JPH10123156A - 磁気力顕微鏡による磁気力データの解析方法および解析装置 - Google Patents

磁気力顕微鏡による磁気力データの解析方法および解析装置

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JPH10123156A
JPH10123156A JP29814596A JP29814596A JPH10123156A JP H10123156 A JPH10123156 A JP H10123156A JP 29814596 A JP29814596 A JP 29814596A JP 29814596 A JP29814596 A JP 29814596A JP H10123156 A JPH10123156 A JP H10123156A
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JP29814596A
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Tomoko Taguchi
知子 田口
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気力顕微鏡を用いて磁性サンプルの同一位置
からの磁気力の時間的変化を定量的に調べることができ
る磁気力データの解析方法を提供する。 【解決手段】磁気力顕微鏡によって磁性サンプル1から
検出される磁気力データを解析する解析方法において、
検出針2および信号検出部5を介して検出される磁気力
データを磁気力データ処理部8に入力して、サンプル1
上のほぼ同一位置の磁気力イメージM1,M2を所定時
間間隔で順次検出すると共に、検出針2および信号検出
部5を介して検出される表面凹凸データを表面凹凸デー
タ処理部9に入力して、サンプル1上のほぼ同一位置の
表面凹凸イメージA1,A2を所定時間間隔で順次検出
し、この表面凹凸イメージA1,A2を用いて磁気力イ
メージM1,M2の部分領域間の位置合わせを行った
後、これら複数の磁気力イメージを比較解析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気力顕微鏡によ
って観測された磁気力データの解析方法および装置に係
り、特にサンプル上の磁気力の時間的変化を定量的に観
測するための解析方法および装置に関する。関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気力顕微鏡(MFM)は例えば
磁気記録媒体のような磁性を有するサンプル(以下、磁
性サンプルという)の2次元磁気情報を数10nm以下
の高い空間分解能で観察するに有効な手段として用いら
れている。より具体的には、磁気力顕微鏡は磁性サンプ
ルからサンプル面に対し垂直方向に漏れる磁界により検
出針が受ける磁気力を検出するものであり、その出力デ
ータは磁性サンプルの格子状に区切られた領域の磁気力
の値を示す磁気力情報からなる磁気力イメージとして出
力される。一つの磁性サンプルから得られる磁気力情報
によって、任意の幅を持つ任意の線上で出力・スペクト
ル等の解析ができ、また大きさ・強さ等の分布も解析可
能である。
【0003】このように磁気力顕微鏡は、磁性サンプル
から漏れる磁界による磁気力を2次元の磁気力イメージ
として出力して解析することができる。しかし、従来の
磁気力顕微鏡では、セッティングに際しての位置決め精
度が不十分であったり、長期間にわたり観察を行う場合
には、検出針を駆動するピエゾ素子などのアクチュエー
タのドリフトなどの影響により、同一位置の領域の磁気
力情報を再現性良く検出できないため、磁性サンプルか
らの漏れ磁界の時間的変化を定量的に調べることはでき
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気ディスクのような
磁気記録媒体において、同一位置の漏れ磁界の時間的な
変化を定量的に調べることが望まれている。磁気力顕微
鏡を用いれば、磁性サンプルの2次元磁気情報を数10
nm以下の高い空間分解能で観察することができるが、
従来の磁気力顕微鏡ではセッティング時の位置決め精度
が不十分であったり、長期間の観察を行う場合、検出針
を駆動するアクチュエータのドリフトなどの影響で同一
位置の領域の磁気力情報を再現性良く検出できないた
め、磁性サンプルの同一位置からの漏れ磁界の時間的変
化を定量的に調べることはできないという問題があっ
