JPH10129114A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

Info

Publication number
JPH10129114A
JPH10129114A JP28400396A JP28400396A JPH10129114A JP H10129114 A JPH10129114 A JP H10129114A JP 28400396 A JP28400396 A JP 28400396A JP 28400396 A JP28400396 A JP 28400396A JP H10129114 A JPH10129114 A JP H10129114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
liquid
ink composition
recording method
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28400396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Sano
野 強 佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP28400396A priority Critical patent/JPH10129114A/ja
Publication of JPH10129114A publication Critical patent/JPH10129114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一液とインク組成物との二液を印字するイ
ンクジェット記録方法において、良好な印刷画像、とり
わけにじみが少なく、かつ耐水性に優れた画像、が実現
できる方法の提供。 【解決手段】 ポリアリルアミン誘導体を含んだ第一液
と、アルギン酸誘導体を含んだインク組成物とを組み合
わせて用いる。すなわち、記録媒体に、第一液とインク
組成物とを付着させて、印字を行うインクジェット記録
方法であって、前記第一液がポリアリルアミンまたはそ
の誘導体を含んでなり、前記インク組成物が着色剤とア
ルギン酸誘導体とを含んでなるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくは記
録媒体に第一液とインク組成物とを付着させて印字を行
うインクジェット記録方法に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防
止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一
般的である。
【0003】一方、インクジェット記録方法として、最
近新たに、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少
なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むイン
ク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特
開平5−202328号公報)。この方法においては、
多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成され、こ
の複合体の存在により、耐水性がありかつカラーブリー
ドがない高品位の画像を得ることができるとされてい
る。
【0004】また、少なくとも浸透性を付与する界面活
性剤または浸透性溶剤および塩を含有するカラーインク
と、この塩との作用により増粘または凝集するブラック
インクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高
くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得ら
れるという提案もなされている(特開平6−10673
5号公報)。すなわち塩を含んだ第一の液と、インク組
成物との二液を印字することで、良好な画像が得られる
とするインクジェット記録方法が提案されている。
【0005】また、その他にも二液を印字するインクジ
ェット記録方法が提案されている(例えば、特開平3−
240557号公報、特開平3−240558号公
報)。
【0006】
【発明の概要】本発明者等は、今般、このような二液を
印字するインクジェット記録方法において、ポリアリル
アミン誘導体を含んだ第一液と、アルギン酸誘導体を含
んだインク組成物とを組み合わせることで、にじみが少
なく、かつ耐水性に優れた印刷物が得られるとの知見を
得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0007】従って、本発明は、二液を印字するインク
ジェット記録方法において、良好な印刷画像、とりわけ
にじみが少なく、かつ耐水性に優れた画像、が実現でき
る方法の提供をその目的としている。
【0008】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、記録媒体に、第一液とインク組成物とを付着さ
せて、印字を行うインクジェット記録方法であって、前
記第一液がポリアリルアミンまたはその誘導体を含んで
なり、前記インク組成物が着色剤とアルギン酸誘導体と
を含んでなるものである。
【0009】
【発明の具体的説明】インクジェット記録方法 本発明によるインクジェット記録方法は、記録媒体に第
一液とインク組成物とを印字する工程を含んでなるもの
である。
【0010】第一液とインク組成物を記録媒体に適用す
る順序としては、いずれが先であってもよく、すなわち
第一液を記録媒体に付着させその後この記録媒体にイン
ク組成物を付着させる方法、インク組成物を印字した後
第一液を付着させる方法、さらに第一液とインク組成物
をその射出直前または直後に混合する方法のいずれも好
適に行うことができる。
【0011】本発明によるインクジェット記録方法にあ
っては、第一液とインク組成物とが接触することで良好
な印字が実現できる。以下は仮定であってこれよって本
発明が限定的に解釈されないことを条件にその理由を述
べれば次の通りである。第一液とインク組成物とが接触
