JPH10121923A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH10121923A
JPH10121923A JP27516196A JP27516196A JPH10121923A JP H10121923 A JPH10121923 A JP H10121923A JP 27516196 A JP27516196 A JP 27516196A JP 27516196 A JP27516196 A JP 27516196A JP H10121923 A JPH10121923 A JP H10121923A
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JP
Japan
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drive shaft
cylindrical portion
axial direction
peripheral surface
intake
Prior art date
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Pending
Application number
JP27516196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
Seinosuke Hara
誠之助 原
Tsuneyasu Nohara
常靖 野原
Makoto Nakamura
信 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Unisia Jecs Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP27516196A priority Critical patent/JPH10121923A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸の外径の均一化を図って捩り剛性を高
めると共に、圧入時などにおける第2フランジ部の倒れ
を防止して、環状ディスクの振れ回りを抑制する。 【解決手段】 駆動軸21の第2フランジ部28とカム
シャフトの第1フランジ部との間に連繋配置された環状
ディスクを、機関運転状態に応じて偏心揺動させること
により、駆動軸とカムシャフトの回転位相差を変化させ
て吸気弁の開閉時期を可変にする。駆動軸の外周面21
cに、第2フランジ部のスリーブ32が圧入される環状
の突起部61aを駆動軸の軸方向に複数並設すると共
に、該突起群61の軸方向の巾長さW3を、前記スリー
ブ32の軸方向の長さW4よりも短く形成して、突起群
61の前後端側に平坦な環状の支持面64,65を形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転状
態に応じて吸気・排気弁の開閉時期を可変制御する吸排
気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の装置としては種々提供さ
れており、その一つとして本出願人が先に出願した実願
平6−63804号(公開番号を入れて下さい)に記載
されたものがある。
【0003】図12に基づいて概略を説明すれば、この
吸排気弁駆動制御装置は、多気筒機関のクランク軸から
スプロケットを介して回転力が伝達される中空状の駆動
軸1と、該駆動軸1の外周同軸上に相対回転自在に設け
られたカムシャフト2と、各気筒毎に分割された該カム
シャフト2の分割端部間に設けられた制御機構3とを備
えている。
【0004】前記駆動軸1は、駆動軸本体1aが図13
に示すように機関前後方向に沿って延設され、スプロケ
ット側の1番ジャーナル1fがシリンダヘッド7の上端
部に設けられた図外の軸受に回転自在に支持されてい
る。また、駆動軸本体1aは、1番ジャーナル1f側の
一端部から他端部側までの外径が段差状に縮径されてい
ると共に、その外周面の等間隔位置に1番気筒〜4番気
筒用のスプライン突部1b〜1eが軸方向に沿って形成
されている。
【0005】前記各カムシャフト2は、夫々外周に1気
筒当たり2つの吸気弁4,4をバルブリフター4a,4
aを介してバルブスプリング5のばね力に抗して開作動
させる2個のカム6,6を一体に有していると共に、シ
リンダヘッド7上の一対のカム軸受8,9によって回転
自在に支持されている。
【0006】前記制御機構3は、各カムシャフト2の一
端部に一体に設けられた円環状の第1フランジ部10
と、駆動軸1の所定外周位置にスリーブ12を介してス
