JPH10127631A - 超音波診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は被検体の動態をリアルタイムで
観察しながら画像記録が行える上、記録した画像の再生
時においては、異なる心拍において同一時相の画像のみ
を選択的に再生することが可能な超音波診断装置を提供
することにある。 【解決手段】心電図Ｒ波検出回路７により得られるＲ波
の検出タイミング及び１フレーム構成時間演算回路８に
より求められた１フレーム構成時間に基づいて当該心拍
のＲ波が発生した時点から当該フレームが超音波スキャ
ンによって得られるまでの経過時間を演算する経過時間
演算回路９と、経過時間演算回路９により求められた経
過時間及び大容量メモリ回路４に録画したフレームに係
る収集条件（録画条件）を、そのフレームに関連づけて
記憶する録画条件メモリ回路１０とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はリアルタイムで連続
的に収集された超音波診断画像をイメージメモリに記録
し、そのなかから所要の画像を選択的に読み出して再生
可能な超音波診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から知られているこの種の超音波診
断装置においては、心電計を用い被検体の心拍に同期し
ながら画像を収集することが行われている。この場合、
例えば心電図Ｒ波から所定時間経過した時点における画
像を１心拍あたり１フレームづつ複数心拍にわたって収
集し、これらをイメージメモリに記録するようにしてい
る。記録した画像をイメージメモリから読みだして連続
的に再生することにより、複数心拍にわたって同一時相
における心臓の動きを観察することが可能となる。

【０００３】図５はこのような従来の超音波診断装置に
よって記録される画像を模式的に示す図である。図５に
おいて、Ｉ1 〜Ｉn は、心電図Ｒ波から所定時間（Δ
ｔ）経過した時点における超音波診断画像の１フレーム
を示しており、これらの画像はイメージメモリに記録さ
れるとともにＴＶモニタに表示される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】心電図ユニットから得
られる心拍信号に同期して、図５に示したように１心拍
中において１枚の画像を記録する場合、従来の超音波診
断装置においては、記録画像のみが観察用のＴＶモニタ
に表示されるものとなっている。このため、上記のよう
な心拍同期による画像記録の最中は、超音波診断画像の
動画表示が行なわれていない。したがって、心臓等の観
察対象（被検体）の動態をリアルタイムで観察しながら
画像記録が行えないという欠点がある。

【０００５】したがって、本発明の目的は、被検体の動
態をリアルタイムで観察しながら画像記録が行える上、
記録した画像の再生時においては、異なる心拍において
同一時相の画像のみを選択的に再生することが可能な超
音波診断装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

（１）本発明の超音波診断装置は、被検体の超音波診断
画像を一定周期で繰り返し収集する収集手段と、前記被
検体の生体信号を検出する検出手段と、一定周期で繰り
返し収集した前記超音波診断画像と、前記生体信号の位
相とを関連づけて記憶する記憶手段と、を具備する。 （２）本発明の超音波診断装置は、上記（１）に記載の
装置であって、且つ同一位相の超音波診断画像を前記記
憶手段から選択的に読み出して再生する再生手段をさら
に具備することを特徴とする。 （３）本発明の超音波診断装置は、上記（１）に記載の
装置であって、且つ前記生体信号は心電波形であって、
前記位相は当該心電波形のＲ波からの経過時間に相当す
ることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１実施形態に係
る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
図１に示すように、第１実施形態に係る超音波診断装置
は、被検体に超音波を送波し、その反射波を受波する超
音波探触子１と、超音波探触子１に対し超音波送波のた
めの駆動パルス信号を送信し、超音波探触子１が受波し
た反射波に基づく電気信号を受信する送受信回路２と、
送受信回路２によって受信された電気信号に基づいて超
音波診断画像の１フレームを作成するとともに、作成さ
れたフレームを記憶する画像メモリ回路３と、画像メモ
リ回路３により作成された超音波診断画像のフレームが
入力され、１度に複数フレーム分の超音波診断画像を記
憶保持可能な程度の大容量を有する大容量メモリ回路４
と、大容量メモリ回路４から出力された超音波診断画像
のフレームを動画像又は静止画像（フリーズ画像）とし
て表示する表示回路６とを備えている。

