JPH10124646A - 3次元計測装置 - Google Patents

3次元計測装置

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JPH10124646A
JPH10124646A JP8274993A JP27499396A JPH10124646A JP H10124646 A JPH10124646 A JP H10124646A JP 8274993 A JP8274993 A JP 8274993A JP 27499396 A JP27499396 A JP 27499396A JP H10124646 A JPH10124646 A JP H10124646A
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light
measurement
image
data
slit
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JP8274993A
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Toshio Norita
寿夫 糊田
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
Tadashi Fukumoto
忠士 福本
Akira Yahashi
暁 矢橋
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】計測条件を設定するための測距の精度が高く、
適切な計測条件を設定することのできる3次元計測装置
を提供する。 【解決手段】計測対象の物体に光を投射する投光光学系
40と、撮像面に入射した光の光量に応じた信号を出力
する撮像手段53と、撮像手段の撮像面に物体の光学像
を結像する受光光学系50と、計測に先立って、投光光
学系40によって投光し、撮像手段53の出力信号に基
づいて対物間距離情報を得るとともに、得られた対物間
距離情報に基づいて計測条件を設定する予備計測制御手
段と、設定された計測条件で前記物体に対する3次元計
測を実行する本計測制御手段とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体にスリット光
などの光を照射して物体形状を非接触で計測する3次元
計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レンジファインダと呼称される非接触型
の3次元計測装置は、接触型に比べて高速の計測が可能
であることから、CGシステムやCADシステムへのデ
ータ入力、身体計測、ロボットの視覚認識などに利用さ
れている。
【0003】レンジファインダに好適な計測方法として
スリット光投影法(光切断法ともいう)が知られてい
る。この方法は、物体を光学的に走査して3次元画像
(距離画像)を得る方法であり、特定の検出光を照射し
て物体を撮影する能動的計測方法の一種である。3次元
画像は、物体上の複数の部位の3次元位置を示す画素の
集合である。スリット光投影法では、検出光として断面
が直線状のスリット光が用いられる。
【0004】図46はスリット光投影法の概要を示す
図、図47はスリット光投影法による計測の原理を説明
するための図である。計測対象の物体Qに断面が細い帯
状のスリット光Uを照射し、その反射光を例えば2次元
イメージセンサの撮像面S2に入射させる〔図46
(a)〕。物体Qの照射部分が平坦であれば、撮影像
(スリット画像)は直線になる〔図46(b)〕。照射
部分に凹凸があれば、直線が曲がったり階段状になった
りする〔図46(c)〕。つまり、計測装置と物体Qと
の距離の大小が撮像面S2における反射光の入射位置に
反映する〔図46(d)〕。スリット光Uをその幅方向
に偏向することにより、受光側から見える範囲の物体表
面を走査して3次元位置をサンプリングすることができ
る。サンプリング点数はイメージセンサの画素数に依存
する。
【0005】図47において、投光の起点Aと受光系の
レンズの主点Oとを結ぶ基線AOが受光軸と垂直になる
ように、投光系と受光系とが配置されている。受光軸は
撮像面S2に対して垂直である。なお、レンズの主点と
は、有限遠の被写体の像が撮像面S2に結像したとき
の、いわゆる像距離(image distance)bだけ撮像面S
2から離れた受光軸上の点である。像距離bは、受光系
の焦点距離fとピント調整のためのレンズ繰出し量との
和である。
【0006】主点Oを3次元直交座標系の原点とする。
受光軸がZ軸、基線AOがY軸、スリット光の長さ方向
がX軸である。スリット光Uが物体上の点P(X,Y,
Z)を照射したときの投光軸と投光基準面(受光軸と平
行な投光面)との角度をθa、受光角をθpとすると、
点Pの座標Zは次の式で表される。
【0007】 基線長L=L1+L2=Ztanθa+Ztanθp ∴ Z=L/(tanθa+tanθp) なお、受光角θpとは、点Pと主点Oとを結ぶ直線と、
受光軸を含む平面(受光軸平面)とのなす角度である。
【0008】撮像倍率β=b/Z であるので、撮像面
S2の中心と受光画素とのX方向の距離をxp、Y方向
の距離をypとすると〔図47(a)参照〕、点Pの座
標X,Yは、 X=xp/β Y=yp/βとなる。
【0009】角度θaはスリット光Uの偏向の角速度に
よって一義的に決まる。受光角θpはtanθp=b/
ypの関係から算出できる。つまり、撮像面S2上での
位置(xp,yp)を測定することにより、そのときの
角度θaに基づいて点Pの3次元位置を求めることがで
きる。
【0010】図47(c)のように受光系にズームレン
ズ群を設けた場合には、主点Oは後側主点H’となる。
後側主点H’と前側主点Hとの距離をMとすると、点P
の座標Zは次の式で表される。
【0011】 L=L1+L2=Ztanθa+(Z−M)tanθp ∴ Z=(L+Mtanθp)/(tanθa+tan
θp) 以上の原理のスリット光投影法による計測に際して、計
測者はレンジファインダの位置や向きを決め、必要に応
じてズーミング操作を行って物体Qの走査範囲(撮像範
囲)を設定する。このフレーミング作業を容易化する上
で、走査範囲と同じ画角で物体Qを撮影したモニタ画像
は有用である。また、例えば3次元CGでは、物体Qの
形状を示す計測データとともに物体Qのカラー情報を必
要とする場合が多い。
【0012】従来において、計測の自由度を高めるため
に物体との相対位置を可変としたレンジファインダが提
案されている(特開平8−5344号)。従来のレンジ
ファインダは、3次元計測に先立ってAFカメラ用の測
距センサによって対物間距離を測定し、その結果に応じ
て計測条件(計測対象の距離範囲、走査速度)を設定す
るように構成されていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のAFカメラと同
様のパッシブ形式の測距では、特に受光レンズ系の焦点
距離をワイド撮影に適合させたときに、測定の誤差が大
きくなる。このため、計測条件を適切に設定することが
できない場合があるという問題があった。
【0014】本発明は、計測条件を設定するための測距
の精度が高く、適切な計測条件を設定することのできる
3次元計測装置の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】計測用の光学系及び撮像
手段を用いて、アクティブ形式の精密な測距を行い、そ
の結果に基づいて計測条件を設定するように構成する。
【0016】請求項1の発明の3次元計測装置は、計測
対象の物体に光を投射する投光光学系と、撮像面に入射
した光の光量に応じた信号を出力する撮像手段と、前記
撮像手段の撮像面に前記物体の光学像を結像する受光光
学系と、計測に先立って、前記投光光学系によって投光
し、前記撮像手段の出力信号に基づいて対物間距離情報
を得るとともに、得られた対物間距離情報に基づいて計
測条件を設定する予備計測制御手段と、設定された計測
条件で前記物体に対する3次元計測を実行する本計測制
御手段とを備えている。
【0017】請求項2の発明の3次元計測装置は、前記
投光光学系が、投射方向を起点周りに変移させる走査手
段を有し、前記予備計測制御手段が、前記計測条件とし
て前記投射方向の変移範囲である投射角度範囲を設定す
るものである。
【0018】請求項3の発明の3次元計測装置において
は、前記予備計測制御手段は、前記計測条件として前記
撮像手段の出力信号に基づいて前記物体の3次元位置を
演算するためのパラメータを設定する。
【0019】請求項4の発明の3次元計測装置において
は、前記予備計測制御手段は、前記計測条件として前記
投光光学系の投射光強度を設定する
【0020】
【発明の実施の形態】
〔計測システム1の全体構成〕図1は本発明に係る計測
システム1の構成図である。
【0021】計測システム1は、スリット光投影法によ
って立体計測を行う3次元カメラ(レンジファインダ)
2と、3次元カメラ2の出力データを処理するホスト3
とから構成されている。
【0022】3次元カメラ2は、物体Q上の複数のサン
プリング点の3次元位置を特定する計測データ(スリッ
ト画像データ)とともに、物体Qのカラー情報を示す2
次元画像及びキャリブレーションに必要なデータを出力
する。三角測量法を用いてサンプリング点の座標を求め
る演算処理はホスト3が担う。
【0023】ホスト3は、CPU3a、ディスプレイ3
b、キーボード3c、及びマウス3dなどから構成され
たコンピュータシステムである。CPU3aには計測デ
ータ処理のためのソフトウェアが組み込まれている。ホ
スト3と3次元カメラ2との間では、オンライン及び可
搬型の記録メディア4によるオフラインの両方の形態の
データ受渡しが可能である。記録メディア4としては、
光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)、メモ
リカードなどがある。 〔3次元カメラ2の外観構成〕図2は3次元カメラ2の
外観を示す図である。図2(a)は斜視図、図2(b)
は背面に設けられたオペレーションパネルの平面図であ
る。
【0024】ハウジング20の前面に投光窓20a及び
受光窓20bが設けられている。投光窓20aは受光窓
20bに対して上側に位置する。内部の光学ユニットO
Uが射出するスリット光(所定幅wの帯状のレーザビー
ム)Uは、投光窓20aを通って計測対象の物体(被写
体)に向かう。スリット光Uの長さ方向M1の放射角度
φは固定である。物体の表面で反射したスリット光Uの
一部が受光窓20bを通って光学ユニットOUに入射す
る。なお、光学ユニットOUは、投光軸と受光軸との相
対関係を適正化するための2軸調整機構を備えている。
これについては後で詳細に説明する。
【0025】ハウジング20の上面には、ズーミングボ
タン25a,25b、手動フォーカシングボタン26
a,26b、及びレリーズボタン27が設けられてい
る。図2(b)のように、ハウジング20の背面には、
液晶ディスプレイ21、カーソルボタン22、セレクト
ボタン23、キャンセルボタン24、レコードボタン2
8、アンデゥーボタン29、アナログ出力端子31,3
2、デジタル出力端子33、及び記録メディア4の着脱