プライン結合されて、前記第1フランジ部10に対向す
る円環状の第2フランジ部13と、両フランジ部10,
13間に介装されて駆動軸1の軸心Xから略径方向へ揺
動自在に設けられた略円環状のディスクハウジング14
と、該ディスクハウジング14の内周に有する大径な支
持孔14a内にプレーンベアリング15を介して回転自
在に保持された環状ディスク16とを備えている。前記
各スリーブ12は、中央孔12aの内周面に前記スプラ
イン突部1b〜1eに嵌合するスプライン溝12b〜1
2eが形成されている。
【0007】前記ディスクハウジング14は、直径方向
の一端部がシリンダヘッド7の上端部に固定された図外
の支軸によって回転自在に支持されていると共に、他端
部が前記支軸を中心に駆動機構により揺動するようにな
っている。更に、第1,第2フランジ部10,13の外
周部には、互いに180°位置に細長い係合溝17,1
8が半径方向に沿って形成されている。一方、環状ディ
スク16の両側面には、互いに反対方向に突出して前記
各係合溝17,18に係合するピン19,20が突設さ
れている。
【0008】そして、機関運転状態の変化に応じて図外
の駆動機構により、ディスクハウジング14を介して環
状ディスク16が駆動軸1の軸心に対して同心あるいは
偏心動することにより、駆動軸1とカムシャフト2との
相対的な回転位相を変化させる。これによって、吸気弁
の作動角を最小,最大に変化させて、開弁時期と閉弁時
期を制御し、運転状態に応じた機関性能の向上を図るよ
うになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の発明にあっては、駆動軸1と各第2フランジ部13
とを、スリーブ12を介してスプライン結合するように
なっているため、駆動軸本体1aの外周面に形成された
スプライン突部1b〜1eの外周に有する凹凸にスリー
ブ12内周のスプライン溝12b〜12eの凹凸を軸方
向から嵌合させる必要上、隣接する各スプライン突部1
b〜1eの外径差を夫々大きく設定しなければならな
い。
【0010】即ち、各第2フランジ部13を夫々駆動軸
1に各スリーブ12の内径が大径なものから順次組み付
けるためには、1番ジャーナル1f側の第1スプライン
突部1bに嵌合する第1スリーブ12は第2スプライン
突部1cの外周を通過させるために、その中央孔12a
の内径を第2スプライン突部1cの外径より大きく設定
し、また、第2スプライン突部1cに嵌合する第2スリ
ーブ12はその内径を第3スプライン突部1dの外径よ
りも大きく設定しなければならない。例えば、モージュ
ールが0.5であるスプラインを用いてフランジとスリ
ーブの嵌合を行う場合、第1スプライン突部〜第4スプ
ライン突部の各スプライン突部1b〜1eの呼び径はそ
れぞれ22mm,20mm,18mm,15mmとなり、この結
果として、隣接する各スプライン突部1b〜1eの外径
差が大きくなってしまう。
【0011】このため、駆動軸1は、駆動軸本体1aの
一端部(1番ジャーナル1f側)から他端部に沿ってそ
の縮径度合いが必然的に大きくなってしまい、他端部側
ではその外径を十分に小径に形成せざるを得なくなる。
この結果、駆動軸1の捩り剛性(強度)が低下し、バル
ブタイミング制御精度が低下したり、吸気弁4のバウン
ド等の不整運動を招く惧れがある。
【0012】ところで、前述のような駆動軸等の軸体に
対してカム等の部材を連結する方法としては、例えば特
開平5−187520号公報に記載されているものが一
般的に知られている。この方法は、軸体の外周面にカム
の挿通孔の内径よりも大きな外径を有する環状の突起部
(ウエブ)が軸方向に複数並設されており、カムを軸体
に挿通孔を介して挿入すると共に、挿通孔の内周面で各
突起部を変形させつつ圧入することによって該カムを連
結するようになっている。
【0013】したがって、かかる連結方法を前述の吸排
気弁駆動制御装置における駆動軸1と第2図フランジ部
13の接合に適用すれば、駆動軸1の全体の外径を均一
に設定することが可能になるため、駆動軸1の剛性低下
等を防止する上で有効な手段である。
【0014】ところが、この方法を単純に採用すると、
突起部全体の軸方向の巾長さが第2フランジ部13の筒
状部11の軸方向の長さと略同一あるいは若干長いた
め、さらに別の課題が生じるおそれがある。すなわち、
例えば図14に示すように駆動軸1の所定外周面に形成
された複数の環状突起部70aは、その突起群70の軸
方向の長さW1が第2フランジ部13のスリーブ12の
中央孔12aの内周面12f軸方向の長さW2と同一あ
るいはそれよりも長く形成するようになっている。
【0015】このため、スリーブ12の内周面12fで
