JPH10120866A - 農業用フィルム - Google Patents
農業用フィルムInfo
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- JPH10120866A JPH10120866A JP8293261A JP29326196A JPH10120866A JP H10120866 A JPH10120866 A JP H10120866A JP 8293261 A JP8293261 A JP 8293261A JP 29326196 A JP29326196 A JP 29326196A JP H10120866 A JPH10120866 A JP H10120866A
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- film
- house
- agricultural
- acyl
- antifogging agent
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
Landscapes
- Protection Of Plants (AREA)
- Greenhouses (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、ハウスに展張した際に、防曇剤の
ブリードアウトによるフィルム外面の白化が少なく高い
光線透過率が維持されるとともに、フィルム内面に均一
な水膜が持続的に得られ、このためフィルム同士及びフ
ィルムと他の資材との間隙が少なくなることにより、良
好な保温特性を有する農業用フィルムを提供することを
目的とする。 【解決手段】 合成樹脂に次の(化1)式で表される
防曇剤を配合した農業用フィルム。 【化1】 (式中、R1はアルキル基、アルケニル基またはアシル
基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素原子、
a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、nは2
または3を示す。)
ブリードアウトによるフィルム外面の白化が少なく高い
光線透過率が維持されるとともに、フィルム内面に均一
な水膜が持続的に得られ、このためフィルム同士及びフ
ィルムと他の資材との間隙が少なくなることにより、良
好な保温特性を有する農業用フィルムを提供することを
目的とする。 【解決手段】 合成樹脂に次の(化1)式で表される
防曇剤を配合した農業用フィルム。 【化1】 (式中、R1はアルキル基、アルケニル基またはアシル
基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素原子、
a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、nは2
または3を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はハウスを被覆する
農業用フィルムに関する。更に詳しくは、ハウスに展張
した際に、防曇剤のブリードアウトによるフィルム外面
の白化が少なく高い光線透過率および高い照度が維持さ
れるとともに、フィルム内面に均一な水膜が得られフィ
ルム同士及びフィルムと他の資材との間隙が少なくなる
ことにより、良好な保温特性を有し作物成育の優れた農
業用フィルムに関する。
農業用フィルムに関する。更に詳しくは、ハウスに展張
した際に、防曇剤のブリードアウトによるフィルム外面
の白化が少なく高い光線透過率および高い照度が維持さ
れるとともに、フィルム内面に均一な水膜が得られフィ
ルム同士及びフィルムと他の資材との間隙が少なくなる
ことにより、良好な保温特性を有し作物成育の優れた農
業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】農業用ハウスやトンネル等の施設園芸の
被覆資材として多量のプラスチックフィルムが使用され
ており、代表的なものにポリ塩化ビニルフィルム(以下
農ビと称す)、ポリエチレンフィルム(以下農ポリと称
す)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(以下農酢
ビと称す)等が挙げられるが、なかでも農ビは、保温
性、透明性、強靱性、防曇性、ハウス密着性および経済
性等に優れており、最も多く使用されている。しかし、
農ビはフィルム中に含まれる可塑剤が表面にブリードア
ウトしベタツキが発生することにより作業性および防塵
性が劣るうえ、最近、焼却廃棄時に有害ガスを発生する
等の諸問題が起こりつつあり、その代替品が望まれてい
る。
被覆資材として多量のプラスチックフィルムが使用され
ており、代表的なものにポリ塩化ビニルフィルム(以下
農ビと称す)、ポリエチレンフィルム(以下農ポリと称
す)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(以下農酢
ビと称す)等が挙げられるが、なかでも農ビは、保温
性、透明性、強靱性、防曇性、ハウス密着性および経済
性等に優れており、最も多く使用されている。しかし、
農ビはフィルム中に含まれる可塑剤が表面にブリードア
ウトしベタツキが発生することにより作業性および防塵
性が劣るうえ、最近、焼却廃棄時に有害ガスを発生する
等の諸問題が起こりつつあり、その代替品が望まれてい
る。
【0003】一方、農ポリ、農酢ビは、作業性、防塵性
