JPH10122338A - 歯付きプーリ - Google Patents

歯付きプーリ

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JPH10122338A
JPH10122338A JP27844396A JP27844396A JPH10122338A JP H10122338 A JPH10122338 A JP H10122338A JP 27844396 A JP27844396 A JP 27844396A JP 27844396 A JP27844396 A JP 27844396A JP H10122338 A JPH10122338 A JP H10122338A
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JP
Japan
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pulley
toothed
belt
teeth
tooth
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JP27844396A
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English (en)
Inventor
Tadashi Toda
忠司 戸田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、歯付きプーリに関し、ベルトの耐
久性を低下させることなく動作時に生ずる騒音を抑制し
得る歯付きプーリを提供することを目的とする。 【解決手段】 プーリ歯14の頂面には、回転軸10a
に対して交互に逆向きに傾斜する傾斜面14aが設けら
れている。このため、歯溝15に歯付きベルト12のベ
ルト歯18が進入する際、歯溝15内の空気は、歯付き
ベルト12の内周面と傾斜面14aとの間に形成された
空間32を経由して外部に排出される。これにより、噛
合時に歯溝15内の空気が圧縮されることが防止され
る。また、プーリ歯14の頂面に生ずるエッジは緩やか
なエッジ状の接続部14cのみであるため、歯付きベル
ト12に損傷を与えることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付きプーリに係
わり、特に、運転時の騒音を抑制するのに好適な歯付き
プーリに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用バルブタイミング装置
等における伝動装置として、歯付きベルト伝動装置が用
いられている。歯付きベルト伝動装置は、駆動側の歯付
きプーリの回転運動を、ベルトを介して被駆動側の歯付
きプーリに伝達するものである。ベルトには歯付きプー
リの歯と噛合する歯が形成され、伝動時の歯付きプーリ
とベルトとの滑りが防止される。
【0003】従来より、かかる歯付きベルト伝動装置に
おいて、歯付きプーリの歯とベルトの歯とが噛合する際
に、歯付きプーリの歯溝内の空気が圧縮されることに起
因して騒音が発生することが知られている。かかる騒音
の発生の防止を目的とした歯付きプーリとして、例え
ば、特開平5−106708号に開示される歯付きプー
リが公知である。上記従来の歯付きプーリは、歯に歯溝
間を連通する連通路を備えている。歯付きプーリの歯と
ベルトの歯とが噛み合う際に、歯溝内の空気が連通路を
経由して排出されることにより、空気の圧縮が防止され
る。従って、上記従来の歯付きプーリによれば、上述の
如き空気の圧縮に起因して生ずる騒音を抑制することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の歯付きプーリにおいて、連通路は歯に切り欠きを設
けることにより形成されている。かかる切り欠きに伴っ
て、歯の頂面には鋭いエッジが生ずる。従って、上記従
来の歯付きプーリによれば、かかるエッジがベルトに接
触することによりベルトに損傷が生じ易くなることで、
ベルトの耐久性が低下してしまう。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ベルトの耐久性を低下させることなく、騒音の
発生を抑制し得る歯付きプーリを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項に
記載する如く、外周面に外径側へ突出する複数の歯を有
する歯付きプーリにおいて、前記複数の歯に、その側面
から頂面に至る傾斜面を、回転軸に対して交互に逆向き
