JPH10121959A - 多気筒内燃機関の水冷却装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の水冷却装置

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JPH10121959A
JPH10121959A JP29436696A JP29436696A JPH10121959A JP H10121959 A JPH10121959 A JP H10121959A JP 29436696 A JP29436696 A JP 29436696A JP 29436696 A JP29436696 A JP 29436696A JP H10121959 A JPH10121959 A JP H10121959A
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JP
Japan
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water
cylinder
water jacket
combustion engine
internal combustion
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Application number
JP29436696A
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English (en)
Inventor
Shigeji Mineo
繁治 峯尾
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多気筒内燃機関における各シリンダが、より
均一に冷却されるようにする。 【解決手段】 各シリンダ40が、シリンダ本体40b
と、このシリンダ本体40bに取り付けられるシリンダ
ヘッド40dとを有し、上記各シリンダ本体40bに第
1水ジャケット81をそれぞれ形成すると共に、上記各
シリンダヘッド40dに第2水ジャケット82をそれぞ
れ形成する。上記第1水ジャケット81に水入口部89
を設け、上記第2水ジャケット82に水出口部93を設
ける。上記各シリンダ本体40bを互いに個別に設け
る。上記各シリンダヘッド40dを互いに一体成形し、
かつ、上記各第2水ジャケット82を互いに連通させ
る。上記各シリンダ本体40bの第1水ジャケット81
に上記水入口部89をそれぞれ設ける。上記クランク軸
38の軸方向で、上記両シリンダ本体40b,40bの
間のほぼ中央部に上記水出口部93を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダに形成し
た水ジャケットに冷却水を供給して、上記シリンダを冷
却させるようにした多気筒内燃機関の水冷却装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記水冷却装置には、従来、次のように
構成されたものがある。
【0003】即ち、内燃機関が、クランク軸の軸方向に
沿って並設される複数のシリンダを備え、これら各シリ
ンダは、クランクケースから突出するシリンダ本体と、
このシリンダ本体の突出端に取り付けられるシリンダヘ
ッドとを有している。上記各シリンダ本体に第1水ジャ
ケットがそれぞれ形成されると共に、上記各シリンダヘ
ッドに第2水ジャケットがそれぞれ形成され、上記各第
1水ジャケットと各第2水ジャケットとが互いに連通さ
せられている。また、上記シリンダ本体の外部を上記第
1水ジャケットに連通させる水入口部が設けられる一
方、上記第2水ジャケットを上記シリンダヘッドの外部
に連通させる水出口部が設けられている。
【0004】そして、上記水入口部に冷却水としての水
が供給され、この水が上記各第1水ジャケットと各第2
水ジャケットを順次流れて上記水出口部から排出され、
これにより、上記シリンダが冷却されるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術では、水入口部に供給された水は、上記水出口部に
向って、上記第1水ジャケットと第2水ジャケット内を
短絡的に流れるおそれがあり、このため、上記各シリン
ダの冷却が不均一になるおそれがある。
