JPH10129402A - エアバッグシステム及びその診断方法 - Google Patents

エアバッグシステム及びその診断方法

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JPH10129402A
JPH10129402A JP8287773A JP28777396A JPH10129402A JP H10129402 A JPH10129402 A JP H10129402A JP 8287773 A JP8287773 A JP 8287773A JP 28777396 A JP28777396 A JP 28777396A JP H10129402 A JPH10129402 A JP H10129402A
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capacitor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電用のダイオード及び充電用の抵抗を省略
しても、高い精度でバックアップコンデンサのコンデン
サ容量を診断できるエアバッグシステム及びその診断方
法を提供すること。 【解決手段】 着火回路3,バックアップコンデンサ
6,コンピュータ11を含む制御回路とを備えたエアバ
ッグシステムにおいて、前記制御回路の制御に基づいて
昇圧回路5の出力電圧を第1の電圧から第2の電圧にま
で昇圧し、バックアップコンデンサ6の端子電圧が第2
の電圧に到達した後、昇圧設定値を第1の電圧に戻し、
T時間経過後のバックアップコンデンサ6の端子電圧の
降下電圧△V1 と、さらにその後、T時間、バックアッ
プコンデンサ6から負荷に定電流Iを流した時の端子電
圧の降下電圧△V2 とを検出し、これら降下電圧に基づ
いてバックアップコンデンサの容量の適否を診断するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエアバッグシステ
ム及びその診断方法に関し、特に車両の衝突の際に、バ
ッテリ電源から着火回路への電力供給に不都合が生じて
もバックアップコンデンサから確実に供給できるように
構成したエアバッグシステムにおいて、バックアップコ
ンデンサのコンデンサ容量の適否の診断方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種エアバッグシステムは、例
えば図4に示すように構成されている。同図において、
1はバッテリ電源であって、これにはダイオード2を介
して着火回路3が接続されている。この着火回路3は、
例えばローラマイト型スイッチ,リードスイッチなどの
機械式のスイッチMSと、ダイオードDa,スクイブR
a,半導体スイッチング手段例えば電界効果形トランジ
スタQaの第1の直列回路と、ダイオードDb,スクイ
ブRb,電界効果形トランジスタQbの第2の直列回路
とから構成されている。
【0003】又、バッテリ電源1にはダイオード4を介
して昇圧回路5が接続されている。この昇圧回路5はバ
ッテリ電源1の電圧が低下した場合にその低下分を補う
ように動作するものであり、例えばコイルLとダイオー
ドD1との直列回路と、コイルLとダイオードD1との
接続点に接続された半導体スイッチング手段、例えば電
界効果形トランジスタQ1と、直列回路の出力端に接続
された平滑コンデンサC1とから構成されている。そし
て、昇圧回路5の出力側には抵抗R1とダイオードD2
との並列回路を介してバックアップコンデンサ6が接続
されており、抵抗R1とダイオード4との間にはダイオ
ード7が逆方向に接続されている。その上、バックアッ
プコンデンサ6には強制放電回路DCが接続されてい
る。
【0004】さらに、昇圧回路5の出力側には後述する
コンピュータの駆動電源8が接続されている。この電源
8は、例えば昇圧回路5の出力電圧を5Vに降圧して構
成されており、ダイオード9と抵抗10との直列回路を
介して着火回路3におけるスイッチMSとダイオードD
a,Dbとの接続点に接続されている。そして、上述の
