが、緑あるいは
青色といった短波長の半導体レーザーが室温で安定に長
時間連続発振し、安価に市場に出回るには今しばらく時
間がかかりそうである。そのような状況の中で、光磁気
記録媒体においてMSR(磁気超解像)のように現行波
長のレーザーを用いたままで記録密度を大幅に改善でき
る方法が模索されている。
【0004】光磁気記録媒体のようなRAM媒体では情
報の書き込み時と読み出し時で同じ波長の光を用いるの
に対して、予め情報が記録されているROM媒体では、
短波長のガスレーザー等を用いて位相ピットが形成され
ている。ROM媒体からすれば、ROM体は再生条件は
同じであるものの、言わば未来に使用可能な光源を用い
て記録しているようなものであり、情報を高密度に記録
するという点でROM媒体は不利である。このため、次
世代の家庭向け映像記録媒体として注目されているDV
D規格において、未だRAM媒体の記録容量を同じ媒体
サイズのRAM媒体でサポートできるような提案が出さ
れていない状況である。
【0005】ランドおよびグルーブ記録は、同じ線記録
密度で同じトラックピッチであれば、単純に記録密度を
2倍にできるため、高密度記録媒体を開発する上で極め
て重要な方法である。光磁気記録媒体においては先に述
べたMSRは線記録密度のみならずトラック間クロスト
ークを低減できることが報告されており、ランドおよび
グルーブ記録への適用可能性が各所で検討されている。
しかしながら、磁気超解像を発現させる条件、例えば再
生レーザーパワーが線速度に依存したり、再生磁場が必
要な場合や、磁性層が少なくとも3層程度必要な場合な
ど極めて複雑であり、安定性にも不安があり、高コスト
になりやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】トラックピッチを狭め
ていくことによって再生時には隣接する領域のデータ信
号が出力信号に混在してくるクロストークが問題とな
る。従来のランド記録またはグルーブ記録においては、
ランド間またはグルーブ間にそれぞれグルーブまたはラ
ンドが存在し、情報が書き込まれている領域間に隔たり
があるため、クロストークは抑えられている。しかし、
ランドおよびグルーブ記録においては、情報の記録領域
が隣接しているため、クロストークが再生特性に与える
影響は極めて大きい。特開平8−7357ではグルーブ
の深さを選ぶことによって、ランドあるいはグルーブか
らのクロストークを低減できるとしている。しかし、通
常の媒体ではグルーブ深さが約6分の1波長程度でクロ
ストークフリーになるため、光磁気記録媒体ではグルー
ブ深さが通常の8分の1波長の場合と比較すると信号の
キャリアレベルが低下する。また、トラック誤差信号と
なるプッシュプル信号も同じく低下する。また、上記ク
ロストークフリーの条件は、カー楕円率、対物レンズの
焦点誤差や球面収差などにより容易にくずれることがす
でに報告されている。
【0007】さらに、ランドまたはグルーブ記録におい
ても、トラックピッチがこれまで以上に狭くなるに従
い、隣接するグルーブまたはランドから反射される成分
が増加するために位相差が生じ、偏光状態が変化し最適
な信号を得ることが困難になる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため
に、第1発明は、光磁気記録媒体に光ビームを照射する
手段と、照射された光ビームの反射した光束を偏光検波
する手段と、前記偏光検波手段により分離された互いに
直交する電気ベクトルを有する光束の電気的差動信号で
ある直流の光磁気信号が供給される低域通過フィルタ
と、該低域通過フィルタを介して直流成分の変動を検出
して、前記位相補償量を調整するための誤差信号として
供給される、位相補償手段とを設けることを提案する。
【0009】第2発明は、ランドを再生する場合または
グルーブを再生する際に、前記誤差信号の極性が互いに
異なるように切換える手段を設けることを提案する。
【0010】第3発明は、前記光磁気記録媒体の内周部
および、または外周部に、ランドにのみ記録した領域と
グルーブにのみ記録した領域の少なくとも一方が設けら
