JPH10133914A - 計算機システム及びデバイス入出力シミュレータ - Google Patents

計算機システム及びデバイス入出力シミュレータ

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JPH10133914A
JPH10133914A JP8291538A JP29153896A JPH10133914A JP H10133914 A JPH10133914 A JP H10133914A JP 8291538 A JP8291538 A JP 8291538A JP 29153896 A JP29153896 A JP 29153896A JP H10133914 A JPH10133914 A JP H10133914A
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JP
Japan
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input
output
simulation
driver
real
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JP8291538A
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English (en)
Inventor
Teru Hinonishi
輝 日之西
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応用ソフトの入出力処理の評価テストを行う
ことができる計算機システム及びデバイス入出力シミュ
レータを提供する。 【解決手段】 APからの入出力要求は、システムコー
ル層により入出力のパラメータがチェックされ、異常が
なければデバイスドライバ層3に送られる。デバイスド
ライバ層3では、送られてきたデータに基づいて先ずス
テップS1で模擬入出力を行うか否かを判断する。模擬
の入出力をしないのであれば、ステップS2に移行して
実デバイスにデータを送って処理する。一方、模擬入出
力処理を行う場合は、ステップS3に移行して、模擬入
出力を行って、デバイス入出力にかえることができる。
また、ステップS4では、APから送られてきた入出力
要求が処理の履歴情報を記録するトレース処理を必要と
しているか否かを判断し、必要としていれば、ステップ
S5に移行してトレースを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば応用ソフト
(以下単にAPとも称する。)の入出力処理の評価テス
トを行うことができる計算機システム及びデバイス入出
力シミュレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワークステーション等の計算機に用いる
APのテストを行うには、各種の方法がある。例えば、
応用ソフトのロジック部のテストを行う場合は、市販の
デバッガ等を用いることができる。しかし、外部入出力
機器との入出力処理において、そのタイミング、アクセ
ス方法、データ内容等が適切に実行されているか否かを
判断することは一般に困難である。特に、FAシステム
等におけるAPのテスト段階では、接続すべき対象設備
が完成していないので、結果として接続する外部入出力
機器無しに入出力のテストを実施しなければならないこ
とが多いので尚更であると言える。
【0003】従来より、外部入出力機器を接続せずにA
Pのテストを行う場合、AP中の各機器入出力部を無効
化(コメントアウト等)して、この部分に解析用の印字
ロジックを埋め込み、その印字内容を手掛かりにAPの
入出力処理内容を評価する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の方法では、各APの各入出力処理部毎に解析ロジ
ックを埋め込む必要がある関係上、以下に述べる問題が
生ずる。まず、AP開発ボリュームの増加に伴って設
計、コーディング、テスト等の開発期間・費用が膨ら
む。また、外部入出力機器はAPのメーカーとは異なる
別のメーカが制作する場合が多く、しかもテストの段階
でまだ完成していない場合がある。このような場合に
