JPH10130284A - メタンジホスホン酸化合物の製造法 - Google Patents
メタンジホスホン酸化合物の製造法Info
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- JPH10130284A JPH10130284A JP29164396A JP29164396A JPH10130284A JP H10130284 A JPH10130284 A JP H10130284A JP 29164396 A JP29164396 A JP 29164396A JP 29164396 A JP29164396 A JP 29164396A JP H10130284 A JPH10130284 A JP H10130284A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】一般反応式1によりメタンジホスホン酸テ
トラアルキルとジスルフィドを、−10〜20℃で塩基
を徐々にまたは分割して添加して反応させ、副生するチ
オラートを不溶性物質として除去するメタンジホスホン
酸化合物の製造法。 [R1’はC1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なってもよく、R1は薬理学的に許容で
きる陽イオン、水素あるいはR1’炭素と同様の基であ
り、R2はC1〜10の直鎖、分岐鎖または環状の無置
換または置換アルキル基、あるいはC3〜10のヘテロ
原子を含みうる無置換または置換アリール基であり、R
3は水素、C1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る] 【効果】従来の方法と比較して工業的条件下で高収率、
低不純物量で目的生成物を得ることができ、副生するチ
オラートを良好な効率でろ過でき、工業的に有用であ
る。
トラアルキルとジスルフィドを、−10〜20℃で塩基
を徐々にまたは分割して添加して反応させ、副生するチ
オラートを不溶性物質として除去するメタンジホスホン
酸化合物の製造法。 [R1’はC1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なってもよく、R1は薬理学的に許容で
きる陽イオン、水素あるいはR1’炭素と同様の基であ
り、R2はC1〜10の直鎖、分岐鎖または環状の無置
換または置換アルキル基、あるいはC3〜10のヘテロ
原子を含みうる無置換または置換アリール基であり、R
3は水素、C1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る] 【効果】従来の方法と比較して工業的条件下で高収率、
低不純物量で目的生成物を得ることができ、副生するチ
オラートを良好な効率でろ過でき、工業的に有用であ
る。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は金属キレート剤あるいは抗炎症
剤、抗リウマチ剤、骨代謝疾患治療剤などの医薬品とし
て有用な、メタンジホスホン酸化合物の製造法に関す
る。
剤、抗リウマチ剤、骨代謝疾患治療剤などの医薬品とし
て有用な、メタンジホスホン酸化合物の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のアルキルチオまたはアリールチオ
メタンジホスホン酸化合物の合成方法は例えば特公平4
−29676号公報に記載されている。ここに示されて
いる方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルを水素化
ナトリウムなどにより対応する金属誘導体に変換した
後、ジスルフィドと反応させることにより、目的生成物
であるアルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホ
ン酸テトラアルキルを合成するものである。
メタンジホスホン酸化合物の合成方法は例えば特公平4
−29676号公報に記載されている。ここに示されて
いる方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルを水素化
ナトリウムなどにより対応する金属誘導体に変換した
後、ジスルフィドと反応させることにより、目的生成物
であるアルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホ
ン酸テトラアルキルを合成するものである。
【0003】またWO96/06100に記載されてい
る方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルとジスルフ
ィドを塩基の存在下反応させた後、目的生成物であるア
ルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホン酸テト
ラアルキルに対して等モル量副生するチオラートを除去
することによって高収率で目的生成物を得る方法を示し
ている。
る方法はメタンジホスホン酸テトラアルキルとジスルフ
ィドを塩基の存在下反応させた後、目的生成物であるア
ルキルチオまたはアリールチオメタンジホスホン酸テト
ラアルキルに対して等モル量副生するチオラートを除去
することによって高収率で目的生成物を得る方法を示し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−29676
号公報に記載の合成方法は収率が低いため、目的生成物
の他に多量の未反応のメタンジホスホン酸テトラアルキ
ルとジスルフィドを含む反応混合物が得られ、目的生成
物を得るためにシリカゲルカラムクロマトグラフィーな
どの工業的に非常に高コストな精製操作が必要であっ
た。
号公報に記載の合成方法は収率が低いため、目的生成物
の他に多量の未反応のメタンジホスホン酸テトラアルキ
ルとジスルフィドを含む反応混合物が得られ、目的生成
物を得るためにシリカゲルカラムクロマトグラフィーな
どの工業的に非常に高コストな精製操作が必要であっ
た。
【0005】WO96/06100に記載の方法は反応