昇圧回路5における電界効果形トランジスタQ1の制御
による出力電圧の可変制御、強制放電回路DCの制御、
着火回路3における電界効果形トランジスタQa,Qb
の制御などはコンピュータ11によって行われている。
又、このコンピュータ11にはバックアップコンデンサ
6の端子電圧を取り込み、コンデンサ容量の適否を判断
する機能が付与されている。
【0005】この構成において、車両が衝突していない
状態では、着火回路3はスイッチMS及び電界効果形ト
ランジスタQa,Qbが共にOFF状態に維持されてい
るために、着火動作しない。一方、バックアップコンデ
ンサ6は、例えば15V程度に昇圧された昇圧回路5の
出力電圧によって、抵抗R1を介して充電されている。
そして、コンピュータ11は、昇圧回路5の直流出力電
圧を利用して、例えば5V程度に降圧して構成された電
源8によって動作が確保されている。
【0006】一旦、車両が衝突すると、着火回路3のス
イッチMSは加速度(減速)Gの作用によって閉成動作
すると共に、電界効果形トランジスタQa,Qbは電子
式の加速度センサからの検出信号に基づくコンピュータ
11の出力信号が、そのゲートに印加されることにより
ON動作する。このようにスイッチMS及び電界効果形
トランジスタQa,Qbが共にON状態になると、バッ
テリ電源1からダイオード2を介してスイッチMS−ダ
イオードDa,Db−スクイブRa,Rb−電界効果形
トランジスタQa,Qbに大きな着火電流が流れる。こ
れによって、スクイブRa,Rbの加熱に基づきインフ
レータが作動し、短時間でエアバッグが展開され、確実
に乗員が保護されるものである。
【0007】しかしながら、万が一、バッテリ電源1が
衝突などの衝撃によって回路から外れたりした場合に
は、バッテリ電源1から着火回路3への電力供給は不可
能になるものの、バックアップコンデンサ6(及び平滑
コンデンサC1)の充電電荷がダイオードD2−ダイオ
ード7−ダイオード2を介して着火回路3に速やかに供
給される。従って、バッテリ電源1からの電力供給と同
様に着火回路3が作動して乗員の保護が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、バッテリ電源1から着火回路3への電力供給が不可
能になった場合には、バックアップコンデンサ6(及び
平滑コンデンサC1)の充電電荷が着火回路3の着火電
流として利用されるのであるが、この充電電荷量はコン
デンサ容量に左右されることが知られている。例えばコ
ンデンサ容量が使用環境からの影響,コンデンサ自身の
劣化などによって小さくなった場合には、バックアップ
コンデンサに充電できる電荷量も少なくなるために、非
常時に、着火回路3に十分な着火電流を供給できなくな
り、エアバッグの展開も不確実となって乗員の保護が保
証できなくなるという不都合が生ずる。
【0009】このために、エアバッグシステムにおいて
は、バックアップコンデンサ6のコンデンサ容量を常に
診断し、所定以上の容量が維持されていることを把握す
ることが、この種システムの高信頼性を維持する上で極
めて重要な診断項目となる。
【0010】従って、従来においては、バックアップコ
ンデンサ6のコンデンサ容量の診断には種々の方法が採
用されている。例えば図4において、バックアップコン
デンサ6が昇圧回路5から抵抗R1を介して充電される
際の充電カーブ(端子電圧の変化)をコンピュータ11
に取り込み、そのデータに基づく演算処理によりコンデ
ンサ容量の適否が判断される。
【0011】この診断方法は、簡易的な診断方法として
は優れているが、バックアップコンデンサ6の充電タイ
ミング、即ちコンデンサに残存している電荷量によって
はコンデンサ容量の診断精度にバラツキが生じ、常に安
定した診断精度が得にくいという問題がある。
【0012】又、同図に示すように、バックアップコン
デンサ6に強制放電回路DCを付加し、コンデンサ容量
の診断の際には、その直前に、バックアップコンデンサ
6に残存している電荷を、強制放電回路DCを利用して
強制的に放電させることにより、残存電荷による影響を
