JPH10130946A - 偏光繊維 - Google Patents

偏光繊維

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JPH10130946A
JPH10130946A JP28681096A JP28681096A JPH10130946A JP H10130946 A JPH10130946 A JP H10130946A JP 28681096 A JP28681096 A JP 28681096A JP 28681096 A JP28681096 A JP 28681096A JP H10130946 A JPH10130946 A JP H10130946A
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JP
Japan
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fiber
polymer
polarization
polarizing
light
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JP28681096A
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Junyo Nakagawa
潤洋 中川
Yoji Ono
陽二 小野
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の屈折、干渉を応用しフォトクロミックな
多色性の発現を可能とし、あるいは一方向の光のみを透
過せしめて偏光空間の発現を可能とした繊維を提供す
る。 【解決手段】 一定方向に配列した偏光発現物質を含有
するポリマ−により繊維表面が被覆されてなる偏光繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光性能を有する繊
維に関し、かかる繊維は偏光性能を必要とする偏光スク
リ−ン、偏光ル−バ−等の光学用途、偏光カ−テン等の
インテリア用品、水着、ネクタイ等の衣料用品に適用で
きる。
【0002】
【従来の技術】偏光性能を有する繊維はいくつか提案さ
れているが、その数は少ない。たとえば、特開昭51−
14991号公報には表面層をヨウ化したポリビニルア
ルコ−ルを素材とし、分子を所定方向に配向させた繊維
が、特開昭63−27578号公報には主としてポリビ
ニルアルコ−ルからなり、ヨウ素またはヨウ素含有有機
化合物および/または有機染料を含有してなる偏平形状
の繊維が、特開平6−6581号公報には二色性染料を
含有してなるポリビニルアルコ−ル系繊維が記載されて
いる。
【0003】しかしながら、これらの提案は湿式あるい
は乾湿式紡糸法により製造されるポリビニルアルコ−ル
を繊維素材としているので、凝固工程における脱溶媒に
より多くの筋、あるいは皺が発生し、光線透過性(偏光
性能の均整性)、織布に製織した場合の均一性を著しく
損なうものであった。
【0004】また該ポリビニルアルコ−ル系繊維は湿度
による寸法変化が大きく、したがって偏光性能の変化が
大きく、耐熱性に劣るため、その用途は極めて限定され
た範囲であった。すなわち、従来の偏光繊維として公知
の繊維は、特殊な光学用途には適用可能であっても、衣
料用途で要求される製織編工程性、染色性に乏しく、実
用的ではなかった。
【0005】一方、偏光フィルムとして特開平5−17
3021号公報にはポリエチレンテレフタレ−トに二色
性染料を分散させてなる2枚の偏光フィルムを直角位に
並べ、その間に分子配向異方性フィルムを45度に挟ん
でなる光干渉発色性フィルムを切断して繊維化すること
が提案されている。しかしながら、光の干渉発色は認め
られるが、スリット化したテ−プ状の物を繊維化してい
るので、衣料用等の使用には限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を検討し、一般繊維物性が良好であり、かつ優れた偏