に傾斜するように設けた歯付きプーリにより達成され
る。
【0007】本発明において、歯付きプーリの歯には、
その側面から頂面に至り、回転軸に対して傾斜する傾斜
面が設けられる。このため、歯にベルトが噛合された状
態で、歯の頂面とベルトとの間には、歯溝と歯付きプー
リの側面とを連通する空間が形成される。かかる空間に
より、歯にベルトが噛合される際に、歯溝内の空気を外
部へ排出する通路が十分に確保されることで、噛合時に
歯溝内の空気が圧縮されることが防止される。このよう
に、本発明においては、歯溝内の空気の排出通路となる
空間が傾斜面により形成されるため、歯の頂面にエッジ
状の部位は生じない。これにより、歯とベルトが接触す
る際にベルトが損傷され易くなることが防止される。ま
た、傾斜面は回転軸に対して交互に異なる向きに傾斜す
るように設けられる。このため、傾斜面よりベルトに作
用する回転軸方向の力が互いに相殺し合うことで、ベル
トが回転軸方向に偏ることが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である歯
付きプーリ10の正面図を示す。なお、図1には、歯付
きプーリ10に歯付きベルト12が噛合された状態を示
している。図1に示す如く、歯付きプーリ10は、外周
面上にプーリ歯14が形成された円盤状剛性部材であ
る。プーリ歯14は等ピッチで形成されている。歯付き
プーリ10は軸16に固定されており、軸16の中心を
回転軸10aとして回転する。歯付きプーリ10のプー
リ歯14間にはプーリ歯溝15が形成されている。
【0009】歯付きベルト12は、内周面上に歯付きプ
ーリ10のプーリ歯14と噛合するベルト歯18が形成
された環状のゴム製部材である。ベルト歯18の間には
ベルト歯溝19が形成されている。歯付きベルト12
は、ベルト歯18が歯付きプーリ10のプーリ歯14と
噛合するように配設されている。
【0010】かかる構成によれば、歯付きプーリ10が
駆動側のプーリとして用いられる場合には、歯付きプー
リ10の回転運動は、プーリ歯14からベルト歯18を
介して歯付きベルト12に伝達される。また、歯付きプ
ーリが被駆動側のプーリとして用いられる場合には、歯
付きベルト12の運動は、ベルト歯18からプーリ歯1
4を介して歯付きプーリ10に伝達される。このよう
に、プーリ歯14とベルト歯18とが噛合することで、
歯付きプーリ10と歯付きベルト12との間で、滑りを
生ずることなく運動伝達が行なわれる。
【0011】図2は、本実施例に係わる歯付きプーリ1
0と同様の構成を有する歯付きプーリ10a〜10cが
使用された、自動車用内燃機関20の視透視図を示す。
図2において、歯付きプーリ10a〜10cと歯付きベ
ルト12とにより構成される歯付きベルト伝動装置が、
クランクシャフト22の回転をカムシャフト24に伝達
することによって、ピストン26の運動とバルブ28の
開閉動作との適正なタイミングが得られる。なお、歯付
きベルト12にはアイドラプーリ30により所要の張力
が付与されている。
【0012】本実施例は、特に、歯付きプーリ10のプ
ーリ歯14の頂面に傾斜面を設けた点に特徴を有してい
る。以下、図1及び図2と共に図3及び図4を参照し
て、かかる特徴部について説明する。図3は図1に示す
直線III- IIIに沿って切断した際の断面図である。ま
た、図4は歯付きプーリ10のプーリ歯14の斜視図で
ある。
【0013】図3及び図4に示す如く、プーリ歯14の
それぞれの頂面には、歯付きプーリ10の回転軸10a
に対して傾斜された傾斜面14aが設けられている。傾
斜面14aは、隣合うプーリ歯14において互いに逆向
きに傾斜するように、即ち、交互に逆向きに傾斜するよ
うに設けられている。プーリ歯14の頂面の傾斜面14
を除く部位は、回転軸10aに対して平行な一般面14
bを構成している。傾斜面14aと一般面14bとの間
には緩やかなエッジ形状である接続部14cが形成され
ている。図3に示す如く、プーリ歯14の頂面に傾斜面
14aが設けられていることで、プーリ歯14とベルト
歯18との噛合部には空間32が形成されている。
【0014】歯付きプーリ10が回転すると、プーリ歯
14とベルト歯18とが新たに噛み合う部位において
は、プーリ歯溝15にベルト歯18が進入する。このた
め、プーリ歯溝15内に存在していた空気は、プーリ歯
溝15から排出されなければならない。この場合、プー
リ歯14に傾斜面14aが設けられていなければ、即
ち、空間32が形成されていなければ、プーリ歯溝15
内の空気はプーリ歯溝15の側面からのみ排出されるこ
とになるため、空気の排出流量を十分に確保することが