は、APの入出力処理部の評価(パラメータ不整合等)
が行えず、シミュレーションの信頼性が低くなる。さら
に、該当デバイス(外部入出力機器)にアクセスする全
ての箇所に解析ロジックを埋め込めない場合(市販パッ
ケージの利用時等)に、正しい結果を得られないことが
ある。
【0005】加えて、従来の方法では、本来の機能と
は、無関係な解析ロジック、すなわち、ある条件のとき
には、メモリに信号を送り、正しく帰ってきたとして所
定の処理に飛ばすといったロジックが必要になる。この
うよな本来の機能に無関係な処理が入り込むため、内容
の理解し難いソースコードが出来上がってしまう。ま
た、この為にAPの処理が複雑になって新たな不具合
(バグが入りやすくなる)を内包する危険がある。更
に、解析用ロジックが入っていると、高速な処理を行う
ことができなくなるので、出荷するときには、この解析
用ロジックを外す必要がある。しかし、この外しの作業
において改修ミスを犯す虞がある。
【0006】一方、ハードウェア的に実現する方法とし
て、正規の外部入出力機器の代わりに専用のテスト機器
を設置して入出力動作を確認する方法が採られることも
ある。この方法はAPを改造する必要がないので、上記
の問題は生じない。しかしながら、個々のシステム毎の
入出力仕様にあわせなければならないので、設置や調整
のために長期間を要し、また費用が嵩むという問題があ
る。このため、この方法は一部の大規模システムを同一
システム構成で繰り返しテストを行う特定分野でのみ採
用されるに留まっている。
【0007】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、APに一切の改修を施すことなく、外部入出力
機器がなくてもAPの評価テストを行うことができる計
算機システム及びデバイス入出力シミュレータを提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、OSに組み込まれているデ
バイスドライバ層にシミュレーションを行うための模擬
デバイスドライバを設けたことを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項2記載の発明は、外部入出力機器が
接続される実デバイスドライバと、前記実デバイスドラ
イバに代わって、応用ソフトからの入出力要求に対して
前記外部入出力機器にアクセスすることなくシミュレー
ションを行う模擬デバイスドライバとを具備することを
特徴とするものである。
【0010】請求項3記載の発明は、前記実デバイスド
ライバは、前記応用ソフトからの入出力要求が模擬であ
るか実であるかを判断する判断手段を具備し、前記応用
ソフトからの入出力要求が模擬である場合には前記模擬
デバイスドライバに前記入出力要求を送り、前記入出力
要求が実である場合には前記外部入出力機器にその入出
力要求を送るものである。
【0011】請求項4記載の発明は、前記模擬デバイス
ドライバが行うシミュレーションの一部又は全部を前記
模擬デバイスドライバに代わって処理するシミュレータ
ソフトを備えるものである。
【0012】請求項5記載の発明は、前記シミュレータ
ソフトがトレース機能を有するものである。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成によって、接
続される外部入出力機器がない状態でAPの評価テスト
を行うときには、OSによりデバイスドライバを模擬デ
バイスドライバに切り換えて模擬デバイスドライバによ
り、APの評価テストを行う。
【0014】請求項2記載の発明は前記の構成によっ
て、実デバイスドライバに外部入出力機器が接続されて
いない状態でAPの入出力要求に対する評価テストを行
うときには、OSによりデバイスドライバを模擬デバイ
スドライバに切り換えて模擬デバイスドライバにより、
そのAPの入出力要求に対する評価テストを行う。
【0015】請求項3記載の発明は前記の構成によっ
て、実デバイスドライバにより、応用ソフトからの入出
力要求が模擬であるか実であるかを判断するので、シミ
ュレーションを行う際に、OSによるデバイスドライバ
の切替えを行うことなく、自動的に模擬デバイスドライ
バによりシミュレーションを行うことができる。