最小限に止めて診断精度を高める方法も実用化されてい
る。
【0013】この診断方法によれば、比較的に高い診断
精度が得られるものの、回路が複雑化するのみならず、
バックアップコンデンサ6の充電電荷を着火回路3に供
給する経路に放電用のダイオードD2及びダイオード7
が存在し、電圧降下が生じることから、バックアップコ
ンデンサ6のコンデンサ容量を増加しなければならない
が、コンデンサ形態が大きくなり、部品点数も多いとい
う問題がある。
【0014】かといって、放電用のダイオードD2及び
充電用の抵抗R1を省略すれば、上述の問題は解決でき
るものの、逆にバックアップコンデンサ6のコンデンサ
容量を、上述のように抵抗R1を用いた充電による診断
ができなくなる。従って、充電時と同程度の精度で診断
できるような適切な診断方法が望まれている。
【0015】それ故に、本発明の目的は、放電用のダイ
オード及び充電用の抵抗を省略しても、高い精度でバッ
クアップコンデンサのコンデンサ容量を診断できるエア
バッグシステム及びその診断方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、バッテリ電源と、バッテリ電
源にダイオードを介して接続したスクイブ,半導体スイ
ッチング手段を含む着火回路と、バッテリ電源にダイオ
ードを介して接続した昇圧回路と、昇圧回路の出力側に
接続し、かつ着火回路に電気的に接続したバックアップ
コンデンサと、少なくとも昇圧回路の出力電圧を任意の
電圧に制御し、かつ着火回路の半導体スイッチング手段
を、車両の衝突信号に基づいてON制御するコンピュー
タを含む制御回路とを具備し、前記制御回路は、昇圧回
路の出力電圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧し
た後、昇圧設定値を第1の電圧に戻した時のバックアッ
プコンデンサの放電カーブ及びバックアップコンデンサ
から負荷に定電流を流した時の放電カーブに基づいてバ
ックアップコンデンサの容量を演算し、その適否を判断
する機能を有することを特徴とする。
【0017】又、本発明の第2の発明は、バッテリ電源
と、バッテリ電源にダイオードを介して接続したスクイ
ブ,半導体スイッチング手段を含む着火回路と、バッテ
リ電源にダイオードを介して接続した昇圧回路と、昇圧
回路の出力側に接続し、かつ着火回路に電気的に接続し
たバックアップコンデンサと、少なくとも昇圧回路の出
力電圧を任意の電圧に制御し、かつ着火回路の半導体ス
イッチング手段を、車両の衝突信号に基づいてON制御
するコンピュータを含む制御回路とを備えたエアバッグ
システムにおいて、前記制御回路の制御に基づいて昇圧
回路の出力電圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧
し、バックアップコンデンサの端子電圧が第2の電圧に
到達した後、昇圧設定値を第1の電圧に戻し、T時間経
過後のバックアップコンデンサの端子電圧の降下電圧△
1 と、さらにその後、T時間、バックアップコンデン
サから負荷に定電流Iを流した時の端子電圧の降下電圧
△V2 とに基づいてバックアップコンデンサの容量の適
否を診断することを特徴とする。
【0018】さらに、本発明の第3の発明は、バッテリ
電源と、バッテリ電源にダイオードを介して接続したス
クイブ,半導体スイッチング手段を含む着火回路と、バ
ッテリ電源にダイオードを介して接続した昇圧回路と、
昇圧回路の出力側に接続し、かつ着火回路に電気的に接
続したバックアップコンデンサと、少なくとも昇圧回路
の出力電圧を任意の電圧に制御し、かつ着火回路の半導
体スイッチング手段を、車両の衝突信号に基づいてON
制御するコンピュータを含む制御回路と、昇圧回路の出
力電圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧し、バッ
クアップコンデンサの端子電圧が第2の電圧に到達した
後、昇圧設定値を第1の電圧に戻し、T時間経過後のバ
ックアップコンデンサの端子電圧の降下電圧△V1 と、