できない。従って、歯付きプーリ10の回転速度の上昇
に伴ってベルト歯18のプーリ歯溝15への進入速度が
上昇した場合、プーリ歯溝15からの空気の排出流量が
ベルト歯18の進入速度に追い付かなくなって、プーリ
歯溝15内の空気は圧縮されるようになる。このよう
に、プーリ歯溝15からの空気の排出流量が十分に確保
されていないと、空気が圧縮されながら排出されること
によって、騒音が発生することになる。
【0015】これに対して、本実施例の歯付きプーリ1
0においては、プーリ歯14とベルト歯18との噛合部
に空間32が形成されているため、プーリ歯溝15内の
空気は空間32を介して速やかに外部へ排出され、これ
により、空気の排出流量は十分に確保される。従って、
歯付きプーリ10の回転速度が上昇した場合にも、プー
リ歯溝15内の空気が圧縮されることが防止される。こ
のように、本実施例の歯付きプーリ10においては、プ
ーリ歯溝15内の空気の圧縮に伴う騒音の発生が抑制さ
れている。
【0016】また、プーリ歯14とベルト歯18とが離
脱する部位においては、ベルト歯18の離脱に伴ってプ
ーリ歯溝15が開放されることにより、プーリ歯溝15
に外部から空気が供給される。この場合、空気の供給流
量がベルト歯18の離脱速度に追いつかなければ、プー
リ歯溝15内に負圧が生じ、かかる負圧に起因して騒音
が発生することになる。これに対して、本実施例におい
ては、ベルト歯18がプーリ歯溝15から脱出する際
に、外部の空気が空間32を介してプーリ歯溝15に速
やかに供給されることで、プーリ歯溝15の開放に伴う
異音の発生が抑制されている。
【0017】このように、本実施例によれば、プーリ歯
14とベルト歯18との噛合及び離脱に伴うプーリ歯溝
15における空気の圧縮・開放に起因する騒音の発生が
抑制されることで、静粛性に優れた歯付きプーリ10が
実現されている。ところで、プーリ歯溝15内の空気の
速やかな排出及び供給を行なうための空間32を形成す
る構成として、上記従来の技術の如く、プーリ歯の頂面
に矩形の溝を設けることも考えられる。しかしながら、
かかる構成をとった場合、プーリ歯の頂面に鋭いエッジ
部が生ずることで、歯付きベルト12に損傷が生じ易く
なり、これに起因して歯付きベルト12の寿命の低下を
招くことがある。
【0018】これに対して、本実施例においては、上述
の如く、プーリ歯14に傾斜面14aを設けることによ
り空間32を形成している。このため、プーリ歯14の
頂面には、緩やかなエッジである接続部14cが形成さ
れているのみであり、鋭いエッジは形成されていない。
これにより、プーリ歯14が歯付きベルト12と接触し
た際に、エッジにより歯付きベルト12に損傷が生ずる
ことが防止されている。
【0019】このように、本実施例においては、歯付き
ベルト12の耐久性の低下を招くことなく、上記した騒
音防止効果を得ることが可能な歯付きプーリ10が実現
されている。なお、接続部14cをR形状に形成するこ
とで、歯付きベルト12に損傷が生じ易くなるのをより
効果的に防止し、これにより、歯付きベルト12の耐久
性を更に向上させることもできる。
【0020】なお、プーリ歯14と歯付きベルト12と
の噛合部においては、歯付きベルト12のベルト歯溝1
9の底面はプーリ歯14の一般面14bとのみ接触し、
傾斜面14aとは空間32を隔てて離間している。即
ち、ベルト歯溝19の底面の傾斜面14aと対向する部
位はプーリ歯14によって内径側から保持されていな
い。このため、かかる部位において歯付きベルト12に
内径側への撓みが生じ、歯付きベルト12は傾斜面14
aの接続部14c近傍の部位と僅かに接触することにな
る。かかる接触部位においてプーリ歯14より歯付きベ
ルト12に付与される力は、歯付きプーリ10の回転軸
10a方向の成分を有しているため、歯付きベルト12
を回転軸10a方向へ移動させるように作用する。しか
しながら、本実施例においては、上述の如く、傾斜面1
4aは交互に逆向きに傾斜するように設けられているた
め、歯付きベルト12に作用する上述の如き回転軸10
a方向の力も交互に逆向きに作用し、これにより、歯付
きベルト12に回転軸10a方向の位置ずれが生ずるこ
とが防止されている。
【0021】また、歯付きベルト12のベルト歯18
は、歯付きプーリ10と噛合した状態では歯付きプーリ
14と共に回転運動するのに対して、歯付きプーリ10
から離脱した状態では直線運動する。一方、歯付きプー
リ10のプーリ歯14は常に回転運動している。従っ
て、歯付きベルト12と歯付きプーリ10とが噛合ある
いは離脱する際、ベルト歯18とプーリ歯14とが相対
