JPH10123462A - 光アイソレータの製造方法、光アイソレータ、偏光素子、およびファラデー素子 - Google Patents

光アイソレータの製造方法、光アイソレータ、偏光素子、およびファラデー素子

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JPH10123462A
JPH10123462A JP28059096A JP28059096A JPH10123462A JP H10123462 A JPH10123462 A JP H10123462A JP 28059096 A JP28059096 A JP 28059096A JP 28059096 A JP28059096 A JP 28059096A JP H10123462 A JPH10123462 A JP H10123462A
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JP
Japan
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polarizing member
groove
optical isolator
faraday element
faraday
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JP28059096A
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Inventor
Yasutaka Matsumoto
康孝 松本
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合面の接着剤の影響を低減して、光アイソ
レータの品質をより高くする。 【解決手段】 各溝D01,D02・・・・、D21,D22
・・に充填された接着剤40によって、偏光部材10お
よび偏光部材20は、ファラデー素子30を挟んだ状態
で接続されて一体になり、光アイソレータ部材1を形成
している。この状態で、接着剤40を熱硬化させ、その
後、各溝の谷の部分を通る切りしろX1 に沿って、各溝
を切断する。この切断に使用するダイシングソーの歯の
厚みは、溝の幅よりも小さい0.2mm程度である。ダ
イシングソーによって全ての溝を切断し、洗浄すること
により、図(B)に示すような1.4mm角の光アイソ
レータ1aが、合計25個形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファラデー効果を利
用する光アイソレータの製造方法、光アイソレータ、偏
光素子、およびファラデー素子に関し、特に反射光の低
減を図った光アイソレータの製造方法、光アイソレー
タ、偏光素子、およびファラデー素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光アイソレータは、偏光子、フ
ァラデー素子、検光子、および永久磁石から構成されて
いる。
【0003】図7は従来の光アイソレータの概略構成を
示す図である。ファラデー素子92は、偏光子91およ
び検光子93の間に挟まれている。ここで、偏光子91
および検光子93は、ともに偏光部材で構成されてい
る。この光アイソレータでは、入射光L11が偏光子91
に入射すると、偏光子91の偏光軸91aに一致した偏
光光L12のみが偏光子91を通過する。偏光子91を通
過した偏光光L12は、ファラデー素子92により45°
回転する。ここで、ファラデー素子92は、図示されて
いない永久磁石から飽和磁界を受けることにより、ファ
ラデー効果を生じている。
【0004】ファラデー素子92により45°回転した
偏光光L12は、検光子93を通過する。検光子93の偏
光軸93aは、偏光子91の偏光軸91aに対して予め
45°ずらして調節してあるので、ファラデー素子92
で45°回転した偏光光L13は、検光子93を通過し、
出射光L14としてレンズを介して光ファイバ側に送られ
る。
【0005】出力側の光ファイバ、レンズ等で反射した
反射光L21は、検光子93に入射する。このとき、偏光
方向が検光子93の偏光軸93aに一致した光L22のみ
が検光子93を通過する。検光子93を通過した光L22
は、ファラデー素子92の非相反性により、さらに45
