JPH10123456A - ヘッドマウントディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】視線を移動する簡単な動作で外の視界を瞬時に
確保することができるヘッドマウントディスプレイ装置
を提供すること。 【解決手段】装置本体１には装着時に顔面に密着して外
部光の進入を防御するプロテクター８を設け、該プロテ
クター８には左右の目の下方に対応する位置に透視部９
をそれぞれ形成し、装置本体１を人体頭部に装着した状
態で視線を下方に移動することにより上記透視部９を通
して外部の視界を確保できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、装着した状態で外
部の視界を確保するヘッドマウントディスプレイ装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、小型でありながら視野一杯に映像
を見ることができるヘッドマウントディスプレイ装置が
開発され、バーチャルリアリティやゲームの分野で使用
されているのはよく知られている。このヘッドマウント
ディスプレイ装置はゴーグルをつけるように人体頭部に
装着し、小型ディスプレイの表示する映像を光学系で大
画面の虚像を作り出し、あたかも大画面のディスプレイ
装置を見るように構成されているものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ヘッドマウントディスプレイ装置は両目を覆うように装
着しているため、外界の様子を遮断することにより映像
に没頭することができる反面、視野には映像以外のもの
が入らないため、周囲の状況を確認することはできな
い。そのため、周囲の様子から状況の変化を予知して行
動をとることができず、緊急時にはパニックに陥る可能
性があり、些細なことが原因でも事故につながる恐れが
あった。

【０００４】本発明は上記問題点を解消し、視線を移動
する簡単な動作で外の視界を瞬時に確保することができ
るヘッドマウントディスプレイ装置を提供することをそ
の課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係るヘッドマウントディスプレイ装置は、
人体頭部に装着し、装置本体内部に配置された小型ディ
スプレイの画面を、光学系で拡大して大画面の虚像とし
て見るヘッドマウントディスプレイ装置であって、上記
装置本体には装着時に顔面に密着して外部光を遮断する
プロテクターを配置し、該プロテクターには左右の目の
下方に対応する位置にそれぞれ透視部を形成し、装置本
体を頭部に装着した状態で視線を下方に移動することに
より上記透視部を介して外部の視界を確保できるように
したことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について説明する。

【０００７】図１は、ヘッドマウントディスプレイ装置
（以下、ＨＭＤという）を示し、このＨＭＤは装置本体
１内部に配置された小型ディスプレイである液晶パネル
２が表示する映像を、図２に示すように装置本体１の後
部に設けられたフェイスマスク３のレンズ４を通して左
右の目で別々に見るものであって、人体頭部に装着した
状態で両手が自由になるようにベルト５、６で頭部に固
定され、装置本体１の両側部から後方に突出した支持部
１ａに配置されたスピーカ７から出力される音声ととも
に液晶パネル２に表示された映像を図示しない光学系に
より大画面の虚像として鑑賞することができるように構
成されている。

【０００８】ところで、このＨＭＤには図２及び図３に
示すように、装着時に装置本体１と顔面との隙間から外
部光が入り込まないように防御するプロテクター８が装
置本体１に取りつけられている。このプロテクター８は
ゴムやポリエチレン等の合成樹脂の可撓性且つ非透光性
を有する素材で形成され、装着時には顔面に密着して外
部光の進入を防御するように形成されている。このプロ
テクター８には装置本体を頭部に装着した状態で外界を
見るための透視部９が形成されている。この透視部９
は、左右の目の真下に対応する位置であるフェイスマス
ク３のレンズ４の下方にそれぞれ形成されている。

【０００９】透視部９はそれぞれ３つのスリット１０で
構成されている。このスリット１０は約３ミリ幅の長孔
で、透視部９の全体の幅は約１５ミリに形成されで人間
の目とほぼ等しい大きさに形成され、透視部９を通して
外界の一部が視認できるとともに大量の外部光が進入し
ないようにスリット１０、１０間にはスリット１０の幅
と同一幅の遮断部１０ａが形成されている。

