JPH10128525A - 溶融金属の注湯量制御装置 - Google Patents

溶融金属の注湯量制御装置

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JPH10128525A
JPH10128525A JP28479896A JP28479896A JPH10128525A JP H10128525 A JPH10128525 A JP H10128525A JP 28479896 A JP28479896 A JP 28479896A JP 28479896 A JP28479896 A JP 28479896A JP H10128525 A JPH10128525 A JP H10128525A
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slide frame
molten metal
sliding
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裕則 山本
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Kokan Kikai Kogyo KK
Nippon Rotary Nozzle Co Ltd
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Nippon Kokan Ltd
TYK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドフレームの摺動抵抗が小さく、ノズ
ル孔周辺の押付け力が安定して湯漏れなどのトラブルが
発生するおそれがなく、その上構造が簡単でメンテナン
ス費用の低い溶融金属の注湯量制御装置を得ること。 【解決手段】 駆動手段9によりスライドフレーム25
を摺動させて固定プレート4のノズル孔5と摺動プレー
ト27のノズル孔28の開度を調節するようにした溶融
金属の注湯量制御装置において、摺動プレート27の両
側においてスライドフレーム25とばね47との間に、
直線状に配設された複数の鋼球36からなるガイド装置
35を配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取鍋やタンディッ
シュのような溶融金属容器の底部に取付けられ、摺動プ
レートを摺動させて固定プレートとのノズル孔の開度を
調節し、溶融金属の注湯量を制御する溶融金属の注湯量
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の注湯量制御装置は、通常、ノ
ズル孔を有し、取鍋等に固定された基盤に着脱可能に取
付けられた耐火物からなる固定プレートと、ノズル孔を
有し、スライドフレームに着脱可能に取付けられた耐火
物からなる摺動プレートとを備え、スライドフレームを
基盤に沿って摺動させることにより、固定プレートのノ
ズル孔と摺動プレートのノズル孔との開度を調節し、溶
融金属の注湯量を制御するようにしたものである。
【0003】このような溶融金属の注湯量制御装置にお
けるスライドフレームの摺動方式としては、メタル摺動
方式とローラ摺動方式とがある。メタル摺動方式の基本
構造は、この種装置の開発当初から現在に至るまで広く
使用されており、その一例として、特公昭48−469
7号、特公平7−75771号、特開平7−16413
4号公報に記載された発明がある。
【0004】このメタル摺動方式は、固定プレートと摺
動プレートの摺動面及びスライドフレームとガイド部材
の摺動面に潤滑剤を塗布し、スライドフレームを介して
摺動プレートを固定プレートに圧着して溶融金属の漏洩
を防止しており、ノズル孔の開度を調節するためにスラ
イドフレームを摺動させるにあたっては、固定プレート
と摺動プレートの摺動面に発生する摩擦力と、スライド
フレームとそのガイド部材との摺動面に発生する摩擦力
とを合計した摩擦力以上の駆動力が必要である。
【0005】この場合、特に、金属材料からなるスライ
ドフレームとガイド部材との間に発生する摩擦力が大き
いため、スライドフレームの駆動にあったては、高出力
の駆動手段(通常、油圧シリンダが使用されている)が