【0016】請求項4記載の発明は前記の構成によっ
て、模擬デバイスドライバが行うシミュレーションの一
部又は全部を処理するシミュレータソフトを備えること
により、模擬デバイスドライバ単独でシミュレーション
を行う場合に比べて、優れたユーザインターフェイス機
能を実現することができるとともに、各AP毎に、また
各外部入出力機器毎に正確なシミュレーションを行うこ
とができる。
【0017】請求項5記載の発明は前記の構成によっ
て、トレース機能により、シミュレーションを行ってい
るときの入出力情報等を記録する。
【0018】
【発明の実施の形態】先ず始めに本発明の概要について
説明する。図1は計算機と外部入出力機器との入出力処
理を説明するための模式図である。図1に示すように、
一般に、応用ソフト(以下単にAPとも称する。)が外
部入出力機器へアクセスする際には、基本フソトである
OS( Operating System )とAPとのインタフェース
であるシステムコール層を介し、またデバイスドライバ
層を通して行われる。したがって、システムコール層や
デバイスドライバ層を介して、入出力処理が実行され
る。
【0019】ところで、例えば、従来のデバイス入出力
シミュレータでは、シミュレーションを実現する方法と
して同図に示すように、APの入出力要求部にシミュレ
ーション解析のための切り込みをソフト処理的に組み込
むか、若しくは外部入出力機器の代替えとなるテスト機
器を設置する方法が取られている。これに対して本発明
は、デバイスドライバ層を主体に所定機能を実現してい
るので、特殊な外部入出力機器を必要とせず、しかも応
用ソフトには一切手を加えずに一元的に入出力処理をテ
スト・解析することが可能となる。
【0020】図2は本発明の概念図であり、デバイスド
ライバ層にシミュレータとしての模擬入出力データ編集
機能とトレース処理機能とを組み込んだものである。本
発明は多くの計算機システムで採用可能であるが、以下
では特に断りのない限り汎用OS1として最も普及して
いる米国AT&T社のUNIXを用いる場合について説
明する。カーネルによりスケジューリングされたAPか
らの入出力要求は、従来は直接、実デバイスドライバを
介して外部入出力機器にアクセスして信号を返していた
が、本発明では、各デバイスドライバ毎に与えられたシ
ミュレーションモードをチェックし、これに応じて各シ
ミュレーション機能を選択的に処理する方法を採ってい
る。
【0021】すなわち、APからの入出力要求は、シス
テムコール層により入出力のパラメータがチッェクさ
れ、異常がなければデバイスドライバ層3に送られる。
デバイスドライバ層3では、送られてきたデータに基づ
いて先ずステップS1で模擬入出力を行うか否かを判断
する。模擬の入出力をしないのであれば、ステップS2
に移行して実デバイスにデータを送って処理する。一
方、模擬入出力処理を行う場合は、ステップS3に移行
して、模擬入出力を行って、デバイス入出力にかえるこ
とができる。また、ステップS4では、APから送られ
てきた入出力要求が処理の履歴情報を記録するトレース
処理を必要としているか否かを判断し、必要としていれ
ば、ステップS5に移行してトレースを行い、必要なけ
ればトレースを行わずに処理結果を示すデータをシステ
ムコール層に返す。図2では、実デバイス入出力を行う
こともできるし、模擬入出力を行うこともできる。ま
た、必要に応じてトレース処理を行うこともできる。
【0022】ここで、図2のデバイスドライバ層3にお
ける処理の一部を複数モジュールに分割し、若しくはそ
の一部をシミュレータの専用ソフトと連携をとって処理
しても本質的には何ら支障は無い。すなわち、上記の殆
どの機能はシミュレータ専用のソフトに行わせることが
できる。このようにした場合は、模擬デバイスドライバ
は通路になるだけである。本発明は、OSのデバイスド
ライバ層3にシミュレーション処理のための機構を組み
入れたものである。
【0023】以下に本発明の第一実施形態について説明
する。図3は本発明の第一実施形態であるデバイス入出
力シミュレータの概略構成図である。図3に示す第一実
施形態のデバイス入出力シミュレータは、OS1のデバ
イスドライバ層3に実デバイスドライバ(以下単に実ド