すると、第一液中のポリアリルアミンがインク組成物中
の顔料その他の成分の分散状態を破壊し、それを凝集さ
せると考えられる。とりわけ、ポリアリルアミンとイン
ク組成物中のアルギン酸誘導体とが反応し、凝集物を形
成するものと考えられる。これらの凝集物が記録媒体上
に付着し、色濃度の高い、にじみ、ムラの少ない印字を
実現するものと考えられる。さらに、カラー画像におい
ては、異なる色の境界領域での不均一な色混じり、すな
わちカラーブリードを有効に防止できるとの利点も有す
る。
【0012】第一液の記録媒体への付着に関しては、イ
ンク組成物を付着させる場所にのみ選択的に第一液を付
着させるという方法と、紙面全体に第一液を付着させる
方法のいずれの態様であってもよい。前者が第一液の消
費量を必要最小限に抑えることができ経済的であるが、
第一液とインク組成物双方を付着させる位置にある程度
の精度が要求される。一方、後者は、前者に比べ第一液
およびインク組成物の付着位置の精度の要求は緩和され
るが、紙面全体に大量の第一液を付着させることとな
り、乾燥の際、紙がカールしやすい。従って、いずれの
方法を採用するかは、インク組成物と第一液との組み合
わせを考慮して決定されてよい。前者の方法を採用する
場合、第一液の付着は、インクジェット記録方法による
ことが可能である。
【0013】さらに、後記するように第一液は着色剤を
含み、インク組成物として機能させてもよい。
【0014】第一液 本発明において用いられる第一液は、基本的にポリアリ
ルアミンまたはその誘導体を含んでなる。
【0015】第一液に用いることができるポリアリルア
ミン及びポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中で
プラスに荷電するカチオン系高分子である。例えば、下
記の式(I)、式(II)、および式(III)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0016】
【化2】 (式中、X- は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物
イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イ
オン等を表す) これら以外にもアリルアミンとジアリルアミンが共重合
したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライド
と二酸化硫黄との共重合体を使用することもできる。
【0017】ポリアリルアミンとして市販品を用いるこ
とも可能であり、例えばダンフィックス723(前記式
(II)において、X- が塩素イオンを表し、分子量が約
1000である:日東紡績株式会社製)の他、PAA−
10C、PAA−HCl−3L、PAA−HCl−K
L、PAA−L、PAA−H(いずれも日東紡績株式会
社製)を利用することができる。
【0018】これらポリアリルアミン及びポリアリルア
ミン誘導体の含有量は、第一液の0.1〜10重量%で
あることが好ましい。
【0019】本発明の好ましい態様によれば、第一液は
高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有
機溶媒は、第一液の乾燥を防ぐことによりヘッドの目詰
まりを防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例として
は、前記ポリオールとも一部重なるが、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキル
エーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、トリエタノールアミンなどがあげられる。
【0020】高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されな
いが、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より
好ましくは2〜20重量%程度である。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、第一液は
低沸点有機溶剤を含んでなる。低沸点有機溶剤の好まし
い例としては、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、i
so−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられ
る。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤
は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有
機溶剤の添加量は0.5〜10重量%が好ましく、より
好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
【0022】本発明の好ましい態様によれば、第一液は
浸透剤を含んでなる。浸透剤としては、アニオン性界面
活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の各
種界面活性剤、メタノール、エタノール、iso−プロ
ピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテルなどがあげられる。
【0023】さらに本発明に用いることができる浸透剤
は、下記式(I)で表わされる化合物及び/または多価
アルコールの低級アルコールエーテルが、より好まし
い。
【0024】
【化3】 (式中、0≦m+n≦50、R1 、R2 、R3 、および
4 は独立してアルキル基である) 上記式(I)で表される化合物の代表的なものとして具
体的にはオルフィンY、サーフィノール82、サーフィ
ノール440、サーフィノール465、サーフィノール
485(いずれも製造:Air Products a
nd Chemicals.Inc.)等がある。これ
らは単独でまたは2種類以上添加しても良い。
【0025】本発明の好ましい態様によれば、第一液は
pH調整のためにトリエタノールアミンを含んでなる。
トリエタノールアミンが添加される場合、その添加量
