JPH10130449A - 光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物およびシート - Google Patents
光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物およびシートInfo
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- JPH10130449A JPH10130449A JP28642596A JP28642596A JPH10130449A JP H10130449 A JPH10130449 A JP H10130449A JP 28642596 A JP28642596 A JP 28642596A JP 28642596 A JP28642596 A JP 28642596A JP H10130449 A JPH10130449 A JP H10130449A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メタクリル系樹脂を射出成形や押出成形のよ
うな溶融成形に供しても透明性を損なうことなく、また
良好な光選択吸収性を有する樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 酸無水物構造を含有するメタクリル系樹
脂に対して有機酸のネオジム塩をネオジム金属換算で
0.1重量%〜5重量%含有していることを特徴とする
光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物、およびこの樹脂
組成物を溶融成型してなる光選択吸収性アクリルシー
ト。
うな溶融成形に供しても透明性を損なうことなく、また
良好な光選択吸収性を有する樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 酸無水物構造を含有するメタクリル系樹
脂に対して有機酸のネオジム塩をネオジム金属換算で
0.1重量%〜5重量%含有していることを特徴とする
光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物、およびこの樹脂
組成物を溶融成型してなる光選択吸収性アクリルシー
ト。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
テレビのスクリーン、照明器具などの光学用樹脂材料に
関する。特に光線透過率を損なわずかつ透明性が良好
で、特にプロジェクションテレビのスクリーンとしては
色再現性が良好で、かつ防眩効果の優れた押出成形、射
出成形等の溶融成形が可能な光選択吸収性アクリル樹脂
組成物に関する。
テレビのスクリーン、照明器具などの光学用樹脂材料に
関する。特に光線透過率を損なわずかつ透明性が良好
で、特にプロジェクションテレビのスクリーンとしては
色再現性が良好で、かつ防眩効果の優れた押出成形、射
出成形等の溶融成形が可能な光選択吸収性アクリル樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル系樹脂は、その卓越した透明
性、良好な機械的性質、加工性ならびに成型品の外観上
の綺麗さによって、照明器具、看板、各種装飾品および
銘板さらに近年は背面投射型のプロジェクションテレビ
のスクリーンの材料などに広く利用されている。
性、良好な機械的性質、加工性ならびに成型品の外観上
の綺麗さによって、照明器具、看板、各種装飾品および
銘板さらに近年は背面投射型のプロジェクションテレビ
のスクリーンの材料などに広く利用されている。
【0003】メタクリル樹脂に無機物である金属を添加
させた機能材料についても従来から多く知られている。
金属の中で、ネオジムはその吸光特性として人の視感度
の最も大きい580nm付近の波長の光を選択的に吸収
することが知られている。近年の照明用の光源としては
高輝度光源の利用が増加しており、高輝度ランプの演色
性と幻惑の防止が望まれている。防眩方法としては58
0nm近傍の波長の光を吸収することで効果があること
が知られている。
させた機能材料についても従来から多く知られている。
金属の中で、ネオジムはその吸光特性として人の視感度
の最も大きい580nm付近の波長の光を選択的に吸収
することが知られている。近年の照明用の光源としては
高輝度光源の利用が増加しており、高輝度ランプの演色
性と幻惑の防止が望まれている。防眩方法としては58
0nm近傍の波長の光を吸収することで効果があること
が知られている。
【0004】また、近年プロジェクションテレビにおい
ては画質向上を目的としてコントラストの向上、忠実な
色再現性能が要望されている。このような画質の向上の
ためにはカラー冷陰極管の発光スペクトルから560〜
600nmの波長域の光をカットすることで実現が可能
であり、ネオジム化合物が有効であることが知られてい
る。
ては画質向上を目的としてコントラストの向上、忠実な
色再現性能が要望されている。このような画質の向上の
ためにはカラー冷陰極管の発光スペクトルから560〜