ライバとも称する。)dev-1 と模擬ドライバ(以下単に
模擬ドライバとも称する。)dev-2 とを有する。実ドラ
イバdev-1 には、実際の外部入出力機器A1 が入出力ボ
ード5を介して接続されている。模擬ドライバdev-2 に
は実際の外部入出力機器は接続されていないが、この模
擬ドライバdev-2 は外部入出力機器と同等に動作してデ
ータを返すことができる。したがって、模擬ドライバde
v-2 はAPからの入出力要求があったときに、所定のデ
ータを返すために、必要なデータを記憶している。この
必要なデータは予め模擬ドライバを制作する段階で模擬
ドライバに記憶させておく。
【0024】また、実ドライバdev-1 と模擬ドライバde
v-2 との切替えはOS1によって行う。最近のUNIX
等のOSはデバイスドライバを切り換えることができる
ので、実ドライバに外部入出力機器が接続されていれ
ば、実ドライバを接続し、また実ドライバに外部入出力
機器が接続されいなければ、実ドライバを切り離し、模
擬ドライバを接続する。なお、本実施形態では説明を簡
略にするために、デバイスドライバ層3に1つの実ドラ
イバと1つの模擬ドライバを有する場合について説明す
るが、実際には多数の実ドライバと其れに対応する模擬
ドライバとが設けられている。
【0025】次に、第一実施形態の動作について説明す
る。通常、APからある外部入出力機器にある情報を入
出力したいという要求があると、システムコールにより
パラメータのチェック及びどのデバイスドライバに渡す
かのチェックが行われる。正しい要求であると、その情
報がデバイスドライバ(シリアル入出力であれば、シリ
アル入出力用のデバイスドライバに、またプロセス入出
力するであればプロセス入出力用のデバイスドライバ)
に渡される。本実施形態では、実際に外部入出力機器A
1 が接続されていれば、図3のルート1に示すように、
APからの入出力要求はシステムコール層を介して実ド
ライバdev-1 に与えられる。そして、この実ドライバde
v-1 が接続されいてる外部入出力機器A1 を制御してそ
の結果をAPへ返す。すなわち、出力要求があったとき
には、例えば外部入出力機器A1との通信が確立されて
いるか、リライトして正常にライトすることができたか
どうか等をチェックして、その要求が正しく出力できた
か否かを示すデータをAPに戻す。また、入力要求があ
ったときには、外部入出力機器A1 からの入力を待ち、
入力があると、その入力情報をAPに戻す。
【0026】外部入出力機器が接続されていない場合
は、図3のルート2に示すように、APから入出力要求
があると、その要求が出力要求のときには、渡された出
力情報を捨てて、正常にリターンしたことにしてその旨
のデータを返す。また、入力要求のときには、予め記憶
しておいた何らかの初期パターンの情報(入力情報)を
渡す。したがって、本実施形態によれば、外部入出力機
器を実際に動作させられない場合においても、APの簡
易なシミュレーションを行うことができる。
【0027】上記の本実施形態によれば、入力機器が実
際に接続されていないときでも、入力情報を模擬的に与
えることにより模擬入力テストを行うことができ、また
出力機器が実際に接続されていなくても出力処理を正常
に終了させることができる。
【0028】また、上記の本実施形態の模擬ドライバde
v-2 は、最もシンプルなものであり、単独で実ドライバ
dev-1 の代用を果たすことができる。また、本実施形態
の場合、一の回答の仕方しかできないので、バラエティ
に富んだテスト結果の返し方はできないが、実入出力要
求であるのか模擬入出力要求であるのかを判断するシミ
ュレーションモードのチェックを行わないので、本実施
形態はその分、構成が簡易なものとなる。
【0029】次に、本発明の第二実施形態について説明
する。図4は本発明の第二実施形態であるデバイス入出
力シミュレータの概略構成図である。図4に示す第二実
施形態のデバイス入出力シミュレータは、実ドライバde
v-1 と、模擬ドライバdev-2と、実ドライバdev-3 と、
模擬ドライバdev-4 と、トレースユーティリティ11、
シミュレーションユーティリティ13及びシミュレータ
プロセス15を含むシミュレータソフトと、トレースフ
ァイル17と、模擬出力ファイル19と、模擬入力ファ