必要であり、また、高負荷に耐えうる十分な強度としな
ければならない。また、スライドフレームとそのガイド
部材は摩耗するため、例えば500ヒート前後で取り替
える必要が生じ、このため、分解整備費、部品費などの
メンテナンス費用が増加し、その上、溶融金属のチャー
ジごとに、固定プレートと摺動プレートの摺動面及びス
ライドフレームとガイド部材の摺動面に潤滑剤を塗布し
なければならないので、面倒である。
【0006】しかし、メタル摺動方式においては、スラ
イドフレームが摺動しても、常時、固定プレートのノズ
ル孔と摺動プレートのノズル孔の下方にばねによる力の
作用点が存在するため、この種装置として最も重要なノ
ズル孔周辺の押付け力が確保されるという利点があり、
これが現在まで主流を保っている要因となっている。
【0007】ローラ摺動方式は、上述のメタル摺動方式
における摩擦力の問題を解決するために開発されたもの
で、その一例として、特公昭62−58816号、特公
平1−38592号公報に記載された発明がある。前者
の発明は、図12に模式的に示すように、ガイド部材1
06に位置固定のローラ107a,107bを設け、こ
のローラ107a,107b上に摺動プレート103を
有するスライドフレーム105を設置し、ケーシングカ
バー109とガイド部材106との間に介装したばね1
08により、摺動プレート103を固定プレート101
に圧着したものである(以下、固定ローラ方式とい
う)。
【0008】また、後者の発明は、図13に模式的に示
すように、スライドフレーム105にローラ107a,
107bを設けてこれをガイド部材(レール)106上
に設置し、ばね108により摺動プレート103を固定
プレート101に圧着したものである(以下、移動ロー
ラ方式という)。このようなローラ摺動方式は、ローラ
を使用することにより摺動プレートを摺動させる際の摩
擦力を軽減することができ、また、装置の価格及びメン
テナンス費用の低減をはかることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなローラ摺
動方式において、固定ローラ方式は、図12(a)に示
すように、ノズル孔102,104の全開時において
は、ローラ107a,107bによる固定プレート10
1のノズル穴102の周辺への摺動プレート103の押
付け力は均等に作用し、ノズル孔102と104の周辺
は密着しており、固定プレート101と摺動プレート1
03の間に溶融金属が侵入するおそれはない。しかしな
がら、ローラ107a,107bの位置は一定のため、
スライドフレーム105がノズル孔102,104の閉
方向(矢印方向)に移動するにしたがって、図12
(b)に示すように、摺動プレート103のノズル孔1
04の周辺に対するローラ107a,107bの作用点
が移動し、ノズル孔104の周辺に加わる押付け力がア
ンバランスになる。さらに、ノズル孔102,104の
全閉位置では、図12(c)に示すように、ノズル孔1
04はローラ107a,107bの作用点から完全に離
れてしまい、ノズル孔104の周辺の押付け力が低下す
る。
【0010】このような状態では、ノズル穴102から
固定プレート101と摺動プレート103の間に溶融金
属が侵入し易く、侵入した溶融金属が凝固すると、ばね
108による摺動プレート103の圧着が不可能にな
り、両者の間から溶融金属が漏れるいわゆる湯漏れが発
生する。
【0011】一方、移動ローラ方式においては、固定ロ
ーラ方式の場合とは逆に、図13(a)に示すように、
摺動プレート103のノズル孔104の周辺における押
付け力は安定しているものの、固定プレート101のノ
ズル孔102の周辺における押付け力が、図13
(b),(c)に示すように、スライドフレーム105
が閉方向(矢印方向)に移動するにしたがって低下する
ため、固定ロール方式の場合と同様の問題が生じる。
【0012】このような固定ローラ方式及び移動ローラ
方式においても、ローラ107a,107b間の距離を
大きくすれば、ノズル孔102,104の全開〜全閉の
全域に亘ってノズル孔102,104周辺の押付け力を
確保することができるが、この場合は、当然のことなが
らスライドフレーム105、ガイド部材106及びケー
シングカバー109の長さを延長しなければならないの