°回転して、偏光軸L23a が偏光子91の偏光軸91a
と90°ずれた偏光光L23となる。このため、偏光光L
23は、偏光子91によって遮断される。こうして、順方
向の損失は小さく、逆方向の損失は大きいというアイソ
レータ効果を得ることができる。
【0006】ところで、このような構成の光アイソレー
タは、接着剤によって偏光子91、ファラデー素子9
2、および検光子93を接着し、全体を一体構造として
いる。この接着作業のときに、偏光子91に入射光L11
を入射させて、その反射光が最小となるように検光子9
3の回転角度を調節する。そして、接着完了後、必要な
大きさに切断すれば、短時間で精度のよい光アイソレー
タを製造することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の製造方法では、偏光子91、ファラデー素子92、
および検光子93の各接着面に、全面に亘って接着剤を
塗布していたので、光軸上にも接着剤が存在していた。
このため、接合面での光の透過率の低下や、高出力光源
からの出射光による接着剤の発熱や劣化が起こり、品質
の信頼性に問題があった。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、光アイソレータの品質および信頼性をより高
くすることのできる光アイソレータの製造方法、光アイ
ソレータ、偏光素子、およびファラデー素子を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、ファラデー効果を利用する光アイソレー
タの製造方法において、平板状に形成された第1の偏光
部材の一方の面上および第2の偏光部材の一方の面上の
各光軸から離れた部分にそれぞれ溝を形成し、前記第1
の偏光部材および前記第2の偏光部材に形成された各溝
に接合用物質を充填し、前記第1の偏光部材の偏光軸と
前記第2の偏光部材の偏光軸とが互いに所定の角度とな
るように調整しながら、平板状に形成されたファラデー
素子の一方の面に前記第1の偏光部材の前記溝側の面
を、前記ファラデー素子の他方の面に前記第2の偏光部
材の前記溝側の面を、それぞれ貼り合わせて一体化す
る、ことを特徴とする光アイソレータの製造方法が提供
される。
【0010】このような製造方法では、接着用物質は第
1の偏光部材および第2の偏光部材の各光軸から離れた
部分に形成された各溝に充填されるので、接合面での光
の透過の低下や、高出力光源からの出射光による接着剤
の発熱や劣化等が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図面を参
照して説明する。図2は本発明の第1の形態の光アイソ
レータを構成する偏光子としての偏光部材の構成を示す
図である。偏光部材10は、偏光ガラスを平板状に、か
つ10mm角程度の正方形に形成したものである。ま
た、偏光部材10の側面10b,10cは偏光軸S1
平行に、一方、側面10d,10eは偏光軸S1 と直角
な方向を向くように形成されている。このような偏光部
材10は、光アイソレータの入射側の偏光子として使用
される。
【0012】偏光部材10の一方の面10a上には、偏
光軸S1 と平行な6本の溝D01,D 02,D03,D04,D
05,D06が、1.6mm間隔で形成されている。このと
き、両端の溝D01,D06は、それぞれ側面10b,10
cから1mm空けられている。溝D01,D02,D03,D
04,D05,D06は、偏光軸S1 に対する角度が0°±
0.5°以下となるように形成されている。また、溝D
01,D02,D03,D04,D05,D06は、その断面形状
が、1辺0.2mmの逆直角2等辺三角形になるように
形成されている。
【0013】さらに、偏光部材10の面10a上には、
溝D01,D02,D03,D04,D05,D06と直行する6本
の溝D07,D08,D09,D10,D11,D12が、1.6m
m間隔で形成されている。このとき、両端の溝D07,D
12は、それぞれ側面10d,10eから1mm空けられ
ている。溝D07,D08,D09,D10,D11,D12は、偏
光軸S1 に対する角度が90°±0.5°以下となるよ
うに形成されている。また、溝D07,D08,D09
10,D11,D12は、その断面形状が、1辺0.2mm