【０００８】また、被検体の心電図を得るための図示し
ない心電図ユニットに対して本実施形態の超音波診断装
置を接続する心電図用電極５と、心電図用電極５を介し
て得られる心電図からＲ波を検出し、その検出タイミン
グ（時相）を表す信号を出力する心電図Ｒ波検出回路７
と、１フレームの超音波診断画像を特定のパラメータに
応じて構成するための所要時間を演算する１フレーム構
成時間演算回路８と、心電図Ｒ波検出回路７により得ら
れるＲ波の検出タイミング及び１フレーム構成時間演算
回路８により求められた１フレーム構成時間に基づいて
当該心拍のＲ波が発生した時点から当該フレームが超音
波スキャンによって得られるまでの経過時間を演算する
経過時間演算回路９と、経過時間演算回路９により求め
られた経過時間及び大容量メモリ回路４に録画したフレ
ームに係る収集条件（録画条件）を、そのフレームに関
連づけて記憶する録画条件メモリ回路１０と、送受信回
路２、画像メモリ回路３、大容量メモリ回路４、表示回
路６、そして１フレーム構成時間演算回路８、経過時間
演算回路９、録画条件メモリ回路１０の制御を司る制御
回路１１とを備えている。

【０００９】以上のように構成された本実施形態の動作
を説明する。具体的には、超音波診断と平行して実施さ
れる診断画像の録画時における動作と、録画した超音波
診断画像の再生時における動作とについて説明する。図
２においては、本実施形態の超音波診断装置において録
画及び再生される超音波診断画像（Ｉ1 〜Ｉm 及びＯ1
〜Ｏn ）が心電図Ｒ波に対応させて模式的に示されてい
る。同図ではＩ1 がＲ波に一致している場合がしめされ
ているが、Ｉ1 がＲ波に一致しない場合、すなわちＲ波
の時相の画像が存在しない場合があり得る。この場合
は、Ｒ波後の最新の画像をＲ波に一致させて考えれば良
い。

【００１０】図３は、録画時における動作を概略的に示
すフローチャートである。先ずステップＳ１において録
画が開始される。次にステップＳ２において、１フレー
ム構成時間演算回路８により１フレーム構成時間が計算
される。１フレームの構成時間は、超音波プローブ１に
よる所定断面の超音波スキャンが開始されてから画像メ
モリ回路３により超音波診断画像の１フレームが作成さ
れるまでの時間を言う。次にステップＳ３において、心
電図用電極５を介してＲ波の入力があったか否かが判定
される。言い替えれば、心拍が変わったか否かが判定さ
れる。ここで、Ｒ波の入力が“あり”の場合は、Ｒ波か
らの経過時間レジスタがクリア（初期化）されステップ
Ｓ５に移行する。この経過時間レジスタに格納される値
は図２におけるｔ1 〜t4の値である。Ｒ波の入力“な
し”の場合はステップＳ４の処理がスキップされてステ
ップＳ５に移行する。

【００１１】次にステップＳ５において、画像と録画条
件の記憶がなされる。すなわち、画像メモリ回路３によ
って得られた超音波診断画像の１フレーム分の画像デー
タ（例えば図２のＩm ）が大容量メモリ回路４において
記憶保持され、経過時間演算回路９により算出された当
該画像のＲ波からの経過時間レジスタの値が録画条件の
一つとして録画条件メモリ回路１０に記憶保持される。
また、録画時における超音波診断装置の画像収集条件
（ゲインやＳＴＣ値など）も付随して記憶される。な
お、上記経過時間以外のの録画条件は、それが変更され
た場合にのみ記憶するように構成する。これにより録画
条件メモリ回路１０の記憶容量を節約することができ
る。

【００１２】このような録画動作と平行して、表示回路
６においては、画像メモリ回路３によって得られた上記
超音波診断画像が動画として表示される。これにより観
察者は被検体の対象物の動態をリアルタイムで観察しな
がら画像録画を行える。

【００１３】次にステップＳ６において、録画終了の判
定が行われる。このステップＳ６では所望の画像が全て
録画されたか否かが判定され、“ＹＥＳ”の場合はステ
ップＳ８に移行して録画動作を終了する。また、“Ｎ
Ｏ”の場合はステップＳ７に移行し、このステップＳ７
においてはＲ波からの経過時間レジスタの値に上記ステ
ップＳ２において求められた１フレーム構成時間の値が
加算された後、ステップＳ３に移行する。すなわち、所
望の画像が全て録画されるまでステップＳ５における１
フレーム単位の画像記憶動作が繰り返される。なお、画
像の録画時間は、大容量メモリ４の記憶容量によって制
限を受けるが、少なくとも複数心拍分の画像を録画する
ものとなっている。

【００１４】図４は、再生時における動作を概略的に示
すフローチャートである。ステップＳ１０において、先
に録画した超音波診断画像の再生動作が開始される。ま
ずはステップＳ１１において、再生画像が存在するか否
かが判定される。すなわち、大容量メモリ回路４に再生
されるべき画像が記憶されているか否かが判定される。
ここで、再生画像が存在しない場合はステップＳ１９に
移行して再生動作を終了する。