で、結果として装置が著しく長くなり、コストの増大を
招くばかりでなく、溶融金属容器の底部に装着できない
ことがある。
【0013】また、ローラ107a,107b自体は小
型にせざるを得ないため、これを支持する軸の寿命が短
く、時々交換しなければならないので、メンテナンス費
用の十分な節減を達成することができず、さらに、前述
の特公昭62−58816号公報に記載された発明では
レバー等の、また、特公平1−38592号公報に記載
された発明では間欠レール等の複雑な部品を必要とする
ため、装置自体の価格低減も期待できない。このような
ことから、ローラ摺動方式による溶融金属の注湯量制御
装置は、スライドフレームの摺動抵抗が小さいという技
術的な優位性を有するにも拘らず、スライドフレームの
摺動方式としては主流になり得ないのが現状である。
【0014】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たもので、スライドフレームの摺動抵抗が小さく、ノズ
ル孔周辺の押付け力が安定して湯漏れなどのトラブルが
発生するおそれがなく、その上構造が簡単で製造コスト
及びメンテナンス費用の低い溶融金属の注湯量制御装置
を得ることを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る溶融金属の注湯量制御装置は、スラ
イドフレームの駆動手段を備え、ノズル孔を有する固定
プレートが取付けられて溶融金属容器に装着される基盤
と、該基盤にヒンジを介して開閉可能に取付けられたフ
レームと、ノズル孔を有する摺動プレートが取付けられ
て前記フレーム内に水平方向に摺動可能に収容され、前
記フレームとの間に介装されたばねにより摺動プレート
が固定プレートに圧着されたスライドフレームとからな
り、前記摺動プレートの両側において前記スライドフレ
ームとばねとの間に、直線状に配設された複数の鋼球か
らなるガイド装置を配設したものである。
【0016】(2)また、上記(1)のガイド装置を、
直線状に複数の穴が設けられ鋼球が上下を露出して前記
穴にそれぞれ回転可能に収容されたリテーナと、下面に
ガイド溝を有しスライドフレームの下面に固定された上
レースと、上面にガイド溝を有し、ガイドフレームとフ
レームとの間において複数のばね上に上下動可能に配設
されたばね受けに固定された下レースとからなり、前記
リテーナを上レースと下レースとの間に挾持して構成し
た。
【0017】(3)さらに、上記(2)のリテーナと上
レース及び下レースとの間隙をそれぞれ0.1〜1.0
mmとした。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態の扉を
開いた状態を示す斜視図、図2は図1の扉を閉じた状態
を示す斜視図、図3は本発明に係る溶融金属の注湯量制
御装置を、溶融金属容器の底部に取付けた状態を示す縦
断面図、図4は図3の扉を開いた状態を示す下面図であ
る。図において、2は溶融金属容器(以下取鍋等とい
う)の底部60に固定された基盤で、下面には凹部3が
設けられており、この凹部3内には、耐火物からなりノ
ズル孔5を有する固定プレート4が収容され、固定金具
6により固定されている。
【0019】7a,7bは両側壁に設けられ、後述のク
ランプ取付金物の一部が挿入される切除部である。8は
基盤2の一方の側に延出されたブラケットで、後述のス
ライドフレームの駆動手段である油圧シリンダ9が取付
けられており、そのアクチュエータの先端部には、係止
部10が設けられている。11a,11bはブラケット
8と直交する一方の側壁に設けたスイングアームであ
る。
【0020】21はヒンジ15を介して基盤2に開閉可
能に取付けられた箱状のフレームで、一方の側壁(基盤
2のブラケット8側)には開口部22が設けられてい
る。また、この側壁と直交する両側壁には縦壁23が立
設されており、この縦壁23にはクランプ挿入穴24が
設けられている。
【0021】25はフレーム20内に収容されたスライ
ドフレームで、上面には凹部26が設けられており、こ
の凹部26内には、耐火物からなり、ノズル孔28を有
する摺動プレート27が収容され、固定金具29により
固定されている。なお、固定プレート4及び摺動プレー
ト27の自由面は、基盤2及びスライドフレーム25の
