JPH10123935A - 点図触知セル - Google Patents

点図触知セル

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JPH10123935A
JPH10123935A JP8273509A JP27350996A JPH10123935A JP H10123935 A JPH10123935 A JP H10123935A JP 8273509 A JP8273509 A JP 8273509A JP 27350996 A JP27350996 A JP 27350996A JP H10123935 A JPH10123935 A JP H10123935A
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理樹 洪
Inshiyoku Ri
寅植 李
Akiyoshi Morita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は点図形を表示する点図触知セル
で、触知面の構成拡大を容易にし、かつ製造および保守
の作業性を改善したものである。 【解決手段】 この点図触知セルは、上下変位により点
図を表示する触知ピン3と電圧印加により湾曲変位し触
知ピン3を上下に駆動する圧電素子片4とこれら触知ピ
ン3と圧電素子片4を保持する基体を具備する点図触知
セルであって、単位数の触知ピン3と対応する圧電素子
片4およびこれらを保持するユニット基体2よりなる単
位ユニット1の複数個を縦横に連結して構成している。
また、圧電素子片4の基端部4bは塑性変形可能な調節
部材5を介してユニット基体2に保持されている。ま
た、指触検知手段として圧電素子片4の所用位置に歪み
センサ7か、または点図表示面の所用位置に指触検知セ
ンサを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は視覚障害者に対し
て点図形などを表示する点図触知セルの技術に属し、特
に触知面の構成拡大を容易にし、かつ製造および保守の
作業性を改善した点図触知セルの技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等で取り扱う図形情報を速
やかに視覚障害者に伝える手段として、図形情報を二次
元表現のままの状態でドット表示し、触読により図形情
報を伝達する点図触知装置が知られている。
【0003】従来、この種の点図触知装置として例え
ば、アメリカのUSP 3,229,387号公報にはプリント基
板上に多数の圧電作動片を所定角度傾けて密集して設
け、表示する図形情報に応じてこれら圧電作動片を振動
させ、その先端に指が触ること、即ち指触により表示内
容を読み取るものが開示されている。しかし、この点図
触知装置は画面構成のドット数が例えば10×11個に
限定された一体構成の構造になっているため、画面構成
のドット数を自由に増減することが困難であった。その
ため、触知面のドット数を増す等のため画面の拡大が必
要な場合は、その都度条件に合った触知面を製作する必
要があり、製造コストが高くなる欠点があった。
【0004】別の技術として、わが国の特公平 1-54712
号公報には櫛歯状の圧電作動片が所定間隔かつ所定角度
の傾斜をもって並設され、図形情報に応じて圧電作動片
を静的に変位させ、触知ピンを触知板の表面に突出させ
て、その先端を指触することにより図形情報を読み取る
方式の点図触知装置が開示されている。しかし、この点
図触知装置も画像ドット数に応じてその都度構成部品を
用意する必要がある構造のため作業性が悪く、また構造
的に圧電作動片が櫛状に連結した構成であるので圧電作
動片の個々の保守が不可能であり、さらに、その構造上
触知ピンの個々の位置調節も困難であるので組立作業性
が悪く、そのためコスト高になる問題があった。
【0005】また、点図触知装置では別の課題として、
視覚障害者に表示した図形情報の触指位置を認識させる
ための技術が必要であるが、ドイツのDE 37 33 612号
公開公報には指触位置を知らせる手段として、容量セン
サを使用するもの、光ファイバと発光ダイオード、光セ
ンサを組み合わせたもの、また、発光ダイオードと光電
管を組み合わせたもの等の光を利用するものが提案され
ている。しかしながら、この公報に開示された容量変化
を検知する技術は不安定要素が多く信頼性に欠け、ま
