JPH10122695A - 水素吸蔵合金を用いた蓄熱システム - Google Patents

水素吸蔵合金を用いた蓄熱システム

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JPH10122695A
JPH10122695A JP29463396A JP29463396A JPH10122695A JP H10122695 A JPH10122695 A JP H10122695A JP 29463396 A JP29463396 A JP 29463396A JP 29463396 A JP29463396 A JP 29463396A JP H10122695 A JPH10122695 A JP H10122695A
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alloy
hydrogen
tank
pressure
compressor
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JP29463396A
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Hisayoshi Matsufuji
久良 松藤
Kazuaki Iijima
和明 飯嶋
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Sanki Engineering Co Ltd
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Sanki Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 昼夜間を通じ冷水製造,特に夜間の安価な電
力を使用し空調冷房のための蓄熱用水を製造する。 【解決手段】 水素吸蔵合金Aを充填した合金槽1より
冷媒配管3を導出して冷却塔7に連ね,合金Aとは平衡
水素圧力の異なる水素吸蔵合金B(合金B>合金A)を
充填した合金槽2より冷媒配管4を導出し水タンク8に
連ねた蓄熱システムである。第1、第2の合金槽1,2
間を水素配管9でつなぎ高低昇圧用圧縮機12A,12
Bを並列につなぐ,合金槽1,2内に冷媒で熱回収可能
な熱交換器3a,4aを設け,各冷媒配管路を切り替え
て,冷水を貯めおく水タンク8と,冷却塔7または温水
の利用先へ連ねる。夜間電力で圧縮機12Aで合金槽1
から2へ水素を移動し,水素が放出される合金槽1は低
温になり得る冷水を水タンク8に貯え,一方水素を吸蔵
する側の合金槽2による発熱を冷却塔7で排熱するか,
温水を造る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を用
いた蓄熱システムに関するもので、特に水素解離圧の異
なる2種類の水素吸蔵合金と動力の異なる2機のコンプ
レッサとを用い、夜間の安価な電力を積極的に利用して
空調冷房のための蓄熱用冷水の製造を行うようにした蓄
熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の多くは、水素吸蔵合金を使っ
てヒートポンプを構成し、2つの合金槽間を短い時間
(10〜20分程度)でサイクルさせることによって冷
水を得ている。この方法では合金が本来吸収している水
素量の一部しか使用しないためエネルギー効率が悪い。
夜間蓄熱をするシステムとしては、例えば特開平1−1
55158号公報が知られているが、これは夜間にコン
プレッサを用いて水素吸蔵合金Aを充填した第1の合金
槽から合金Bを充填した第2の合金槽へ水素を移動し、
昼間には第2の合金槽から第1の合金槽へ圧力差のみで
水素の移動を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開公報による装置では、両合金槽の圧力が平衡に達する
と水素の移動はできなくなってしまう。すなわち、冷水