600nmの波長域の光をカットすることで実現が可能
であり、ネオジム化合物が有効であることが知られてい
る。
【0005】従来、ネオジム化合物を含有する透明アク
リル樹脂を得る方法として、無水塩化第二錫を溶媒とし
てネオジム塩をメタクリル酸エステルに溶解し加熱重合
して所要の形に成形する方法(特公平44−5091号
公報)が知られている。また、ネオジム塩を溶解させる
溶媒の存在下にメタクリル酸メチルを鋳型重合する方法
(特公平2−19842号公報)が知られている。さら
に、特開昭59−217705号公報、特開昭60−1
49615号公報、特開平1−161024号公報、特
開平2−153301号公報、特開平3−197517
号公報、特開平4−106150号公報、特開平4−3
70106号公報、特開平8−136727号公報に
も、それぞれネオジム化合物が溶解する特定のモノマー
または溶媒を用いて鋳型重合により目的とする製品を得
る方法が記載されている。一方、特開昭51−5685
1号公報、特開昭51−58444号公報には、メタク
リル樹脂にネオジム塩を混練等の方法により均一に分散
させ溶融成形可能な材料とすることが記載されている。
また、特開平6−88007号公報には、特定の有機脂
肪族カルボン酸のネオジム塩をアクリル樹脂と混練する
ことにより溶融成形可能な透明な光選択吸収性アクリル
樹脂組成物が記載されている。
リル樹脂を得る方法として、無水塩化第二錫を溶媒とし
てネオジム塩をメタクリル酸エステルに溶解し加熱重合
して所要の形に成形する方法(特公平44−5091号
公報)が知られている。また、ネオジム塩を溶解させる
溶媒の存在下にメタクリル酸メチルを鋳型重合する方法
(特公平2−19842号公報)が知られている。さら
に、特開昭59−217705号公報、特開昭60−1
49615号公報、特開平1−161024号公報、特
開平2−153301号公報、特開平3−197517
号公報、特開平4−106150号公報、特開平4−3
70106号公報、特開平8−136727号公報に
も、それぞれネオジム化合物が溶解する特定のモノマー
または溶媒を用いて鋳型重合により目的とする製品を得
る方法が記載されている。一方、特開昭51−5685
1号公報、特開昭51−58444号公報には、メタク
リル樹脂にネオジム塩を混練等の方法により均一に分散
させ溶融成形可能な材料とすることが記載されている。
また、特開平6−88007号公報には、特定の有機脂
肪族カルボン酸のネオジム塩をアクリル樹脂と混練する
ことにより溶融成形可能な透明な光選択吸収性アクリル
樹脂組成物が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
44−5091号公報に記載の方法では、無水塩化第二
錫を用いるため空気中で塩酸を発生する問題がある他、
アクリル樹脂を黄変させる問題がある。また、特公平2
−19842号公報、特開昭59−217705号公
報、特開昭60−149615号公報、特開平1−16
1024号公報、特開平2−153301号公報、特開
平3−197517号公報、特開平4−106150号
公報、特開平4−370106号公報、特開平8−13
6727号公報に記載の方法は、何れも鋳型重合により
目的の製品を得るものであり、溶融成形が可能なもので
はない。一方、特開昭51−56851号公報、特開昭
51−58444号公報に記載の方法では、得られる材
料の全光線透過率は高いものの透明性には乏しく好まし
くない。また、特開平6−88007号公報に記載の方
法で得られる組成物は、必ずしも透明性の良いものは得
られない。
44−5091号公報に記載の方法では、無水塩化第二
錫を用いるため空気中で塩酸を発生する問題がある他、
アクリル樹脂を黄変させる問題がある。また、特公平2
−19842号公報、特開昭59−217705号公
報、特開昭60−149615号公報、特開平1−16
1024号公報、特開平2−153301号公報、特開
平3−197517号公報、特開平4−106150号
公報、特開平4−370106号公報、特開平8−13
6727号公報に記載の方法は、何れも鋳型重合により
目的の製品を得るものであり、溶融成形が可能なもので
はない。一方、特開昭51−56851号公報、特開昭
51−58444号公報に記載の方法では、得られる材
料の全光線透過率は高いものの透明性には乏しく好まし
くない。また、特開平6−88007号公報に記載の方
法で得られる組成物は、必ずしも透明性の良いものは得
られない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、メタ
クリル系樹脂を射出成形や押出成形のような溶融成形に
供しても透明性を損なうことなく、また良好な光選択吸
収性を有する樹脂組成物を提供することを目的として鋭
意検討を重ねた結果、酸無水物構造を含有するメタクリ
ル系樹脂に対し有機酸のネオジム塩を含有させることに
よって、目的とする樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明に至った。