口30aが設けられている。レコードボタン28はフォ
ーカスロックボタンを兼ねる。
【0026】液晶ディスプレイ21は、操作画面の表示
手段及び電子ファインダとして用いられる。撮影者(計
測のオペレータ)は背面の各ボタン21〜24によって
撮影モードの設定を行うことができる。アナログ出力端
子31からは計測データが出力され、アナログ出力端子
31からは2次元画像信号が例えばNTSC形式で出力
される。デジタル出力端子33は例えばSCSI端子で
ある。 〔3次元カメラ2の制御回路〕図3は3次元カメラ2の
機能構成を示すブロック図である。図中の実線矢印は電
気信号の流れを示し、破線矢印は光の流れを示してい
る。
【0027】3次元カメラ2は、上述の光学ユニットO
Uを構成する投光光学系40及び受光光学系50を有し
ている。投光光学系40において、半導体レーザ(L
D)41が射出する波長690nmのレーザビームは、
投光レンズ系42を通過することによってスリット光U
となり、ガルバノミラー(走査手段)43によってスリ
ット長さ方向と直交する方向に偏向される。半導体レー
ザ41のドライバ44、投光レンズ系42の駆動系4
5、及びガルバノミラー43の駆動系46は、システム
コントローラ61によって制御される。
【0028】受光光学系50において、ズームユニット
51によって集光された光はビームスプリッタ52によ
って分光される。半導体レーザ41の発振波長帯域の光
は、計測用のイメージセンサ53に入射する。可視帯域
の光は、モニタ用のカラーイメージセンサ54に入射す
る。イメージセンサ53及びカラーイメージセンサ54
は、どちらもCCDエリアセンサである。ズームユニッ
ト51は内焦型であり、入射光の一部がオートフォーカ
シング(AF)に利用される。AF機能は、AFセンサ
57とレンズコントローラ58とフォーカシング駆動系
59によって実現される。ズーミング駆動系60は電動
ズーミングのために設けられている。
【0029】イメージセンサ53による撮像情報は、ド
ライバ55からのクロックに同期して出力処理回路62
へ転送される。出力処理回路62によってイメージセン
サ53の各画素毎に対応する計測データDsが生成さ
れ、出力処理回路62内のメモリに一旦格納される。一
方、カラーイメージセンサ54による撮像情報は、ドラ
イバ56からのクロックに同期してカラー処理回路67
へ転送される。カラー処理を受けた撮像情報は、NTS
C変換回路70及びアナログ出力端子32を経てオンラ
イン出力され、又はディジタル画像生成部68で量子化
されてカラー画像メモリ69に格納される。
【0030】出力処理回路62は、計測データDsに基
づいて計測結果を示す距離画像データD21を生成し、
マルチプレクサ72に出力する。マルチプレクサ72
は、システムコントローラ61の指示に従って、距離画
像データD21及びカラー画像メモリ69からのカラー
画像データD22の2つの入力のうちの一方を出力とし
て選択する。マルチプレクサ72によって選択されたデ
ータは、D/A変換器73を経てアナログのモニタ表示
信号としてキャラクタジェネレータ71に転送される。
キャラクタジェネレータ71は、モニタ表示信号が示す
画像とシステムコントローラ61が指定した文字や記号
とを合成し、合成画像を液晶ディスプレイ21へ出力す
る。
【0031】ユーザーがレコードボタン28を操作して
データ出力(録画)を指示すると、出力処理回路62内
の計測データDsが、SCSIコントローラ66又はN
TSC変換回路65によって所定形式でオンライン出力
され、又は記録メディア4に格納される。計測データD
sのオンライン出力には、アナログ出力端子31又はデ
ィジタル出力端子33が用いられる。また、カラー画像
データD22がカラー画像メモリ69からSCSIコン
トローラ66へ転送され、ディジタル出力端子33から
オンライン出力され、又は計測データDsと対応づけて
記録メディア4に格納される。カラー画像は、イメージ
センサ53による距離画像と同一の画角の像であり、ホ
スト3側におけるアプリケーション処理に際して参考情
報として利用される。カラー情報を利用する処理として
は、例えばカメラ視点の異なる複数組の計測データを組
み合わせて3次元形状モデルを生成する処理、3次元形
状モデルの不要の頂点を間引く処理などがある。
【0032】システムコントローラ61は、ブザー75
を駆動して動作確認音又は警告音を発生させる。また、
出力処理回路62に対して、モニタ表示のためのスケー
ル値scを与える。出力処理回路62は、システムコン
トローラ61に対して、後述する3種の警告信号S11
〜13、及び計測データDsの一部である受光データD
gを出力する。 〔3次元カメラ2の投光光学系40の構成〕図4は投光
光学系40の構成を示す模式図である。図4(a)は正
面図であり、図4(b)は側面図である。
【0033】投光レンズ系42は、コリメータレンズ4
21、バリエータレンズ422、及びエキスパンダレン
ズ423の3つのレンズから構成されている。半導体レ
ーザ41が射出したレーザビームに対して、次の順序で
適切なスリット光Uを得るための光学的処理が行われ
る。まず、コリメータレンズ421によってビームが平
行化される。次にバリエータレンズ422によってレー
ザビームのビーム径が調整される。最後にエキスパンダ
レンズ423によってビームがスリット長さ方向M1に
拡げられる。
【0034】バリエータレンズ422は、撮影距離及び
撮影の画角に係わらず、イメージセンサ53に3以上の
複数画素分(本実施例では5画素分)の幅のスリット光
Uを入射させるために設けられている。駆動系45は、
システムコントローラ61の指示に従って、イメージセ
ンサ53上でのスリット光Uの幅wを一定に保つように
バリエータレンズ422を移動させる。バリエータレン
ズ422と受光側のズームユニット51とは連動する。
【0035】ガルバノミラー43による偏向の以前にス
リット長を拡げることにより、偏向の後で行う場合に比
べてスリット光Uの歪みを低減することができる。エキ
スパンダレンズ423を投光レンズ系42の最終段に配
置することにより、すなわちガルバノミラー43に近づ
けることにより、ガルバノミラー43を小型化すること
ができる。 〔3次元カメラ2の受光光学系50の構成〕図5は受光
光学系50のズームユニット51の模式図である。
【0036】ズームユニット51は、前側結像レンズ5
15、バリエータレンズ514、コンペンセータレンズ
513、フォーカシングレンズ512、後側結像レンズ
511、及び入射光の一部をAFセンサ57に導くビー
ムスプリッタ516から構成されている。前側結像レン
ズ515及び後側結像レンズ511は、光軸に対して固
定である。
【0037】フォーカシングレンズ512の移動はフォ
ーカシング駆動系59が担い、バリエータレンズ514
の移動はズーミング駆動系60が担う。フォーカシング
駆動系59は、フォーカシングレンズ512の移動距離
(繰り出し量)を指し示すフォーカシングエンコーダ5
9Aを備えている。ズーミング駆動系60は、バリエー
タレンズ514の移動距離(ズーム刻み値)を指し示す
ズーミングエンコーダ60Aを備えている。
【0038】図6は受光光学系50のビームスプリッタ
52の模式図、図7は計測用のイメージセンサ53の受
光波長を示すグラフ、図8はモニタ用のカラーイメージ
センサ54の受光波長を示すグラフである。
【0039】ビームスプリッタ52は、色分解膜(ダイ
クロックミラー)521、色分解膜521を挟む2つの
プリズム522,523、プリズム522の射出面52
2bに設けられた赤外線カットフィルタ524、イメー
ジセンサ53の前面側に設けられた可視カットフィルタ
525、プリズム523の射出面523bに設けられた
赤外線カットフィルタ526、及びローパスフィルタ5
27,528から構成されている。
【0040】ズームユニット51から入射した光UC
は、ローパスフィルタ527、プリズム522を通って
色分解膜521に入射する。半導体レーザ41の発振帯
域の光U0は色分解膜521で反射し、プリズム522
の入射面522aで反射した後、射出面522bからイ
メージセンサ53に向かって射出する。プリズム522
から射出した光U0の内、赤外線カットフィルタ524
及び可視カットフィルタ525を透過した光がイメージ
センサ53によって受光される。一方、色分解膜521
を透過した光C0は、プリズム523を通って射出面5
23bからカラーイメージセンサ54に向かって射出す
る。プリズム523から射出した光C0の内、赤外線カ
ットフィルタ526及びローパスフィルタ528を透過
した光がカラーイメージセンサ54によって受光され
る。
【0041】図7において、破線で示されるように色分
解膜521は、スリット光の波長(λ:690nm)を
含む比較的に広範囲の波長帯域の光を反射する。つま
り、色分解膜521の波長選択性は、スリット光のみを
選択的にイメージセンサ53に入射させる上で不十分で
ある。しかし、ビームスプリッタ52では、鎖線で示さ
れる特性の赤外線カットフィルタ524と、実線で示さ
れる特性の可視カットフィルタ525とが設けられてい
るので、最終的にイメージセンサ53に入射する光は、
図7において斜線で示される狭い範囲の波長の光であ
る。これにより、環境光の影響の小さい、すなわち光学
的SN比が大きい計測を実現することができる。
【0042】一方、カラーイメージセンサ54には、図
8に実線で示される特性の赤外線カットフィルタ528
によって、破線で示される特性の色分解膜521を透過
した赤外帯域の光が遮断されるので、可視光のみが入射
する。これにより、モニタ画像の色再現性が高まる。
【0043】なお、赤外線カットフィルタ524及び可
視カットフィルタ525の2個のフィルタを用いる代わ
りに、赤外線及び可視光を遮断する特性をもつ1個のフ
ィルタを用いてもよい。赤外線カットフィルタ524及
び可視カットフィルタ525の両方をプリズム522の
側に設けてもよいし、逆に両方のフィルタをイメージセ
ンサ53の側に設けてもよい。図6の例とは逆に、可視
カットフィルタ525をプリズム522の側に設け、赤
外線カットフィルタ524をイメージセンサ53の側に
設けてもよい。 〔3次元カメラ2の光学ユニットOUの2軸調整機構〕
図9は光学ユニットOUの2軸調整機構の概略を説明す
るための斜視図、図10は図9に示す光学ユニットOU
の上側部分を矢印KA方向から見た正面図、図11は図
9に示す光学ユニットOUの上側部分を矢印KB方向か
ら見た右側面図、図12は図9に示す光学ユニットOU
を矢印KC方向から見た下面図、図13は光学ユニット
OUの2軸調整機構の調整方法を説明するための図であ
る。
【0044】図9に示すように、光学ユニットOUは、
投光光学系40と受光光学系50とが、ブラケット21
1,212に取り付けられて構成されている。これら2
つのブラケット211,212は、Y方向軸である第2
回転軸AX2を中心に互いに回転可能に連結されてい
る。投光光学系40は、ブラケット211に対して、Z
方向軸である第1回転軸AX1を中心に回転可能に取り
付けられている。受光光学系50はブラケット212に
固定されている。第1回転軸AX1は受光光学系50の
受光軸AX3と平行となるように調整される。