た。
【0005】本発明は、磁気力顕微鏡を用いて磁性サン
プルの同一位置からの磁気力の時間的変化を定量的に調
べることができる磁気力データの解析方法および装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
れる磁気力データを解析する解析方法において、サンプ
ル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定時間間隔で
複数の磁気力イメージとして検出すると共に、サンプル
表面の凹凸形状を示す表面凹凸イメージを検出し、この
表面凹凸イメージを用いて複数の磁気力イメージの少な
くとも部分領域間の位置合わせを行った後、これら複数
の磁気力イメージを比較解析することを特徴とする。
【0007】より好ましくは、サンプル上のほぼ同一位
置から磁気力データを所定時間間隔で複数の磁気力イメ
ージとして検出すると共に、サンプル上の複数の磁気力
イメージが検出される位置とほぼ同一位置から、サンプ
ル表面の凹凸形状を示す複数の表面凹凸イメージを所定
時間間隔で順次検出し、これら複数の表面凹凸イメージ
を用いて複数の磁気力イメージの少なくとも部分領域間
の位置合わせを行った後、複数の磁気力イメージを比較
解析することを特徴とする。
【0008】さらに具体的には、サンプル上のほぼ同一
位置から磁気力データを所定時間間隔で第1および第2
の磁気力イメージとして検出すると共に、サンプル上の
第1および第2の磁気力イメージが検出される位置とほ
ぼ同一位置から、サンプル表面の凹凸形状を示す第1お
よび第2の表面凹凸イメージを所定時間間隔で順次検出
し、第1の磁気力イメージおよび第1の表面凹凸イメー
ジ上の所定の抽出領域からそれぞれ第1の部分磁気力イ
メージおよび第1の部分表面凹凸イメージをそれぞれ抽
出し、第2の表面凹凸イメージ上の相対的に異なる複数
の抽出領域から第2の部分表面凹凸イメージを抽出し
て、第1の部分表面凹凸イメージと第2の部分表面凹凸
イメージの差分を求め、第2の磁気力イメージ上の該差
分が最小となる第2の部分表面凹凸イメージの抽出領域
と同一位置の抽出領域から第2の部分磁気力イメージを
抽出し、第1の部分磁気力イメージと第2の部分磁気力
イメージの差分を求めることを特徴とする。
【0009】また、サンプル上のほぼ同一位置から磁気
力データを所定時間間隔で第1および第2の磁気力イメ
ージとして検出すると共に、サンプル上の第1および第
2の磁気力イメージが検出される位置とほぼ同一位置か
ら、該サンプル表面の凹凸形状を示す第1および第2の
表面凹凸イメージを所定時間間隔で順次検出し、第1お
よび第2の磁気力イメージ上の所定の抽出領域から第1
および第2の部分磁気力イメージを抽出し、第1および
第2の表面凹凸イメージ上の第1および第2の部分磁気
力イメージの相対位置に基づく所定の抽出領域から第1
および第2の部分表面凹凸イメージを抽出し、第2の表
面凹凸イメージ上の第2の部分表面凹凸イメージの抽出
領域を相対的に変化させて、第1の部分表面凹凸イメー
ジと第2の部分表面凹凸イメージの差分を求め、第2の
磁気力イメージ上の該差分が最小となる第2の部分表面
凹凸イメージの抽出領域と同一位置の抽出領域から第2
の部分磁気力イメージを抽出し、第1の部分磁気力イメ
ージと第2の部分磁気力イメージの差分を求めることを
特徴とする。
【0010】このように本発明では、表面凹凸イメージ
を用いて順次検出される複数の磁気力イメージについて
全体または部分領域間の位置合わせを行うことにより、
サンプル上の2次元平面の同一位置または領域の磁気力
の時間的変化を定量的に評価することが可能となる。
【0011】また、従来ではサンプル上の磁気力の時間
的変化を調べる際の評価位置の精度が磁気力顕微鏡の機
械的精度に依存していたため、数μm程度の精度しか得
られなかったのに対して、本発明では磁気力顕微鏡の空
間分解能(数nm)の精度で位置合わせを行うことがで
きるため、極めて正確にサンプル上の同一位置または領
域の磁気力の時間的変化を観測することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
磁気力顕微鏡を含むデータ解析装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0013】このデータ解析装置は、例えば磁気記録媒
体などの磁性サンプル1からの漏れ磁界のような磁気力
を検出して解析する装置であり、磁性サンプル1に近接