は、0〜5重量%程度が好ましい。
【0026】また、この第一液は、後記のインク組成物
の項で記載した着色剤を添加して着色されインク組成物
の機能を兼ね備えたものとされてよい。上記したよう
に、この第一液は、カラー着色剤を添加して着色され、
カラーインク組成物とされるのが好ましい。
【0027】さらに興味あることに、第一液がインク組
成物とされ、更に単独で印字された際に、ポリアリルア
ミンの存在によって、その印字の耐水性が改善されると
の利点を享受することが出来る。
【0028】インク組成物 本発明においてインク組成物とは、モノクロ印字を行う
場合にはブラックインク組成物を意味し、さらにカラー
印字を行う場合にはカラーインク組成物、具体的にはイ
エローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシ
アンインク組成物、更に場合によってブラックインク組
成物を意味するものとする。
【0029】本発明において用いられるインク組成物
は、少なくとも着色剤と、水と、アルギン酸誘導体を含
んでなる。
【0030】本発明において好ましく利用されるアルギ
ン酸誘導体の例としては、アルギン酸アルカリ金属塩
(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)アルギン酸有機
塩(例えば、トリエタノールアミン塩)、アルギン酸ア
ンモニウム塩、アルギン酸アルカリ置換アンモニウム塩
(例えば、炭素数1〜4のアルキル(特にメチルまたは
エチル)によって置換されたモノ−、ジ−、またはトリ
−置換(ここで、ジ−またはトリ−置換の場合、置換基
は同一または異なっていてよい)された四級アンモニウ
ム塩)等が挙げられる。アルギン酸誘導体の分子量は特
に限定されないが、例えば、分子量500〜1,00
0,000程度が好ましい。アルギン酸誘導体として市
販品を利用することも可能であり、それらはダックアル
ギンNSPLL(D−マンヌルン酸とL−グルロン酸と
が0.8:1〜1.5の比で共重合した構造を有し、1
%水溶液の粘度として45±5mPa・sを有する:紀
文フードケミファ株式会社製)、ダックアルギンNSP
M、NSPL(紀文フードケミファ株式会社製)の他、
Aldrich 社などから入手可能である。
【0031】第一液中のアルギン酸誘導体の含有量は、
その分子量などを勘案して適宜決定されてよいが、例え
ば0.01〜10重量%程度が好ましく、より好ましく
は0.05〜5重量%程度である。
【0032】本発明において用いられるインク組成物に
含まれる着色剤としては、染料、顔料のいずれであって
もよいが、インク組成物の不溶化あるいは増粘等の作用
によって、インク中の着色成分の浸透を抑制する場合
は、水性媒体中に溶解している染料よりも分散している
顔料の方が有利である。
【0033】染料としては、直接染料、酸性染料、食用
染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、
可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェッ
ト記録に使用する各種染料を使用することができる。
【0034】顔料としては、特別な制限なしに無機顔
料、有機顔料を使用することができる。無機顔料として
は、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、フ
ァーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造
されたカーボンブラックを使用することができる。ま
た、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性
アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含
む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ
ソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キ
レート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キ
レートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラックなどを使用できる。
【0035】本発明の好ましい態様によれば、これらの
顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散さ
せて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが
好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製
するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を
使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれ
る分散剤および界面活性剤がインク組成物の分散剤およ
び界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に
明らかであろう。
【0036】インクへの顔料の添加量は、0.5〜25
重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%
程度である。
【0037】本発明において利用されるインク組成物に
含まれる顔料として、その表面にカルボニル基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少なく
との一種の官能基またはその塩が結合するような表面処
理により、分散剤なしに水に分散および/または溶解が
可能とされた顔料を好ましく利用することができる。こ
のような顔料は、例えば、真空プラズマなどの物理的処
理や化学的処理により、官能基または官能基を含んだ分
子をカーボンブラックの表面にグラフトさせることによ
って得ることができる。本発明において、一つのカーボ
ンブラック粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数