【0045】図9〜図12に示すように、各ブラケット
211,212は、その側面視が略L字形を呈してお
り、それぞれ水平板部211a,212aの外面が互い
に接触した状態で回転可能である。すなわち、水平板部
212aに設けられた穴215にはカラー216が回転
可能に嵌め込まれ、そのカラー216はボルト217に
よって水平板部211aに固定されている。ボルト21
7は、頭部にネジ穴が設けられており、図示しない有底
筒状のキャップが頭部に被せられた後、そのキャップの
中央に設けられた穴を貫通して頭部のネジ穴に螺合する
ボルトによって固定され、これによってボルト217の
頭部が覆われている。なお、ボルト217の頭部には回
転係合用の溝が設けられている。
【0046】水平板部212aの突出端部218に設け
られたネジ穴には、回転角度位置を調整するための調整
ボルト219が螺合している。調整ボルト219の先端
部は、水平板部211aにボルト221により取り付け
られたカラー222の周面に当接する。そのボルト22
1と水平板部212aに取り付けられたボルト223と
の間には引張りバネ224が装着されており、これによ
って、水平板部211a,212aの間において、調整
ボルト219の先端部がカラー222に当接する方向に
互いに付勢されている。したがって、調整ボルト219
を回転させてその軸方向位置を調整することにより、第
2回転軸AX2を中心としてブラケット211とブラケ
ット212との相対的な回転角度位置が調整される。調
整ボルト219の調整後は、調整ボルト219をロック
ナット220で固定するとともに、水平板部212aに
設けられた3つの長穴225を貫通して水平板部211
aのネジ穴に螺合する3つのボルト226を締めること
によって、両水平板部211a,212a間を固定す
る。
【0047】投光光学系40のハウジングの背面部には
軸部材231が取り付けられており、この軸部材231
が、ブラケット211の垂直板部に第1回転軸AX1を
中心に設けられた軸穴232に回転可能に嵌め込まれて
いる。第1回転軸AX1を中心とする投光光学系40の
回転角度位置を調整した後、投光光学系40のハウジン
グに設けられた穴を貫通してブラケット211に設けら
れたネジ穴に螺合する図示しない複数のボルトを締める
ことによって、投光光学系40がブラケット211に固
定される。ブラケット212には取付け板213がボル
トで固定されており、取付け板213が光学ユニットO
Uのケーシングに取り付けられている。なお、投光光学
系40における投光の起点Aと受光光学系50のレンズ
の主点O(後側主点H’)とを結ぶ基線AOは、受光軸
AX3と垂直である。撮像面S2は屈折した受光軸AX
3に対して垂直である。
【0048】次に、第1回転軸AX1及び第2回転軸A
X2の調整方法について説明する。図13(A)に示す
スクリーンSCRは、受光軸AX3上の前方において受
光軸AX3と垂直に配置されている。まず、投光光学系
40からスクリーンSCR上に投影されたスリット光U
について、スリット光Uを走査したときに、走査の前後
におけるスリット光Uの左右の移動距離AL1,AL2
が互いに同一となるように、第2回転軸AX2に対する
ブラケット211とブラケット212との相対位置を調
整する。次に、図13(B)に示す撮像面S2上に受光
されるスリット光Uについて、その左右の位置BL1,
BL2が互いに同一となるように、つまりスリット光U
が撮像面S2のX軸と平行になるように、第1回転軸A
X1を調整する。これらの調整を何回か繰り返す。
【0049】これらの調整によって、第1回転軸AX1
が受光軸AX3と平行となり、スリット光Uの走査方向
(偏向方向)が第2回転軸AX2の方向と一致する。し
たがって、投光光学系40と受光光学系50との位置関
係の誤差がなくなり、その補正を行わなくても精度のよ
い計測を行うことができる。また、より良い精度を得る
ために補正を行う場合でも、ズームユニット51におい
てズーミングを行ってもその補正値を変更する必要がな
い。したがって、補正のための演算処理が不要又は最小
限でよく、計測に係わる処理時間が極めて短くなる。 〔計測システム1における3次元位置の計測〕図14は
計測システム1における3次元位置の算出の原理図であ
る。
【0050】イメージセンサ53の撮像面S2上で複数
画素分となる比較的に幅の広いスリット光Uを物体Qに
照射する。具体的にはスリット光Uの幅を5画素分とす
る。スリット光Uは、サンプリング周期毎に撮像面S2
上で1画素ピッチpvだけ移動するように上から下に向
かって偏向され、それによって物体Qが走査される。サ
ンプリング周期毎にイメージセンサ53から1フレーム
分の光電変換情報が出力される。
【0051】撮像面S2の1つの画素gに注目すると、
走査中に行うN回のサンプリングの内の5回のサンプリ
ングにおいて有効な受光データが得られる。これら5回
分の受光データに対する補間演算によって注目画素gが
にらむ範囲の物体表面agをスリット光Uの光軸が通過
するタイミング(時間重心Npeak:注目画素gの受
光量が最大となる時刻)を求める。図14(b)の例で
は、n回目とその1つ前の(n−1)回目の間のタイミ
ングで受光量が最大である。求めたタイミングにおける
スリット光の投射方向と、注目画素gに対するスリット
光の入射方向との関係に基づいて、物体Qの位置(座
標)を算出する。これにより、撮像面の画素ピッチpv
で規定される分解能より高い分解能の計測が可能とな
る。
【0052】注目画素gの受光量は物体Qの反射率に依
存する。しかし、5回のサンプリングの各受光量の相対
比は受光の絶対量に係わらず一定である。つまり、物体
色の濃淡は計測精度に影響しない。
【0053】本実施形態の計測システム1では、3次元
カメラ2がイメージセンサ53の画素g毎に5回分の受
光データを計測データとしてホスト3に出力し、ホスト
3が計測データに基づいて物体Qの座標を算出する。3
次元カメラ2における各画素gに対応した計測データの
生成は、出力処理回路62が担う。 〔3次元位置の算出のための出力処理回路62の構成〕
図15は出力処理回路62のブロック図、図16はイメ
ージセンサ53の読出し範囲を示す図である。
【0054】出力処理回路62は、クロック信号CKを
出力するクロック発生回路620、イメージセンサ53
の出力する光電変換信号のレベルを最適化するための増
幅器621、クロック信号CKに同期して各画素gの光
電変換信号を8ビットの受光データDgに変換するAD
変換器622、直列接続された4つのフレームディレイ
メモリ623〜626、コンパレータ627、フレーム
番号(サンプリング番号)FNを指し示すジェネレータ
628、マルチプレクサ629、6個のメモリ630A
〜630F、警告判別回路631、スケール発生回路6
32、及び画像合成回路633を有している。増幅器6
21のゲインは可変であり、システムコントローラ61
によって適切な値に設定される。4つのフレームディレ
イメモリ623〜626は、イメージセンサ53の各画
素gについて5フレーム分の受光データDgを同時にメ
モリ630A〜Eに出力するために設けられている。
【0055】メモリ630A〜630Eは、有効な5回
分の受光データDgを記憶するために設けられており、
それぞれが計測のサンプリング点数(つまり、イメージ
センサ53の有効画素数)と同数個の受光データDgを
記憶可能な容量をもつ。メモリ630Fは、画素g毎に
特定のフレーム番号FNを記憶するために設けられてお
り、サンプリング点数と同数個のフレーム番号FNを記
憶可能な容量をもつ。メモリ630B〜630Fには、
書込み信号としてコンパレータ627の出力信号S62
7が共通に加えられる。これに対して、メモリ630A
には、出力信号S627とクロック信号CKの2つの信
号のうち、マルチプレクサ629によって選択された一
方の信号が書込み信号として加えられる。クロック信号
CKは予備計測において書込み信号として選択される。
つまり、予備計測ではAD変換器622の変換動作と同
期してメモリ630Aの書込みが行われる。
【0056】予備計測に続いて行われる計測(これを本
計測と呼称する)において、イメージセンサ53におけ
る1フレームの読出しは、撮像面S2の全体ではなく、
高速化を図るために図16のように撮像面S2の一部の
有効受光エリア(帯状画像)Aeのみを対象に行われ
る。有効受光エリアAeはスリット光Uの偏向に伴って
フレーム毎に1画素分だけシフトする。本実施形態で
は、有効受光エリアAeのシフト方向の画素数は32に
固定されている。この32画素分の幅が計測対象となる
距離範囲(計測可能範囲)に対応する。CCDエリアセ
ンサの撮影像の一部のみを読み出す手法は、特開平7−
174536号公報に開示されている。
【0057】AD変換器622は、1フレーム毎に32
ライン分の受光データDgを画素gの配列順にシリアル
に出力する。各フレームディレイメモリ623〜626
は、31(=32−1)ライン分の容量をもつFIFO
メモリ(ファーストインファーストアウトメモリ)であ
る。AD変換器622から出力された注目画素gの受光
データDgは、2フレーム分だけ遅延された時点で、コ
ンパレータ626によって、メモリ630Cが記憶する
注目画素gについての過去の受光データDgの最大値と
比較される。遅延された受光データDg(フレームディ
レイメモリ624の出力)が過去の最大値より大きい場
合に、その時点のAD変換器622の出力及び各フレー
ムディレイメモリ623〜626の出力が、メモリ63
0A〜630Eにそれぞれ格納され、メモリ630A〜
Eの記憶内容が書換えられる。これと同時にメモリ63
0Fには、メモリ630Cに格納する受光データDgに
対応したフレーム番号FNが格納される。ただし、ここ
でのフレーム番号FNは、撮像面S2の全体における通
しのライン番号(Y方向の画素番号)ではなく、上述し
た32画素幅の有効受光エリアAe内でのライン番号で
あり、0〜31の範囲の値をとる。32ライン分ずつの
読出しの順位(すなわち注目画素gのY方向の位置)と
フレーム番号FNとにより、撮像面S2の全体における
ライン番号を特定することができる。
【0058】n番目のラインで注目画素gの受光量が最
大になった場合には、メモリ630Aに(n+2)番目
のラインのデータが格納され、メモリ630Bに(n+
1)番目のフレームのデータが格納され、メモリ630
Cにn番目のフレームのデータが格納され、メモリ63
0Dに(n−1)番目のフレームのデータが格納され、
メモリ630Eに(n−2)番目のフレームのデータが
格納され、メモリ630Fにnが格納される。本計測の
結果としてホスト3へ送られる上述の計測データDs
は、メモリ630A〜Eに格納された受光データDgと
メモリ630Fに格納されたフレーム番号FNとを合わ
せたデータである。
【0059】警告判別回路631、スケール発生回路6
32、及び画像合成回路633は、計測結果のモニタ表
示(プレビュー)のための回路である。警告判別回路6
31には、メモリ630Cからの受光データDg、メモ
リ630Fからのフレーム番号FN、及びシステムコン
トローラ61からのスケール値scが入力される。警告
判別回路631は、3種の入力の値の組合せに応じて、
計測結果である3次元形状を無彩色の濃淡(グレースケ