して絶縁性磁性材料からなる検出針2が配置されてい
る。検出針2は、例えばピエゾ素子(圧電素子)などを
用いた磁性針駆動部3によって、磁性サンプル1の厚さ
方向に移動可能に設けられている。磁性針駆動部3は、
フィードバック制御部4によって制御される。さらに、
磁性サンプル1はこれを図示しないxyθステージ上に
よって移動および回転が行われるようになっており、こ
のステージもフィードバック制御部4によって制御され
る構成となっている。
【0014】検出針2は、検出針駆動部3を介して信号
検出部5に接続される。信号検出部5は、磁性サンプル
1からの漏れ磁界などの磁気力を示す磁気力データと、
磁性サンプル1の表面形状を示す表面凹凸データを検出
するものである。検出針1、検出針駆動部3、フィード
バック制御部4および信号検出部5によって磁気力顕微
鏡(MFM)が構成される。また、検出針2は非磁性材
料からなるため、この磁気力顕微鏡は原子間力顕微鏡
(AFM)としても動作が可能となっている。
【0015】磁気力データを検出する場合には、磁性サ
ンプル1と検出針2とが静電引力によって引き合い、両
者の間隔が一定となるように、つまり検出針1によって
検出される磁気力が一定となるように、フィードバック
制御部4によって検出針駆動部3にフィードバック制御
を施される。このときのフィードバック制御量が磁気力
データとして検出される。
【0016】一方、表面凹凸データを検出する場合に
は、検出針2を磁性サンプル1に両者間に原子間引力が
働くように近接させ、磁性サンプル1と検出針2との間
隔が一定となるように、フィードバック制御部4によっ
て検出針駆動部3にフィードバック制御が施される。こ
のときのフィードバック制御量が表面凹凸データとして
検出される。この場合の動作は、原子間力顕微鏡(AF
M)と同様である。
【0017】信号検出部5によって検出される磁気力デ
ータは、メモリ6と磁気力データ処理部8の一方の入力
端子に入力され、メモリ6から出力される磁気力データ
は磁気力データ処理部8の他方の入力端子に入力され
る。磁気力データ処理部8は、メモリ6から出力される
磁気力データによって表される磁気力イメージをM1、
信号検出部5によって検出される磁気力データによって
表される磁気力イメージをM2とすれば、磁気力イメー
ジM1,M2のほぼ同一の部分領域を指定して、それら
の領域の磁気力イメージ(部分磁気力イメージという)
m1,m2を抽出する。
【0018】また、磁気力データ処理部8からは、部分
磁気力イメージm1,m2の相対位置を示す相対位置情
報がフィードバック制御部4および検出針駆動部3を介
して検出針2にフィードバックされる。このフィードバ
ックは、磁性サンプル1を移動・回転させるxyθテー
ブルにも行ってもよい。
【0019】一方、信号検出部5によって検出される表
面凹凸データはメモリ7と表面凹凸データ処理部9の一
方の入力端子に入力され、メモリ7から出力される表面
凹凸データは表面凹凸データ処理部9の他方の入力端子
に入力される。表面凹凸データ処理部9は、メモリ7か
ら出力される表面凹凸データによって表されるイメージ
をA1、信号検出部5によって検出される表面凹凸デー
タによって表されるイメージをA2とすれば、A1,A
2のほぼ同一の部分領域のイメージ(部分表面凹凸イメ
ージという)a1,a2を抽出する。表面凹凸イメージ
A1,A2上の部分表面凹凸イメージa1,a2を抽出
する領域は、磁気力データ処理部8においてM1,M2
上のm1,m2を抽出する領域と一致させる。
【0020】表面凹凸データ処理部9では、さらに一方
の部分表面凹凸イメージa2の抽出領域について2次元
平面内で複数回の平行移動と回転を行い、この平行移動
と回転毎に、抽出領域の平行移動と回転の後の部分表面
凹凸イメージa2′と他方の部分表面凹凸イメージa1
の差分を求め、その差分が最小となる平行移動と回転の
条件J(2次元平面内での互いの直交するx方向および
y方向の移動距離と回転角度)を決定する。
【0021】こうして表面凹凸データ処理部8で決定さ
れた平行移動と回転の条件Jは、磁気力データ処理部8
に与えられる。磁気力データ処理部8では、この条件J
に基づいて一方の部分磁気力イメージm2の抽出領域に
ついて平行移動と回転を行った後、抽出領域の平行移動
と回転の後の部分磁気力イメージm2′と他方の磁気力
イメージm1との差分を計算することにより、磁気力デ
ータの時間的変化を求める。
【0022】さらに、本実施形態では表面凹凸データ処
