JPH1013113A - 分布定数線路の結合方法及びマイクロ波回路 - Google Patents

分布定数線路の結合方法及びマイクロ波回路

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JPH1013113A
JPH1013113A JP8162153A JP16215396A JPH1013113A JP H1013113 A JPH1013113 A JP H1013113A JP 8162153 A JP8162153 A JP 8162153A JP 16215396 A JP16215396 A JP 16215396A JP H1013113 A JPH1013113 A JP H1013113A
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Japan
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line
conductor
lines
gap region
distributed constant
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JP8162153A
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Inventor
Hironori Fujishiro
博記 藤代
Kiyoshi Nagai
清 長井
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/12Coupling devices having more than two ports
    • H01P5/16Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port
    • H01P5/18Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port consisting of two coupled guides, e.g. directional couplers
    • H01P5/184Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port consisting of two coupled guides, e.g. directional couplers the guides being strip lines or microstrips
    • H01P5/185Edge coupled lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P3/00Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
    • H01P3/02Waveguides; Transmission lines of the waveguide type with two longitudinal conductors
    • H01P3/08Microstrips; Strip lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/02Coupling devices of the waveguide type with invariable factor of coupling
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P5/00Coupling devices of the waveguide type
    • H01P5/12Coupling devices having more than two ports
    • H01P5/16Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port
    • H01P5/18Conjugate devices, i.e. devices having at least one port decoupled from one other port consisting of two coupled guides, e.g. directional couplers

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インダクタンスに起因して発生する特性の劣
化を起こさないようする。 【解決手段】 第1(第2)マイクロストリップライン
42(44)とはギャップ領域60を介して離間された
状態で下地金属板10の上に設けられる。第1(第2)
マイクロストリップライン42(44)は、第1(第
2)接地導体12(13)、第1(第2)誘電体基板1
4(16)および第1(第2)導体線路46(48)が
順次に積層されて構成されている。第1および第2導体
線路46および48は直線的に配列される。第1(第
2)導体線路46(48)に配列方向pに直交する方向
gに延在する第1(第2)間隙56(58)を具えてい
る。所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλ
とするとき、第1(第2)間隙56(58)およびギャ
ップ領域60間の配列方向pに沿った距離がそれぞれm
λ/2(但し、mは整数)に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波回
路、特に分布定数線路を有する複数のチップを集積する
ときの分布定数線路間の結合に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波回路は、いわゆる分布定数回
路であり、マイクロ波信号を導波させるのに分布定数線
路を用いる。この明細書中では、分布定数線路として、
導体線路、誘電体基板および接地導体で構成されるもの
を想定している。また、この明細書中では、分布定数線
路を、マイクロ波回路の意味で用いる場合がある。従
来、複数の分布定数線路を集積してマイクロ波回路を構
成するときには、各分布定数線路間の結合は、ワイヤや
リボン等をボンディングすることにより行っていた(文
献;マイクロ波半導体回路,p.139 の図6.13,1993年日
刊工業新聞社発行)。
【0003】図18はこの文献に開示されている従来の
構成例を示す斜視図であって、この斜視図には、第1分
布定数線路70および第2分布定数線路72の間の従来
の結合の様子が示されている。第1分布定数線路70
は、第1接地導体12、第1誘電体基板14および第1
導体線路46が順次に積層して構成されている。また、
第2分布定数線路72は、第2接地導体13、第2誘電
体基板16および第2導体線路48が順次に積層して構
成されている。尚、図18には、図を簡略化するため
に、分布定数線路のみを示してあり、通常に設けられる
その他の回路素子等が、これら誘電体基板14および1
6に設けられている場合があってもそれらは省略して示
している。従って、図18の構成では、これら第1分布
定数線路70および第2分布定数線路72の間の結合
は、第1導体線路46と第2導体線路48との間の結合
を機械的な橋絡手段例えばワイヤ26と、第1接地導体
12と第2接地導体13とを結合する下地金属板10と
で行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図18
を参照して説明したように、第1および第2分布定数線
路70および72を下地金属板10の上に設けるときに
は、これら分布定数線路の寸法精度(主に、誘電体基板
の寸法精度)や組み立て精度(位置合わせや加工に係る
精度)に依存して、分布定数線路70および72の間
(誘電体基板14および16の間)には少なくとも0.
1〜0.2mm程度の隙間(ギャップ)が開いてしま
う。このため、例えば、ワイヤ26を第1および第2導
体線路46および48の各々にボンディングして両者の
間を結合する場合、少なくとも0.1〜0.2nH程度
のインダクタンスが第1および第2導体線路46および
48の間にシリーズに挿入されることになる。
【0005】よって、これら第1および第2導体線路4
6および48の間のインピーダンスの不整合(すなわ
ち、第1および第2分布定数線路70および72の各々
で以て構成される各マイクロ波回路の間のインピーダン
ス不整合)が生じてしまい、これら第1および第2分布
定数線路70および72の両者で構成されるマイクロ波
回路の特性(ゲインやVSWR(voltage standing wav
e ratio )などの信号伝搬特性)が劣化するといった問
題があった。そして、動作周波数が高くなる程、特性的
に満足のゆくものが得られなかった。
【0006】従って、従来より、信号伝搬特性を劣化さ
せずに分布定数線路の結合を行う方法と、良好な特性を
保持した状態で分布定数線路が結合された構成のマイク
ロ波回路の出現とが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の分布定数線路
の結合方法によれば、第1導体線路、第1誘電体基板お
よび第1接地導体から構成された個別の第1分布定数線
路と、第2導体線路、第2誘電体基板および第2接地導
体から構成された個別の第2分布定数線路とを、前記第
1および第2接地導体が共通の下地金属板で電気的に結
合させるようにして、この下地金属板上に配列させて設
けて前記第1および第2分布定数線路間を結合するに当
たり、前記第1および第2導体線路間にギャップ領域を
設けて直線的に配列して前記第1および第2分布定数線
路を電磁界的に結合させることを特徴とする。
【0008】このように、第1および第2導体線路の間
にギャップ領域(ギャップ)を介在させてこれらを離間
させて直線的に配列することにより、下地金属板と相俟
って、第1および第2分布定数線路の間を電磁界的に結
合すなわち分布結合させることができる。従って、従来
の様に、分布定数線路の間を結合するためにワイヤ等の
機械的な橋絡手段を用いる必要が無いので、分布定数線
路の間にインダクタンスが挿入されずに済むから、従来
に比べて良好な信号伝搬特性を得ることが可能である。
【0009】また、この発明の分布定数線路の結合方法
の好適な実施例によれば、前記第1導体線路の第1線路
位置を開放とし、前記第2導体線路の第2線路位置を開