運動することにより、両者間に干渉が生じ、円滑な噛合
・離脱が妨げられることになる。しかしながら、本実施
例においては、傾斜面14aが設けられることでプーリ
歯14の体積が低減されているため、プーリ歯14とベ
ルト歯18との干渉の度合いが軽減されている。このよ
うに、本実施例によれば、プーリ歯14に傾斜面14a
を設けることで、ベルト歯18とプーリ歯14とのより
円滑な噛合及び離脱が実現されるという効果を得ること
もできる。
【0022】ところで、図2に示す内燃機関10が暖気
された場合、機関の熱膨張により歯付きプーリ10a、
10b、及び10cのそれぞれの間の距離が増加する。
このため、歯付きベルト12の張力Tが上昇し、歯付き
ベルト12には、張力Tと歯付きプーリ間のスパンによ
り定まる周波数の共振が生じ易くなる。一方、内燃機関
20の出力トルクには機関回転に同期した変動が生じて
いる。従って、機関回転数の上昇に伴って、内燃機関2
0の出力トルクの変動周波数が上昇した場合、歯付きベ
ルト12の共振周波数と出力トルクの変動周波数とが接
近すると、歯付きベルト12に共振が生じて、大きな騒
音が生ずることになる。
【0023】これに対して、本実施例においては、歯付
きベルト12はプーリ歯14の一般面14aとのみ接触
し、傾斜面14bとは接触していない。従って、歯付き
ベルト12の幅方向において、プーリ歯14の一般面1
4bに対応する部位における張力は、傾斜面14aに対
応する部位における張力に比して大きくなっている。こ
のため、歯付きベルト12に作用する張力は不均一なも
のとなり、歯付きベルト12の共振は生じ難くなる。こ
のように、本実施例においては、プーリ歯14に傾斜面
14aが設けられることで歯付きベルト12に生ずる共
振が抑制され、これにより、かかる共振に伴う騒音の発
生が抑制されている。
【0024】また、図2に示す装置において、アイドラ
プーリ30が一定位置に固定される構成をとった場合に
は、歯付きベルト12の張力調整が行なわれないため、
内燃機関20の暖気に伴う熱膨張により歯付きプーリ1
0a〜10c間の距離が増加すると、プーリ歯14の頂
面がベルト歯溝19の底部を強く押圧することになる。
このため、かかる押圧力を抑制する措置が採られなけれ
ば、ベルト歯溝19に摩耗が生じ易くなって、歯付きベ
ルト12の耐久性が低下してしまう。
【0025】これに対して、本実施例の歯付きプーリ1
0においては、プーリ歯14に傾斜面14aが設けられ
ていることで、歯付きベルト12のベルト歯溝19は、
プーリ歯14の一般面14bによって歯幅方向に偏った
状態で押圧されると共に、上述の如く、歯付きベルト1
2の傾斜面14aに対向する部位が内径側に撓むことに
より、ベルト歯18の頂面が歯付きプーリ10のプーリ
歯溝により強く押圧される。即ち、プーリ歯14からベ
ルト歯溝19へ作用する押圧力の一部が、ベルト歯18
からプーリ歯溝15へ作用する押圧力に分配されること
になる。このように、本実施例においては、歯付きプー
リ10と歯付きベルト12との間の押圧力が分散して作
用することで、歯付きプーリ10及び歯付きベルト12
に摩耗が生じ難くされており、これにより、歯付きプー
リ10及び歯付きベルト12の全体としての耐久性の向
上が図られている。
【0026】上述の如く、本実施例においては、歯付
きプーリ10のプーリ歯溝15における空気の圧縮・開
放に起因する騒音、及び、歯付きベルト12の共振に
起因する騒音が抑制されることで、静寂性に優れた歯付
きプーリ10が実現されている。上記及びの原因で
騒音が生ずることは従来より知られていた事実である
が、本願発明者が行なった実験によれば、プーリ歯14
と歯付きベルト12との衝突によっても騒音が生ずるこ
とが新たにわかっている。以下、本願発明者が行なった
実験の内容について説明する。
【0027】図5は本実験において用いた実験用プーリ
40の軸方向断面図を示す。図5に示す如く、実験用プ
ーリ40のプーリ歯42は、通常の歯付きプーリ、即
ち、上記実施例の歯付きプーリ10において傾斜面14
を備えない形状のプーリ(以下、対比プーリと称する)
の歯に、歯幅方向中間部を歯の全高にわたって除去して
なる切り欠き部42aを設けることにより構成されてい
る。かかる構成の実験用プーリ40を対にして設け、歯
付きベルトを装着した状態で、一方の実験用プーリ40
を駆動して歯付きベルトを走行させた場合と、対比プー
リについて同一条件の下で歯付きベルトを走行させた場
合とについて、それぞれ、プーリの回転数Nを変化させ
ながら騒音を測定した。そして、この騒音を周波数分析
し、プーリの回転数Nと、回転数Nの24倍及び48倍