で副生するチオラートを除去することによって上記の問
題を解決し、目的生成物を極めて高収率で得ることがで
きる。しかし工業スケールでの反応操作においてはいく
つかの問題が予想された。
で副生するチオラートを除去することによって上記の問
題を解決し、目的生成物を極めて高収率で得ることがで
きる。しかし工業スケールでの反応操作においてはいく
つかの問題が予想された。
【0006】メタンジホスホン酸テトラアルキル、ジス
ルフィド、塩基の3つの試薬を反応させる際には、第
1、第2の試薬から生成した活性反応中間体が第3の試
薬と反応するまでの時間が反応に影響を及ぼすと考えら
れる。一方工業スケールでは試薬の添加に時間がかか
る。実際に工業スケールの反応を想定し試薬を徐々に添
加して反応を行った場合、収率が低下するという問題が
判明した。
ルフィド、塩基の3つの試薬を反応させる際には、第
1、第2の試薬から生成した活性反応中間体が第3の試
薬と反応するまでの時間が反応に影響を及ぼすと考えら
れる。一方工業スケールでは試薬の添加に時間がかか
る。実際に工業スケールの反応を想定し試薬を徐々に添
加して反応を行った場合、収率が低下するという問題が
判明した。
【0007】またこの反応で生成するチオラートの沈殿
粒子は非常に微細である。工業用反応装置のろ過器は反
応スケールに比較してろ過面積が小さい場合が多く、低
ろ過性が反応操作上の障害となる。工業スケールでこの
反応を行うと通常の装置では実用的な速度でろ過を行え
ないという問題が判明した。
粒子は非常に微細である。工業用反応装置のろ過器は反
応スケールに比較してろ過面積が小さい場合が多く、低
ろ過性が反応操作上の障害となる。工業スケールでこの
反応を行うと通常の装置では実用的な速度でろ過を行え
ないという問題が判明した。
【0008】つまりWO96/06100の合成方法に
おける問題点は、工業スケールの反応操作を想定して試
薬の添加を徐々に行うと収率が低下することと、工業用
反応装置ではチオラートのろ過による除去が困難である
ことである。これらの問題を解決できればアルキルチオ
メタンジホスホン酸化合物またはアリールチオメタンジ
ホスホン酸化合物の優れた工業的製造法となる。
おける問題点は、工業スケールの反応操作を想定して試
薬の添加を徐々に行うと収率が低下することと、工業用
反応装置ではチオラートのろ過による除去が困難である
ことである。これらの問題を解決できればアルキルチオ
メタンジホスホン酸化合物またはアリールチオメタンジ
ホスホン酸化合物の優れた工業的製造法となる。
【0009】従って本発明の目的は医薬品として極めて
有用なアルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはア
リールチオメタンジホスホン酸化合物の工業的に優れた
製造法を提供するものである。
有用なアルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはア
リールチオメタンジホスホン酸化合物の工業的に優れた
製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく検討を行った結果、メタンジホスホン酸テ
トラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基
を−10〜20℃で徐々に添加する方法により、高収
率、かつ含まれる不純物が非常に少ない生成物が得ら
れ、また予期せずチオラートのろ過速度が著しく向上す
ることを見いだした。塩基を最後に添加することが収率
の向上と不純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜
20℃で徐々に添加することがチオラートのろ過速度の
向上に重要である。
を解決すべく検討を行った結果、メタンジホスホン酸テ
トラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基
を−10〜20℃で徐々に添加する方法により、高収
率、かつ含まれる不純物が非常に少ない生成物が得ら
れ、また予期せずチオラートのろ過速度が著しく向上す
ることを見いだした。塩基を最後に添加することが収率
の向上と不純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜
20℃で徐々に添加することがチオラートのろ過速度の
向上に重要である。
【0011】すなわち本発明は、下記式(I)のメタン
ジホスホン酸テトラアルキル
ジホスホン酸テトラアルキル
【化4】 [式中、R1’は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アル
キル基であり同一または異なっていてもよい、R3は水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る]と下記式(II)のジスルフィド
キル基であり同一または異なっていてもよい、R3は水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る]と下記式(II)のジスルフィド
【化5】 [式中、R2は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖または環
状の無置換または置換アルキル基、あるいは炭素数3〜
10のヘテロ原子を含みうる無置換または置換アリール
基である]を、温度−10〜20℃で塩基を徐々にまた
は分割して添加することにより反応させ、副生するチオ
ラートを不溶性物質として除去することを特徴とする下
記一般式(III)で表されるメタンジホスホン酸化合
物
状の無置換または置換アルキル基、あるいは炭素数3〜
10のヘテロ原子を含みうる無置換または置換アリール
基である]を、温度−10〜20℃で塩基を徐々にまた
は分割して添加することにより反応させ、副生するチオ
ラートを不溶性物質として除去することを特徴とする下
記一般式(III)で表されるメタンジホスホン酸化合
物
【化6】 [式中、R1は薬理学的に許容できる陽イオン、水素あ