【００１０】上記構成のＨＭＤによれば、図４に示すよ
うに、ＨＭＤを頭部に装着した時には可撓性を有するプ
ロテクター８が優しく顔面に接触し、装置本体１が直接
顔面に接触することがないので装着感がよい。装着した
状態で視線を前方に向ければレンズ４を通して装置本体
１内の液晶パネル２の映像を見ることができ（矢印
ａ）、視線を下方に移動させればスリット１０を通して
足元を見ることができる（矢印ｂ）。

【００１１】目からスリット１０までの距離はレンズ４
の中心からスリット１０までの距離にほぼ等しく約５セ
ンチで焦点を結ぶのには近過ぎる距離のため、スリット
１０を通して外界に焦点を合わせた場合はスリット１０
とスリット１０との間の部分の遮断部１０ａはぼやけ、
スリット１０を通して外界を見るうえで何ら支障がな
く、むしろ外界を１つの孔から見ているような視界を確
保することができる。

【００１２】そして、透視部９は大口径の孔ではなく、
スリット１０を並設して構成されているので、外部光が
大量にＨＭＤ内に入り込むことがなく、映像を見る際に
外部光に邪魔されることなく快適な映像を楽しむことが
できる。

【００１３】これに対し、外界が完全に遮断されている
ＨＭＤの場合は、外界の様子は全くわからず、外界の状
況の変化を知るためには固定用のベルトを緩めてＨＭＤ
を頭部からはずさなければならないが、とっさの時には
ベルトを緩めてＨＭＤをはずすような操作をする余裕は
なく、パニックに陥る恐れがあるが、本発明のＨＭＤに
よれば、視線を下方に移動するだけで透視部を介して足
元や手元の視界を確保でき、ＨＭＤを装着したままキー
ボードやコンソール等の機器の操作ができるとともに、
頭部を後方に傾ければ透視部から前方の視界を得ること
ができ、操作性の向上と安全性の確保を図ることができ
る。また、スリットを通して空気が出入りするので通気
性が確保でき使用感がよくなるとともに、レンズのくも
りを防止することができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明のヘッドマウントディスプレイ装
置によれば、目の真下に透視部を形成したので、外部光
の影響を受けることなく映像を鑑賞することができると
ともに、装着した状態で視線を移動する単純な動作をす
るだけでディスプレイ装置の外の光景を確認でき、緊急
時や機器操作のために足元や手元を確認したい時にはベ
ルトを緩める等の操作をすることなく瞬時に対応を取る
ことができ、製造コストを上昇させることなく操作性と
安全性に優れたヘッドマウントディスプレイ装置を提供
することができる。

【００１５】また、装着時には可撓性を有するプロテク
ターが優しく顔面に接触し、装置本体が直接顔面に接触
することがないので装着感がよくなるとともに、プロテ
クターに形成されたスリットを通して空気が出入りする
ので通気性も確保できレンズのくもりを防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るヘッドマウントディスプレイ装置
（ＨＭＤ）の平面図

【図２】上記ＨＭＤのベルトを外した状態の背面図

【図３】上記ＨＭＤのベルトを外した状態の底面図

【図４】上記ＨＭＤを頭部に装着した使用状態説明図

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ 液晶パネル ８ プロテクター ９ 透視部 １０ スリット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体頭部に装着し、装置本体内部に配置
   された小型ディスプレイの画面を、光学系で拡大して大
   画面の虚像として見るヘッドマウントディスプレイ装置
   であって、 上記装置本体には装着時に顔面に密着して外部光の進入
   を防御するプロテクターを配置し、該プロテクターには
   左右の目の下方に対応する位置にそれぞれ透視部を形成
   し、装置本体を頭部に装着した状態で視線を下方に移動
   することにより上記透視部を介して外部の視界を確保で
   きるようにしたことを特徴とするヘッドマウントディス
   プレイ装置。