および廃棄処理の点で農ビより利点があるにもかかわら
ず、保温性、防曇性、透明性、強靱性等が劣るという問
題があった。その中で保温性は、赤外線の吸収に優れる
無機フィラーや赤外線の反射に優れる金属粉等の保温剤
をフィルムに添加するか、もしくは保温剤を含む膜を表
面に形成して、赤外線の透過率を抑制する手法で付与す
る方法が一般的に行われている。しかしながら、このよ
うな赤外線の透過を抑制しただけのフィルムでは、実際
にハウスに展張した場合に十分な保温効果が得られな
い。一般的に、ハウスサイド,妻面,出入口ドアは外張
用のフィルムとは別のフィルムで被覆している。農ポ
リ,農酢ビは、フィルム同士及び他の資材に対して密着
しにくいため、ハウスに展張した際にサイドや妻面のフ
ィルムとの間に隙間ができ、この隙間から内部の熱が外
部へ散逸しまう。従って、フィルムに保温剤を使用して
赤外線の透過を抑制してハウス内の温度を高くしても、
温められた空気が隙間から外部へ散逸してしまうため、
結果的に十分な保温効果が得られない結果となる。一
方、農ビは、可塑剤等のブリードアウトによるベタツキ
でサイドや妻面で隙間ができず、隙間からの熱の散逸が
ほとんどない。これまでの保温性を向上させる方法とし
ては赤外線の透過を抑制する検討がほとんどであり、フ
ィルムを展張した際に生ずる間隙をなくすことにより保
温効果を高める検討はほとんどなされていない。一方、
防曇性においては種々の界面活性剤(防曇剤)を添加す
ることにより付与する手法が一般的に行われているが、
従来の防曇剤を添加した場合には、フィルム外面へブリ
ードアウトした防曇剤が白くなる(白化)現象により光
線透過率の低下をもたらし保温効果が悪化する。また、
従来の防曇剤を使用したフィルムでは、フィルム内面に
均一な水膜の形成を持続できず、フィルムの内面に付着
した水分の多くはハウスの天面部分等から水滴となって
地面に落下してしまうため、サイドや妻面のフィルムと
の接触部分まで水分がもたらされず、サイドや妻面のフ
ィルムとの隙間をなくすレベルに到達しない。従って、
従来の防曇剤を添加したフィルムを展張したハウスで
は、特に風の強い日ではフィルムが激しくバタつくた
め、隙間からの熱の散逸が著しく、ハウス内温度の保温
効果が劣るという問題点があった。
および廃棄処理の点で農ビより利点があるにもかかわら
ず、保温性、防曇性、透明性、強靱性等が劣るという問
題があった。その中で保温性は、赤外線の吸収に優れる
無機フィラーや赤外線の反射に優れる金属粉等の保温剤
をフィルムに添加するか、もしくは保温剤を含む膜を表
面に形成して、赤外線の透過率を抑制する手法で付与す
る方法が一般的に行われている。しかしながら、このよ
うな赤外線の透過を抑制しただけのフィルムでは、実際
にハウスに展張した場合に十分な保温効果が得られな
い。一般的に、ハウスサイド,妻面,出入口ドアは外張
用のフィルムとは別のフィルムで被覆している。農ポ
リ,農酢ビは、フィルム同士及び他の資材に対して密着
しにくいため、ハウスに展張した際にサイドや妻面のフ
ィルムとの間に隙間ができ、この隙間から内部の熱が外
部へ散逸しまう。従って、フィルムに保温剤を使用して
赤外線の透過を抑制してハウス内の温度を高くしても、
温められた空気が隙間から外部へ散逸してしまうため、
結果的に十分な保温効果が得られない結果となる。一
方、農ビは、可塑剤等のブリードアウトによるベタツキ
でサイドや妻面で隙間ができず、隙間からの熱の散逸が
ほとんどない。これまでの保温性を向上させる方法とし
ては赤外線の透過を抑制する検討がほとんどであり、フ
ィルムを展張した際に生ずる間隙をなくすことにより保
温効果を高める検討はほとんどなされていない。一方、
防曇性においては種々の界面活性剤(防曇剤)を添加す
ることにより付与する手法が一般的に行われているが、
従来の防曇剤を添加した場合には、フィルム外面へブリ
ードアウトした防曇剤が白くなる(白化)現象により光
線透過率の低下をもたらし保温効果が悪化する。また、
従来の防曇剤を使用したフィルムでは、フィルム内面に
均一な水膜の形成を持続できず、フィルムの内面に付着
した水分の多くはハウスの天面部分等から水滴となって
地面に落下してしまうため、サイドや妻面のフィルムと
の接触部分まで水分がもたらされず、サイドや妻面のフ
ィルムとの隙間をなくすレベルに到達しない。従って、
従来の防曇剤を添加したフィルムを展張したハウスで
は、特に風の強い日ではフィルムが激しくバタつくた
め、隙間からの熱の散逸が著しく、ハウス内温度の保温
効果が劣るという問題点があった。
【0004】本発明者らは、これらの問題点を解決すべ
く鋭意研究した結果、特定された防曇剤を添加した農業
用フィルムにおいて、 均一な水膜がフィルム内面に持続して形成されている
こと、 ハウスに展張した際に、フィルム同士及びフィルムと
他の資材との間隙が均一水膜によってほとんど無くな
り、ハウス内部の温度及び湿度が高く維持されているこ
と、 防曇剤のブリードアウトによるフィルム表面の白化が
少なく、光線透過率が高く維持されていること、 他の防曇剤を添加したフィルムと比較して作物の成育
が早いこと、 等を見いだし本発明を完成した。
く鋭意研究した結果、特定された防曇剤を添加した農業
用フィルムにおいて、 均一な水膜がフィルム内面に持続して形成されている
こと、 ハウスに展張した際に、フィルム同士及びフィルムと
他の資材との間隙が均一水膜によってほとんど無くな
り、ハウス内部の温度及び湿度が高く維持されているこ