の逆直角2等辺三角形になるように形成されている。
【0014】偏光部材10の材料としては、挿入損失
0.1dB以下、消光比50dB以上、大きさ10mm
角の偏光ガラスを使用している。偏光部材10は、後述
する方法により、ファラデー素子および検光子と貼り合
わされ、これにより、光アイソレータが形成される。こ
の貼り合わせの作業のとき、各素子間の偏光軸間のズレ
回転角度がなるべく小さくなるようにすることが望まし
い。
【0015】図3は光アイソレータの偏光軸間のズレ回
転角度とアイソレーションとの関係を示す図である。こ
こでは、偏光部材10の消光比を上述したように50d
B、またファラデー素子の消光比を45dB、検光子の
消光比を50dBとした場合の特性を示している。図に
示すように、光アイソレータ全体のアイソレーションと
して30dB以上得るためには、偏光部材10の偏光軸
と、検光子の偏光軸との軸回りの回転角度のズレを2°
以内に収める必要がある。このため、偏光部材10と検
光子の加工精度をほぼ同じとした場合、さらに貼り合わ
せのアライメントのズレが最大1°とすると、偏光部材
10の偏光軸S1 と平行な方向に対する各溝D01
02,D03,D04,D05,D06のズレは、上述したよう
に±0.5°以下であることが必要である。同様に、偏
光軸S1 と90°の方向に対する各溝D07,D08
09,D10,D11,D12のズレは、±0.5°以下であ
ることが必要である。
【0016】次に、本発明の第1の形態の光アイソレー
タを構成する検光子としての偏光部材の構成について説
明する。図4は本発明の第1の形態の光アイソレータを
構成する検光子としての偏光部材の構成を示す図であ
る。偏光部材20は、偏光部材10と同じ材質の偏光ガ
ラスを平板状に、かつ10mm角程度の正方形に形成し
たものである。また、偏光部材20の側面20b,20
cは、偏光軸S2 に対して45°向くように、一方、側
面20d,20eは、偏光軸S2 に対して135°を向
くように形成されている。このような偏光部材20は、
光アイソレータの出力側の検光子として使用される。
【0017】偏光部材20の一方の面20a上には、偏
光部材20の偏光軸S2 と45°傾く6本の溝D21,D
22,D23,D24,D25,D26が、1.6mm間隔で形成
されている。このとき、両端の溝D21,D26は、それぞ
れ側面20b,20cから1mm空けられている。溝D
21,D22,D23,D24,D25,D26は、偏光軸S2 に対
する角度が45°±0.5°以下となるように形成され
ている。また、溝D21,D22,D23,D24,D25,D26
は、その断面形状が、1辺0.2mmの逆直角2等辺三
角形になるように形成されている。
【0018】さらに、偏光部材20の面20a上には、
溝D21,D22,D23,D24,D25,D26と直行する5本
の溝D27,D28,D29,D30,D31,D32が、1.6m
m間隔で形成されている。このとき、両端の溝D27,D
32は、それぞれ側面20d,20eから1mm空けられ
ている。溝D27,D28,D29,D30,D31,D32は、偏
光軸S2 に対する角度が135°±0.5°以下となる
ように形成されている。また、溝D27,D28,D29,D
30,D31,D32は、その断面形状が、1辺0.2mmの
逆直角2等辺三角形になるように形成されている。
【0019】次に、このような構造の偏光部材10およ
び偏光部材20を使用する本形態の光アイソレータの貼
り合わせ方法について説明する。まず、図2で示した偏
光部材10を、面10a側を上にしてテフロン製の治具
にセットする。そして、各溝D01,D02,D03,D04
05,D06,D07,D08,D09,D10,D11,D12に、
接着剤を充填する。ただし、接着剤は、その液面が面1
0aよりもやや低くなるように充填する。一方、図4で
示した偏光部材20も、同様に、面20a側を上にして
テフロン製の治具にセットし、各溝D21,D22,D23
24,D25,D26,D27,D28,D29,D30,D31,D
32に、接着剤を充填する。ただし、この場合も、接着剤
の液面が面20aよりもやや低くなるように充填する。
ここで接着剤としては、2液タイプのエポキシ接着剤を
使用する。
【0020】こうして各溝に接着剤が充填できたら、偏
光部材10の面10aおよび偏光部材20の面20aの
