JPH10130161A - ヘリコバクター・ピロリに対する組成物 - Google Patents

ヘリコバクター・ピロリに対する組成物

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JPH10130161A
JPH10130161A JP9239477A JP23947797A JPH10130161A JP H10130161 A JPH10130161 A JP H10130161A JP 9239477 A JP9239477 A JP 9239477A JP 23947797 A JP23947797 A JP 23947797A JP H10130161 A JPH10130161 A JP H10130161A
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helicobacter pylori
acid
free fatty
pylori
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JP9239477A
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Mikio Kikuchi
幹雄 菊地
Toshio Takizawa
壽男 滝沢
Hirokazu Wakebe
浩和 分部
Norie Mukai
典江 向井
Seiichi Shimizu
精一 清水
Hiroshi Okamatsu
洋 岡松
Takao Saito
高雄 斎藤
Satoko Yamahira
聡子 山平
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食品形態及び医薬品形態で接種乃至投与適用さ
れ、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌効果を発揮
し、その増殖を抑制し、該菌に起因する胃炎、胃潰瘍等
の治療に有効な組成物を提供。 【解決手段】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びそのエステル
からなる群より選ばれる少なくとも1種とを有効成分と
して含有するヘリコバクター・ピロリに対する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコバクター・
ピロリ(Helicobacter pylori)に対する組成物、より
詳しくはヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤、該菌
の感染予防剤、該菌に起因する胃炎、胃・十二指腸潰瘍
等の胃腸疾患の予防や治療に好適な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ワーレン及びマーシャルが、胃炎又は胃
潰瘍患者の胃生検材料中には、カンピロバクター・ピロ
リ(Campylobacter pylori)が高率に検出されることを
報告〔Warren,J.R. and Marshall,B.J., Lancet, 1273-
1275, 1983〕して以来、胃炎や胃もしくは十二指腸潰瘍
等の胃腸疾患の発症に該菌が深く関与することが明らか
にされた〔Med.J.Aust., 142, 436 (1985); Gastroente
rology, 102, 1575 (19929; N.Engl.Med., 328, 308 (1
993)〕。該菌は、その後、同カンピロバクター属の他の
菌とは別属に属することが証明され、ヘリコバクター・
ピロリ(以下単に「ピロリ菌」という)と改名された。
【0003】上記ピロリ菌による胃粘膜傷害メカニズム
は、従来より種々研究がなされており、ほぼ次の通りと
されている。即ち、ピロリ菌は、他の大腸菌と同様に例
えば口から入って胃に到達し、その有する鞭毛を使って
粘液層を泳いで胃粘膜層に至り、胃粘膜細胞に接着(癒
着)する。ここで自らの産生するウレアーゼにより尿素
を分解しアンモニアを生成して胃酸を中和し、好ましい
生活環境を整備して増殖を開始する。上記ピロリ菌の胃
の粘膜上皮細胞への接着(感染)によれば、第1に、胃
の粘膜細胞から、好中球の走化性因子であるインターロ
イキン−8(IL−8)が放出され、感染部位に好中球
が集まる。第2に、ピロリ菌が好中球の活性化因子を産
生・放出し、これによって活性化された上記好中球は、
血管の内皮細胞に粘着しやすくなり、これが粘膜の微小
循環障害の原因となるに加えて、同微小循環障害の起因
物質として知られているプロテアーゼ、フリーラジカル
(活性酸素)、ロイコトリエン等を産生する。第3に、
ピロリ菌の産生するウレアーゼの作用により生成された
アンモニアが、フリーラジカルと反応して胃粘膜細胞等
を傷害する毒物であるモノクロラミンを生成する。かく
して、炎症が惹起され、進展する。
【0004】また、ピロリ菌による胃粘膜傷害は、上記
した炎症反応のほかにも、例えばウレアーゼにより産生
されるアンモニア自体の胃粘膜への攻撃、ピロリ菌が産
生するサイトトキシン(空胞化毒素)による粘膜細胞の
