JPH10122847A - 耐火物厚み測定方法及びその装置 - Google Patents

耐火物厚み測定方法及びその装置

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JPH10122847A
JPH10122847A JP27962096A JP27962096A JPH10122847A JP H10122847 A JPH10122847 A JP H10122847A JP 27962096 A JP27962096 A JP 27962096A JP 27962096 A JP27962096 A JP 27962096A JP H10122847 A JPH10122847 A JP H10122847A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火物の残存厚みを正確に把握することが可
能な耐火物厚み測定方法及びその実施に使用する装置を
提供すること。 【解決手段】 開孔部4において露出している耐火レン
ガ3の表面に、超音波探触子5の接触媒体5aが接触させ
てある。超音波探触子5にはパルサー6及び信号増幅器
7が接続されており、信号増幅器7にて増幅された信号
は、平均化処理部10a と厚み測定部10b とを備えた信号
処理器10へ、バンドパスフィルタ8及びA/D変換器9
を介して与えられる。耐火レンガ3の外側表面近傍に
は、熱流束計12に接続された温度計11,11が耐火レンガ
3の厚み方向に所定間隔を隔てて埋設されており、熱流
束計12にて得られた信号は熱源位置を検出するための熱
伝導計算装置13へ与えられる。信号処理器10及び熱伝導
計算装置13にて得られたデータは、耐火物の厚みを演算
する演算器14へ与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉,転炉等の工
業用炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物の残存厚み
を測定する方法及びその実施に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の鉄皮内側には、通常耐火レンガが
ライニングされている。高炉炉底部の耐火レンガは常に
熔銑に曝されているため、高炉の操業に伴い徐々に損耗
する。例えば火入れ時には2000mm以上あった耐火物の厚
みが十数年後の吹き止め時には300mm程度にまで減少す
ることがある。耐火物の残存厚みの推移を高炉操業中に
精度良く測定し、高炉の余命を的確に推定することは、
熔銑による鉄皮の溶損、熔銑の流出等の重大事故防止及
び高炉資産の有効活用のために非常に重要である。
【0003】このため、耐火レンガの残存厚みを測定す
る数多くの手法が従来より提案されている。例えば特開
昭49-50961号公報には、可聴周波数の正弦波加振力を工
業炉用の被測定レンガに印加し、その機械インピーダン
スを測定し、その機械インピーダンスのピーク値に基づ
いて炉外から非破壊的にレンガ厚みを測定する方法が開
示されている。
【0004】また特開昭58-27002号公報には、鉄皮の一
部に開孔を形成し、金属棒を耐火物又は鉄皮,耐火物間
に埋められた不定型耐火物であるスタンプ材に直結さ
せ、金属棒の一端を打撃することにより、効率良く耐火
物中に弾性波を発生させ、弾性波が耐火物中の往復に要
する時間を測定し、往復時間と耐火物中の弾性波の伝搬
速度から耐火物の厚みを測定する方法が提案されてい
る。さらに特開昭62−297710号公報には、高炉の鉄皮表
面をハンマーにて打撃し、この打撃によって発生した弾
性波が耐火物中を伝搬し、炉心側表面で反射を起こし、
再び鉄皮表面まで戻ってくる往復時間を測定し、予め求
めてある耐火物中の弾性波の伝搬速度と往復時間とから
耐火レンガの厚みを測定する方法が開示されている。こ
れら2つの方法は測定データから耐火レンガ厚みを測定
する処理内容が簡単であり、任意の場所にて測定可能で
あるという利点がある。
【0005】また近年、最も普及している方法は、レン
ガ内部に温度計を埋設し、炉心側から鉄皮側へ伝わる熱
流束を測定する方法である。この方法では、高炉側壁部
の全周に 100個前後の温度計をレンガ内に埋設し、熱流
束を測定した後に、熱伝導方程式から銑鉄凝固温度であ