を得るために使用できる水素の移動量が少ない。また、
夜間のコンプレッサを使用した水素移動時には、放熱側
の合金槽Bで出来る温水を使って吸熱側の合金槽Aを温
めるシステムのため、夜間に冷水の取り出しは行わな
い。本発明は、水素吸蔵合金を用いた蓄熱装置におい
て、昼夜間を通じての冷水製造、特に夜間の安価な電力
を積極的に使用し空調冷房のための蓄熱用冷水の製造を
行う蓄熱システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明蓄熱システムは、水素吸蔵合金Aを充填した
第1の合金槽(1)と、 合金Aとは平衡水素圧力の異なる
水素吸蔵合金B(合金B>合金A)を充填した第2の合
金槽(2)の内部に、熱交換器(3a、4a)と冷媒配管(3、4)
とを設け、 合金槽(1、2)から導出した冷媒配管(3、4)
を水タンク(8)及び冷却塔(7)にそれぞれ直接連ねると共
に、前記冷媒配管(3)は配管(5A、5B)を介して水タンク
(8)に、冷媒配管(4)は配管(6A、6B)によって 冷却塔(7)
と連ねた蓄熱システムにおいて;第1、第2の合金槽
(1,2)間を水素配管(9)でつないで高低昇圧用のコンプレ
ッサ(12A ,12B )を並列に接続するか、 回転数またはス
トロークが可変もしくは固定であるコンプレッサ(12C)
を1台接続し;各々の合金槽(1,2)内に冷媒によって 熱
回収が可能な熱交換器(3a,4a)を設け、各々冷媒配管路
の切り替えによって、冷水を貯めておく水タンク(8)
と、発熱を排熱する冷却塔(7)または温水の利用先へ連
ねてなり; 夜間電力を使い、高昇圧用コンプレッサ(12
A)または回転数やストロークが可変もしくは固定である
コンプレッサ(12C)で 第1の合金槽(1)から第2の合金
槽(2)へ水素を移動し、水素が放出される第1の合金槽
(1)の低温により得られる冷水を水タンク(8)に貯える一
方、水素を吸収する側の第2の合金槽(2)による発熱を
冷却塔(7)によって排熱するか、温水を得るようにした
ものである。
【0005】冷水製造サイクルの運転終了は、水素放出
側の合金槽の圧力が0.1MPa以下、もしくは水素吸
蔵側の圧力が1.1MPa以上になった時点で行われ、
かつ昼間は水素を第2の合金槽から第1の合金槽へ移動
させるが、両槽には圧力差(合金B>合金A)があるた
め、夜間に比べて低い動力のコンプレッサで水素を移動
させる。前記合金Aの水素解離圧は、例えば冷水が取り
出せる合金の温度を5℃とすると、5℃で0.1MP
a、40℃で0.8MPaであり、合金Bの水素解離圧
は、5℃で0.2MPa、40℃で1.0MPaであ
る。
【0006】更に、本発明では、合金槽(1,2)間に設け
た水素配管(9)のライン上に、並列接続のコンプレッサ
(12A ,12B ) または回転数やストロークが可変であるコ
ンプレッサ(12C)を直列に接続し、 かつコンプレッサの
入出力間にバイパスを設け、水素放出側の圧力が0.1
MPaを下回るか、水素吸蔵側の圧力が1.1MPaを
上回ったとき、制御部(35)に出力してコンプレッサや各
バルブを制御する。
【0007】
【作用】本発明では、水素解離圧の異なる2種類の水素
吸蔵合金(水素解離圧:合金A<合金B)と、動力の異
なる2機のコンプレッサX、Y(動力X>Y)を用いて
昼夜を通じ運転する。夜間は合金Aを充填した第1の合
金槽から、合金Bを充填した第2の合金槽へ動力の大き
いコンプレッサXを使って水素を移動する。このとき、
第1の合金槽は冷やされるため、冷水が得られ、これを
水タンクに蓄えておく。第2の合金槽は発熱するが、こ
れは、冷却塔等を使って排熱する。昼間は第2の合金槽
から第1の合金槽へ動力の小さいコンプレッサYを用い
て水素を移動する。このとき、合金の水素の解離圧は合
金B>合金Aであるから、夜間に第2の合金槽に水素を
移動することによってつけておいた合金Bと合金Aの圧
力差によって、水素は夜間よりも小さな動力のコンプレ
