JPH10122588A - ファンコイルユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不快感の原因となるドラフトを無くし、室内
の空気温度のバラツキを解消する。 【構成】 壁掛形のファインコイルユニットにおいて輻
流ファンを使用し、輻流ファンの直径とほぼ同じ辺長を
持つ略方形のプレートフィン熱交換器を輻流ファンの吸
い込み面に近接して配置し、該熱交換器を経由して室内
空気を吸い込み、輻流ファンの外周から冷風、温風を放
射状に吹き出す。これによって壁に沿って広がる気流を
作り、外壁内面に取り付けた場合は、外壁からの熱負荷
に対してバリアを形成し、熱負荷の室内空気への影響を
最小限に留め、在室者に不快なドラフトを感じさせるこ
ともなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は空調用のファンコイル
ユニットの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ファンコイルユニットは、床置形
なら上方へ、壁掛形なら正面または斜め下方へ、天井吊
形なら正面へ、天井埋め込み形なら下方または斜め下方
の方向に空気を吹き出す、言わば在室者の居る方向へ直
接冷風または温風を吹き出すものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】前記のごとく従来の
ファンコイルユニットでは在室者の居る方向へ直接冷風
または温風を吹き出すため、涼や暖を求める在室者にと
っては一時的には快感を与えることが出来るが、長時間
が経過すると、直接気流によるドラフトを感じて、不快
感を与える結果となり、特に住宅などの長時間在室の場
合ではこの点の解決が望まれていた。

【０００４】さらに、従来の吹き出し方法では部屋の中
央に向けて冷風または温風を吹き出すので熱負荷の多い
周囲で室温のバラツキが多く、この点でも不快感の原因
となっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による住宅用ファ
ンコイルユニットは従来の吹き出し方向の考えと全く異
なった角度からその吹き出し方向について検討がなされ
た。その結果ファンコイルユニットを外壁に面した室内
の壁に壁掛形として設置するものとし、正面に取り付け
られたプレートフィン熱交換器を通る際に冷却または加
熱された空気が輻流ファンに吸い込まれ、全周に渉って
吹き出される形を採った。

【０００６】すなわちファンコイルユニットからの吹き
出し気流は室内の方向へは向かず、ファンコイルユニッ
トの取り付けられた壁面に沿って広がりのある気流とな
って吹き出される。したがって、在室者に吹き出し気流
が直接あたる可能性はなくなる。

【０００７】通常、暖房の負荷は外壁からの熱損失がそ
のほとんどを占め、冷房の場合も外壁や、外に面するガ
ラス窓、出入口からの熱侵入が圧倒的に多い。したがっ
て、本発明のファンコイルユニットのように、外壁の内
面の壁に沿って冷風、温風を吹き出せば、これらの熱負
荷を直接吸収し、同時に室内に対して熱バリアを形成す
る形となって、室内の熱環境を向上させることができ
る。

【０００８】すなわち、本発明のファンコイルユニット
は外壁内面の壁に取り付けられ、外壁内面に沿って冷
風、温風が吹き出されるので、室外から外壁を通過して
出入りする熱負荷を直接ここで吸収し、室内空気に熱負
荷の影響を与えることなしに、室温に近い温度となって
間仕切壁、天井、床にそって流れ、部屋全体を包み込む
形となり、室内の熱環境が改善され、温度のバラツキも
完全に解消できる。

【０００９】

【作用】本発明では円盤の周囲に直径の１／４程度の範
囲に直径の１／１０の程度の高さを持つ多数の長方形の
翼を等間隔に放射状に取り付け、円盤の中心をモーター
の軸に直結し回転させる様にした輻流ファンの翼に接近
させて、円盤の直径と同一の長さの辺を持つ正方形のプ
レートフィン熱交換器を輻流ファンの円盤に平行にまた
同心に取り付けたから、輻流ファンが回転すると、翼の
間にある空気は遠心力によって円盤の周囲から吐出さ
れ、これを埋めるべく、プレートフィン熱交換器を通過
してつぎつぎと空気が流れる結果となる。

【００１０】このプレートフィン熱交換器に冷房時は冷
水、暖房時は温水を通じて、熱交換を行い冷風、温風と
すれば、冷風、温風は輻流ファンの外周から放射状に吹
き出され、ファンコイルユニットの取り付けられた、外
壁の内面に沿って広がる気流となって、外壁からの熱負
荷に対して熱バリアを形成し、熱負荷の室内空気への影
響を最小限にとどめて室内の熱環境、温度分布を良好に
保つことが出来る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面に沿って
説明する。

【図１】は本発明によるファンコイルユニットの分解鳥
瞰図である。図中１は輻流ファンを示し、直径５００mm
の１．５mm厚のアルミ板の円盤２で、その周囲にそっ
て、長さ１５０mm、幅６０mmの０．５mm厚のアルミの翼
３が３６枚取り付けられていて、中央のフラットモータ
ー４にボスを介して直結されて構成されている。

【００１２】図中５は裏板、６は裏板の４角に取り付け
られたコラム、７はフラットモーターの取り付け金具を
示す。図中８は縦横５００mmの有効寸法を持つプレート
フィン熱交換器で、多数のアルミフィン９と銅チューブ
１０、チューブプレート１１から構成されている。プレ
ートフィン熱交換器８は下方の銅管の端末が冷温水の入
口１２、出口１３となっていて、上部にエア抜き弁１４
を付属する。