る1150℃の熱源が存在する位置を算出し、レンガの残存
厚みを推定する方法である。
【0006】特開昭63−297512号公報には、この埋設さ
れた温度計の出力に異常な高温を示すものがあった場合
に、衝撃弾性波センサをその温度計が埋設されている位
置に相当する表面位置へ移動させ、センサを走行させな
がら残存厚み計測を行い、さらに計測結果に基づいて高
炉炉底部耐火物の侵食抑制操作を行って耐火物の内面に
保護層を形成させる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】まず特開昭58-27002号
公報に開示された方法は、測定個所の鉄皮を開孔し、レ
ンガに接触させた金属棒を打撃するため、金属棒の接触
状態、打撃状態によって測定再現性が乏しいという問題
がある。また弾性波(弾性衝撃波,超音波)をレンガの
鉄皮側表面から炉心側へ向けて伝搬させる方法(特開昭
49-50961号,特開昭58-27002号,特開昭62−297710号,
特開昭63−297512号)は、レンガ内部に存在する亀裂
部,脆化部(耐火物の脆化により多数のクラックが存在
する部分)で大部分の弾性波エネルギが反射され、その
伝搬が遮断されるため、これら炉心側にある亀裂部,脆
化部,及び熔銑が侵入した耐火物と凝固銑との混合層で
ある凝固層に関する情報が得られないという欠点を有す
る。しかしながら耐火レンガの管理には、その健全部
(亀裂,脆化が無く、物性値が高炉建設当時の値に近い
部分)の厚みの把握が必要であることは言うまでもない
が、これら亀裂部,脆化部,及び凝固層が熔銑によるレ
ンガ侵食を保護する役割を果たしているため、これらの
厚みを測定することも重要である。
【0008】さらに埋設された温度計にて熱流束を測定
する方法には以下のような問題点が存在する。即ち熱流
束からレンガ残存厚みを算出する際に、レンガ,スタン
プ材等の伝熱係数を用いるが、この伝熱係数はレンガ,
スタンプ材の劣化に伴い経時的に変化するため、厚み算
出時に用いた伝熱係数と実際の伝熱係数との差が厚み算
出誤差を招来する。また断熱層(亀裂部,脆化部)がレ
ンガ内に存在する場合、この断熱層によって熱流束の一
部が遮断され、レンガ厚みの値が実際より大きく算出さ
れる。従ってこのような温度計を用いたレンガ管理は多
数の温度計を使用してマクロ的なレンガ侵食傾向を常時
監視するには有効であるが、個々の測定点における測定
精度はあまり高くない。
【0009】さらに2種類以上のレンガが接着され、多
層構造をなしている場合、鉄皮側から外側の耐火レンガ
の表面に伝搬された弾性波は、耐火レンガ同志の界面で
ある目地部分でそのエネルギの大部分が反射する。従っ
て外側の耐火レンガの残存厚みは精度良く測定すること
が可能であるが、内側(炉心側)の耐火レンガの残存厚
みを指示する反射弾性波は極めて微弱であるため、その
厚みを高精度にて測定することは困難である。
【0010】本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたも
のであり、健全部とこれより内側部分とで異なる方法を
用いることにより、耐火物の健全部の厚みと、健全部よ
り内側部分の厚みとを正確に把握することが可能な耐火
物厚み測定方法及びその実施に使用する装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、炉の鉄皮内側
にライニングされた耐火物の厚みを測定する方法及びそ
の実施に使用する装置において、予め耐火物の外側表面
近傍にその厚み方向に所定間隔を隔てて少なくとも2つ
の温度計を埋設しておき、温度計埋設位置近傍にて耐火
物の外側表面から内側へ向けて弾性波を伝搬させ、耐火
物の健全部とこれより内側部分との境界における反射波
を検出し、弾性波の前記健全部における往復時間から該
健全部の厚みを算出すると同時に、耐火物の外側表面近
傍の、厚み方向に所定間隔を隔てた少なくとも2個所の
温度を測定し、この温度測定値と経験的に求められた耐
火物の健全部及びその内側部分の熱伝導係数とを用いて
前記内側部分の厚みを算出し、前記健全部の厚みと前記
内側部分の厚みとを加算することにより耐火物厚みを算
出することを特徴とする。
【0012】耐火物厚みを、健全部とこれより内側部分
とで異なる方法を用いて測定する。即ち、健全部の厚み
は、従来から行われているように弾性波が反射して往復