面より若干高い位置(例えば、5mm程度)にある。3
0はフレーム21の開口部22側においてスライドフレ
ーム25に設けられ、油圧シリンダ9の係止部10が係
止する係合部、31は一方の側に傾斜面を有し、フレー
ム21の縦壁23に近接して、スライドフレーム25の
上面に設けられたライナー(カム)である。
【0022】35はスライドフレーム25の下面におい
て、凹部26の両側に設けられたガイド装置である。こ
のガイド装置35は、図5、図6に示すように、鋼球か
らなり一列に配設されたボール36と、ボール36の径
とほぼ等しい径の複数の穴38が設けられ、隣接するボ
ール36が接触して転動を阻害しないように、ボール3
6が各穴38に上下を露出して回転可能に収容されたリ
テーナ37と、ガイド溝41,43を有し、ボール36
の上下に配設された上レース40及び下レース42とか
らなっている。なお、44はリテーナ37の両端部に設
けられたワイパーで、ボール36と共に移動して上下の
レース40,42のガイド溝41,43を清掃するため
のものであるが、これは本発明に必須のものではなく、
省略してもよい。
【0023】再び図1〜図4において、45は、フレー
ム21とスライドフレーム25との間に上下動可能に配
設されたばね座、46はフレーム21の底部に立設され
た複数のばねガイド、47はフレーム21とばね座45
との間においてばねガイド46に介装されたコイルばね
である。そして、ガイド装置35の上レース40はスラ
イドフレーム25の下面に固定され、下レース42はば
ね座45の上面に固定されてリテーナ37に収容された
ボール36を挾持し、コイルばね47は、ばね座45、
ガイド装置35を介してスライドフレーム25を上方に
付勢し、摺動プレート27を固定プレート4に圧着す
る。これら、フレーム21、スライドフレーム25及び
ガイド装置35などにより、扉1を構成している。
【0024】なお、ボール36は、固定プレート4のノ
ズル孔5の中心から後退側(油圧シリンダ9側)に、
(スライドフレーム25のストローク+ノズル孔5の孔
径)/2以上、前進側に、(スライドフレーム25のス
トローク+ノズル孔5の孔径)/2以上の範囲に配設さ
れている。また、リテーナ37と上下のレース40,4
2が密着すると、摺動抵抗が増加するため、両者の間に
適度の隙間が必要であるが、間隙が大きすぎるとボール
36の間に異物が侵入して摺動抵抗が増加するばかりで
なく、ボール36やリテーナ37に損傷を与えるので、
この間隙を0.1〜1.0mmとした。
【0025】50はクランプ取付金物で、ほぼ逆L字状
に形成された側板51a,51bと、両側板51a,5
1bの間に固定された取付板52とからなり、取付板5
2にはフレーム21に設けたクランプ挿入穴23と同じ
大きさのクランプガイド穴53が設けられている。この
クランプ取付金物50は、その取付板52をフレーム2
1の側壁に当接してクランプガイド穴53をクランプ挿
入穴23と整合させ、ねじ挿通穴54に挿通したねじを
側壁に設けたねじ穴に螺入して取付けられる。
【0026】55はクランプガイド穴53らかクランプ
挿入穴23に挿入されるクランプで、取手56を備えて
いる。なお、図2、図3では、クランプ取付金物50及
びクランプ55を一方の側にだけ示してあるが、これは
他方の側にも設けられている。61はノズル孔62を有
し、取鍋等の底部60に取付けられた上ノズル、63は
ノズル孔64を有し、スライドフレーム25に取付けら
れたコレクタノズルである。
【0027】次に、上記のように構成した本発明の作用
を説明する。なお、基盤2は取鍋等の底部60に取付け
られているものとする。先ず、扉20をヒンジ15を軸
に回動させ、スイングアーム11a,11bをフレーム
21に設けたロック腕24a,24bのU字状切欠きに
嵌入し、ナットを締めて固定する。このとき、油圧シリ
ンダ9の係止部10はスライドフレーム25の係合部3
0に係合し、摺動プレート27はコイルばね47の付勢
力により固定プレート4に圧着されている。
【0028】ついで、油圧シリンダ9によりスライドフ
レーム25を例えば図4の位置まで後退させる。これに
より、上ノズル61のノズル孔62、固定プレート4の
ノズル孔5、摺動プレート27のノズル孔28、及びコ