放とし、前記ギャップ領域を開放としたとき、これら第
1線路位置およびギャップ領域の中間位置と第2線路位
置およびギャップ領域の中間位置とをそれぞれ短絡と
し、所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλ
とするとき、前記第1線路位置および前記ギャップ領域
の間の距離と前記第2線路位置および前記ギャップ領域
の間の距離とをそれぞれmλ/2(但し、mは整数)に
設定することを特徴とする。
【0010】ここで、開放とは、電流が通れないように
導線が分離された状態をいう。また、短絡とは、回路や
線路の線間の低抵抗接続(例えば導電体による接続)が
なされている状態をいう。このように、第1および第2
線路位置が所定の位置に形成されるようにすることによ
り、これら線路位置とギャップ領域とが相俟って、第1
線路位置およびギャップ領域の中間位置と、第2線路位
置およびギャップ領域の中間位置とをそれぞれ短絡とす
ることができる。よって、分布定数線路を導波するマイ
クロ波信号は、第1線路位置、第2線路位置およびギャ
ップ領域で腹となり、前述の中間位置で節となる定在波
を励振し、これら第1線路位置および第2線路位置の間
で共振する。従って、第1および第2分布定数線路の間
を高周波的に結合することが可能となり、従来の様に、
分布定数線路の間を結合するためにワイヤ等の機械的橋
絡手段を用いる必要が無いので、分布定数線路の間にイ
ンダクタンスが挿入されずに済むから、従来に比べて良
好な信号伝搬特性を得ることが可能である。
【0011】また、この発明の分布定数線路の結合方法
の好適な実施例によれば、前記第1導体線路の第1線路
位置を短絡とし、前記第2導体線路の第2線路位置を短
絡点とし、前記ギャップ領域を開放点としたとき、所望
の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとすると
き、前記第1線路位置および前記ギャップ領域の間の距
離と前記第2線路位置および前記ギャップ領域の間の距
離とをそれぞれnλ/4(但し、nは奇数)に設定する
ことを特徴とする。
【0012】このように、第1および第2線路位置が所
定の位置に形成されるようにすることにより、分布定数
線路を導波するマイクロ波信号は、第1線路位置および
第2線路位置で節となり、ギャップ領域で腹となる定在
波を励振し、これら第1および第2線路位置の間で共振
する。よって、第1および第2分布定数線路の間を、高
周波的に結合することが可能である。従って、従来の様
に、分布定数線路の間を結合するためにワイヤ等の機械
的橋絡手段を用いる必要が無いので、分布定数線路の間
にインダクタンスが挿入されずに済むから、従来に比べ
て良好な信号伝搬特性を得ることが可能である。
【0013】また、この発明の分布定数線路の結合方法
の好適な実施例によれば、前記分布定数線路をマイクロ
ストリップラインとしたことを特徴とする。
【0014】マイクロストリップラインは、接地導体と
してのグランド面と導体線路としての配線面との間の誘
電体(誘電体基板)とによって形成された特性インピー
ダンスを制御した信号伝送線路のことである。誘電体の
比誘電率と厚さ、配線の幅と厚さを選ぶことで特性イン
ピーダンスを変えることができる。マイクロ波帯以上の
高周波回路では、線路の幅を変えることで任意のインピ
ーダンスを実現でき、また、マイクロストリップライン
のような平面型導波路は、同軸ケーブルや導波管のよう
な立体形導波路に比べ、小型・軽量、簡単な構造、製造
の容易さなどの理由から分布定数回路に多用される。従
って、分布定数線路としてマイクロストリップラインを
用いることにより、マイクロ波回路の集積化が容易にな
り、広帯域性、回路素子のマウントの容易さ、寄生素子
の影響の少ないことなどの利点を有するようになる。
【0015】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、第1誘電体基板と、この第1誘電体基板の下面に設
けられた第1接地導体と、前記第1誘電体基板に設けら
れた前記下面と平行な第1導体線路とで構成される個別
の第1分布定数線路と、第2誘電体基板と、この第2誘
電体基板の下面に設けられた第2接地導体と、前記第2
誘電体基板に設けられた前記下面に平行な第2導体線路
とで構成される個別の第2分布定数線路とが、前記第1
および第2接地導体が下地金属板で電気的に結合される
ようにして、この下地金属板上に配列されて設けられて
前記第1および第2分布定数線路間が結合されたマイク
ロ波回路において、前記第1および第2導体線路を直線
的に配列させて前記第1および第2分布定数線路を電磁
界的に結合させるため、これら第1および第2導体線路
間にギャップ領域を具えてなることを特徴とする。
【0016】このように、この発明の構成は、第1およ
び第2導体線路の間を機械的な橋絡手段を用いて接続す
る代わりに両導体線路間に両導体線路間を電磁界的に結
合するためのギャップ領域を設けてある。それぞれの導
体線路の間の静電容量は、橋絡手段を以て接続した場合
よりも大きくすることができ、このギャップ領域と下地
金属板とが相俟って、これら導体線路の間を分布結合す
なわち電磁界的に結合させることができる。従って、導
体線路の間を従来のようにワイヤ等の機械的な橋絡手段
で接続する必要がないので、ワイヤ等の機械的な橋絡手
段が有するインダクタンスによる特性の劣化が無く、こ
のため分布定数線路の間を高周波的に接続することが可
能になる。
【0017】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記第1導体線路に、前記第1および
第2導体線路の配列方向に直交する方向に延在する第1
間隙を具え、前記第2導体線路に、前記第1および第2
導体線路の配列方向に直交する方向に延在する第2間隙
を具え、所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長
をλとするとき、前記第1間隙および前記ギャップ領域
間の前記配列方向に沿った距離と、前記第2間隙および
前記ギャップ領域間の前記配列方向に沿った距離とがそ
れぞれmλ/2(但し、mは整数)に設定されているこ
とを特徴とする。
【0018】このように、第1および第2間隙をそれぞ
れ第1および第2導体線路の所定の位置に設けてこれら
導体線路を分断してある。これら間隙の位置すなわち分
断位置は次のようにしてある。すなわち、分断されてギ
ャップ領域側に形成された、第1および第2導体線路の
それぞれの副線路の、第1および第2導体線路の配列方
向に沿って測った長さが前述した半波長の整数倍の長さ
となる位置に、上述した間隙を設けている。
【0019】このような位置に設けた、第1および第2
間隙が開放となり、ギャップ領域が開放となり、これら
第1間隙、第2間隙およびギャップ領域とが相俟って、
第1間隙およびギャップ領域の間を結ぶ直線上の両者か
ら等しい位置(中間位置)を短絡とし、かつ、第2間隙
およびギャップ領域の間を結ぶ直線上の両者から等しい
位置(中間位置)を短絡とする。よって、第1および第
2間隙の間で、短絡となる位置を節とし、開放となる位
置を腹とする定在波が励振され、第1および第2分布定
数線路が高周波的に結合する。従って、導体線路の間を
従来のようにワイヤ等の機械的橋絡手段で接続する必要
がないので、ワイヤ等の機械的橋絡手段が有するインダ
クタンスによる特性の劣化が無く、従って、分布定数線
路の間を高周波的に接続することが可能になり、このた
め従来に比べて優れた信号伝搬特性を有する構成を得る
ことができる。
【0020】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て
埋め込まれていることを特徴とする。
【0021】このように、誘電体基板の間を誘電体材料
で以て満たすことにより、第1および第2分布定数線路
の間の静電容量を強めることができ、従って、これら分
布定数線路間の電磁界的な結合を強めることができる。
よって、従来に比べてさらに優れた信号伝搬特性を有す
る構成を得ることができる。
【0022】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記第1および第2導体線路の配列方
向と平行に設けられた直角四辺形の第1結合用導体線路
と、この第1結合用導体線路の一端に連結されて前記配
列方向と直交する方向に延在する直角四辺形の第1先端
開放導体線路とから成る第1L字形線路を前記第1誘電
体基板に具え、前記配列方向と平行に設けられた直角四
辺形の第2結合用導体線路と、この第2結合用導体線路
の一端に連結されて前記配列方向と直交する方向に延在
する直角四辺形の第2先端開放導体線路とから成る第2
L字形線路を前記第2誘電体基板に具え、所望の周波数
帯域の中心周波数に相当する波長をλとするとき、前記
第1および第2L字形線路の前記配列方向に沿った長さ
と当該配列方向に直交する方向に沿った長さとがそれぞ
れnλ/4(但し、nは奇数)に設定されていることを
特徴とする。
【0023】このように、直方体を途中で直角に折り曲
げたような形の第1および第2L字形線路をそれぞれ第
1および第2分布定数線路の所定の位置に設けている。
この場合、これらL字形線路を構成する先端開放導体線
路の、導体線路と対向する側の先端とは反対側の先端が
開放であり、かつ、結合用導体線路の、先端開放導体線
路と接続している側とは反対側の先端すなわちギャップ
領域に対向した側の先端が開放となっている。また、結
合用導体線路の、先端開放導体線路と接続している側の
先端すなわちギャップ領域と対向している側とは反対側
の先端が短絡となっている。この先端は、先端開放導体
線路の、ギャップ領域と対向する側とは反対側の端縁に
対応する。
【0024】また、結合用導体線路と導体線路との間の
分布結合(エッジカップリング)の作用により、導体線
路の所定の位置が短絡となる。よって、第1および第2
導体線路の短絡となる位置を節とし、開放となるギャッ
プ領域で腹となる定在波が励振され、第1および第2分
布定数線路が高周波的に結合する。従って、導体線路の
間を従来のようにワイヤ等の機械的橋絡手段で接続する
必要がないので、ワイヤ等の機械的橋絡手段が有するイ
ンダクタンスによる特性の劣化が無く、分布定数線路の
間を高周波的に接続することが可能になり、従来に比べ
て優れた信号伝搬特性を有する構成を得ることができ
る。
【0025】この発明のマイクロ波回路の好適な構成例