空胞化変性等もその要因とすると考えられている。
【0005】しかして、従来より、胃潰瘍、十二指腸潰
瘍等の潰瘍性疾患の治療のための化学療法剤としては、
ソファルコン、プロウノトール等の抗潰瘍剤;オメプラ
ゾール、ランソプラゾール等のプロトンポンプ阻害剤
(PPI);ファモチジン、シメチジン等の胃酸分泌抑
制剤(H2 ブロッカー)等が知られている。しかしなが
ら、之等の薬物は、ピロリ菌に対する増殖抑制等の効果
を奏し得るものではなく、かかる増殖抑制には別個に抗
菌剤等が必要になる。
【0006】ところで、ピロリ菌は、その生存環境が胃
粘膜上皮内にあり且つその分裂時間が通常の細菌の何倍
も長いことを特徴としている。従って、該ピロリ菌に有
効な抗菌剤としては、酸に安定で、胃粘膜間への浸透性
があり、しかも高い抗菌作用を有することが必要であ
る。
【0007】インビトロ(in vitro)において、ピロリ
菌に対して抗菌作用を有する薬剤としては、アモキシシ
リン、クラリスロマイシン等の抗生物質、メトロニダゾ
ール、チニダゾール等のニトロニダゾール系抗虫剤、ビ
スマス製剤等が知られている。しかしながら、之等の化
学療法剤はインビボ(in vivo)において充分な抗菌効
果を発揮できず、現状では、上記抗生物質、抗虫剤及び
ビスマス製剤を組合わせたトリプルセラピー(三重療
法)が有効な手段とされている。
【0008】しかるに、上記トリプルセラピーといえど
も、胃潰瘍や十二指腸潰瘍等の患者に対しては満足でき
る治療は行ない得ず、比較的多量の薬剤の長期投与が必
要となる。その結果、薬剤の副作用や耐性菌の形成等が
懸念される。特に抗菌剤の長期投与による菌交代症は無
視できない問題である。
【0009】また、抗生物質の使用は、菌体の破壊に伴
われて、ピロリ菌の有するエンドトキシン等の毒物や炎
症の起因物質等を胃粘膜周辺に排出させる可能性が高
く、之等が新たな炎症や粘膜傷害を惹起させ、胃炎、胃
潰瘍の再燃、再発の恐れが多分にある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の化学療法剤の有する各種の問題点をすべて解消
し、ピロリ菌に対して優れた抗菌作用を有し、また該菌
の感染に対しても高い予防効果を奏する新しい組成物を
提供する点にある。
【0011】本発明の他の目的は、人体に対する安全性
が高く、ピロリ菌に対して優れた抗菌作用を有し、該ピ
ロリ菌の感染に対しても高い予防効果を奏する新規な薬
剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
より鋭意研究を重ねた結果、従来より漢方薬として、ま
た食品添加物として知られている生薬中に、ピロリ菌に
対して有効な抗菌作用(感染予防作用を含む、以下同
じ)を有するものが存在するという事実を発見した。
【0013】之等生薬のピロリ菌に対する有効性は、抗
菌作用、ウレアーゼ活性阻害作用及び胃粘膜上皮細胞へ
の接着抑制作用に分類され、之等の各作用を有する生薬
がそれぞれ単独で或いは組み合わせて、ピロリ菌の増殖
を抑制し、ひいては胃炎、胃・十二指腸潰瘍の治療に有
効な医薬品乃至食品を提供できるという知見を得、この
知見に基づく発明を先に完成した(特開平8−1198
72号公報参照)。
【0014】引き続く研究において、本発明者らは、上
記生薬等のピロリ菌に対する抗菌作用を有する物質と、
遊離脂肪酸、その塩又はそのエステルとの組合せによれ
ば、之等の相乗作用によって、ピロリ菌に対する抗菌作
用がより一層強力なものとなる事実を発見し、ここに本
発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明によれば、ピロリ菌に対して
抗菌作用を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びその
エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種とを有
効成分として含有することを特徴とするピロリ菌に対す
る組成物が提供される。
【0016】より詳しくは、本発明によれば、ピロリ菌
に対して抗菌作用を有する物質が、グリチルリチン、カ
ンゾウ油性抽出物、ローズマリー抽出物、サルビア抽出
液、チョウジ抽出物、タイム抽出物液、ショウガエキ
ス、オウゴン抽出液、ジュ抽出液、シコンエキス、キラ
ヤニン、ルイボス茶乾燥エキス、ヨモギ乾燥エキス、刺
梨エキスパウダー、タマリンド抽出物、グァバ抽出物、
ユキノシタ葉抽出物、セラミド、エンメイソウ抽出物、
ムクロジエキスパウダー、ユッカエキスパウダー及びレ
モン抽出液からなる群より選ばれる少なくとも1種の生
薬であり且つ遊離脂肪酸が長鎖脂肪酸、より好適にはリ
ノレン酸である上記組成物;生薬がカンゾウ油性抽出物
を含むものである上記組成物;ヘリコバクター・ピロリ
に対して抗菌作用を有する物質がカンゾウ油性抽出物の
主成分であるグラブロール、グラブリジン、シンフラボ
ン、3’−プレニルグラブリジン、4’−O−メチルグ
ラブリジン、グラブレン及びフォルモノネチンからなる
群より選ばれる少なくとも1種のフラボノイドを含むも