レクタノズル63のノズル孔64は同一線上に位置して
整合し、固定プレート4のノズル孔5と摺動プレート2
7のノズル孔28は全開状態になり、取鍋等内の溶融金
属は、ノズル孔62,5,28,64から外部に排出さ
れる。
【0029】溶融金属の流量を制御する場合は、油圧シ
リンダ9によりスライドフレーム25を前進させて所望
の位置で停止させれば、固定プレート4のノズル孔5と
摺動プレート27のノズル孔28との開度が調節され、
この開度に対応して流量が制御される。さらに、スライ
ドフレーム25を前進させれば、ノズル孔5は摺動プレ
ート27により完全に閉塞される。なお、ノズル孔5,
28の開度調節のためのスライドフレーム25の摺動方
向は上記に限定するものではなく、適宜変更することが
できる。
【0030】固定フレーム4や摺動フレーム27の交換
などのため扉20を開放するにあたっては、コイルばね
47の付勢力が強いため、スイングアーム11a,11
bをロック腕24a,24bから取外すことが困難であ
る。そこで、本発明においては、フレーム21の両側壁
に取付けたクランプ取付金物50のクランプガイド穴5
3にクランプ55を挿入し、クランプ挿入穴23からス
ライドフレーム25上に突出させる。そして、油圧シリ
ンダ9によりスライドフレーム25を前進(又は後退)
させると、クランプ55の下にライナー31が侵入し、
スライドフレーム25をコイルばね47の付勢力に抗し
て圧下する。この状態で図3に示すようにスイングアー
ム11a,11bを回動させれば、ロック腕24a,2
4bから容易に取外すことができる。扉20を閉じると
きは、上記の状態でスイングアーム11a,11bを回
動してロック腕24a,24bに係合させ、スライトフ
レーム25を後退(又は前進)させてライナー31をク
ランプ55から外し、クランプ55を引抜けばよい。
【0031】ところで、上述のようにスライドフレーム
25を前進又は後退させる場合、スライドフレーム25
はフレーム21との間に介装されたガイド装置35のボ
ール36によるころがり摩擦によって移動するため、摺
動に対する摩擦抵抗の大部分は固定プレート4と摺動プ
レート27間の摩擦となり、このため、従来のメタル摺
動方式に比べて摺動抵抗を大幅に軽減できることがで
き、油圧シリンダ9を小型化することができる。
【0032】また、スライドフレーム25が移動する
と、ボール36もこれに追従して回転しながら移動する
ため、図7に示すように、固定プレート4及び摺動プレ
ート27の両者とも、常にノズル孔5,28の下にコイ
ルばね47による押付け力が存在する。このため、従来
のローラ摺動方式ようにスライドフレームの位置によっ
て押付け力が不足するようなことがなく、したがって、
固定プレート4と摺動プレート27の間に溶融金属が侵
入するおそれがない。
【0033】図8、図9は、本発明と前述の固定ローラ
方式及び移動ローラ方式における固定プレートと摺動プ
レートのノズル孔周辺の押付け力を、スライドフレーム
のストロークに対応してそれぞれ計算によって求めた結
果を示す線図で、図8は固定プレートのノズル孔周辺の
押付け力を、また、図9は摺動プレートのノズル孔周辺
の押付け力を示す。いま、総押付け力4.6tとした場
合、ノズル孔の全開位置(ストローク0)では、何れの
場合も押付け力は4.6tである。
【0034】本発明Aにおいては、ストロークが長くな
るにしたがって押付け力は徐々に低下するが、ノズル孔
の全閉位置(ストローク110mm)においても、押付
け力は3.2t(ノズル孔の全開時の約70%)を維持
している。一方、固定ローラ方式Bにおいては、固定プ
レートのノズル孔周辺における押付け力は、ストローク
が長くなっても変化しないが、摺動プレートのノズル孔
周辺の押付け力は、ストロークが長くなるにしたがって
大幅に低下し、ノズル孔の全閉位置における押付け力は
1.8t(ノズル孔の全開時の約40%)となる。ま
た、移動ローラ方式Cは、摺動プレートのノズル孔周辺
の押付け力は、ストロークが長くなっても変化しない
が、固定プレートのノズル孔周辺の押付け力は、ストロ
ークが長くなるにしたがって大幅に低下し、ノズル孔の
全閉位置における押付け力は1.8tとなる。
【0035】図8、図9から明らかなように、本発明A