れていることを提案する。
【0011】第4発明は、前記内周部および、または外
周部のランドにのみ記録される信号とグルーブにのみ記
録される信号の極性が光磁気記録媒体の消去状態とは逆
の信号極性を有する直流成分のみであることを提案す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、光学的記録再生装置の光
学系の構成略図である。波長680nmの半導体レーザ
ー1から放射されたレーザー光はコリメータレンズ2に
より平行光に変換され、Tp:Rp=80:20,T
s:Rs=2:98の偏光ビームスプリッター3を経
て、開口数0.55の対物レンズ4により、回折限界に
絞り込まれ光磁気記録媒体5に照射される。グルーブあ
るいはランドから反射された光束は再び対物レンズ4を
経て、偏光ビームスプリッター3により光束は振幅分割
され透過成分と反射面により反射される成分に分かれ
る。反射された成分は、さらにハーフミラー6により反
射光と透過光に振幅分割される。
【0013】ハーフミラー6により反射された光束はグ
ルーブあるいはランドに記録された光磁気信号の検出用
であり、ある光学的位相差を与え、位相補償するために
光束に対して傾いた2分の1波長板7を通過し、偏光ビ
ームスプリッター8により透過するP成分と反射される
S成分に分割される。P成分およびS成分それぞれ収束
レンズ9および11によりフォトディテクター10およ
び12に集束し、光電変換の後、差動アンプ19aによ
りグルーブあるいはランドに記録された光磁気信号を再
生する。
【0014】一方、ハーフミラー6を透過した光束は、
ランドあるいはグルーブに記録された光磁気信号の検出
用であり、グルーブの場合とは異なる光学的位相差を与
え、位相補償するために光束に対して傾いた2分の1波
長板13を通過する。ここで、2分の1波長板7あるい
は13に入射する光束の電気ベクトルが2分の1波長板
7あるいは13の結晶光軸となす角度は互いに異なる。
2分の1波長板13を通過した光束は偏光ビームスプリ
ッター14により透過するP成分と反射するS成分に分
割される。S成分およびP成分はそれぞれ収束レンズ1
5および17によりフォトディテクター16および18
に集束し、光電変換された後、差動アンプ19bによ
り、ランドあるいはグルーブに記録された光磁気信号を
再生する。
【0015】上述の装置はランドおよびグルーブに記録
し、再生する場合、それぞれのトラックを再生する位相
補償量は固定されている。複屈折および磁性膜によるカ
ー楕円率がいずれの光磁気記録媒体においてもほぼ一定
であれば、位相補償量を固定しても問題ない。
【0016】次に、本発明による位相補償量を電気的に
調整するための方法について説明する。図2に偏光ビー
ムスプリッター3に反射された後に通過する光磁気信号
検出光学系を示す。
【0017】図1に示した偏光ビームスプリッター3に
より反射された成分は、ある光学的位相差を与え、位相
補償するために光束に対して傾き可変の波長板20に入
射する。本発明では回動軸22を軸として光束を偏向す
る。ここで、波長板20の結晶光学軸21は、カー効果
がない場合に入射する光束の電気ベクトルの方向と平行
になっている。さらに、波長板20を透過した光束は2
分の1波長板23に入射する。波長板23の結晶光学軸
24は、カー効果がない場合に入射する光束の電気ベク
トルの方向に対して22.5度あるいは67.5度をな
すように配置されている。
【0018】さらに、2分の1波長板23を透過した光
束はウォランストンプリズム25により電気ベクトルが
互いに直交する成分に分割される。それぞれの成分は2
分割フォトディテクターに集束し、光電変換の後、差動
アンプによりランドあるいはグルーブに記録された光磁
気信号を再生する。ここで、波長板20が与える位相差
は光束が垂直に入射する場合、使用されているレーザー
波長の2分の1より小さい値に設定されている。しかし
波長板20の傾き角の変化により、光束が波長板20を
通過する距離が変化するため、位相差は2分の1波長以
下の値から2分の1波長以上の値まで変化する。すなわ
ち、必ず2分の1波長の位相差を含むように設定されて