さらにその後、T時間、バックアップコンデンサから負
荷に定電流Iを流した時の端子電圧の降下電圧△V2
を検出し、これら降下電圧の電圧差からバックアップコ
ンデンサの容量Cを C=I・T/(△V2 −△V1
によって算出し、このコンデンサ容量を初期データとし
て格納した不揮発性メモリとを具備し、前記制御回路の
制御に基づいて昇圧回路の出力電圧を第1の電圧から第
2の電圧にまで昇圧し、バックアップコンデンサの端子
電圧が第2の電圧に到達した後、昇圧設定値を第1の電
圧に戻し、T時間経過後のバックアップコンデンサの端
子電圧の降下電圧△V1 と、さらにその後、T時間、バ
ックアップコンデンサから負荷に定電流Iを流した時の
端子電圧の降下電圧△V2 とを検出し、これら降下電圧
に基づいて演算したバックアップコンデンサの容量を不
揮発性メモリに格納した初期データと比較することによ
りバックアップコンデンサの容量の適否を診断すること
を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるエアバッグ
システムの1実施例について図1を参照して説明する。
尚、図4に示す従来例と同一部分には同一の参照符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
【0020】この実施例の特徴とする点は、昇圧回路5
の出力側のb点にバックアップコンデンサ6を、充電用
の抵抗及び放電用のダイオードを介することなく、直接
的に接続したこと、及びコンピュータ11を含む制御回
路に、昇圧回路5の出力電圧を第1の電圧から第2の電
圧にまで昇圧した後、昇圧設定値を第1の電圧に戻した
時のバックアップコンデンサ6の放電カーブ及びバック
アップコンデンサ6から負荷に定電流を流した時の放電
カーブに基づいてバックアップコンデンサ6のコンデン
サ容量を演算し、その適否を判断する機能を付与したこ
とである。
【0021】上述の制御回路は、例えばコンピュータ1
1と、コンピュータ11の駆動電源8と、駆動電源8と
着火回路3のd点とに接続されたダイオード9と抵抗1
0との直列回路とから構成されている。そして、コンピ
ュータ11には電界効果形トランジスタQ1のドレイ
ン,ゲートが、着火回路3の電界効果形トランジスタQ
a,Qbのゲートが、駆動電源8の出力側のc点が、バ
ックアップコンデンサ6の端子bなどが接続されてお
り、信号の取り込み及び制御信号の送出が行われてい
る。又、このコンピュータ11には不揮発性メモリ12
が接続されており、同メモリ12には例えば昇圧回路5
の昇圧目標電圧と実際の昇圧出力電圧との差の情報やバ
ックアップコンデンサ6の搭載時におけるコンデンサ容
量を初期データとして格納されている。
【0022】次に、このエアバッグシステムにおけるバ
ックアップコンデンサ6のコンデンサ容量の診断方法に
ついて図1及び図3を参照して説明する。まず、図3
(a)に示すように、図示しないスイッチの閉成により
バッテリ電源1が回路にt1時点において接続される
と、昇圧回路5はコンピュータ11の制御に基づいて作
動し、同図(b)に示すように、t1時点から第1の出
力目標値である第1の電圧(例えば15V)が出力され
る。昇圧回路5に接続されたバックアップコンデンサ6
は、同図(c)に示すように、t1時点から第1の電圧
によって充電され始め、やがて第1の電圧に充電され
る。
【0023】次に、同図(b)に示すように、t2時点
において、コンピュータ11により昇圧回路5の昇圧出
力目標を第2の出力目標値である第2の電圧(例えば1
7.2V)に変更する。すると、バックアップコンデン
サ6の端子電圧は、同図(c)に示すように、上昇し第
2の電圧にまで高められる。バックアップコンデンサ6
の端子電圧が安定した後、同図(b)に示すように、t
3時点において、コンピュータ11の制御により昇圧回
路5の昇圧出力目標を第1の出力目標値である第1の電
圧に戻す。これにより、バックアップコンデンサ6の端
子電圧は、同図(c)に示すように、放電(自然放電)
により低下し始める。この状態をt4時点までの一定時