【0006】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、多気筒内燃機関における各シリンダが、
より均一に冷却されるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の多気筒内燃機関の水冷却装置は、クランク軸
38の軸方向に沿って並設される複数のシリンダ40を
設け、これら各シリンダ40が、クランクケース37か
ら突出するシリンダ本体40bと、このシリンダ本体4
0bの突出端に取り付けられるシリンダヘッド40dと
を有し、上記各シリンダ本体40bに第1水ジャケット
81をそれぞれ形成すると共に、上記各シリンダヘッド
40dに第2水ジャケット82をそれぞれ形成し、上記
各第1水ジャケット81と各第2水ジャケット82とを
互いに連通させ、上記シリンダ本体40bの外部を上記
第1水ジャケット81に連通させる水入口部89を設け
る一方、上記第2水ジャケット82を上記シリンダヘッ
ド40dの外部に連通させる水出口部93を設けた場合
において、
【0008】上記各シリンダ本体40bを互いに個別に
設ける一方、上記各シリンダヘッド40dを互いに一体
成形し、かつ、上記各第2水ジャケット82を互いに連
通させ、上記各シリンダ本体40bの第1水ジャケット
81に上記水入口部89をそれぞれ設け、かつ、上記ク
ランク軸38の軸方向で、上記両シリンダ本体40b,
40bの間のほぼ中央部に上記水出口部93を配設した
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0010】図2〜4において、符号1は跨座式(換言
すれば、鞍乗式)の小型の船艇であり、水2に浮かべら
れている。また、矢印Frは、上記船艇1の進行方向の
前方を示し、下記する左右とは、上記前方に向っての水
平方向をいうものとする。
【0011】上記船艇1の船体3は繊維で強化された樹
脂(FRP)製で、その下部がハル4、上部がデッキ5
であり、これらハル4とデッキ5の結合部がガンネル6
である。
【0012】上記船体3の内部を前部室9と後部室10
とに仕切る仕切壁11が設けられ、この仕切壁11は上
記ハル4とデッキ5の各内面に強固に支持されている。
【0013】上記船体3に搭載されてこの船体3を推進
させる推進装置12が設けられている。この推進装置1
2は、上記前部室9に設置される内燃機関13を有し、
この内燃機関13は船体3の幅方向で、そのほぼ中央に
位置させられている。また、この内燃機関13に供給さ
れるべき燃料を溜める燃料タンク14も上記前部室9に
設置されている。
【0014】上記船体3の外部から通気口(不図示)を
通し上記前部室9内に導入された空気を、上記内燃機関
13の内部に導入させる吸気系部材15と、同上内燃機
関13から延出してこの内燃機関13の排気を船体3の
後方に導出させる排気装置とが設けられている。この排
気装置は、排気管16を有し、この排気管16は、上記
内燃機関13から延出する上流側管18と、この上流側
管18に緩衝体17を介して連結される下流側管19と
で構成され、また、この下流側管19には、船体3に固
定された逆流防止箱20が連結され、この逆流防止箱2
0に他の排気管21が連結されている。
【0015】前端が上記ハル4後部の底板に連結される
と共に上記船体3の下方に向って開口し、後端が上記船
体3の後方に向って開口する流水管23が設けられてい
る。この流水管23は断面が円形で、その内部は、上記
船体3の後部の下方を、同上船体3の後方に連通させる
水通路24となっている。
【0016】上記内燃機関13からの動力を受けて駆動
するジェット噴射手段27が設けられている。このジェ
ット噴射手段27は、上記内燃機関13から動力を受け
て回転する推進軸28を有し、この推進軸28は前後方
向に延びてその前端が上記内燃機関13に連動連結さ
れ、後端は上記水通路24内に位置してこの後端にイン
ペラ29が取り付けられている。
【0017】上記流水管23の後端に外嵌されて上記船
体3の後部に支承される操舵管30が設けられ、この操
舵管30はその後部が上下、左右に回動するよう支承さ
れている。一方、上記船体3の前上部にハンドル31が
突設され、このハンドル31に上記操舵管30が連動連
結されている。上記ハンドル31の後方で、同上船体3
の上面には跨座式のシート32が設けられ、このシート
32に着座したライダーにより上記ハンドル31の端部