する時間から求める。内側部分は、算出された健全部の
厚みと、健全部と内側部分とで異なる熱伝導係数と、表
面近傍の測定温度とから求める。ここで健全部と内側部
分とが、異なる熱伝導係数を有する他種の耐火物であっ
てもよい。これは、異なる種類の耐火物の接合部分で弾
性波は、そのエネルギの大部分が反射するからである。
【0013】弾性波としては、例えば衝撃弾性波又は超
音波を使用することが考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。 形態例1.図1は、本発明に係る耐火物厚み測定方法を
実施するための装置を示す構成図である。高炉における
鉄皮1の内側に、スタンプ材2を介して、被測定物であ
る耐火レンガ3がライニングされており、所定位置の鉄
皮1及びスタンプ材2は開孔されて耐火レンガ3を露出
させてある。この開孔部4の耐火レンガ3に超音波探触
子5の先端が接触させてある。超音波探触子5の先端に
はウレタンゴム等の耐熱樹脂からなる接触媒体5aが取り
付けられており、超音波探触子5の先端と耐火レンガ3
との間に空隙が形成されないようになしてある。また接
触媒体5aを取り付ける代わりに接触媒質を介して耐火レ
ンガ3に接触させてもよい。接触媒質としては耐火物表
面温度(通常 100〜 300℃)でも気化せず、超音波を十
分に伝搬可能な物質であればよい。
【0015】超音波探触子5には、超音波(弾性波)を
発生するための電気信号を出力するパルサー6、及び超
音波探触子5にて検出された弾性波を増幅する信号増幅
器7が接続されており、信号増幅器7にて増幅された信
号は、平均化処理部10a と厚み測定部10b とを備えた、
健全部の厚みを算出する信号処理器10へ、バンドパスフ
ィルタ8及びA/D変換器9を介して与えられるように
なしてある。
【0016】一方、耐火レンガ3の外側表面近傍には、
熱流束計12に接続された温度計11,11が耐火レンガ3の
厚み方向に所定間隔を隔てて埋設されており、熱流束計
12にて得られた信号は亀裂部,脆化部,及び凝固層の厚
みを算出するための熱伝導計算装置13へ与えられる。信
号処理器10にて得られた健全部の厚みデータと経験的に
求められた耐火物健全部及びその内側部分との熱伝導係
数とから熱伝導計算装置13にて内側部分(亀裂部,脆化
部,及び凝固層)の厚みを算出した後に、健全部の厚み
データと内側部分の厚みデータとは耐火レンガ3の外側
表面から熱源(熔銑)までの厚みを演算する演算器14へ
与えられるようになっている。
【0017】次にこのように構成された装置における耐
火物厚み測定方法について説明する。超音波探触子5
は、パルサー6から出力された電気信号に基づいて超音
波を発生し(送信信号)、耐火レンガ3の表面へ伝え
る。耐火レンガ3内を伝搬した弾性波は、図2に示す健
全部3aと亀裂部3bとの境界にて超音波エネルギの大部分
が反射され、さらに炉心側 (脆化部3c,凝固層3d) へは
殆ど伝搬されない。送信信号及び健全部の炉心側端面に
よる反射信号は信号増幅器7にて増幅され、バンドパス
フィルタ8にて高炉操業時の雑音成分が除去された後、
A/D変換器9にてA/D変換される。このA/D変換
された信号は、信号処理器10の平均化処理部10a へ与え
られ、所定回数の加算平均によってS/N比が向上され
る。
【0018】厚み測定部10b は、(1)式に基づいて、
図3に示す如き、送信信号を検出してから反射信号を検
出するまでに要した時間Tから、接触媒体5a内を超音波
が往復伝搬するのに要する時間tを差し引いた後、予め
求めておいた耐火レンガ3内での弾性波の伝搬速度V
と、前記到達時間差の1/2との積を算出することによ
り、健全部の厚みL1を求める。 L1=(T−t)×V/2 …(1)
【0019】なお弾性波は、上述した如く、健全部3aと
亀裂部3bとの境界にて超音波エネルギの大部分が反射さ
れるため、この境界部からさらに炉心側には殆ど伝搬さ
れない。従って亀裂部3bと脆化部3cとの境界からの反射
信号,及び脆化部3cと凝固層3dとの境界からの境界信号
等の信号は検出困難である。
【0020】一方、温度計11,11からの信号は熱流束計
12へ与えられて熱流束が検出され、熱伝導計算装置13へ
与えられる。外側の温度計11と耐火レンガ3の外面との
距離をL0とし、温度計11,11の間隔をx1とし、外側