いる。
【0019】図3はウォランストンプリズム25により
電気ベクトルが互いに直交する成分に分割された光束2
6および27の、波長板20の傾き角の変化に伴うフォ
トディテクター28上での光束の動きを示している。そ
れぞれの光束は暗線29により分割された専用のセグメ
ントにより光電変換される。
【0020】次に、図4に本発明の位相補償するための
動作原理を説明するためのブロックダイアグラムを示
す。ウォランストンプリズムにより電気ベクトルが互い
に直交する成分に分割された二つの光束は2分割フォト
ディテクター30により光電変換され、差動アンプ31
により差動出力され光磁気信号として検出される。一
方、位相調整するために、差動出力された信号を直流結
合の状態で低域通過フィルタ33を介し、さらに2分割
フォトディテクター30の和信号を加算アンプ32によ
り発生させ、その信号を基準としたオートゲインコント
ロール回路34により反射率変動等による不要の直流変
動を抑圧し、位相補償量に依存する差動出力の直流成分
の変動を検出する。
【0021】次に2分割フォトディテクター30に照射
される二つの光束の光強度の不均一およびアンプの利得
誤差を補正するために直流レベル調整回路35を用いて
オフセット調整を行う。オフセット調整は製造段階での
み必要でその後の調整は不要である。さらに、ランド再
生あるいはグルーブ再生に応じて位相補償用誤差信号の
極性を切り替える機能を有する負帰還サーボ回路36に
より、図2で示した傾き角可変の波長板20を駆動する
ための電流がボイスコイル37に供給され、波長板20
の反射角が変化し、波長板20に入射する光束の入射角
が変化することにより、位相補償が実現できる。結果的
に最適な位相補償が常に与えられ高品質の光磁気信号が
得られる。
【0022】上述の位相補償の原理についてさらに詳し
く説明するため、位相補償量を変化させた際のノイズレ
ベルとキャリアレベルの変化を測定した。以下すべての
位相補償量は波長板20が与える位相差において2分の
1波長をゼロとして測定している。測定には、グルーブ
の光学的深さがほぼ8分の1波長でランドとグルーブの
幅がほぼ0.7μmの光磁気記録媒体を用いた。ポリカ
ーボネイト基板に厚さ90nmのSiNをスパッタ法に
より成膜した。以下膜の形成はすべてスパッタ法であ
る。次に、記録層となる22nm厚のTbFeCoを成
膜し、さらに厚さ22nmのSiNを成膜し、反射膜と
なるAlを70nmの厚さに成膜した。さらに、保護コ
ートとしてUV樹脂を13μm程度スピンコートした。
記録線速度は4.5m/sでマーク長は0.65μmで
ある。記録方式は磁界変調方式で記録レーザーパワーは
5mW、再生レーザーパワーは1mWである。
【0023】図5に示すように予め記録媒体全面を消去
状態にした。ランド38およびグルーブ39に相当する
位置の磁性層40は同じ方向に消去されている。また、
グルーブの光学的深さはほぼ8分の1波長に設定されて
いる。
【0024】図6に示すグラフ中の実線はランドに記録
し、再生した場合で、点線はグルーブに記録し、再生し
た場合である。図6から明らかに、ノイズレベルが上昇
するとキャリアレベルは減少し、さらに位相補償量の変
化に対してランドとグルーブでは対称的な結果が得られ
た。また、ノイズレベル最小を与える位相補償量とキャ
リアレベル最大を与える位相補償量がランドの場合ある
いはグルーブにおいて各々一致している。
【0025】ここで、重要なことは位相補償量の変化に
よってノイズレベルの変化がなぜ起こるのかということ
である。磁気ドメインとしての記録ノイズが支配的であ
れば、位相補償量の変化に伴いキャリアレベルと同じ振
る舞いをするはずである。なぜなら、双方とも記録磁気
ドメインの形状およびカー回転角に起因するからであ
る。他のノイズで最も大きいのは基板の品質による振幅
変調ノイズである。振幅変調ノイズは、図4で示した差
動アンプ31に入力される二つの信号の不均衡により、
鋭敏に生ずる。すなわち、位相補償量に応じて差動出力
の直流成分がプラスあるいはマイナスに変動することに
なる。
【0026】差動出力の直流成分の位相補償量依存性を