光性能を有する繊維を提供するものである。たとえば、
一般衣料用、インテリア用として使用した場合、光の屈
折、干渉を応用しフォトクロミックな多色性の発現を可
能とし、あるいは一方向の光のみを透過せしめて偏光空
間の発現を可能とする。さらに、光学用途、たとえば偏
光スクリ−ンとして使用も可能な繊維を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一定方向に配
列した偏光発現物質を含有するポリマ−により繊維表面
が被覆されてなる偏光繊維である。本発明において、
『繊維表面が被覆されている』とは、繊維表面が繊維軸
方向に配列した偏光発現物質を含有するポリマ−で覆わ
れていることを示し、該ポリマ−が鞘成分となる芯鞘型
複合繊維をも含むものである。
【0008】
【発明の実施形態】本発明に係わる偏光発現物質とは、
光をその物質に入射したとき特定方向の振動面の光を吸
収し、その方向と直交する方向に偏った偏光を作り出す
物質のことであり、二色性色素と呼称される物質であ
る。かかる物質として可視光線の全波長成分を均等に吸
収するポリヨウ素、可視光線中の特定波長成分のみを吸
収する有機系二色性色素を挙げることができる。偏光発
現物質としてポリヨウ素を使用した場合には、該ポリヨ
ウ素を含有する(ポリヨウ素が吸着した)ポリマ−表面
を保護しないとポリヨウ素が経時的に昇華してしまい、
偏光性能を低下させることになる。したがって、偏光発
現物質として有機系二色性色素を使用することが好まし
い。該有機系二色性色素には親水性の直接染料と、疎水
性の分散染料があるが、該染料を含有させるポリマ−の
種類および物性を考慮した上で選択使用することが好ま
しい。
【0009】有機系二色性色素として具体的にはベンジ
ジン系、ジアニシジン系、トリジン系、スチルベン系等
の直接染料、アントラキノン系、アゾ系等の分散染料を
挙げることができる。二色性色素は各種の色相を有する
染料があるので、その中からたとえば、赤色系、青色
系、緑色系等の色相を有するものを適宜選択し、目的に
応じて数種類のものを混合して使用することが好まし
い。偏光性能を重視する場合、該染料の種類の選択およ
び混合比率を定めるにあたって、該染料を含有する繊維
(延伸糸)の可視光線領域の赤色系、青色系、緑色系の
光を実質的に均等に透過させるように混合、選定するこ
とが必要となる。繊維は延伸により各波長の光線の強度
が著しく変化するからである。
【0010】ポリマ−中の偏光発現物質の濃度を高める
と、必然的に偏光性能は高くはなるが、逆に光線透過率
が低下するので、目的に応じて偏光性能および光線透過
率を考慮して偏光発現物質の濃度を決定することが好ま
しい。本発明において、かかる現象を考慮して適性濃度
はポリマ−に対して0.05〜0.8重量%、繊維全体
に対して0.1〜0.5重量%であることが好ましい。
偏光発現物質の含有量が繊維全体に対して0.1重量%
未満の場合には、偏光発現性能が低く、偏光繊維として
実用的ではない。また繊維全体に対して1.0重量%を
越えても偏光性能の更なる向上は認められない。
【0011】本発明に係わる偏光発現物質を含有するポ
リマ−(以下、単にポリマ−Aと称する場合がある)と
しては、繊維形成能を有するポリマ−であればその種類
を限定するものではないが、前述したように、溶液紡糸
を行うポリマ−、たとえばポリビニルアルコ−ルは凝固
工程での脱溶媒により繊維表面に筋、皺が発生するの
で、繊維表面が平滑な繊維が得られる溶融紡糸が可能な
熱可塑性ポリマ−が好ましい。熱可塑性ポリマ−として
はポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタ
レ−ト、それらの共重合体を含むポリエステル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、それらの共重合体を含むポリオレフィ
ン、ナイロン−6、ナイロン−66などの脂肪族ポリア