においては、固定プレートと摺動プレートのノズル孔周
辺における押付け力は、ストロークが長くなるにしたが
って徐々に低下するが、その低下割合は少なく、全スト
ロークに亘ってほぼ均等の押付け力が得られる。これに
対して、固定ローラ方式Bと摺動ローラ方式Cにおいて
は、ノズル孔の全開時と全閉時の間においてストローク
が長くなるにしたがって押付け力が大幅に低下すること
がわかる。
【0036】図10、図11は、本装置に係る装置と、
これと同じ構成でメタル摺動方式を適用した装置との、
固定プレートと摺動プレートのノズル孔周辺のストロー
クごとの押付け力を直接測定した結果を示す線図で、図
10は固定プレートのノズル孔周辺の押付け力を、図1
1は摺動プレートのノズル孔周辺の押付け力を示す。両
図から明らかなように、ほぼ全ストローク領域において
本発明Aの方がメタル摺動方式Dより押付け力が高いこ
とがわかる。これは、メタル摺動方式の場合は、ストロ
ークの変化に伴って作用点の長さが変化するのに対し、
本発明の場合は、ストロークが変化しても作用点の長さ
が変化しないことに起因するものと思われる。
【0037】また、本発明とメタル摺動方式とを比較し
た場合、本発明の方が摺動抵抗が大幅に小さく、また、
固定プレートと摺動プレートの押付け力が高いが、さら
に、本発明によれば作業性が向上し、また、強度部品を
小型化することができる。例えば、本発明においては、
扉20の開閉のために必要な面圧の解除は、フレーム2
1のクランプ挿入穴24にクランプ55を挿入し、油圧
シリンダ9の駆動力によりスライドフレーム25を介し
てコイルばね47を圧下する方式を採用して作業性の向
上をはかっているが、メタル摺動方式では摺動抵抗が大
きいため、このような方式を採用することは困難であ
る。
【0038】また、扉を開閉するためのヒンジやスイン
グアームは、メタル摺動方式の場合は摩擦反力がこの部
分に集中するため、大きなピンやブッシュが必要である
が、本発明においては、扉にかかる摩擦反力がほとんど
零であるため、ごく小さいピンやブッシュで十分であ
る。さらに、メンテナンスの面からは、本発明はボール
を使用することによりフレームやスライドフレームに摩
耗がほとんど発生せず、この部位に起因するメンテナン
スは不要である。これに伴い、メンテナンスの頻度はメ
タル摺動部からばね寿命に代り、メタル摺動方式におい
ては500ヒート程度でフレームとスライドフレームを
交換していたのに対し、本発明においては、1000ヒ
ート程度でコイルばねのみを交換すればよく、メンテナ
ンス頻度が大幅に向上するばかりでなく、交換部品のコ
ストを大幅に低減することができる。
【0039】
【発明の効果】
(1)本発明に係る溶融金属の注湯量制御装置は、スラ
イドフレームの駆動手段を備え、ノズル孔を有する固定
プレートが取付けられて溶融金属容器に装着される基盤
と、この基盤にヒンジを介して開閉可能に取付けられた
フレームと、ノズル孔を有する摺動プレートが取付けら
れてフレーム内に水平方向に摺動可能に収容され、フレ
ームとの間に介装されたばねにより摺動プレートが固定
プレートに圧着されたスライドフレームとからなり、摺
動プレートの両側においてスライドフレームとばねとの
間に、直線状に配設された複数の鋼球からなるガイド装
置を配設したので、スライドフレームの摺動抵抗が小さ
く、その駆動手段を小型化することができる。また、ノ
ズル孔周辺の押付け力が安定して湯漏れなどが生ずるお
それがなく、その上構造が簡単でメンテナンス費用を低
減することができる。
【0040】(2)また、上記(1)のガイド装置を、
直線状に複数の穴が設けられ鋼球が上下を露出してこの
穴にそれぞれ収容されたリテーナと、下面にガイド溝を
有しスライドフレームの下面に固定された上レースと、
上面にガイド溝を有し、ガイドフレームとフレームとの
間において複数のばね上に上下動可能に配設されたばね
受けに固定された下レースとからなり、リテーナを上レ
ースと下レースとの間に挾持して構成したので、隣接す
る鋼球が接触して転動を阻害することがなく、スライド
フレームを円滑に摺動させることができる。また、ばね
による摺動プレートの押付け力を、スライドフレームの
位置に関係なく安定化することができる。
【0041】(3)さらに、上記(2)のリテーナと上