間にファラデー素子を挟んで貼り合わせる。図1は本発
明の第1の形態における偏光部材10、偏光部材20、
およびファラデー素子を張り合わせた状態を示す図であ
り、(A)は切断前の状態を示す側面図、(B)は切断
後の状態を示す側面図である。図(A)に示すように、
各溝D01,D02・・・・、D21,D22・・・に充填され
た接着剤40によって、偏光部材10および偏光部材2
0は、ファラデー素子30を挟んだ状態で接続されて一
体になり、光アイソレータ部材1を形成している。この
状態で、接着剤40を熱硬化させ、その後、各溝の谷の
部分を通る切りしろX1 に沿って、各溝を切断する。こ
の切断に使用するダイシングソーの歯の厚みは、溝の幅
よりも小さい0.2mm程度である。
【0021】ダイシングソーによって全ての溝を切断
し、洗浄することにより、図(B)に示すような1.4
mm角の光アイソレータ1aが、合計25個形成され
る。この光アイソレータ1aでは、偏光部材10の一部
である偏光子11と、偏光部材20の一部である検光子
21が、切断によって残った接着剤41,42,43,
44等によって、ファラデー素子31を挟むようにして
一体になっている。この光アイソレータ1aの使用でき
る範囲は、接着剤よりも内側の1.2mm角内である。
測定の結果、この光アイソレータ1の特性は、1.31
μm用、1.55μm用ともに、挿入損失0.3dB以
下、アイソレーション30dB以上であった。
【0022】光アイソレータ1aは、このままの状態で
使用することもできるが、金属ホルダ内に収納して使用
してもよい。このように、本形態では、偏光部材10、
偏光部材20にそれぞれ溝D01等を形成し、各溝に溢れ
ない程度に接着剤を充填してから、ファラデー素子30
を挟んで一体化し、溝の部分で切断して光アイソレータ
を多数形成するようにしたので、製造効率が向上すると
ともに、光軸上に接着剤が存在しないので、接合面での
光の透過率の低下や、高出力光源からの出射光による接
着剤の発熱や劣化等を防止することができる。よって、
品質が向上する。
【0023】また、本形態では、溝D01等の向きを偏光
軸S1 ,S2 に対して所定の角度を持つように形成した
ので、貼り合わせ作業が簡単になる。なお、本形態で
は、溝D01等の形状を逆直角2等辺三角形としたが、こ
れに限らず、四角形や半円等の形状でもよい。
【0024】また、本形態では、偏光部材10、偏光部
材20、およびファラデー素子30を貼り合わせる方法
として、接着剤40を使用したが、低融点ガラスや半田
等を用いてもよい。低融点ガラスを使用する場合には、
溝D01等に溝と同型に成形した低融点ガラスチップを入
れ、その上からファラデー素子30を被せて、420°
C、20分の条件で封着を行い固定する。一方、半田を
使用するは、予め溝D 01等に、真空蒸着やスパッタリン
グ等によってニッケル、クロム、金等をメタライズし、
その上にフラックレスのスズ−鉛、スズ−銀半田等を約
300°Cの条件で溶融し、固定する。
【0025】さらに、本形態では、切断後の光アイソレ
ータ1aを1.4mm角とする例を示したが、溝幅を変
えるだけで、寸法を変えることができる。また、本形態
では、溝D01等を直線状にする例を示したが、光軸から
外れているのであれば、曲線状等であってもよい。
【0026】次に、本発明の第2の形態について説明す
る。この第2の形態では、偏光部材10,20に溝を形
成するのではなく、ファラデー素子30側に溝を形成す
る。
【0027】図5は本発明の第2の形態によるファラデ
ー素子の構成を示す図である。ファラデー素子50は、
平板状に、かつ10mm角程度の正方形に形成されてい
る。また、ファラデー素子50の一方の面50a上に
は、互いに平行な6本の溝D41,D42,D43,D44,D
45,D46が、1.6mm間隔で形成されている。このと
き、両端の溝D41,D46は、それぞれ側面50b,50
cから1mm空けられている。また、溝D41,D42,D
43,D44,D45,D46は、その断面形状が、1辺0.2
mmの逆直角2等辺三角形になるように形成されてい
る。
【0028】さらに、ファラデー素子50面50a上に
は、溝D41,D42,D43,D44,D 45,D46と直行する
6本の溝D47,D48,D49,D50,D51,D52が、1.