ッサによって水素の移動が可能になる。このときは、第
2の合金槽から冷水が得られる。これによって、2つの
コンプレッサ動力の差の分だけ、安価な夜間電力の利用
率を高めることができるため蓄熱に要するランニングコ
ストが低くなる。また、回転数やストロークが可変であ
る1台のコンプレッサを使って、夜間のコンプレッサ回
転数を多くし、昼間のコンプレッサ回転数を低下させる
ことによっても上記目的を達成できる。更に、回転数や
ストロークが固定であるコンプレッサを使用する場合に
は、コンプレッサの運転時間を夜間長く、昼間短くする
ことによって、夜間への電力移向率を向上させることが
可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に図面に基づき本発明を具体的
に説明する。図1は、蓄熱システムの一例を示す配置図
であって、水素解離圧の異なる2種類の水素吸蔵合金
(水素解離圧:合金A<合金B)と、動力の異なる2機
のコンプレッサ12A、12B(動力12A>12B)
を用いて昼夜を通じ運転する。図示のように、合金Aを
充填した第1の合金槽1と合金Bを充填した第2の合金
槽2の内部に、熱交換器3a、4aと配管3、4を設け、
それぞれ、冷却塔7と水タンク8に連ねる。また、配管
3は配管5A、配管5Bによって水タンク8と連なり、
配管4は配管6A、配管6Bによって冷却塔7と連なっ
ている。なお、水素吸蔵合金としては水素解離特性が、
例えば、合金A:0.1MPa5℃、0.8MPa40
℃、合金B:0.2MPa5℃、1.0MPa40℃の
ごときTiFe系合金、その他、ミッシュメタル系(M
mNi5)、LaNi系、TiMn系などで、2つの合
金槽に異種のものが使用される。
【0009】合金槽1、2間をつなぐ水素配管9に並列
配管9A、9Bとバイパス9Cとを設け、並列配管9
A、9Bに高昇圧用及び低昇圧用のコンプレッサ12
A、12Bを接続するとともに、配管9Cにバルブ17
を設ける。図中、13〜16は水素弁、21〜28は冷
媒用弁である。配管3、4には冷媒循環用のポンプ2
9、30をそれぞれ設ける。31、32は合金槽1,2
内の圧力を検知するための圧力計であって、水素放出側
の圧力が0.1MPaを下回るか、水素吸蔵側の圧力が
1.1MPaを上回ったらこれを制御部35に出力し、
コンプレッサや各バルブを制御する。
【0010】夜間はコンプレッサ12Aを稼動し、合金
槽2の発熱を冷却塔7で排熱し、合金槽1から得られる
冷水を水タンク8に貯める。水素弁は13、14を開
け、15、16、17を閉める。冷媒用弁は23〜26
を開け、21、22、27、28を閉める。昼間はコン
プレッサ12Bを稼動し、合金槽1の発熱を冷却塔7で
排熱し、合金槽2による冷水を水タンク8に貯める。水
素弁は15、16を開け、13、14を閉める。冷媒用
弁は21、22、27、28を開け23〜26を閉め
る。
【0011】上記システムの動作を以下に説明する。夜
間にコンプレッサを使って水素を移動し合金Bを充填し
た第2の合金槽に水素を蓄えると同時に、合金Aを充填
した第1の合金槽が冷却されるので、ここから空調冷房
のための蓄熱用冷水が得られる。昼間は2つの槽の圧力
差が夜間よりも小さくなるような水素吸蔵合金を選定し
ているので、より動力の小さなコンプレッサで水素移動
が可能である。
【0012】図1の場合には、高昇圧と低昇圧用のコン
プレッサの2台を用いることによって、昼間は2つの槽
の圧力差が利用できるため夜間よりも動力の小さなコン
プレッサで水素移動が可能である。また、合金槽内に冷
媒によって熱回収が可能な熱交換器3a、4aと、取り出
した冷水を蓄える蓄熱槽(水タンク8)を設けたので、
夜間にコンプレッサを使って水素を移動し第2の合金槽
2に水素を蓄えると同時に第1の合金槽1が冷却される
ので、ここから冷水が得られ蓄えられる。
【0013】図2は本発明蓄熱システムの他の例を示
す。この場合は図1のような高低圧昇圧用の並列2基の
コンプレッサを用いる代りに、回転数やストロークが可