のである上記組成物;ピロリ菌に対して抗菌作用を有す
る物質がポリフェノール類である上記組成物;ピロリ菌
に対して抗菌作用を有する物質と遊離脂肪酸、その塩及
びそのエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種
とを有効成分として含有するピロリ菌に対する抗菌剤;
及び同有効成分を含有する感染予防剤が提供される。
【0017】本発明組成物は、抗菌剤等の医薬品形態で
あることもでき、また例えば飲料、ブロック形態等の食
品形態であることもできる。
【0018】本発明組成物は、そのピロリ菌に対する特
有の薬理作用に基いて、医薬品乃至食品として、従来の
化学療法剤を凌ぐ優れた予防及び治療効果を奏し得、し
かも安全で副作用等も非常に少ない利点があり、これら
の面から、ピロリ菌に起因する胃炎の予防及び治療剤、
胃・十二指腸潰瘍の予防及び治療剤等として特に好適で
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明組成物において、一方の有
効成分とするピロリ菌に対して抗菌作用を有する物質に
は、本発明者らの先の発明に係わる生薬類及びその主成
分であるフラボノイド類を代表例として、他に例えばポ
リフェノール類や各種化学療法剤が包含される。上記ポ
リフェノール類としては、例えばフラボン類、カテキン
類、プロポリス、タンニン、アントシアニン、フラバン
等を例示することができる。上記化学療法剤としては、
アミノペニシリン系、テトラサイクリン系、マクロライ
ド系等の公知のものを例示することができる。
【0020】上記生薬類は、それら自体漢方薬及び食品
添加物として既に公知のものから適宜選択することがで
き、その産地、製法、形態、成分組成等には特に限定は
ない。尚、本明細書における上記生薬類及びその名称
は、1995年食品と科学社発行の「天然物便覧」(第
13版)に記載のものを利用するか又はそれに準じるも
のとする。
【0021】例えば、グリチルリチンとしては、食品添
加物(甘味料)として公知の、グリチルリチンを主成分
とする水抽出固体を利用できる。
【0022】カンゾウ油性抽出物としては、マメ科カン
ゾウ(glyeyrrhiza glabra L., G.uralensis FISCH
)、その同属植物の根及び根茎の水抽出残渣よりエタ
ノールまたは他の有機溶媒で抽出して得られるフラボノ
イドを主成分とするものを利用でき、これは食品添加物
(酸化防止剤)として知られている。
【0023】該フラボノイドには、例えば下記式(1)
〜(7)で表わされるグラブロール、グラブリジン、シ
ンフラボン、3’−プレニルグラブリジン、4’−O−
メチルグラブリジン、グラブレン及びフォルモノネチン
が包含される。之等のフラボノイド化合物の単離方法に
ついては、後述する実施例において説明する。
【0024】
【化1】
【0025】ローズマリー抽出物としては、シソ科マン
ネンソウ(Rosmarinus officinalisL. )の花、葉を二
酸化炭素、エタノールまたは他の有機溶剤で抽出して得
られるローズマノール、カルバクロール等を成分とする
ものを利用でき、これは酸化防止剤として食品分野で知
られている。
【0026】サルビア抽出液としては、原料シソ科サル
ビア(Salvia officinalis L.等)の葉を、エタノール
または他の有機溶剤で抽出して得られるフラボノイドを
主成分とするものを利用できる。之等は上記ローズマリ
ー抽出物と同様に酸化防止剤として食品分野で知られて
いる。
【0027】チョウジ抽出物(クローブ抽出物)として
は、フトモモ科チョウジ(Syzygiumaromaticum MERR. e
t PERRY)の花密(蕾)、葉等をエタノール等の有機溶
剤で抽出して得られ、オイゲノールを主成分とし、食品
分野で酸化防止剤として知られているものを利用でき
る。
【0028】タイム抽出物液としては、シソ科の植物タ
チジャコウソウ(Thymus vulgarisL.)の乾葉を90%
エタノールで抽出したもので、フラボノイドを主成分と
し、食品添加物(香料、香辛料等)として知られるもの
を利用できる。
【0029】ショウガエキスとしては、ショウガ科ショ
ウガ(Zingiber officinale ROSC.)の根茎よりエタノ
ール等の有機溶剤により抽出して得られ、ジンゲオール
やショウガオールを主成分とし、食品添加物(日持向上
剤)として知られるものを利用できる。
【0030】オウゴン抽出液としては、コガネバナ(Sc
utellaria bacalesis Georigi)の根を90%エタノー
ルで抽出して得られる、フラボノイドを主成分とするも
のを利用できる。
【0031】ジュ抽出液としては、ワレモコウ(Sangui
sorba officinalis L.)の根、根茎から50%エタノー
ルで抽出して得られるポリフェノール類を主成分とする
ものを利用できる。
【0032】シコンエキスとしては、ムラサキ科ムラサ
キ(Lithospermum erythrorhizon SIEB.)の根よりエタ
ノールで抽出して得られ、ナフトキノン系シコニンを主
な色素成分とし、食品添加物(着色料)として知られる