6mm間隔で形成されている。このとき、両端の溝
47,D52は、それぞれ側面50d,50eから1mm
空けられている。溝D47,D48,D49,D50,D51,D
52は、その断面形状が、1辺0.2mmの逆直角2等辺
三角形になるように形成されている。
【0029】一方、ファラデー素子50の図面裏側の面
50fには、溝D41,D42,D43,D44,D45,D46
それぞれ対向するように溝D61,D62,D63,D64,D
65,D66が形成されている。これら溝D61,D62
63,D64,D65,D66は、溝D 41,D42,D43
44,D45,D46と同じ形状に形成されている。また、
面50fには、溝D47,D48,D49,D50,D51,D52
とそれぞれ対向するように溝D 67,D68,D69,D70
71,D72が形成されている。これら溝D67,D68,D
69,D70,D71,D72は、溝D47,D48,D49,D50
51,D52と同じ形状に形成されている。
【0030】このような構成のファラデー素子50を使
用して光アイソレータを製造するためには、まず、面5
0aを上にしてファラデー素子50をテフロン(登録商
標)製の治具にセットする。そして、ディスペンサを使
用して溝D41,D42,D43,D44,D45,D46,D47
48,D49,D50,D51,D52に接着剤を充填する。そ
の上から10mm角の平板状の偏光部材を載置して接着
する。次いで、この偏光部材とファラデー素子50が一
体になった部材を裏返して、面50f側を上にする。
【0031】この状態で溝D61,D62,D63,D64,D
65,D66,D67,D68,D69,D70,D71,D72に接着
剤を充填し、その上から10mm角の平板状の偏光部材
を載置して接着する。
【0032】図6は本発明の第2の形態における偏光部
材およびファラデー素子50を張り合わせた状態を示す
図であり、(A)は切断前の状態を示す側面図、(B)
は切断後の状態を示す側面図である。図(A)に示すよ
うに、面50aおよび面50f上の各溝D41,D42・・
・、D61,D62・・・に充填された接着剤80によっ
て、偏光部材60および偏光部材70がファラデー素子
30を挟んだ状態で一体になり、これにより光アイソレ
ータ部材2が形成されている。このとき、偏光部材60
および偏光部材70は、互いの偏光軸が45°または1
35°ズレるように貼り付けられている。
【0033】ここで、偏光部材60は、偏光子として使
用される部材であり、予め、1辺がその偏光軸に対して
平行または垂直となるように形成されており、それぞれ
の誤差が±0.5°以内になるように形成されている。
一方、偏光部材70は、検光子として使用される部材で
あり、予め、1辺がその偏光軸に対して45°または1
35°傾いて形成されており、それぞれの傾斜の誤差が
±0.5°以内になるように形成されている。各誤差を
±0.5°以内とするのは、図3で説明したように、偏
光部材60の偏光軸と、偏光部材70の偏光軸との軸回
りの回転角度のズレを2°以内に収める必要からであ
る。
【0034】偏光部材60および偏光部材70をこのよ
うに形成することにより、例えば各面60a,70aを
ファラデー素子50の端面50dと合わせれば、簡単な
作業で、偏光部材60および偏光部材70の偏光軸の向
きを互いに45°または135°にすることができる。
【0035】こうしてファラデー素子50、偏光部材6
0,70を一体にすると、次に、接着剤80を熱硬化さ
せ、その後、各溝の谷の部分を通る切りしろX2 に沿っ
て、各溝を切断する。この切断に使用するダイシングソ
ーの歯の厚みは、溝の幅よりも小さい0.2mm程度で
ある。
【0036】ダイシングソーによって全ての溝を切断
し、洗浄することにより、図(B)に示すような1.4
mm角の光アイソレータ2aが、合計25個形成され
る。この光アイソレータ1aでは、偏光部材60の一部
である偏光子61と、偏光部材70の一部である検光子
71が、切断によって残った接着剤81,82,83,
84等によって、ファラデー素子51を挟むようにして
接着され、一体になっている。この光アイソレータ2a
の使用できる範囲は、接着剤よりも内側の1.2mm角
内である。測定の結果、この光アイソレータ1の特性
は、1.31μm用、1.55μm用ともに、挿入損失
0.3dB以下、アイソレーション30dB以上であっ
た。
【0037】なお、第1の形態では、偏光部材10およ
び偏光部材20側に溝を形成し、一方、第2の形態で
は、ファラデー素子50側に溝を形成するようにした
が、偏光部材およびファラデー素子の貼り合わせが可能