によれば、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て埋め込
まれていることを特徴とする。
【0026】このように、誘電体基板の間を誘電体材料
で以て満たすことにより、第1および第2分布定数線路
の間の静電容量を強めることができ、従って、これら分
布定数線路間の電磁界的な結合を強めることができる。
よって、従来に比べてさらに優れた信号伝搬特性を有す
る構成を得ることができる。
【0027】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記第1および第2導体線路の配列方
向と平行に前記第1誘電体基板に設けられた直角四辺形
の第1結合用導体線路を具えており、この第1結合用導
体線路の前記第1および第2導体線路の対向端とは反対
側の先端部には第1バイアホールが形成されており、さ
らに、前記配列方向と平行に前記第2誘電体基板に設け
られた直角四辺形の第2結合用導体線路を具えていて、
この第2結合用導体線路の前記対向端とは反対側の先端
部には第2バイアホールが形成されており、所望の周波
数帯域の中心周波数に相当する波長をλとするとき、前
記第1および第2結合用導体線路の前記配列方向に沿っ
た長さがnλ/4(但し、nは奇数)に設定されている
ことを特徴とする。
【0028】ここで、バイアホール(ヴィアホールとも
いう。)とは、積層する上下の配線層間の導通をとるた
めの垂直方向の導通路と、この導通路に形成された導電
体とから成る構造体のことをいう。このように、第1お
よび第2バイアホールをそれぞれ第1および第2結合用
導体線路の所定の位置に設け、これら第1および第2結
合用導体線路を第1および第2分布定数線路の所定の位
置に設けたことにより、これらバイアホールが設けられ
ている部分が短絡となっているから、結合用導体線路と
導体線路との間の分布結合(エッジカップリング)の作
用により、導体線路の所定の位置を短絡とすることがで
きる。よって、第1および第2導体線路の短絡となる位
置を節とし、開放となるギャップ領域で腹となる定在波
が励振され、第1および第2分布定数線路が高周波的に
結合する。従って、導体線路の間を従来のようにワイヤ
等の機械的橋絡手段で接続する必要がないので、ワイヤ
等の機械的橋絡手段が有するインダクタンスによる特性
の劣化が無く、分布定数線路の間を高周波的に接続する
ことが可能になり、従来に比べて優れた信号伝搬特性を
有する構成を得ることができる。
【0029】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て
埋め込まれていることを特徴とする。
【0030】このように、誘電体基板の間を誘電体材料
で以て満たすことにより、各チップを構成する分布定数
線路の間の静電容量を強めることができ、従って、これ
ら分布定数線路間の電磁界的な結合を強めることができ
る。よって、従来に比べてさらに優れた信号伝搬特性を
有する構成を得ることができる。
【0031】また、この発明のマイクロ波回路の好適な
構成例によれば、前記分布定数線路をマイクロストリッ
プラインとしたことを特徴とする。
【0032】マイクロストリップラインは、接地導体と
してのグランド面と導体線路としての配線面との間の誘
電体(誘電体基板)とによって形成された特性インピー
ダンスを制御した信号伝送線路のことである。誘電体の
比誘電率と厚さ、配線の幅と厚さを選ぶことで特性イン
ピーダンスを変えることができる。マイクロ波帯以上の
高周波回路では、線路の長さを変えることで任意のイン
ピーダンスを実現でき、また、マイクロストリップライ
ンのような平面型導波路は、同軸ケーブルや導波管のよ
うな立体形導波路に比べ、小型・軽量、簡単な構造、製
造の容易さなどの理由から分布定数回路に多用される。
従って、分布定数線路としてマイクロストリップライン
を用いることにより、マイクロ波回路の集積化が容易に
なり、広帯域性、回路素子のマウントの容易さ、寄生素
子の影響の少ないことなどの利点を有するようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】従来、1つの分布定数線路に1つ
の導体線路を設けていたが、この発明では、主として、
この1つの導体線路を2つ以上に分断した構造および1
つの導体線路に1つまたは2つ以上の補助線路を設けた
構造とする点に特徴がある。そして、このような構造を
呈することによって、2つの導体線路間にギャップ領域
を設け、これら導体線路を直線的に配列して、2つの分
布定数線路の間を電磁界的すなわち高周波的に結合させ
ることを助長するものである。
【0034】第1の実施の形態では、1つの導体線路を
2以上に分断した構成について説明する(図1から図
5)。すなわち、第1導体線路の第1線路位置を開放と
し、第2導体線路の第2線路位置を開放とし、ギャップ
領域を開放としたとき、これら第1線路位置およびギャ
ップ領域の中間位置と第2線路位置およびギャップ領域
の中間位置とをそれぞれ短絡とすることにより、2つの
分布定数線路の間を高周波的に結合する構成である。
【0035】また、第2および第3の実施の形態では、
導体線路とは別に、補助線路(後述するL字形線路や結
合用導体線路)を設けた構成について説明する(図6か
ら図17)。すなわち、第1導体線路の第1線路位置を
短絡とし、第2導体線路の第2線路位置を短絡とし、ギ
ャップ領域を開放としたことにより、2つの分布定数線
路の間を高周波的に結合する構成である。
【0036】以下、図を参照して、この発明の実施の形
態につき説明する。尚、図は、この発明の構成、大きさ
および配置関係が理解できる程度に概略的に示してお
り、また、以下に記載する数値条件等は単なる一例に過
ぎず、従って、この発明はこの実施の形態に何ら限定さ
れることがない。
【0037】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態の構成を示す斜視図である。この図1に示される
ように、この第1構成例は、第1および第2導体線路4
6および48がギャップ領域60を介して直線的に配列
された構成である。
【0038】この実施の形態の構成は、第1分布定数線
路としての第1マイクロストリップライン42と、第2
分布定数線路としての第2マイクロストリップライン4
4とを下地金属板10の上に設けている。第1マイクロ
ストリップライン42と第2マイクロストリップライン
44とはギャップ領域60を介して離間された状態で設
けられる。第1マイクロストリップライン42は、第1
接地導体12、第1誘電体基板14および第1導体線路
46が順次に積層されて構成されている。第2マイクロ
ストリップライン44は、第2接地導体13、第2誘電
体基板16および第2導体線路48が順次に積層されて
構成されている。第1誘電体基板14は互いに平行な下
面14aと上面14bとを有していて、その下面(図1
の矢印14aで示される面)に第1接地導体12が設け
られ、上面14bに第1導体線路46が設けられてい
る。また、同様に、第2誘電体基板16は互いに平行な
下面16aと上面16bとを有していて、その下面(図
1の矢印16aで示される面)に第2接地導体13が設
けられ、上面16bに第2導体線路48が設けられてい
る。これら第1および第2導体線路46および48は、
これらの長手方向(図1の矢印pで示される方向。配列
方向ともいう。)を揃えて、下地金属板10の上面から
同じ高さで直線的に配列されるように、第1および第2
マイクロストリップライン46および48が下地金属板
10の上で位置決めされている。
【0039】そして、この第1構成例では、第1および
第2導体線路46および48は2分割されて設けられて
いる。すなわち、第1導体線路46は、これに直交する
方向(図1の矢印qで示される方向。配列方向pに直交
する方向。)に延在する第1間隙56を具えていてギャ
ップ領域60側から第1副線路18および第2副線路2
0に分断されている。また、第2導体線路48は、これ
に直交する方向すなわち配列方向pに直交する方向qに
延在する第2間隙58を具えていてギャップ領域60側
から第3副線路22および第4副線路24に分断されて
いる。第1および第2導体線路46および48は直角四
辺形であるので、第1間隙56によって分断されて得ら
れた第1および第2副線路18および20も直角四辺形
であり、また、第2間隙58によって分断されて得られ
た第3および第4副線路22および24も直角四辺形で
ある。これら第1および第2間隙56および58の配列
方向に沿って測った長さをそれぞれ均等幅のW1 および
2 とする。
【0040】さらに、この第1構成例では、所望の周波
数帯域の中心周波数に相当する波長をλとするとき、第
1間隙56およびギャップ領域60間の配列方向pに沿
った距離すなわち第1および第3副線路18および22
の、配列方向pの方向に沿った長さをそれぞれmλ/2
(但し、mは整数)に設定している構成である(図1の
構成は、m=1の場合である。整数mには、1、2、3
という具合に整数を設定することができるが、基本モー
ドの波の方が励振され易いから、なるべく低次数すなわ
ちm=1の場合が最適である。)。
【0041】上述の通りに第1および第2間隙56およ
び58とギャップ領域60との間の配列方向pに沿った
それぞれの距離が設定されているときには、第1副線路
18と第3副線路22の各々の配列方向pに沿った長さ
1 およびL2 は、m=1のときλ/2となっている。
ギャップ領域60の領域長すなわち第1誘電体基板14
と第2誘電体基板16との間の配列方向pに沿った距離
3 が波長λに比べて小さいときには、第1および第2
間隙56および58の間の配列方向pに沿った距離(L
1 +L2 +W3 )が波長λの整数倍に設定されるとみな
してもよい(または、波長λの整数倍になるように、第
1および第2間隙56および58の間の配列方向pに沿
った距離を調節してもよい。)。つまり、上述した各長
さまたは距離は、実質上、所望の信号伝搬特性に影響を
与えない程度の誤差(許容誤差)はあってもよいとす
る。
【0042】第1および第2間隙56および58のそれ
ぞれは電気的に開放となっており、第1間隙56とギャ
ップ領域60との間の配列方向pに沿った直線上の両者
から等距離の位置が電気的に短絡となり、また、第2間
隙58とギャップ領域60との間の配列方向pに沿った
直線上の両者から等距離の位置が電気的に短絡となる。
従って、第1および第2間隙56および58の間で、波