理部9で決定された平行移動と回転の条件は、フィード
バック制御部4および検出針駆動部3を介して検出針2
にフィードバックされる。このフィードバックは、磁性
サンプル1を移動・回転させるxyθテーブルにも行っ
てもよい。
【0023】磁気力データ処理部8および表面凹凸デー
タ処理部9の処理結果である磁気力イメージおよび表面
凹凸イメージは、CRTディスプレイのような表示部1
0上に表示される。
【0024】次に、図2に示すフローチャートと図3〜
図6を用いて本実施形態におけるデータ解析手順を説明
する。なお、図3〜図6は表示部10上に表示される磁
気力イメージや表面凹凸イメージを電子写真式プリンタ
によりハードコピーとして記録したものである。
【0025】まず、磁気力顕微鏡によって磁性サンプル
1から同一位置を含む2枚の磁気力イメージM1,M2
を検出する(ステップS1)。磁気力イメージM1,M
2の例を図3(a)(c)に示す。一方、磁気力顕微鏡
を今度は原子間力顕微鏡として動作させ、磁性サンプル
1から磁気力イメージM1,M2を検出した位置と同一
位置の表面凹凸イメージA1,A2を検出する(ステッ
プS2)。表面凹凸イメージA1,A2の例を図3
(b)(d)に示す。なお、ステップS1,S2の処理
は、いずれを先に行ってもよく、その順序は問わない。
【0026】次に、ステップS1で検出された磁気力イ
メージM1,M2上の同一領域、例えば図3(a)
(c)中の○印で示す領域を指定し、その領域の部分磁
気力イメージm1,m2を抽出する(ステップS3)。
一方、ステップS2で検出された表面凹凸イメージA
1,A2に対して、磁気力イメージM1,M2上の部分
磁気力イメージm1,m2を抽出した領域と同一領域、
すなわち図3(b)(d)中の○印で示す領域を指定
し、その領域を含む領域の部分表面凹凸イメージa1,
a2を抽出する(ステップS4)。この際、部分磁気力
イメージm1,m2の相対位置を用いて、部分表面凹凸
イメージa1,a2の大まかな抽出位置を決定するよう
にする。ステップS3,S4の処理も、いずれを先に行
ってもよく、その順序は問わない。
【0027】図4(a)(b)に表面凹凸イメージA
1,A2の例を示し、また図4(c)(d)にイメージ
A1,A2中の□で囲んだ領域、すなわち図3(b)
(d)中の○印で示す領域を含む領域の部分表面凹凸イ
メージa1,a2を示す。
【0028】次に、ステップS4で抽出される部分表面
凹凸イメージa1,a2のうち一方のイメージa2の抽
出領域について、例えば部分磁気力イメージm1,m2
の相対位置に基づいて、2次元平面内で平行移動と回転
を行う(ステップS5)。この平行移動と回転を行った
抽出領域の部分表面凹凸イメージをa2′とする。この
平行移動と回転をパラメータ(x,y方向の移動距離お
よび回転角度)を変えて複数回行い、その都度a1とa
2′との差分を求め、その差分が最小となる平行移動と
回転の条件J(x方向移動距離、y方向移動距離および
回転角度)を決定する(ステップS6)。
【0029】図5(a)(d)(g)は部分表面凹凸イ
メージa1の例であり、図5(b)(e)(h)は抽出
領域について種々の平行移動と回転を行った部分表面凹
凸イメージa2′の例である。そして、図5(c)
(f)(i)はそれぞれの左側に並んだ部分表面凹凸イ
メージa1とa2′の差分をとった差分イメージであ
る。すなわち、図5(c)は図5(a)と(b)の差分
イメージ、図5(f)は図5(d)と(e)の差分イメ
ージ、図5(i)は図5(g)と(h)の差分イメージ
である。
【0030】図6のA,B,Cは、抽出領域の平行移動
と回転におけるx方向移動距離、y方向移動距離および
回転角度と、部分表面凹凸イメージa1とa2′の差分
イメージにおける差分の合計(差分値)の関係を示した
ものであり、Aは図5(a)(b)(c)に対応し、B
は図5(d)(e)(f)に対応し、Cは図5(g)
(h)(i)に対応している。A→B→Cと移行するに
つれて、すなわち、図5(c)→(f)→(i)の順で
差分値は徐々に小さくなっており、図5(i)で最小
(この例では“509”)となっている。この差分値が
最小となるときの平行移動と回転の条件、すなわちx方
向移動距離=−1.309、y方向移動距離=1.01
6および回転角度=−1.168が先の条件Jとなる。
【0031】次に、ステップS3で抽出される部分磁気
力イメージm1,m2のうち一方のイメージm2の抽出
領域について、ステップS5で決定された条件Jで平行