各突起部70の上端部を圧潰変形させながら圧入した際
に、第2フランジ部13の外周部13aに軸方向(スラ
スト方向)の偏荷重(白抜き矢印)が作用すると、図示
のように、偏荷重が掛かった外周部13aと反対側のス
リーブ12の内周面12fが各突起部70aをさらに押
し潰して図14の実線で示すように第2フランジ部13
全体が駆動軸1に対して斜めに倒れてしまうおそれがあ
る。また、前述の環状ディスク16がディスクハウジン
グ14によって駆動軸1に対して偏心しながら回転して
いるため、回転中に軸方向へ倒れが生じ、それに起因し
て第2フランジ部13に同方向へ倒れる力(偏荷重)が
作用して、前述と同様に各突起部70aをさらに押し潰
して該第2フランジ部13全体が斜めに傾いてしまうお
それがある。
【0016】特に、特開平5−187520号公報記載
の連結方法は、内燃機関の吸気、排気バルブを駆動する
カムの連結方法であって、このカムにはスラスト方向の
偏荷重は作用しないから、このようなスラスト方向の偏
荷重の対策がなされていなかった。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の実
情に鑑みて案出されたもので、請求項1の発明は、機関
の上部に前後方向に沿って配設され、該機関によって回
転駆動する駆動軸と、該駆動軸の外周同軸上に相対回転
可能に設けられ、かつ外周に吸排気弁を作動させるカム
を有するカムシャフトと、該カムシャフトの一端部に固
定された第1フランジ部に対向配置され、かつ内周側に
一体に有する筒状部を介して前記駆動軸の所定外周面に
固定された第2フランジ部と、該両フランジ部に連繋し
つつ駆動軸の軸心に対して偏心揺動可能な環状ディスク
と、該環状ディスクを機関運転状態に応じて揺動させる
駆動機構とを備えた吸排気弁駆動制御装置において、前
記駆動軸の外周面に、前記第2フランジ部の筒状部が圧
入されるほぼ環状の突起部を駆動軸の軸方向に複数並設
し、該突起群の軸方向の巾長さを前記筒状部の軸方向の
長さよりも短く形成するとともに、前記筒状部が圧入さ
れた突起群の少なくとも前後いずれかの位置に、筒状部
の内周面の少なくとも前後いずれか一方が密着状態に支
持される支持面を形成したことを特徴としている。
【0018】請求項2の発明は、前記筒状部の圧入方向
の前側に位置する前端側支持面の前方向に、圧入時に前
記筒状部の内端縁が当接するストッパ突起を形成したこ
とを特徴としている。
【0019】請求項3の発明は、前記筒状部の内周面
に、スプライン溝を軸方向に沿って形成したことを特徴
としている。
【0020】したがって、この発明によれば、筒状部の
軸方向の長さよりも突起部全体の軸方向の長さを短く形
成することにより、駆動軸の突起群の形成範囲前後に筒
状部内周面に密着支持可能な環状支持面が形成される。
このため、例えば第2フランジ部の筒状部を各突起部に
圧入した際に、筒状部の内周面の圧入側前端部が前記支
持面に支持されるため、第2フランジ部の外周部に軸方
向への偏荷重が作用して倒れようとすると、該倒れ力を
内周面の前端部を介して支持面で受ける形になる。した
がって、第2フランジ部は、倒れが防止されて駆動軸に
対して常時軸直角方向の姿勢を維持することが可能にな
る。
【0021】また、第2フランジ部の圧入の際に、環状
支持面が圧入ガイドとなり圧入時の倒れも防止できる。
【0022】また、請求項2の発明によれば、第2フラ
ンジ部の倒れを支持面の他に、ストッパ突部によって防
止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る吸排気弁駆動制御装
置は、図4〜図6に示すように構成され、図4の21は
図外の4気筒機関のクランク軸からスプロケットを介し
て回転力が伝達される駆動軸、22は該駆動軸21の外
周に一定の隙間をもって配置され、かつ駆動軸21の中
心Xと同軸上でかつ該駆動軸21と相対回動可能に設け
られたカムシャフトである。
【0024】前記駆動軸21は、機関前後方向に延設さ
れていると共に、軽量化を図るために、内部中空状に形
成されている。また、この駆動軸21は、図3に示すよ
うに一端側のスプロケット取付部51及び1番ジャーナ
ル52側の一端部21aから他端部21bまでの外径が
均一に形成されていると共に、一端部21a側から他端
部21b側までの外周面21cの等間隔位置に、4つの
螺旋状の突起群60〜63が夫々形成されている。この
各突起群60〜63は、図1〜図3に示すように夫々4
条の環状突起部60a〜63aによって構成されている
と共に、夫々が転造加工によって拡径成形されている。
また、駆動軸21には後述のスリーブが圧入されている