に設けられたグリップ31aが把持可能とされている。
【0018】図4において、前記デッキ5は、その左右
各側部にステップ5a,5aを有し、また、これら各ス
テップ5aの船体3の左右方向における中央側の端縁か
ら上方に向けてほぼ垂直に突出する左右一対の側壁5
b,5bを有している。これら両側壁5b,5bの上端
に前記シート32が架設されて支持され、このシート3
2に着座したライダーは、上記各ステップ5aに足を載
置可能とされている。
【0019】上記内燃機関13を駆動させると、この内
燃機関13が出力する動力が上記ジェット噴射手段27
の推進軸28に伝達され、この推進軸28と共に回転す
る上記インペラ29により、上記水通路24内の水2が
後方に向って加速され、これにより、上記船体3の後部
の下方の水2が上記水通路24の前端からこの水通路2
4内に吸入される一方、この水通路24を通過してその
後端から後方に向って噴射され、この噴射の反力によ
り、上記船艇1が前方に向って推進させられる。
【0020】上記推進時に、上記ハンドル31を操作
し、上記操舵管30の姿勢を変化させるよう回動させれ
ば、上記噴射の方向が変化して、船艇1が所望の方向に
操舵されるようになっている。
【0021】図1、4〜7において、上記内燃機関13
は2サイクル多気筒(2気筒)エンジンである。上記内
燃機関13は、上記船体3に、それぞれゴム製の弾性緩
衝体34を介して前、後ブラケット35,36により支
持されたクランクケース37を備えている。このクラン
クケース37内には軸心38aが前後方向にほぼ水平に
延びるクランク軸38が設けられ、このクランク軸38
はその軸心38a回りに回転自在となるよう上記クラン
クケース37に支承されている。
【0022】上記クランクケース37は、上記クランク
軸38の軸心38aを境として、上下に分割され、上部
ケース37aと下部ケース37bとで構成され、また、
これら上部ケース37aと下部ケース37bとは不図示
の締結具で着脱自在に締結されている。
【0023】特に、図5において、上記クランク軸38
の一端部にはフライホイールマグネト39のローター3
9aが取り付けられ、上記クランク軸38と共にその軸
心38a回りに回転することとされている。
【0024】図1、4〜9において、上記内燃機関13
は、上記クランクケース37の上面に支持される複数
(2つ)のシリンダ40,40を備えている。これらシ
リンダ40の各軸心40aは互いにほぼ平行で、上記ク
ランク軸38に沿うよう前後に並設されている。また、
上記各軸心40aは、上記クランク軸38の径方向の外
方に向って延び、かつ、上記クランクケース37から左
右方向の一側方(左側方)の斜め上方に向って延びてい
る。
【0025】上記各シリンダ40は、上記クランクケー
ス37から上記した斜め上方に向って突出するシリンダ
本体40bを有し、これら各シリンダ本体40bは互い
に個別に設けられている。これら各シリンダ本体40b
にそれぞれ形成されたシリンダ孔40cは、上記各シリ
ンダ本体40bに対応する軸心40a上に位置してお
り、上記各シリンダ孔40cは上記各シリンダ本体40
bを上下に貫通し、その下端は上記クランクケース37
内に開口している。前記排気管16は、その上流端が上
記各シリンダ本体40bに支持される一方、下流端は筒
状の緩衝体を介して前記逆流防止箱20に連結されてい
る。
【0026】上記各シリンダ孔40cの上端開口を開閉
自在に閉じるシリンダヘッド40dがそれぞれ設けら
れ、これらシリンダヘッド40dは互いに一体成形され
ている。これら両シリンダヘッド40dは上記各シリン
ダ本体40bの突出端にそれぞれヘッドボルト40eに
より着脱自在に締結されている。
【0027】上記各シリンダ40のシリンダ孔40cに
それぞれピストン41が軸方向に摺動自在に嵌入され、
これら各ピストン41と上記クランク軸38とは互いに
連動するよう連接棒42で連結されている。
【0028】図4〜6において、上記後ブラケット36
は、左右ブラケット36a,36bで構成されている。
前記したように、各シリンダ40はその軸心40aが上
記クランクケース37から一側方(左側方)の斜め上方
に向って突出し、つまり、上記一側方(左側方)に傾斜
している。
【0029】そこで、上記一側方(左側方)に対応する
後ブラケット36の左ブラケット36aは、上記クラン
クケース37の下部ケース37bの上面側に締結具36