変なコンプレッサ12Cを使ったときのシステムの配置
図を示す。合金槽1、2をつなぐ水素配管9に上記コン
プレッサ12Cを設けると共に回路切り替え用の水素配
管10、11も接続する。また配管9Dを設けてコンプ
レッサ12Cに対しバイパスバルブ33を並列に接続す
る。図中、13〜20は水素弁、21〜28は冷媒用弁
であり、配管3、4、5A、5B、6A、6B、冷媒循
環用のポンプ29、30等の配置は図1と同様である。
【0014】図2では、夜間はコンプレッサ12Cを稼
動し、合金槽2の発熱を冷却塔7で排熱し、合金槽1か
ら得られる冷水を水タンク8に貯める。水素弁は、1
7、20を開け、18、19を閉める。冷媒用弁は23
〜26を開け、21、22、27、28を閉める。昼間
はコンプレッサ12Cの回転数やストロークを低く稼動
し、合金槽1の発熱を冷却塔7で排熱し、合金槽2によ
る冷水を水タンク8に貯める。水素弁は18、19を開
け、17、20を閉める。冷媒用弁は21、22、2
7、28を開け23〜26を閉める。なお、回転数やス
トロークが固定であるコンプレッサを使用することもで
きる。その場合には、コンプレッサの運転時間を夜間長
く、昼間短くすることによって、夜間への電力移向率を
向上させることが可能である。
【0015】上記図1、2のシステムの動作を以下に説
明する。 <夜間> 合金槽1から合金槽2へ高昇圧用のコンプレ
ッサ12Aまたは可変コンプレッサ12Cを使って水素
を移動する。合金槽1は5℃で0.1MPa、合金槽2
は40℃で1.0MPaなどで、その差0.9MPa昇
圧する必要がある。合金槽1内の温度は低下し、合金槽
2内の温度は上昇する。合金槽1内の温度が5℃になっ
たらポンプ29によって配管3内の冷媒を循環させる。
冷媒が水の場合は直接7℃の冷水が得られるので、これ
を水タンク5に蓄える。合金槽2での発熱は(約40
℃)冷却塔によって排熱する。合金槽2内の圧力が1.
1MPaを越えるか、合金槽1内の圧力が0.1MPa
を下回ったらコンプレッサを止めて、水素移動を停止す
る(1.1MPa以上では高圧ガスになり、0.1MP
a以下では大気圧を下回るため空気が混入してしまう恐
れがあるため水素移動を停止する)。
【0016】<昼間> コンプレッサにより合金槽1か
ら合金槽2へ水素を移動させる。合金槽2は解離圧の高
い合金が充填されているので、冷水が取り出せる5℃の
場合に圧力0.2MPa、合金槽1は40℃で0.8M
Paとなるから、その差0.6MPaを昇圧できる低昇
圧用のコンプレッサ12Bを稼動するか、コンプレッサ
12Cの回転数やストロークを低く稼動する。合金槽2
内の温度は低下し、合金槽1内の温度は上昇する。合金
槽2内の温度が5℃になったらポンプ30によって配管
4内の冷媒を循環させる。冷媒が水の場合は直接7℃の
冷水が得られるので、これを水タンク5に蓄える。合金
槽1内は40℃になるためこれは冷却塔で排熱する。合
金槽1内の圧力が1.1MPaを越えるか、合金槽2内
の圧力が0.1MPaを下回ったらコンプレッサ7を止
めて、水素の移動を停止する。
【0017】図3は、上記システムにおいて使用される
合金A及びBの2種類の水素吸蔵合金の圧力−組成等温
線図を示す。それぞれの合金の特性例として、合金Aが
5℃で0.1MPa、40℃で0.8MPaを示し、
合金Bが5℃で0.2MPa、40℃で1.0MPaを示
すものとする。
【0018】以下に、これらの合金を使用したシステム
の動作原理を示す。 <夜間> 水素は合金槽1から合金槽2へ移動する。最
初、合金A(合金槽1内)にはY(l/Kg)の水素が吸蔵
されている。水素を移動すると合金槽1内の温度は5℃
になるので冷水の取り出しを開始する。水素の移動に伴
って、合金Aの水素量はY→X(l/Kg)へ減少する。こ
の間、合金槽1内は0.1MPaに保持されているので
冷水を取り出し続ける。合金Aに含まれる水素量がX
(l/Kg)になったら水素の移動を停止する(これ以上水
素移動を行うと蓄熱槽内や水素配管9A、9B中の高昇