長λのマイクロ波信号が共振するようになる。
【0043】このように、第1導体線路46の第1線路
位置すなわち第1間隙56の位置を開放とし、第2導体
線路48の第2線路位置すなわち第2間隙58の位置を
開放とし、ギャップ領域60を開放としたとき、これら
第1線路位置およびギャップ領域60の中間位置と第2
線路位置およびギャップ領域60の中間位置とをそれぞ
れ短絡とし、所望の周波数帯域の中心周波数に相当する
波長をλとするとき、第1線路位置およびギャップ領域
60の間の距離と第2線路位置およびギャップ領域60
の間の距離とをそれぞれmλ/2(但し、mは整数)に
設定することによって、第1線路位置と第2線路位置す
なわち第1間隙56および第2間隙58の間でマイクロ
波信号を共振させることができる。この共振現象によっ
て、第1および第2間隙56および58の間にはマイク
ロ波信号の定在波が励振される。よって、第1接地導体
12および第2接地導体13の間を結合する下地金属板
10の作用と相俟って、第1および第2マイクロストリ
ップライン42および44の間が互いに電磁界的すなわ
ち高周波的に結合される。すなわち、これらマイクロス
トリップライン42および44の間は高周波的に短絡さ
れ、マイクロ波信号はこれらの間のギャップ領域60で
以て反射されずに透過するようになる。
【0044】このように、この第1構成例は、第1およ
び第2間隙56および58を具えており、これら第1お
よび第2間隙56および58の間の配列方向pに沿った
距離をマイクロ波信号の波長の整数倍に設定することに
より、これら第1および第2間隙56および58の間で
このマイクロ波信号を共振させて、第1および第2マイ
クロストリップライン42および44の間を高周波的に
結合することができる構成である。
【0045】この第1構成例の第1導体線路46および
第2導体線路48の幅すなわち第1、第2、第3および
第4副線路18、20、22および24の幅は、すべて
同一幅である。また、第1および第2副線路18および
20の配列方向pに沿った間隔すなわち第1間隙56の
配列方向pに沿った長さW1 と、第3および第4副線路
22および24の配列方向pに沿った間隔すなわち第2
間隙58の配列方向pに沿った長さW2 とは、電磁波の
広がりを考慮して、第1および第2誘電体基板14およ
び16の厚さHよりも小さく設定してある。また、第1
および第2導体線路46および48の間の領域(ギャッ
プ領域60)の配列方向pに沿った長さW3 は、電磁波
の広がりを考慮して、各誘電体基板14および16の厚
さHよりも小さく設定してある(また、λ/2よりも小
さく設定している。)。第1および第2誘電体基板14
および16の材料としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン(商標名:テフロン)等が用いられる。
【0046】次に、この第1構成例の動作をシミュレー
ション結果に基づき説明する。図2は、第1構成例の信
号伝搬特性のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。また、図3は、図2の結果と比較するための、従来
の構成例の信号伝搬特性のシミュレーション結果を示す
グラフである。図2は、第1および第2間隙56および
58を具える第1構成例の場合の結果を示し、図3は、
これら間隙56および58を具えない従来の構成の場合
の結果を示す。図2の(A)および図3の(A)の縦軸
には反射係数S11(Sパラメータ)をdB(デシベ
ル)単位で0から−50の範囲で取り、図2の(B)お
よび図3の(B)の縦軸には伝送係数S21(Sパラメ
ータ)をdB(デシベル)単位で0から−25の範囲で
取っている。各図の横軸はマイクロ波信号の周波数(f
req)をGHz(ギガヘルツ)単位で27.5から3
2.5の範囲で取っている。
【0047】この実施の形態のシミュレーションは、横
川・ヒューレット・パッカード(株)社製の商標名:マ
イクロウェーブ・デザイン・システム(MDS)を用い
て行われたものである。このシミュレーションでは、中
心周波数fを30GHzに設定してある(従って、この
周波数fに相当する波長λは、マイクロ波信号が導波す
る媒質の比誘電率などを考慮すると0.7cm程度であ
る。)。第1および第2間隙56および58を設けない
場合には、図3に示される従来の構成のシミュレーショ
ン結果の通り、反射係数S11は、測定周波数の範囲に
わたり、一定値0dBを取り(図3の(A))、伝送係
数S21は測定周波数の範囲にわたり、−16.6dB
から−17.5dBの範囲にあり(図3の(B))、ほ
とんどのマイクロ波信号がギャップ領域60で反射さ
れ、分布定数線路(第1および第2マイクロストリップ
ライン42および44)間が結合されていない状態であ
ることが分かる。
【0048】次に、第1および第2間隙56および58
を具える第1構成例の場合に、シミュレーションで設定
した他の定数の値は下記の通りである。
【0049】第1および第2誘電体基板14および16
の厚さH=0.3mm 第1および第2誘電体基板14および16の比誘電率=
10.4 L1 =L2 =3.4mm W1 =W2 =0.02mm W3 =0.2mm このように、第1および第2間隙56および58の間の
配列方向pに沿った距離(L1 +L2 +W3 )を7.0
mmとし、第1および第2間隙56および58の配列方
向pに沿った長さL1 およびL2 を波長λの約1/2に
設定してある。図2の第1構成例のシミュレーション結
果から、反射係数S11は中心周波数fの付近で−5
0.0dB程度の値を示しており(図2の(A))、伝
送係数S21は中心周波数fで0dBを取り(図2の
(B))、通過帯域型のフィルタ特性を示すようにな
る。この第1構成例のシミュレーション結果から明らか
なように、第1および第2間隙56および58を具える
第1の実施の形態の構成の場合、これら間隙56および
58の間でマイクロ波信号が共振し、ギャップ領域60
で反射されずに透過するようになり、第1および第2マ
イクロストリップライン42および44の間が電磁界的
にすなわち高周波的に結合する。
【0050】以上説明した通り、この第1の実施の形態
の構成は、分布定数線路としてのマイクロストリップラ
インの間を高周波的に結合するためにワイヤやリボン等
の機械的な橋絡手段を用いない構成である。従って、ワ
イヤ等の機械的な橋絡手段に起因して発生するインダク
タンスの問題がないため、マイクロストリップライン間
を高周波的に結合することができ、ミリ波帯のような高
い周波数における信号伝搬特性が向上する。
【0051】尚、この実施の形態では、第1および第2
マイクロストリップライン46および48の第1および
第2導体線路46および48のそれぞれに一つの間隙
(第1および第2間隙56および58)を設けたが、こ
れに限らず、それぞれに2つ以上の間隙を設けて3つ以
上の副線路に分断してもよい。図4に、第1および第2
導体線路46および48にそれぞれ2つの間隙を設けた
第1構成例の変形例を平面図として示す。尚、図4に
は、導体線路には斜線を付して示して、これらの番号を
省略して示してある。
【0052】この変形例の構成では、第1間隙56のギ
ャップ領域60とは反対側の導体線路位置に第3間隙7
4を、および、第2間隙58のギャップ領域60とは反
対側の導体線路位置に第4間隙76を設けている。第1
間隙56はギャップ領域60から配列方向pに沿った距
離L1 =λ/2の位置にあり(m=1の場合)、第3間
隙74は第1間隙56から配列方向pに沿った距離L3
がλ/2の位置(但し、第1間隙56の配列方向pに沿
った長さW1 および第3間隙74の幅(長さ)は信号伝
搬特性に影響を与えない程度の長さであるので省略して
いる。)すなわちギャップ領域60からλの距離の位置
にある。
【0053】また、第2間隙58はギャップ領域60か
ら配列方向pに沿った距離L2 =λ/2の位置(但し、
第2間隙58の配列方向pに沿った長さW2 および第4
間隙の幅(長さ)は信号伝搬特性に影響を与えない程度
の長さであるので省略している。)にあり(m=1の場
合)、第4間隙76は第2間隙58から配列方向pに沿
った距離L4 がλ/2の位置すなわちギャップ領域60
からλの距離の位置にある。この変形例の構成も、図1
で示した第1構成例と同様の効果を奏する。
【0054】また、図5は、第1の実施の形態の別の構
成を示す斜視図である。この第1構成例の別の構成は、
ギャップ領域60が誘電体材料で以て埋め込まれた構成
である。第1構成例のギャップ領域60に誘電体材料を
埋め込むことにより、誘電体基板の間を誘電体材料で以
て連続的な一体構造とした構成となっている。第1構成
例の第1および第2誘電体基板14および16は、これ
ら誘電体基板と同一の誘電体材料の層40aによって一
体的に結合され、ひとつの誘電体基板40を構成してい
る。このように、ギャップ領域60を誘電体材料で以て
埋め込むことにより、第1および第2マイクロストリッ
プライン42および44の間の静電容量を強めることが
できるから、これらマイクロストリップライン42およ
び44の間の結合をより強めることができる。尚、ギャ
ップ領域60に埋め込む誘電体材料は、第1および第2
誘電体基板14および16の材料と同一である必要はな
く、別の誘電体材料であってもよい。誘電体材料として
は、例えば、エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0055】また、この第1の実施の形態の別の構成
は、同一誘電体基板上に形成されたフィルタとして利用
することができる。図2のシミュレーション結果に示し
た第1構成例の信号伝搬特性と同様に、この第1構成例
の別の構成は、通過帯域型のフィルタ特性を示す。従っ
て、図4の構成を用いれば、サイズが小さくQ値等の特
性の優れた帯域通過型のフィルタが得られる。フィルタ
の通過帯域幅を変えるためには、例えば、図3の第1構
成例の変形例で示したように、一つの誘電体基板上に設
ける間隙を複数にしてシリーズに配列することにより、
間隙の個数により調整することが可能である。
【0056】[第2の実施の形態]次に、第2の実施の
形態の構成につき、図6から図12を参照して説明す
る。尚、第1の実施の形態で説明した構成と同様の構成
については説明を省略する場合がある。
【0057】図6は、第2の実施の形態の構成を示す斜
視図である。また、図7は、図6の第2の実施の形態の