【００１３】輻流ファン１を直結したフラットモーター
４は取り付け金具７を介してプレートフィン熱交換器８
に取り付けられる。また、プレートフィン熱交換器は取
り付け螺子１５でチューブプレート１１によってコラム
６に取り付けられ、これら一連の取り付けによって、輻
流ファン１と裏板５、コラム６、プレートフィン熱交換
器の相対位置が定まり、プレートフィン熱交換器８と輻
流ファン１の翼３との間隔は３〜５mm程度に調整され
る。

【００１４】プレートフィン熱交換器８の表面には厚さ
５mm程度の不織布のフィルター１６を取り付け、さらに
吸い込みルーバー１７付きの５５０×６５０×１００の
寸法のケーシング１８で全体を覆う構成となっている。
図中１９はコラム６の間隔に位置する吹出口２０に取り
付けられたディフューザーで輻流ファン１から外周に向
けて平面的に吹き出された気流を立体的な流れに調整す
る機能を持つ。図中２１はドレンパンを示す。

【００１５】本発明によるファンコイルユニットはこの
ように構成されていて、冷温水入口１２、出口１３に冷
温水管を接続して、冷水または温水を通し、フラットモ
ーター４に電源を接続して、輻流ファン１を回転させれ
ば、輻流ファン１の円盤２の周囲に取り付けられた、翼
３の間にある空気は遠心力で輻流ファン１の外周から吐
き出され、その空間を埋めるために、プレートフィン熱
交換器８を通ずる形で吸い込みルーバー１７、フィルタ
ー１６を経由して室内空気がつぎつぎと吸い込まれてく
る。

【００１６】冷房時は冷水、暖房時は温水を通して、プ
レートフィン熱交換器８で冷却または加熱されて、室内
空気はつぎつぎと輻流ファン１に吸い込まれ、外周から
吹き出されて、ファンコイルユニットの取り付けられた
外壁に面する室内側の壁面にそって広がりを持つ気流を
形成する。

【００１７】

【図２】は本発明によるファンコイルユニットを外壁の
内面に取り付けた状況を示す鳥瞰図である。吸い込みル
ーバー１７から吸われた室内の空気はファンコイルユニ
ット内部のプレートフィン熱交換器で冷却または加熱さ
れ、輻流ファンで吹出口１９からファンコイルユニット
の全周に冷風、温風となって吹き出されて壁面に沿って
広がり、外壁からの熱負荷を吸収して、室温に近い温度
となって進み、周辺の間仕切り壁、天井、床に沿って流
れ、部屋全体を包み込む。

【００１８】これまでに述べた実施例ではプレートフィ
ン熱交換器は冷温水で使用するものの例によって居る
が、無論のことフロン系冷媒を使用して本発明によるフ
ァンコイルユニットを実現することも出来る。

【００１９】

【発明の効果】本発明によるファンコインユニットでは
実施例で示したとおりの構成によって正面の吸い込みル
ーバーから吸い込んだ室内空気を、冷房時は冷水と熱交
換し、暖房時は温水と熱交換して、冷風、温風として、
ファンコイルユニットの取り付けられた外壁の内面の壁
に沿って広がる吹き出しの空気流を作る様にした。

【００２０】したがって、直接に在室者が吹き出し気流
に曝されて不快感を催す事無く、さらに熱負荷の殆どの
原因となる外壁の内面に沿って冷房時は冷風、暖房時は
温風による広がる気流を作るので、これが壁面での熱負
荷を吸収し、同時に熱負荷に対してバリアとなって、熱
負荷の室内空気への影響を最小限にとどめることが出来
ると同時に、さらにこの空気流は熱負荷の多くを吸収し
た結果、殆ど室内に近い温度となって、間仕切り壁、天
井、床に沿って進むので室内の空気温度のバラツキを解
消する結果となり、室内の熱環境を大幅に改善すること
ができる。

【００２１】さらに室温より、冷房時は冷たく、冷暖房
は暖かい吹き出し気流に接する壁面は輻射パネル冷暖房
の効果をもたらし、大幅に居住性を改善する結果ともな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明のファンコイルユニットの分解鳥瞰図
である。

【図２】は本発明によるファンコイルユニットを室内に
設置して運転した場合の気流の状態を示す鳥瞰図であ
る。

【符号の説明】

１．輻流ファン ２．円盤 ３．翼 ４．フラットモーター ５．裏板 ６．コラム ７．モーター取り付け金具 ８．プレートフィン熱交換器 ９．アルミフィン １０．銅チューブ １１．チューブプレート １２．冷温水入口 １３．冷温水出口 １４．エア抜き弁 １５．取り付け螺子 １６．フィルター １７．吸い込みルーバー １８．ケーシング １９．ディフューザー ２０．吹出口 ２１．ドレンパン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 雄三 東京都江東区大島２丁目１番１号トステム 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円盤の周囲に円盤の面に直角にかつ円盤
   の中心からの放射線上に略方形の翼を多数取り付けた輻
   流ファンをモーターの軸に直結し、前記翼に接近して前
   記円盤の直径と略同等の辺長の略方形のプレートフィン
   熱交換器を前記円盤の面に平行に中心を前記円盤の中心
   とほぼ一致させるように備えた構造を持ち前記輻流ファ
   ンを回転させることによって、プレートフィン熱交換器
   を通して空気を吸い込み、輻流ファンの外周から全周に
   放射状に空気を吹き出すことを特徴とするファンコイル
   ユニット。