図7に示す。位相補償ゼロではどちらもプラスを示し,
ランドとグルーブでは位相補償ゼロの軸に対して対称的
なカーブを示している。従って、位相補償する負帰還回
路において、誤差信号となる差動アンプ31の差動出力
の極性を負帰還サーボ回路36の切り替え機能を用いて
ランドの場合とグルーブの場合で反転させることによ
り、ランドあるいはグルーブ記録に適応できる。位相補
償量ゼロでプラスになるかマイナスになるかは初期のバ
ルクイレーズする際の外部磁界および差動アンプ31の
極性による。
【0027】上述の如く本発明の光情報記録再生装置を
用いることにより、ランドあるいはグルーブに記録し、
再生する場合に位相補償を施し、最小のノイズレベルと
最大のキャリアレベルを得ることができるため常に高品
質の光磁気信号を検出できる。今後さらに狭トラックピ
ッチ化が進むにつれ本発明の光情報記録再生装置は極め
て重要になる。
【0028】次に本発明の位相補償機能を有する光情報
記録再生装置を用いて、ランドおよびグルーブ記録し、
再生した場合について述べる。測定に用いた媒体は上述
の説明に用いた光磁気記録媒体である。記録面全面を消
去状態にした後、ランド部およびグルーブ部に光磁気信
号を記録する。本発明の実施例ではクロックに同期した
パルスデューティ比37%の光パルスを照射し、RLL
1−7コードに変調された交番磁界を印加するパルスア
シスト磁界変調方式を用いた。再生レーザーパワーは
1.0mWである。ランド部あるいはグルーブ部に2μ
mの磁気ドメインを記録し、記録されていないランド部
あるいはグルーブ部におけるキャリアレベルからランド
部あるいはグルーブ部に記録された信号を直接再生した
場合のキャリアレベルを引いた値をもってクロストーク
と定義した。
【0029】ここで、ランドおよびグルーブ記録では位
相補償調整の誤差信号がランドあるいはグルーブ記録の
場合に比べて減少する。なぜなら、ランドあるいはグル
ーブ記録の場合はグルーブあるいはランドが必ず消去状
態になっているため、位相補償量の変化に対して敏感に
偏光面が変化する。一方ランドおよびグルーブ記録では
隣接するランドとグルーブに信号が記録されるので、記
録前の消去状態が二つあることになり、誤差信号の極性
が変化してしまうからである。そこで、図8に示すよう
にランド38およびグルーブ39の各トラック幅よりも
狭い信号を記録すれば、初期の消去状態がランドとグル
ーブの境界付近に存在するので一方の極性を維持でき、
十分な信号振幅を有する誤差信号が得られる。
【0030】図9にクロストークの記録レーザーパワー
依存性の結果を示す。ランド部あるいはグルーブ部に記
録した信号によるクロストークはいずれの場合も広い記
録レーザーパワーにおいて−30dB以下を示してい
る。ここで、グルーブがほぼ8分の1波長の光学的深さ
を有する光磁気記録媒体で、ランドおよびグルーブ記録
し、再生する場合、クロストークが最小になる位相補償
量とキャリアレベルが最大になる位相補償量は一致す
る。すなわち、図6で説明したことを併せるとキャリア
レベル最大、ノイズレベル最小およびクロストーク最小
を与える位相補償量はランド再生あるいはグルーブ再生
においてそれぞれ一致する。
【0031】次に、図10に示した結果は、RLL1−
7コードで最短マーク長である2Tの長さが0.50μ
mで、線速4.5m/sで記録再生した場合のジッター
特性である。ランド部およびグルーブ部の双方に記録
(先にランドを記録)し、それぞれに記録した信号を再
生したところジッターは広いレーザーパワーにわたって
9%以下という大きなマージンを確保できていることが
分かる。ここで、ジッターとはウインド幅(時間)に対
する2T信号の標準偏差σ2Tの比率に100を乗じた
値であり、通常ジッターが12%以下であればデータ用
として十分使用できるレベルであると判断されている。
また、従来の光情報記録再生装置を用いた場合、ランド
部およびグルーブ部における信号再生において、それぞ
れについて位相補償を施さない場合は、いずれのレーザ
ーパワーにおいても10%以下のジッターを達成するこ
とは不可能であった。