イル21と、操作者が必要なデータを入力したり、或い
は必要なデータを取り出すためのディスプレイやキーボ
ード等の操作装置23とを有する。尚、図3に示す第一
実施形態のものと同様の機能を有するものには同一の符
号又は対応する符号を付することによりその詳細な説明
を省略する。
【0030】実ドライバdev-3 は、接続されている外部
入出力機器A2 を制御するとともに、APからの入出力
要求が実入出力であるか、或いは模擬入出力であるか否
かを判断する機能(判断手段)を有する。模擬ドライバ
dev-4 は、実ドライバdev-3からの模擬テストを行う旨
のデータを受け取ると、そのデータをシミュレータプロ
セス15に渡してシミュレーションを行う。トレースユ
ーティリティ11はトレースファイル17に格納された
情報をディスプレイ23に表示するものである。尚、ト
レースユーティリティ11には、特定の時刻、デバイス
の種類、若しくは特定のシミュレータプロセスが要求し
た入出力のみを選択的に表示させる検索機能を持たせて
もよし、更にデバイス毎のトレースモードを表示/変更
する機能を持たせるようにしてもよい。
【0031】シミュレーションユーティリティ13は模
擬入出力要求があったときにAPへ返すべき情報を編集
して模擬出力ファイル19や模擬入力ファイル21に格
納しておくものであり、シナリオエディタに相当するも
のである。例えば、あるAPのテストを行う場合には、
そのAPが制御する外部入出力機器からからどのデータ
を受け取ったときにどの処理を行うのかという、テスト
するためのデータをディスプレイやキーボード等の操作
装置23を用いて作成する。このためのソフトがシミュ
レーションユーティリティ13である。テストのための
データは模擬出力ファイル19や模擬入力ファイル21
にシナリオ情報としてデータベース的に予め記録してお
く。
【0032】この場合において、例えばある圧延機を動
かすAP(このAPは一つに限られず、多数のAPが考
えられる。)のためのテストデータを作る場合、各AP
毎に、テストのためのデータを作成する必要はない。圧
延機を動かすためのテストデータを1つ作っておけば、
その圧延機の制御に用いるすべてのAPにそのテストデ
ータを用いることができる。このテストデータの作成作
業は、プログラムを作成するのではなく、単にテストに
必要なデータを入力するだけであるので、その圧延機の
動きや機能を知っている者であれば、APを作った者だ
けでなく、最終ユーザでも行うことができる。なお、シ
ミュレーションユーティリティ13には、最終ユーザが
テトスデータの作成を容易に行えるように、必要なツー
ル等を準備するようにしてもよいし、またデバイス毎に
シミュレーションモードを表示/変更する機能を持たせ
るようにしてもよい。
【0033】シミュレータプロセス15は模擬ドライバ
dev-4 から渡された情報に基づいて、模擬出力ファイル
19や模擬入力ファイル21に記憶されたデータを読み
だしてシミュレーションを行ったり、トレース処理を行
ったりするものである。
【0034】次に、第二実施形態の動作について説明す
る。第二実施形態のルート1及びルート2については、
第一実施形態のものと同様であるので、その説明を省略
して、ルート3について説明する。APからルート3に
入出力要求が送られてくると、その入出力要求はシステ
ムコール層2を介して実ドライバdev-3 に与えられる。
以下では、出力要求があった場合と、入力要求があった
場合とに分けてこの場合の処理について説明する。
【0035】APからの出力要求があると、その要求は
実デバイスdev-3 に送られ、先ず実デバイスdev-3 でシ
ミュレーションモードとトレースモードが判断される。
シミュレーションモードが「実」でトレースモードが
「無」である場合には、ルート1の実ドライバdev-1 と
同様の動作を行う。シミュレーションモードが「実」で
トレースモードが「要」である場合には、先ずルート1
と同様に外部入出力機器A2 を制御して出力を行う。そ
の後、模擬ドライバdev-4 にリンクし、更にこの模擬ド
ライバdev-4 に紐付いたシミュレータプロセス15にこ
の出力情報と出力結果(成否)が渡される。シミュレー
タプロセス15はルート3から渡された情報を見て、ど