ミド、半芳香族系ポリアミド、ポリビニルクロライド、
その共重合体を含むポリ塩化ビニル、ポリビニリデンク
ロライド、ポリカ−ボネ−トなどを挙げることができ
る。
【0012】上述の偏光発現物質の1つである二色性色
素は種類により必ずしも耐熱性が良好とはいえないもの
があるので、該ポリマ−の選択には注意が必要である。
かかる点を考慮すると、エチレン含有量が25〜70モ
ル%、ケン化度が99.5%以上のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のケン化物、イソフタル酸等の第3成分を多
くても20モル%共重合したポリエステル、ナイロン
6、ポリメチルペンタン、ポリカ−ボネ−ト、ポリメチ
ルメタクリレ−ト等が好適である。
【0013】一方、該偏光発現物質が含有されているポ
リマ−によって被覆されてなるポリマ−(以下、単にポ
リマ−Bと称する場合がある)は繊維形成能のあるポリ
マ−であればその種類に限定はないが、ポリマ−Aとし
て熱可塑性ポリマ−を使用する場合には、当然ポリマ−
Bも熱可塑性ポリマ−であることが好ましい。ポリマ−
Bの具体例としてはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ
ブチレンテレフタレ−ト、それらの共重合体を含むポリ
エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、
ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体を含
むポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66など
の脂肪族ポリアミド、半芳香族系ポリアミド、ポリビニ
ルクロライド、その共重合体を含むポリ塩化ビニル、ポ
リビニリデンクロライド、ポリカ−ボネ−トなどを挙げ
ることができる。
【0014】ポリマ−Aとポリマ−Bとの組み合わせは
それぞれのポリマ−の融点が近いこと、それぞれのポリ
マ−の接着性が良好であること、ポリマ−Bの透明性が
高いことが望まれる。この点から、ポリマ−Aとポリマ
−Bとは同じ種類のポリマ−であることが望ましいが、
透明性の点ではポリマ−Bとしてポリアミド、ポリエス
テル、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン、ポリメチルペ
ンタン等を使用することが好ましい。
【0015】また、光干渉効果を高める上で屈折率の異
なるポリマ−の組み合わせを使用することも有効であ
る。この点において、ポリマ−Bとして屈折率の低いフ
ッ素系樹脂を使用することが有効である。さらに、ポリ
マ−Bを着色すると、透過光が微妙な干渉を発現するの
で、ポリマ−Bとして原着ポリマ−を使用したり、ポリ
マ−Aは染色されずにポリマ−Bのみが染色されるポリ
マ−の組み合わせ、たとえばポリマ−Aがエチレン−酢
酸ビニル共重合体のケン化物、ポリマ−Bがポリエステ
ルの組み合わせの繊維を紡糸後、分散染料で染色しポリ
マ−Bのみを染色するといった組み合わせが可能であ
る。
【0016】本発明の繊維は偏光発現物質を含有するポ
リマ−Aにより繊維表面が被覆されてなり、その被覆率
は繊維断面周長の30%以上であることが好ましい。被
覆率が30%未満の場合には、偏光性能は無論のこと、
フォトクロミック性能が低く、偏光繊維としての用をな
さない。該被覆率の測定は電子顕微鏡、光学顕微鏡等の
顕微鏡で繊維断面を観察することにより容易に求められ
る。
【0017】本発明の繊維は公知の方法、たとえば図1
に示されノズル構造から紡糸することにより得ることが
できる。かかるノズルから紡糸された繊維は芯鞘構造を
有するが、上述のように本発明における『被覆』とは芯
鞘型構造をも含むものであり、芯鞘型構造においては、
同芯円状、偏芯円状でもよく、ポリマ−Bからなる芯成
分は1つのみならず複数であってもよい。また上述のノ
ズル構造の使用の他に、通常の溶融押出被覆法により製
