JPH10119425A - 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法

Info

Publication number
JPH10119425A
JPH10119425A JP8283811A JP28381196A JPH10119425A JP H10119425 A JPH10119425 A JP H10119425A JP 8283811 A JP8283811 A JP 8283811A JP 28381196 A JP28381196 A JP 28381196A JP H10119425 A JPH10119425 A JP H10119425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
recording
recording paper
cationic polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8283811A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Komata
宏志 小俣
Mamoru Sakaki
守 坂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP8283811A priority Critical patent/JPH10119425A/ja
Publication of JPH10119425A publication Critical patent/JPH10119425A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に特殊なコーティングの施していない普
通紙であって、良好なインク定着性を有しながら文字品
位も良好であリ、記録画像の耐水性を改善した記録紙及
びこれを用いたインクジェット記録方法を提供する。 【解決手段】 繊維状物質及び填料を主体としてなり、
比容積が1.2cm3/g以上2.0cm3/g以下の範
囲にある原紙に、ベンジル基を有する(メタ)アクリル
アミドアルキル第四級アンモニウム塩を骨格とする重合
物を有効成分とするカチオンポリマーと水溶性樹脂を含
有させた記録紙であり、アニオン性基を有する水溶性染
料を少なくとも含有するインクを上記の記録紙に付与し
て画像を形成するインクジェット記録方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特殊なコーティン
グの施していない、いわゆる普通紙に関し、とりわけイ
ンクジェット記録方式による印字において、印字品位と
印字画像の耐水性に優れた記録紙とそれを使用したイン
クジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録の高速
化、カラー化、高密度化が容易なことから注目されてお
り、インクジェット記録方式を用いた記録装置も普及し
ている。こうしたインクジェット記録方式には、例えば
特開昭59-35977号公報や特開平1-135682号公報に開示さ
れるような、専用コート紙が用いられてきた。専用コー
ト紙の問題点は以下の3点である。 1.普通紙のような風合いに欠ける。 2.鉛筆筆記性が悪い。 3.コート層の粉落ちの可能性がある。
【0003】さらに、モノクロ記録やビジネスカラー記
録の分野では専用紙を用いるのではなく、オフィスで容
易に入手できる、低価格で汎用性のある普通紙に記録で
きることが求められている。
【0004】しかしながら、現在オフィスに普及してい
る電子写真方式を用いた複写機等のトナー転写紙(PPC
用紙)であって、十分なインクジェット記録適性を十分
に満足するものは、いまだ見出されていない。インクジ
ェット記録方式におけるPPC用紙を用いた問題点は、以
下の2点である。すなわち、 1.インクが紙層内に吸収される際に、紙の繊維に沿って
滲むため、ドットが過大に滲んだり、ドットの周辺がギ
ザギザになったり、ボケたりする、いわゆるフェザリン
グが発生し、鮮明な文字、画像が得られにくい。 2.水溶性の記録剤を用いるために記録画像の耐水性が不
十分である。
【0005】安価に文字品位を良好にする手段として、
一般的にデンプンが用いられているが記録画像の耐水性
が得られない。
【0006】記録画像の耐水性を高める手段として、特
開昭56−99693号公報には、ハロゲン化第四級ア
ンモニウム塩等を含有させたインクジェット記録用紙が
開示されている。しかし、このような耐水化剤は少量で
は耐水性の効果が低いという欠点がある。また、少量の
使用で耐水性を良好にする手段として、特開昭61−5
8788号公報には、ポリアリルアミン塩を含有させた
記録紙が開示されている。しかし、特殊なコート層を設
けず、ポリアリルアミン塩のみを含む記録紙は、画像濃
度が低いという問題がある。
【0007】さらに特開平8−108618号公報に
は、ベンジル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル第