圧と低昇圧用のコンプレッサによる圧力が大気圧0.1
MPaを下回るため移動を停止する:行程A1→A
2)。同時に冷水の取り出しも停止する。一方、合金B
側(合金槽2)では水素を吸蔵しX(l/Kg)の水素量か
らY(l/Kg)まで水素が吸蔵される。このとき40℃の
発熱をする。合金B内に含まれる水素量がY(l/Kg)に
なったら圧力が1.1MPaを越えるので水素の移動を
停止する(行程B1→B2)。なお、図3のように夜間
運転時には、合金A(行程A1→A2)と合金B(行程
B1→B2)では圧力差が常に0.9MPaに保たれて
いる。
【0019】<昼間> 水素は合金槽2から合金槽1へ
移動する。夜間の移動によって、合金A(合金槽A内)
にはX(l/Kg)の水素が吸蔵されている。水素を移動す
ると合金槽2内の温度は5℃になるので冷水の取出しを
開始する。水素の移動に伴って、合金Bの水素量はY→
X(l/Kg)へ減少する。この間、合金槽2内は0.2M
Paに保持されているので冷水を取り出し続ける。合金
Bに含まれる水素量がX(l/Kg)になったら水素の移動
を停止する(行程B3→B4)。一方、合金A側(合金
槽1)では水素を吸蔵しX(l/Kg)の水素量からY(l/
Kg)まで水素が吸蔵される。このとき40℃の発熱をす
る。合金A内に含まれる水素量がY(l/Kg)になったら
水素の移動を停止する(行程A3→A4)。
【0020】昼間運転時には、合金A(行程A3→A
4)と合金B(行程B3→B4)では圧力差が常に0.
6MPaに保持されている。これは夜間における2つの
合金圧力差より0.3MPa少なく、このため水素移動
のためのコンプレッサ動力も夜間よりも少ないものでよ
くなる。
【0021】
【発明の効果】上記のように、本発明は水素吸蔵合金を
用いた蓄熱装置で、特に夜間の安価な電力を積極的に使
用し空調冷房のための蓄熱用冷水の製造を行うことがで
きる。すなわち、夜間にコンプレッサを使って水素を移
動し合金Bを充填した第2の合金槽に水素を蓄えると同
時に、合金Aを充填した第1の合金槽が冷却されるの
で、ここから空調冷房のための蓄熱用冷水が得られる。
昼間は2つの槽の圧力差が夜間よりも小さくなるような
水素吸蔵合金を選定しているので、より動力の小さなコ
ンプレッサで水素移動が可能である。
【0022】本発明によれば、解離圧の異なる合金を用
いて、高昇圧と低昇圧のコンプレッサの2台、もしくは
回転数やストロークが可変なコンプレッサ1台を設ける
ことにより、昼間は夜間よりも動力の小さなコンプレッ
サで水素移動を行うことが可能である。また、回転数や
ストロークが固定であるコンプレッサを使用することも
できる。その場合には、コンプレッサの運転時間を夜間
長く、昼間短くすることによって、夜間への電力移向率
を向上させることが可能である。さらに、合金槽内に冷
媒によって熱回収が可能な熱交換器と、取り出した冷水
を蓄える蓄熱槽を設けたので、夜間にコンプレッサを使
って水素を移動し第2の合金槽に水素を蓄えると同時に
第1の合金槽Aが冷却されるので、ここから冷水が得ら
れ蓄えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明蓄熱システムの一例を示す配置図であ
る。
【図2】 本発明蓄熱システムの他の例を示す配置図で
ある。
【図3】 本発明システムにおける水素圧力−組成等温
線図である。
【符号の説明】
1 合金Aの合金槽 2 合金Bの合金槽 3、4 配管 3a、4a 熱交換器 5A、5B、6A、6B 配管 7 冷却塔 8 冷水タンク 9、9A、9B 水素配管 9C、9D バイパス 10、11 水素配管 12A 高昇圧用コンプレッサ 12B 低昇圧用コンプレッサ 12C 可変コンプレッサ 13、14、15、16 冷媒用弁 17、18、19、20 水素弁 21、22、23、24、25、26、27、28 冷