間Tだけ継続する。尚、t3時点からt4時点までに降
下した降下電圧△V1 はコンピュータ11に取り込まれ
る。
【0024】次に、同図(d)に示すように、t4時点
において、コンピュータ11の制御に基づき、着火回路
3の電界効果形トランジスタQaをt5時点までの一定
時間T(t3時点からt4時点までの時間Tと同じ)だ
けONさせると、バックアップコンデンサ6から駆動電
源8−ダイオード9−抵抗10−ダイオードDa−スク
イブRa−電界効果形トランジスタQaに定電流Iが流
れる。尚、この電流IはスクイブRaによってインフレ
ータが作動しない程度に制限されている。これによっ
て、バックアップコンデンサ6の端子電圧は、同図
(c)に示すように、t4時点からt5時点までの間に
さらに降下する。尚、この降下電圧△V2 はコンピュー
タ11に取り込まれる。
【0025】そして、コンピュータ11では取り込んだ
データに基づいてバックアップコンデンサ6のコンデン
サ容量の適否が診断される。具体的には、バックアップ
コンデンサ6のコンデンサ容量Cは、降下電圧△V1
△V2 を利用して、C=I・T/(△V2 −△V1 )な
る計算式で求めることができることから、予め、定電流
Iと時間Tを既知値に設定しておけば、上述の降下電圧
△V1 ,△V2 の検出のみによってコンデンサ容量Cを
算出することができる。従って、算出(演算)に必要な
基礎データは不揮発性メモリ12などに格納されてい
る。
【0026】コンピュータ11では、取り込んだ各種デ
ータに基づいて演算処理が行われ、バックアップコンデ
ンサ6のコンデンサ容量Cが算出された後、不揮発性メ
モリ12から読み出した初期データと比較・判断し、最
終的にその適否が診断される。尚、バックアップコンデ
ンサ6がバックアップコンデンサとしての適性に欠ける
という診断結果が出た場合には、警報ランプなどを点灯
させることが望ましい。
【0027】特に、バックアップコンデンサ6の使用開
始時のコンデンサ容量を初期データとして不揮発性メモ
リ12に格納する場合には、コンデンサ容量の検出は上
述の診断過程におけるコンデンサ容量の演算と同一方法
で行われる。
【0028】この構成によれば、従来システムにおい
て、バックアップコンデンサ6の充電及び放電に必要と
されていた抵抗R1及びダイオードD2を省略できるた
めに、放電用のダイオードD2による電圧降下を回避で
きる。従って、バックアップコンデンサ6のコンデンサ
容量を電圧降下分を見越して増加する必要がなく、小形
化及びコスト低減が可能となる。
【0029】又、バックアップコンデンサ6のコンデン
サ容量は、昇圧回路5の出力を第2の電圧から第1の電
圧に戻した際の放電カーブと、積極的に負荷に定電流を
流した時の放電カーブとに基づいて検出されるために、
従来の充電抵抗R1を用いた診断方法と同等の診断精度
を得ることができる。
【0030】特に、このコンデンサ6は、昇圧回路の出
力電圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧し、バッ
クアップコンデンサの端子電圧が第2の電圧に到達した
後、昇圧設定値を第1の電圧に戻し、T時間経過後のバ
ックアップコンデンサの端子電圧の降下電圧△V1 と、
さらにその後、T時間、バックアップコンデンサから負
荷に定電流Iを流した時の端子電圧の降下電圧△V2
を検出し、これら降下電圧の電圧差からコンデンサ容量
Cを C=I・T/(△V2 −△V1 )なる計算式によ
って算出し、このコンデンサ容量がバックアップコンデ
ンサとしての機能を発揮し得る範囲内に存在するか否か
を判断することによって、その適否が診断される。従っ
て、精度の高い診断が可能となる。
【0031】図2は本発明にかかるエアバッグシステム
の他の実施例を示すものであって、基本的な構成は図1
とほぼ同じである。異なる点は、駆動電源8の出力側の
c点とアースとの間に抵抗13と半導体スイッチング手
段、例えば電界効果形トランジスタ14との直列回路を
接続し、電界効果形トランジスタ14のゲートをコンピ