移動と回転を行う(ステップS7)。すなわち、部分磁
気力イメージm2の抽出領域を条件Jで与えられた距離
x,yだけ平行移動させ、さらに条件Jで与えられた角
度だけ回転させる。こうして平行移動と回転を行った抽
出領域の部分磁気力イメージをm2′とする。そして、
この抽出領域を変更した後の部分磁気力イメージm2′
と他方の部分磁気力イメージm1の差分を計算する(ス
テップS8)。この差分は、磁性サンプル1上の同一位
置の磁気力データの時間的変化を表している。
【0032】上述した一連の処理を図7を用いて説明す
る。磁性サンプル1から磁気力顕微鏡により順次得られ
た同一位置の2枚の磁気力イメージ(M1,M2)か
ら、図7(a)(c)に示すほぼ同一領域の部分磁気力
イメージm1,m2をそれぞれ抽出する。一方、同じ磁
性サンプル1から原子間力顕微鏡により順次得られた同
一位置の表面凹凸イメージ(A1,A2)から、図7
(b)(d)に示すほぼ同一領域の部分表面凹凸イメー
ジa1,a2を抽出する。そして、a2の抽出領域に対
し、a1と抽出領域変更後の部分表面凹凸イメージa
2′の差分が最小となるように平行移動および回転を施
して変更を行い、その平行移動および回転の条件に従っ
て部分磁気力イメージm2の抽出領域にも平行移動およ
び回転を施して変更を行ってm2′を抽出し、m1と抽
出領域変更後のm2′の差分イメージを求める。この差
分イメージが図7(e)であり、これは磁性サンプル1
上の同一位置の磁気力データの時間的変化を表してい
る。
【0033】以上のような手順で、磁性サンプル1上の
各部分について同様に磁気力データの時間的変化を検出
することにより、磁性サンプル1の2次元平面での磁気
力データの時間的変化とその分布を求めることができ
る。
【0034】なお、本実施形態では前述したように、表
面凹凸データ処理部9で求められた一方の部分表面凹凸
イメージa1と抽出領域の平行移動と回転の後の他方の
部分表面凹凸イメージa2′の差分が最小となる平行移
動と回転の条件Jを磁気力データ処理部8に与えると共
に、フィードバック制御部4を介して検出針駆動部3に
もフィードバックしている。この条件Jのフィードバッ
クにより、磁性サンプル1上の磁気力イメージM2およ
び表面凹凸イメージA2の検出位置を磁気力イメージM
1および表面凹凸イメージA1の検出位置とできるだけ
同一となるように補正することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば磁
気力顕微鏡によってサンプルから検出される磁気力デー
タを解析する際、サンプル上のほぼ同一位置から磁気力
データを所定時間間隔で複数の磁気力イメージとして検
出すると共に、サンプル表面の凹凸形状を示す表面凹凸
イメージを検出し、この表面凹凸イメージを用いて複数
の磁気力イメージについて少なくとも部分領域間の位置
合わせを行った後、これらを比較解析することによっ
て、サンプル上の2次元平面の同一位置または領域の磁
気力の時間的変化を定量的に評価することができる。
【0036】また、従来ではサンプル上の磁気力の時間
的変化を調べる際の評価位置の精度が磁気力顕微鏡の機
械的精度に依存し、数μm程度の精度しか得られなかっ
たのに対して、本発明では磁気力顕微鏡の空間分解能数
で決まるnm程度の極めて高い精度で位置合わせを行う
ことができるため、極めて正確にサンプル上の同一位置
または領域の磁気力の時間的変化を観測することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気力顕微鏡による
データ解析装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施形態に係るデータ解析の手順を示すフロ
ーチャート
【図3】同実施形態において磁性サンプルから検出され
る磁気力イメージおよび表面凹凸イメージの例を示す図
【図4】図3中の表面凹凸イメージおよびその一部を抽
出した部分表面凹凸イメージを示す図
【図5】図4中の部分表面凹凸イメージとそれを平行移
動・回転させた部分表面凹凸イメージおよびこれらの差
分イメージを示す図
【図6】図5中の部分表面凹凸イメージとその平行移動
距離および回転角度と差分イメージの差分値の関係を示
す図
【図7】同実施形態における磁気力データの解析の概要
を示す図
【符号の説明】