cで締結され、他側方(右側方)に対応する上記後ブラ
ケット36の右ブラケット36bは、上記下部ケース3
7bの側面に締結具36cで締結されている。
【0030】このため、上記左右ブラケット36a,3
6bが上下方向でほぼ同じ高さに配置されて、これら
が、上下に大きい空間を占めることが防止され、クラン
クケース37と後ブラケット36とが全体的にコンパク
トに構成されている。
【0031】図1において、上記クランクケース37に
は各シリンダ40毎に吸気口44が形成され、これら各
吸気口44にそれぞれリード弁45が設けられている。
一方、上記各シリンダ40には、上記クランクケース3
7内から上記各シリンダ40の燃焼室46に連通する掃
気通路47が形成されると共に、同上各燃焼室46から
前記排気管16にそれぞれ連通する排気口48が形成さ
れている。また、上記燃焼室46に放電部が臨む点火プ
ラグ49が上記各シリンダ40の突出端に取り付けられ
ている。
【0032】図1、4において、上記クランクケース3
7には、前記吸気系部材15の一部を構成する吸気案内
部材51が、上記各シリンダ40毎に取り付けられてい
る。これら各吸気案内部材51は、上記クランクケース
37から左右方向の他側方(右側方)の斜め上方に向っ
て突出し、互いにほぼ平行となるよう前後に並設されて
いる。
【0033】上記各吸気案内部材51は、それぞれその
下部を構成して上記クランクケース37に締結される吸
気管52と、これら各吸気管52の上端に支持されたフ
ロートレスの気化器53とで構成され、これら吸気管5
2と気化器53は互いに締結具で着脱自在に締結されて
いる。また、上記吸気案内部材51の上流端である気化
器53の上端に前記吸気系部材15の一部を構成する樹
脂製の吸気箱56が締結具により着脱自在に締結されて
いる。
【0034】上記吸気管52と気化器53の各内部通路
と、吸気箱56の内部空間とは互いに連通させられて、
これらは、この吸気箱56の外部を、上記内燃機関13
のクランクケース37内に上記吸気口44を介し連通さ
せる吸気通路となっている。上記気化器53の吸気通路
に上記燃料タンク14内の燃料を供給する燃料供給系部
材が設けられている。
【0035】図1〜4、8、9において、上記排気管1
6、逆流防止箱20、および他の排気管21の各内部通
路は、互いに連通させられて、これらは上記排気口48
を船体3の外部に連通させる排気通路63となってい
る。
【0036】図1、5、7において、上記内燃機関13
を始動させる始動装置62が設けられている。この始動
装置62は、上記クランクケース37の上部ケース37
aに支持された始動電動機62aと、上記上部ケース3
7aと前ブラケット35とに架設されてその軸心回りに
回転自在に支承されるアイドラー62bとを有し、上記
始動電動機62aの出力軸と上記アイドラー62bに形
成されたギヤ62cとが、常時、互いに噛合させられて
いる。
【0037】上記アイドラー62bに係合歯62dが形
成され、一方、前記フライホイールマグネト39のロー
ター39aに上記係合歯62dと係脱自在とされる被係
合歯62eが形成され、通常、上記係合歯62dは被係
合歯62eから離脱させられている。
【0038】そして、上記始動電動機62aを駆動させ
れば、この始動電動機62aの出力軸に上記ギヤ62c
が噛合した状態が保たれたまま、上記アイドラー62b
が軸方向に移動して、上記係合歯62dが被係合歯62
eに係合し、これにより、上記始動電動機62aの動力
が上記被係合歯62eを形成した上記ローター39aを
介しクランク軸38に伝えられて、クランキングが行わ
れるようになっている。
【0039】これにより、内燃機関13が始動させられ
ると、ばねの付勢力で、上記アイドラー62bは元の位
置に戻り、上記被係合歯62eへの係合歯62dの係合
が自動的に解除される。
【0040】図4において、上記推進装置12を電子的
に制御する制御装置64が設けられ、この制御装置64
に上記点火プラグ49や始動電動機62a等が電気的に
接続されている。
【0041】上記制御装置64は、左右方向で、上記各
シリンダ40が一側方(左側方)に傾いた側の前記側壁
5bの内面に取り付けられている。このため、上記各シ
リンダ40の上端に取り付けられた点火プラグ49は上
記制御装置64に、より接近し、これにより、これら4
9,64の電気的な接続がし易くされている。