と、 防曇剤のブリードアウトによるフィルム表面の白化が
少なく、光線透過率が高く維持されていること、 他の防曇剤を添加したフィルムと比較して作物の成育
が早いこと、 等を見いだし本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)合成樹脂に次の(化1)式で表される防曇剤を配
合した農業用フィルム。
する。 (1)合成樹脂に次の(化1)式で表される防曇剤を配
合した農業用フィルム。
【化1】(式中、R1はアルキル基、アルケニル基また
はアシル基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素
原子、a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、
nは2または3を示す。) (2) 合成樹脂が、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体、ポリプロピレン系樹脂またはポリ塩化ビ
ニル系樹脂から選ばれた単独もしくは2種以上を併用し
たものであり、かつ防曇剤を0.5〜5重量%配合した
ものである上記1記載の農業用フィルム。
はアシル基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素
原子、a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、
nは2または3を示す。) (2) 合成樹脂が、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体、ポリプロピレン系樹脂またはポリ塩化ビ
ニル系樹脂から選ばれた単独もしくは2種以上を併用し
たものであり、かつ防曇剤を0.5〜5重量%配合した
ものである上記1記載の農業用フィルム。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いる合成樹脂としては、プロピレン単独重合体
やプロピレンとエチレン、1ーブテン、1ーペンテン、
1ーヘキセンとの共重合体であるプロピレン系樹脂、ま
たはエチレン単独重合体やエチレンとプロピレン、1ー
ブテン、1ーペンテン、1ーヘキセン、4ーメチルー1
ーペンテン、1ーオクテン、酢酸ビニルとの共重合体で
あるエチレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、塩化ビニ
ル、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等の単量体の単独重合体またはこれら
共重合体の樹脂が挙げられる。その中でもポリエチレン
系樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂が、透明性や耐候性及
び価格の面から好ましい。これらの樹脂は単独で用いて
も、上記樹脂から選ばれた1以上のものであってもよ
い。
おいて用いる合成樹脂としては、プロピレン単独重合体
やプロピレンとエチレン、1ーブテン、1ーペンテン、
1ーヘキセンとの共重合体であるプロピレン系樹脂、ま
たはエチレン単独重合体やエチレンとプロピレン、1ー
ブテン、1ーペンテン、1ーヘキセン、4ーメチルー1
ーペンテン、1ーオクテン、酢酸ビニルとの共重合体で
あるエチレン系樹脂などのオレフィン系樹脂、塩化ビニ
ル、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等の単量体の単独重合体またはこれら
共重合体の樹脂が挙げられる。その中でもポリエチレン
系樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂が、透明性や耐候性及
び価格の面から好ましい。これらの樹脂は単独で用いて
も、上記樹脂から選ばれた1以上のものであってもよ
い。
【0007】これらのうち、密度0.880〜0.935g/cm3の
低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が30重量%以
下のエチレンー酢酸ビニル共重合体のものが透明性、柔
軟性、耐候性及び価格の点で好ましい。
低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が30重量%以
下のエチレンー酢酸ビニル共重合体のものが透明性、柔
軟性、耐候性及び価格の点で好ましい。
【0008】本発明で用いられる防曇剤としては、次の
一般式で表される。
一般式で表される。
【化3】 (式中、R1はアルキル基、アルケニル基またはアシル
基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素原子、
a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、nは2
または3を示す。)さらに式中、R1は炭素数が8〜2
2のアルキル基、アルケニル基またはアシル基、R2は
炭素数が8〜22のアシル基、R3は炭素数が8〜22
のアシル基または水素原子が望ましい。具体的にはポリ
オキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステア
レート、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミ
ンモノベヘネート、ポリオキシエチレン(2モル)ラウ
リルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4
モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシ
エチレン(8モル)ステアリルアミンジステアレートポ
リオキシエチレン(2モル)ステアリン酸アミド等が挙
げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で製膜
時の静電気防止等を目的に少量の帯電防止剤を添加して
も構わない。
基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素原子、
a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、nは2
または3を示す。)さらに式中、R1は炭素数が8〜2
2のアルキル基、アルケニル基またはアシル基、R2は
炭素数が8〜22のアシル基、R3は炭素数が8〜22
のアシル基または水素原子が望ましい。具体的にはポリ
オキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステア
レート、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミ
ンモノベヘネート、ポリオキシエチレン(2モル)ラウ
リルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(4
モル)ステアリルアミンモノステアレート、ポリオキシ
エチレン(8モル)ステアリルアミンジステアレートポ
リオキシエチレン(2モル)ステアリン酸アミド等が挙
げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で製膜
時の静電気防止等を目的に少量の帯電防止剤を添加して
も構わない。
【0009】本発明で用いられる上記(化1)式で表さ
れる防曇剤の添加量は、フイルム中0.5〜5.0重量
%の範囲で添加すると効果的である。この範囲とするこ
とで、均一な水膜を持続でき透明性、ベタツキ、フィル
ムの解反作業性の性能が優れる。本発明の保温性農業用
フィルムは、単層フイルムまたは積層された積層フイル
ムがあり、この積層構造の場合、中間層A、内層Bおよ
び外層B’のうち中間層Aと内層Bの少なくとも1層に
上記(化1)式で表される防曇剤を0.5〜5重量%配
合することにより防曇剤のブリードアウトによるフィル
ム外面の白化が抑制され、更に中間層Aに防曇剤を添加
することにより防曇性の持続が向上する。
れる防曇剤の添加量は、フイルム中0.5〜5.0重量
%の範囲で添加すると効果的である。この範囲とするこ
とで、均一な水膜を持続でき透明性、ベタツキ、フィル
ムの解反作業性の性能が優れる。本発明の保温性農業用
フィルムは、単層フイルムまたは積層された積層フイル
ムがあり、この積層構造の場合、中間層A、内層Bおよ
び外層B’のうち中間層Aと内層Bの少なくとも1層に
上記(化1)式で表される防曇剤を0.5〜5重量%配
合することにより防曇剤のブリードアウトによるフィル
ム外面の白化が抑制され、更に中間層Aに防曇剤を添加
することにより防曇性の持続が向上する。
【0010】本発明に係わる農業用フィルムは、ハイド
ロタルサイト類やアルミニウムシリケート等の保温剤、
防霧剤、熱安定剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光
安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤等の各種添加剤を添
加してもよい。
ロタルサイト類やアルミニウムシリケート等の保温剤、
防霧剤、熱安定剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光
安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤等の各種添加剤を添
加してもよい。
【0011】本発明の農業用フィルムは、インフレーシ
ョン法もしくはTダイ法等の公知の技術により製造する
ことができる。フィルム成形後にコロナ放電処理により
均一水膜の形成効果を向上させても構わない。また、防
塵塗布剤等を塗布・乾燥し、表面に塗布膜を形成しても
構わない。本発明に係る農業用フィルムは透明でも、梨
地でも、半梨地でもよい。また、フィルム厚みは、使用
する場所や耐用年数等により異なるが、一般的に0.0
5〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。
ョン法もしくはTダイ法等の公知の技術により製造する
ことができる。フィルム成形後にコロナ放電処理により
均一水膜の形成効果を向上させても構わない。また、防
塵塗布剤等を塗布・乾燥し、表面に塗布膜を形成しても
構わない。本発明に係る農業用フィルムは透明でも、梨
地でも、半梨地でもよい。また、フィルム厚みは、使用
する場所や耐用年数等により異なるが、一般的に0.0
5〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。
【0012】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。
体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。
【0013】水膜形成度は、天気の良い9月初旬に間口