【0032】ここで用いた光磁気記録媒体のグルーブの
光学的深さがほぼ8分の1波長であるため、再生トラッ
クにおけるキャリアレベル最大となる位相補償量と再生
トラックに隣接するトラックからのクロストークが最小
になる位相補償量は一致する。但し、ランドとグルーブ
では位相補償量は異なる。特に、基板の複屈折やカー楕
円が無視できる場合はランドとグルーブでの位相補償量
の絶対値は同じで極性が異なる。
【0033】以上述べたようにグルーブの光学的深さが
8分の1波長である場合、光磁気信号の直流成分の極性
を利用することにより、常にその直流成分がゼロになる
ように位相を補償すれば、ランドおよびグルーブ記録
し、再生する際のクロストークが最小で、ノイズレベル
が最小そしてキャリアレベル最大という最良の再生条件
を実現できる。また、現実の光磁気記録媒体はポリカー
ボネイト基板を用いている限り必ず複屈折およびカー楕
円に伴う位相変化が現われ、何かと問題になる。しか
し、本発明の位相補償機能を有する光磁気記録再生装置
を用いれば、ガラス基板と同様な取扱ができる。なぜな
ら、複屈折およびカー楕円の影響は位相補償量が全体と
してプラス側にシフトするかマイナス側にシフトするか
という極めて単純な形で現われるため、位相補償機能に
より個々の光磁気記録媒体に応じて自動的に位相補償量
を調整すればよいことになる。
【0034】図11は他の実施例を説明するための図で
ある。上述の光情報記録再生装置では位相補償するため
に図2で示したように傾き角可変の波長板20により位
相補償を行ったが、図11に示すように傾き角が可変で
ある波長板20の代わりに電気光学素子41用いること
により位相補償を実現する。図1に示した偏光ビームス
プリッター3により、光磁気信号検出光学系に導かれた
光束は、電場の作用により位相差を発生するKTPなど
の電気光学素子41に入射する。ここで、電気光学素子
41の結晶光学軸44はカー効果がない場合の入射光束
の電気ベクトルの方向に平行になるように配置されてい
る。
【0035】さらに、電気光学素子41を透過した光束
は2分の1波長板45に入射する。ここで、2分の1波
長板45の結晶光学軸はカー効果がない場合の入射光束
の電気ベクトルの方向に対して22.5度あるいは6
7.5度をなすように配置されている。さらに、2分の
1波長板45を透過した光束はウォランストンプリズム
47により互いに直交する電気ベクトルを有する二つの
光束に分離される。電場は結晶光学軸44に平行な方向
に印加される。電場を発生するための電圧はウォランス
トンプリズム47により分離された二つの光束から得ら
れる差動信号に基づく位相補償の誤差信号に従って、電
極42および43の電極間に供給される。このように電
気光学素子47を用いても、全く同様の位相補償機能が
得られ、ランドおよび、またはグルーブ記録において、
最良の再生条件を常に実現できる。
【0036】次に、光磁気記録媒体に関する発明の実施
例について説明する。光磁気記録媒体の基板の複屈折お
よび、あるいは磁性膜によるカー楕円の特性が媒体全面
においてほぼ均一であれば、ダイナミックな位相補償は
必要ない。すなわち、個々の光磁気記録媒体での各々の
特性が異なっていても、媒体全面でほぼ同一の特性であ
ればその光磁気記録媒体に必要な位相補償量を確定すれ
ばよいことになる。
【0037】そこで、図12に示すように本発明によれ
ばデータエリア50を挟んで外周部48と内周部49の
一部の領域にそれぞれランドのみ光磁気信号を記録した
複数のトラックとグルーブのみ光磁気信号を記録した複
数のトラックを設ける。もちろん、現実的には外周部1
5か内周部16のどちらか一方があれば十分である。
【0038】さらに、図13は各々に記録された光磁気
信号の様子を拡大して示してある。図中、黒の部分は上
向き磁化、白部分は下向き磁化を表す。図13aはラン
ド38のみにあるマーク長の光磁気信号を記録したトラ
ックとグルーブ39のみに同様の光磁気信号を記録した
トラックが、光磁気信号を記録していない一対のランド
とグルーブを隔てて配置されている。また、図13bで
はマークの代わりに直流成分だけの場合で、ランド38