クリル系樹脂を射出成形や押出成形のような溶融成形に
供しても透明性を損なうことなく、また良好な光選択吸
収性を有する樹脂組成物を提供することを目的として鋭
意検討を重ねた結果、酸無水物構造を含有するメタクリ
ル系樹脂に対し有機酸のネオジム塩を含有させることに
よって、目的とする樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、酸無水物構造を含有す
るメタクリル系樹脂に対して有機酸のネオジム塩をネオ
ジム金属換算で0.1重量%〜5重量%含有しているこ
とを特徴とする光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物、
およびこの樹脂組成物を溶融成形してなる光選択吸収性
アクリルシートである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
るメタクリル系樹脂に対して有機酸のネオジム塩をネオ
ジム金属換算で0.1重量%〜5重量%含有しているこ
とを特徴とする光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物、
およびこの樹脂組成物を溶融成形してなる光選択吸収性
アクリルシートである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における酸無水物構造を含
有するメタクリル系樹脂は、特開昭61−254608
号公報または特開昭61−261303号公報に記載さ
れているメタクリル酸メチル、メタクリル酸および/ま
たはアクリル酸を含むビニル単量体単位からなる共重合
体を熱処理して得られる6員環酸無水物単位を含有する
共重合体の他、メタクリル酸メチルと無水マレイン酸、
無水グルタール酸から選ばれる少なくとも1種の酸無水
物単量体単位、さらにそれらと共重合可能なビニル系単
量体単位を全体の50重量%までを含有した共重合体で
ある。
有するメタクリル系樹脂は、特開昭61−254608
号公報または特開昭61−261303号公報に記載さ
れているメタクリル酸メチル、メタクリル酸および/ま
たはアクリル酸を含むビニル単量体単位からなる共重合
体を熱処理して得られる6員環酸無水物単位を含有する
共重合体の他、メタクリル酸メチルと無水マレイン酸、
無水グルタール酸から選ばれる少なくとも1種の酸無水
物単量体単位、さらにそれらと共重合可能なビニル系単
量体単位を全体の50重量%までを含有した共重合体で
ある。
【0010】メタクリル酸メチルおよび前述の酸無水物
単量体と共重合されるビニル系単量体としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等が挙
げられる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が、メタ
クリル酸エステルとしてはメタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げら
れる。さらにジエン系ゴム成分やグルタルイミド単位を
含んだものでも良い。
単量体と共重合されるビニル系単量体としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等が挙
げられる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が、メタ
クリル酸エステルとしてはメタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げら
れる。さらにジエン系ゴム成分やグルタルイミド単位を
含んだものでも良い。
【0011】酸無水物構造を含有するメタクリル系樹脂
中の酸無水物構造単位の量は1重量%〜50重量%であ
ることが好ましい。酸無水物構造単位が1重量%未満で
は後述するネオジム塩が該メタクリル系樹脂に対して十
分溶解しないために好ましくなく、酸無水物構造単位が
50重量%を越えるとガラス転移温度が高くなりすぎ溶
融成形しにくくなるため好ましくない。
中の酸無水物構造単位の量は1重量%〜50重量%であ
ることが好ましい。酸無水物構造単位が1重量%未満で
は後述するネオジム塩が該メタクリル系樹脂に対して十
分溶解しないために好ましくなく、酸無水物構造単位が
50重量%を越えるとガラス転移温度が高くなりすぎ溶
融成形しにくくなるため好ましくない。
【0012】この酸無水物構造を含有するメタクリル系
樹脂は、上記の特開昭61−254608号公報または
特開昭61−261303号公報に記載された方法、も
しくは周知の重合方法、例えば懸濁重合、塊状重合によ
り得ることができる。またこの共重合体の物性について
は、メタクリル系樹脂の物性を考慮してその構成単量体
成分を任意に変えることが可能である。
樹脂は、上記の特開昭61−254608号公報または
特開昭61−261303号公報に記載された方法、も
しくは周知の重合方法、例えば懸濁重合、塊状重合によ
り得ることができる。またこの共重合体の物性について
は、メタクリル系樹脂の物性を考慮してその構成単量体