5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウスにフィル
ムを展張し、ハウスを閉め切った状態でハウス天面部分
のフィルム内面の均一水膜形成状態を展張3ヶ月後に観
察した。A(天面フィルムの内面全体が綺麗な均一水膜
を形成している),B(天面フィルム面積の7割の部分
で均一水膜が形成されている),C(天面フィルム面積
の5割の部分で水膜が形成されている),D(天面フィ
ルム面積の3割以下の部分で水膜が形成されている)の
4段階で評価した。フィルムの白濁度は、天気の良い9
月初旬に20cmφの木製円形刺繍枠にフィルムをセッ
トし、フィルム面を南側に向けて1ヶ月間屋外暴露した
フィルムのヘイズを測定し、評価した。フイルムの光線
透過率は、ハウス展張3ヶ月後の好天日に間口5.4
m,長さ10mのアーチ型パイプハウス内の中央地表面
の照度を株式会社ナプコンのイルミネメータIM−2D
で測定し、評価した。ハウス内温度及び湿度は、間口
5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウスにフィル
ムを展張し、ハウスを閉め切った状態で、ハウス中央の
地表面から1mの位置に温度センサー及び湿度計を設置
し10月下旬の天候が良好な7日間について計測した。
天候はいづれも晴時々曇であった。ハウス内温度は、午
後6時から翌朝午前6時までの間の温度を30分毎に測
定し、この間の温度を平均して1日の平均値とし、更に
7日間の平均値を平均した値として示した。ハウス内湿
度は午後6時の時点での湿度を示した。作物の成育効果
は、間口5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウス
にフィルムを展張し、12月初旬にハウス内にコマツナ
を播種し栽培した。栽培から2ヶ月後の成育状況を草丈
の平均値で示す。
5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウスにフィル
ムを展張し、ハウスを閉め切った状態でハウス天面部分
のフィルム内面の均一水膜形成状態を展張3ヶ月後に観
察した。A(天面フィルムの内面全体が綺麗な均一水膜
を形成している),B(天面フィルム面積の7割の部分
で均一水膜が形成されている),C(天面フィルム面積
の5割の部分で水膜が形成されている),D(天面フィ
ルム面積の3割以下の部分で水膜が形成されている)の
4段階で評価した。フィルムの白濁度は、天気の良い9
月初旬に20cmφの木製円形刺繍枠にフィルムをセッ
トし、フィルム面を南側に向けて1ヶ月間屋外暴露した
フィルムのヘイズを測定し、評価した。フイルムの光線
透過率は、ハウス展張3ヶ月後の好天日に間口5.4
m,長さ10mのアーチ型パイプハウス内の中央地表面
の照度を株式会社ナプコンのイルミネメータIM−2D
で測定し、評価した。ハウス内温度及び湿度は、間口
5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウスにフィル
ムを展張し、ハウスを閉め切った状態で、ハウス中央の
地表面から1mの位置に温度センサー及び湿度計を設置
し10月下旬の天候が良好な7日間について計測した。
天候はいづれも晴時々曇であった。ハウス内温度は、午
後6時から翌朝午前6時までの間の温度を30分毎に測
定し、この間の温度を平均して1日の平均値とし、更に
7日間の平均値を平均した値として示した。ハウス内湿
度は午後6時の時点での湿度を示した。作物の成育効果
は、間口5.4m,長さ10mのアーチ型パイプハウス
にフィルムを展張し、12月初旬にハウス内にコマツナ
を播種し栽培した。栽培から2ヶ月後の成育状況を草丈
の平均値で示す。
【0014】実施例1〜11 比較例1〜7 65mmφ押出機1台と45mmφ押出機2台を有する
3種3層インフレ押出装置を用い、成形温度170℃、
ブロー比2.5にて、0.1mm厚の単層または積層フ
ィルムを製膜した。各フィルムの配合例と評価結果を表
−1,表−2,表−3,表−4,表−5に示す。なお、
各フィルムには、ベース樹脂として、MFR(190℃、2.1
6kgf)=2.5g/10分,密度ρ=0.92g/cm3の低密度ポリエ
チレン、MFR(190℃、2.16kgf)=2.0g/10分,密度ρ=
0.95g/cm3,酢酸ビニル含有量=15重量%のエチレン酢
酸ビニル共重合体、MFR(190℃、2.16kgf)=2.0g/10
分,密度ρ=0.95g/cm3,酢酸ビニル含有量=5重量%の
エチレン酢酸ビニル共重合体を用い、添加剤として複合
水酸化物無機フィラー5.0重量%、フッ素系界面活性剤
0.2重量%、ヒンダードアミン系耐候剤0.2重量%、フェ
ノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%を添
加した。
3種3層インフレ押出装置を用い、成形温度170℃、
ブロー比2.5にて、0.1mm厚の単層または積層フ
ィルムを製膜した。各フィルムの配合例と評価結果を表
−1,表−2,表−3,表−4,表−5に示す。なお、
各フィルムには、ベース樹脂として、MFR(190℃、2.1
6kgf)=2.5g/10分,密度ρ=0.92g/cm3の低密度ポリエ
チレン、MFR(190℃、2.16kgf)=2.0g/10分,密度ρ=
0.95g/cm3,酢酸ビニル含有量=15重量%のエチレン酢
酸ビニル共重合体、MFR(190℃、2.16kgf)=2.0g/10
分,密度ρ=0.95g/cm3,酢酸ビニル含有量=5重量%の