た、光を利用するものは外部光の影響を受け易い欠点が
ある。しかもこれらの方法は構成が複雑になり、保守作
業が困難で、かつコスト負担が重くなる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記したよ
うな各問題を解決するためになされたもので、表示画面
拡大の自由度が大きく、製造および保守が容易な点図触
知セルの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の点図触知セル
の第一の特徴は、単位数の触知ピンと対応する圧電素子
片およびこれらを保持するユニット基体よりなる単位ユ
ニットの複数個を縦横に連結して構成するようにしてい
る。このように構成することで表示画面の拡大の自由度
が飛躍的に大きくなり、かつ構成がユニット基体単位の
構成であるので、経済的な点図触知セルを構成できる。
【0008】また、圧電素子片の基端部を塑性変形可能
な部材を介してユニット基体に保持するように構成して
いる。このように構成することで、個々の圧電素子片が
その製造工程において湾曲特性に多少のバラツキを生じ
ても、組立て後に調節部材を変形させてそのバラツキを
容易に補正することができる。
【0009】また、この発明の点図触知セルは、各圧電
素子片の湾曲変位面が点図表示面に対して所定角度に並
置されるとともに、この湾曲変位面に当接する触知ピン
の当接面は湾曲変位面に略平行するように形成され、各
触知ピンは当接面を介して対応する圧電素子片の湾曲変
位面上に載置されて、上下自在に支持されるようになっ
ている。このように構成することで、触知ピンと圧電素
子片とは相互が固定されていないので触知ピンは自由な
上下運動が可能であり、しかも相互の当接面が略平行な
状態であるので、圧電素子片の運動を円滑に触知ピンに
伝達することができる。また、触知ピンと圧電素子片と
は独立構成になっているので組立てや保守が容易であ
る。
【0010】また、圧電素子片を保持するユニット基体
は各圧電素子片を独立に装着保持する溝部を有すること
も特徴としている。このような構成により各圧電素子片
を独立にかつ確実安定に保持にすることができ、製造工
程が容易になる。
【0011】また、各圧電素子片の所用位置に指触を検
知する歪みセンサまたは点図表示面の所用位置に指触検
知センサを設けることも特徴としている。このような構
成により指触位置の検知が確実でかつ低コストの点図触
知セルの提供が可能になる。
【0012】さらに、各圧電素子片に電圧印加する演算
駆動部をユニット基体に一体に構成するか、またはハウ
ジング接続する構成もとれる。このような構成により製
造工程または検査工程が合理化されて製造コストを下げ
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の点図触知セルの実施の形態を説明する。図1と図2
は、この実施の形態の点図触知セルの構成単位である単
位ユニットの側面図および斜視図である。また、図3は
単位ユニットの複数個を縦横方向に連結して所要の表示
画面を形成した場合の点図触知セルの斜視図である。
【0014】これらの図において、1は点図触知セルの
構成単位となる単位ユニットで、単位ユニット1の複数
個の組合せで所望の点図触知セルが構成される。単位ユ
ニット1はユニット構成部品を保持するための合成樹脂
等でモールド成型されたユニット基体2が構造機構の主
体となり、このユニット基体2の上部の点図表示部分で
ある触知部2aは左右二列16本の触知ピン3を上下自
在に垂直方向に保持するようになっている。また、ユニ
ット基体2の触知部2aの下方に斜めに接した菱形板状
の中板2bの表裏両側面は、各触知ピン3に対応した1
6本の圧電素子片4を所定角度をもって斜めに保持する
ようになっており、また、その表裏両側面には触知ピン
3を保持し、その姿勢を規定するための複数の隔壁2c
が各触知ピン3に対応して設けられている。また、中板
2bの図上右側の側面には隔壁2cを兼ねると共に、か
つ隣り合う点図触知セルとの間を保つための間隔板2d
が設けられている。点図表示面となる触知部2aには触
知ピン3を触知面2eの上面に突出させる貫通穴2fが
設けられており、この貫通穴2fを貫通した触知ピン3
の下部には圧電素子片4の自由端4aに当接するピンス
トッパ3aが設けられている。このピンストッパ3aの