ため、特に硬度を高める熱処理は施さず、さらにこの駆
動軸21の各突起部60a〜63aの外径d2は、駆動
軸21の外径d1よりも若干大きく形成されていると共
に、各突起群60〜63の駆動軸21の軸方向の巾長さ
W3は所定長さに設定されている。さらに、各突起群6
0〜63の夫々の前後端側には、平坦な環状の支持面6
4,65が形成されている。
【0025】前記カムシャフト22は、長手方向の所定
位置で各気筒毎に軸直角方向から4分割されており、内
部軸方向に形成された挿通孔22a内に駆動軸21が挿
通して該駆動軸21の外周面21cに摺動自在に支持さ
れていると共に、夫々が図外のシリンダヘッド7上端部
に有する各1つのカム軸受54に回転自在に支持されて
いる。また、図6に示すように外周の所定位置に1気筒
当たり2つの吸気弁23をバルブスプリング24のばね
力に抗してバルブリフター25を介して開作動させる複
数のカム26…が一体に設けられている。
【0026】また、各カムシャフト22の一方側の分割
端部に第1フランジ部27が一体に固定されており、こ
の第1フランジ部27は、図7にも示すように中空部か
ら半径方向に沿った細長い矩形状の第1係合溝30が形
成されていると共に、その外周面の円周方向に後述する
環状ディスク29の一側面に摺接する突起面27aが一
体に設けられている。また、この第1フランジ部27に
一定の隙間をもって対峙する他方側のカムシャフト22
の端部側に、第2フランジ部28が配置されている。
【0027】この各第2フランジ部28は、内周に駆動
軸21の前記各突起群60〜63に圧入する筒状部であ
るスリーブ32が一体に設けられている。また、第2フ
ランジ部28は、図8に示すように第1フランジ部27
の第1係合溝30と径方向の反対側に半径方向に沿って
細長い矩形状の第2係合溝33が形成されていると共
に、外周面に環状ディスク29の他側面に摺接する突起
面28aが形成されている。
【0028】さらに、前記各スリーブ32は、図1及び
図3に示すように中央孔の内周面32aの内径d3が均
一径に設定されていると共に、駆動軸21の外径d1よ
り若干大きく設定されて、駆動軸21の外周面との間に
ほとんど隙間のないすきまばめ状態にすると共に、内周
面32aの軸方向の前端部32bから後端部32cに亘
って直線状のスプライン溝32dが全体に形成されてい
る。また、前記各突起群60〜63の巾長さW3は、前
記スリーブ32の内周面32aの軸方向の長さW4より
も短く設定されており、これによって各スリーブ32を
各突起群60〜63に夫々圧入した際に、内周面32a
の前後端部32b,32cが前記各支持面64,65に
ほぼ密着状態で支持されるようになっている。尚、スリ
ーブ32は、焼き入れ等の熱処理が施され、この前後端
部の内周縁にはテーパ状の面取り部32e,32fが形
成されている。
【0029】前記環状ディスク29は、第1フランジ部
27と第2フランジ部28との間に介装され、図4,図
6に示すように略ドーナツ板状を呈し、内径がカムシャ
フト22の内径と略同径に形成されて、駆動軸21の外
周面との間に環状の隙間部Sが形成されていると共に、
小巾の外周部29aが環状ベアリング34を介してディ
スクハウジング35の内周面に回転自在に支持されてい
る。また、直径線上の対向位置に貫通形成された保持孔
29b,29cには、各係合溝30,33に係入する一
対のピン36,37が設けられている。この各ピン3
6,37は、互いにカムシャフト軸方向へ逆向きに突出
しており、基部が保持孔29b,29c内に回転自在に
支持されていると共に、先端部の両側縁に図7及び図8
に示すように前記係合溝30,33の対向内面30a,
30b、33a,33bと当接する2面巾状の平面部3
6a,36b、37a,37bが形成されている。
【0030】前記ディスクハウジング35は、図4〜図
6に示すように略円環状を呈し、外周の一端部に有する
ボス部35a及び該ボス部35aを貫通した枢支ピン3
8を支点として図6中上下に揺動自在に設けられている
一方、該ボス部35aと反対側の外周面にレバー部35
bが半径方向に沿って突設されている。また、このディ
スクハウジング35は、レバー部35bを介して駆動機
構39により揺動するようになっている。
【0031】前記駆動機構39は、図6及び図9に示す
ようにシリンダヘッドの所定部位に対向して形成された
第1,第2シリンダ40,41と、該各シリンダ40,
41内から出没自在に設けられて各先端縁で前記レバー
部35bの円弧状先端を上下方向から挾持する油圧ピス
トン42及びプランジャ43と、前記第1シリンダ40
内の受圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を