1…磁性サンプル 2…検出針 3…検出針駆動部 4…フィードバック制御部 5…信号検出部 6…磁気力データ用メモリ 7…表面凹凸データ用メモリ 8…磁気力データ処理部 9…表面凹凸データ処理部 10…表示部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析方法において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で複数の磁気力イメージとして検出すると共
    に、 前記サンプル表面の凹凸形状を示す表面凹凸イメージを
    検出し、 この表面凹凸イメージを用いて前記複数の磁気力イメー
    ジの少なくとも部分領域間の位置合わせを行った後、該
    複数の磁気力イメージを比較解析することを特徴とする
    磁気力顕微鏡による磁気力データの解析方法。
  2. 【請求項2】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析方法において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で複数の磁気力イメージとして検出すると共
    に、 前記サンプル上の前記複数の磁気力イメージが検出され
    る位置とほぼ同一位置から、該サンプル表面の凹凸形状
    を示す複数の表面凹凸イメージを所定時間間隔で順次検
    出し、 前記複数の表面凹凸イメージを用いて前記複数の磁気力
    イメージの少なくとも部分領域間の位置合わせを行った
    後、該複数の磁気力イメージを比較解析することを特徴
    とする磁気力顕微鏡による磁気力データの解析方法。
  3. 【請求項3】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析方法において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で第1および第2の磁気力イメージとして検出
    すると共に、 前記サンプル上の前記第1および第2の磁気力イメージ
    が検出される位置とほぼ同一位置から、該サンプル表面
    の凹凸形状を示す第1および第2の表面凹凸イメージを
    所定時間間隔で順次検出し、 第1の磁気力イメージおよび第1の表面凹凸イメージ上
    の所定の抽出領域からそれぞれ第1の部分磁気力イメー
    ジおよび第1の部分表面凹凸イメージを抽出し、 第2の表面凹凸イメージ上の相対的に異なる複数の抽出
    領域から第2の部分表面凹凸イメージを抽出して、第1
    の部分表面凹凸イメージと第2の部分表面凹凸イメージ
    の差分を求め、 第2の磁気力イメージ上の該差分が最小となる第2の部
    分表面凹凸イメージの抽出領域と同一位置の抽出領域か
    ら第2の部分磁気力イメージを抽出し、 第1の部分磁気力イメージと第2の部分磁気力イメージ
    の差分を求めることを特徴とする磁気力顕微鏡による磁
    気力データの解析方法。
  4. 【請求項4】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析方法において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で第1および第2の磁気力イメージとして検出
    すると共に、 前記サンプル上の前記第1および第2の磁気力イメージ
    が検出される位置とほぼ同一位置から、該サンプル表面
    の凹凸形状を示す第1および第2の表面凹凸イメージを
    所定時間間隔で順次検出し、 第1および第2の磁気力イメージ上の所定の抽出領域か
    ら第1および第2の部分磁気力イメージを抽出し、 第1および第2の表面凹凸イメージ上の前記第1および
    第2の部分磁気力イメージの相対位置に基づく所定の抽
    出領域から第1および第2の部分表面凹凸イメージを抽
    出し、 第2の表面凹凸イメージ上の第2の部分表面凹凸イメー
    ジの抽出領域を相対的に変化させて、第1の部分表面凹
    凸イメージと第2の部分表面凹凸イメージの差分を求
    め、 第2の磁気力イメージ上の該差分が最小となる第2の部
    分表面凹凸イメージの抽出領域と同一位置の抽出領域か
    ら第2の部分磁気力イメージを抽出し、 第1の部分磁気力イメージと第2の部分磁気力イメージ
    の差分を求めることを特徴とする磁気力顕微鏡による磁
    気力データの解析方法。