圧電素子片4に当接する下面は圧電素子片4の自由端4
aにほぼ平行するような角度に形成されており、ピンス
トッパ3aの下面は常に圧電素子片4の自由端4aに平
行して当接するように形成されている。
【0015】圧電素子片4の下方の基端4bは、例え
ば、軟銅等の材料でなる塑性変形可能な調節部材5を介
してユニット基体2の下部に固定されている。そして中
板2bの各隔壁2cの圧電素子片4の基端4bに近い中
間部には圧電素子片4を挟み湾曲動作の節部となる支点
2gが設けられており、このようにして各圧電素子片4
はユニット基体2に支持される。
【0016】このように支持された圧電素子片4を駆動
するため、圧電素子片4と演算駆動部6を接続する図1
には図示しないリード線4cが、ユニット基体2の基端
4bの近くに設けられたリード線挿入溝2hを経て圧電
素子片4と演算駆動部6とを接続している。この演算駆
動部6はコネクタ6aを介して外部からの入力信号によ
り所要の圧電素子片4を駆動すると共に、各圧電素子片
4の変位状態を監視するものである。
【0017】また、この実施の形態には、表示画面上の
指触位置を触知者に知らせる指触検知手段が各単位ユニ
ット1毎に設けられている。図1における7はその目的
の各圧電素子片4の湾曲部に貼付された歪センサであ
り、その出力変化を取り出す図示しないリード線は圧電
素子片4のリード線4cと同様に演算駆動部6に接続さ
れている。この歪センサ7は貼付した圧電素子片4が指
触により湾曲すると歪みを受け、その抵抗値が変化し、
その変化値をブリッジ回路等を介して演算駆動部6に送
り指触を検知するものである。圧電素子片4の指触のよ
る湾曲でなく、点図を表示する場合の湾曲でも歪センサ
7の抵抗値が変化するが、この場合は圧電素子片4に所
要の電圧が印加されているので、指触により湾曲した場
合との判別は、演算駆動部6において圧電素子片4の駆
動電圧と照合処理することにより容易に識別可能であ
る。
【0018】図4(a)(b)は別の指触検知手段を示してい
る。図4(a) は、指触検知手段として触知面2eの表面
上に薄い感圧センサ8を貼付した実施の形態である。感
圧センサ8としては周知のように指触面が絶縁された上
下の導電性部材の間に金属粉を高密度で分散させたゴム
状の基材を配置し、上下の導電性部材間を押すことによ
りゴム状の基材に分散された金属粉を介して上下の導電
性部材が導通するスイッチ機構が知られている。この実
施の形態では感圧センサ8に触知ピン3を自由に貫通さ
せる穴が設けられた細長い薄板状をなし、触知検知用の
リード線8aが薄い側面部から引き出されてユニット基
体2を介して演算駆動部6に接続されている。この実施
の形態では指触検知は単位ユニット1の単位で行われ
る。
【0019】また、図4(b) は二列に並んだ触知ピン3
の間に幅が細い薄板状の感圧センサ8を触知面2eの触
知ピン用の孔の間に設けた溝に貼付する実施の形態であ
る。この実施の形態のものは感圧センサ8が簡単な構成
であるほか他の構成、作用は原理的に図4(a) に示した
ものとほぼ同じである。
【0020】他の指触検知部材として、指触面が絶縁さ
れた上下の導電性部材の間に接点位置のみに切抜部を設
けた絶縁スペーサを挟み、接点位置にある上下導電性部
材間を押すことにより切抜部を介して上下導電性部材の
接触を可能にしたスイッチ機構が知られており、このス
イッチ機構を使用しても前述の図4(a)(b)に示したもの
と同様の構成がとれる。
【0021】単位ユニット1単体の製作がほぼ終了する
と圧電素子片4の姿勢調整が調節部材5により行われ
る。調節部材5は圧電素子片4がその製造工程において
湾曲特性等に比較的バラツキが発生し易いので、単位ユ
ニット1の組み立て時に簡単な工程で各圧電素子片4の
姿勢を揃える目的のものである。つまり、圧電素子片4
は正負の印加電圧をかけた場合、支点2gを基準にして
に対して上下均等に湾曲するのが理想であるが、実際は
圧電素子片4の製造上のバラツキにより、上下の湾曲変
位に変位差が生じる。これを基端4bに設けた調節部材
5を上方または下方に曲げる調節をして、圧電素子片4
の湾曲範囲が上下に均等になるように姿勢調整して単位
ユニット1を完成する。この調整に際して、調節部材5
には塑性変形可能な材料を使用しているので、調節作業
が容易な上、調節後に変形部が元の状態に戻ることなく
調節時の変形が維持される。
【0022】上記のように構成、調整された単位ユニッ