であれば、他の形成パターンであってもよい。例えば、
図1において、偏光部材10側には溝を形成せず、溝D
01等の代わりの溝をファラデー素子30側に形成し、そ
の一方で偏光部材20との接着方法は図1と同じにする
こともできる。また、これと逆に、偏光部材20側には
溝を形成せず、溝D21等の代わりの溝をファラデー素子
30側に形成し、その一方で偏光部材10との接着方法
は図1と同じにすることもできる。
【0038】さらに、1つの面には1方向に向く溝だけ
を形成し、それと直行する溝は、接着相手側に形成する
ようにしてもよい。例えば、図2の偏光部材10の面1
0a上には、溝D01,D02,D03,D04,D05,D06
みを形成し、それと直行する溝D07,D08,D09
10,D11,D12に対応する溝は、ファラデー素子30
側に形成することができる。これは、偏光部材30につ
いても同様である。
【0039】なお、ファラデー素子30,50には、磁
石不要磁性ガーネット単結晶等の磁石を必要としないも
のや、従来より広く使用されている磁石を用いたもので
もよう。
【0040】また、偏光部材10,20等には、偏光ガ
ラスの他に偏光ビームスプリッタを用いることもでき
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、第1の
偏光部材および前記第2の偏光部材に形成された各溝に
接合用物質を充填し、第1の偏光部材の偏光軸と第2の
偏光部材の偏光軸とが互いに所定の角度となるように調
整しながら、平板状に形成されたファラデー素子の一方
の面に第1の偏光部材の溝側の面を、また、ファラデー
素子の他方の面に第2の偏光部材の溝側の面を、それぞ
れ貼り合わせて一体化するようにしたので、接着用物質
は第1の偏光部材および第2の偏光部材の各光軸から離
れた部分に形成された各溝に充填される。よって、接合
面での光の透過の低下や、高出力光源からの出射光によ
る接着剤の発熱や劣化等を防止することができる。よっ
て、品質および信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態における偏光部材およびフ
ァラデー素子を張り合わせた状態を示す図であり、
(A)は切断前の状態を示す側面図、(B)は切断後の
状態を示す側面図である。
【図2】第1の形態の光アイソレータを構成する偏光子
としての偏光部材の構成を示す図である。
【図3】光アイソレータの偏光軸間のズレ回転角度とア
イソレーションとの関係を示す図である。
【図4】第1の形態の光アイソレータを構成する検光子
としての偏光部材の構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の形態によるファラデー素子の構
成を示す図である。
【図6】本発明の第2の形態における偏光部材およびフ
ァラデー素子50を張り合わせた状態を示す図であり、
(A)は切断前の状態を示す側面図、(B)は切断後の
状態を示す側面図である。
【図7】従来の光アイソレータの概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,2 光アイソレータ部材 1a,2a 光アイソレータ 10 偏光部材 11 偏光子 20 偏光部材 21 検光子 30 ファラデー素子 31 ファラデー素子 40 接着剤

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成された第1の偏光部材の一方の面上および
    第2の偏光部材の一方の面上の各光軸から離れた部分に
    それぞれ溝を形成し、 前記第1の偏光部材および前記第2の偏光部材に形成さ
    れた各溝に接合用物質を充填し、 前記第1の偏光部材の偏光軸と前記第2の偏光部材の偏
    光軸とが互いに所定の角度となるように調整しながら、
    平板状に形成されたファラデー素子の一方の面に前記第
    1の偏光部材の前記溝側の面を、前記ファラデー素子の
    他方の面に前記第2の偏光部材の前記溝側の面を、それ
    ぞれ貼り合わせて一体化する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  2. 【請求項2】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成された第1の偏光部材の一方の面上の光軸
    から離れた部分に、前記第1の偏光部材の偏光軸に対し
    て実質的に平行または直行する方向に延びる溝を、さら
    に、平板状に形成された第2の偏光部材の一方の面上の
    光軸から離れた部分に、前記第2の偏光部材の偏光軸に