るいは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なっていてもよい、R2、R3は前記定
義に同じ]の製造法に関するものである。
るいは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なっていてもよい、R2、R3は前記定
義に同じ]の製造法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においてR1、R1’、R
3で表される炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル
基とは特に限定されるものではないが、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシルなどが挙げられる。これらの不飽和体、ある
いはフェニル、ナフチルなどのアリール基、フルオル、
クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜4
のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピ
ルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキル
チオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭素数
1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換基と
して有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは、メ
チル、エチル、イソプロピルが挙げられる。
3で表される炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル
基とは特に限定されるものではないが、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシルなどが挙げられる。これらの不飽和体、ある
いはフェニル、ナフチルなどのアリール基、フルオル、
クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1〜4
のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピ
ルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキル
チオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭素数
1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換基と
して有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは、メ
チル、エチル、イソプロピルが挙げられる。
【0013】本発明においてR2で表される炭素数1〜
10の直鎖、分岐鎖または環状の無置換または置換アル
キル基、あるいは炭素数3〜10のヘテロ原子を含みう
る無置換または置換アリール基とは特に限定されるもの
ではないが、例えば直鎖アルキル基としてはメチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、分岐鎖アルキル基としてはイソプロピル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、環状アルキル基と
してはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられ
る。これらの不飽和体、あるいは上記のアリール基、ハ
ロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルア
ミノ基、ニトロ基などを置換基として有するもの(置換
体)も含まれる。好ましくはメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シク
ロヘキシルが挙げられる。
10の直鎖、分岐鎖または環状の無置換または置換アル
キル基、あるいは炭素数3〜10のヘテロ原子を含みう
る無置換または置換アリール基とは特に限定されるもの
ではないが、例えば直鎖アルキル基としてはメチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、分岐鎖アルキル基としてはイソプロピル、イ
ソブチル、s−ブチル、t−ブチル、環状アルキル基と
してはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられ
る。これらの不飽和体、あるいは上記のアリール基、ハ
ロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルア
ミノ基、ニトロ基などを置換基として有するもの(置換
体)も含まれる。好ましくはメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シク
ロヘキシルが挙げられる。
【0014】アリール基としてはフェニル、ナフチルの
他、酸素を含むフラン、ベンゾフラン、硫黄を含むチオ
フェン、窒素を含むピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、ベ
ンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、酸素、硫
黄、窒素複数種類を含むオキサゾール、イソオキサゾー
ル、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ルなどが挙げられる。メチル、エチル、イソプロピル、
t−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基、フルオ
ル、クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1