成分を任意に変えることが可能である。
【0013】さらに、用いるメタクリル系樹脂として
は、酸無水物構造を含有するメタクリル系樹脂に一般的
なメタクリル酸メチルを主体とするメタクリル系樹脂を
本発明の樹脂組成物の透明性を損なわない範囲で混合す
ることも可能である。
は、酸無水物構造を含有するメタクリル系樹脂に一般的
なメタクリル酸メチルを主体とするメタクリル系樹脂を
本発明の樹脂組成物の透明性を損なわない範囲で混合す
ることも可能である。
【0014】本発明における有機酸のネオジム塩として
は、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪族カ
ルボン酸のネオジム塩;安息香酸、トルイル酸、ビフェ
ニルカルボン酸、ナフトエ酸に代表される芳香族カルボ
ン酸のネオジム塩;上記の飽和脂肪族カルボン酸および
または芳香族カルボン酸から選ばれた少なくとも1種以
上の酸との混合ネオジム塩が上げられる。
は、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪族カ
ルボン酸のネオジム塩;安息香酸、トルイル酸、ビフェ
ニルカルボン酸、ナフトエ酸に代表される芳香族カルボ
ン酸のネオジム塩;上記の飽和脂肪族カルボン酸および
または芳香族カルボン酸から選ばれた少なくとも1種以
上の酸との混合ネオジム塩が上げられる。
【0015】これらネオジム塩の酸無水物構造を含有す
るメタクリル系樹脂に対する配合量は、ネオジム金属換
算で0.1重量%〜5重量%である。0.1重量%未満
では所望の光選択吸収性を発現するためには成型品の厚
みを極端に厚くする必要があるため好ましくなく、5重
量%を越えると得られるメタクリル系樹脂組成物の機械
的特性や耐熱性の低下が著しくなるため好ましくない。
るメタクリル系樹脂に対する配合量は、ネオジム金属換
算で0.1重量%〜5重量%である。0.1重量%未満
では所望の光選択吸収性を発現するためには成型品の厚
みを極端に厚くする必要があるため好ましくなく、5重
量%を越えると得られるメタクリル系樹脂組成物の機械
的特性や耐熱性の低下が著しくなるため好ましくない。
【0016】また本発明の樹脂組成物は、2mm〜3m
m厚さの平板成型品においてASTM D 1003−
61に準拠して測定されるヘイズが15%以下である。
ヘイズが15%を越えると光学レンズやプロジェクショ
ンテレビスクリーン、テレビの前面板などの光学用途で
の使用に支障をきたし好ましくない。
m厚さの平板成型品においてASTM D 1003−
61に準拠して測定されるヘイズが15%以下である。
ヘイズが15%を越えると光学レンズやプロジェクショ
ンテレビスクリーン、テレビの前面板などの光学用途で
の使用に支障をきたし好ましくない。
【0017】なお、本発明の樹脂組成物には、周知のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、
イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤やヒ
ンダードアミン系光安定剤等の耐候剤、難燃剤、着色
剤、顔料等を添加することもできるし、ガラス繊維等の
強化繊維、無機充填剤、有機系充填剤等も用途に応じて
配合することもできる。
ンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、
イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤やヒ
ンダードアミン系光安定剤等の耐候剤、難燃剤、着色
剤、顔料等を添加することもできるし、ガラス繊維等の
強化繊維、無機充填剤、有機系充填剤等も用途に応じて
配合することもできる。
【0018】酸無水物構造を含有するメタクリル系樹脂
にネオジム化合物を配合して樹脂組成物とするのには、
周知の方法を用いることができる。例えば、各成分を、
溶融混練する方法があり、該溶融混練は、一般的に使用
されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等
の混練装置を用いる方法のみならず、射出成形や押出成
形のごとく溶融加工操作中に直接混練する方法がある。
また、単量体成分に該ネオジム塩を分散または溶解せし
めて重合してメタクリル系樹脂にネオジム塩を分散また
は溶解させる方法がある。
にネオジム化合物を配合して樹脂組成物とするのには、
周知の方法を用いることができる。例えば、各成分を、
溶融混練する方法があり、該溶融混練は、一般的に使用
されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等
の混練装置を用いる方法のみならず、射出成形や押出成
形のごとく溶融加工操作中に直接混練する方法がある。
また、単量体成分に該ネオジム塩を分散または溶解せし
めて重合してメタクリル系樹脂にネオジム塩を分散また
は溶解させる方法がある。
【0019】なお、本発明で言う溶融成形とは、該樹脂
組成物の軟化温度、即ちガラス転移温度より(100〜
250℃)程度高い温度に加熱して成形する方法を言