進退動させる油圧回路44とを備えている。
【0032】前記第2シリンダ41内に設けられたプラ
ンジャ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ
41内に弾装されたコイルスプリング45のばね力で進
出方向(レバー部方向)に付勢されている。
【0033】前記油圧回路44は、一端部がオイルパン
46内に、他端部が受圧室40aに夫々連通した油通路
47と、該油通路47のオイルパン46側に設けられた
オイルポンプ48と、該オイルポンプ48の下流側に設
けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49とから主と
して構成されている。前記電磁切換弁49は、機関回転
数や吸入空気量等の信号に基づいて現在の機関運転状態
を検出するコントローラ50からのON−OFF信号に
よって流路を切り換え作動し、ON信号によって油通路
47全体を連通する一方、OFF信号によって油通路4
7とドレン通路55を連通するようになっている。
【0034】以下、本実施例の作用について説明する。
即ち、機関高回転時には、斯かる運転状態を検出したコ
ントローラ50から電磁切換弁49にON信号が出力さ
れると、オイルポンプ48から油通路47に圧送された
作動油はそのまま受圧室40aに供給される。したがっ
て、該受圧室40aの内圧上昇に伴い油圧ピストン42
が、図6,図9の実線で示すようにコイルスプリング4
5のばね力に抗してレバー部35bを押し上げるので、
ディスクハウジング35つまり環状ディスク29の回転
中心Yと駆動軸21の中心Xが合致する。この場合は、
環状ディスク29と駆動軸21との間に回転位相は生じ
ず、またカムシャフト22の中心と環状ディスク29の
中心Yも合致しているため、両者22,29間の回転位
相差も生じない。したがって、駆動軸21の回転に伴
い、スリーブ32が同期回転すると共に、第2フランジ
部28側の係合溝33とピン37,環状ディスク29,
ピン36,第1フランジ部27側の係合溝30を介して
カムシャフト22も同期回転する。したがって、吸気弁
23は、弁作動角が大きくなって、閉弁時期が十分に遅
くなる。この結果、吸気充填効率が向上して高出力トル
クが得られる。
【0035】一方、機関低回転時には、コントローラ5
0から電磁切換弁49にOFF信号が出力されて、油通
路47の上流側を遮断すると共に、油通路47の下流側
とドレン通路55を連通する。このため、受圧室40a
内の作動油は、油通路47を逆流してドレン通路55か
らオイルパン46内に戻され、したがって、受圧室40
aの内圧低下に伴い油圧ピストン42がバルブスプリン
グ24及びコイルスプリング45のばね力でプランジャ
43を介して後退移動する。これにより、ディスクハウ
ジング35は、図6,図9の一点鎖線で示すようにプラ
ンジャ43により押し下げられて枢支ピン38を支点と
して下方へ揺動し、環状ディスク29の中心Yが駆動軸
21の中心Xと偏心する。したがって、第2フランジ部
28の係止溝33とピン37並びに第1フランジ部27
の係止溝30とピン36との摺動位置が駆動軸21の1
回転毎に往復移動し、環状ディスク29の角速度が変化
して不等角速度回転になる。したがって、吸気弁23
は、そのバルブリフト特性がバルブリフトは一定のまま
弁作動角(バルブタイミング)が小さくなり、閉弁時期
が十分に早くなる。このため、吸気充填効率が向上して
低速トルクが向上する。
【0036】そして、本実施例では、各第2フランジ部
28を駆動軸21に連結する手順として図3に示すよう
に、まず最初に駆動軸21の外周面21cの1番ジャー
ナル52側の外周面に第1突起群60を転造によって螺
旋状に形成しておき、次にこの第1突起群60に第2フ
ランジ部28をスリーブ32を介して圧入固定する。続
いて、今まだ第2〜第4突起群61〜63が形成されて
いない駆動軸21に予め他方の第2フランジ部28,2
8,28をスリーブ32,32,32を介して第2〜第
4突起群61〜63を形成する予定の位置近傍に挿通配
置する。その後、夫々等間隔の所定位置に第2〜第4突
起群61〜63を転造加工によって螺旋状に成形し、続
いて該各突起群61〜63に各第2フランジ部28〜2
8のスリーブ32〜32を軸方向から押し出して順次圧
入する。これによって、各フランジ部28は、駆動軸2
1に簡単かつ強固に固定される。
【0037】ここで、各第2フランジ部28のスリーブ
32を各突起群60〜63に圧入するには、各第2フラ
ンジ部28の外周部を軸方向へ押し出してスリーブ32
の内周面32aで各突起部61a〜63aを押し潰して