四級アンモニウム塩あるいはベンジル基を有する(メ
タ)アクリルアミドアルキル第四級アンモニウム塩を骨
格とする重合物を含有させた記録紙が開示されている。
ベンジル基により疎水性を持たせ水分子を染料に近づけ
させないことで耐水性を向上させているため、デンプン
等の水溶性樹脂の表面サイズ剤と共に繊維状物質及び填
料よりなるシート材の表面に塗布した場合その疎水性の
ためにインクをはじいてしまうという問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
下記2点の課題を解決するためになされたものである。
すなわち表面に特殊なコーティングの施していない普通
紙であって、(1)良好なインク定着性を有しながら文
字品位も良好であリ、(2)記録画像の耐水性を改善し
た、記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法を
提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成される。
【0010】すなわち本発明は、繊維状物質及び填料を
主体としてなり、比容積が1.2cm3/g以上2.0
cm3/g以下の範囲にある原紙に、下記一般式(1)
で示される、ベンジル基を有する(メタ)アクリルアミ
ドアルキル第四級アンモニウム塩を骨格とする重合物を
有効成分とするカチオンポリマーと水溶性樹脂を含有せ
しめたことを特徴とする記録紙である。
【0011】
【外2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、R1及びR2は水素
原子あるいは炭素原子数1〜18の脂肪族アルキル基を
表し(R1及びR2は同一であっても異なっていても良
い)、R3は炭素原子数1〜4のアルキレン基もしくはCH
2CH(OH)CH2を示す。X-はハロゲンイオン、硫酸イオン、
炭素原子数1〜18のアルキル硫酸イオン、炭素原子数
1〜18のアルキルあるいはアリールスルホン酸イオ
ン、酢酸イオンを表す。)
【0012】また、アニオン性基を有する水溶性染料を
少なくとも含有するインクを上記の記録紙に付与して画
像を形成するインクジェット記録方法である。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、一般式(1)で表さ
れる、第四級アンモニウム塩型カチオンポリマーと水溶
性樹脂を記録紙に含有させることにより、付与されたイ
ンクが記録紙上あるいは記録紙に浸透した所でこれらの
物質と混合する結果、インクに含まれる色材が記録紙中
の水溶性樹脂により吸着されながら記録紙中のカチオン
ポリマーとイオン的相互作用により会合を起こすため、
瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0015】このとき、カチオンポリマーが水溶性樹脂
中に固定されているため、上述した染料とカチオンポリ
マーの会合体も記録紙中の水溶性樹脂中に固定されて、
記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果
として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむ
ことになり、印字品位と定着性の両立が達成される。ま
た、上記凝集体は本質的に水不溶性であるから、形成さ
れた画像の耐水性はより改善されたものとなる。
【0016】本発明で使用する第四級アンモニウム塩型
カチオンポリマーが優れた記録画像の耐水性を発揮する
理由は、染料と反応するカチオン基が高密度に存在し、
一旦カチオンポリマーと染料とが結合してコンプレック
スを形成すると、そこに水分子が近づきにくい疎水性を
与えるベンジル基が存在するためであり、ポリマーの分
子量効果によって、ポリマーが染料を強固に捕捉し再溶
解させないことによると考えられている。
【0017】しかしながら、カチオンポリマーが疎水性
であればあるほど印字品位が良好であるわけではなく、
カチオンポリマーの疎水性が高すぎるとインクをはじい
てしまうので、文字品位が低下するばかりでなく、イン
クに含まれている色材が記録表面のカチオン基としか反
応できず、記録紙中のカチオン基と反応できないために
耐水性は逆に低下する。また、疎水性が低い場合も前述
の耐水化メカニズムに従って耐水性は当然低下してしま
う。
【0018】このため、構造的に近い第四級アンモニウ
ム塩型カチオンポリマーであってもその特性は大きく異
なる。たとえば特開平8―108618号公報の実施例
1で使用されているベンジル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキル第四級アンモニウム塩(下記一般式2)に
おいて、R=R1=R2=CH3,R3=(CH22,X=
Cl)を骨格とする重合物とデンプン等の水溶性樹脂を
坪量100g/m2、厚さ100μm、ステキヒトサイズ
度が5秒の原紙の表面に塗布した場合は、特にインクを