種であってもよい。グラフトされる官能基の種類および
その程度は、インク中での分散安定性、色濃度、および
インクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら
適宜決定されていよい。
【0038】本発明において、顔料が分散剤なしに水中
に安定に存在している状態を「分散および/または溶
解」と表現する。物質が溶解しているか、分散している
のかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。
本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在しう
る顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わ
ず、そのような顔料を利用可能である。よって、本明細
書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料
を水溶性顔料ということがあるが、顔料が分散状態にあ
るものまでも排除することを意味するものではない。
【0039】本発明において好ましく用いられる上記顔
料は、例えば特開平8−3498号公報記載の方法によ
って得ることが得きる。また、上記顔料として市販品を
利用することも可能であり、好ましい例としてはオリエ
ント化学工業株式会社製のマイクロジェットCW1また
は2が挙げられる。
【0040】インク組成物への顔料の添加量は、0.5
〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量
%程度である。
【0041】本発明の好ましい態様によれば、インク組
成物は有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶
媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい
例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、is
o−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。
特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、イ
ンクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0042】また、本発明の好ましい態様によれば、本
発明に使用するインク組成物は、さらに高沸点有機溶媒
からなる湿潤剤を含んでなることが好ましい。高沸点有
機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−
ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル
類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエ
タノールアミンなどがあげられる。
【0043】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5
〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量
%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はイン
クの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1.5〜6重量%の範囲である。
【0044】本発明に用いられるインク組成物は分散剤
および界面活性剤を含むことができる。界面活性剤の例
としては、前記樹脂エマルジョンの説明で記載した各種
の界面活性剤が挙げられる。
【0045】更に本発明の好ましい態様によれば、本発
明に用いられるインク組成物は、浸透剤を含んでなるこ
とができる。浸透剤の好ましい例としては、上記第一液
において例示したものが挙げられる。
【0046】本発明に用いられるインク組成物は、その
他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等が
添加されてもよい。
【0047】インクジェット記録装置 本発明によるインクジェット記録方法を実施するインク
ジェット記録装置につて以下、図面を用いて説明する。
【0048】図1のインクジェット記録装置は、インク
組成物および第一液をタンクに収納し、インク組成物お
よび第一液がインクチューブを介して記録ヘッドに供給
される態様である。すなわち、記録ヘッド1とインクタ
ンク2とがインクチューブ3で連通される。ここで、イ
ンクタンク2は内部が区切られてなり、インク組成物、
場合によって複数のカラーインク組成物の部屋と、第一
液の部屋とが設けられてなる。
【0049】記録ヘッド1は、キャリッジ4に沿って、
モータ5で駆動されるタイミングベルト6によって移動
する。一方、記録媒体である紙7はプラテン8およびガ
イド9によって記録ヘッド1と対面する位置に置かれ
る。なお、この態様においては、キャップ10が設けら
れてなる。このキャップ10には吸引ポンプ11が連結
され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸引されたイ
ンク組成物はチューブ12を介して廃インクタンク13
に溜め置かれる。
【0050】記録ヘッド1のノズル面の拡大図を図2に
示す。1bで示される部分が第一液のノズル面であっ
て、第一液が吐出されるノズル21が縦方向に設けられ
てなる。一方、1cで示される部分がインク組成物のノ
ズル面であって、ノズル22、23、24、25からは
それぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成
物、シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物
が吐出される。
【0051】さらにこの図2に記載の記録ヘッドを用い
たインクジェット記録方法を図3を用いて説明する。記
録ヘッド1は矢印A方向に移動する。その移動の間に、
ノズル面1bより第一液が吐出され、記録媒体7上に帯
状の第一液付着領域31を形成する。次に記録媒体7が
紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間記録ヘッ
ド1は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左
端の位置に戻る。そして、既に第一液が付着している第
一液付着領域にインク組成物を印字し、印字領域32を
形成する。
【0052】また、図4に記載のように記録ヘッド1に
おいて、ノズルを全て横方向に並べて構成することも可
能である。図中で、41aおよび41bは第一液の吐出
ノズルであり、ノズル42、43、44、45からはぞ
れぞれイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、
シアンインク組成物、そしてブラックインク組成物が吐
出される。このような態様の記録ヘッドにおいては、記
録ヘッド1がキャリッジ上を往復する往路、復路いずれ
においても印字が可能である点で、図2に示される記録
ヘッドを用いた場合よりも速い速度での印字が期待でき
る。
【0053】さらに第一液とインク組成物の表面張力を
好ましくは前記のように調節することにより、これらの
付着順序にかかわらず、高品質の印字がより一定して得
られる。この場合第一液の吐出ノズルを1つとすること
もでき(例えば図中で41bのノズルを省くことができ
る)、さらなるヘッドの小型化と印字の高速化が達成で
きる。
【0054】さらに、インクジェット記録装置には、イ
ンク組成物の補充がインクタンクであるカートリッジを
取り替えることで行われるものがある。また、このイン
クタンクは記録ヘッドと一体化されたものであってもよ
い。
【0055】このようなインクタンクを利用したインク
ジェット記録装置の好ましい例を図5に示す。図中で図
1の装置と同一の部材については同一の参照番号を付し
た。図5の態様において、記録ヘッド1aおよび1b
は、インクタンク2aおよび2bと一体化されてなる。
記録ヘッド1aまたは1bをそれぞれインク組成物およ
び第一液を吐出するものとする。印字方法は基本的に図
1の装置と同様であってよい。そして、この態様におい
て、記録ヘッド1aとインクタンク2aおよび記録ヘッ
ド1aおよびインクタンク2bは、キャリッジ4上をと
もに移動する。
【0056】
【実施例】以下本発明を以下の実施例によって詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるれものではな
い。
【0057】インク組成物の調製 下記の組成の実施例1〜5の第一液およびインク組成物
の組み合わせを調製した。第一液は、下記の成分を混合
して調製した。インク組成物は、顔料を分散剤とともに
分散した後、他の成分を加え混合し、一定以上の大きさ
の不溶成分を濾過して調製した。
【0058】なお、以下でPAAとは、日東紡績株式会
社製ダンフィックス723を、アルギン酸ナトリウムと
は、紀文フードケミファ社製ダックアルギンNSPLL
を、顔料とは、オリエント化学工業株式会社製CW2を
用いた。また、以下で百分率は全て重量基準である。
【0059】実施例1 第一液 インク組成物 着色剤 − ダイレクトブラック166 :4.5% グリセリン 10% 14% ジエチレングリコール 7% 3% ジエチレングリコール モノブチルエーテル 7% 5% PAA 2% − トリエタノールアミン 2% 0.7% アルギン酸ナトリウム − 0.5%
【0060】実施例2 第一液 インク組成物 着色剤 ダイレクトイエロー86 顔料 :2.9% :4.2% グリセリン 9% 8% 2−ピロリドン 4% 6% トリエチレングリコール モノブチルエーテル 8% 4% サーフィノールTG 1% 0.5% PAA 3% − トリエタノールアミン 2% 0.2% アルギン酸ナトリウム − 0.1%
【0061】実施例3 第一液 インク組成物 着色剤 アシッドブラック172 ダイレクトブルー199 :5.2% :3.6% グリセリン 3% 7% ジエチレングリコール 5% 3% ジプロピレングリコール モノメチルエーテル 10% 7% サーフィノール465 0.9% 1.5% PAA 1.3% − 水酸化ナトリウム 1% − トリエタノールアミン − 0.9% アルギン酸ナトリウム − 0.2%
【0062】実施例4 第一液 インク組成物 着色剤 ダイレクトレッド227 ダイレクトブラック166 :1.8% :5.4% グリセリン 8% 14% ジエチレングリコール モノブチルエーテル 10% 7% サーフィノール465 0.9% 1.5% PAA 1.7% − 水酸化ナトリウム 1% 0.1% アルギン酸ナトリウム − 0.4%
【0063】実施例5 第一液 インク組成物 着色剤 アシッドイエロー23 顔料 :3.2% :7% グリセリン 3% 7% ジエチレングリコール 9% 12% ジエチレングリコール モノブチルエーテル 10% 7% PAA 2.2% − トリエタノールアミン 2% 0.8% アルギン酸ナトリウム − 0.25%
【0064】印字評価試験1:カラーブリード 上記の第一液およびインクの組み合わせにより、インク
ジェットプリンターMJ−700V2Cを用いて印字を
行った。具体的には、以下に示す評価紙に第一液を10
0%dutyで印字し、その後インク組成物により文字
を印字した。
【0065】評価紙 Xerox P(ゼロックス(株)製) Ricopy 6200(リコー(株)製) Xerox 4024 3R 721(ゼロックス
(株)製) Neenah Bond(キンバリークラーク社製) Xerox R(ゼロックス(株)製) やまゆり(本州製紙(株)製、再生紙) 得られた印字物において、色の境界部分での不均一な色
混じり(ブリード)の有無を目視により観察した。その
結果を、全ての評価紙においてブリードが無く、境界が
鮮明であった。
【0066】印字評価試験2:耐水性 実施例1の第一液を除く、上記の第一液およびインク組
成物をそれぞれ単独で用いて、Xerox P用紙に、
キャラクター文字と、ベタ印字の印刷パターンを印字
し、得られた印字物を室温で24時間放置した。その
後、印字部分に0.5mlの水を滴下し、室温で自然乾
燥させた。乾燥後の印字物の状態を目視により観察し
た。その結果、全ての第一液およびインク組成物におい
