JPH10123921A - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents

体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル

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JPH10123921A
JPH10123921A JP8283709A JP28370996A JPH10123921A JP H10123921 A JPH10123921 A JP H10123921A JP 8283709 A JP8283709 A JP 8283709A JP 28370996 A JP28370996 A JP 28370996A JP H10123921 A JPH10123921 A JP H10123921A
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hologram laminate
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健治 植田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、写真等の証明書やカード上に貼
着された体積ホログラム表示体が破壊されたか否かを判
別してその偽造を防止するにあたり、剥離されると体積
ホログラム表示体を確実に破壊し、偽造防止を確実とす
るホログラム積層体及び該ホログラム積層体作製用ラベ
ルの提供を課題とする。 【解決手段】 本発明の体積ホログラム積層体1は、
基材2上に、粘着剤層5′、体積ホログラム層6、粘着
剤層5、表面保護フイルム7が順次積層された体積ホロ
グラム積層体において、前記粘着剤層5、5′中に、ホ
ログラム記録破壊材料を封入したマイクロカプセルを含
有させ、体積ホログラム積層体の層間剥離に際して、前
記マイクロカプセルを破壊可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身分証明書、受験
票、パスポート、クレジットカード、銀行カード表面
に、セキュリティー確保を目的として貼着される透明な
ホログラム画像入り体積ホログラム積層体又は体積ホロ
グラム積層体形成用ラベルに関し、特に変造等を目的と
した故意の貼替えを防止できる体積ホログラム積層体又
は体積ホログラム積層体形成用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば身分証明書を持参する者と
身分証明書に記載されている者との一致を図るために、
写真上にホログラムが貼着されているが、変造等を目的
とした写真の故意の貼替えを防止することを目的とする
技術が、実公平5−48215号公報、特開平5−20
1181号公報等に開示されている。
【0003】これらの公報に記載される技術にあって
は、画像入りホログラムが、その画像が従来の身分証明
書等における刻印等と同等の機能を有することを利用す
るものであるが、後者にあっては、変造等を目的とする
層間剥離の際にホログラム層の軟質性を利用してホログ
ラム層を破壊し、再接着してもホログラム画像を再生不
能とし、これにより写真の貼り替え等の偽造を防止しよ
うとものである。
【0004】しかしながら、表面保護層として剛性のあ
るプラスチックフイルムを使用すると、表面保護層に追
随してホログラム層がきれいに剥離され、写真の貼り替
えの痕跡が不明瞭となる場合があり、セキュリティー確
保の目的からは、よりその偽造防止機能を確実とするこ
とが要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、写真等を貼
付した身分証明書やカード上に接着された体積ホログラ
ム表示体が破壊されたか否かを判別してその偽造を防止
するにあたり、層間剥離をしようとすると体積ホログラ
ム表示体を確実に破壊することができ、偽造防止を確実
とするホログラム積層体及び該ホログラム積層体作製用
ラベルの提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の体積ホロ
グラム積層体は、基材上に、粘着剤層、体積ホログラム
層、粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積
ホログラム積層体において、前記粘着剤層中にホログラ
ム記録破壊材料を封入したマイクロカプセルを含有さ
せ、体積ホログラム積層体の層間剥離に際して、前記マ
イクロカプセルを破壊可能としたことを特徴とする。
【0007】本発明の第2の体積ホログラム積層体は、
基材上に、粘着剤層、着色シート、粘着剤層、体積ホロ
グラム層、粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層され
た体積ホログラム積層体において、前記体積ホログラム
層に隣接する粘着剤層中にホログラム記録破壊材料を封
入したマイクロカプセルを含有させ、体積ホログラム積
層体の層間剥離に際して、前記マイクロカプセルを破壊
可能としたことを特徴とする。
【0008】また、前記の第1又は第2の各体積ホログ
ラム積層体における体積ホログラム層形成物質がマトリ
ックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及
び増感色素とからなり、かつ、ホログラム記録破壊材料
が、前記体積ホログラム層形成物質に対して溶解性を有
する有機溶剤及び/又は膨潤作用を有する可塑剤である
ことを特徴とする。
【0009】本発明の第1の体積ホログラム積層体作製
用ラベルは、前記第1の体積ホログラム積層体を作製す
るために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベル
であって、剥離紙上に粘着剤層、体積ホログラム層、粘
着剤層、表面保護フイルムが順次積層され、前記粘着剤
層中にホログラム記録破壊材料を封入したマイクロカプ
セルを含有させ、体積ホログラム積層体の層間剥離に際
して、前記マイクロカプセルを破壊可能としたことを特
徴とする。
【0010】本発明の第2の体積ホログラム積層体作製
用ラベルは、前記第2の体積ホログラム積層体を作製す
るために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベル
であって、剥離紙上に粘着剤層、着色シート、粘着剤
層、体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルムが
順次積層され、前記体積ホログラム層に隣接する粘着剤
層中にホログラム記録破壊材料を封入したマイクロカプ
セルを含有させ、体積ホログラム積層体の層間剥離に際