のデバイスにどの様な情報を出してどういうステイタス
を得たかをチェックし、この情報により例えば、実デバ
イスでトレース付であることが分かる。この場合は、自
分が今から行う処理はトレース処理であると分かる。こ
れによりシミュレータプロセス15はトレース情報をフ
ァイルとしてトレースファイル17に記録する。例え
ば、出力された情報の内容、要求のあった時刻、出力結
果及びエラーの有無等をファイルとして出力する。その
後、模擬ドライバ及び実ドライバを介して呼出し元のA
Pに出力結果を示すデータを返す。なお、トレースに
は、種々のレベルのもの、例えば全データをトレースす
るのか部分的にトレースするのか等があるが、このレベ
ルは必要に応じて自由に設定することができる。
【0036】また、シミュレーションモードが「模擬」
でトレースモードが「無」である場合には、実ドライバ
は外部入出力機器A2 にはアクセスせずに模擬ドライバ
dev-4 にリンクし、上述と同様にシミュレータプロセス
15に必要な情報が渡される。シミュレータプロセス1
5は、その情報を模擬出力ファイル19に記録し、シミ
ュレーションユーティリティ13等を用いて設定したシ
ナリオを読み出しその情報を取り出してシミュレーショ
ンを行った後、正常に動作したか否かを示すデータをA
Pに返す。尚、後に必要に応じて出力情報を見ることが
できるように、模擬の出力情報をファイルとして模擬出
力ファイル19に記録する。また、出力情報をファイル
として記録しておくことにより、出力ファイルを入力用
のファイルとして利用することも可能である。尚、模擬
出力ファイル19には、出力ファイルは1つだけではな
く、各種の出力要求に応じることができるように多数の
出力ファイルが記憶されている。
【0037】シミュレーションモードが「模擬」でトレ
ースモードが「要」である場合には、上記で説明した模
擬の出力テストとトレース処理の両方の処理を行う。
【0038】次に、APから入力要求があると、その要
求は実デバイスdev-3 に送られ、上記と同様にしてシミ
ュレーションモードとトレースモードが判断される。シ
ミュレーションモードが「実」でトレースモードが
「無」である場合には、ルート1の実ドライバdev-1 と
同様の動作を行う。シミュレーションモードが「実」で
トレースモードが「要」である場合には、ルート1と同
様にして外部入出力機器A 2 を制御してその外部入出力
機器A2 からの入力情報を受け取る。その後、模擬ドラ
イバdev-4 にリンクし、更にこの模擬ドライバdev-4 に
紐付いたシミュレータプロセス15にこの入力情報が渡
される。シミュレータプロセス15はこの入力情報をト
レースファイル17に記録する。例えば入力要求のあっ
た時刻やその内容等を上述の場合と同様にして記録す
る。その後、模擬ドライバ及び実ドライバを介して呼出
し元のAPにその入力情報をを返す。
【0039】また、シミュレーションモードが「模擬」
でトレースモードが「無」である場合には、外部入出力
機器にはアクセスせずに模擬ドライバdev-4 にリンク
し、上述と同様にシミュレータプロセス15に必要な情
報が渡される。シミュレータプロセス15は、その情
報、すなわち入力要求があった時刻や入力要求の内容等
の情報に基づき、シミュレーションユーティリティ13
等を用いて設定したテストシナリオを読み出してシミュ
レーションを行う。このテストシナリオには、予め、ど
のタイミングでどの入力要求があったときには、どのデ
ータを返すかが記憶されている。したがった、シミュレ
ータプロセス15は、このテストシナリオを取り込ん
で、入出力機器から入力があったときと同じようにして
その入力情報をAPに返す。これにより、実際の外部入
力機器が接続されていなくても、実ドライバから実際の
入力があったときと同じようにしてAPに入力情報を返
すことができる。尚、ルート3の場合も、パラメータの
与え方等の基本的なi/f(インターフェース)不良に
ついては、システムコール層2がルート1の場合と同様
に正規なチェックを行う。
【0040】また、シミュレーションモードが「模擬」
でトレースモードが「要」である場合には、上記で説明
した模擬の入力テストとトレース処理の両方の処理を行
う。
【0041】第二実施形態のルート3における処理は、