変形させることによって圧入するが、この際、各突起群
60〜63の巾長さW3がスリーブ32の軸方向の長さ
W4よりも短いため、各スリーブ32の内周面32a前
端部32bが各突起群60〜63を通過して前側支持面
64上に達すると同時に後端部32cも後側支持面65
上に位置する。このため、スリーブ32が図1に示すよ
うに、剛性の高い前後支持面64,65に密着状態に支
持された形になるので、たとえ第2フランジ部28の外
周部に押し出し方向への偏荷重が作用しても、各第2フ
ランジ部28は傾斜状の倒れが確実に防止され、常時駆
動軸21に対して軸直角方向の姿勢を維持できる。
【0038】また、各構成部品の組み付け後に、環状デ
ィスク29の回転に伴い軸方向への振れ回りが生じて、
各第2フランジ部28に前記と同様の偏荷重が掛かって
も、各支持面64,65による確実な支持作用(モーメ
ント受け)によって各第2フランジ部28の倒れが防止
される。
【0039】さらに、各第2フランジ部28の倒れが防
止される結果、第1フランジ部27と共働して、環状デ
ィスク29の振れ回りを効果的に抑制でき、該環状ディ
スク29の良好な回転が得られる。
【0040】しかも、本実施例では、前述のような構成
及び手順で各突起群60〜63に各第2フランジ部28
を圧入固定するようにしたため、駆動軸21の外径を従
来のようにテーパ状に形成することなく、比較的大径な
均一径に設定することができる。したがって、駆動軸2
1の捩り剛性の低下が防止され、バルブタイミング制御
精度の低下や吸気弁23の不整運動の発生も防止でき
る。
【0041】また、駆動軸21の外径を均一にできるこ
とにより、各第2フランジ部28や各カムシャフト22
の内径も夫々均一にすることができるため、駆動軸21
自体の製造作業は勿論のこと、第2フランジ部28やカ
ムシャフト21の共用化が可能になるので製造作業能率
の向上とコストの大巾な低廉化が図れる。
【0042】しかも、駆動軸21の外径の均一化によ
り、外周面全体の径及び真直度の精度出しが容易にな
り、各気筒のカムシャフト22を駆動軸21の全長のい
ずれの位置でも安定して支持することが可能になる。し
たがってカムシャフト22の倒れを規制することができ
る結果、1つのカムシャフト22を外部から支持するカ
ム軸受54を1つにすることが可能になる。したがっ
て、部品点数の削減による製造作業性の向上とコストの
低廉化が図れる。
【0043】また、駆動軸21に孔や切欠等を形成しな
いため、強度の低下防止が一層図れる。
【0044】図10は本発明の第2実施例を示し、各突
起群60〜63の各前側支持面64の前端側に、環状の
ストッパ突部66が一体に設けられている。このストッ
パ突部66はその高さが突起部60a〜63aよりも若
干高く設定されていると共に、各突起部60a〜63a
と一緒に転造によって成形されるようになっている。
【0045】したがって、前述のように、各第2フラン
ジ部28のスリーブ32を各突部群60〜63に夫々圧
入すると、圧入完了位置においてスリーブ32の前側面
取り部32eがストッパ突部66に突き当たってそれ以
上の圧入が規制されると共に、該ストッパ突部66によ
って面取り部32eが支持されるため、第2フランジ部
28の倒れを一層確実に防止できる。
【0046】また、各実施例にあっては、各突起群60
〜63を、転造加工によって成形し、そこに各スリーブ
32を圧入するようにしたため、第2フランジ部28を
ボルト等を用いて連結する場合に比較して部品点数の削
減が図れ、この点でも製造作業能率の向上とコストの低
廉化が図れる。
【0047】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば支持面64を前端側のみとすることも
可能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、駆動軸の外径を均一にすることができるため、
捩り剛性の低下等を防止できることは勿論のこと、第2
フランジ部の筒状部を駆動軸の突起群に圧入する際など
において、剛性の高い支持面によってスラスト方向の偏
荷重を受けることができるため、第2フランジ部の倒れ
が確実に防止され、駆動軸に対して常時軸直角方向の姿
勢を維持できる。
【0049】この結果、回転中における環状ディスクの
振れ回りを防止でき、バルブタイミングの制御精度が向
上する。
【0050】しかも、駆動軸の外周面に突起群を例えば
転造加工によって成形するだけであるから、部品点数の
増加が抑制されて製造作業能率の向上とコストの低廉化
が図れる。
【0051】また、請求項2の発明によれば、第2フラ
ンジ部の倒れを前記支持面の他に、ストッパ突部によっ