して、前記マイクロカプセルを破壊可能としたことを特
徴とする。
【0011】また、前記の第1又は第2の体積ホログラ
ム積層体作製用ラベルにおける体積ホログラム層形成物
質がマトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重
合開始剤及び増感色素とからなり、かつ、ホログラム記
録破壊材料が、前記体積ホログラム層形成物質に対して
溶解性を有する有機溶剤及び/又は膨潤作用を有する可
塑剤であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1又は第2の体積ホロ
グラム積層体について、図1にその正面図を示し、図2
に図1のA−A線での第1の体積ホログラム積層体の断
面図を、図3に図1のA−A線での第2の体積ホログラ
ム積層体の断面図を示す。
【0013】図中1は体積ホログラム積層体、2は証明
書等の基材、3は写真貼着用のり、4は顔写真、5、
5′、5″は粘着剤層、6は体積ホログラム層、7は表
面保護フイルム、8は個人情報、9は着色シート、10
はマイクロカプセルである。
【0014】本発明における体積ホログラム積層体1
は、図1に例示するような受験票を例にとると、氏名や
受験番号等の個人情報8が記入され、また顔写真4が貼
着されている。この顔写真4は、受験票を持参する者
が、この受験票に記載されている個人情報の人物か否か
を照合するためために貼着されるものである。この顔写
真4と受験票基材上に体積ホログラム層6、表面保護フ
イルム7が積層されている。この体積ホログラム層に
は、例えば学校名や校章といったホログラム画像が、ホ
ログラム干渉パターンに対応した干渉縞で記録されてい
る。
【0015】次に、第1の体積ホログラム積層体の層構
成について、図2に基づいて説明する。第1の体積ホロ
グラム積層体は、基材2上に写真貼着用のり3を介して
顔写真4が貼着されており、この基材2および顔写真4
に跨がるように、マイクロカプセルを含有した粘着剤層
5′、体積ホログラム積層体6、マイクロカプセルを含
有した粘着剤層5、表面保護フイルム7が順次積層され
ている。
【0016】基材2としては、紙、合成紙、合成樹脂や
金属からなるフイルムやシートを用いることができ、図
1に示すような受験票の如きシート状、IDカードのよ
うなカード形状、また、パスポートのような小冊子、銀
行カード、クレジットカード等さまざまな形態をとるこ
とができる。
【0017】写真貼着用のり3は、体積ホログラム積層
体と表面保護フイルムからなる積層体を基材から剥離し
ようとしても、基材3から写真4を剥離しえない接着強
度を有するものであればよく、一般的な澱粉のり、合成
のりを使用しうる。
【0018】顔写真4としては、銀塩を代表とする公知
の写真材料、昇華転写画像等を用いればよく、また、必
ずしも顔を写した画像である必要はなく、指紋、掌紋等
の個人を特定できる部分を表示する画像であってもよ
い。
【0019】体積ホログラム層6は、支持体フイルム上
に体積ホログラム記録材料を塗布した後、物体からの光
の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形
で層内に記録されたもので、複製に際しても、体積ホロ
グラム原版を密着させて露光現像することにより容易に
作製できる。記録材料としては、銀塩材料、重クロム酸
ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等公知の体
積ホログラム記録材料が挙げられ、特に、乾式の体積位
相型ホログラム記録用途の感光性材料であり、マトリッ
クスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び
増感色素とからなるものが挙げられる。
【0020】光重合可能な化合物としては、後述するよ
うな1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合
を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、
プレポリマー、及び、それらの混合物が挙げられ、例え
ば不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と
脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カル
ボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物が挙
げられる。
【0021】不飽和カルボン酸のモノマーの具体例とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、マレイン酸、及びそれらのハロゲ
ン置換不飽和カルボン酸、例えば、塩素化不飽和カルボ
ン酸、臭素化不飽和カルボン酸、フッ素化不飽和カルボ
ン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の塩としては前
述の酸のナトリウム塩及びカリウム塩等がある。
【0022】また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽
和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例として
は、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピ
ル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロ
ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソ
ルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアク
リレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビト
ールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フ
ェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレ
ートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)
エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリ
レート、ビスフェノールAの(2−アクリルオキシエチ
ル)エーテル、エトキシ化されたビスフェノールAジア
クリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリ
レート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニ
ルアクリレートなどである。
【0023】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトール
トリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、
ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサ
アクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等
がある。
【0024】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス−〔p−(3−メタク
リルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジ
メチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ
フェニル〕ジメチルメタン、2,2−ビス(4−メタク
リロイルオキシフェニル)プロパン、メタクリル酸−2
−ナフチル等がある。
【0025】イタコン酸エステルとしてはエチレングリ
コールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコ
ネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,
4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレング
リコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタ
コネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げら
れる。
【0026】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
【0027】イソクロトン酸エステルとしては、エチレ
ングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトー
ルジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロト
ネート等が挙げられる。
【0028】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等が挙げられる。
【0029】ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシ
ルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタ
デカフルオロデシルメタクリレート、メタクリル酸−
2,4,6−トリブロモフェニル、ジブロモネオペンチ
ルジメタクリレート(商品名:NKエステルDBN、新
中村化学工業(株)製)、ジブロモプロピルアクリレー
ト(商品名:NKエステルA−DBP、新中村化学工業
(株)製)、ジプロモプロピルメタクリレート(商品
名:NKエステルDBP、新中村化学工業(株)製)、
メタクリル酸クロライド、メタクリル酸−2,4,6−
トリクロロフェニル、p−クロロスチレン、メチル−2
−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレー
ト、n−ブチル−2−クロロアクリレート、トリブロモ
フェノールアクリレート、テトラブロモフェノールアク
リレート等が挙げられる。
【0030】また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミドのモノマーの具体例としてはメチレ
ンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,
6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレン
トリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアク
リルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、N−フ
ェニルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド
等が挙げられる。
【0031】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報に記載された一分子に2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物、下記一般式 CH2 =C(R)COOCH2CH(R′)OH (式中R、R′は水素或いはメチル基を表す。) で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させ
た1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニ
ルウレタン化合物等が挙げられる。
【0032】また、特開昭51−37193号公報に記
載されたウレタンアクリレート類、特開昭48−641
83号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭5
2−30490号公報にそれぞれ記載されているような
ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸等の多官能性のアクリレートやメタクリレー
トを挙げることができる。
【0033】さらに、日本接着協会誌Vol.20、N
o7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴ
マーとして紹介されているものも使用することができ
る。
【0034】その他、燐を含むモノマーとしてはモノ
(2−アクリロイロキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(商品名:ライトエステルPA、共栄社油脂化学工業
(株)製)、モノ(2−メタクリロイキエチル)アシッ
ドフォスフェート(商品名:ライトエステルPM、共栄
社油脂化学工業(株)製)が挙げられ、またエポキシア
クリレート系である商品名:リポキシVR−60(昭和
高分子(株)製)、商品名:リポキシVR−90(昭和
高分子(株)製)等が挙げられる。
【0035】また、商品名:NKエステルM−230G
(新中村化学工業(株)製)、商品名:NKエステル2
3G(新中村化学工業(株)製)も挙げられる。
【0036】更に、下記の構造式を有するトリアクリレ
ート類、
【0037】
【化1】
