JPH101274A - エレベータ制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】車椅子利用者とかご内乗車率が高い場合、発生
する降り乗り動作中でのドア開放時間を確保することと
スムーズな乗り降り動作ができるようにする。 【解決手段】エレベータの乗りかご１には、かご下にか
ご内荷重検出装置２ａ，２ｂを設けて取り付けてあり、
このデータはエレベータ制御装置５の内部にあるかご内
荷重演算手段５Ｃに取り込まれ、さらに乗り降り予測時
間演算手段５Ｄにより乗り込みや、降りる動作に掛かる
予想時間が演算される。この演算結果によりドアの開放
時間がドア制御手段５Ｆに出力され、ドア制御装置６が
駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータ制御装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の装置は、特開平4−112174 号公報
に記載のように車椅子用ホール呼びを検出した時に、エ
レベータかご内に車椅子ホール呼び発生階で車椅子使用
者が乗り込むことを知らせる表示または、アナウンスを
行う装置となっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来技術では、車
椅子利用者がエレベータに乗り込む時、または降りる際
の混乱を避けるために、エレベータかご内に車椅子の乗
り降りサインを表示するあるいはアナウンスを行うとい
うものであった。

【０００４】しかし、エレベータドアの開放時間につい
て考慮がされておらず、例えば、エレベータに一般利用
者と車椅子利用者が乗り込んだ満員状態で、車椅子利用
者の目的階に到着したとき、車椅子乗り降りサインの表
示、あるいはアナウンスによりかご内のドア付近に乗車
していた人は一旦ホールに降りて、車椅子利用者の降り
るのを待ってから再びエレベータに乗り込むという動作
をしていた。このように一旦降りてから再び乗り込もう
としている最中にドアが閉まってきてしまうと言う問題
があった。

【０００５】本発明の目的は、車椅子利用者とかご内乗
車率が高い場合に発生する降り乗り動作中でのドア開放
時間を確保することとスムーズな乗り降り動作ができる
ようにすることにある。本発明の他の目的は、車椅子利
用者のエレベータ利用状況とかご内乗車率の条件により
乗り降り予想時間を演算し、ドア開放時間を変化させエ
レベータの利用状況に応じたサービスを行うことにより
に運転効率を考慮したエレベータを提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のエレベータ制御装置では、車椅子用ホール
呼び、及びかご呼びの登録を検出する車椅子呼び登録検
出手段を備え、エレベータのかご下には、かご内荷重を
検出する秤装置を設けた。

【０００７】エレベータ制御装置では、かご内荷重のデ
ータと車椅子用ホール呼び、及びかご呼びの登録を基に
エレベータへの乗り込みや、降りる動作に掛かる予想時
間を演算する。この演算結果によりドアの開放時間を決
定しドアの開閉制御を行うようにしたものである。また
スムーズな乗り降り動作ができるようにエレベータかご
内、または、エレベータホールに車椅子利用者が乗り込
むことや降りることを知らせる案内装置を設けた。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図１な
いし図３により説明する。図１に全体構成を示し、図２
では、車椅子利用案内装置への設定手順を示す。図３で
は、エレベータの乗り降り動作に掛かる予測時間設定プ
ログラム手順を示す。

【０００９】図１中、１はエレベータ乗りかご、２ａ，
２ｂはかご下に取り付けるかご内荷重検出装置、３は車
椅子用かご内行先ボタン、４は車椅子用ホールボタン、
５はマイクロコンピューター等で構成されたエレベータ
制御装置で、車椅子用ホールボタン４の操作によりホー
ル呼びの登録を行う車椅子用ホール呼び登録手段５Ａ，
車椅子用かご内行先ボタン３の操作によりかご呼びの登
録を行う車椅子用かご呼び登録手段５Ｂ、５Ｃはかご内
荷重演算手段、５Ｄは乗り降りに必要とする時間を予測
演算する乗り降り予測時間演算手段、５Ｅは車椅子利用
案内制御手段、５Ｆはドアを開閉させるためのドア制御
手段である。６はドア制御装置、７はかご内に設けた車
椅子利用案内装置となっている。

【００１０】次にこの実施例の動作について説明する。

【００１１】各階に設けられた車椅子用ホールボタン４
がいずれかの階で押されると、その信号はエレベータ制
御装置５内の車椅子用ホール呼び登録手段５Ａに入力さ
れる。また同様に車椅子用かご内行先ボタン３が押され
ると、その信号は車椅子かご呼び登録手段５Ｂに入力さ
れる。これらのホール呼び及びかご呼びに応答したエレ
ベータは、車椅子利用案内制御手段５Ｅにより次に停止
する階が車椅子呼びによる停止階である場合は、案内内
容を車椅子利用案内装置７に出力し車椅子利用であるこ
とを表示あるいはアナウンスするように制御される。

【００１２】またドア制御では、かご下に取り付けてあ
るかご内荷重検出装置２ａ，２ｂから送られてくるかご
内荷重データをかご内荷重演算手段５Ｃに入力し、これ
らの入力データを基に乗り降りに掛かるであろう予想時
間を乗り降り予測時間演算手段５Ｄで算出する。算出さ
れた乗り降り予測時間はドア開放時間信号としてドア制
御手段５Ｆへ送られドア制御装置６が駆動される。