に相当する周波数成分との関係を求めた。
【0028】なお、実験用プーリ40及び対比プーリの
歯数は何れも24である。従って、プーリの回転数の2
4倍に相当する騒音の周波数成分は、各プーリの歯と歯
付きベルトとの単位時間当たりの衝突回数に等しい周波
数成分(以下、一次成分と称する)であり、また、プー
リの回転数の48倍に相当する成分は、上記衝突回数の
2倍に等しい周波数成分(以下、二次成分と称する)で
ある。従って、騒音の一次成分には二次成分に比して、
各プーリの歯と歯付きベルトとの衝突に起因して生ずる
騒音がより強く反映されているとみなすことができる。
【0029】図6及び図7に本実験の実験結果を示す。
図6及び図7は、それぞれ、プーリ回転数Nに対する、
騒音の一次成分及び二次成分の関係を示している。な
お、図6及び図7において、横軸はプーリ回転数を、縦
軸は各成分の音圧レベルを、それぞれ示しており、ま
た、実線が対比プーリに対する測定結果を、破線が実験
用プーリ40に対する測定結果を、それぞれ示してい
る。図6及び図7からわかるように、一次成分に関して
は、実験用プーリ40の騒音レベルは対比プーリに比し
て小さいのに対して、二次成分に関しては両者間に有意
な差は認められない。上述の如く、騒音の一次成分には
二次成分に比して、歯付きプーリの歯と歯付きベルトと
の衝突に伴う騒音が強く反映されており、また、実験用
プーリと対比プーリとの相違点は切り欠き42aの有
無、即ち、プーリ歯の歯付きベルトとの接触面積の差の
みである。従って、上記実験結果より、プーリ歯と歯付
きベルトとの衝突によっても騒音が生じ、この騒音は、
プーリ歯の歯付きベルトとの接触面積が減少するほど小
さくなると結論することができる。
【0030】上述の如く、上記実施例の歯付きプーリ1
0においては、傾斜面14aが設けられていることで、
プーリ歯14と歯付きベルト12との接触面積が減少さ
れている。従って、上記実験により得られた結論によれ
ば、本実施例の歯付きプーリ10においては、プーリ歯
とベルト歯との衝突に起因する騒音も低減されているこ
とになる。
【0031】このように、本実施例の歯付きプーリ10
によれば、従来より知られていた、上記及びの騒音
を低減することが可能とされているだけではなく、上記
実験により明らかとなった、プーリ歯と歯付きベルトと
の衝突に起因する騒音を低減することも可能とされてい
る。
【0032】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、歯付きベ
ルトの耐久性を低下させることなく、運転時に生ずる騒
音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の歯付きプーリが歯付きベルトと噛合
された状態を示す図ある。
【図2】本実施例の歯付きプーリがバルブタイミング伝
動装置に適用された内燃機関の斜視透視図である。
【図3】図1に示す直線III-III に沿って切断した際の
断面図である。
【図4】本実施例の歯付きプーリのプーリ歯の斜視図で
ある。
【図5】実験用プーリの軸方向断面図である。
【図6】プーリの回転数に対する騒音の一次成分の関係
を示すグラフである。
【図7】プーリの回転数に対する騒音の二次成分の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 歯付きプーリ 12 歯付きベルト 14 プーリ歯 14a 傾斜面 15 歯溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に外径側へ突出する複数の歯を有
    する歯付きプーリにおいて、 前記複数の歯に、その側面から頂面に至る傾斜面を、回
    転軸に対して交互に逆向きに傾斜するように設けたこと
    を特徴とする歯付きプーリ。
JP27844396A 1996-10-21 1996-10-21 歯付きプーリ Pending JPH10122338A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002177560A (ja) * 2000-12-11 2002-06-25 Heiwa Corp 球払出装置

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JP2002177560A (ja) * 2000-12-11 2002-06-25 Heiwa Corp 球払出装置
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