て抑制することができるので、より確実な倒れ防止効果
が得られる。
【0052】さらに、請求項3の発明によれば、スプラ
イン溝のガイド作用によって突起群への前記圧入性が良
好になると共に、一旦圧入した後は各突起部がスプライ
ン溝内に食い込み状態になるため、連結強度が高くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図3のA部拡大図。
【図2】本実施例に供される駆動軸の要部拡大図。
【図3】本実施例に供される駆動軸及び第2フランジ部
等を示す正面図。
【図4】本実施例の要部を示す一部破断図。
【図5】本実施例の一部を示す平面図。
【図6】図4のB矢視図。
【図7】図5のC−C線断面図。
【図8】図5のD−D線断面図。
【図9】本実施例の駆動手段を示す概略図。
【図10】本発明の第2実施例を示す図3のA部拡大
図。
【図11】本実施例に供される駆動軸の要部拡大図。
【図12】従来装置の一部破断図。
【図13】従来装置に供される駆動軸と第2フランジ部
を示す正面図。
【図14】第2フランジ部の倒れる状態を示す説明図。
【符号の説明】 21…駆動軸 21c…外周面 22…カムシャフト 23…吸気弁 26…カム 27…第1フランジ部 28…第2フランジ部 29…環状ディスク 32…スリーブ(筒状部) 32d…スプライン溝 32e…面取り部(内端縁) 35…ディスクハウジング 39…駆動機構 60〜63…突起群 60a〜63a…突起部 64,65…支持面 66…ストッパ突部 W3…突起群の巾長さ W4…スリーブの軸方向長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野原 常靖 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 中村 信 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の上部に前後方向に沿って配設さ
    れ、該機関によって回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の
    外周同軸上に相対回転可能に設けられ、かつ外周に吸排
    気弁を作動させるカムを有するカムシャフトと、該カム
    シャフトの一端部に固定された第1フランジ部に対向配
    置され、かつ内周側に一体に有する筒状部を介して前記
    駆動軸の所定外周面に固定された第2フランジ部と、該
    両フランジ部に連繋しつつ駆動軸の軸心に対して偏心揺
    動可能な環状ディスクと、該環状ディスクを機関運転状
    態に応じて揺動させる駆動機構とを備えた吸排気弁駆動
    制御装置において、 前記駆動軸の外周面に、前記第2フランジ部の筒状部が
    圧入されるほぼ環状の突起部を駆動軸の軸方向に複数並
    設し、該突起群の軸方向の巾長さを前記筒状部の軸方向
    の長さよりも短く形成するとともに、前記筒状部が圧入
    された突起群の少なくとも前後いずれかの位置に、筒状
    部の内周面の少なくとも前後いずれか一方が密着状態に
    支持される支持面を形成したことを特徴とする内燃機関
    の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状部の圧入方向の前側に位置する
    前端側支持面の前方向に、圧入時に前記筒状部の内端縁
    が当接するストッパ突起を形成したことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記筒状部の内周面に、スプライン溝を
    軸方向に沿って形成したことを特徴とする請求項1また
    は2記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
JP27516196A 1996-10-18 1996-10-18 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH10121923A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011032896A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関のカムシャフト構造
JP2018126061A (ja) * 2018-05-18 2018-08-09 ミネベアミツミ株式会社 モータ及びモータ構造体

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