構成を示す平面図である(図7では、導体線路および結
合用L字形線路に斜線を付して示してある。)。この図
6および図7に示されるように、この第2構成例では、
図1、図4および図5の構成例の場合とは異なり第1お
よび第2導体線路46および48は分断されてない連続
した、直角四辺形の独立の導体線路として設けられてい
て、第1および第2導体線路46および48がギャップ
領域60を介して直線的に配列された構成である。
【0058】そして、この第2構成例では、第1および
第2導体線路46および48を直方体とし、これら線路
46および48の長手方向が配列方向pと一致するよう
に、これら線路46および48を配列している。そし
て、この第1および第2導体線路46および48に隣接
させて(接触させていない)、第1および第2L字形線
路62および64のそれぞれを第1および第2誘電体基
板14および16上に設けている。第1L字形線路62
は、第1および第2導体線路46および48の配列方向
pと平行に設けられた直角四辺形の第1結合用導体線路
28と、この第1結合用導体線路28の一端(図7の破
線αで示される部分)に連結されて配列方向pと直交す
る方向qに延在する直角四辺形の第1先端開放導体線路
32とから成っている。
【0059】また、第2L字形線路64は、この配列方
向pと平行に設けられた直角四辺形の第2結合用導体線
路30と、この第2結合用導体線路30の一端(図7の
破線βで示される部分)に連結されて配列方向pと直交
する方向qに延在する直角四辺形の第2先端開放導体線
路34とから成っている。この第2構成例では、第1お
よび第2結合用導体線路28および30の、第1および
第2先端開放導体線路32および34に結合されていな
い側のそれぞれの先端εおよびζがギャップ領域60を
挟んで対向している。そして、これらL字形線路62お
よび64を設けたことにより、分布定数線路としての第
1マイクロストリップライン42(第1接地導体12、
第1誘電体基板14および第1導体線路46)と第2マ
イクロストリップライン44(第2接地導体13、第2
誘電体基板16および第2導体線路48)とを電磁界的
にすなわち高周波的に結合することを可能ならしめてい
る。
【0060】また、この第2構成例では、所望の周波数
帯域の中心周波数に相当する波長をλとするとき、第1
および第2L字形線路62および64の配列方向pに沿
った長さL1 およびL2 と当該配列方向pに直交する方
向qに沿った長さL3 およびL4 とがそれぞれnλ/4
(但し、nは奇数)に設定されている構成である(図6
および図7の構成は、n=1の場合である。奇数nに
は、1、3、5という具合に奇数を設定することができ
るが、基本モードの波の方が励振されやすいから、なる
べく低次数すなわちn=1の場合が最適である。)。
尚、ここで、上述した長さL1 およびL2 は、配列方向
pの方向に沿った、第1および第2結合用導体線路28
および30のそれぞれの長さと、このp方向に沿った、
第1および第2先端開放導体線路32および34のそれ
ぞれの幅とを加算してそれぞれ得られた長さに対応して
いる。また、長さL3 およびL4 は、q方向に沿った、
第1および第2先端開放導体線路32および34の長さ
にそれぞれ対応している。
【0061】上述した通り、第1および第2L字形線路
62および64のサイズが設定されているときには、第
1L字形線路62の配列方向pに沿った長さL1 と、第
2L字形線路64の配列方向pに沿った長さL2 と、第
1L字形線路62の配列方向pと直交する方向qに沿っ
た長さL3 と、および、第2L字形線路64の配列方向
pと直交する方向qに沿った長さL4 とはλ/4となっ
ている。ギャップ領域60の領域長すなわち第1誘電体
基板14と第2誘電体基板16との間の配列方向pに沿
った距離Wが波長λに比べて小さいときには、第1およ
び第2L字形線路62および64の間の配列方向pに沿
った長さと距離Wとの和(L1 +L2 +W)が波長λの
1/2の整数倍に設定されるとみなしてもよい。つま
り、長さL1 およびL2 は、実質上、所望の信号伝搬特
性に影響を与えない程度のサイズ(寸法)の誤差はあっ
てもよいとする。
【0062】このとき、第1および第2L字形線路62
および64を構成する先端開放導体線路32および34
の、第1および第2導体線路46および48とは反対側
の先端(図7の記号γおよびδで示される部分)は開放
(インピーダンスが無限大の状態)となっている。ま
た、第1および第2結合用導体線路28および30の先
端開放導体線路32および34と接続されている側とは
反対側の先端(図7の記号εおよびζで示される部分)
も開放となっている。従って、L字形線路62および6
4のサイズ(L1 、L2 、L3 およびL4 )を適当に設
定することによって第1および第2先端開放導体線路3
2および34の他方の先端(図7の記号ηおよびθで示
される部分)を短絡(グランド電位となる状態)とする
ことができる。例えば、所望の周波数帯域の中心周波数
に対応する波長をλとするときに、L1 =L2 =L3
4 =λ/4とすることが出来る。尚、開放となる位置
や短絡となる位置は上述した線路の端ばかりでなく、こ
れらを含む周辺領域が開放または短絡となる場合もあ
る。
【0063】また、第1導体線路46と第1L字形線路
62との間の、q方向に沿った離間距離S1 と、第1導
体線路48と第2L字形線路64との間のq方向に沿っ
た離間距離S2 とが、電磁波の広がりを考慮して、第1
および第2誘電体基板14および16の厚さHよりも小
さく設定されているので、導体線路46および48と結
合用導体線路28および30との間は分布結合され、前
述した短絡となる位置ηおよびθに近接する導体線路4
6および48の部分(図7の記号ρおよびσで示される
部分)が新たに短絡となる。導体線路46および48の
それぞれの短絡となる位置ρおよびσの間の距離(この
距離は、実質的にはL1 +L2 +Wであるが、実際に
は、WはL1 およびL2 に比べて小さいので、L1 +L
2 と近似することができる。)が、マイクロストリップ
ライン42および44を導波するマイクロ波信号の波長
λの1/2の整数倍であるときには、このマイクロ波信
号をこれら短絡となる位置ρおよびσの間で共振させる
ことができ、このときマイクロストリップライン42お
よび44の間をギャップ領域60を挟んで電磁界的にす
なわち高周波的に結合することができる。従って、マイ
クロストリップライン間を結合するのにワイヤ等の機械
的橋絡手段が不要であり、マイクロストリップライン間
にインダクタンスが挿入されてしまうことがないから、
この第2構成例は、従来の構成に比較して信号伝搬特性
が高められた構成となっている。
【0064】このように、第1導体線路46の第1線路
位置(短絡となる位置ρ)を短絡とし、第2導体線路4
8の第2線路位置(短絡となる位置σ)を短絡とし、ギ
ャップ領域60を開放としたとき、所望の周波数帯域の
中心周波数に相当する波長をλとするとき、第1線路位
置およびギャップ領域60の間の距離と第2線路位置お
よびギャップ領域60の間の距離とをそれぞれnλ/4
に設定することにより、第1線路位置と第2線路位置と
の間でマイクロ波信号を共振させることができる。この
共振現象によって、第1および第2線路位置の間にはマ
イクロ波信号の定在波が形成される。よって、第1接地
導体12および第2接地導体13の間を結合する下地金
属板10の作用と相俟って、第1および第2マイクロス
トリップライン42および44の間が高周波的に結合さ
れる。すなわち、これらマイクロストリップライン42
および44の間は電磁界的にすなわち高周波的に短絡さ
れ、マイクロ波信号はこれらの間のギャップ領域60で
以て反射されずに透過するようになる。
【0065】次に、この第2構成例の動作をシミュレー
ション結果に基づき説明する。図8は、第2構成例の信
号伝搬特性のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。また、図9は、図8の結果と比較するための、従来
の構成例の信号伝搬特性のシミュレーション結果を示す
グラフである。図8は、第1および第2L字形線路62
および64を具える第2構成例の場合の結果を示し、図
9は、これらL字形線路62および64を具えない従来
の構成の場合の結果を示す。図8の(A)および図9の
(A)の縦軸には反射係数S11(Sパラメータ)をd
B(デシベル)単位で0から−20の範囲で取り、図8
の(B)および図9の(B)の縦軸には伝送係数S21
(Sパラメータ)をdB(デシベル)単位で0から−5
0の範囲で取っている。各図の横軸はマイクロ波信号の
周波数(freq)をGHz(ギガヘルツ)単位で2
7.5から32.5の範囲で取っている。
【0066】この第2の実施の形態のシミュレーション
は、第1の実施の形態と同様に、横川・ヒューレット・
パッカード(株)社製の商標名:マイクロウェーブ・デ
ザイン・システム(MDS)を用いて行われたものであ
る。このシミュレーションでは、中心周波数fを30G
Hzに設定してある(従って、この周波数fに相当する
波長λは、マイクロ波信号が導波する媒質の比誘電率な
どを考慮すると0.8cm程度である。)。第1および
第2L字形線路62および64を設けない場合には、図
9に示される従来の構成のシミュレーション結果の通
り、反射係数S11は一定値0dBを取り(図9の
(A))、伝送係数S21は測定周波数の範囲にわたり
−32.5dBから−35dBの範囲にあり(図9の
(B))、ほとんどのマイクロ波信号がギャップ領域6
0で反射され、分布定数線路間が結合されていない状態
であることが分かる。
【0067】次に、第1および第2L字形線路62およ
び64を具える第2構成例の場合に、シミュレーション
で設定した他の定数の値は下記の通りである。
【0068】第1および第2誘電体基板14および16
の厚さH=0.13mm 第1および第2誘電体基板14および16の比誘電率=
2.20 L1 =L2 =L3 =L4 =1.83mm S1 =S2 =0.2mm W=0.1mm このように、第1および第2L字形線路62および64
の配列方向pに沿った長さと距離Wとの和(L1 +L2
+W)を3.76mmとし、第1および第2L字形線路
62および64の配列方向pに沿った長さL1 およびL
2 を波長λの約1/4に設定してある。図8の第2構成
例のシミュレーション結果から、反射係数S11は中心
周波数fの付近で−18dB程度の値を示し、約29.