    対して実質的に45°または135°の方向に延びる溝
    を形成し、 前記第1の偏光部材および前記第2の偏光部材に形成さ
    れた各溝に接合用物質を充填し、 前記第1の偏光部材の溝と前記第2の偏光部材の溝とが
    互いに実質的に平行または直行する向きとなるように調
    整しながら、前記第1の偏光部材の前記溝側の面を平板
    状に形成されたファラデー素子の一方の面に、前記第2
    の偏光部材の前記溝側の面を前記ファラデー素子の他方
    の面に、それぞれ貼り合わせて一体化する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  3. 【請求項3】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成された第1の偏光部材の一方の面上の光軸
    から離れた部分に、前記第1の偏光部材の偏光軸に対し
    て実質的に平行または直行する方向に延びる溝を、さら
    に平板状に形成された第2の偏光部材の一方の面上の光
    軸から離れた部分に、前記第2の偏光部材の偏光軸に対
    して実質的に45°または135°の方向に延びる溝
    を、それぞれ平行に複数本形成し、 前記第1の偏光部材および前記第2の偏光部材に形成さ
    れた各溝に接合用物質を充填し、 前記第1の偏光部材の溝と前記第2の偏光部材の溝とが
    互いに実質的に平行または直行する向きに調整して、平
    板状に形成されたファラデー素子の一方の面に前記第1
    の偏光部材の前記溝側の面を、前記ファラデー素子の他
    方の面に前記第2の偏光部材の前記溝側の面を、それぞ
    れ貼り合わせて一体化して光アイソレータ部材を形成
    し、 前記第1の偏光部材の溝の幅および前記第2の偏光部材
    の溝の幅よりも狭い幅のダイサーを用いて、前記一体化
    された光アイソレータ部材を前記第1の偏光部材の溝お
    よび前記第2の偏光部材の溝の少なくとも一方の溝に沿
    って切断し、複数の光アイソレータチップを形成する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  4. 【請求項4】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成されたファラデー素子の両面上の光軸から
    離れた部分に、それぞれ溝を形成し、 前記溝に接合用物質を充填し、 前記ファラデー素子の各面に、平板状に形成された偏光
    部材を偏光軸が実質的に互いに45°または135°に
    なるように貼り合わせて一体化する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  5. 【請求項5】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成されたファラデー素子の両面上の光軸から
    離れた部分に、互いに平行または直角な溝をそれぞれ複
    数本形成し、 前記各溝に接合用物質を充填し、 平板状に形成された第1の偏光部材の偏光軸と第2の偏
    光部材の偏光軸とが互いに実質的に45°または135
    °となるように調整して、前記ファラデー素子の一方の
    面に前記第1の偏光部材を、前記ファラデー素子の他方
    の面に前記第2の偏光部材をそれぞれ貼り合わせて一体
    化して光アイソレータ部材を形成し、 前記ファラデー素子の溝の幅よりも狭い幅のダイサーを
    用いて、前記一体化された光アイソレータ部材を前記フ
    ァラデー素子の両面の溝の少なくとも一方の溝に沿って
    切断し、複数の光アイソレータチップを形成する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  6. 【請求項6】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成されたファラデー素子の一方の面上の光軸
    から離れた部分に溝を形成し、 前記溝に接着用物質を充填し、 前記ファラデー素子の一方の面上に、平板状の第1の偏
    光部材を貼り合わせるとともに、前記ファラデー素子の
    他方の面には、一方の面上に溝が形成されかつ前記溝に
    接合用物質が充填された平板状の第2の偏光部材を、前
    記第1の偏光部材と互いの偏光軸が実質的に45°また