【0042】図1、4において、上記内燃機関13を駆
動させる場合には、まず、上記制御装置64を操作し
て、上記始動電動機62aを駆動させ、前記クランキン
グにより内燃機関13を始動させる。
【0043】これにより、上記内燃機関13が駆動し
て、上記ピストン41が上死点に向って移動するとき、
クランクケース37内が負圧となり、この負圧により、
まず、上記吸気箱56の外部の空気65が上記吸気箱5
6の吸気通路に吸入され、ここから、上記気化器53と
吸気管52の各吸気通路を順次通り、上記クランクケー
ス37内に向うよう吸入される。
【0044】上記空気65が気化器53の吸気通路を通
過するとき、この吸気通路に生じている負圧により、上
記気化器53から上記空気65に対し燃料が供給され混
合気66が生成される。この混合気66は同上クランク
ケース37内の負圧により、上記吸気口44とリード弁
45とを通過して上記クランクケース37内に吸入され
る。
【0045】次に、上記ピストン41が下死点に向って
移動するとき、上記クランクケース37内が加圧され、
この圧力で、このクランクケース37内に吸入されてい
た上記混合気66が予圧縮される。その後、上記予圧縮
された混合気66が、上記掃気通路47を通って燃焼室
46に供給され、次に、ピストン41が再び上死点に向
ったとき、上記燃焼室46に供給された混合気66は、
ここで、更に圧縮されて燃焼に供される。
【0046】上記燃焼により、ピストン41は再び下死
点に向って移動し、この際、上記燃焼により生じたガス
が排気67として、上記排気管16、逆流防止箱20、
および他の排気管21の各排気通路63を通して、船体
3の外部に排出される。
【0047】以下、上記動作により、ピストン41や連
接棒42が往復運動を繰り返し、これに連動してクラン
ク軸38が回転運動を繰り返して、上記燃焼によるエネ
ルギーが動力に変換され、この動力が、前記したように
ジェット噴射手段27に伝達されて船艇1が推進させら
れる。
【0048】図1、8〜10において、上記内燃機関1
3と、排気管16とを冷却水である水2により冷却させ
る水冷却装置80が設けられている。
【0049】上記水冷却装置80は、上記各シリンダ4
0のシリンダ本体40bにそれぞれ個別に形成される第
1水ジャケット81と、上記各シリンダ40のシリンダ
ヘッド40dにそれぞれ形成される第2水ジャケット8
2と、上記排気管16に形成される第3水ジャケット8
3とを有している。上記各第1水ジャケット81と、こ
れにそれぞれ対応する各第2水ジャケット82とが互い
に連通させられると共に、上記各第2水ジャケット82
同士が互いに連通させられている。
【0050】上記シリンダ本体40bと、上記上流側管
18の上流端との間にはガスケット84が介設され、こ
のガスケット84には上記排気口48を上記上流側管1
8内の排気通路63に連通させる排気通路である開口が
形成されている。また、上記ガスケット84には、上記
上流側管18における第3水ジャケット83の上端部を
上記第1水ジャケット81内に連通させる小孔85が形
成されている。
【0051】また、上記下流側管19における第3水ジ
ャケット83をこの下流側管19の外部に連通させるパ
イロット水の排水管86と、捨て水の排水管87とが設
けられている。
【0052】上記各第1水ジャケット81の近傍で、上
記排気管16の上流側管18の上流端には、各シリンダ
40毎に、連通路88が形成されている。これら各連通
路88は上記各シリンダ40の外部を、上記第3水ジャ
ケット83に連通させることなく、上記各第1水ジャケ
ット81にのみ連通させている。上記各連通路88の上
記外部への開口部が水入口部89とされ、つまり、これ
ら各水入口部89は、上記各連通路88を通して上記外
部を上記各第1水ジャケット81に連通させている。ま
た、上記外部を上記第3水ジャケット83に連通させる
他の水入口部90が設けられている。
【0053】図1、3、8〜10において、前記水通路
24におけるインペラ29の下流側近傍を上記各水入口
部89,90に連通させるチューブ式の水供給管91が
設けられている。この水供給管91は、上記水通路24
から延出した本管91aと、この本管91aの延出端か
ら分岐した複数(3本)の分岐管91bとで構成され、
これら各分岐管91bの分岐端が上記各水入口部89,
90に連通させられている。また、上記各分岐管91b