【００１３】次に車椅子利用案内装置への制御手順につ
いて図２により説明する。

【００１４】サービスを行っているエレベータで、手順
１１では次の停止階の検出を行う。手順１２では、検出
された停止階でエレベータ進行方向と同じ方向の車椅子
用ホール呼びが登録されているか否かを判定し、車椅子
用ホール呼びが登録されている場合は手順１３へ進み、
登録されていない場合は手順１５に進む。次の停止階に
車椅子用ホール呼びが登録されている場合は、手順１３
で車椅子用かご呼びが登録されている階であるか判定を
行う。ここで車椅子用かご呼びが登録されている場合
は、手順１４に進み車椅子利用者が降り、そしてホール
からは新たに車椅子利用者が乗り込んでくることを案内
する指令を設定する。例えば「車椅子の方が降ります。
その後車椅子の方が乗ります。」と言った表示信号ある
いはアナウンス信号を制御装置に出力する。また車椅子
用かご呼びが登録されていない場合は、手順１６に進み
車椅子利用者がホールから乗り込んでくることを案内す
る指令を設定する。手順１２の判定で車椅子ホール呼び
が登録されていない場合は、手順１５で車椅子用かご呼
びが登録されている階か判定を行い車椅子用かご呼びが
登録されている場合は、手順１７に進み、登録されてい
ない場合は手順１２に戻り再び繰り返される。手順１７
では車椅子利用者が降りることを案内する指令を設定す
る。

【００１５】以上のような制御をすることによりエレベ
ータ利用者には、事前に車椅子利用者がエレベータから
降りる、あるいは乗り込むという動作を知ることができ
る。次にエレベータの乗り降り動作に掛かる予測時間設
定プログラム手順について説明する。

【００１６】手順２１で一般呼びによるドア開放時間を
ｎ秒と初期設定し、手順２２でドア開放時間加算値ｘを
０とする。手順２３で車椅子用呼び登録による停止階で
あるか否かを判定し、車椅子用呼びによる停止階であれ
ば、手順２４に進み車椅子用呼びによるドア開放時間加
算値ｘにｃ秒の設定を行う。次に手順２５に進み、手順
２５では、かご内荷重がある設定値ｈよりも軽いか重い
かを比較判断する。例えば、現在のかご内荷重が、かご
内最大荷重に対して４０％の荷重のときはかご内が軽
い、つまりかご内が空いていると判断して手順２７に進
み、手順２７では乗り降り予測時間Ｔに初期設定ｎ秒と
ドア開放時間加算値ｘのｃ秒を加えた値を設定する。手
順２５でかご内荷重がある設定値ｈよりも重いと判断さ
れた場合は、手順２６でかご内荷重に見合ったドア開放
時間ｗ秒をドア開放時間加算値ｘに設定する。例えばか
ご内荷重が４０％をはるかに越えて、満員状態であるな
らばドア開放時間加算値ｘに１０秒を設定し、かご内荷
重が８０％であれば、ドア開放時間加算値ｘに８秒を設
定する。これにより手順２７では、乗り降り予測時間Ｔ
に初期設定ｎ秒とドア開放時間加算値ｘ(ｃ秒＋ｗ秒)の
値が設定される。手順２３で車椅子呼びによる停止階で
ないと判断されると手順２７では、乗り降り予測時間Ｔ
にドア開放時間として初期設定されたｎ秒を設定する。
このように手順２７ではいろいろな条件で乗り降り予測
時間Ｔが設定されプログラムが終了する。

【００１７】本実施例では、混雑時における車椅子利用
者に対してスムーズな乗り降りができるように配慮した
ものであり、またエレベータの利用状況に応じてドア開
放時間を変化させることにより安全で運転効率を考慮し
たエレベータを提供することができる。

【００１８】本実施例では、車椅子利用者がエレベータ
に乗り込むあるいは降りる階であることを知らせる車椅
子利用案内装置をかご内に設けて説明したが各階のエレ
ベータホールに設けても同様な効果が得られる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、車椅子利用者が使用す
るエレベータで、車椅子利用者がエレベータに乗り込
む。あるいは降りることを事前に知らせることができる
ので車椅子利用者以外のエレベータ利用者は車椅子利用
者に対して気を配った行動がとれるようになる。またオ
フィスビルのように出勤時間帯での混雑時に発生する車
椅子利用者の乗り降り動作中でドア閉じによる接触を防
ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のブロック図。

【図２】車椅子利用案内装置への案内指令の設定手順の
フローチャート。

【図３】エレベータに乗り込む、あるいは降り動作に掛
かる予測時間設定プログラム手順を示すフローチャー
ト。

【符号の説明】

１…エレベータ乗りかご、２ａ，２ｂ…かご内荷重検出
装置、３…車椅子用かご内行先ボタン、４…車椅子用ホ
ールボタン、５…エレベータ制御装置、５Ａ…車椅子用
ホール呼び登録手段、５Ｂ…車椅子用かご呼び登録手
段、５Ｃ…かご内荷重演算手段、５Ｄ…乗り降り予測時
間演算手段、５Ｅ…車椅子利用案内制御手段、５Ｆ…ド
ア制御手段、６…ドア制御装置、７…車椅子利用案内装
置。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一般用兼車椅子用エレベータにおいて、車
   椅子用のかご呼び及びホール呼びの発生を検出する第一
   の手段と、かご内荷重を検出する第二の手段によりエレ
   ベータ乗り降り予想時間を演算して、この乗り降り予測
   時間変動値に従いかごの各階乗り場でのドア開放時間を
   変化させる手段を備えたことを特徴とするエレベータの
   制御装置。
2. 【請求項２】請求項１において、登録された車椅子用の
   かご呼び及びホール呼びに応じて車椅子利用者がエレベ
   ータに乗り込む、または、降りることを知らせる表示器
   あるいはアナウンス装置を備えたエレベータの車椅子利
   用案内装置。