媒用弁 29、30 ポンプ 31、32 圧力計 33 水素バルブ 35 制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金Aを充填した第1の合金槽
    (1)と、 合金Aとは平衡水素圧力の異なる水素吸蔵合金
    B(合金B>合金A)を充填した第2の合金槽(2)の内
    部に、熱交換器(3a、4a)と冷媒配管(3、4)とを設け、
    合金槽(1、2)から導出した冷媒配管(3、4)を水タンク
    (8)及び冷却塔(7)にそれぞれ直接連ねると共に、 前記
    冷媒配管(3)は配管(5A、5B)を介して水タンク(8)に、冷
    媒配管(4)は配管(6A、6B)によって冷却塔(7)と連ねた蓄
    熱システムにおいて、 第1、第2の合金槽(1,2)間を水素配管(9)でつないで高
    低昇圧用のコンプレッサ(12A ,12B )を並列に接続する
    か、 回転数またはストロークが可変もしくは固定であ
    るコンプレッサ(12C)を1台接続し、 各々の合金槽(1,2)内に冷媒によって熱回収が可能な熱
    交換器(3a,4a)を設け、各々冷媒配管路の切り替えによ
    って、冷水を貯めておく水タンク (8)と、発熱を排熱す
    る冷却塔(7)または温水の利用先へ連ねてなり、 夜間電力を使い、前記コンプレッサ(12A)または(12C)で
    第1の合金槽(1)から第2の合金槽(2)へ水素を移動
    し、水素が放出される第1の合金槽(1)の低温によって
    得られる冷水を水タンク(8)に貯える 一方、水素を吸収
    する側の第2の合金槽(2)による発熱を冷却塔(7)によっ
    て排熱するか、温水を得るようにした水素吸蔵合金を用
    いた蓄熱システム。
  2. 【請求項2】 冷水製造サイクルの運転終了は、水素放
    出側の合金槽の圧力が0.1MPa以下、もしくは水素
    吸蔵側の圧力が1.1MPa以上になった時点で行わ
    れ、かつ昼間は水素を第2の合金槽から第1の合金槽へ
    移動させるが、両槽には圧力差(合金B>合金A)があ
    るため、夜間に比べて低い動力のコンプレッサで水素を
    移動させることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱シス
    テム。
  3. 【請求項3】 合金Aの水素解離圧は、冷水が取り出せ
    る合金の温度を5℃とすると、5℃で0.1MPa、4
    0℃で0.8MPaであり、合金Bの水素解離圧は、5
    ℃で0.2MPa、40℃で1.0MPaである請求項
    1に記載の蓄熱システム。
  4. 【請求項4】 合金槽(1,2)間をつなぐ水素配管(9)のラ
    イン上に、 並列接続のコンプレッサ(12A ,12B ) また
    は回転数やストロークが可変であるコンプレッサ(12C)
    を直列に接続し、 かつコンプレッサの入出力間にバイ
    パスを設け、水素放出側の圧力が0.1MPaを下回る
    か、水素吸蔵側の圧力が1.1MPaを上回ったとき、
    制御部(35)に出力してコンプレッサや各バルブを制御す
    ることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108507071A (zh) * 2017-02-27 2018-09-07 青岛海尔智能技术研发有限公司 电化学空调、用于控制电化学空调的方法
WO2018225602A1 (ja) * 2017-06-06 2018-12-13 高砂熱学工業株式会社 蓄熱システム、および蓄熱システムの運転方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108507071A (zh) * 2017-02-27 2018-09-07 青岛海尔智能技术研发有限公司 电化学空调、用于控制电化学空调的方法
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