0GHz以下および約30GHz以上では0dBを示し
ており(図8の(A))、伝送係数S21は中心周波数
fで0dB程度であり、また、27.5GHzでは約−
25dBおよび約31.5GHz以上では−30dBに
なっており(図8の(B))、通過帯域型のフィルタ特
性を示すようになる。この第2構成例のシミュレーショ
ン結果から明らかなように、第1および第2L字形線路
62および64を具える構成の場合、前述した短絡とな
る位置ρおよびσの間でマイクロ波信号が共振し、ギャ
ップ領域60で反射されずに透過するようになり、マイ
クロストリップライン42および44の間が電磁界的に
すなわち高周波的に結合する。
【0069】以上説明した通り、この第2の実施の形態
の構成は、分布定数線路としての第1および第2マイク
ロストリップライン42および44の間を高周波的に結
合するのにワイヤ等の機械的な橋絡手段を用いない構成
である。従って、ワイヤやリボン等の機械的な橋絡手段
に起因して発生するインダクタンスの問題がないため、
これらマイクロストリップライン間を高周波的に結合す
ることができ、ミリ波帯のような高い周波数における信
号伝搬特性が向上する。
【0070】尚、この実施の形態では、第1および第2
マイクロストリップライン42および44の各々に1つ
のL字形線路を設けたが、これに限らず、2つ以上のL
字形線路を設けてもよい。図10に、第1および第2マ
イクロストリップライン42および44のそれぞれに3
つのL字形線路を設けた第2構成例の変形例を平面図と
して示す。また、図11に、第1および第2マイクロス
トリップライン42および44のそれぞれに2つのL字
形線路を設けた第2構成例の変形例を平面図として示
す。尚、図10および図11には、L字形線路および導
体線路を斜線を付して示してある。
【0071】図10の変形例の構成では、第1マイクロ
ストリップライン42に第1、第3および第5L字形線
路62、78および82を具えており、第2マイクロス
トリップライン44に第2、第4および第6L字形線路
64、80および84を具えている。それぞれのL字形
線路の配列方向pに沿った長さと配列方向pに直交する
方向qに沿った長さはλ/4に設定されている。この構
成例の第3L字形線路78は第1導体線路18を挟んで
第1L字形線路62とは反対側の第1誘電体基板14上
に設けられ、第1および第3L字形線路62および78
の短絡点となる位置(L字形の曲折部)が、ギャップ領
域60からの配列方向pに沿った距離がλ/4の位置に
なるように配置されている。また、第5L字形線路82
の短絡となる線路位置が、ギャップ領域60からの配列
方向pに沿った距離が3λ/4になるように配置されて
いる。
【0072】一方、この構成例の第4L字形線路80は
第2導体線路20を挟んで第2L字形線路64とは反対
側の第2誘電体基板16上に設けられ、第2および第4
L字形線路64および80の短絡となる線路位置が、ギ
ャップ領域60からの配列方向pに沿った距離がλ/4
の位置になるように配置されている。また、第6L字形
線路84の短絡となる線路位置が、ギャップ領域60か
らの配列方向pに沿った距離が3λ/4になるように配
置されている。このように、各L字形線路の短絡となる
線路位置が、ギャップ領域60からの配列方向pに沿っ
た距離がλ/4の奇数倍となるように配置されている構
成である。図11に示す変形例の構成は、図10に示し
た構成例のうち、第3L字形線路78と第4L字形線路
80とが設けられていない構成である。これらの変形例
の構成も、図6および図7で示した第2構成例と同様の
効果を奏する。
【0073】また、図12は、第2の実施の形態の別の
構成を示す斜視図である。この第2構成例の別の構成
は、ギャップ領域60が誘電体材料で以て埋め込まれた
構成である。第2構成例の第1および第2誘電体基板1
4および16は、これら誘電体基板と同一の誘電体材料
によって連続一体構造としてひとつの誘電体基板40を
構成している。このように、ギャップ領域60を誘電体
材料の層40aで以て埋め込むことにより、マイクロス
トリップライン42および44の間の静電容量を強める
ことができるから、これらマイクロストリップラインの
間の結合をより強めることができる。尚、ギャップ領域
60に埋め込む誘電体材料としては、第1および第2誘
電体基板の材料と同一である必要はなく、別の誘電体材
料であってもよい。誘電体材料としては、例えば、エポ
キシ樹脂などを用いることができる。
【0074】また、この第2の実施の形態の別の構成
は、同一誘電体基板上に形成されたフィルタとして利用
することができる。図8のシミュレーション結果に示し
た通り、この第2構成例の別の構成は通過帯域型のフィ
ルタ特性を示す。従って、図12に示した構成を利用す
ることにより、サイズが小さくQ値等の特性の優れた帯
域通過型のフィルタを得ることが可能である。フィルタ
の通過帯域幅を変えるためには、例えば、図10および
図11の第2の構成例の変形例で示したように、複数の
L字形線路をシリーズに配列し、このL字形線路の個数
を調整することにより行える。
【0075】[第3の実施の形態]次に、第3の実施の
形態の構成につき、図13から図17を参照して説明す
る。尚、第1および第2の実施の形態で説明した構成と
同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0076】図13は、第3の実施の形態の構成を示す
斜視図である。また、図14は、図13の第3の実施の
形態の構成を示す平面図である(導体線路および結合用
導体線路を斜線で示してある。)。この第3構成例で
は、図1、図4および図5の構成例の場合とは異なり第
1および第2導体線路46および48はそれぞれ分断さ
れない連続した、直角四辺形の独立の導体線路として設
けられていて、第1および第2導体線路46および48
がギャップ領域60を介して直線的に配列された構成で
ある。
【0077】そして、この第3構成例では、第1および
第2導体線路46および48を直方体とし、これら線路
46および48の長手方向が配列方向pと一致するよう
に、これら線路46および48を配列している。そし
て、この第1および第2導体線路46および48に隣接
させて(接触させていない)、第1および第2結合用導
体線路28および30のそれぞれを第1および第2誘電
体基板14および16上に設けている。
【0078】第1結合用導体線路28は、第1および第
2導体線路46および48の配列方向pと平行に第1誘
電体基板14上に設けられた直角四辺形の導体線路であ
り、この第1結合用導体線路28の、第1および第2導
体線路46および48の対向端(図14の記号εおよび
ζで示される端部)とは反対側の先端部(図13および
図14の記号αで示される導体線路部)に第1バイアホ
ール36が形成されている。また、第2結合用導体線路
30は、配列方向pと平行に第2誘電体基板16上に設
けられた直角四辺形の導体線路であり、この第2結合用
導体線路30の、対向端εおよびζとは反対側の先端部
(図13および図14の記号βで示される導体線路部)
に第2バイアホール38が形成されている。
【0079】この第3構成例では、第1および第2結合
用導体線路28および30の、それぞれの先端εおよび
ζがギャップ領域60を挟んで対向している。そして、
これら結合用導体線路28および30とバイアホール3
6および38とを設けたことにより、分布定数線路とし
ての第1マイクロストリップライン42(第1接地導体
12、第1誘電体基板14および第1導体線路46)と
第2マイクロストリップライン44(第2接地導体1
3、第2誘電体基板16および第2導体線路48)とを
電磁界的にすなわち高周波的に結合することを可能なら
しめている。
【0080】また、この第3構成例では、所望の中心周
波数に相当する波長をλとするとき、第1および第2結
合用導体線路28および30の配列方向pに沿った長さ
1およびL2 がnλ/4(但し、nは奇数)に設定さ
れている構成である(図13および図14の構成は、n
=1の場合である。奇数nには、1、3、5という具合
に奇数を設定することができるが、基本モードの波の方
が励振され易いから、なるべく低次数すなわちn=1の
場合が最適である。)。
【0081】上述した通り、第1および第2結合用導体
線路28および30のサイズと第1および第2バイアホ
ール36および38の位置が設定されているときには、
第1結合用導体線路28の配列方向pに沿った長さL1
と、第2結合用導体線路30の配列方向pに沿った長さ
2 とはλ/4となっている(n=1の場合)。ギャッ
プ領域60の領域長すなわち第1誘電体基板14と第2
誘電体基板16との間の配列方向pに沿った距離Wが波
長λに比べて小さいときには、第1および第2結合用導
体線路28および30の配列方向pに沿った長さと距離
Wとの和(L1+L2 +W)が波長λの1/2の整数倍
に設定されるとみなすことができる。つまり、長さL1
およびL2 は、実質上、所望の信号伝搬特性に影響を与
えない程度のサイズ(寸法)の誤差はあってもよいとす
る。
【0082】このとき、これら結合用導体線路28およ
び30の、バイアホール36および38が設けられてい
る先端αおよびβは短絡となる。そして、第1導体線路
46と第1結合用導体線路28との間のq方向に沿った
距離S1 と、第2導体線路48と結合用導体線路30と
の間のq方向に沿った距離S2 とは、電磁波の広がりを
考慮して、第1および第2誘電体基板14および16の
厚さHよりも小さく設定されているから、導体線路46
および48と結合用導体線路28および30との間は分
布結合され、これら短絡となる線路位置αおよびβに近
接する導体線路46および48の位置(図14の記号ρ
およびσで示される部分)を短絡とすることができる。
導体線路46および48のそれぞれの短絡となる線路位
置ρおよびσの間の配列方向pに沿った距離(この距離
は、実質的にはL1 +L2 +Wであるが、実際には、W
はL1 およびL2 に比べて小さいので、L1 +L2 と近
似することができる。)が、マイクロストリップライン
42および44を導波するマイクロ波信号の波長λの1
/2の整数倍であるときには、このマイクロ波信号をこ
れら短絡となる線路位置ρおよびσの間で共振させるこ
とができ、このときマイクロストリップライン42およ
び44の間を電磁界的にすなわち高周波的に結合するこ
とができる。従って、マイクロストリップライン間を結
合するのにワイヤ等の機械的な橋絡手段が不要であり、
これらマイクロストリップライン間にインダクタンスが
挿入されてしまうことがないから、この第3構成例は、
従来の構成に比較して信号伝搬特性が高められた構成と
なっている。
【0083】このように、第1導体線路46の第1線路
位置(短絡となる位置ρ)を短絡とし、第2導体線路4
8の第2線路位置(短絡となる位置σ)を短絡とし、ギ
ャップ領域60を開放としたとき、所望の周波数帯域の
中心周波数に相当する波長をλとするとき、第1線路位
置およびギャップ領域60の間の距離と第2線路位置お
よびギャップ領域60の間の距離とをそれぞれnλ/4
に設定することにより、第1線路位置と第2線路位置と
の間でマイクロ波信号を共振させることができる。この
共振現象によって、第1および第2線路位置の間にはマ
イクロ波信号の定在波が形成される。よって、第1接地
導体12および第2接地導体13の間を結合する下地金