ール)で表した距離画像データD21と、3種の警告信
号S11〜13を出力する。距離画像データD21は、
具体的には、画像の各画素の表示色を規定するR,G,
Bの3色の輝度データである。スケール発生回路632
は、距離画像の濃淡と対物間距離との関係を示す帯状の
グラデーション画像(スケールバー)90を生成する。
画像合成回路633は、距離画像データD21にスケー
ルバー90の表示データを組み入れる。 〔3次元位置の計測結果のプレビュー表示〕図17は警
告判別回路631のブロック図、図18は警告判別回路
631の入力と出力との関係を表形式で示す図である。
【0060】警告判別回路631は、2個のコンパレー
タ6311,6312とルックアップテーブル(LU
T)6313とから構成されている。コンパレータ63
11,6312には、メモリ630Cから有効画素数の
受光データDgが画素毎にシリアルに入力される。一方
のコンパレータ6311は、注目画素の最大受光量を示
す受光データDgの値が許容受光量の下限値である閾値
thBより小さいときに、低輝度検出信号SLを出力す
る。他方のコンパレータ6312は、受光データDgの
値が許容受光量の上限値である閾値thAを越えたとき
に、オーバーフロー警告信号S13を出力する。LUT
6313は、フレーム番号FN、スケール値sc、低輝
度検出信号SL、及びオーバーフロー警告信号S13の
値の組合せに応じて、距離画像データD21、近接警告
信号S11、及び遠方警告信号S12を出力する。
【0061】スケール値scは、有効受光エリアAeの
幅で規定される計測可能範囲内の計測基準面の位置を示
し、0〜31の値をとる。スケール値scのデフォルト
値は16である。なお、本計測では、計測基準面の位置
をほぼ中央とする計測可能範囲が設定される。フレーム
番号FNは、計測可能範囲内における物体位置(厳密に
は注目画素に対応したサンプリング点の位置)を示す。
基本的には距離画像データD21は、このフレーム番号
FNをそのままグレースケール変換したデータである。
すなわち、グレースケールにおけるR,G,Bの輝度Y
r,Yg,Ybは8×(FN−sc+16)である。た
だし、本実施形態においては、計測結果の良否を視覚的
に容易に理解できるように、特定の画素についてカラー
表示による強調が行われる。
【0062】図18のように、低輝度検出信号SLがア
クティブ(オン)であれば、その画素の表示色はブラッ
クである。つまり、表示画面のうち、物体の反射率が極
端に小さい画素及び計測可能範囲外の画素はブラックで
表示される。オーバーフロー警告信号S13がオンであ
れば、正確に時間重心Npeakを算出することができ
ないことをユーザーに知らせるため、その画素はレッド
で表示される。計測基準面と物体との位置関係の理解を
助けるため、フレーム番号FNがスケール値scと等し
い画素はシアンで表示される。そして、計測可能範囲の
近接側の端縁に対応した画像がグリーンで表示され、遠
方側の端縁に対応した画像はブルーで表示される。この
ような色分け表示により、ユーザーは物体の所望部分が
正しく計測されているかを容易に確認することができ
る。 〔3次元位置の計測手順〕次に、3次元カメラ2及びホ
スト3の動作を計測の手順と合わせて説明する。計測に
用いられるイメージセンサ53の撮像面S2の有効画素
数(サンプリング点数)は244×256、すなわち1
フレームは244×256画素であり、244回のサン
プリングにより244フレームのデータが得られる。し
たがって、実質的なフレーム数Nは244であり、撮像
面S2におけるスリット長さ方向の画素数は256であ
る。
【0063】ユーザーは、液晶ディスプレイ21が表示
するカラー画像を見ながら、カメラ位置と向きとを決め
て画角を設定する。その際、必要に応じてズーミング操
作を行う。3次元カメラ2ではカラーイメージセンサ5
4に対する絞り調整は行われず、電子シャッタ機能によ
り露出制御されたカラーモニタ像が表示される。これ
は、絞りを開放状態とすることによってイメージセンサ
53の入射光量をできるだけ多くするためである。
【0064】図19は3次元カメラ2におけるデータの
流れを示す図、図20はホスト3におけるデータの流れ
を示す図、図21は投光光学系40及び受光光学系50
の各点と物体Qとの位置関係を示す図である。
【0065】ユーザーによる画角選択操作(ズーミン
グ)に応じて、ズームユニット51のバリエータレンズ
514が移動するとともにフォーカシングレンズ512
の移動によるフォーカシングが行われる。フォーカシン
グの過程でおおよその対物間距離d0 が測定される。こ
のような受光系のレンズ駆動に呼応して、投光側のバリ
エータレンズ422の移動量が演算により算出され、算
出結果に基づいてバリエータレンズ422の移動制御が
行われる。投光側のレンズ制御は、撮影距離及び画角に
係わらず、イメージセンサ53に5画素分の幅のスリッ
ト光Uを入射させるためのものである。
【0066】システムコントローラ61は、レンズコン
トローラ58を介して、フォーカシング駆動系59のエ
ンコーダ出力(繰り出し量Ed)及びズーミング駆動系
60のエンコーダ出力(ズーム刻み値fp)を読み込
む。システムコントローラ61の内部において、歪曲収
差テーブルT1、主点位置テーブルT2、及び像距離テ
ーブルT3が参照され、繰り出し量Ed及びズーム刻み
値fpに対応した撮影条件データがホスト3へ出力され
る。ここでの撮影条件データは、歪曲収差パラメータ
(レンズ歪み補正係数d1,d2)、前側主点位置F
H、及び像距離bである。前側主点位置FHは、ズーム
ユニット51の前側端点Fと前側主点Hとの距離で表さ
れる(図47参照)。前側端点Fは固定であるので、前
側主点位置FHにより前側主点Hを特定することができ
る。
【0067】また、システムコントローラ61は、特定
の方向にスリット光Uを投射して計測環境を測定する予
備計測を実行し、予備計測で得られた撮影情報に基づい
て三角測量法により対物間距離dを求め、その対物間距
離dに基づいて、繰り出し量Edを再設定するとともに
レンズ駆動を行い、本計測の動作設定をする。設定項目
には、半導体レーザ41の出力(レーザ光強度)、スリ
ット光Uの偏向条件(投射角度範囲を特定する投射開始
角及び投射終了角、偏向角速度)などがある。
【0068】予備計測に際しては、おおよその対物間距
離d0 に平面物体が存在するものとして、撮像面S2の
中央に反射光が入射するように投射角を設定する。半導
体レーザ41をパルス点灯して受光量を測定し、受光量
が適正になるように投射強度を調整する。このとき、人
体への安全と半導体レーザ41の定格とを考慮した許容
上限値に投射強度を設定しても必要な受光量が得られな
い場合には、計測を中止し、その旨の警告メッセージを
表示するとともに警告音を発する。対物間距離dの算定
においては、測距基準点である受光系の前側主点Hと投
光の起点AとのZ方向のオフセットdoffを考慮す
る。偏向条件の算定に際しては、走査方向の端部におい
ても中央部と同様の計測可能範囲d’を確保するため、
所定量(例えば8画素分)のオーバースキャンを行うよ
うにする。投射開始角th1、投射終了角th2、偏向
角速度ωは、次の(1)式、(2)式、(3)式で表さ
れる。
【0069】
【数1】
【0070】このようにして算出された条件で本計測が
行われる。物体Qが走査され、出力処理回路52によっ
て1画素当たり5フレーム分の計測データDsが生成さ
れる。そして、上述したように距離画像のモニタ表示が
行われる。3次元カメラ2は、再計測の便宜を図るため
のプレビュー機能(詳細は後述)を有している。ユーザ
ーはモニタ表示を見た上で、必要に応じて再計測を指示
する。再計測モードにおいてユーザーが計測条件を変更
すると、新たな計測条件に対応した仮想の距離画像が前
回の計測時の計測データDsに基づいて生成され、プレ
ビュー画像として表示される。条件変更操作に呼応して
プレビュー画像がリアルタイムで表示されるので、ユー
ザーは計測条件の最適化を効率的に進めることができ
る。ユーザーが条件変更の終了を入力すると、再計測が
行われて新たな計測データDsが生成される。
【0071】ユーザーがレコードボタン28をオンする
と、計測データDsがホスト3へ送られる。同時に、偏
向条件(偏向制御データD43)及びイメージセンサ5
3の仕様などを示す装置情報D10も、ホスト3へ送ら
れる。表1は3次元カメラ2がホスト3へ送る主なデー
タをまとめたものである。
【0072】
【表1】
【0073】投射開始角th1及び投射終了角th2の
設定に際して、上述の(1)式、(2)式に代えて次の
(1’)式、(2’)式を適用すれば、測定可能距離範
囲を光軸方向にシフトさせることができる。
【0074】
【数2】
【0075】後述のように対物間距離の算定の基準位置
を物体の近接位置(3次元カメラ2側)に設定し、その
前後に計測可能範囲d’を設定すると、前側(3次元カ
メラ2側)の計測可能範囲が無駄になることが多い。し
たがって、シフト量pitchoffを設定して、前側
25%、後側75%の割合になるように計測可能範囲
d’を後側へシフトさせるのが望ましい。
【0076】本実施形態のように有効受光エリアAeが
32画素幅である場合(つまり、CCDエリアセンサが
32ラインの読出し幅をもつ場合)、シフト量pitc
hoffを「8」とすれば、上述の割合の計測可能範囲
が設定される。シフト後の会則可能範囲d’’は図22
(c)に示す範囲となる。
【0077】図20のように、ホスト3においては、ス
リット重心演算、歪曲収差の補正演算、カメラ視線方程
式の演算、スリット面方程式の演算、及び3次元位置演
算が実行され、それによって244×256個のサンプ
リング点の3次元位置(座標X,Y,Z)が算定され
る。サンプリング点はカメラ視線(サンプリング点と前
側主点Hとを結ぶ直線)とスリット面(サンプリング点
を照射するスリット光Uの光軸面)との交点である。
【0078】スリット光Uの時間重心Npeak(図1
4参照)は、各サンプリング時の受光データDg(i)
を用いて(4)式、又は(4’)式で与えられる。
【0079】
【数3】
【0080】5つの受光データの内の最小のデータmi
nDg(i)を差し引いて加重平均を求めることによ
り、環境光の影響を軽減することができる。カメラ視線
方程式は(5)式及び(6)式である。
【0081】
【数4】
【0082】スリット面方程式は(7)式である。
【0083】
【数5】
【0084】幾何収差は画角に依存する。歪はほぼ中心
画素を中心として対象に生じる。したがって、歪み量は
中心画素からの距離の関数で表される。ここでは、距離
の3次関数で近似する。2次の補正係数をd1、3次の
補正係数をd2とする。補正後の画素位置u’,v’は
(8)式及び(9)式で与えられる。
【0085】
【数6】
【0086】上述の(5)式及び(6)式において、u
に代えてu’を代入し、vに代えてv’を代入すること
により、歪曲収差を考慮した3次元位置を求めることが
できる。なお、キャリブレーションについては、電子情
報通信学会研究会資料PRU91−113[カメラの位
置決めのいらない画像の幾何学的補正]小野寺・金谷、
電子情報通信学会論文誌D-II vol.J74−D−II No.