ト1は、ユニット基体2の触知部2aの側面に設けられ
た嵌合凸部2iと嵌合凹部2jが、それぞれ対向する単
位ユニット1の嵌合凹部2jおよび嵌合凸部2iに嵌合
されて図3のように組立てられ、図示しない枠体で側面
外側を固定して、必要とする広さの表示画面に構成す
る。
【0023】前記の実施の形態では演算駆動部6を単位
ユニット1に圧電素子片4等と共に一体構成にしたもの
を説明したが、演算駆動部6を単体で構成し、圧電素子
片4等が実装された単位ユニット1にコネクタによって
接続するハウジング接続の形態もとれる。なお、この発
明は上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を
変更しない範囲で変形して実施できる。
【0024】
【発明の効果】この発明によれば、点図触知セルは単位
ユニットの組合せにより構成する製作方法であるので、
組立や部品交換が簡単であり、そのため保守が容易にな
り、しかも、点図触知面の拡大自由度が大きい点図触知
セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の点図触知セルの一実施形態の単位ユ
ニットの側面図
【図2】同実施形態の単位ユニットの一部破砕の斜視図
【図3】単位ユニットを組合せた同実施形態の点図触知
セルの斜視図
【図4】同図(a) および(b) はそれぞれ別の指触検知手
段を説明する単位ユニットの破砕斜視図。
【符号の説明】
1……単位ユニット 2……ユニット基体 2a…触知部 2b…中板 2c…隔壁 2d…間隔板 2e…触知面 2f…貫通孔 2g…支点 2h…リード線挿入溝 2i…嵌合凸部 2j…嵌合凹部 3……触知ピン 3a…ピンストッパ 4……圧電素子片 4a…自由端 4b…基端 4c…リード線 5……調節部材 6……演算駆動部 6a…コネクタ 7……歪センサ 8……感圧センサ 8a…リード線。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点図表示面に対する上下変位により点図
    を表示する複数の触知ピンと、これら各触知ピンに対応
    して設けられ電圧印加により湾曲変位し自由端部におい
    て該触知ピンを上下に駆動する圧電素子片と、これら触
    知ピンおよび圧電素子片を保持する基体と、を具備する
    点図触知セルにおいて、 単位数の触知ピンと対応する圧電素子片およびこれらを
    保持するユニット基体よりなる単位ユニットの複数個を
    縦横に連結して構成されることを特徴とした点図触知セ
    ル。
  2. 【請求項2】 各圧電素子片の基端部は塑性変形可能な
    調節部材を介してユニット基体に保持されることを特徴
    とした請求項1記載の点図触知セル。
  3. 【請求項3】 各圧電素子片はその湾曲変位面が点図表
    示面に対して所定角度に並置されるとともに該湾曲変位
    面に当接する触知ピンの当接面は該湾曲変位面に略平行
    するように形成され、各触知ピンは前記当接面を介して
    圧電素子片の湾曲変位面上に載置されて上下自在に支持
    されることを特徴とした請求項1または請求項2記載の
    点図触知セル。
  4. 【請求項4】 ユニット基体は各圧電素子片のそれぞれ
    を独立に装着保持する溝部を有することを特徴とした請
    求項1乃至請求項3記載の点図触知セル。
  5. 【請求項5】 各圧電素子片の所用位置に指触を検知す
    る歪みセンサを設けたことを特徴とした請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の点図触知セル。
  6. 【請求項6】 点図表示面の所用位置に指触を検知する
    指触検知センサを設けたことを特徴とした請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載の点図触知セル。
  7. 【請求項7】 各圧電素子片に電圧印加する演算駆動部
    をユニット基体と一体に構成するか、またはユニット基
    体にハウジング接続することを特徴とした請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の点図触知セル。
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