〜4のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプ
ロピルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアル
キルチオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭
素数1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換
基として有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは
フェニル、ナフチル、あるいはそれらに上記のハロゲ
ン、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基として有す
るもの(置換体)が挙げられる。
他、酸素を含むフラン、ベンゾフラン、硫黄を含むチオ
フェン、窒素を含むピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、ベ
ンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、酸素、硫
黄、窒素複数種類を含むオキサゾール、イソオキサゾー
ル、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ルなどが挙げられる。メチル、エチル、イソプロピル、
t−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基、フルオ
ル、クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシなどの炭素数1
〜4のアルコキシ基、メチルチオ、エチルチオ、イソプ
ロピルチオ、t−ブチルチオなどの炭素数1〜4のアル
キルチオ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの炭
素数1〜4のジアルキルアミノ基、ニトロ基などを置換
基として有するもの(置換体)も含まれる。好ましくは
フェニル、ナフチル、あるいはそれらに上記のハロゲ
ン、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基として有す
るもの(置換体)が挙げられる。
【0015】本発明のR1として許容される陽イオンと
は、金属陽イオン、アンモニウムイオンN(R4)4 +
を表し(R4は水素または炭素数1〜7の直鎖または分
岐鎖アルキルである)、特に好ましい金属陽イオンは、
アルカリ金属類、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどおよびアルカリ土類金属類、例えばマグネシウ
ム、カルシウムなどの陽イオンが挙げられる。しかし他
の金属、例えばアルミニウム、亜鉛、鉄などの陽イオン
も本発明に含まれる。アンモニウムとしては、アンモニ
ア、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアンモニウ
ムおよび4級アンモニウムである。これらとしてはアン
モニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミンなどのアンモニウムおよびテトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウムなどが挙げられる。
特にナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルア
ンモニウムの陽イオンが好ましい。
は、金属陽イオン、アンモニウムイオンN(R4)4 +
を表し(R4は水素または炭素数1〜7の直鎖または分
岐鎖アルキルである)、特に好ましい金属陽イオンは、
アルカリ金属類、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどおよびアルカリ土類金属類、例えばマグネシウ
ム、カルシウムなどの陽イオンが挙げられる。しかし他
の金属、例えばアルミニウム、亜鉛、鉄などの陽イオン
も本発明に含まれる。アンモニウムとしては、アンモニ
ア、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアンモニウ
ムおよび4級アンモニウムである。これらとしてはアン
モニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミンなどのアンモニウムおよびテトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウムなどが挙げられる。
特にナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルア
ンモニウムの陽イオンが好ましい。
【0016】塩基としては、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属のヒドリド、アミド、アルキル、アルコキシ
ドからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが
好ましく、特にナトリウム、カリウム、リチウムのヒド
リド、アミド、アルキル、アルコキシドなどが用いられ
る。より具体的には、ナトリウムヒドリド、ナトリウム
アミド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、メチルリチウム、ブチルリチウム、カリウムt−ブ
トキシドなどが挙げられる。
リ土類金属のヒドリド、アミド、アルキル、アルコキシ
ドからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが
好ましく、特にナトリウム、カリウム、リチウムのヒド
リド、アミド、アルキル、アルコキシドなどが用いられ
る。より具体的には、ナトリウムヒドリド、ナトリウム
アミド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、メチルリチウム、ブチルリチウム、カリウムt−ブ