ものを利用できる。
【0033】キラヤニン(キラヤ抽出物)としては、バ
ラ科キラヤ(Quillaia saponaria MOLINA )の樹皮より
水抽出して得られ、食品添加物(乳化剤)として知られ
るものを利用できる。
【0034】ルイボス茶乾燥エキスとしては、ルイボス
茶の葉より水またはエタノール等の有機溶媒で抽出して
得られるものを利用できる。
【0035】ヨモギ乾燥エキス(ヨモギ抽出物)として
は、キク科ヨモギ(Artemisia princeps PAMPAN.)の
茎、葉より水またはエタノールで抽出して得られ、カフ
ェタンニン及び精油類を主成分とし、食品添加物(苦味
料)として知られるものを利用できる。
【0036】刺梨エキスパウダーは、バラ科刺梨より水
で抽出され、食品として知られるものを利用できる。
【0037】タマリンド抽出物としては、マメ科タマリ
ンドの50%エタノール抽出物を利用でき、これは増粘
安定剤として利用されている。
【0038】グァバ抽出物は、食品添加物(香料)とし
て利用されている50%エタノール抽出物を利用でき
る。ユキノシタ葉抽出物も、上記グァバ抽出物と同様で
ある。
【0039】セラミドとしては、小麦細胞壁から水抽出
により得られるものを利用できる。
【0040】エンメイソウ抽出物としては、50%エタ
ノール抽出物を、ムクロジエキスパウダーとしては、8
0%エタノール抽出物を、ユッカエキスパウダーとして
は、サポニンを主成分とし、食品添加物(乳化剤)とし
て利用されている水抽出物を、またレモン抽出液として
は、食品添加物(香辛料)として利用される50%エタ
ノール抽出物を、それぞれ利用できる。
【0041】また、本発明組成物において、他方の有効
成分とする遊離脂肪酸、その塩及びそのエステルには、
例えばリノレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DH
A)、パルミトレイン酸(POA)等の各種の飽和脂肪
酸、不飽和脂肪酸(ω−系脂肪酸、CLA共役脂肪
酸)、必須脂肪酸等の遊離脂肪酸、そのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩等の塩及びそのエステルが包含
される。
【0042】上記脂肪酸のエステルには、一般に油脂、
脂質等と呼ばれるグリセリンエステル(グリセリド)が
包含される。かかるグリセリドは、モノグリセリド、ジ
グリセリド、トリグリセリド(TG)、MCT(中脂肪
酸グリセリド)、STRACTUREDTRIGLYCERIDE等のいずれで
あってもよい。
【0043】また、上記エステルには、グリセリンの水
酸基に2個の脂肪酸がエステル結合し且つ3番目の水酸
基にリン酸が結合したホスファチジン酸を基本骨格と
し、これにコリン、エタノールアミン、セリン、イノシ
ット等がホスホジエステル結合した、一般にリン脂質と
呼ばれるものも包含される。その例としては、例えばホ
レシチン、ケファリン、ホスァチジルセリン、スフィン
ゴリピド、スフィンゴミエリン等を例示できる。
【0044】代表的飽和脂肪酸(遊離形態)としては、
n−ブタン酸、n−ペンタン酸、3−メチルブタン酸、
n−ヘキサン酸、n−へプタン酸、n−オクタン酸、n
−ノナン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、n−テト
ラデカン酸、n−オクタデカン酸、n−アイコサン酸、
n−ドコサン酸、n−テトラコサン酸、n−ヘキサコサ
ン酸、n−オクタコサン酸、n−トリアコサン酸等を例
示できる。
【0045】代表的不飽和脂肪酸(遊離形態)として
は、Δ9−デセン酸、ステリング酸、Δ9−ドデセン酸、
パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシ
ノール酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、
リノレン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン
酸、パリナリン酸、ガドール酸、アラキドン酸、5−ア
イコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、5,13−
ドコサジエン酸、セラコール酸等を例示できる。
【0046】本発明組成物は、ピロリ菌に対する抗菌作
用を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びそのエステ
ルからなる群より選ばれる少なくとも1種とを必須有効
成分として組み合わせることが重要である。
【0047】しかして、之等の併用割合は、利用する各
成分の種類に応じて適宜選択できるが、通常ピロリ菌に
対する抗菌作用を有する物質が生薬類である場合、これ
は約0.01〜500mg/kg、好ましくは約0.1
〜50mg/kg程度の範囲で投与される量とするのが
よい。生薬類以外のポリフェノールや化学療法剤も略々
上記生薬と同様の量とすることができる。一方、他方の
有効成分である遊離脂肪酸、その塩及びそのエステル
は、約0.001〜10mg/kg、好ましくは約0.