9 pp.1227-1235,'91/9[光学系の3次元モデルに基づく
レンジファインダの高精度キャリブレーション法]植芝
・吉見・大島、などに詳しい開示がある。 〔3次元位置の計測における予備計測〕以下、3次元カ
メラ2の自動設定機能について説明する。
【0087】3次元カメラ2は、予備計測の結果に基づ
いて本計測の条件(投射角度範囲及びレーザ光強度)を
設定する。予備計測では、本計測とは違ってスリット光
Uの偏向は行われず、一方向のみにスリット光Uが投射
される。投射方向はズーミング状態、及び別途に設けら
れたパッシブ型測距センサの出力に応じて選定される。
投射は、短期間内に断続的に計3回行われ、その際に投
射毎にレーザ光強度(投射光強度)が大きい値から小さ
い値へ変更される。つまり、強度A,B,C(A>B>
C)の3種のスリット光Uによる計測が行われる。各強
度A〜Cのスリット光Uの投射時にイメージセンサ53
によって得られた撮影情報は、メモリ630Aに一旦格
納された後、所定の演算に用いられる。メモリ630A
からの撮影情報(受光データDg)の読出しは、撮像面
S2の全体ではなく一部分のみを対象に行われる。この
ように本実施形態においては、投射方向及び撮影情報の
読出し範囲を限定することによって予備計測の所要時間
の短縮が図られており、強度の異なる3種のスリット光
Uを投射することによって信頼性が高められている。
【0088】図23は予備計測時のサンプリングの範囲
を示す図である。予備計測においては、イメージセンサ
53の撮像面S2を構成する244×255個の画素の
うち、5つのラインv1〜v5の画素がサンプリングの
対象となる。各ラインv1〜v5は、Y方向(スリット
光の偏向方向)の一端から他端までの画素列であり、X
方向の中央付近でほぼ等間隔に並んでいる。各ラインv
1,v2,v3,v5,v5のX方向の座標(画素番
号)は、順に110,120,128,140,150
であり、AFセンサ57の測距エリアA57の範囲内の
値に選定されている。一般に、計測に際しては計測対象
物体の真正面に3次元カメラ2が配置されるので、でき
るだけ少ないサンプリング点数で有効な情報を得ようと
する場合、撮像面S2の中央付近がサンプリング点とし
て好適である。
【0089】図24はスリット画像GSとサンプリング
点との関係を示す図である。例えば物体Qが球である場
合には曲線状のスリット画像GSが撮影される。予備計
測における最初の投射時には、各ラインv1〜v5につ
いて全ての画素のデータがメモリ630Aから読み出さ
れ、スリット画像GSに対応した画素のY方向の座標
(スリット画像位置)が検出される。図24(a)中の
黒丸はスリット画像位置を示している。これに対して、
2回目及び3回目の投射時には、既にスリット画像位置
が検出されているので、時間を節約するために、各ライ
ンv1〜v5についてスリット画像位置及びその両側の
画素gを合わせた3個の画素gのデータのみがメモリ6
30Aから読み出される。図24(b)中の斜線を付し
た画素gがスリット画像位置に対応する。
【0090】図25は予備計測テーブルT5のデータ内
容の模式図である。予備計測テーブルT5は、システム
コントローラ61に内蔵されている図示しないRAMに
設けられる。上述の各強度A〜Cのスリット光Uを投射
したときの受光データDg及びそれに基づいて得られた
所定のデータ(スリット画像位置など)が予備計測デー
タとしてラインv1〜v5毎に格納される。
【0091】図26は投射光強度と受光量との関係の代
表例を示すグラフである。図26(a)の例では、強度
A〜Cにおける受光レベルは飽和レベル(受光のダイナ
ミックレンジの上限)より低い。図26(b)の例では
強度Aにおいて受光が飽和している。
【0092】受光レベルが非飽和の範囲内であり且つ環
境光や信号ノイズの影響がなければ、強度A〜Cと受光
データDgとの間に比例関係が成立する。したがって、
各強度A〜Cの受光データDgの値から、任意の投射光
強度における受光レベルを推測することができる。言い
換えれば、最適の受光レベルの得られる投射光強度を演
算で求めることができる。強度A〜Cの大小関係と受光
データDgの大小関係とが一致しない場合は、受光デー
タDgの信頼性に問題がある。上述の予備計測テーブル
T5には、各ラインv1〜v5のデータの適否判別の結
果も格納される。
【0093】システムコントローラ61は、5つのライ
ンv1〜v5の中から後述の要領で選択したラインのス
リット画像位置に基づいて三角測量法によって対物間距
離を求め、本計測のレンズ位置条件を設定する。これに
より計測可能範囲が定まる。その後、システムコントロ
ーラ61は、5つのラインv1〜v5のうち、計測可能
範囲内のラインの予備計測データに基づいて、本計測の
投射光強度を最適化する。
【0094】図22は投射光強度を最適化の手順を説明
するための図、図27は図22に対応した最適強度を示
すグラフである。図22(a)において、背景面SBの
前面側に立方体状の物体Qが置かれている。図22
(b)は物体Qに向かってスリット光Uを投射したとき
のスリット画像GSを示している。撮像面S2の各ライ
ンv1〜v5のスリット画像位置をP1〜5とする。図
22(c)は、各スリット画像位置P1〜P5と物体Q
との位置関係を示す平面図である。図22(b)及び
(c)のように、スリット画像位置P2,P3が物体Q
に対応し、他の3つのスリット画像位置P1,P4,P
5は背景面SBに対応する。
【0095】ここでは、スリット画像位置P3が対物間
距離の算定の基準位置(ピントを合わせる位置)である
ものとする。黒丸を囲む○印が基準位置であることを表
している。基準位置の選定によって計測可能範囲d’が
決まる。図22(c)のように、スリット画像位置P
2,P3は計測可能範囲d’の内側であるが、他の3つ
のスリット画像位置P1,P4,P5は、計測可能範囲
d’の外側であって本計測時には撮影されない。図中の
×印は、本計測の対象外であることを表している。本計
測の投射光強度は、本計測時の撮影対象に対応したスリ
ット画像位置P2,P3を含むラインv2,v3の予備
計測データに基づいて設定される。
【0096】図27のように、各強度A〜Cにおけるラ
インv2,v3の受光量の実測値から、各スリット画像
位置P2,P3について最適レベルが得られる投射光強
度を求める。そして、求めた2つの投射光強度のうち、
値の小さい方を本計測の設定値として採用する。計測可
能範囲d’の内側のスリット画像位置が3以上であれ
ば、それらについて求めた最適の投射光強度のうちの最
小値を採用する。最小値を採用するのは、受光の飽和を
避けるためである。 〔3次元計測におけるプレビュー機能〕図28はプレビ
ュー機能を説明するための計測例を示す図、図29は計
測条件の変更例を示す図、図30は図29に対応したモ
ニタ表示の内容を示す図である。
【0097】ここでは、計測対象の物体Qを鳥の置物と
し、鳥の顔面に対する真正面の位置から計測を行うもの
とする。図28のように、鳥の胴の前面側に高輝度部分
qが存在する。図29(a)は最初の計測時の計測可能
範囲d’の設定状態を示し、図29(b)は再計測時の
計測可能範囲d’の設定状態を示している。図30
(a)は図29(a)に対応し、図30(b)は図29
(b)に対応する。
【0098】最初の計測が終了した段階で、液晶ディス
プレイ21の画面には距離画像G1、スケールバー9
0、計測基準位置e1の対物間距離(単位はmm)を表
す数値z1、計測可能範囲d’の両端縁e2,e3の対
物間距離を表す数値z2,z3、スケールバー90にお
ける計測基準位置e1に対応した表示輝度を示す矢印Z
4、及び投射光強度の設定値を表す数値z5が表示され
る。なお、実際には、図30(a)及び(b)中の斜線
部分はブラックで表示され、白抜き部分は図18で説明
したように計測値に応じた濃度(明暗)の無彩色で表示
される。通常、白抜き部分の全域が同一濃度となること
はほとんどない。
【0099】図29(a)においては、計測基準位置e
1が鳥の頭の中央付近に設定されており、くちばしの先
端が計測可能範囲d’より近接側にはみ出ている。この
ことは、図30(a)の距離画像G1において、計測可
能範囲d’の近接側端縁e2に対応したグリーンの部分
(連続的又は断続的な線状の画素群)E2が存在するこ
とから判る。また、距離画像G1は、遠方側端縁e3に
対応したブルーの部分E3と、高輝度部分qに対応した
レッドの部分Eqとを含んでいる。
【0100】ここで、ユーザーが図29(b)のように
計測可能範囲d’を以前より近接側にシフトしたとす
る。操作としては、下向きのカーソルボタン22(図2
参照)を必要回数だけ押せばよい。カーソルボタン22
を押す毎に、矢印z4は表示画面の下方側に移動し、数
値Z1が更新される。そして、この条件変更操作に呼応
してモニタ画像がリアルタイムで書換えられる。図29
(b)の状態では、くちばしの全体が計測可能範囲d’
の内側に入っている。このことは、図30(b)のプレ
ビュー画像G1’の中に近接警告を意味するグリーンの
部分がないことから判る。なお、プレビュー画像G1’
は前回の計測データDgに基づいて生成されるので、距
離画像G1で欠けているくちばしは実際には計測されて
いないことから、プレビュー画像G1’においてその部
分はブラックで表示される。また、計測可能範囲d’の
変更に伴って、新たに計測可能範囲外となった部分もブ
ラックで表示される。 〔メイン制御フロー〕図31は3次元カメラ2の計測動
作の制御手順を示すフローチャートである。
【0101】レコードボタン28のフォーカスロック操
作に呼応してアクティブ形式の予備計測を行う(#1