トキシドなどが挙げられる。
【0017】本発明はメタンジホスホン酸テトラアルキ
ルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を−10〜
20℃で徐々に添加する方法により高収率、低不純物量
で目的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラー
トを良好な効率でろ過できるようにするものである。
ルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を−10〜
20℃で徐々に添加する方法により高収率、低不純物量
で目的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラー
トを良好な効率でろ過できるようにするものである。
【0018】メタンジホスホン酸テトラアルキルと塩基
の溶液または懸濁液にジスルフィドを徐々に添加、また
はジスルフィドと塩基の溶液または懸濁液にメタンジホ
スホン酸テトラアルキルを徐々に添加した場合は収率が
低下すると共に、不純物量が増加し、チオラートのろ過
速度は小さくなる。
の溶液または懸濁液にジスルフィドを徐々に添加、また
はジスルフィドと塩基の溶液または懸濁液にメタンジホ
スホン酸テトラアルキルを徐々に添加した場合は収率が
低下すると共に、不純物量が増加し、チオラートのろ過
速度は小さくなる。
【0019】またメタンジホスホン酸テトラアルキルと
ジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を20℃以上で
添加したり急速に添加するとチオラートのろ過速度が小
さくなる。塩基を最後に添加することが収率の向上と不
純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜20℃でか
つ徐々に添加することがろ過速度の向上に重要である。
ジスルフィドの溶液または懸濁液に塩基を20℃以上で
添加したり急速に添加するとチオラートのろ過速度が小
さくなる。塩基を最後に添加することが収率の向上と不
純物量の低下に重要であり、塩基を−10〜20℃でか
つ徐々に添加することがろ過速度の向上に重要である。
【0020】ジスルフィドのメタンジホスホン酸テトラ
アルキルに対する当量は1〜5当量が好ましく、特に1
〜2当量が好ましい。塩基のメタンジホスホン酸に対す
る当量は2〜5当量が好ましく、特に2〜3当量が好ま
しい。反応温度は−10〜20℃が好ましく、特に0〜
10℃が好ましい。塩基は必要当量を2分割以上で添加
するか連続的に添加するのが好ましく、添加時間は20
分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が好ましい。反
応時間は30分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が
好ましい。
アルキルに対する当量は1〜5当量が好ましく、特に1
〜2当量が好ましい。塩基のメタンジホスホン酸に対す
る当量は2〜5当量が好ましく、特に2〜3当量が好ま
しい。反応温度は−10〜20℃が好ましく、特に0〜
10℃が好ましい。塩基は必要当量を2分割以上で添加
するか連続的に添加するのが好ましく、添加時間は20
分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が好ましい。反
応時間は30分〜6時間が好ましく、特に1〜4時間が
好ましい。
【0021】WO96/06100に記載されていると
おり、反応で副生するチオラートを不溶性物質として除
去することは収率向上のために重要である。チオラート
の溶解度は反応溶媒とチオラートの性質、チオラートと
塩を形成する陽イオンによって影響される。
おり、反応で副生するチオラートを不溶性物質として除
去することは収率向上のために重要である。チオラート
の溶解度は反応溶媒とチオラートの性質、チオラートと
塩を形成する陽イオンによって影響される。
【0022】反応溶媒としては非極性または低極性の非
プロトン性溶媒が好ましい。このような溶媒としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ペンタンなどの炭化水素系溶媒が挙げられる。
プロトン性溶媒が好ましい。このような溶媒としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ペンタンなどの炭化水素系溶媒が挙げられる。
【0023】このようにして得られたアルキルチオまた
はアリールチオメタンジホスホン酸テトラアルキルから
対応するジホスホン酸が加水分解によって得られる。こ
れは一般的な公知の方法によって可能であるが、例えば
ジホスホン酸エステルを塩酸で通常は常温から100℃
で処理することによって行うことができる。得られたジ
ホスホン酸はその塩の1種に公知の方法により転化され
る。
はアリールチオメタンジホスホン酸テトラアルキルから
対応するジホスホン酸が加水分解によって得られる。こ
れは一般的な公知の方法によって可能であるが、例えば
ジホスホン酸エステルを塩酸で通常は常温から100℃
で処理することによって行うことができる。得られたジ
ホスホン酸はその塩の1種に公知の方法により転化され
る。
【0024】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するために挙げ
るものであって、本発明を制限するものではない。
るものであって、本発明を制限するものではない。
【0025】実施例1(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを3分割して20分間隔で添加し、さらに1時間反
応させた。得られた反応液中の沈殿を直径60mmのろ
過器とGA200グラスウールフィルターで減圧ろ過し
た。ろ別した沈殿をトルエン100mlで洗浄した。洗
浄液とろ液を合わせ、2N塩酸40mlで3回洗浄し、
溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物として21.