01〜0.5mg/kg程度の範囲で投与される量とさ
れるのが適当である。特に、上記生薬類と遊離脂肪酸等
とを併用する場合、その併用比率(重量比)は、約10
0:1〜1〜100の範囲から選択されるのが好まし
い。
【0048】本発明組成物は、これを医薬製剤として実
用する場合、通常上記有効成分化合物と共に製剤担体を
用いて一般的な医薬製剤組成物の形態とされる。該製剤
担体としては製剤の使用形態に応じて、通常使用される
充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性
剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を例示でき、これ
らは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用
される。
【0049】本発明薬剤の上記医薬製剤の投与単位形態
としては、各種の形態が治療目的に応じて選択でき、そ
の代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁
剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、
懸濁剤等)、軟膏剤等が挙げられ、之等は何れも常法に
従い、上記適当な担体を用いて調整できる。
【0050】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿
素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロ
ース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノ
ール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプ
ン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デン
プン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の
界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添
加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリ
ル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプ
ン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイ
ト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステア
リン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢
剤等を使用できる。
【0051】更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した
錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィ
ルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすること
ができる。
【0052】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化
植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム
末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、
ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
【0053】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級ア
ルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半
合成グリセライド等を使用できる。
【0054】本発明薬剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射
剤として調製される場合、之等は殺菌され且つ血液と等
張であるのが好ましく、之等の形態に成形するに際して
は、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、マクロ
ゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステア
リルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等
を使用できる。尚、この場合等張性の溶液を調整するに
充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明
薬剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩
衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0055】更に、本発明薬剤中には、必要に応じて着
色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を
含有させることもできる。
【0056】本発明組成物における上記有効成分の配合
割合は、有効成分の種類、組合せ、それらの有する薬理
作用等に応じて当業者にとり適宜決定される。例えば生
薬類やポリフェノール類では、これが約1mg〜2g/
日摂取(投与)される量を目安として適宜決定されるの
がよい。
【0057】上記医薬製剤の投与方法は特に制限がな