はじくことはなかったが、耐水性は悪かった。
【0019】
【外3】
【0020】また特開平8−108618号公報の実施
例3で使用されているベンジル基を有する(メタ)アク
リルアミノアルキル第四級アンモニウム塩(一般式
(1)において、R=H,R1=R2=CH3,R3=(C
23,X=Cl)を骨格とする重合物と水溶性樹脂を
坪量100g/m2、厚さ100μm、ステキヒトサイズ
度が5秒の原紙の表面に塗布した場合は、インクをはじ
いてしまい、さらに耐水性も悪かった。
【0021】そこで本発明では、疎水性の高いカチオン
ポリマーであっても、インクをはじかず、優れた文字品
位、画像品位、記録画像の耐水性を実現するためには、
前記カチオンポリマーと前記水溶性樹脂が塗布される原
紙の特性、とりわけその比容積が重要であり、その値が
1.2cm3/g以上2.0cm3/g以下の範囲にある
原紙を用いることが好ましいことを見出した。ここでい
う比容積とは、紙の一定質量に対する容積であり、密度
の逆数である。紙の比容積の値は、JIS−P−811
8(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に従って求め
られる。
【0022】原紙の比容積が1.2cm3/g未満の高
密度な構造では、前記カチオンポリマーと水溶性樹脂を
塗布した場合、いずれの成分も原紙表面に局在化するた
めに水溶性樹脂の表面サイズ効果もよく効くが、カチオ
ンポリマーの疎水性もかなり効いてしまうのでインクを
はじいてしまう。
【0023】一方原紙の比容積が2.0cm3/gを越
える低密度な構造では、前記カチオンポリマーと水溶性
樹脂が共に原紙内部に深く入り込むため表面サイズ効果
が十分発揮できず、インクをはじくことはないが、フェ
ザリングが発生し、鮮明な文字、画像が得られずに文字
品位及び画像品位が共に低下してしまう。
【0024】上記本発明でいう範囲の比容積を有する原
紙に前記カチオンポリマーと水溶性樹脂を塗布した場合
であれば、文字品位、画像品位、画像の耐水性が共に優
れた記録紙を得ることができる。
【0025】つぎに本発明の好ましい実施態様について
述べ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0026】本発明の記録紙に含有される第1の成分で
あるカチオンポリマーは、下記一般式(1)で示され
る、ベンジル基を有する(メタ)アクリルアミドアルキ
ル第四級アンモニウム塩を骨格とする重合物を有効成分
とするカチオンポリマーである。
【0027】
【外4】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、R1及びR2は水素
原子あるいは炭素原子数1〜18の脂肪族アルキル基を
表し(R1及びR2は同一であっても異なっていても良
い)、R3は炭素原子数1〜4のアルキレン基もしくはCH
2CH(OH)CH2を示す。X-はハロゲンイオン、硫酸イオン、
炭素原子数1〜18のアルキル硫酸イオン、炭素原子数
1〜18のアルキルあるいはアリールスルホン酸イオ
ン、酢酸イオンを表す。)
【0028】このカチオンポリマーの耐水性の機能を左
右する疎水性の程度は、カチオンポリマーの分子量によ
っても変化する。分子量が低いと疎水性が低くなり、水
分子が染料に容易に近づけるため耐水性が低下しやす
い。分子量があまり高いと疎水性も高くなり原紙の特性
ではカバーしきれない範囲となるとインクをはじき耐水
性も低下する場合がある。これらを考慮すると、カチオ
ンポリマーの好ましい重量平均分子量(Mw)として
は、20万から200万の範囲であり、100万から2
00万の範囲がより好ましい。
【0029】疎水性の程度は、同様にカチオンポリマー
の構造によっても変化する。そのため、上記一般式
(2)で示される、ベンジル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキル第四級アンモニウム塩を骨格とする重合物
を有効成分とするカチオンポリマーより、一般式(1)
で示される、ベンジル基を有する(メタ)アクリルアミ
ドアルキル第四級アンモニウム塩を骨格とする重合物を
有効成分とするカチオンポリマーの方が耐水化能力に優
れていると考えられる。
【0030】また、染料とカチオンポリマーのカチオン
基との反応のしやすさの点で一般式(1)の式中、カチ
オン基につながっているR1及びR2は水素原子あるいは炭
素原子数1〜18の脂肪族アルキル基であることが好ま
しく、炭素原子数1〜3の脂肪族アルキル基であること
がより好ましい。
【0031】記録紙中に含有されるカチオンポリマーの
量としては、0.05〜7g/m2が好適な範囲である。
かかる量が0.05g/m2より少ない場合は効果がな
く、7g/m2より多いと耐光性が悪くなる傾向にあ
る。より好ましい範囲は0.3〜3g/m2である。かか
る量は、各々使用する物質の組み合わせにより、最適な
範囲を決定する必要がある。
【0032】本発明の記録紙に含まれる第2の成分であ