【0038】(東亜合成化学工業(株)製、商品名、ア
ロニックス M−315)
【0039】
【化2】
【0040】(東亜合成化学工業 (株)製、商品名、ア
ロニックス M−325)、また、2,2′−ビス(4-
アクリロキシ・ジエトキシフェニル) プロパン(新中村
化学 (株)製、商品名、NKエステル A-BPE-4 )、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート(新中村化学
(株)製、商品名、NKエステル A-TMMT)等が挙げら
れる。
【0041】次に、開始剤系における光重合開始剤とし
ては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−
ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェ
ニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサ
ゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イ
ミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、
記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム
記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば有機過酸
化物系にあっては紫外線照射することにより容易に分解
されるので好ましい。
【0042】増感色素としては、350〜600nmに
吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン
系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケ
トクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン
系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミ
ン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系
色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示さ
れる。なお、350nm以下、または600nm以上の
波長領域に吸収光を有する増感色素であってもよい。
【0043】バインダー樹脂であるマトリックス・ポリ
マーとしては、ポリメタアクリル酸エステル又はその部
分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、ポ
リビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、ト
リアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレ
ン、ポリビニルブチラール、ポリクロロプレン、ポリ塩
化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポ
リ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと
無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニトリル、エ
チレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重
合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする
共重合体等、またはそれらの混合物が用いられる。好ま
しくはポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプ
レン、ポリビニルアルコール、またポリビニルアルコー
ルの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、
ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
等、またはそれらの混合物がが挙げられる。
【0044】記録されたホログラムの安定化工程として
加熱によるモノマー移動の工程があるが、そのためには
これらのマトリックス・ポリマーは、好ましくはガラス
転移温度が比較的低く、モノマー移動を容易にするもの
であることが必要である。
【0045】光重合可能な化合物は、バインダー樹脂1
00重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ま
しくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。
【0046】光重合開始剤は、バインダー樹脂100重
量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量
部〜10重量部の割合で使用される。
【0047】増感色素は、バインダー樹脂100重量部
に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.0
1重量部〜0.5重量部の割合で使用される。
【0048】その他、感光性材料成分としては、例えば
可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール及び各種の非イオン系界面活性剤、陽イ
オン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤が挙げられ
る。
【0049】これらのホログラム記録材料は、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキ
サン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロ
ロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等、またはそれらの混合溶剤を使用し、固型分15%〜
25%の塗布液とされる。なお、このような塗布液とし
て、例えばテュポン社製のオムニデックス352、70
6を使用してもよい。
【0050】ホログラム記録層は、体積ホログラム積層
体に組み込まれるに先立ち、仮基材上に塗布液を乾燥後
膜厚1μm〜100μm、好ましくは4μm〜20μm
で塗布して形成される。仮基材としては、厚さ0.01
〜100mm、好ましくは1〜5mmのガラス板、アク
リル板、ポリカーボネート板、ポリエチレン板、ポリプ
ロピレン板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリスチ
レン板等が挙げられる。好ましくは、機械的強度が十分
で、複屈折率が少なく、透明度が高いガラス基板、アク
リル基板、ポリカーボネート基板である。
【0051】ホログラム記録層上には保護層が設けられ
る。保護膜としては、厚さ0.001〜10mm、好ま
しくは0.01〜0.1mmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリ塩化ビニルフイルム、アクリルフィル
ム、ポリアセチルロースフィルム、セルロースアセテー
トブチレートフィルムなど耐候性の良好な透明樹脂フィ
ルムをゴムローラーで貼り合わせて形成するとよく、ま
た、トリアセチルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
メチルメタクリレート等フィルム形成材料をスピンコー
トにより塗布して形成してもよい。
【0052】この体積ホログラム層にホログラム記録す
るには、従来の乾式ホログラムの作製方法と同様に、リ
ップマン型ホログラム形成装置により、2光束のレーザ
ー光、例えばアルゴン光、レーザー光(波長514.5
nm)等を使用して、ホログラム記録層に干渉縞を記録
する工程、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアー
ク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源か
ら0.1〜10000mJ/cm2 、好ましくは10〜
1000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤
を分解する工程、加熱処理(例えば、120℃、120
分)して光重合可能な化合物を拡散移動させる工程を順
次経て、安定なホログラムとされる。
【0053】このようにホログラム記録した後、体積ホ
ログラム記録層6は、粘着剤層5′を介して、証明書等
の基材上に積層され、更に、該体積ホログラム層上に
は、粘着剤層5を介して表面保護フイルム7が積層され
る。
【0054】本発明の第1の体積ホログラム積層体にお
いては、粘着剤層5、5′は、粘着剤とホログラム記録
破壊材料を内包する各種ポリマー材料を壁材とするマイ
クロカプセルとから構成される。
【0055】粘着剤層としては、例えばアクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼ
ラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系
樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビ
ニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、ア
ルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイ
ミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノ
ール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤か
らなる。
【0056】マイクロカプセルは、ホログラム記録破壊
材料を各種ポリマー材料からなる壁材の内部に包含させ
たカプセル構造をとるものであり、粘着剤層内での剥離
に際して同時に破壊され、内部のホログラム記録破壊材
料が粘着剤層中に滲みだし、体積ホログラム層を溶解す
るに至るか、または膨潤させて、体積ホログラム層にお
ける記録を破壊させるものである。
【0057】体積ホログラム層形成物質が、上記で詳述
したマトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重
合開始剤及び増感色素とからなる場合、ホログラム記録
破壊材料としては、体積ホログラム層形成物質に対して
溶解性を有する有機溶剤とするか、又は体積ホログラム
層に対する膨潤作用を有する可塑剤のいずれか一方、ま
たはその混合物や混合溶液とするとよい。
【0058】このような有機溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサ
ン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロ
ホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等、またはそれらの混合物が例示される。
【0059】また、体積ホログラム層に対する膨潤作用
を有する可塑剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、フ
タル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DE
P)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチル
ノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、
フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸
(79アルキル)(D79P)、フタル酸ジ−i−デシ
ル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、
フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチ
ルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレ
ート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート
(BPBG)等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン
酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジ
(メチルシクロヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル
(DIDA)、アゼライン酸ジ−n−ヘキシル(DNH
Z)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(DO
Z)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジ−
2−エチルヘキシル(DOS)等の脂肪族二塩基酸エス
テル系可塑剤、クエン酸トリエチル(TEC)、クエン
酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル
(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATB
C)等のクエン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油
等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリブチル(TBP)、
リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル
(YCP)、リン酸トリプロピレングリコール等のリン
酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0060】また、上記可塑剤を上記有機溶剤に混合、
又は溶解した混合物を使用してもよい。
【0061】マイクロカプセルを形成する壁材として
は、アラビアガム、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
デキストリン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ
メチルメタクリレート等のアクリル系高分子、アガー及
びアガロース、アルブミン、アルギン酸カルシウム、ア
ルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩、アルミニウムモ
ノステアレート、カルボキシモノステアレート、カルボ
キシビニル系高分子、エポキシ樹脂、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートフタレート、セルロースニトレート、エチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ニトロセルロース等のセ
ルロース誘導体、セチルアルコール、デキストリン、ゼ
ラチン、水素添加牛脂、水素添加ヒマシ油、12−ヒド
ロキシステアリルアルコール、グルテン、グリセリンモ
ノ及びジパルミテート、グリセリンモノ、ジ及びトリス
テアレート、ミリスチルアルコール、ナイロン6−1
0、ポリ(アジピルL−リジン)、ポリテレフタールア
ミド、ポリ(テレフタロイルL−リジン)、ポリウレ
ア、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ(εーカプロラクト
ン)、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル、ポリエ
チレングリコール、ポリ(エチレン−ビニルアセテー
ト)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグルタミン
酸、ポリシロキサン、ポリブタジエン、ポリリジン、ポ
リ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリス
チレン、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、セラック、デンプ
ン及びその誘導体、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ミツロウ、カルナバロウ、和ロウ、パラフィンロ
ウ、鯨ロウ等のワックス、無機珪酸塩等が挙げられる。
【0062】これらのマイクロカプセルの壁材を形成す
るポリマー材料は、ホログラム記録破壊材料や粘着剤成
分と溶解しない材料とされることは当然であるが、その
強度にしても、粘着剤層の剥離に際して破壊されるもの
を選択するとよい。
【0063】マイクロカプセルは、界面重合法、in
situ重合法、オレフィス法、コアセルベーション法
等の公知の作製方法により形成され、直径が0.001
μm〜20μm、好ましくは0.01μm〜1μmのも
のとするとよい。粒径が小さすぎると有効に破壊でき
ず、また、大きすぎると粘着剤層の塗布形成に際して支
障があったりまた破壊されることがあるので好ましくな
い。
【0064】マイクロカプセルは、粘着剤100重量部
に対して、1重量部〜100重量部、好ましくは10重
量部〜50重量部含有させるとよく、粘着剤層の形成方
法としては、粘着剤層形成材料とマイクロカプセルとを
混合分散して塗布される。塗布方法としてはディップコ
ート、ダイコート、スプレー塗布、ロールコート塗布、
グラビアコート塗布等が使用できる。
【0065】粘着剤層の膜厚は、4μm〜20μmに塗
布形成するとよい。
【0066】表面保護フイルム7は、ポリエチレンフイ
ルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フ
イルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニル
フイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビ
ニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイル
ム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテル
スルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイル
ム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポ
リエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフ
イルム、ポリイミドフイルム等が例示され、保護層の膜
厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜
50μmである。
【0067】なお、図示はしないが、表面保護フイルム
7上には、表面保護フイルム7表面の保護性を高める目
的で、必要に応じてハードコート処理が施されてもよ
い。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ
素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−ア
クリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、
スプレー塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm
〜50μmに塗布するとよい。
【0068】更に、同様に図示しないが、表面保護フイ
ルム7表面又はハードコート処理面には、離型処理が施
されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリ
コーン系離型剤、ステアリン酸塩系離型剤、ワックス系