ュータ11に接続したことである。
【0032】この構成において、電界効果形トランジス
タ14は、図3(d)に示すt4時点において、コンピ
ュータ11の制御に基づき、電界効果形トランジスタ1
4をt5時点までの一定時間TだけON制御される。す
ると、バックアップコンデンサ6から駆動電源8−抵抗
13−電界効果形トランジスタ14に定電流Iが流れ、
この間の降下電圧△V2 がコンピュータ11に取り込ま
れる。尚、コンデンサ容量の適否の診断は図1と同様に
行われる。
【0033】この構成によれば、定電流Iの通電は、抵
抗13,電界効果形トランジスタ14を利用し、上記実
施例のように着火回路3,ダイオード9,抵抗10が全
く利用されないために、ダイオードなどの温度ドリフト
を回避でき、診断の信頼性を一層高めることができる。
【0034】しかも、上記実施例では定電流Iを流す際
に着火回路3の診断も行われるので、コンデンサ容量診
断と着火回路3の診断とのタイミングを合わせる必要が
あるものの、この実施例では、電界効果形トランジスタ
14によって定電流Iを流しているので、コンデンサ容
量診断と着火回路3の診断とのタイミングを合わせる必
要が全くなく、任意の時間に診断を行うことができる。
【0035】尚、本発明は何ら上記実施例にのみ制約さ
れることなく、例えば半導体スイッチング手段は電界効
果形トランジスタの他、トランジスタ,SCRなども適
用できる。又、バックアップコンデンサと着火回路との
電気的な接続はダイオードを介することなく直接的に行
うこともできる。又、昇圧回路の平滑用コンデンサをバ
ックアップコンデンサに統合することもできる。さら
に、外部の不揮発性メモリはコンピュータ内蔵メモリを
利用することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、バックア
ップコンデンサの充電用の抵抗及び放電用のダイオード
を完全に省略できるために、放電用のダイオードによる
電圧降下を回避できる。従って、バックアップコンデン
サのコンデンサ容量を電圧降下分を見越して増加する必
要がなく、小形化及びコスト低減が可能となる。
【0037】又、バックアップコンデンサの評価は、昇
圧回路の出力を第2の電圧から第1の電圧に戻した際の
放電状態と、積極的に負荷に定電流を流した時の放電状
態とに基づいてコンデンサ容量を検出し、これに基づい
てコンデンサ容量の適否を診断することによって行われ
るために、従来の充電抵抗を用いた診断方法と同等の診
断精度を得ることができる。
【0038】特に、昇圧回路の出力を第2の電圧から第
1の電圧に戻してから、負荷に定電流を流す際に、着火
回路を利用せず、半導体スイッチング手段により直接的
にアースに流れるように構成すれば、ダイオードなどの
温度ドリフトを最小限に抑えることができ、一層、診断
精度を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエアバッグシステムの一実施例
を示す電気回路図である。
【図2】本発明にかかるエアバッグシステムの他の実施
例を示す電気回路図である。
【図3】バックアップコンデンサの診断時における動作
タイミングチャートである。
【図4】従来のエアバッグシステムの電気回路図であ
る。
【符号の説明】
1 バッテリ電源 2,4,9,Da,Db,D1 ダイオード 3 着火回路 5 昇圧回路 6 バックアップコンデンサ 8 駆動電源 10,13 抵抗 11 コンピュータ 12 不揮発性メモリ 14,Qa,Qb,Q1 半導体スイッチング手段 MS スイッチ Ra,Rb スクイブ L コイル C1 平滑用コンデンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリ電源と、バッテリ電源にダイオ
    ードを介して接続したスクイブ,半導体スイッチング手
    段を含む着火回路と、バッテリ電源にダイオードを介し
    て接続した昇圧回路と、昇圧回路の出力側に接続し、か
    つ着火回路に電気的に接続したバックアップコンデンサ