1、#12)。測定した対物間距離dが仕様で定められ
た撮影距離範囲から外れている場合には、エラー処理を
実行する(#13、#23)。エラー処理では、液晶デ
ィスプレイ21により所定のメッセージを表示するとと
もにブザー75を鳴らす。対物間距離dが撮影距離範囲
内であれば、その後のレリーズ操作に呼応して計測デー
タDsを得るための撮影処理を行う(#14、#1
5)。一方、フォーカスロック操作が行われずにレリー
ズ操作が行われた場合も、予備計測を行って対物間距離
dの適否を判断する(#20〜#22)。対物間距離d
及び受光光量が適正であれば「本計測」に進み、不適正
であればエラー処理を行う(#15、#23)。
【0102】撮影が終了した後、アンドゥーボタン29
によるアンドゥー操作が行われた場合は、「再計測処
理」を実行する(#16、#19)。レコードボタン2
8のレコード操作が行われた場合は、計測データDsを
ホスト3又は記憶媒体4へ出力する録画処理を実行する
(#17、#18)。本計測ルーチン(#15)で図3
0(a)の表示が行われており、操作者は測定できなか
った部分を確認して、その撮影結果を採用するか、再計
測を行うかを選択できる。 〔予備計測処理〕以下に図31のフローチャートにおけ
る#12、#21の「予備計測」の具体的手順をフロー
チャートを参照して詳しく説明する。
【0103】図32はシステムコントローラ61が実行
する「予備計測」のフローチャートである。システムコ
ントローラ61は、スリット光Uの投射方向を決める
「予備計測条件の設定」(#10)、スリット光Uを投
射しないときの環境情報を得る「環境光画像の撮影」
(#20)、3段階の強度A〜Cのスリット光Uを投射
して環境情報を得る「スリット画像の撮影」(#3
0)、予備計測の信頼性を高めるための「撮影情報の適
否判別」(#40)、対物間距離を求める「距離演算」
(#50)、及び予備計測の結果に応じた動作設定をす
る「本計測条件の設定」(#60)、の各処理を順に実
行する。
【0104】図33は図32の「予備計測条件の設定」
のフローチャートである。まず、その時点のズーム段階
zoomに応じて、上述の3段階の強度A,B,Cのそ
れぞれの値を設定する(#100)。ズーム段階zoo
mの段数は例えば9であり、ズーム刻み値fpによって
特定される。強度A,B,Cを可変とすることにより、
有効な測距結果を容易に得ることができる。
【0105】次にズーミング状態をチェックする(#1
01)。ズーム段階zoomが4以上であるテレ状態の
場合には、AFセンサ57によるパッシブ形式の測距の
精度が比較的に高いので、その測距結果を用いることが
できる。したがって、ズーム段階zoomと繰り出し量
Edとから、前側主点位置FH、実効焦点距離Frea
l、及び対物間距離d0 を算出し(#102、#10
3)、その後に受光軸と物体面との交点にスリット光U
が入射するような投射角度を算出する(#104)。そ
して、算出した投射角度に対応した回転角度位置にガル
バノミラー43をセットする(#105)。
【0106】一方、ワイド状態の場合には、パッシブ形
式の測距の精度が低いものの、受光系の視野が広いの
で、遠近の2通り程度の投射方向の切換えを行えば、物
体で反射したスリット光Uを受光することができる。そ
こで、前側主点位置FH及び実効焦点距離Frealと
してズーム段階zoomに応じた固定値を設定した後、
繰り出し量Edに応じた既定の角度を投射角度とする
(#106〜#109)。そして、テレ状態の場合と同
様に投射角度に対応した回転角度位置にガルバノミラー
43をセットする(#105)。
【0107】図34は図32の「環境光画像の撮影」の
フローチャートである。撮影モードを予備計測のための
モードに切り換える(#201)。すなわち、イメージ
センサ53については、撮像面S2の全画素の光電変換
信号を読み出すモードとし、メモリ630Aの書込み信
号がクロック信号CKとなるように出力処理回路62の
マルチプレクサ629の入力選択をする。これにより、
撮影毎にイメージセンサ53の1画面分(撮像面S2の
全域)の撮影情報がメモリ630Aに格納される。
【0108】出力処理回路62の増幅器621のゲイン
を初期値の「1」とし(#202)、イメージセンサ5
3を制御するCCD駆動処理を行う(#203)。具体
的には、ドライバ55に対して積分(電荷蓄積)の開始
及び終了を指示する。続いて、撮影情報(受光データD
g)をメモリ630Aに格納するデータ転送処理を行い
(#204)、メモリ630Aから上述した5本のライ
ンv1〜v5の受光データDgを読み込む(#20
5)。
【0109】図35は図32の「スリット画像の撮影」
のフローチャートである。このルーチンおいて、半導体
レーザ41をパルス点灯させて計3回の撮影を行う。図
24で説明したように1回目の撮影情報はスリット画像
位置を検出する上で特に重要である。レーザ光強度(投
射光強度)が大きいほどノイズの影響を受けにくい。し
たがって、1回目の撮影のレーザ光強度を強度Aに設定
する(#310)。続いて、「投光・受光制御」(#3
20)、「強度Aの場合のサンプリング」(#330)
を順に実行する。投光・受光制御は、次の(1)〜
(5)の処理からなる。 (1)イメージセンサ53のドライバ55に対して積分
の開始を指示する。 (2)LDドライバ44に対して点灯を指示する。 (3)所定時間の経過を待ってLDドライバ44に対し
て消灯を指示する。 (4)積分の終了を指示する。 (5)1画面分の受光データDgをメモリ630Aに格
納する。
【0110】次に2回目の撮影に移り、レーザ光強度を
強度Bに設定する(#340)。1回目と同様の投光・
受光制御(#350)を実行した後、「強度Bの場合の
サンプリング」(#360)を実行する。
【0111】3回目の撮影に際しては、レーザ光強度を
強度Cに設定し(#370)、1回目及び2回目と同様
の投光・受光制御(#380)を実行した後、「強度C
の場合のサンプリング」(#390)を実行する。「強
度Cの場合のサンプリング」の内容は、「強度Bの場合
のサンプリング」(#360)と同様である。
【0112】図36は図35の「強度Aの場合のサンプ
リング」のフローチャートである。サンプリング対象の
5本のラインv1〜v5のうちの第1番目のラインv1
を注目ラインとして選択する(#3301)。予備計測
テーブルT5に格納されている注目ラインのレーザ光量
測定値Jを最小値に初期化する(#3302)。注目ラ
インの先頭画素を注目画素として選択し、メモリ630
Aから注目画素の受光データDgを読み出す(#330
4)。そして、読み出した受光データDgから、上述の
「環境光画像の撮影」ルーチンで読み出しておいた当該
注目画素の受光データ(環境光成分)を差し引き、レー
ザ光成分jを算出する(#3305)。レーザ光成分j
が最低限の受光レベル(スリット光Uと認められる最低
値)より大きく且つその時点のレーザ光量測定値Jより
大きい場合は(#3306、#3307)、注目画素の
Y座標をスリット画像位置として予備計測テーブルT5
に書き込み(#3308)、強度Aのレーザ光量測定値
Jとしてレーザ光成分jを書き込む(#3309)。そ
の後、次の画素に注目する(#3310、#331
4)。#3306又は#3307でノーであれば、予備
計測テーブルT5を更新せずに次の画素に注目する。注
目ラインの全ての画素を順に注目してレーザ光成分jと
レーザ光量測定値Jとを比較することにより、注目ライ
ンの中で最も明るい画素を検出することができる。その
最も明るい画素がスリット画像位置に対応する。各画素
のレーザ光成分jどうしを比較するので、環境光成分を
含む受光データDgどうしを比較する場合と比べて、位
置検出の誤りが少ない。
【0113】注目ラインの全ての画素に対する比較処理
が終われば、次のラインに注目して同様の処理を繰り返
す(#3311、#3315)。5本のラインv1〜v
5に対する比較処理が終われば、少なくとも1本のライ
ンにおいてスリット画像位置を検出したか否か、すなわ
ち所定値以上の明るさの画素が存在したか否かをチェッ
クする(#3312)。スリット画像位置が見つかり且
つ各ラインv1〜v5におけるレーザ光成分jの最大値
が所定の基準(重心演算の値として採用可能な最低値)
に達していればリターンし、達していなければ出力処理
回路62の増幅器621のゲインを1ステップ大きい値
に更新する(#3316、#3317)。ゲインの更新
の後、「環境光画像の撮影」の処理へ戻って撮影をやり
直す。
【0114】図37は図35の「強度Bの場合のサンプ
リング」のフローチャートである。サンプリング対象の
5本のラインv1〜v5のうちの第1番目のラインv1
を注目ラインとして選択する(#3601)。予備計測
テーブルT5に注目ラインにおけるスリット画像位置が
格納されているか否かを確認する(#3602)。格納
されていない場合は次のラインに注目する。
【0115】スリット画像位置が格納されている場合
は、注目ラインのレーザ光量測定値Jを最小値に初期化
した後、スリット画像位置の1つ前の画素に注目する
(#3603、#3604)。注目画素の受光データD
gをメモリ630Aから読出し(#3605)、上述の
要領で環境光成分を差し引いたレーザ光成分jを算出す
る(#3306)。レーザ光成分jがその時点のレーザ
光量測定値Jより大きい場合は、強度Bのレーザ光量測
定値Jとしてレーザ光成分jを予備計測テーブルT5に
書き込む(#3307、#3308)。そして、次の画
素に注目して同様の処理を行う(#3609、#361
1)。つまり、各画素のレーザ光成分jを比較し、注目
ラインにおけるレーザ光成分jの最大値を記憶する。ス