には手動式のバルブ92が設けられている。なお、これ
らバルブ92はなくてもよい。
【0054】一方、上記各第2水ジャケット82を上記
各シリンダヘッド40dの外部に連通させる水出口部9
3が上記シリンダヘッド40dに形成されている。上記
水出口部93は、上記クランク軸38の軸方向で、上記
両シリンダ本体40b,40bの間のほぼ中央部に配設
され、チューブ式の水排出管94により、船体3の外部
に連通させられている。また、上記水出口部93にはサ
ーモスタット96が取り付けられている。
【0055】特に図9で示すように、シリンダ40の軸
心40aに沿った視線でみて、左右方向で、上記水出口
部93はクランク軸38の軸心38aを基準として、上
記水入口部89とは反対側に設けられている。
【0056】上記内燃機関13の駆動に連動した上記イ
ンペラ29が、水通路24内の水2を後方に向って加速
させるとき、上記インペラ29の下流側の水通路24内
の水圧が高圧となる。すると、この水圧で、上記水通路
24内の水2が、上記水供給管91と、各水入口部8
9,90を通り上記第1水ジャケット81と第3水ジャ
ケット83とに供給される。この場合、第1水ジャケッ
ト81に供給される水2の方が、第3水ジャケット83
に供給される水2よりも多くされている。
【0057】上記第1水ジャケット81に供給された水
2は、この第1水ジャケット81から上記第2水ジャケ
ット82に供給され、その後、上記水出口部93、サー
モスタット96、および水排出管94を通って、上記ジ
ェット噴射手段27を収容するポンプ室、もしくは船尾
板から後方の船体3の外部に排水される。この際、上記
サーモスタット96は水2の温度を所定範囲に調整し、
各シリンダ40を適度に冷却させる。
【0058】上記したように、各水入口部89に冷却水
である水2が供給されると、この水2は上記各水入口部
89を通って、各シリンダ本体40bの第1水ジャケッ
ト81をそれぞれ流れることとなり、これにより、上記
各シリンダ本体40bはそれぞれ水2によって冷却され
ることとなる。
【0059】また、上記水2は、各シリンダ本体40b
の第1水ジャケット81から、上記第2水ジャケット8
2に流入して、上記両シリンダ本体40b,40bのほ
ぼ中央部に配設された水出口部93に向って流れること
となる。
【0060】このため、上記水2は上記各シリンダ本体
40bに対応する各シリンダヘッド40dの各第2水ジ
ャケット82,82をそれぞれ流れることから、これら
各シリンダヘッド40dはそれぞれ水2によって冷却さ
れることとなる。
【0061】よって、多気筒内燃機関13における各シ
リンダ40に形成された、第1、第2水ジャケット8
1,82を、水2が水入口部89から水排出管94に向
って短絡的に流れるということが防止されて、これら各
シリンダ40がより均一に冷却される。
【0062】しかも、前記したように、クランク軸38
の軸心38aを基準として、上記水出口部93は上記水
入口部89とは反対側に設けられているため、上記水入
口部89から水出口部93に向う水2は、上記シリンダ
ヘッド40dのより広い範囲を冷却させることとなり、
この冷却がより効果的となる。
【0063】更に、上記したように、各シリンダ本体4
0bは互いに個別に設けられ、これら各シリンダ本体4
0bの第1水ジャケット81に水入口部89がそれぞれ
設けられたため、これら各水入口部89に供給される水
2の量を調整するためのバルブ92は、上記シリンダ4
0の外部に容易に設けられる。そして、これらバルブ9
2によって、各第1水ジャケット81に供給される水2
は個別に調整でき、よって、上記各第1水ジャケット8
1を流れるそれぞれの水2の量を互いに容易に均一にさ
せることができる。
【0064】一方、上記他の水入口部90を通り第3水
ジャケット83に供給された水2は、上記排気管16を
冷却させる。上記第3水ジャケット83に供給された水
2の一部は、パイロット水として、上記パイロット水の
排水管86を通して船体3の外部に排水される。このよ
うに排水される水2は、ライダーから見えるようになっ
ており、この排水を視認することにより、上記第3水ジ
ャケット83に水2が十分に供給されていることが確認
される。
【0065】一方、上記第3水ジャケット83に供給さ
れた水2の一部は、捨て水として上記捨て水の排水管8
7を通して第3水ジャケット83の外部に排水される。