およびグルーブ39にマークはなく、隣接するグルーブ
あるいはランドとは極性が異なる向きに磁化されてい
る。
【0039】図13で示すように予め内周および、また
は外周に光磁気信号を記録することにより、データ領域
に記録されたランドおよび、あるいはグルーブに記録さ
れた光磁気信号を再生する際の最適位相補償量を検出す
ることができる。なぜなら、外周部48および、あるい
は内周部49のランドおよび、あるいはグルーブを再生
し、例えば図2に示した波長板20を傾けるボイスコイ
ルに電流を流するわけであるが、位相補償用誤差信号が
ゼロになる時の電流値あるいは電圧値をランドおよび、
あるいはグルーブについてRAMに記憶しておけばよ
い。データエリアのランドおよび、またはグルーブを再
生する際に、RAMから電流値あるいは電圧値を引き出
し、その値に基づき駆動回路により電圧を発生させボイ
スコイルに電流を注入し、波長板20を最適な傾きに調
整できる。
【0040】もちろん、光磁気記録媒体として従来の磁
性膜例えばTbFeCoあるいは磁気超解像膜であるR
AD,FADあるいはCAD方式などのマルチレイヤの
磁性膜においても同様の効果が得られる。さらに、光強
度変調方式のLIM−DOW方式の光磁気記録媒体にお
いても最良の再生条件が得られる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の位
相補償機能を有する光情報記録再生装を用いれば、ラン
ドまたはグルーブ記録し、再生する場合、常にノイズレ
ベルを最小に、そしてキャリアレベルを最大に維持でき
る。また、特にグルーブの光学的深さがほぼ8分の1波
長であれば、ランドとグルーブのそれぞれに記録された
マークに対しても常に最良の条件で安定な再生が実現さ
れる。すなわち、隣接するランドあるいはグルーブから
のクロストークを最小、ノイズレベルを最小そしてキャ
リアレベルを最大にできる。今後、さらなる記録線密度
の向上および記録トラック密度の向上は避けられない状
況であり、最良の再生条件を与えることができる本発明
の光情報記録再生装置を用いることで、半導体レーザー
の波長の制約を大きく受けることなくジッターマージン
を大幅に改善でき、高密度記録において極めて多大な貢
献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光情報記録再生装置の構成を示す平面略図であ
る。
【図2】本発明の光情報記録再生装置における位相差を
与える原理を説明する斜視図である。
【図3】本発明の光情報記録再生装置に用いられている
光磁気信号検出用のフォトディテクターと光束の関係を
説明する平面略図である。
【図4】本発明の光情報記録再生装置における位相補償
を行うためのフィードバック回路の構成を示すブロック
図である。
【図5】光磁気記録媒体の消去状態を示す平面略図であ
る。
【図6】キャリアレベルとノイズレベルの位相補償量依
存性を測定した結果を示す図である。
【図7】光磁気信号である差動出力の直流成分の位相補
償量依存性を測定した結果を示す図である。
【図8】ランドおよびグルーブ記録における記録マーク
の幅を示す平面略図である。
【図9】本発明の光情報記録再生装置を用いてランドお
よびグルーブ記録におけるトラック間クロストークの記
録レーザーパワー依存性を調べた図である。
【図10】本発明の光情報記録再生装置を用いてランド
およびグルーブの双方に記録し、再生した場合における
ジッターの記録レーザーパワー依存性を調べた図であ
る。
【図11】本発明の光情報記録再生装置における位相差
を与える原理を説明する斜視図である。
【図12】光磁気記録媒体の外周部と内周部にランドあ
るいはグルーブのみに記録した領域を示す平面略図であ
る。
【図13】ランドあるいはグルーブにのみ記録した領域