本発明の概要で述べた「デバイスドライバの分割化」の
手法をとっており、殆どの機能を専用のシミュレータソ
フトに行わせるようにしたものである。このような処理
方法は、構造はやや複雑となる反面、優れたユーザイン
ターフェイス機能を実現することが出来ると共に、細か
なシステム運用上の課題に対応させ得る柔軟性を合わせ
持っている。また、ルート3における処理では、模擬ド
ライバdev-4 は通路になっているにすぎないが、本発明
はこれに限定されるものではなく、これらの機能の全部
又は一部を模擬ドライバに行わせることも可能である。
【0042】上記の第二実施形態は、単に入出力のテス
トを行うことができるだけでなく、入出力イベント及び
入出力情報を連続的にジャーナル記録することができる
ので、ドライバや外部入出力機器に於ける処理を監視す
ることもできる。また、出力情報を模擬出力ファイルに
一時保管することにより、出力情報を入力情報等として
再利用することができる。
【0043】上記の第一及び第二実施形態によれば、ト
レースや模擬入出力等の評価機能をシステムに組み込む
際に、応用ソフトには一切手を加えずにすむため下記の
ようなメリットが得られる。すなわち、本実施形態によ
れば、APには入出力テスト用の解析ロジックを組み込
む必要がないので、APが特定のマシンでしか動かない
実行モジュールとして提供されいる場合でも、そのAP
のテストを行うことができる。また、市販パッケージ等
のように内部処理が不明なソフトについても、同様に漏
れなく該当デバイスにアクセスする全ての入出力をチェ
ックすることができる。
【0044】また、従来のテスト用の解析ロジックを組
み込む方法では、APにそのロジックを組み込むために
APの移植性が悪くなることがあったが、本実施形態に
よれば、このように移植性が阻害されることもない。更
に、入出力用の解析ロジックが不要となるのでAPが簡
素となり、したがってプログラム開発のためのマンパワ
ーが低減し、生産性・信頼性が向上する。
【0045】加えて、従来の解析ロジックが組み込まれ
ていたものは、出荷時にその解析ロジックを切り離すの
で、オンライン化後(実際に稼働させた後)に再テスト
するときには、再度その切り離した解析ロジックを組み
込まなければならない。これに対して本実施形態のもの
は、オンライン化後も、必要なときに適宜再テストする
ことができ、したがって従来のものに比べて保守・点検
が容易になる。
【0046】また、従来の代替え機器を接続してテスト
する方法に比べて、本実施形態のものは、特別な外部入
出力機器を用いずに計算機システム内でシミュレーショ
ン機構を実現することができるので、安価なものとな
り、しかもテストのための待ちが発生することもない。
【0047】尚、上記の実施形態ではOSとしてUNI
Xを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限
られるものではなく、他のOSについても、応用するこ
とが可能である。例えば、米国マイクロソフト社のMS
−DOSや米国IBM社のOS/2に応用することも可
能である。
【0048】また、本発明は第一及び第二実施形態に限
定されるものではなく、システム機器の充足状態や評価
ニーズに応じてデバイス毎に上記の各ルートを選択し、
組み合わせてデバイスドライバ層を構成することができ
る。例えば、ルート1やルート2を省略して、ルート3
の処理だけを行うようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、前記の構成としたことにより、接続される外
部入出力機器がない状態でAPの評価テストを行うとき
には、OSによりデバイスドライバを模擬デバイスドラ
イバに切り換えて模擬デバイスドライバにより、APの
評価テストを行うことができ、したがて簡易な構成によ
り、しかもAPには変更を加えずに、APの評価テスト
を行うことができ、移植性、生産性、及び信頼性に優
れ、しかも保守・点検が容易な計算機システムを提供す
ることができる。
【0050】請求項2記載の発明によれば、実デバイス
ドライバに外部入出力機器が接続されていない状態でA
Pの入出力要求に対する評価テストを行うときには、O
Sによりデバイスドライバを模擬デバイスドライバに切