離型剤等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコ
ート塗布法により行なうとよい。
【0069】次に、図3により、本発明の第2の体積ホ
ログラム積層体について説明する。図中、9は着色シー
ト、5″は粘着剤層を示し、図2と同一符号は同一内容
を示す。
【0070】図3に示すように、本発明の第2の体積ホ
ログラム積層体は、基材上に粘着剤層5″を介して着色
シートを積層し、該着色シート上に、マイクロカプセル
を含有する粘着剤層5′、体積ホログラム層6、マイク
ロカプセルを含有する粘着剤層5、表面保護フイルム7
を順次積層した構成である。
【0071】着色シートは、体積ホログラム記録層に悪
影響を与えない染料、または顔料により着色されたポリ
エステルフイルム、トリアセチルセルロースフイルム、
ポリプロピレンフイルム、アクリルフイルム等を利用で
き、積層される基材の種類により図3の写真上に積層さ
れる場合のように透視する必要があれば透明着色シート
が使用され、また、透視する必要がなければ不透明着色
シートが使用される。膜厚としては、10μm〜100
μmとされるとよい。
【0072】層構成中に、ホログラム色と相違する色も
しくは補色の関係にある色あるいは黒色系統の着色シー
ト9を設けることにより、ホログラム画像のコントラス
トを向上できる。
【0073】また、着色シート9と基材2との間の粘着
剤層5″としては、マイクロカプセルを含有させる必要
はなく、上述した粘着剤層形成材料を使用して、粘着剤
層5、5′同様に形成するとよい。
【0074】本発明の第1又は第2の体積ホログラム積
層体を作製するにあたって使用されるラベルについて、
その断面の層構成を図4(a)、(b)により説明す
る。
【0075】図中、20は体積ホログラム積層体作製用
ラベル、11は剥離紙であり、図2、図3と同一符号は
同一内容を示す。
【0076】図4(a)に示すラベル20は、剥離紙1
1上にマイクロカプセルを含有する粘着剤層5′、体積
ホログラム層6、マイクロカプセルを含有する粘着剤層
5、表面保護フイルム7を積層したものである。
【0077】剥離紙11としては、合成樹脂ラミネート
紙、合成紙、合成樹脂フイルム、例えばPETフイルム
表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリ
ン酸塩系、その他ワックス類等により離型処理したもの
を使用するとよく、この剥離紙を剥離した後、その粘着
剤層5′から、写真等を貼付した基材2上に積層され、
図2に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0078】また、図4(b)に示すラベル20は、剥
離紙11上に粘着剤層5″、着色シート9、マイクロカ
プセルを含有する粘着剤層5′、体積ホログラム層6、
粘着剤層5、表面保護フイルム7を順次積層したもので
あって、ラベル10が証明書、クレジットカード等の基
材上に積層されるに際して、図3に示すごとく、剥離紙
11を剥離した後、その粘着剤層5″から基材2上に積
層され、体積ホログラム積層体が作製される。
【0079】これらのラベルにおいて、表面保護フイル
ム表面は、必要によりハードコート処理され、更に、離
型処理されていてもよいものである。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中「部」は重量部を示す。 (実施例1) (第1の体積ホログラム積層体の作製) (ホログラム記録材料の作製)ポリエチレンテレフタレ
ートフイルム上に、ホログラム記録材料層(膜厚20μ
m、オムニデックス706;デュポン社製)、ポリ塩化
ビニルフイルムを順次積層したホログラム記録媒体に、
リップマンホログラムを記録した。
【0081】(シリコーンセパレータ/粘着剤層5′の
作製)シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−P
ET;東京セロファン紙社製)上に、粘着剤(ニッセツ
PE−118;日本カーバイド社製)に、界面重合法に
より作製した、ポリウレタンを壁材としクロロホルムを
内包し、粒径0.5μmのマイクロカプセルを15重量
%分散させ、ダイコート法により、乾燥後膜厚20μm
に積層したものを用意した。
【0082】(表面保護フイルム/粘着剤層5/シリコ
ーンセパレータの作製)シリコーンセパレータ(膜厚5
0μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、
粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド社製)
に、界面重合法により作製した、ポリウレタンを壁材と
しクロロホルムを内包し、粒径0.5μmのマイクロカ
プセルを15重量%分散させ、ダイコート法により、乾
燥後膜厚20μmに積層し、その粘着剤面に無延伸エチ
レン−ビニルアルコール共重合フイルム{膜厚25μ
m、エバールEF−F、(株)クラレ製}をラミネート
した。
【0083】(体積ホログラム積層体作製用ラベルの作
製)上記で得たホログラム記録材料のポリ塩化ビニルフ
イルムを剥離し、上記で得たシリコーンセパレータ/粘
着剤層5′をラミネートし、PETフイルム/ホログラ
ム層/粘着剤層5′/シリコーンセパレータの積層体と
した。
【0084】この積層体のPETフイルムを剥離すると
共に、上記で得た表面保護フイルム/粘着剤層5/シリ
コーンセパレータのシリコーンセパレータを剥離し、両
者をラミネートし、表面保護フイルム/粘着剤層5/ホ
ログラム層6/粘着剤層5′/シリコーンセパレータか
らなる、図4(a)に示す体積ホログラム積層体作製用
ラベルを得た。
【0085】(体積ホログラム積層体の作製)上記で得
たラベルのシリコーンセパレータを剥離した後、その粘
着剤層5′側から紙基材上に写真を貼付した基材上に、
図2に示すようにラミネートした。
【0086】このラミネート物を24時間放置した後、
体積ホログラム積層体を粘着剤層5とホログラム層6間
から剥離した。
【0087】剥離したものを再度、ラミネートし、24
時間放置し、ホログラム記録を観察したところ、元のホ
ログラム画像が、マイクロカプセルが破壊したため流出
した溶剤により部分的に乱されておりホログラムが破壊
されたことが容易に確認できた。
【0088】(実施例2) (第2の体積ホログラム積層体の作製)実施例1におけ
る体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製に使用した
シリコーンセパレータ/粘着剤層5′に代えて、下記の
シリコーンセパレータ/粘着剤層5″/着色シート/粘
着剤層5′を使用した以外は、同様にして第2の体積ホ
ログラム積層体、体積ホログラム積層体作製用ラベルを