    は135°になるように貼り合わせて一体化する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  7. 【請求項7】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タの製造方法において、 平板状に形成されたファラデー素子の一方の面上の光軸
    から離れた部分に、互いに平行または直角な溝をそれぞ
    れ複数本形成し、 前記各溝に接着用物質を充填し、 前記ファラデー素子の一方の面上に、平板状の第1の偏
    光部材を貼り合わせるとともに、前記ファラデー素子の
    他方の面には、一方の面上の光軸から離れた部分に互い
    に平行または直角な溝が複数本形成されかつ前記各溝に
    接合用物質が充填された平板状の第2の偏光部材を、前
    記第1の偏光部材と互いの偏光軸が実質的に45°また
    は135°になるように貼り合わせて一体化し、 前記溝の幅よりも狭い幅のダイサーを用いて、前記一体
    化された光アイソレータ部材を前記ファラデー素子また
    は前記第2の偏光部材の少なくとも一方の溝に沿って切
    断し、複数の光アイソレータチップを形成する、 ことを特徴とする光アイソレータの製造方法。
  8. 【請求項8】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タにおいて、 平板状に形成された第1の偏光部材の一方の面上および
    第2の偏光部材の一方の面上の各光軸から離れた部分に
    それぞれ溝が形成され、前記第1の偏光部材および前記
    第2の偏光部材に形成された各溝に接合用物質が充填さ
    れ、さらに、平板状に形成されたファラデー素子の一方
    の面に前記第1の偏光部材の前記溝側の面が、また、前
    記ファラデー素子の他方の面に前記第2の偏光部材の前
    記溝側の面が、それぞれ貼り合わされて一体化されてい
    ることを特徴とする光アイソレータ。
  9. 【請求項9】 ファラデー効果を利用する光アイソレー
    タにおいて、 平板状に形成されたファラデー素子の両面上の光軸から
    離れた部分に、それぞれ溝が形成され、前記溝に接合用
    物質が充填され、前記ファラデー素子の各面には、平板
    状に形成された偏光部材を偏光軸が実質的に互いに45
    °または135°になるように貼り合わされて一体化さ
    れていることを特徴とする光アイソレータ。
  10. 【請求項10】 ファラデー効果を利用する光アイソレ
    ータにおいて、 平板状に形成されたファラデー素子の一方の面上の光軸
    から離れた部分に溝が形成され、前記溝に接着用物質が
    充填され、前記ファラデー素子の一方の面上には平板状
    の第1の偏光部材が貼り合わせされるとともに、前記フ
    ァラデー素子の他方の面には、一方の面上に溝が形成さ
    れかつ前記溝に接合用物質が充填された平板状の第2の
    偏光部材が、前記第1の偏光部材と互いの偏光軸が実質
    的に45°または135°になるように貼り合わされて
    一体化されていることを特徴とする光アイソレータ。
  11. 【請求項11】 ファラデー効果を利用する光アイソレ
    ータに用いられる偏光素子において、 光軸から離れた部分に溝が形成されていることを特徴と
    する偏光素子。
  12. 【請求項12】 前記溝は、偏光軸と所定の角度の方向
    に延びるように形成されていることを特徴とする請求項
    8記載の偏光素子。
  13. 【請求項13】 ファラデー効果を利用する光アイソレ
    ータに用いられるファラデー素子において、 少なくとも一方の面に、光軸から離れた部分に溝が形成
    されていることを特徴とするファラデー素子。
JP28059096A 1996-10-23 1996-10-23 光アイソレータの製造方法、光アイソレータ、偏光素子、およびファラデー素子 Pending JPH10123462A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5848474B1 (ja) * 2015-03-17 2016-01-27 株式会社精工技研 光学部品の製造方法
CN111221085A (zh) * 2019-01-25 2020-06-02 祥茂光电科技股份有限公司 用于光次组件模块中的光学隔离器阵列
WO2022230528A1 (ja) * 2021-04-28 2022-11-03 信越化学工業株式会社 光アイソレータ

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