属板10の作用と相俟って、第1および第2マイクロス
トリップライン42および44の間が電磁界的にすなわ
ち高周波的に結合される。すなわち、これらマイクロス
トリップライン42および44の間は高周波的に短絡さ
れ、マイクロ波信号はこれらの間のギャップ領域60で
以て反射されずに透過するようになる。
【0084】次に、この第3構成例の動作をシミュレー
ション結果に基づいて説明する。図15は、第3構成例
の信号伝搬特性のシミュレーション結果を示すグラフで
ある。また、図16は、図15の結果と比較するため
の、従来の構成例の信号伝搬特性のシミュレーション結
果を示すグラフである。図15は、第1および第2結合
用導体線路28および30を具える第3構成例の場合の
結果を示し、図16は、これら結合用導体線路28およ
び30を具えない従来の構成の場合の結果を示す。図1
5の(A)および図16の(A)の縦軸には反射係数S
11(Sパラメータ)をdB(デシベル)単位で0から
−20の範囲で取り、図15の(B)および図16の
(B)の縦軸には伝送係数S21(Sパラメータ)をd
B(デシベル)単位で0から−50の範囲で取ってい
る。各図の横軸はマイクロ波信号の周波数(freq)
をGHz(ギガヘルツ)単位で27.5から32.5の
範囲で取っている。
【0085】この実施の形態のシミュレーションは、第
1および第2の実施の形態と同様に、横川・ヒューレッ
ト・パッカード(株)社製の商標名:マイクロウェーブ
・デザイン・システム(MDS)を用いて行われたもの
である。このシミュレーションでは、中心周波数fを3
0GHzに設定してある(従って、この周波数fに相当
する波長λは、マイクロ波信号が導波する媒質の比誘電
率などを考慮すると0.8cm程度である。)。第1お
よび第2結合用導体線路28および30を設けない場合
には、図16に示される従来の構成のシミュレーション
結果の通り、反射係数S11は測定周波数の範囲にわた
り一定値0dBを取り(図16の(A))、伝送係数S
21は測定周波数の範囲にわたり−32.5dBから−
35dBの範囲にあり(図16の(B))、ほとんどの
マイクロ波信号がギャップ領域60で反射され、分布定
数線路間が結合されていない状態であることが分かる。
【0086】次に、第1および第2結合用導体線路28
および30を具える第3構成例の場合に、シミュレーシ
ョンで設定した他の定数の値は下記の通りである。
【0087】第1および第2誘電体基板14および16
の厚さH=0.13mm 第1および第2誘電体基板14および16の比誘電率=
2.20 L1 =L2 =1.86mm S1 =S2 =0.02mm W=0.1mm このように、第1結合用導体線路28の先端αと第2結
合用導体線路30の先端βとの間の配列方向pに沿った
距離(L1 +L2 +W)を3.82mmとし、第1およ
び第2線路領域52および54の配列方向pに沿った長
さL1 およびL2 を波長λの約1/4に設定してある。
図15の第3構成例のシミュレーション結果から、反射
係数S11は中心周波数fの付近で−20dB程度の値
を示し、約29.0GHz以下および約31.0GHz
以上では0dBを示しており(図15の(A))、伝送
係数S21は中心周波数fで0dB程度であり、また、
27.5GHzでは約−25dBおよび32.5GHz
では約−30dBになっており(図15の(B))、通
過帯域型のフィルタ特性を示すようになる。この第3構
成例のシミュレーション結果から明らかなように、第1
および第2バイアホール36および38を有する第1お
よび第2結合用導体線路28および30を具える構成の
場合、前述した短絡となる位置ρおよびσの間でマイク
ロ波信号が共振し、ギャップ領域60で反射されずに透
過するようになり、マイクロストリップライン42およ
び44の間が電磁界的にすなわち高周波的に結合する。
【0088】以上説明した通り、この第3の実施の形態
の構成は、分布定数線路としてのマイクロストリップラ
インの間を高周波的に結合するためにワイヤやリボン等
の機械的な橋絡手段を用いない構成である。従って、ワ
イヤ等の機械的な橋絡手段に起因して発生するインダク
タンスの問題がないため、マイクロストリップライン間
を高周波的に結合することができ、ミリ波帯のような高
い周波数における信号伝搬特性が向上する。
【0089】また、図17は、第3の実施の形態の別の
構成を示す斜視図である。この第3構成例の別の構成
は、ギャップ領域60が誘電体材料で以て埋め込まれた
構成である。第3構成例の第1および第2誘電体基板1
4および16は、これら誘電体基板と同一の誘電体材料
によって連続一体構造としてひとつの誘電体基板40を
構成している。このように、ギャップ領域60を誘電体
材料の層40aで以て埋め込むことにより、マイクロス
トリップライン42および44の間の静電容量を強める
ことができるから、これらマイクロストリップラインの
間の結合をより強めることができる。尚、ギャップ領域
60に埋め込む誘電体材料は、第1および第2誘電体基
板14および16の材料と同一である必要はなく、別の
誘電体材料であってもよい。誘電体材料としては、例え
ば、エポキシ樹脂などを用いることができる。
【0090】また、この第3の実施の形態の別の構成
は、同一誘電体基板上に形成されたフィルタとして利用
することができる。図15のシミュレーション結果に示
した通り、この第3構成例の別の構成は通過帯域型のフ
ィルタ特性を示す。従って、図17に示した構成を用い
れば、サイズが小さくQ値等の特性の優れた帯域通過型
のフィルタを得ることが可能である。
【0091】
【発明の効果】この発明の分布定数線路の結合方法によ
れば、第1および第2導体線路の間にギャップ領域を介
在させてこれらを離間させて直線的に配列することによ
り、下地金属板と相俟って、第1および第2分布定数線
路の間を電磁界的に結合させることができる。従って、
従来の様に、分布定数線路の間を結合するためにワイヤ
等の機械的な橋絡手段を用いる必要が無いので、分布定
数線路の間にインダクタンスが挿入されずに済むから、
従来に比べて良好な信号伝搬特性を得ることが可能であ
る。
【0092】また、この発明の分布定数線路の結合方法
によれば、第1および第2導体線路の所定の線路位置を
開放とすることにより、マイクロ波信号を、これら2つ
の線路位置の間で共振させることができる。従って、分
布定数線路の間を高周波的に結合することが可能であ
り、従来の様に、分布定数線路の間を結合するためにワ
イヤ等の機械的な橋絡手段を用いる必要が無いので、分
布定数線路の間にインダクタンスが挿入されずに済むか
ら、従来に比べて良好な信号伝搬特性を得ることが可能
である。
【0093】また、この発明の分布定数線路の結合方法
によれば、第1および第2導体線路の所定の線路位置を
短絡とすることにより、分布定数線路を導波するマイク
ロ波信号をこれら2つの線路位置の間で共振させること
ができる。よって、第1および第2分布定数線路の間
を、高周波的に結合することが可能である。従って、従
来の様に、分布定数線路の間を結合するためにワイヤ等
の機械的な橋絡手段を用いる必要が無いので、分布定数
線路の間にインダクタンスが挿入されずに済むから、従
来に比べて良好な信号伝搬特性を得ることが可能であ
る。
【0094】また、この発明の分布定数線路の結合方法
によれば、分布定数線路としてマイクロストリップライ
ンを用いることにより、マイクロ波回路の集積化が容易
になり、広帯域性、回路素子のマウントの容易さ、寄生
素子の影響の少ないことなどの利点を有するようにな
る。
【0095】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、第1および第2導体線路の間にギャップ領域を設け
ることによって、それぞれの導体線路の間の静電容量を
従来の構成より大きくした構成となっている。よって、
このギャップ領域と下地金属板とが相俟って、これら導
体線路の間を分布結合すなわち電磁界的に結合すること
ができる。従って、導体線路の間を従来のようにワイヤ
等の機械的な橋絡手段で接続する必要がないので、ワイ
ヤ等の機械的な橋絡手段が有するインダクタンスによる
特性の劣化が無く、このため分布定数線路の間を高周波
的に接続することが可能になる。
【0096】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、第1および第2間隙をそれぞれ第1および第2導体
線路の所定の位置に設けたことにより、第1および第2
間隙の間で、短絡となる線路位置を節とし、開放となる
線路位置を腹とする定在波が励振され、第1および第2
分布定数線路が高周波的に結合する。従って、導体線路
の間を従来のようにワイヤ等の機械的な橋絡手段で接続
する必要がないので、ワイヤ等の機械的な橋絡手段が有
するインダクタンスによる特性の劣化が無く、分布定数
線路の間を高周波的に接続することが可能になり、従来
に比べて優れた信号伝搬特性を有する構成を得ることが
できる。
【0097】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、誘電体基板の間を誘電体材料で以て埋め込むことに
より、第1および第2分布定数線路の間の静電容量を強
めることができ、従って、これら分布定数線路間の電磁
界的な結合を強めることができる。よって、従来に比べ
てさらに優れた信号伝搬特性を有する構成を得ることが
できる。
【0098】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、第1および第2L字形線路をそれぞれ第1および第
2分布定数線路の所定の位置に設けたことにより、第1
および第2導体線路の所定の線路位置を短絡とすること
ができる。よって、第1および第2導体線路の短絡され
た線路位置を節とし、開放となるギャップ領域を腹とす
る定在波が励振され、第1および第2分布定数線路が高
周波的に結合する。従って、導体線路の間を従来のよう
にワイヤ等の機械的な橋絡手段で接続する必要がないの
で、ワイヤ等の機械的な橋絡手段が有するインダクタン
スによる特性の劣化が無く、分布定数線路の間を高周波
的に接続することが可能になり、従来に比べて優れた信
号伝搬特性を有する構成を得ることができる。
【0099】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、誘電体基板の間を誘電体材料で以て埋め込むことに
より、第1および第2分布定数線路の間の静電容量を強
めることができ、従って、これら分布定数線路間の電磁
界的な結合を強めることができる。よって、従来に比べ
てさらに優れた信号伝搬特性を有する構成を得ることが
できる。
【0100】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、第1および第2バイアホールをそれぞれ第1および
第2結合用導体線路の所定の位置に設け、これら第1お
よび第2結合用導体線路を第1および第2分布定数線路
の所定の位置に設けたことにより、第1および第2導体
線路の所定の線路位置を短絡とすることができる。よっ
て、第1および第2導体線路の短絡された線路位置を節
とし、開放となるギャップ領域を腹とする定在波が励振
され、第1および第2分布定数線路が高周波的に結合す
る。従って、導体線路の間を従来のようにワイヤ等の機