  5. 【請求項5】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析装置において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で複数の磁気力イメージとして検出する手段
    と、 前記サンプル表面の凹凸形状を示す表面凹凸イメージを
    検出する手段と、 前記表面凹凸イメージを用いて前記複数の磁気力イメー
    ジの位置合わせを行う手段と、 位置合わせ後の前記複数の磁気力イメージを比較解析す
    る手段とを有することを特徴とする磁気力顕微鏡による
    磁気力データの解析装置。
  6. 【請求項6】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析装置において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で複数の磁気力イメージとして検出する手段
    と、 前記サンプル上の前記複数の磁気力イメージが検出され
    る位置とほぼ同一位置から、該サンプル表面の凹凸形状
    を示す複数の表面凹凸イメージを所定時間間隔で順次検
    出する手段と、 前記複数の表面凹凸イメージを用いて前記複数の磁気力
    イメージの位置合わせを行う手段と、 位置合わせ後の前記複数の磁気力イメージを比較解析す
    る手段とを有することを特徴とする磁気力顕微鏡による
    磁気力データの解析装置。
  7. 【請求項7】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析装置において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で第1および第2の磁気力イメージとして検出
    する手段と、 前記サンプル上の前記第1および第2の磁気力イメージ
    が検出される位置とほぼ同一位置から、前記サンプル表
    面の凹凸形状を示す第1および第2の表面凹凸イメージ
    を所定時間間隔で順次検出する手段と、 第1の磁気力イメージおよび第1の表面凹凸イメージ上
    の所定の抽出領域からそれぞれ第1の部分磁気力イメー
    ジおよび第1の部分表面凹凸イメージを抽出する手段
    と、 第2の表面凹凸イメージ上の相対的に異なる複数の抽出
    領域から第2の部分表面凹凸イメージを抽出して、第1
    の部分表面凹凸イメージと第2の部分表面凹凸イメージ
    の差分を求める手段と、 第2の磁気力イメージ上の該差分が最小となる第2の部
    分表面凹凸イメージの抽出領域と同一位置の抽出領域か
    ら第2の部分磁気力イメージを抽出する手段と、 前記第1の部分磁気力イメージと第2の部分磁気力イメ
    ージの差分を求める手段とを有することを特徴とする磁
    気力顕微鏡による磁気力データの解析装置。
  8. 【請求項8】磁気力顕微鏡によってサンプルから検出さ
    れる磁気力データを解析する解析装置において、 前記サンプル上のほぼ同一位置から磁気力データを所定
    時間間隔で第1および第2の磁気力イメージとして検出
    する手段と、 前記サンプル上の前記第1および第2の磁気力イメージ
    が検出される位置とほぼ同一位置から、前記サンプル表
    面の凹凸形状を示す第1および第2の表面凹凸イメージ
    を所定時間間隔で順次検出する手段と、 第1および第2の磁気力イメージ上の所定の抽出領域か
    ら第1および第2の部分磁気力イメージを抽出する手段
    と、 第1および第2の表面凹凸イメージ上の前記第1および
    第2の部分磁気力イメージの相対位置に基づく所定の抽
    出領域から第1および第2の部分表面凹凸イメージを抽
    出する手段と、 第2の表面凹凸イメージ上の第2の部分表面凹凸イメー
    ジの抽出領域を相対的に変化させて、第1の部分表面凹
    凸イメージと第2の部分表面凹凸イメージの差分を求め
    る手段と、 第2の磁気力イメージ上の該差分が最小となる第2の部
    分表面凹凸イメージの抽出領域と同一位置の抽出領域か
    ら第2の部分磁気力イメージを抽出する手段と、 前記第1の部分磁気力イメージと第2の部分磁気力イメ
    ージの差分を求める手段とを有することを特徴とする磁
    気力顕微鏡による磁気力データの解析装置。
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