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与さ
れ、注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の
補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で
筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤は直
腸内投与される。
【0058】上記医薬製剤の投与量は、その用法、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選
択されるが、通常有効成分総量が1日当り体重1kg当
り約0.5〜100mg程度とするのがよく、該製剤は
1日に1〜4回に分けて投与することができる。
【0059】また本発明組成物は、例えばドリンク類や
ブロック等の食品形態とすることもできる。この食品形
態の組成物は、前記必須有効成分の組合せを含有させる
ことを除いては、常法に従って調製でき、その調製には
一般的によく知られている他の食品素材(原料成分)、
賦形剤、希釈剤等を適宜利用できる。
【0060】上記食品形態に調製される場合に用いられ
る他の食品原料成分としては、特に限定はなく食品分野
で慣用されるものの何れでもよく、これには例えば小麦
粉、澱粉、糖、油脂類等の各種蛋白質、脂質、糖質原料
やその他ビタミン、ミネラル等を例示できる。
【0061】また本発明組成物は、発泡成分としての炭
酸水素ナトリウム及び(又は)炭酸ナトリウムと、その
中和剤としてのクエン酸、酒石酸、フマル酸、アスコル
ビン酸等の有機酸とを通常慣用される配合量範囲で組合
わせ配合して、常法に従い例えば直接粉末圧縮法、乾式
または湿式顆粒圧縮法により、発泡剤形態の食品形態に
調製することもできる。
【0062】かくして本発明によれば、ピロリ菌に対し
て有効な、医薬品及び食品形態の組成物が提供され、こ
れはピロリ菌の増殖を抑制し、該菌による胃炎の発症を
予防乃至治癒し、ひいては胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の予
防及び治療を有利に行ない得る。
【0063】尚、本発明組成物は、他の薬理作用を有す
る薬剤、例えばアモキシシリン、クラリスロマイシン等
の抗生物質、チニダゾール、チアベンダゾール等のイミ
ダゾール系抗原虫剤、ビスマス製剤やソファルコン、プ
ロウノトール等の抗潰瘍剤、オメプラゾール、ランソプ
ラゾール等のプロトンポンプ阻害剤等と併用することも
できる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明有効成分につき行なわれた試験例を挙げ、次いで本
発明組成物の調製例を実施例として挙げる。
【0065】尚、生薬サンプル及びその調製は、199
5年食品と科学社発行の「天然物便覧」(第13版)に
記載のものを利用するか又はそれに準じた。
【0066】
【試験例1】 カンゾウ油性抽出物の、ピロリ菌に対す
る最小発育阻止濃度(MIC)の測定 (1)カンゾウ油性抽出物中に含まれるフラボノイド化
合物の単離 カンゾウ油性抽出物900mgをシリカゲルクロマトグ
ラフィー(メルク社製)を用いて分離した。その際、溶
出液としては、まずヘキサン−アセトン系混合溶媒を使
用し、その混合比率を体積比で4:1→3:1→65:
35と変えることによりフラクション1〜10を回収し
た。次いで、溶出液としてクロロホルム−メタノール
(体積比=9:1)を使用することにより、計11個の
フラクションを得た(総回収率=97%)。各フラクシ
ョンの回収量と、そのフラクションを回収した際の溶媒
比とを図1に示す。尚、図1中のFr.はフラクション
を意味する。
【0067】次に、上記カンゾウ油性抽出物の主成分を
探るため、図2に示すように、画分率の最も高いフラク
ション7に相当するフラクション7’(1g)を、前記
と同様のシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液=ヘキ
サン:アセトン=3:1→クロロホルム:メタノール=
9:1)を用いて、7つのフラクション7’−A〜Fに
分離した後、得られたフラクション7’−Bをシリカゲ
ルクロマトグラフィー(前出、溶出液=クロロホルム)
を用いてフラクション7’−B−1〜4に分離した。
【0068】更に、フラクション7’−B−1をプレパ
ラティブ薄層クロマトグラフィー(PTLC、展開溶媒
=クロロホルム:メタノール=97:3)で精製するこ
とにより、化合物1を得、またフラクション7’−B−
4の結晶化を行ない、化合物2を得た。之等をそれぞれ
グラブロール(1)及びグラブリジン(2)と同定し
た。
【0069】上記各フラクションを回収した際の溶媒比
と、各フラクションの回収量とを図2に示す。
【0070】尚、図1に示す11個のフラクション1〜
11について、インビトロにおけるピロリ菌に対する抗
菌作用を測定したところ、主フラクションである前記フ
ラクション7よりも極性の低いフラクション3〜6が、
ピロリ菌に対して強い抗菌活性を示すことが認められ
た。そこで、上記フラクション3〜6中に含まれる活性
物質について検索を行なった。以下、その検索方法(図
3参照)につき詳述する。
【0071】まず、カンゾウ油性抽出物10gをシリカ
ゲルクロマトグラフィー(溶出液=クロロホルム→ヘキ
サン:アセトン=2:1→クロロホルム:メタノール=
9:1)を用いてフラクション11〜14を分離した。
次いで、得られたフラクション11(これは図1中のフ
ラクション3及び4に相当する)を再度、シリカゲルク
ロマトグラフィー(溶出液=ヘキサン:アセトン=3:
1)を用いてフラクション11−A〜Cに分離した。更
に、得られたフラクション11−Bを、まずシリカゲル
クロマトグラフィー(溶出液=ヘキサン:アセトン=
3:1)を用いてフラクション11−B’を分離し、次