この捨て水とは、排気67に水2を混合させる地点に達
する前の水2のうち、船体3の外部に捨てられる水2の
ことで、上記排気67に混合させられる水2の量を減ら
して、排気抵抗が過大になることを防止する。
【0066】なお、上記捨て水は、直接に、船体3の外
部に捨ててもよいが、水出口部93からの水2を船体3
の外部に捨てるための配管内に捨てるようにしてもよ
く、また、逆流防止箱20よりも下流の排気通路63内
に排水させてもよい(図10中二点鎖線)。
【0067】また、上記第3水ジャケット83に供給さ
れた水2のうち、パイロット水の排水管86と捨て水の
排水管87とを通しては排水されなかった残りの水2
は、上記逆流防止箱20よりも上流側の排気通路63に
供給され、ここで、排気67と混合させられてから、船
体3の外部に排水される。
【0068】上記の場合、排気管16と逆流防止箱20
とはゴム製の緩衝体で連結されているが、この緩衝体が
排気67の熱で損傷させられることは、上記水2の供給
によって防止され、つまり、上記排気67の熱から保護
されている。
【0069】また、上記第3水ジャケット83の下流端
は栓部材によって閉塞され、この栓部材に形成した多数
の小孔を通して水2が上記排気通路63内の排気67に
供給されている。この場合、上記小孔が小石等によって
詰まると、上記緩衝体側に水2が送られなくなる可能性
がある。そこで、上記捨て水の排水管87の一部がバイ
パスされて、上記緩衝体の上流側の排気通路63内に供
給されるようになっている(図10中一点鎖線)。
【0070】図1において、上記第3水ジャケット83
に供給された水2に空気が混入していると、この空気
は、上記第3水ジャケット83内をその上端部に向って
上昇し、上記小孔85を通って第1水ジャケット81内
に逃がされる。このため、上記空気が上記第3水ジャケ
ット83の上端部に溜まることが防止される。
【0071】上記第1水ジャケット81の上端部は、上
記第2水ジャケット82に連通させられ、また、この第
2水ジャケット82の上端部に上記水出口部93が配設
されている。このため、上記したように、第3水ジャケ
ット83からの空気を含み、上記第1水ジャケット81
や第2水ジャケット82に供給された水2に混入してい
る空気はより確実に上記水出口部93を通り、その外部
に排出される。
【0072】図1において、前記したように、第1水ジ
ャケット81に水2を供給する連通路88は上流側管1
8に形成されており、つまり、第1水ジャケット81に
水2を供給する連通路88の形成に上記上流側管18が
利用されている。
【0073】このため、シリンダ本体40bに直接、分
岐管91bを接続する必要がなく、この配管作業が容易
となる。つまり、上記シリンダ本体40bに直接、分岐
管91bを接続しようとすると、吸気系部材15や排気
管16等が邪魔になって、この作業がしにくいが、これ
は、上記したように、上流側管18に連通路88を形成
することにより、回避され、上記したように分岐管91
bの配管作業が容易にできる。
【0074】なお、以上は図示の例によるが、内燃機関
13は3つ以上のシリンダ40を有していてもよく。ま
た、4サイクルであってもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明は、クランク軸の軸方向に沿って
並設される複数のシリンダを設け、これら各シリンダ
が、クランクケースから突出するシリンダ本体と、この
シリンダ本体の突出端に取り付けられるシリンダヘッド
とを有し、上記各シリンダ本体に第1水ジャケットをそ
れぞれ形成すると共に、上記各シリンダヘッドに第2水
ジャケットをそれぞれ形成し、上記各第1水ジャケット
と各第2水ジャケットとを互いに連通させ、上記シリン
ダ本体の外部を上記第1水ジャケットに連通させる水入
口部を設ける一方、上記第2水ジャケットを上記シリン
ダヘッドの外部に連通させる水出口部を設けた多気筒内
燃機関の水冷却装置において、
【0076】上記各シリンダ本体を互いに個別に設ける
一方、上記各シリンダヘッドを互いに一体成形し、か
つ、上記各第2水ジャケットを互いに連通させ、上記各
シリンダ本体の第1水ジャケットに上記水入口部をそれ
ぞれ設け、かつ、上記クランク軸の軸方向で、上記両シ
リンダ本体の間のほぼ中央部に上記水出口部を配設して
ある。
【0077】このため、上記各水入口部に冷却水として