の温度計11から健全部と亀裂部との境界までの距離をx
2とする。熱伝導計算装置13は、(2)式に基づいて2
つの温度計11,11による測定温度t1,t2から健全部
と亀裂部との境界の温度tLを求める。 tL=(x2/x1)×(t2−t1)+t1 …(2)
【0021】式(2)で算出された温度tLと、予め与
えられている健全部と、亀裂部,脆化部,及び凝固層と
で異なる耐火レンガ3の熱伝導係数λ1,λ2と、侵食
面温度(熱源である熔銑温度:1150℃)tpとから
(3)式に基づいて亀裂部,脆化部,及び凝固層の厚み
L3を求める。ここで本来x2=L1−L0であるが、
通常L0は数mmであるので無視して、x2≒L1として
信号処理器10にて得られた健全部厚みを用いている。 L3=(λ2/λ1)×{(tp−tL)/(tL−t1)}×x2…(3) 次に演算器14は、信号処理器10にて得られた健全部の厚
みL1と、熱伝導計算装置13にて得られた亀裂部,脆化
部,及び凝固層の厚みL3との和を演算することによ
り、亀裂部,脆化部,及び凝固層を含めた耐火レンガ3
の厚みLを求める。 L=L1+L3 …(4)
【0022】次に、亀裂部,脆化部,及び凝固層の総括
的な熱伝導係数λ2を設定する方法について述べる。ま
ず休止高炉(吹き止め高炉)にて、測定の実施位置に対
応する位置からコアサンプルを採取し、亀裂部,脆化
部,及び凝固層の平均的な熱伝導係数を測定する。この
測定を数多くのサンプルについて行い、統計的手法(単
純平均,最大頻度)を用いて総括的な熱伝導係数λ2と
する。なお亀裂部,脆化部,及び凝固層単独の熱伝導係
数及び厚みの推定又は測定が可能である場合は、これら
に基づいた関数を総括的な熱伝導係数λ2の代わりに使
用してもよい。
【0023】図1では鉄皮1及びスタンプ材2を開孔
し、開孔部4に超音波探触子5の先端を挿入して測定し
ているので精度良く超音波の伝搬時間を測定することが
できるが、スタンプ材2の性状が良好である場合には、
鉄皮1のみを開孔して測定してもよい。また鉄皮1,ス
タンプ材2及び耐火レンガ3の接触状態が良好であり、
各部分に剥離等の欠陥が存在しない場合は、鉄皮1表面
をハンマーにて打撃し、この打撃によって発生した弾性
波を用いて健全部の厚みを測定し、そのデータを亀裂
部,脆化部,及び凝固層の算出に使用してもよい。
【0024】形態例2.図4は、2種類の耐火レンガが
接着されてなる高炉における、耐火物の残存厚みの測定
状況を示す模式図である。外側の耐火レンガ21の表面近
傍に温度計11,11が埋設されており、耐火レンガ21の表
面に超音波探触子5が接触させてある。耐火レンガ21の
内側には種類が異なる耐火レンガ22が接着されている。
その他の構成は形態例1と同様であり、図示及び説明を
省略する。
【0025】超音波探触子5を介して耐火レンガ3の表
面へ伝えられた弾性波は、耐火レンガ21と耐火レンガ22
との境界である目地部分にて超音波エネルギの大部分が
反射され、さらに炉心側へは殆ど伝搬されない。送信信
号及び目地部分による反射信号に基づいて、形態例1と
同様にして耐火レンガ21の厚みを求める。即ち、弾性波
が耐火レンガ21の往復に要する時間T11と、接触媒体5a
内を超音波が往復伝搬するのに要する時間t11と、耐火
レンガ21内での弾性波の伝搬速度V11とから(5)式に
基づいて耐火レンガ21の厚みL11を求める。 L11=(T11−t11)×V11/2 …(5)
【0026】一方、間隔x1を隔てて埋め込まれた2つ
の温度計11,11による測定温度t1,t2から(6)式
に基づいて目地部分の温度tMを求める。ここでも形態
例1と同様、x2≒L11として弾性波測定値から式
(5)を用いて算出した厚みを使用する。 tM=(x2/x1)×(t2−t1)+t1 …(6) 温度tMと、耐火レンガ21,22の熱伝導係数λ11,λ12
とを用い、(7)式に基づいて耐火レンガ22の厚みL13
を算出する。 L13=(λ12/λ11)×{(tp−tM)/(tM−t1)}×x2…(7) さらに耐火レンガ21の厚みL11と、耐火レンガ22の厚み
L13との和を演算することにより、耐火レンガ21,22を
合わせた厚みL21を求める。 L21=L11+L13 …(8)
【0027】
【実施例】
実施例1.形態例1における具体的な数値例を挙げ、図