いで、このフラクション11−B’をシリカゲルクロマ
トグラフィー(溶出液=ヘキサン:アセトン=3:1)
を用いてフラクション11−B’−1及び11−B’−
2を分離した。
【0072】上記フラクション11−B’−1をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(溶出液=ヘキサン:酢酸エチ
ル=4:1)を用いて、5つのフラクション11−B’
−1a〜eを分離し、得られたフラクション11−B’
−1eから化合物3を得た。
【0073】一方、上記フラクション11−B’−2に
ついて、上記フラクション11−B’−1と同様にして
分離して、3つのフラクション11−B’−2a〜cを
得た。その内、フラクション11−B’−2aから化合
物4を、フラクション11−B’−2bから化合物5を
それぞれ収得した。
【0074】上記で得られた化合物3、4及び5は、そ
れぞれ前記シンフラボン(3)、3’−プレニルグラブ
リジン(4)及び4’−O−メチルグラブリジン(5)
と同定された。
【0075】またフラクション11−B’−1a及び1
1−B’−1bについて結晶化を行なったところ、フラ
クション11−B’−1aからは前記4’−O−メチル
グラブリジン(5)が、フラクション11−B’−1b
からは前記3’−プレニルグラブリジン(4)が得られ
た。
【0076】上記各フラクションの回収量を、各フラク
ションを回収した際の溶媒比と共に図3に示す。
【0077】(2)ピロリ菌に対する最小発育阻止濃度
(MIC)の測定 上記(1)で得られた式(1)〜(5)で示される各フ
ラボノイド化合物について、ピロリ菌(ヒト臨床株C0
001、ヒト臨床株C0014及びATCC株4350
4)に対する最小発育阻止濃度(MIC)を日本化学療
法学会標準法に記載の方法に準拠して求めた。即ち、一
定濃度の被験物を含有する7%FBS添加Brucella寒天
培地に、Brucella Brothで培養した菌株を接種して、そ
の増殖の有無により、最小発育阻害濃度を求めた。その
結果は下記表1に示すとおりであった。
【0078】
【表1】
【0079】
【試験例2】 ピロリ菌感染マウスによる抗菌試験 (1)供試薬剤の調製 供試薬剤として、メトロニダゾールはシグマ社製のもの
を蒸留水に溶解して使用した。カンゾウ油性抽出物は、
丸善製薬社製のものを、α−リノレン酸は原液(和光純
薬工業株式会社製、化学用、ステアリン酸1.9%、リ
ノール酸21.2%、リノレン酸75.4%、その他
1.5%)を使用した。
【0080】またカンゾウ油性抽出物とα−リノレン酸
とを併用する場合には、カンゾウ油性抽出物をメノウ乳
鉢で細粒化し、これをα−リノレン酸に懸濁させて使用
した。
【0081】各供試薬剤投与群は、次の4群(実験1)
及び5群(実験2)である。
【0082】実験1: 1群…供試薬剤無添加の蒸留水単独投与群 2群…20mg/kgメトロニダゾール投与群 3群…10mg/kgリノレン酸投与群 4群…500mg/kgカンゾウ油性抽出物+10mg
/kgα−リノレン酸併用投与群 実験2: 1群…供試薬剤無添加の蒸留水単独投与群 2群…20mg/kgメトロニダゾール投与群 3群…500mg/kgカンゾウ油性抽出物+10mg
/kgα−リノレン酸併用投与群 4群…100mg/kgカンゾウ油性抽出物+10mg
/kgα−リノレン酸併用投与群 5群…20mg/kgカンゾウ油性抽出物+10mg/
kgα−リノレン酸併用投与群 (2)接種用ピロリ菌液の調製 ピロリ菌(臨床分離株H.p.C0001)凍結保存液
(Brucella broth+15%グリセロールにピロリ菌を懸
濁させた液)0.1mlを7%FBS(Gibco)添加Bru
cella agar(DCM社製、ブルセラ寒天培地)に塗布
し、85%N2、10%CO2及び5%O2の雰囲気下、
37℃で2日間培養した。次いで、前記寒天培地から菌
体を掻き取り、7%FBS添加Brucella broth(BBL
社製、ブルセラ液体培地)3mlに懸濁させた後、85
%N2、10%CO2及び5%O2の雰囲気下、37℃で
1日間前培養を行なった。更に、前培養液0.5ml
を、7%FBS添加Brucella broth50mlに接種し、
85%N2、10%CO2及び5%O2雰囲気下、37℃
で1日間培養して、接種菌液(約108CFU/ml)
を調製した。
【0083】(3)実験方法 供試動物として、3週齢雄性ddYマウス(日本エスエ
ルシー株式会社)を大塚製薬株式会社徳島研究所Hiz
タワー5階アイソレーター実験室に搬入し、飼育期間
は、γ線滅菌済みCRF1固形飼料(オリエンタル酵母
工業株式会社)及び飲料水(注射用蒸留水)を自由摂取
させた。
【0084】上記供試マウスを搬入後4日目に一晩絶食
させ、翌日、上記接種菌液0.5mlを強制経口投与し
てピロリ菌を感染させた。
【0085】感染後7日目から10日目までの3日間、
上記マウス(1群5匹)に、各供試薬剤を体重10g当
たり0.1ml(α−リノレン酸を含む薬剤は0.05
ml)、1日2回午前8時と午後2時に分けて強制経口
投与した。供試薬剤投与の最終日にマウスを一晩絶食さ
せ、翌日、全供試マウスを屠殺して胃を摘出した。
【0086】上記で摘出された胃を、Brucella broth2
mlの入った15ml遠沈管に入れ、氷冷下でポリトロ
ン(Kinematica社製、ホモジナイザー)を用いてホモジ
ナイズした。このうち0.2mlを24ウェルのマイク
ロプレートに分注したBrucella broth0.8mlに添加
混合し、同様の操作を2回繰り返して、50倍、250
倍、1250倍希釈液を調製した。
【0087】得られた各希釈液のそれぞれ0.2mlを
変法スキロー寒天培地(日水社製)に塗布し、85%N
2、10%CO2及び5%O2の雰囲気下、37℃で5日
間培養した後、生育したコロニー数を計測して、胃内に
生息するピロリ菌数を測定し、各供試薬剤の抗菌効果を