の水が供給されると、この水は上記各水入口部を通っ
て、各シリンダ本体の第1水ジャケットをそれぞれ流れ
ることとなり、これにより、上記各シリンダ本体はそれ
ぞれ水によって冷却されることとなる。
【0078】また、上記水は、各シリンダ本体の第1水
ジャケットから、上記第2水ジャケットに流入して、上
記両シリンダ本体のほぼ中央部に配設された水出口部に
向って流れることとなる。
【0079】このため、上記水は上記各シリンダ本体に
対応する各シリンダヘッドをそれぞれ流れることから、
これら各シリンダヘッドはそれぞれ水によって冷却され
ることとなる。
【0080】よって、多気筒内燃機関における各シリン
ダに形成された、第1、第2水ジャケットを、水が水入
口部から水排出管に向って短絡的に流れるということが
防止されて、これら各シリンダがより均一に冷却される
こととなる。
【0081】しかも、上記したように、各シリンダ本体
を互いに個別に設け、これら各シリンダ本体の第1水ジ
ャケットに水入口部をそれぞれ設けたため、これら各水
入口部に供給される水の量を調整するためのバルブを、
上記シリンダの外部に容易に設けることができ、そし
て、これらバルブによって、各第1水ジャケットに供給
される水を個別に調整することができる。
【0082】よって、上記各第1水ジャケットを流れる
それぞれの水の量を互いに容易に均一にさせることがで
き、つまり、各シリンダが更に均一に冷却される、とい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4の部分拡大断面図である。
【図2】船艇の全体側面図である。
【図3】船艇の全体平面図である。
【図4】推進装置の背面図である。
【図5】推進装置の底面図である。
【図6】図4の部分拡大図である。
【図7】図5の7‐7線矢視図である。
【図8】図1の8‐8線矢視部分破断図である。
【図9】各シリンダの軸心に沿った視線でみた推進装置
の平面図である。
【図10】水冷却装置の冷却用水のフローチャート図で
ある。
【符号の説明】
1 船艇 2 水 3 船体 12 推進装置 13 内燃機関 16 排気管 37 クランクケース 38 クランク軸 40 シリンダ 40a 軸心 40b シリンダ本体 40c シリンダ孔 40d シリンダヘッド 40e ヘッドボルト 80 水冷却装置 81 第1水ジャケット 82 第2水ジャケット 89 水入口部 91 水供給管 91a 本管 91b 分岐管 93 水出口部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の軸方向に沿って並設される
    複数のシリンダを設け、これら各シリンダが、クランク
    ケースから突出するシリンダ本体と、このシリンダ本体
    の突出端に取り付けられるシリンダヘッドとを有し、上
    記各シリンダ本体に第1水ジャケットをそれぞれ形成す
    ると共に、上記各シリンダヘッドに第2水ジャケットを
    それぞれ形成し、上記各第1水ジャケットと各第2水ジ
    ャケットとを互いに連通させ、上記シリンダ本体の外部
    を上記第1水ジャケットに連通させる水入口部を設ける
    一方、上記第2水ジャケットを上記シリンダヘッドの外
    部に連通させる水出口部を設けた多気筒内燃機関の水冷
    却装置において、 上記各シリンダ本体を互いに個別に設ける一方、上記各
    シリンダヘッドを互いに一体成形し、かつ、上記各第2
    水ジャケットを互いに連通させ、上記各シリンダ本体の
    第1水ジャケットに上記水入口部をそれぞれ設け、か
    つ、上記クランク軸の軸方向で、上記両シリンダ本体の
    間のほぼ中央部に上記水出口部を配設した多気筒内燃機
    関の水冷却装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014163225A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mazda Motor Corp 多気筒エンジンの冷却構造
WO2019116434A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 本田技研工業株式会社 エンジン装置

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