リット画像位置とその前後を合わせた計3個の画素に対
する処理が終われば、次のラインに注目して前ラインと
同様に3画素のレーザ光成分jのうちの最大値を記憶す
る(#3610、#3612)。5本のラインv1〜v
5に対する処理が終われば、図35のフローにリターン
する。
【0116】図38は図32の「撮影情報の適否判別」
のフローチャートである。サンプリング対象の5本のラ
インv1〜v5のうちの第1番目のラインv1を注目ラ
インとして選択し(#401)、予備計測テーブルT5
に注目ラインにおけるスリット画像位置が格納されてい
るか否かを確認する(#402)。スリット画像位置が
格納されていない場合は、注目ラインの予備計測データ
を無効と判定し、その旨を示すフラグを予備計測テーブ
ルT5にセットする(#410)。そして、次のライン
に注目する(#411、#412)。
【0117】スリット画像位置が格納されている場合
は、次の要領で予備計測データの適否を判別する。ま
ず、スリット画像位置における強度Aの受光データDg
(環境光成分+レーザ光成分)が飽和レベルであるか否
かをチェックする(#403)。強度Aの受光データD
gが飽和レベルであれば、強度Bの受光データDgが飽
和レベルであるか否かをチェックする(#413)。強
度Bの受光データDgも飽和レベルであれば、さらに強
度Cの受光データDgが飽和レベルであるか否かをチェ
ックする(#414)。強度A,B,Cの受光データD
gのいずれもが飽和レベルであれば、注目ラインの予備
計測データを無効と判定する(#410)。
【0118】#403において強度Aの受光データDg
が飽和レベルでなければ、強度と受光量との関係が正し
いか否かをチェックする。すなわち強度Aのレーザ光成
分であるレーザ光量測定値Jが強度Bのレーザ光量測定
値Jより大きいか否かを確かめ(#404)、強度Bの
レーザ光量測定値Jが強度Cのレーザ光量測定値Jより
大きいか否かを確かめる(#405)。#413でノー
の場合も#405のチェックを行う。強度の大小とレー
ザ光量測定値Jの大小との関係が反転している場合は、
明らかに異常であるので、注目ラインの予備計測データ
を無効と判定する(#410)。強度の大小とレーザ光
量測定値Jの大小との関係が適正であれば、強度A(又
は強度B)のレーザ光量測定値Jと強度が零のときの測
光値である環境光成分とから、図26で説明したグラフ
の傾きを求め、強度Cにおけるレーザ光成分の推定値を
算出する(#406)。このとき、強度Aの受光データ
Dgが飽和レベルである場合にのみ強度Bのレーザ光量
測定値Jを用いる。より大きいレーザ光量測定値Jを用
いる方が、グラフの傾きの誤差を少なくする上で有利で
ある。
【0119】強度Cのレーザ光成分について、実測値と
算出した推定値との差が許容範囲内であれば(#40
7)、注目ラインの予備計測データを有効と判定し(#
408)、強度A,B,Cのうちで受光データDgが非
飽和域である最も大きい強度の予備計測データを本計測
の条件設定のためのデータとして記憶する(#40
9)。そして、次のラインに注目して先頭ラインと同様
の処理を繰り返す。最良の場合は5ラインv1〜v5の
それぞれから条件設定のためのデータが選定されること
になる。実測値と推定値との差が許容範囲を越える場合
は、注目ラインの予備計測データを無効と判定する。
【0120】図39は図32の「距離演算」のフローチ
ャートである。5ラインv1〜v5の全てにおいて予備
計測データの信頼度が低い場合、すなわち5ラインv1
〜v5の予備計測データが無効と判定された場合には、
エラー処理を実行してメインルーチンへリターンする
(#501、#510)。
【0121】少なくとも1本のラインにおいて予備計測
データが有効であれば、第1番目のラインv1に注目す
る(#502)。注目ラインの予備計測データが有効で
あれば、スリット画像位置に基づいて三角測量法を適用
して対物間距離dを算出する(#503、#504)。
そして、次のラインに注目する(#505、#50
9)。注目ラインの予備計測データが無効であれば、対
物間距離dを算出せずに次のラインの処理に移る。
【0122】5ラインv1〜v5に対する処理が終了し
た時点で、最大5個の対物間距離dの算出値が記憶され
ている。ズーミングがテレ状態であれば、上述したよう
にAFセンサ57によるパッシブ測距の精度が高いの
で、パッシブ測距の結果に最も近い対物間距離dの算出
値を対物間距離の測定値として選択する(#506、#
507)。一方、ワイド状態であれば、対物間距離dの
算出値のうちの最小値を測定値として選択する(#50
8)。通常、計測対象の物体Qが3次元カメラ2に近
く、背景となる被写体は遠い位置に存在するからであ
る。
【0123】図40は図32の「本計測条件の設定」の
フローチャートである。測定値として選択された対物間
距離dの示す物体位置が計測可能範囲であれば、次の3
つの設定処理を行う。まず、ズーム段階zoomと選択
された対物間距離dとに適合する繰り出し量Edを算出
し、フォーカシングの制御値として設定する(#61
0)。次に、ズーム段階zoomと算出された繰り出し
量Edとに適合する前側主点位置FH及び実効焦点距離
Frealを算出し、レンズ情報として設定する(#6
20)。レンズ情報は投射角度範囲の演算、及びホスト
3による座標演算などに用いられる。そして、最後に
「投射光強度の設定」を行う(#630)。
【0124】図41は図40の「投射光強度の設定」の
フローチャートである。このルーチンの実行によって図
22及び図27で説明した機能が実現される。本計測に
おける投射の強度設定値を、人体に対する安全を考慮し
た上限値に初期化し(#6301)、先頭のラインv1
に注目する(#6302)。注目ラインの予備計測デー
タが有効であれば、注目ラインのスリット画像位置に対
応した物体上の位置が、対物間距離dを基準に設定され
る計測距離範囲(本計測の撮影範囲)の内側であるか否
かをチェックする(#6304)。
【0125】スリット画像位置が本計測時の撮影対象に
該当する場合は、「撮影情報の適否判別」ルーチンにお
いて記憶しておいたデータを用いて、スリット画像位置
(ライン)におけるレーザ光強度の最適値を計算により
求める(#6305)。計算結果が許容最大値より大き
いときには、計算結果として許容最大値を採用する(#
6306、#6307)。計算結果がその時点における
強度設定値より小さい場合には、強度設定値を計算結果
に変更する(#6309)。#6303〜#6309の
処理を5本の各ラインについて実行する(#6310、
#6311)。これにより、本計測時の撮影対象である
各スリット画像位置に対応した最適値のうち、最も小さ
い値が本計測時の強度となる。 〔本計測処理〕図42は図31の「本計測」のフローチ
ャートである。
【0126】対物間距離dに応じて投射角範囲を設定し
(#151)、スキャンニングを行う(#152)。ス
キャンニングで得られた距離画像のモニタ表示を行い
(#153)、出力処理回路62による警告信号の出力
の有無をチェックする(#154)。近接警告信号S1
1、遠方警告信号S12、オーバーフロー警告信号S1
3のいずれかが出力された場合には、出力された警告に
応じたメッセージ表示を行い、ブザー75を鳴らす(#
155、#156)。予備計測では時間を短縮するため
に撮影像の一部分(例えば中央部)について適否判別を
行っている。そのため、その部分以外について本計測で
エラーの検出されることがある。 〔再計測処理〕図43は図31の「再計測処理」のフロ
ーチャートである。
【0127】投射光量設定を行い(#191)、その後
のセレクト操作を受けて図31のフローへリターンする
(#192)。セレクトボタン23が押される以前に、
上向き又は下向きのカーソルボタン22が押されると、
モニタ表示の矢印z4を上方又は下方へ移動させる(#
193、#194、#198、#199)。
【0128】移動後の矢印z4の位置に対応した対物間
距離dを算出し、数値z1の表示を更新する(#19
7)。スケール値scも矢印z4の位置に対応した値に
更新し(#198)、プレビュー画像を表示する(#1
99)。操作者は、このプレビュー画像によって、設定
変更後の撮影結果を予測しながら設定変更を行うことが
できる。セレクトボタン28が押されると、そのときの
設定が記憶されたままリターンする。その後、#14
(図31)でレリーズ操作があると上述の設定条件で撮
影が行われる。
【0129】図44はガルバノミラー43とイメージセ
ンサ53との同期制御の一例を示すタイムチャート、図
45はガルバノミラー43とイメージセンサ53との同
期制御の他の例を示すタイムチャートである。これらの
図において符合の添字「t」はテレ状態の値であること
を示し、「w」はワイド状態の値であることを示してい
る。
【0130】3次元カメラ2では、ズーム倍率によって
画角を偏向するので、図44のように低倍率時の偏向角
θwは高倍率時の偏向角θtよりも大きい。システムコ
ントローラ61は、レリーズボタン27からのレリーズ
信号S27を検知すると、まず、ガルバノミラー43の
回転を開始してから撮像を開始するまでの期間T2、す
なわち停止位置から所定の角度位置までガルバノミラー
43を回転させるのに必要な時間を、ズーム倍率及び対
物間距離に基づいて算出する。このとき、期間T2にお
ける偏向角速度を、センサ駆動期間Tsにおける角速度
ωと同じ値に設定する。角速度ωを安定させるためであ
る。期間T2の算出を終えた後、ガルバノミラー43の
回転駆動を開始し、期間T2の経過後にイメージセンサ
53の駆動を開始する。