の拡大図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザー 2 コリメーターレンズ 3 偏光ビームスプリッター 4 対物レンズ 5 光磁気記録媒体 6 ハーフミラー 7 2分の1波長板 8 偏光ビームスプリッター 9 収束レンズ 10 フォトデイテクター 11 収束レンズ 12 フォトデイテクター 13 2分の1波長板 14 偏光ビームスプリッター 15 収束レンズ 16 フォトデイテクター 17 収束レンズ 18 フォトデイテクター 19 差動アンプ 20 波長板 21 結晶光学軸 22 回動軸 23 2分の1波長板 24 結晶光学軸 25 ウォランストンプリズム 26、27 光束 28 2分割フォトディテクター 29 暗線 30 2分割フォトディテクター 31 差動アンプ 32 加算アンプ 33 低域通過フィルタ 34 オートゲインコントロール 35 直流レベル調整回路 36 負帰還サーボ回路 37 ボイスコイル 38 ランド 39 グルーブ 40 磁性層 41 電気光学素子 42、43 電極 44 結晶光学軸 45 2分の1波長板 46 結晶光学軸 47 ウォランストンプリズム 48 外周部 49 内周部 50 データエリア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気記録媒体のランドおよび、または
    グルーブに情報を記録し、再生するための光情報記録再
    生装置が、光磁気信号検出光学系に位相補償手段を有
    し、前記位相補償手段が供する位相補償量が前記ランド
    再生時と前記グルーブ再生時では互いに異なるようにし
    た光情報記録再生装置において、 光磁気記録媒体に光ビームを照射する手段と、照射され
    た光ビームの反射した光束を偏光検波する手段と、前記
    偏光検波する手段により分離された互いに直交する電気
    ベクトル光束の電気的差動信号である直流の光磁気信号
    が供給される低域通過フィルタと、該低域通過フィルタ
    を介して直流成分の変動を検出して、前記位相補償量を
    調整するための誤差信号として供給される、位相補償手
    段とを有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 ランドを再生する場合またはグルーブを
    再生する際に、前記誤差信号の極性が互いに異なるよう
    に切換える手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の光情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記光磁気記録媒体の内周部および、ま
    たは外周部に、ランドにのみ記録した領域とグルーブに
    のみ記録した領域の少なくとも一方が設けられているこ
    とを特徴とする光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記内周部および、または外周部のラン
    ドにのみ記録される信号とグルーブにのみ記録される信
    号の極性が光磁気記録媒体の消去状態とは逆の信号極性
    を有する直流成分のみであることを特徴とする請求項3
    記載の光磁気記録媒体。
JP28443696A 1996-10-25 1996-10-25 光情報記録再生装置および光磁気記録媒体 Pending JPH10134444A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6442123B1 (en) 1999-03-25 2002-08-27 Fujitsu Limited Optical information storage device capable of giving optimum phase compensations according to recording tracks in reproducing information
JP2007042202A (ja) * 2005-08-02 2007-02-15 Sharp Corp 光学ヘッドおよびディスク再生装置
CN100342431C (zh) * 2003-12-17 2007-10-10 索尼株式会社 激光噪声消除电路和光盘设备

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