5を参照しながらさらに詳述する。 開口部4:40〜200 mm 超音波の周波数:150 kHz 《弾性波による厚み測定》 送信信号を検出してから反射信号を検出するまでに要し
た時間T:600 μsec 接触媒体5a内を超音波が往復伝搬するのに要した時間
t:30μsec 耐火レンガ3内での弾性波の伝搬速度V:2800m/sec この場合、(1)式より健全部の厚みL1は以下の如く
求められる。 L1=(T−t)×V/2 …(1) =(600 −30) ×10-6×2800×103 /2 =798 (mm)
【0028】《温度計による厚み測定》 健全部の熱伝導係数λ1:19kcal/mh ℃ 亀裂部,脆化部,及び凝固層の熱伝導係数λ2:12kcal
/mh ℃ 温度計11,11の間隔x1:100 mm 外側の温度計11から健全部と亀裂部との境界までの距離
x2(L1):798 mm 外側の温度計11による測定値t1:100 ℃ 内側の温度計11による測定値t2:175 ℃ この場合、健全部と亀裂部との境界の温度tLは、 tL=(x2/x1)×(t2−t1)+t1 …(2) =(798/100)×(175 −100)+100 ≒700 (℃) となる。従って亀裂部,脆化部,及び凝固層の厚みL3
は、 L3=(λ2/λ1)×{(tp−tL)/(tL−t1)}×x2…(3) =(12/19)×{(1150−700)/(700 −100)}×798 ≒380 (mm) である。以上より、亀裂部,脆化部,及び凝固層を含め
た耐火レンガ3の厚みLは、 L=L1+L3 …(4) =800 +380 =1180(mm) となる。
【0029】また上述した如く、亀裂部,脆化部,及び
凝固層の熱伝導係数λ2に代えて、関数Fを使用しても
よい。この場合の測定結果を図6に示す。図6に示す如
く関数Fを使用しても略同様の結果が得られる。
【0030】《比較例》2つの熱伝導係数を使用せずに
温度計11,11の測定値により耐火レンガ3の厚みを求め
る比較例について図7を参照しながら述べる。温度計1
1,11の間隔x1=100 mmと、侵食面温度tp=1150℃
と、温度計11による測定値t1=100 ℃及び測定値t2
=175 ℃とから、 L=x1×(tp−t1)/(t2−t1) =100 ×(1150−100)/(175 −100) =1400(mm) が得られる。
【0031】本発明方法による結果(1180mm)と比較例
における結果(1400mm)とを比較すると、大きい誤差が
生じていることが判る。実際に計測した結果は1230mmで
あり、本発明方法では高精度に推定されているといえ
る。
【0032】実施例2.形態例2における具体的な数値
例を挙げ、図8を参照しながらさらに詳述する。 開口部4:40〜200 mm 超音波の周波数:50kHz 《弾性波による厚み測定》 送信信号を検出してから反射信号を検出するまでに要し
た時間T11:1100μsec 接触媒体5a内を超音波が往復伝搬するのに要する時間t
11:30μsec 耐火レンガ21内での弾性波の伝搬速度V11:2800m/sec この場合、(5)式より耐火レンガ21の厚みL11は以下
の如く求められる。 L11=(T11−t11)×V11/2 …(5) =(1100−30) ×10-6×2800×103 /2 ≒1500(mm)
【0033】《温度計による厚み測定》 耐火レンガ21の熱伝導係数λ11:10kcal/mh ℃ 耐火レンガ22の熱伝導係数λ12:19kcal/mh ℃ 温度計11,11の間隔x1:100 mm 外側の温度計11から目地部分までの距離x2(L1):1500
mm 外側の温度計11による測定値t1:80℃ 内側の温度計11による測定値t2:135 ℃ この場合、目地部分の温度tMは、 tM=(x2/x1)×(t2−t1)+t1 …(6) =(1500/100)×(135 −80) +80 =905 (℃) となる。従って耐火レンガ22の厚みL13は、 L13=(λ12/λ11)×{(tp−tM)/(tM−t1)}×x2…(7) =(19/10)×{(1150−905)/(905 −80) }×1500 ≒846 (mm) である。以上より、耐火レンガ21, 22を合わせた厚みL
21は、 L21=L11+L13 …(8) =1500+846 =2346(mm) となる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明に係る耐火物厚み測