【００１５】次にステップＳ１２において、条件設定の
有無が判定される。ここで条件設定が“なし”の場合
は、ステップＳ１８に移行する。また条件設定が“あ
り”の場合はステップＳ１３に移行する。ステップＳ１
３において、時間設定の有無が判定される。ここで時間
設定が“あり”と判定された場合はステップＳ１４に移
行する。

【００１６】ステップＳ１４においては、Ｒ波からの所
定の経過時間が画像検索のためのインデックスキーとし
て設定される。次にステップＳ１５において、大容量メ
モリ回路４に記憶されている画像のなかから上記画像検
索のためのインデックスキーを用いて画像が検索され
る。例えばＲ波からｔ3 秒経過した画像が検索される。

【００１７】一方、ステップＳ１３において時間設定が
“なし”と判定された場合はステップＳ１６に移行す
る。ここでは、録画条件設定の有無が判定される。ここ
で、録画条件の設定が“あり”の場合は、ステップＳ１
７に移行し、上記録画条件が画像検索のためのインデッ
クスキーとして設定される。録画条件の具体例としては
例えばＳＴＣあるいはダイナミックレンジ等、録画時に
おける超音波診断画像の収集条件がある。

【００１８】そしてステップＳ１５に移行し、上記と同
様に、大容量メモリ回路４に記憶されている画像のなか
から上記画像検索のためのインデックスキーを用いて画
像が検索される。

【００１９】次にステップＳ１８においては大容量メモ
リ４から該当する画像（図２のＯn）が読み出されて表
示回路６に転送され表示に供される。このとき、超音波
診断画像Ｏn と共に、画像の録画条件（Ｒ波からの経過
時間を含む）を数値あるいはグラフィック表示するよう
にしても良い。そうすればより高度な再生が行える。

【００２０】そして、ステップＳ１１に移行して上述の
動作が繰り返され、かくして超音波診断画像Ｏ1 〜Ｏn
が再生される。これにより、例えば複数心拍にわたって
録画された超音波診断画像のうち、Ｒ波から所定時間経
過した同一時相の画像を選択的に読み出して再生するこ
とができる。したがって、心拍を単位として同一の動作
（拍動）が繰り返される心臓の異常等を容易に診断可能
となり診断能を向上できる。

【００２１】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、種々変形して実施可能である。たとえば、録画条
件として、心電図ユニットにより得られた心電図Ｒ波か
らの経過時間を画像と共に録画することとして説明した
が、例えば制御部１１から出力されたシステムクロック
等を用いて同様の録画動作を実現しても良い。また、本
実施形態の録画再生処理はハードウェアのみならずコン
ピュータのソフトウェアによっても実現可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
検体の動態をリアルタイムで観察しながら画像記録が行
える上、記録した画像の再生時においては、異なる心拍
において同一時相の画像のみを選択的に再生することが
可能な超音波診断装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略
構成を示すブロック図。

【図２】上記実施形態に係る超音波診断装置によって記
録又は再生される画像を模式的に示す図。

【図３】上記実施形態に係る超音波診断装置の画像記録
時における動作を概略的に示すフローチャート。

【図４】上記実施形態に係る超音波診断装置の画像再生
時における動作を概略的に示すフローチャート。

【図５】従来例に係る超音波診断装置によって記録され
る画像を模式的に示す図。

【符号の説明】

１…超音波探触子 ２…送受信回路 ３…画像メモリ回路 ４…大容量メモリ回路 ５…心電図用電極 ６…表示回路 ７…心電図Ｒ波検出回路 ８…１フレーム構成時間演算回路 ９…経過時間演算回路 １０…録画条件メモリ回路 １１…制御回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検体の超音波診断画像を一定周期で繰
   り返し収集する収集手段と、 生体信号を検出する検出手段と、 一定周期で繰り返し収集した前記超音波診断画像と前記
   生体信号の位相とを関連づけて記憶する記憶手段と、 を具備することを特徴とする超音波診断装置。
2. 【請求項２】 同一位相の超音波診断画像を前記記憶手
   段から選択的に読み出して再生する再生手段をさらに具
   備することを特徴とする請求項１に記載の超音波診断装
   置。
3. 【請求項３】 前記生体信号は心電波形であって、前記
   位相は当該心電波形のＲ波からの経過時間に相当するこ
   とを特徴とする請求項１に記載の超音波診断装置。