い、例えば射出成形、押出成形、プレス成形などが挙げ
られる。
組成物の軟化温度、即ちガラス転移温度より(100〜
250℃)程度高い温度に加熱して成形する方法を言
い、例えば射出成形、押出成形、プレス成形などが挙げ
られる。
【0020】また、本発明の樹脂組成物を各種成型品と
して実用に供する際には、例えば、先述のプロジェクシ
ョンテレビのスクリーン用材料として色再現性や防眩効
果を有効なものとするためには、580nmにおける吸
光度が0.1以上であることが好ましい。580nmに
おける吸光度が0.1以上とするためにはネオジム塩の
配合量が多いほど、また成型品の厚みが厚いほど好まし
いが、これらは目的とする用途に要求される機械的な物
性等とのバランスにより配合、成形すれば良い。580
nmにおける吸光度が0.1未満では色再現性あるいは
防眩効果が不十分であるため好ましくない。
して実用に供する際には、例えば、先述のプロジェクシ
ョンテレビのスクリーン用材料として色再現性や防眩効
果を有効なものとするためには、580nmにおける吸
光度が0.1以上であることが好ましい。580nmに
おける吸光度が0.1以上とするためにはネオジム塩の
配合量が多いほど、また成型品の厚みが厚いほど好まし
いが、これらは目的とする用途に要求される機械的な物
性等とのバランスにより配合、成形すれば良い。580
nmにおける吸光度が0.1未満では色再現性あるいは
防眩効果が不十分であるため好ましくない。
【0021】
【発明の効果】本発明のメタクリル系樹脂組成物は、押
出成形や射出成形等により容易に溶融成形でき、得られ
る成型品の光線透過率が高くかつ、透明であり、さらに
580nm近傍の波長の光を選択的に吸収する能力を有
している。したがって、本発明のメタクリル系樹脂組成
物は、テレビの前面板、プロジェクションテレビスクリ
ーンを構成するフレネルレンズ、レンチキュラーレン
ズ、照明カバーなどの各種成形品、さらには各種フィル
ムに好適に用いられる。
出成形や射出成形等により容易に溶融成形でき、得られ
る成型品の光線透過率が高くかつ、透明であり、さらに
580nm近傍の波長の光を選択的に吸収する能力を有
している。したがって、本発明のメタクリル系樹脂組成
物は、テレビの前面板、プロジェクションテレビスクリ
ーンを構成するフレネルレンズ、レンチキュラーレン
ズ、照明カバーなどの各種成形品、さらには各種フィル
ムに好適に用いられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるも
のではない。なお、評価方法は次の通りである。 (1)全光線透過率(Tt)およびヘイズ:ASTM D 100
3-61に準拠してポイック積分球式ヘイズメーター(日本
精密光学製SEP-HS-30D)により測定した。 (2)光線透過率分布および580nmにおける吸光
度:日立製330型自記分光光度計に積分球を取り付け
波長が200〜800nmの領域の光線透過率分布を測
定した。また580nmにおける吸光度は測定チャート
から620nmと550nmの透過率の平均値をIとし
580nmの透過率をiとしたときのln(I/i)を
計算し吸光度とした。
明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるも
のではない。なお、評価方法は次の通りである。 (1)全光線透過率(Tt)およびヘイズ:ASTM D 100
3-61に準拠してポイック積分球式ヘイズメーター(日本
精密光学製SEP-HS-30D)により測定した。 (2)光線透過率分布および580nmにおける吸光
度:日立製330型自記分光光度計に積分球を取り付け
波長が200〜800nmの領域の光線透過率分布を測
定した。また580nmにおける吸光度は測定チャート
から620nmと550nmの透過率の平均値をIとし
580nmの透過率をiとしたときのln(I/i)を
計算し吸光度とした。
【0023】実施例1〜4、比較例1〜4 一般的なメタクリル酸メチルを主体とするメタクリル樹
脂としてメタクリル酸メチル(94重量%)とアクリル
酸メチル(6重量%)の単量体混合物を懸濁重合して得
た共重合体(共重合体1と称する)、酸無水物構造を含
有するメタクリル系樹脂として特開昭61−25460
8号公報の実施例4に準じた方法により得た共重合体
(共重合体2と称する)を用い、ネオジム塩としては市
販の酢酸ネオジム、特開平6−88007号公報の合成
例1に準じて合成した吉草酸ネオジム、浅田化学工業株
式会社製のラウリン酸ネオジム、安息香酸ネオジムを用
い、表1、表2に示す配合で東洋精機製作所製のラボプ
ラストミルによりミキサー温度240℃、ブレード回転
数100rpmで2分間溶融混練した後、プレスシート
により平板を成形した。評価結果を表1、表2に示す。
脂としてメタクリル酸メチル(94重量%)とアクリル
酸メチル(6重量%)の単量体混合物を懸濁重合して得
た共重合体(共重合体1と称する)、酸無水物構造を含
有するメタクリル系樹脂として特開昭61−25460
8号公報の実施例4に準じた方法により得た共重合体