作製した。
【0089】(シリコーンセパレータ/粘着剤層5″/
着色シート/粘着剤層5′)の作製 シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;
東京セロファン紙社製)上に、粘着剤(ニッセツPE−
118;日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmに塗
布した後、透明着色シート(赤色に染色したPETフイ
ルム、膜厚50μm)をラミネートし、更に、粘着剤
(ニッセツPE−118;日本カーバイド社製)に、界
面重合法により作製した、ポリウレタンを壁材としクロ
ロホルムを内包し、粒径0.5μmのマイクロカプセル
を15重量%分散させ、ダイコート法により、乾燥後膜
厚20μmに積層したものを用意した。
【0090】次いで、上記で作製した第2の体積ホログ
ラム積層体作製用ラベルにおけるシリコーンセパレータ
を剥離した後、その粘着剤層側から紙基材上に写真を貼
付した基材上に、図3に示すように、ラミネートした。
このラミネート物を24時間放置した後、体積ホログラ
ム積層体を粘着剤層5とホログラム層6間から剥離し
た。
【0091】剥離したものを再度、ラミネートし、24
時間放置し、ホログラム記録を観察したところ、元のホ
ログラム画像が、マイクロカプセルが破壊したため流出
した溶剤により部分的に乱されておりホログラムが破壊
されたことが容易に確認できた。
【0092】
【発明の効果】本発明の体積ホログラム積層体は、該積
層体を粘着剤層から剥離し、再度ラミネートしてもホロ
グラム記録がマイクロカプセルの破壊により流出するホ
ログラム破壊材料により破壊され、写真の貼り替え等を
行なっても、破壊されたホログラムを確認することによ
り、写真の貼り替えを容易に確認できるので、これによ
り偽造防止を確実とするものである。また、体積ホログ
ラム積層体作製用ラベルは、体積ホログラム積層体の作
製を容易になしうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1又は第2の体積ホログラム積層
体をその正面図で説明するための図である。
【図2】 図1のA−A線での断面図であり、本発明の
第1の体積ホログラム積層体を説明するための断面図で
ある。
【図3】 図1のA−A線での断面図であり、本発明の
第2の体積ホログラム積層体を説明するための断面図で
ある。
【図4】 本発明の第1又は第2の体積ホログラム積層
体作製用ラベルを説明するための断面図である。
【符号の説明】
1は第1又は第2の体積ホログラム積層体、2は基材、
3は写真貼着用のり、4は顔写真、5、5′、5″は粘
着剤層、6は体積ホログラム層、7は表面保護フイル
ム、8は個人情報、9は着色シート、10はマイクロカ
プセル、11は剥離シート、20は体積ホログラム積層
体作製用ラベルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、粘着剤層、体積ホログラム
    層、粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層された体積
    ホログラム積層体において、前記粘着剤層中にホログラ
    ム記録破壊材料を封入したマイクロカプセルを含有さ
    せ、体積ホログラム積層体の層間剥離に際して、前記マ
    イクロカプセルを破壊可能としたことを特徴とする体積
    ホログラム積層体。
  2. 【請求項2】 基材上に、粘着剤層、着色シート、粘着
    剤層、体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルム
    が順次積層された体積ホログラム積層体において、前記
    体積ホログラム層に隣接する粘着剤層中にホログラム記
    録破壊材料を封入したマイクロカプセルを含有させ、体
    積ホログラム積層体の層間剥離に際して、前記マイクロ
    カプセルを破壊可能としたことを特徴とする体積ホログ
    ラム積層体。
  3. 【請求項3】 体積ホログラム層形成物質がマトリック
    スポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増
    感色素とからなり、かつ、ホログラム記録破壊材料が、
    前記体積ホログラム層形成物質に対して溶解性を有する
    有機溶剤及び/又は膨潤作用を有する可塑剤であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の体積ホログラ
    ム積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の体積ホログラム積層体を
    作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用
    ラベルであって、剥離紙上に粘着剤層、体積ホログラム
    層、粘着剤層、表面保護フイルムが順次積層され、前記
    粘着剤層中にホログラム記録破壊材料を封入したマイク
    ロカプセルを含有させ、体積ホログラム積層体の層間剥
    離に際して、前記マイクロカプセルを破壊可能としたこ
    とを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の体積ホログラム積層体を
    作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用
    ラベルであって、剥離紙上に粘着剤層、着色シート、粘
    着剤層、体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイル
    ムが順次積層され、前記体積ホログラム層に隣接する粘
    着剤層中にホログラム記録破壊材料を封入したマイクロ
    カプセルを含有させ、体積ホログラム積層体の層間剥離
    に際して、前記マイクロカプセルを破壊可能としたこと
    を特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
  6. 【請求項6】 体積ホログラム層形成物質がマトリック
    スポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増
    感色素とからなり、かつ、ホログラム記録破壊材料が、
    前記体積ホログラム層形成物質に対して溶解性を有する
    有機溶剤及び/又は膨潤作用を有する可塑剤であること
    を特徴とする請求項4又は請求項5記載の体積ホログラ
    ム積層体作製用ラベル。
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