り換えて模擬デバイスドライバにより、そのAPの入出
力要求に対する評価テストを行うことができ、したがっ
て簡易な構成によりAPの評価テストを行うことがで
き、しかも移植性、生産性、及び信頼性に優れ、また保
守・点検が容易なデバイス入出力シミュレータを提供す
ることができる。
【0051】請求項3記載の発明によれば、実デバイス
ドライバにより、応用ソフトからの入出力要求が模擬で
あるか実であるかを判断するので、シミュレーションを
行う際に、OSによるデバイスドライバの切替えを行う
ことなく、自動的に模擬デバイスドライバによりシミュ
レーションを行うことができ、したがって請求項2記載
の発明の効果に加えて操作が容易なデバイス入出力シミ
ュレータを提供することができる。
【0052】請求項4記載の発明によれば、模擬デバイ
スドライバが行うシミュレーションの一部又は全部を処
理するシミュレータソフトを備えることにより、請求項
2又は3記載の発明の効果に加えて、優れたユーザイン
ターフェイス機能を実現することができるとともに、各
AP毎に、また各外部入出力機器毎に正確なシミュレー
ションを行うことができるデバイス入出力シミュレータ
を提供することができる。
【0053】請求項5記載の発明によれば、トレース機
能により、シミュレーションを行っているときの入出力
情報を記録することができ、したがって上記の効果に加
えて、単に入出力の評価テストを行うことができるだけ
でなく、入出力イベント及び入出力情報を連続的にジャ
ーナル記録することができるので、各デバイスや各ドラ
イバ等に於ける処理を監視することができるデバイス入
出力シミュレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】計算機と外部入出力機器との入出力処理を説明
するための模式図である。
【図2】本発明の概念図である。
【図3】本発明の第一実施形態であるデバイス入出力シ
ミュレータの概略構成図である。
【図4】本発明の第二実施形態であるデバイス入出力シ
ミュレータの概略構成図である。
【符号の説明】
1 OS 3 デバイスドライバ層 5 入出力ボード 11 トレースユーティリティ 13 シミュレーションユーティリティ 15 シミュレータプロセス 17 トレースファイル 19 模擬出力ファイル 21 模擬入力ファイル 23 操作装置 dev-1 実ドライバ dev-2 模擬ドライバ dev-3 実ドライバ dev-4 模擬ドライバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OSに組み込まれているデバイスドライ
    バ層にシミュレーションを行うための模擬デバイスドラ
    イバを設けたことを特徴とする計算機システム。
  2. 【請求項2】 外部入出力機器が接続される実デバイス
    ドライバと、前記実デバイスドライバに代わって、応用
    ソフトからの入出力要求に対して前記外部入出力機器に
    アクセスすることなくシミュレーションを行う模擬デバ
    イスドライバとを具備することを特徴とするデバイス入
    出力シミュレータ。
  3. 【請求項3】 前記実デバイスドライバは、前記応用ソ
    フトからの入出力要求が模擬であるか実であるかを判断
    する判断手段を具備し、前記応用ソフトからの入出力要
    求が模擬である場合には前記模擬デバイスドライバに前
    記入出力要求を送り、前記入出力要求が実である場合に
    は前記外部入出力機器にその入出力要求を送るものであ
    る請求項2記載のデバイス入出力シミュレータ。
  4. 【請求項4】 前記模擬デバイスドライバが行うシミュ
    レーションの一部又は全部を前記模擬デバイスドライバ
    に代わって処理するシミュレータソフトを備えるもので
    ある請求項2又は3記載のデバイス入出力シミュレー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記シミュレータソフトは、トレース機
    能を有するものである請求項4デバイス入出力シミュレ
    ータ。
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