    と、少なくとも昇圧回路の出力電圧を任意の電圧に制御
    し、かつ着火回路の半導体スイッチング手段を、車両の
    衝突信号に基づいてON制御するコンピュータを含む制
    御回路とを具備し、前記制御回路は、昇圧回路の出力電
    圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧した後、昇圧
    設定値を第1の電圧に戻した時のバックアップコンデン
    サの放電カーブ及びバックアップコンデンサから負荷に
    定電流を流した時の放電カーブに基づいてバックアップ
    コンデンサの容量を演算し、その適否を判断する機能を
    有することを特徴とするエアバッグシステム。
  2. 【請求項2】 バッテリ電源と、バッテリ電源にダイオ
    ードを介して接続したスクイブ,半導体スイッチング手
    段を含む着火回路と、バッテリ電源にダイオードを介し
    て接続した昇圧回路と、昇圧回路の出力側に接続し、か
    つ着火回路に電気的に接続したバックアップコンデンサ
    と、少なくとも昇圧回路の出力電圧を任意の電圧に制御
    し、かつ着火回路の半導体スイッチング手段を、車両の
    衝突信号に基づいてON制御するコンピュータを含む制
    御回路とを備えたエアバッグシステムにおいて、前記制
    御回路の制御に基づいて昇圧回路の出力電圧を第1の電
    圧から第2の電圧にまで昇圧し、バックアップコンデン
    サの端子電圧が第2の電圧に到達した後、昇圧設定値を
    第1の電圧に戻し、T時間経過後のバックアップコンデ
    ンサの端子電圧の降下電圧△V1 と、さらにその後、T
    時間、バックアップコンデンサから負荷に定電流Iを流
    した時の端子電圧の降下電圧△V2 とに基づいてバック
    アップコンデンサの容量の適否を診断することを特徴と
    するエアバッグシステムの診断方法。
  3. 【請求項3】 バッテリ電源と、バッテリ電源にダイオ
    ードを介して接続したスクイブ,半導体スイッチング手
    段を含む着火回路と、バッテリ電源にダイオードを介し
    て接続した昇圧回路と、昇圧回路の出力側に接続し、か
    つ着火回路に電気的に接続したバックアップコンデンサ
    と、少なくとも昇圧回路の出力電圧を任意の電圧に制御
    し、かつ着火回路の半導体スイッチング手段を、車両の
    衝突信号に基づいてON制御するコンピュータを含む制
    御回路と、昇圧回路の出力電圧を第1の電圧から第2の
    電圧にまで昇圧し、バックアップコンデンサの端子電圧
    が第2の電圧に到達した後、昇圧設定値を第1の電圧に
    戻し、T時間経過後のバックアップコンデンサの端子電
    圧の降下電圧△V1 と、さらにその後、T時間、バック
    アップコンデンサから負荷に定電流Iを流した時の端子
    電圧の降下電圧△V2 とを検出し、これら降下電圧の電
    圧差からバックアップコンデンサの容量Cを C=I・
    T/(△V2 −△V1 )によって算出し、このコンデン
    サ容量を初期データとして格納した不揮発性メモリとを
    具備し、前記制御回路の制御に基づいて昇圧回路の出力
    電圧を第1の電圧から第2の電圧にまで昇圧し、バック
    アップコンデンサの端子電圧が第2の電圧に到達した
    後、昇圧設定値を第1の電圧に戻し、T時間経過後のバ
    ックアップコンデンサの端子電圧の降下電圧△V1 と、
    さらにその後、T時間、バックアップコンデンサから負
    荷に定電流Iを流した時の端子電圧の降下電圧△V2
    を検出し、これら降下電圧に基づいて演算したバックア
    ップコンデンサの容量を不揮発性メモリに格納した初期
    データと比較することによりバックアップコンデンサの
    容量の適否を診断することを特徴とするエアバッグシス
    テムの診断方法。
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