レース及び下レースとの間隙をそれぞれ0.1〜1.0
mmとしたので、摺動抵抗を小さくでき、その上鋼球の
間に異物が侵入して摺動抵抗が増加したり、鋼球やリテ
ーナに損傷を与えるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の扉を開いた状態を示す斜
視図である。
【図2】図1の扉を閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明装置を溶融金属容器の底部に取付けた状
態を示す縦断断面図である。
【図4】図3の扉を開いた状態を示す下面図である。
【図5】本発明のガイド装置の正面図及び側面図であ
る。
【図6】図5のリテーナの平面図、正面図及び側面図で
ある。
【図7】本発明の作用説明図である。
【図8】本発明と従来の固定ローラ方式及び移動ローラ
方式の固定プレートのノズル孔周辺の押付け力を比較し
た線図である。
【図9】図8と同様に摺動プレートのノズル孔周辺の押
付け力を比較した線図である。
【図10】本発明とメタル摺動方式の固定プレートのノ
ズル孔周辺の押付け力を比較した線図である。
【図11】図10と同様に摺動プレートのノズル孔周辺
の押付け力を比較した線図である。
【図12】従来の固定ローラ方式の作用説明図である。
【図13】従来の移動ローラ方式の作用説明図である。
【符号の説明】
1 注湯量制御装置 2 基盤 4 固定プレート 5 ノズル孔 9 油圧シリンダ 10 係止部 15 ヒンジ 20 扉 21 フレーム 24 クランプ挿入穴 25 スライドフレーム 27 摺動プレート 28 ノズル孔 30 係合部 31 ライナー 35 ガイド装置 36 ボール(鋼球) 37 リテーナ 38 穴 40 上レース 41,43 ガイド溝 42 下レース 44 ワイパー 45 ばね座 47 コイルばね 50 クランプ取付金物 55 クランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000220767 東京窯業株式会社 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 鉄 鋼ビルディング (72)発明者 山本 裕則 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1番1号 日本ロータリーノズル株式会社内 (72)発明者 水野 正彦 神奈川県川崎市川崎区池上新町三丁目4番 3号 鋼管機械工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライドフレームの駆動手段を備え、ノ
    ズル孔を有する固定プレートが取付けられて溶融金属容
    器に装着される基盤と、該基盤にヒンジを介して開閉可
    能に取付けられたフレームと、ノズル孔を有する摺動プ
    レートが取付けられて前記フレーム内に水平方向に摺動
    可能に収容され、前記フレームとの間に介装されたばね
    により摺動プレートが固定プレートに圧着されたスライ
    ドフレームとからなり、 前記摺動プレートの両側において前記スライドフレーム
    とばねとの間に、直線状に配設された複数の鋼球からな
    るガイド装置を配設したことを特徴とする溶融金属の注
    湯量制御装置。
  2. 【請求項2】 ガイド装置を、直線状に複数の穴が設け
    られ鋼球が上下を露出して前記穴にそれぞれ回転可能に
    収容されたリテーナと、下面にガイド溝を有しスライド
    フレームの下面に固定された上レースと、上面にガイド
    溝を有し、ガイドフレームとフレームとの間において複
    数のばね上に上下動可能に配設されたばね受けに固定さ
    れた下レースとからなり、前記リテーナを上レースと下
    レースとの間に挾持して構成したことを特徴とする請求
    項1記載の溶融金属の注湯量制御装置。
  3. 【請求項3】 リテーナと上レース及び下レースとの間
    隙をそれぞれ0.1〜1.0mmとしたことを特徴とす
    る請求項2記載の溶融金属の注湯量制御装置。
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