(共重合体2と称する)を用い、ネオジム塩としては市
販の酢酸ネオジム、特開平6−88007号公報の合成
例1に準じて合成した吉草酸ネオジム、浅田化学工業株
式会社製のラウリン酸ネオジム、安息香酸ネオジムを用
い、表1、表2に示す配合で東洋精機製作所製のラボプ
ラストミルによりミキサー温度240℃、ブレード回転
数100rpmで2分間溶融混練した後、プレスシート
により平板を成形した。評価結果を表1、表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
Claims (5)
- 【請求項1】 酸無水物構造を含有するメタクリル系樹
脂に対して有機酸のネオジム塩をネオジム金属換算で
0.1重量%〜5重量%含有していることを特徴とする
光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物。 - 【請求項2】 酸無水物構造を含有するメタクリル樹脂
が、メタクリル酸メチル、メタクリル酸および/または
アクリル酸を含むビニル単量体単位からなる共重合体を
熱処理して得られる6員環酸無水物構造単位を含有する
共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物を溶融成型し
てなる光選択吸収性アクリルシート。 - 【請求項4】 厚さが2〜3mmのアクリルシートのヘ
イズが15%以下である請求項3記載のアクリルシート - 【請求項5】 580nmにおける吸光度が0.1以上
である請求項3記載のアクリルシート
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28642596A JPH10130449A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物およびシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28642596A JPH10130449A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物およびシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130449A true JPH10130449A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17704230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28642596A Pending JPH10130449A (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 光選択吸収性メタクリル系樹脂組成物およびシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10130449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110130535A1 (en) * | 2008-07-31 | 2011-06-02 | Masami Yonemura | Thermoplastic Acrylic Resin, and Molded Product Thereof |
US8779076B2 (en) * | 2007-12-27 | 2014-07-15 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Thermoplastic acrylic resin and molded body for optical member |
-
1996
- 1996-10-29 JP JP28642596A patent/JPH10130449A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8779076B2 (en) * | 2007-12-27 | 2014-07-15 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Thermoplastic acrylic resin and molded body for optical member |
US20110130535A1 (en) * | 2008-07-31 | 2011-06-02 | Masami Yonemura | Thermoplastic Acrylic Resin, and Molded Product Thereof |
US8895682B2 (en) | 2008-07-31 | 2014-11-25 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Thermoplastic acrylic resin, and molded product thereof |
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