て目立ったにじみは観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録方法を実施す
る装置の好ましい例を示す図であって、この態様におい
ては記録ヘッドとインクタンクがそれぞれ独立してな
り、インク組成物および第一液はインクチューブによっ
て記録ヘッドに供給される。
【図2】記録ヘッドのノズル面の拡大図であって、1b
が第一液のノズル面であり、1cがインク組成物のノズ
ル面である。
【図3】図2の記録ヘッドを用いたインクジェット記録
を説明する図である。図中で、31は第一液付着領域で
あり、32は第一液が付着された上にインク組成物が印
字された印字領域である。
【図4】本発明によるインクジェット記録方法に好まし
く用いられる記録ヘッドの別の態様を示す図であって、
吐出ノズルが全て横方向に並べて構成されたものであ
る。
【図5】本発明によるインクジェット記録方法を実施す
る好ましいインクジェット記録装置を示す図であって、
この態様においては記録ヘッドとインクタンクが一体化
されてなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 インクチューブ 14 ヒータ 21 第一液吐出ノズル 22、23、24、25 インク組成物吐出ノズル 31 第一液付着領域 32 印字領域

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に、第一液とインク組成物とを付
    着させて、印字を行うインクジェット記録方法であっ
    て、 前記第一液がポリアリルアミンまたはその誘導体を含ん
    でなり、 前記インク組成物が着色剤とアルギン酸誘導体とを含ん
    でなるものである、インクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】前記ポリアリルアミンが下記の式(I)、
    式(II)、および式(III)で表される化合物であ
    る、請求項1記載のインクジェット記録方法。 【化1】 (式中、X- は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物
    イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イ
    オン等を表す)
  3. 【請求項3】前記ポリアリルアミンが、アリルアミンと
    ジアリルアミンとが共重合したポリマーまたはジアリル
    メチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合
    体である、請求項1記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記ポリアリルアミンを0.1〜10重量
    %含んでなるものである、請求項1〜3のいずれか一項
    に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】前記アルギン酸誘導体がアルギン酸アルカ
    リ金属塩またはアルギン酸アンモニウム塩である、請求
    項1記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】前記インク組成物がアルギン酸誘導体を
    0.01〜10重量%含んでなるものである、請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】前記第一液が着色剤を含んでなるインク組
    成物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のイン
    クジェット記録方法。
  8. 【請求項8】前記インク組成物が着色剤として顔料を含
    んでなるものである、請求項1〜7のいずれか一項に記
    載のインクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】顔料が、その表面に、カルボニル基、カル
    ボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少な
    くとの一種の官能基またはその塩が結合するよう表面処
    理によって、分散剤なしに水に分散および/または溶解
    が可能なものとされたものである、請求項1〜8のいず
    れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】前記第一液および/またはインク組成物
    が浸透剤を含んでなるものである、請求項1〜9のいず
    れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】第一液を記録媒体に付着させ、その後該
    記録媒体にインク組成物を印字する、請求項1〜10い
    ずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】インク組成物を記録媒体に印字し、その
    後該記録媒体に第一液を付着させる、請求項1〜10い
    ずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】前記第一液と前記インク組成物をインク
    ジェット記録装置からの射出直前または射出直後に混合
    して記録媒体に印字する、請求項1〜10いずれか一項
    に記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】請求項1〜13いずれか一項に記載の方
    法によって印字された、記録物。