3g得られた。ろ過時間は40秒であり、得られた表題
化合物のHPLC分析による純度は90.8%、収率は
96.8%であった。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを3分割して20分間隔で添加し、さらに1時間反
応させた。得られた反応液中の沈殿を直径60mmのろ
過器とGA200グラスウールフィルターで減圧ろ過し
た。ろ別した沈殿をトルエン100mlで洗浄した。洗
浄液とろ液を合わせ、2N塩酸40mlで3回洗浄し、
溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物として21.
3g得られた。ろ過時間は40秒であり、得られた表題
化合物のHPLC分析による純度は90.8%、収率は
96.8%であった。
【0026】実施例2(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを1時間かけて連続的に添加し、さらに1時間反応
させた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると
表題の化合物が粗生成物として21.3g得られた。ろ
過時間は1分であり、得られた表題化合物のHPLC分
析による純度は90.2%、収率は96.4%であっ
た。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを1時間かけて連続的に添加し、さらに1時間反応
させた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると
表題の化合物が粗生成物として21.3g得られた。ろ
過時間は1分であり、得られた表題化合物のHPLC分
析による純度は90.2%、収率は96.4%であっ
た。
【0027】実施例3(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸
(一般式(III)中、R 1=H、R2=4−MeSP
h、R3=H) 実施例1と同様の方法により得られた(4−メチルチオ
フェニルチオ)メタンジホスホン酸テトライソプロピル
の粗生成物21.3gを200mlの濃塩酸中で5時間
加熱還流した後、反応水溶液を1.5N塩酸で2倍に希
釈する。この水溶液をトルエン80mlで3回洗浄する
ことによって残存するジスルフィドを除去してから水溶
液を濃縮乾固すると白色固体が得られる。これをアセト
ン−ジクロルメタンから再結晶すると表題の化合物1
2.4gが得られる[収率94%、m.p.215〜2
16℃(dec)]。また得られた白色固体を水に溶解
し炭酸ナトリウムにより2ナトリウム化し、活性炭処
理、ろ過、濃縮乾固した後、エタノール−水から再結晶
すれば対応するジホスホン酸の2ナトリウム塩を調製で
きる[HPLC分析による純度99.8%、収率93
%、m.p.300℃以上]。
(一般式(III)中、R 1=H、R2=4−MeSP
h、R3=H) 実施例1と同様の方法により得られた(4−メチルチオ
フェニルチオ)メタンジホスホン酸テトライソプロピル
の粗生成物21.3gを200mlの濃塩酸中で5時間
加熱還流した後、反応水溶液を1.5N塩酸で2倍に希
釈する。この水溶液をトルエン80mlで3回洗浄する
ことによって残存するジスルフィドを除去してから水溶
液を濃縮乾固すると白色固体が得られる。これをアセト
ン−ジクロルメタンから再結晶すると表題の化合物1
2.4gが得られる[収率94%、m.p.215〜2
16℃(dec)]。また得られた白色固体を水に溶解
し炭酸ナトリウムにより2ナトリウム化し、活性炭処
理、ろ過、濃縮乾固した後、エタノール−水から再結晶
すれば対応するジホスホン酸の2ナトリウム塩を調製で
きる[HPLC分析による純度99.8%、収率93
%、m.p.300℃以上]。
【0028】2Na塩1H NMR(D2O、ppm) 2.49(s,3H),3.23(t,J=20Hz,
1H),7.25〜7.32(m,2H),7.51〜
7.58(m,2H) 2Na塩IR(KBr、cm−1) 1479,1197,1158,1110,1071,
928 2Na塩MASS(FAB) m/z 375(M+H)+ 2Na塩元素分析(C8H10O6S2P2Na2とし
て) 計算値:C 25.68% H 2.70% 実測値:C 25.81% H 2.75%
1H),7.25〜7.32(m,2H),7.51〜
7.58(m,2H) 2Na塩IR(KBr、cm−1) 1479,1197,1158,1110,1071,
928 2Na塩MASS(FAB) m/z 375(M+H)+ 2Na塩元素分析(C8H10O6S2P2Na2とし
て) 計算値:C 25.68% H 2.70% 実測値:C 25.81% H 2.75%
【0029】比較例1(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、カリウムt−ブトキシド9.43gの
トルエン120ml懸濁液を加熱還流し、これにビス
(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド13.7gの
トルエン溶液を1時間かけて添加し、さらに加熱還流下
1時間反応させた。得られた反応液を常温に冷却後、実