造することができる。なお、芯鞘型複合繊維となす場合
には、その複合率は芯:鞘=70:30〜20:80の
範囲であることが好ましい。
【0018】以下、芯鞘型複合繊維について説明する。
紡糸は通常10〜6000m/分の速度で行われる。好
ましくは300〜1500m/分で紡糸し、ついで2〜
5倍に延伸を施す。延伸倍率は得られる繊維の偏光性能
に大きく影響を与える。延伸することにより偏光発現物
質が配向し、偏光性能が発現するのである。延伸倍率が
低いと偏光度が低く、逆に延伸倍率が高いと偏光度が高
くはなるが、余り高すぎると繊維の断糸に繋がるので、
繊維を構成するポリマ−の種類にもよるが、切断延伸倍
率をHDmaxとするとき、延伸倍率HDは0.9≧H
D/HDmax≧0.65の範囲であることが好まし
い。本発明の繊維は偏光発現物質を含有するポリマ−A
によりポリマ−Bが被覆されているので、かかるポリマ
−Aのみからなる繊維よりもHD/HDmaxが高い紡
糸原糸が得られ、したがって高い延伸倍率で延伸するこ
とができ、高い偏光度を有する繊維を得ることができる
のである。
【0019】溶融押出法により被覆された繊維も通常の
手段により偏光発現物質を配向させることが必要であ
る。配向させることにより偏光発現物質が一定方向に配
列し、偏光効果、干渉効果を発現するのである。
【0020】本発明の繊維の繊維径は用途に応じて適宜
設定されるものであり、とくに限定されるものではない
が、10〜1000ミクロンの範囲が好ましい。用途に
よってはモノフィラメント使い、マルチフィラメント使
いと使い分けることができる。
【0021】上述のようにして得られた繊維は、偏光ス
クリ−ンのごとき光学用途、偏光カ−テンのごときイン
テリア用途、ネクタイ、水着、コ−ト類、スポ−ツウエ
ア、ジョギングウエア−、フィッシングウエア−等のフ
ァッション性の要求される衣料用途に好適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定・
算出されたものである。 (1)測定試料 繊維を複数本並列に並べ、1×1cmのシ−ト状成形物
を測定試料とした。 (2)透過率 分光光度計を用い、EIAJ規格ED−2521Aの偏
光板の透過率の測定方法に準拠して測定し、透過率を算
出した。 (3)偏光度 分光光度計を用い、EIAJ規格ED−2521Aの偏
光板の偏光度測定方法に準拠して測定し、偏光度を算出
した。
【0023】実施例1 溶媒としてメタノ−ルを用い、60℃でエチレンと酢酸
ビニルをラジカル重合させ、エチレン含有量が48モル
%のラジカル共重合体を製造し、ついで水酸化ナトリウ
ム水溶液によりケン化処理を行い、ケン化度99モル%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体)を得た。得られたエ
チレン−ビニルアルコ−ル系共重合体の水分含有量は6
0重量%であった。この共重合体をチップ化し、大過剰
の純水(酢酸が少量添加)で洗浄を数回繰り返した後、
さらに大過剰の純水で洗浄を繰り返した。次に、得られ
たエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体に対し、下記
に示す二色性色素(いずれも住友化学工業社製)を0.
17重量%になるように二軸押出機を用いて180℃で
混練し、偏光発現物質を含有するポリマ−Aを得た。 Dialuminous Red 48 45重量% Direct Dark Green BA 35重量% Direct Blue 202 20重量%
【0024】一方、ポリマ−Bとして、ポリスチレンを
用い、ポリマ−A:ポリマ−B=65:35(重量
%)、ポリマ−Aが鞘部となるように、芯鞘複合し、8
00m/分で紡糸した。得られた紡糸原糸の切断延伸倍
率(HDmax)は5.2倍であった。ついで倍率3.
65倍で延伸を施し、繊維径96ミクロンのモノフィラ
メントを得た。得られた繊維の強度は4.52g/デニ
−ル、伸度は30.1%であった。また偏光度は63.