JP28400396A 1996-10-25 1996-10-25 インクジェット記録方法 Pending JPH10129114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28400396A JPH10129114A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 インクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28400396A JPH10129114A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 インクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10129114A true JPH10129114A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17673042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28400396A Pending JPH10129114A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 インクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10129114A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8591018B2 (en) 2010-05-31 2013-11-26 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set and ink-jet recording method
US8672464B2 (en) 2010-04-01 2014-03-18 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Treatment liquid for ink-jet recording, ink set, and ink-jet recording method
US8746866B2 (en) 2010-05-31 2014-06-10 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set, ink-jet recording apparatus, and ink-jet recording method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8672464B2 (en) 2010-04-01 2014-03-18 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Treatment liquid for ink-jet recording, ink set, and ink-jet recording method
US8591018B2 (en) 2010-05-31 2013-11-26 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set and ink-jet recording method
US8746866B2 (en) 2010-05-31 2014-06-10 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set, ink-jet recording apparatus, and ink-jet recording method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3550637B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3206797B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3984663B2 (ja) 2液系記録用のインク、該インクを用いたインクセット及び該インクセットによる記録方法並びに該記録方法に用いる装置
US5985975A (en) Liquid composition, ink set and method and apparatus for image by using the composition and ink set
JP4365896B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法
JPH06192605A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP2009262549A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP4511279B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法
JP3624014B2 (ja) 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法と画像形成装置
JP2003268268A (ja) インクジェット記録用水性インク
JP3661412B2 (ja) インクジェット記録方法およびその装置
JPH1110856A (ja) インクジェット記録用インクおよび記録方法
JP3904120B2 (ja) 二液を用いたインクジェット記録方法に用いられる反応液およびそれを用いたインクジェット記録方法
JPH09272826A (ja) インクジェット記録用インク組成物および記録方法
JPH10129114A (ja) インクジェット記録方法
JPH06228477A (ja) インク及びこれを用いた画像形成方法
JP2000281947A (ja) 二液を用いたインクジェット記録方法
JP3745438B2 (ja) インクジェット記録用インク組成物および記録方法
JP4518345B2 (ja) インクジェット記録方法
JPH10204349A (ja) にじみの少ないマゼンタインク組成物
JPH07314887A (ja) 画像形成方法及びこれに用いるインクセットとインクジェット用機器
JPH1178212A (ja) インクジェット記録方法
JP3994448B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2002309143A (ja) 水性蛍光インク、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP3093454B2 (ja) インクジェットカラー記録方法、インクジェットカラー記録装置およびカラーブリード軽減方法