定方法及びその実施に使用する装置は、耐火物厚みを、
健全部とこれより内側部分とで異なる方法,手段を用い
て測定する。即ち、健全部の厚みは、従来から行われて
いるように弾性波が反射して往復する時間から求める。
内側部分は、算出された健全部の厚みと、健全部と内側
部分とで異なる熱伝導係数と、表面近傍の測定温度とか
ら求める。これにより、耐火物の健全部と、これより内
側部分の厚みを正確に把握することができる等、本発明
は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態例1に係る耐火物厚み測定方法を
実施するための装置を示す構成図である。
【図2】耐火レンガの内部構造を示す断面図である。
【図3】図1に示す超音波探触子にて検出された弾性波
を示す波形図である。
【図4】形態例2において耐火物の残存厚みの測定状況
を示す模式図である。
【図5】実施例1におけるレンガ表面からの距離と温度
との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1の変形例におけるレンガ表面からの距
離と温度との関係を示すグラフである。
【図7】比較例におけるレンガ表面からの距離と温度と
の関係を示すグラフである。
【図8】実施例2におけるレンガ表面からの距離と温度
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鉄皮 3 耐火レンガ 5 超音波探触子 6 パルサー 7 信号増幅器 8 バンドパスフィルタ 9 A/D変換器 10 信号処理器 11 温度計 12 熱流束計 13 熱伝導計算装置 14 演算器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物
    の厚みを測定する方法において、耐火物の外側表面から
    内側へ向けて弾性波を伝搬させ、耐火物の健全部とこれ
    より内側部分との境界における反射波を検出し、弾性波
    の前記健全部における往復時間から該健全部の厚みを算
    出し、耐火物の外側表面近傍の、厚み方向に所定間隔を
    隔てた少なくとも2個所の温度を測定し、この温度測定
    値と経験的に求められた耐火物の健全部及び内側部分の
    熱伝導係数とを用いて前記内側部分の厚みを算出し、前
    記健全部の厚みと前記内側部分の厚みとを加算すること
    により耐火物厚みを算出することを特徴とする耐火物厚
    み測定方法。
  2. 【請求項2】 炉の鉄皮内側にライニングされた耐火物
    の厚みを測定する装置において、弾性波を発生し、耐火
    物の外側表面から内側へ向けて伝搬させる弾性波発生手
    段と、耐火物の健全部とこれより内側部分との境界にお
    ける反射波を検出する手段と、弾性波の前記健全部にお
    ける往復時間から該健全部の厚みを算出する手段と、耐
    火物の外側表面近傍にその厚み方向に所定間隔を隔てて
    埋設された少なくとも2つの温度計と、該温度計による
    温度測定値と経験的に求められた健全部及び内側部分の
    熱伝導係数とを用いて前記内側部分の厚みを算出する手
    段と、前記健全部の厚みと前記内側部分の厚みとを加算
    する手段とを備えることを特徴とする耐火物厚み測定装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121203A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Nippon Steel Corp 高炉炉底管理方法
JP2009150670A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Nippon Steel Corp 耐火物の厚み測定用端子
JP2016199773A (ja) * 2015-04-07 2016-12-01 株式会社日向製錬所 スラグ凝固層厚が調整された電気炉及びこれを用いた金属製錬方法
CN107941135A (zh) * 2017-12-28 2018-04-20 中建材蚌埠玻璃工业设计研究院有限公司 一种测量玻璃熔窑易侵蚀部位池壁砖残余厚度的装置

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