施例1と同様に処理すると表題の化合物が粗生成物とし
て20.0g得られた。ろ過時間は4分50秒であり、
得られた表題化合物のHPLC分析による純度は80.
7%、収率は80.9%であった。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、カリウムt−ブトキシド9.43gの
トルエン120ml懸濁液を加熱還流し、これにビス
(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド13.7gの
トルエン溶液を1時間かけて添加し、さらに加熱還流下
1時間反応させた。得られた反応液を常温に冷却後、実
施例1と同様に処理すると表題の化合物が粗生成物とし
て20.0g得られた。ろ過時間は4分50秒であり、
得られた表題化合物のHPLC分析による純度は80.
7%、収率は80.9%であった。
【0030】比較例2(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、ビス(4−メチルチオフェニル)ジ
スルフィド13.7g、カリウムt−ブトキシド9.4
3gのトルエン120ml懸濁液を50℃に加熱し、こ
れにメタンジホスホン酸テトライソプロピル13.8g
を1時間かけて添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を常温に冷却後、実施例1と同様に処理する
と表題の化合物が粗生成物として20.9g得られた。
ろ過時間は10分20秒であり、得られた表題化合物の
HPLC分析による純度は85.1%、収率は89.1
%であった。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、ビス(4−メチルチオフェニル)ジ
スルフィド13.7g、カリウムt−ブトキシド9.4
3gのトルエン120ml懸濁液を50℃に加熱し、こ
れにメタンジホスホン酸テトライソプロピル13.8g
を1時間かけて添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を常温に冷却後、実施例1と同様に処理する
と表題の化合物が粗生成物として20.9g得られた。
ろ過時間は10分20秒であり、得られた表題化合物の
HPLC分析による純度は85.1%、収率は89.1
%であった。
【0031】比較例3(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を40
℃に加熱し、これにカリウムt−ブトキシド9.43g
を6分割して10分間隔で添加し、さらに1時間反応さ
せた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると表
題の化合物が粗生成物として20.8g得られた。得ら
れた表題化合物のHPLC分析による純度は92.1
%、収率は96.0%であったが、ろ過時間は7分10
秒を要した。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を40
℃に加熱し、これにカリウムt−ブトキシド9.43g
を6分割して10分間隔で添加し、さらに1時間反応さ
せた。得られた反応液を実施例1と同様に処理すると表
題の化合物が粗生成物として20.8g得られた。得ら
れた表題化合物のHPLC分析による純度は92.1
%、収率は96.0%であったが、ろ過時間は7分10
秒を要した。
【0032】比較例4(4−メチルチオフェニルチオ)メタンジホスホン酸テ
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを一括して添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を実施例1と同様に処理すると表題の化合物
が粗生成物として21.3g得られた。得られた表題化
合物のHPLC分析による純度は91.5%、収率は9
7.6%であったが、ろ過時間は7分10秒を要した。
トライソプロピル(一般式(III)中、R1=iP
r、R2=4−MeSPh、R3=H) アルゴン雰囲気下、メタンジホスホン酸テトライソプロ
ピル13.8g、ビス(4−メチルチオフェニル)ジス
ルフィド13.7gのトルエン120ml懸濁液を0〜
10℃に冷却し、これにカリウムt−ブトキシド9.4
3gを一括して添加し、さらに1時間反応させた。得ら
れた反応液を実施例1と同様に処理すると表題の化合物
が粗生成物として21.3g得られた。得られた表題化
合物のHPLC分析による純度は91.5%、収率は9
7.6%であったが、ろ過時間は7分10秒を要した。
【0033】
【発明の効果】本発明の提供する、メタンジホスホン酸
テトラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩
基を−10〜20℃で徐々に添加することを特徴とする
アルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはアリール
チオメタンジホスホン酸化合物の製造法は、従来の方法
と比較して工業的条件の下でも高収率、低不純物量で目
的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラートを
良好な効率でろ過できる方法であり、工業的に極めて有
用である。
テトラアルキルとジスルフィドの溶液または懸濁液に塩
基を−10〜20℃で徐々に添加することを特徴とする
アルキルチオメタンジホスホン酸化合物またはアリール
チオメタンジホスホン酸化合物の製造法は、従来の方法
と比較して工業的条件の下でも高収率、低不純物量で目
的生成物を得ることができ、かつ副生するチオラートを
良好な効率でろ過できる方法であり、工業的に極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/00 106 C09K 3/00 106 (72)発明者 春田 隆一 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 事業場内
Claims (4)
- 【請求項1】下記式(I)のメタンジホスホン酸テトラ
アルキル 【化1】 [式中、R1’は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アル
キル基であり同一または異なっていてもよい、R3は水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
る]と下記式(II)のジスルフィド 【化2】 [式中、R2は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖または環
状の無置換または置換アルキル基、あるいは炭素数3〜
10のヘテロ原子を含みうる無置換または置換アリール
基である]を、温度−10〜20℃で塩基を徐々にまた
は分割して添加することにより反応させ、副生するチオ
ラートを不溶性物質として除去することを特徴とする下
記一般式(III)で表されるメタンジホスホン酸化合
物 【化3】 [式中、R1は薬理学的に許容できる陽イオン、水素あ
るいは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
り同一または異なっていてもよい、R2、R3は前記定
義に同じ]の製造法。 - 【請求項2】塩基を20分以上かけて添加することを特
徴とする請求項1記載のメタンジホスホン酸化合物の製
造法。 - 【請求項3】塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金
属のヒドリド、アミド、アルキル、アルコキシドからな
る群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項1または2記載のメタンジホスホン酸化合物の
製造法。 - 【請求項4】反応溶媒として非極性または低極性の非プ
ロトン性溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜3記
載のメタンジホスホン酸化合物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29164396A JPH10130284A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | メタンジホスホン酸化合物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29164396A JPH10130284A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | メタンジホスホン酸化合物の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130284A true JPH10130284A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17771610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29164396A Pending JPH10130284A (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | メタンジホスホン酸化合物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10130284A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6670343B1 (en) * | 1999-07-19 | 2003-12-30 | Toray Industries, Inc. | Drugs for periodontal disease |
-
1996
- 1996-11-01 JP JP29164396A patent/JPH10130284A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6670343B1 (en) * | 1999-07-19 | 2003-12-30 | Toray Industries, Inc. | Drugs for periodontal disease |
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