械的な橋絡手段で接続する必要がないので、ワイヤ等の
機械的な橋絡手段が有するインダクタンスによる特性の
劣化が無く、分布定数線路の間を高周波的に接続するこ
とが可能になり、従来に比べて優れた信号伝搬特性を有
する構成を得ることができる。
【0101】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、誘電体基板の間を誘電体材料で以て埋め込むことに
より、各チップを構成する分布定数線路の間の静電容量
を強めることができ、従って、これら分布定数線路間の
電磁界的な結合を強めることができる。よって、従来に
比べてさらに優れた信号伝搬特性を有する構成を得るこ
とができる。
【0102】また、この発明のマイクロ波回路によれ
ば、分布定数線路としてマイクロストリップラインを用
いることにより、マイクロ波回路の集積化が容易にな
り、広帯域性、回路素子のマウントの容易さ、寄生素子
の影響の少ないことなどの利点を有するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】第1構成例のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図3】従来の構成例のシミュレーション結果を示す図
である。
【図4】第1の実施の形態の構成の変形例を示す図であ
る。
【図5】第1の実施の形態の別の構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図8】第2構成例のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図9】従来の構成例のシミュレーション結果を示す図
である。
【図10】第2の実施の形態の変形例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態の変形例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態の別の構成を示す図であ
る。
【図13】第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図14】第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図15】第3構成例のシミュレーション結果を示す図
である。
【図16】従来の構成例のシミュレーション結果を示す
図である。
【図17】第3の実施の形態の別の構成を示す図であ
る。
【図18】従来の構成を示す図である。
【符号の説明】
10:下地金属板 12:第1接地導体 13:第2接地導体 14:第1誘電体基板 16:第2誘電体基板 18:第1副線路 20:第2副線路 22:第3副線路 24:第4副線路 26:ワイヤ 28:第1結合用導体線路 30:第2結合用導体線路 32:第1先端開放導体線路 34:第2先端開放導体線路 36:第1バイアホール 38:第2バイアホール 40:誘電体基板 40a:誘電体材料の層 42:第1マイクロストリップライン 44:第2マイクロストリップライン 46:第1導体線路 48:第2導体線路 56:第1間隙 58:第2間隙 60:ギャップ領域 62:第1L字形線路 64:第2L字形線路 70:第1分布定数線路 72:第2分布定数線路 74:第3間隙 76:第4間隙 78:第3L字形線路 80:第4L字形線路 82:第5L字形線路 84:第6L字形線路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導体線路、第1誘電体基板および第
    1接地導体から構成された個別の第1分布定数線路と、
    第2導体線路、第2誘電体基板および第2接地導体から
    構成された個別の第2分布定数線路とを、前記第1およ
    び第2接地導体が共通の下地金属板で電気的に結合させ
    るようにして、該下地金属板上に配列させて設けて前記
    第1および第2分布定数線路間を結合するに当たり、 前記第1および第2導体線路間にギャップ領域を設けて
    直線的に配列して前記第1および第2分布定数線路を電
    磁界的に結合させることを特徴とする分布定数線路の結
    合方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分布定数線路の結合方
    法において、 前記第1導体線路の第1線路位置を開放とし、前記第2
    導体線路の第2線路位置を開放とし、前記ギャップ領域
    を開放としたとき、これら第1線路位置およびギャップ
    領域の中間位置と第2線路位置およびギャップ領域の中
    間位置とをそれぞれ短絡とし、 所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとす
    るとき、前記第1線路位置および前記ギャップ領域の間
    の距離と前記第2線路位置および前記ギャップ領域の間
    の距離とをそれぞれmλ/2(但し、mは整数)に設定
    することを特徴とする分布定数線路の結合方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の分布定数線路の結合方
    法において、 前記第1導体線路の第1線路位置を短絡とし、前記第2
    導体線路の第2線路位置を短絡点とし、前記ギャップ領
    域を開放点としたとき、 所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとす
    るとき、前記第1線路位置および前記ギャップ領域の間
    の距離と前記第2線路位置および前記ギャップ領域の間
    の距離とをそれぞれnλ/4(但し、nは奇数)に設定
    することを特徴とする分布定数線路の結合方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか一項に
    記載の分布定数線路の結合方法において、 前記分布定数線路をマイクロストリップラインとしたこ
    とを特徴とする分布定数線路の結合方法。
  5. 【請求項5】 第1誘電体基板と、該第1誘電体基板の
    下面に設けられた第1接地導体と、前記第1誘電体基板
    に設けられた前記下面と平行な第1導体線路とで構成さ
    れる個別の第1分布定数線路と、第2誘電体基板と、該
    第2誘電体基板の下面に設けられた第2接地導体と、前
    記第2誘電体基板に設けられた前記下面に平行な第2導
    体線路とで構成される個別の第2分布定数線路とが、前
    記第1および第2接地導体が下地金属板で電気的に結合
    されるようにして、該下地金属板上に配列されて設けら
    れて前記第1および第2分布定数線路間が結合されたマ
    イクロ波回路において、 前記第1および第2導体線路を直線的に配列させて前記
    第1および第2分布定数線路を電磁界的に結合させるた
    め、該第1および第2導体線路間にギャップ領域を具え
    てなることを特徴とするマイクロ波回路。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のマイクロ波回路におい
    て、 前記第1導体線路に、前記第1および第2導体線路の配
    列方向に直交する方向に延在する第1間隙を具え、前記
    第2導体線路に、前記第1および第2導体線路の配列方
    向に直交する方向に延在する第2間隙を具え、 所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとす
    るとき、前記第1間隙および前記ギャップ領域間の前記
    配列方向に沿った距離と、前記第2間隙および前記ギャ
    ップ領域間の前記配列方向に沿った距離とがそれぞれm
    λ/2(但し、mは整数)に設定されていることを特徴
    とするマイクロ波回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のマイクロ波回路におい
    て、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て埋め込まれて
    いることを特徴とするマイクロ波回路。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のマイクロ波回路におい
    て、 前記第1および第2導体線路の配列方向と平行に設けら
    れた直角四辺形の第1結合用導体線路と、該第1結合用
    導体線路の一端に連結されて前記配列方向と直交する方
    向に延在する直角四辺形の第1先端開放導体線路とから
    成る第1L字形線路を前記第1誘電体基板に具え、 前記配列方向と平行に設けられた直角四辺形の第2結合
    用導体線路と、該第2結合用導体線路の一端に連結され
    て前記配列方向と直交する方向に延在する直角四辺形の
    第2先端開放導体線路とから成る第2L字形線路を前記
    第2誘電体基板に具え、 所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとす
    るとき、前記第1および第2L字形線路の前記配列方向
    に沿った長さと当該配列方向に直交する方向に沿った長
    さとがそれぞれnλ/4(但し、nは奇数)に設定され
    ていることを特徴とするマイクロ波回路。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のマイクロ波回路におい
    て、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て埋め込まれて
    いることを特徴とするマイクロ波回路。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載のマイクロ波回路にお
    いて、 前記第1および第2導体線路の配列方向と平行に前記第
    1誘電体基板に設けられた直角四辺形の第1結合用導体
    線路を具えていて、該第1結合用導体線路の前記第1お
    よび第2導体線路の対向端とは反対側の先端部には第1
    バイアホールが形成されており、 さらに、前記配列方向と平行に前記第2誘電体基板に設
    けられた直角四辺形の第2結合用導体線路を具えてい
    て、該第2結合用導体線路の前記対向端とは反対側の先
    端部には第2バイアホールが形成されており、 所望の周波数帯域の中心周波数に相当する波長をλとす
    るとき、前記第1および第2結合用導体線路の前記配列
    方向に沿った長さがnλ/4(但し、nは奇数)に設定
    されていることを特徴とするマイクロ波回路。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のマイクロ波回路に
    おいて、前記ギャップ領域が誘電体材料で以て埋め込ま
    れていることを特徴とするマイクロ波回路。
  12. 【請求項12】 請求項5から請求項11のいずれか一
    項に記載のマイクロ波回路において、 前記分布定数線路をマイクロストリップラインとしたこ
    とを特徴とするマイクロ波回路。
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