7%、透過率は43.2%であり優れた偏光性能を有し
ていた。
【0025】このモノフィラメントを経糸、緯糸として
ナイロンモノフィラメント(30デニ−ル)を用い、経
糸密度230本/インチ、緯糸密度92本/インチの8
枚朱子織物を作成した。製織性は良好であった。該織布
の両面にウレタン樹脂をコ−トし透明保護層を形成し
た。続いてウレタン系透明接着剤でアルミ箔を張り合わ
せ、軟質ポリ塩化ビニルシ−トを裏打ちし、100イン
チ反射型スクリ−ンを作成した。得られたスクリ−ンの
スクリ−ンゲインは4.0であり、液晶プロジェクタ−
で映写し観察したところ、画像は明るく鮮明であり、非
常に優れた偏光スクリ−ンであることが判明した。また
明るい映像のギラツキはなかった。
【0026】比較例1 実施例1で得られた偏光発現物質を有するポリマ−A単
独からなる繊維を紡糸した。HDmaxは4.3倍であ
った。ついで倍率を3.0倍とした以外は実施例1と同
様にして延伸を施し、直径96ミクロンのモノフィラメ
ントを得た。得られた繊維の強度は3.2g/デニ−
ル、伸度は29.9%であった。また偏光度は60.2
%、透過率は43.3%であった。このモノフィラメン
トを経糸、緯糸としてナイロンモノフィラメント(30
デニ−ル)を用い、経糸密度230本/インチ、緯糸密
度92本/インチの8枚朱子織物を作成しようとした
が、経糸に断糸が多発した。得られた織布を用いて、実
施例1と同様にしてスクリ−ンを作成したが、経糸の断
糸によるタテ筋があり、外観品位の劣るスクリ−ンしか
得られなかった。しかしながら、スクリ−ンゲインは
3.8と満足すべき明るさを有していた。液晶プロジェ
クタ−の映写評価は、映像の明るさ、鮮明さは良好では
あったが、明るい映像のギラツキが激しく、1ケ月後に
スクリ−ンを観察したところ、作成当初は見られなかっ
たスクリ−ンの両側にカ−ルが発生しており、映写した
ところ、該部分の映像が乱れる問題も発生していた。一
方、実施例1で得られたスクリ−ンには両側のカ−ルは
見られなかった。
【0027】実施例2 イソフタル酸を6モル%共重合したポリエチレンテレフ
タレ−ト(フェノ−ル/テトラクロロエタン等重量混合
溶媒中、30℃で測定した極限粘度〔η〕=0.62)
に下記に示すアントラキノン系の二色性色素を0.12
重量%(aとbの混合比率は50:50)、二軸押出機
で混練し、偏光発現物質含有ポリマ−Aを得た。
【0028】
【化1】
【0029】一方、ポリマ−Bとして、イソフタル酸6
モル%共重合ポリエチレンテレフタレ−ト(極限粘度
〔η〕=0.62)を用い、ポリマ−A:ポリマ−B=
50:50(重量%)、ポリマ−Aが鞘部となるよう
に、芯鞘複合紡糸を行い紡糸原糸を得た。得られた紡糸
原糸のHDmaxは5.6倍であった。ついで80℃の
第1ロ−ラ、120℃のプレ−ト、室温の第2ロ−ラか
らなる延伸装置を使用して倍率3.9倍で延伸を施し、
50デニ−ル/8フィラメントのマルチフィラメントを
得た。得られた繊維の強度は4.6g/デニ−ル、伸度
は27.9%であった。また偏光度は55%、透過率は
32.4%であり優れた偏光性能を有していた。
【0030】このマルチフィラメントと糸染めした30
デニ−ル/24フィラメントのポリエステル糸とをイン
タ−レ−ス混繊して経糸として使用し、75デニ−ル/
48フィラメントの染色されたデニットを緯糸としてサ
テン織物を作成した。得られた織物は光の干渉によって
光の入射角度、見る角度により微妙な色相変化を示し
た。
【0031】実施例3 実施例2において、ポリマ−Bに、赤色系染料0.05
重量%添加し、被覆率を65%、延伸倍率を3.8倍に
した以外は同様にして紡糸・延伸を施し、75デニ−ル
/24フィラメントのマルチフィラメントを得た。得ら
れた繊維の強度は4.5g/デニ−ル、伸度は28.1
%であった。また偏光度は56%、透過率は32.5%
であり優れた偏光性能を有していた。
【0032】このマルチフィラメントを用いてスム−ス
ニットを作成した。光の当たる場所で観察すると、編地
のカ−ルおよび繊維の重なりにより、ポリマ−Bの赤色
が光の干渉により色相変化を生じさせ、優美なものであ
った。
【0033】
【発明の効果】本発明の偏光繊維は高い偏光性能を有す
る上に、光の干渉や屈折により多彩な色模様を生じせし
めたり、あるいは光の遮断を生じせしめたりし、多様な
用途に好適に使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定方向に配列した偏光発現物質を含有す
    るポリマ−により繊維表面が被覆されてなる偏光繊維。
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