エチレン酢酸ビニル共重合体を用い、添加剤として複合
水酸化物無機フィラー5.0重量%、フッ素系界面活性剤
0.2重量%、ヒンダードアミン系耐候剤0.2重量%、フェ
ノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%を添
加した。
【0015】
【発明の効果】本発明の農業用フィルムは、特定の防曇
剤を使用することにより、フイルム白濁度が低く、フィ
ルム内面に均一な水膜が持続して得られる。このため高
い光線透過率および高い照度が維持されるとともに、フ
ィルム同士及びフィルムと他の資材との間隙が少なくな
ることにより、ハウス内温度が高く維持され、作物の成
育が促進されることからハウス等の農業用被覆資材とし
て好適に用いることができる。
剤を使用することにより、フイルム白濁度が低く、フィ
ルム内面に均一な水膜が持続して得られる。このため高
い光線透過率および高い照度が維持されるとともに、フ
ィルム同士及びフィルムと他の資材との間隙が少なくな
ることにより、ハウス内温度が高く維持され、作物の成
育が促進されることからハウス等の農業用被覆資材とし
て好適に用いることができる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【化2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/17 C08K 5/17 C08L 23/06 C08L 23/06 23/08 23/08 23/10 23/10 27/06 27/06
Claims (2)
- 【請求項1】 合成樹脂に次の(化1)式で表される防
曇剤を配合した農業用フィルム。 【化1】 (式中、R1はアルキル基、アルケニル基またはアシル
基、R2はアシル基、R3はアシル基または水素原子、
a、bはa+b=2〜20となる1以上の整数、nは2
または3を示す。) - 【請求項2】 合成樹脂が、低密度ポリエチレン、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン系樹脂またはポリ塩化ビニル系樹脂から選ば
れた単独もしくは2種以上を併用したものであり、かつ
防曇剤を0.5〜5重量%配合したものである請求項1
記載の農業用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8293261A JPH10120866A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 農業用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8293261A JPH10120866A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 農業用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120866A true JPH10120866A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17792544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8293261A Withdrawn JPH10120866A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 農業用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120866A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106159A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Toho Chem Ind Co Ltd | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
CN110922740A (zh) * | 2019-11-08 | 2020-03-27 | 临安市助剂化工有限公司 | 一种农膜流滴剂及其制备工艺 |
-
1996
- 1996-10-15 JP JP8293261A patent/JPH10120866A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106159A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Toho Chem Ind Co Ltd | ポリオレフィン系樹脂組成物 |
CN110922740A (zh) * | 2019-11-08 | 2020-03-27 | 临安市助剂化工有限公司 | 一种农膜流滴剂及其制备工艺 |
CN110922740B (zh) * | 2019-11-08 | 2022-05-17 | 临安市助剂化工有限公司 | 一种农膜流滴剂及其制备工艺 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050418 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050426 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20050627 |