評価した。
【0088】実験1における結果を図4に、実験2にお
ける結果を図5にそれぞれ示す。
【0089】各図は、縦軸に菌数(Log(CFU/
胃))をとり、各群における計測結果を棒グラフで表わ
したものである。図中、N.D.は菌数が50の検出限
界以下であることを示す。
【0090】之等図より、カンゾウ油性抽出物とα−リ
ノレン酸との併用投与により、マウス胃内ピロリ菌が限
界値以下に減少することが明らかである。
【0091】以下、本発明組成物の各種形態への調製例
を実施例として挙げる。
【0092】
【実施例1】下記表2に示す各成分を混合し、混合物を
直接粉末圧縮法により錠剤形態に成形して、発泡剤形態
の本発明組成物を調製した。
【0093】
【表2】
【0094】
【実施例2】下記表3に示す各成分を混合し、直接打錠
する操作(錠剤)、各成分を秤量混合して分包する操作
(散剤)、及び各成分を秤量混合して造粒乾燥後、分包
する操作(顆粒剤)により、それぞれの製剤形態の本発
明組成物を調製した。
【0095】
【表3】
【0096】
【実施例3】下記表4及び表5に示す各成分を用いて、
打ち抜き法により軟カプセル剤形態の本発明組成物を調
製した。
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】尚、表中の数値はグラム重量を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】カンゾウ油性抽出物中の、フラボノイドの単離
方法を示すフローチャートである。
【図2】カンゾウ油性抽出物中の主成分である、フラボ
ノイドの単離方法を示すフローチャートである。
【図3】カンゾウ油性抽出物中に含まれるフラボノイド
中、とりわけピロリ菌に対して優れた抗菌活性を示す化
合物の単離方法を示すフローチャートである。
【図4】試験例1(実験1)に従う、本発明有効成分の
ピロリ菌に対する抗菌効果を示すグラフである。
【図5】試験例1(実験2)に従う、本発明有効成分の
ピロリ菌に対する抗菌効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 35/78 A61K 35/78 Q T A23L 1/00 A23L 1/00 Z A61K 31/16 A61K 31/16 31/35 31/35 C07J 17/00 C07J 17/00 // C07D 311/30 C07D 311/30 311/36 311/36 311/58 311/58 493/04 106 493/04 106C (72)発明者 清水 精一 佐賀県鳥栖市元町1237−2−1001 (72)発明者 岡松 洋 福岡県久留米市津福今町491−15 (72)発明者 斎藤 高雄 福岡県小郡市寺福童496−12−505 (72)発明者 山平 聡子 福岡県久留米市長門石5−8−14 第1ハ イマート執行201号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びそのエステル
    からなる群より選ばれる少なくとも1種とを有効成分と
    して含有することを特徴とするヘリコバクター・ピロリ
    に対する組成物。
  2. 【請求項2】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質がグリチルリチン、カンゾウ油性抽出物、
    ローズマリー抽出物、サルビア抽出液、チョウジ抽出
    物、タイム抽出物液、ショウガエキス、オウゴン抽出
    液、ジュ抽出液、シコンエキス、キラヤニン、ルイボス
    茶乾燥エキス、ヨモギ乾燥エキス、刺梨エキスパウダ
    ー、タマリンド抽出物、グァバ抽出物、ユキノシタ葉抽
    出物、セラミド、エンメイソウ抽出物、ムクロジエキス
    パウダー、ユッカエキスパウダー及びレモン抽出液から
    なる群より選ばれる少なくとも1種の生薬であり、且つ
    遊離脂肪酸が長鎖遊離脂肪酸である請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】生薬がカンゾウ油性抽出物を含むものであ
    る請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質がカンゾウ油性抽出物の主成分であるグラ
    ブロール、グラブリジン、シンフラボン、3’−プレニ
    ルグラブリジン、4’−O−メチルグラブリジン、グラ
    ブレン及びフォルモノネチンからなる群より選ばれる少
    なくとも1種のフラボノイドを含むものである請求項2
    に記載の組成物。
  5. 【請求項5】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質がポリフェノール類である請求項1に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】遊離脂肪酸がリノレン酸である請求項1〜
    5のいずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びそのエステル
    からなる群より選ばれる少なくとも1種とを有効成分と
    して含有することを特徴とするヘリコバクター・ピロリ
    に対する抗菌剤。
  8. 【請求項8】ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用
    を有する物質と、遊離脂肪酸、その塩及びそのエステル
    からなる群より選ばれる少なくとも1種とを有効成分と
    して含有することを特徴とするヘリコバクター・ピロリ
    に対する感染予防剤。
  9. 【請求項9】食品形態を有する請求項1に記載の組成
    物。
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