【0131】このようにシステムコントローラ61がガ
ルバノミラー43及びイメージセンサ53の両方を直接
に制御する形態では、駆動のタイミングを正確に合わせ
るために、システムコントローラ61に高速の処理が要
求される。一方、専用のハードウェア又は市販のビデオ
用タイミングジェネレータをセンサ駆動に用いることに
より、システムコントローラ61をガルバノミラー43
の制御に専念させて、制御の負担を軽減することも可能
である。
【0132】すなわち、図45において、ドライバ55
(図3参照)は、レリーズ信号S27をビデオ同期信号
Vsyncの立上がりエッジで正規化し、レリーズ検知
信号S27’を生成する。また、ドライバ55は、レリ
ーズ検知信号S27’の立上がりから一定時間T0’が
経過した時点でセンサ駆動を開始する。レリーズ検知信
号S27’はシステムコントローラ61に割込み信号と
して入力される。システムコントローラ61は、レリー
ズ動作に先立って、上述の期間T2とともに、レリーズ
検知信号S27’の立上がりからミラーの回転を開始す
るまでの時間T1’(=T0’−T2)を計算してお
く。そして、レリーズ検知信号S27’の割込みを受け
付けると、その時点から時間T1’が経過した時点でガ
ルバノミラーの回転を開始する。
【0133】以上の実施形態の3次元カメラ2は、計測
対象の物体Qにスリット光Uを投射する投光光学系40
と、入射光量に応じた光電変換信号を出力するイメージ
センサ(撮像手段)53と、撮像面S2に物体Qの光学
像を結像する受光光学系50と、予備計測制御手段(図
31の#12、#21の実行手段)及び本計測制御手段
(図31の#15の実行手段)としてのシステムコント
ローラ61を有し、本計測に先立ってスリット光Uを投
射する能動的な測距を行い、得られた距離情報(対物間
距離d)基づいて、計測条件を設定するように構成され
ている。計測条件には、スリット光Uの投射方向の変移
範囲である投射角度範囲(投射開始角th1,投射終了
角th2)、投射光強度、及びホスト3側での3次元位
置の演算に用いるパラメータ(像距離bなど)が含まれ
る。このように、能動的な測距の結果に応じた動作を行
うので、AFカメラ用のパッシブ型測距センサによる場
合よりも高精度の距離情報を得ることができ、計測条件
の設定の信頼性が高い。設定が不適切であると、物体Q
の大半又は全部が計測対象外になるといった計測の失敗
を招く。ズーム機能を有した構成において、AFカメラ
と同様の測距によって計測条件を設定する場合には、ワ
イドになると誤差が大きくなるので、ズーム範囲を制限
せざるを得ない。これに対して、本実施形態の3次元カ
メラ2では、ワイドであっても十分な測距精度が得られ
るので、ズーム範囲を制限する必要がない。
【0134】上述の実施形態によれば、予備計測時に警
告が行われるので、操作者は本計測を実行させずに条件
の再設定を行うことができ、計測作業を効率良く進める
ことができる。
【0135】上述の実施形態においては、光切断法によ
る計測を例に挙げたが、計測の方法は光切断法に限られ
るこのではなく、例えばパターン投影法であってもよ
い。パターン投影法では、パターンの投影方向と受光視
野との関係で測定可能距離範囲が決まる。また、光切断
法と同様に対象物体の反射率によっては、パターンの反
射光が検出できなかったり、受光系がオーバーフローを
起こしたりすることがある。そのような場合に警告する
ように構成すればよい。
【0136】上述の実施形態は、計測データDsに基づ
いて3次元位置を算出する演算をホスト3が担うもので
あるが、3次元カメラ2に3次元位置を算出する演算機
能を設けてもよい。3次元位置をルックアップテーブル
方式で算定することも可能である。受光側の受光光学系
50において、ズームユニット51に代えて交換レンズ
によって撮像倍率を変更してもよい。
【0137】
【発明の効果】請求項1乃至請求項4の発明によれば、
計測条件を設定するための測距の精度を高め、適切な計
測条件を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る計測システムの構成図である。
【図2】3次元カメラの外観を示す図である。
【図3】3次元カメラの機能構成を示すブロック図であ
る。
【図4】投光光学系の構成を示す模式図である。
【図5】受光光学系のズームユニットの模式図である。
【図6】受光光学系のビームスプリッタの模式図であ
る。
【図7】計測用のイメージセンサの受光波長を示すグラ
フである。
【図8】モニタ用のカラーイメージセンサの受光波長を
示すグラフである。
【図9】光学ユニットの2軸調整機構の概略を説明する
ための斜視図である。
【図10】光学ユニットの上側部分の正面図である。
【図11】光学ユニットの上側部分の右側面図である。
【図12】光学ユニットの下面図である。
【図13】光学ユニットの2軸調整機構の調整方法を説
明するための図である。
【図14】計測システムにおける3次元位置の算出の原
理図である。
【図15】出力処理回路のブロック図である。
【図16】イメージセンサの読出し範囲を示す図であ
る。
【図17】警告判別回路のブロック図である。
【図18】警告判別回路の入力と出力との関係を表形式
で示す図である。
【図19】3次元カメラ2におけるデータの流れを示す
図である。
【図20】ホストにおけるデータの流れを示す図であ
る。
【図21】投光光学系及び受光光学系の各点と物体との
位置関係を示す図である。
【図22】投射光強度を最適化の手順を説明するための
図である。
【図23】予備計測時のサンプリングの範囲を示す図で
ある。
【図24】スリット画像とサンプリング点との関係を示
す図である。
【図25】予備計測テーブルのデータ内容の模式図であ
る。
【図26】投射光強度と受光量との関係の代表例を示す
グラフである。
【図27】図22に対応した最適強度を示すグラフであ
る。
【図28】プレビュー機能を説明するための計測例を示
す図である。
【図29】計測条件の変更例を示す図である。
【図30】図29に対応したモニタ表示の内容を示す図
である。
【図31】3次元カメラの計測動作の制御手順を示すフ
ローチャートである。
【図32】システムコントローラが実行する「予備計
測」のフローチャートである。
【図33】図32の「予備計測条件の設定」のフローチ
ャートである。
【図34】図32の「環境光画像の撮影」のフローチャ
ートである。
【図35】図32の「スリット画像の撮影」のフローチ
ャートである。
【図36】図35の「強度Aの場合のサンプリング」の
フローチャートである。
【図37】図35の「強度Bの場合のサンプリング」の
フローチャートである。
【図38】図32の「撮影情報の適否判別」のフローチ
ャートである。
【図39】図32の「距離演算」のフローチャートであ
る。
【図40】図32の「本計測条件の設定」のフローチャ
ートである。
【図41】図40の「投射光強度の設定」のフローチャ
ートである。
【図42】図31の「本計測」のフローチャートであ
る。
【図43】図31の「再計測処理」のフローチャートで
ある。
【図44】ガルバノミラーとイメージセンサとの同期制
御の一例を示すタイムチャートである。
【図45】ガルバノミラーとイメージセンサとの同期制
御の他の例を示すタイムチャートである。
【図46】スリット光投影法の概要を示す図である。
【図47】スリット光投影法による計測の原理を説明す
るための図である。
【符号の説明】
2 3次元カメラ(3次元計測装置) 40 投光光学系 43 ガルバノミラー(走査手段) 50 受光光学系 53 イメージセンサ(撮像手段) 61 システムコントローラ(予備計測制御手段、本計
測制御手段) b 像距離(パラメータ) Q 物体 S2 撮像面 th1 投射開始角(投射角度範囲を特定する角度位
置) th2 投射終了角(投射角度範囲を特定する角度位
置) U スリット光(光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 忠士 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 矢橋 暁 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】計測対象の物体に光を投射する投光光学系
    と、 撮像面に入射した光の光量に応じた信号を出力する撮像
    手段と、 前記撮像手段の撮像面に前記物体の光学像を結像する受
    光光学系と、 計測に先立って、前記投光光学系によって投光し、前記
    撮像手段の出力信号に基づいて対物間距離情報を得ると
    ともに、得られた対物間距離情報に基づいて計測条件を
    設定する予備計測制御手段と、 設定された計測条件で前記物体に対する3次元計測を実
    行する本計測制御手段と、 を備えたことを特徴とする3次元計測装置。
  2. 【請求項2】前記投光光学系は、投射方向を起点周りに
    変移させる走査手段を有し、 前記予備計測制御手段は、前記計測条件として前記投射
    方向の変移範囲である投射角度範囲を設定する請求項1
    記載の3次元計測装置。
  3. 【請求項3】前記予備計測制御手段は、前記計測条件と
    して前記撮像手段の出力信号に基づいて前記物体の3次
    元位置を演算するためのパラメータを設定する請求項1
    記載の3次元計測装置。
  4. 【請求項4】前記予備計測制御手段は、前記計測条件と
    して前記投光光学系の投射光強度を設定する請求項1記
    載の3次元計測装置。
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