る水溶性樹脂としては、ノニオン性の水溶性高分子であ
るデンプン;ポリアクリルアマイド;ポリビニルピロリ
ドン;カルボキシメチルセルロ−ス,ヒドロキシメチル
セルロ−ス,ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの水溶
性セルロ−ス;ポリビニルメチルエ−テル;ポリビニル
アセタ−ル;ポリビニルアルコ−ル等が挙げられるが、
これらに限定されない。
【0033】上記水溶性樹脂はカチオン性高分子物質で
あることがより好ましい。これらのカチオン性高分子物
質は、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスル
ホン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩
等を挙げることができるが、もちろんこれらに限定され
ない。また塩酸塩型,酢酸塩型に限定されるわけではな
い。
【0034】同様に、上記ノニオン性高分子物質の一部
をカチオン化したものでも良い。具体的には、カチオン
化デンプン、ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキ
レ−ト4級塩との共重合体、アクリルアマイドとアミノ
メチルアクリルアマイド4級塩との共重合体等を挙げる
ことができるが、もちろんこれらの化合物に限定されな
い。
【0035】上記の例示化合物のうち、デンプン、とり
わけカチオン化デンプンがコスト及び性能のうえで好ま
しい。
【0036】もし水溶性樹脂がアニオン性の場合、本発
明で使用するカチオンポリマーのカチオン基とイオン的
相互作用により会合を起こしてしまい、破片状の不溶性
物質を作り、塗布ムラを起こすばかりでなく染料と反応
するカチオン基の量を著しく低下させてしまうことがあ
る。
【0037】本発明では、これら2種の物質を溶媒、と
りわけ水に溶解または分散した塗工液を原紙に塗布して
記録紙を調製するのであるが、付与されるインクのはじ
きを防ぐために原紙の比容積を1.2cm3/g以上
2.0cm3/g以下にしてあるので、もし塗工液の粘
度が低いと塗膜が繊維をきれいにカバーできずにインク
が紙層内に吸収される際に、紙の繊維に沿って滲むた
め、ドットが過大ににじんだり、ドットの周辺がギザギ
ザになったり、ボケたりする、いわゆるフェザリングが
発生し、鮮明な文字、画像が得られない場合がある。ま
た、塗工液の粘度が高いとインクが紙層内に吸収されな
いためインクが表面で凝集してしまいムラになる、いわ
ゆるビーディングが起きて良好な画像が得られない場合
がある。インクが吸収されないとカチオンポリマーとの
反応が表面だけで起こるので耐水性も低下する。
【0038】そこで良好な画像を得るための好ましい塗
工液の粘度は、B型回転粘度計で測定した回転数6rp
mにおいて1000から4000cpの範囲であり、2
000から4000cpがより好ましい。この粘度範囲
を容易に実現するうえでも水溶性樹脂としてはカチオン
化デンプンを用いることが好ましい。
【0039】塗工液に含まれるその他の成分としては、
前記のカチオン性物質以外の界面活性剤や表面サイズ
剤、pH調整剤,防腐剤,酸化防止剤等の添加剤が挙げ
られる。界面活性剤を加えることによって、インクによ
っては、画像濃度が高くなりブリーディングが改善され
る。
【0040】用いる界面活性剤としては、高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチ
レンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加
物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド
付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエ
チレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエ
チレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステ
ル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビト
ール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸
エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカ
ノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられるが、必ず
しもこれらに限定されるわけではない。これらの中で、
アセチレンアルコール、アセチレングリコール及びその
エチレンオキサイド付加物は、特に効果がある。
【0041】表面サイズ剤としては、SBR(スチレンブ
タジエンラバー)ラテックス、アクリルエマルジョン、
スチレン/アクリル酸共重合体等の親水性部分と疎水性
部分を分子内に有する樹脂、シリコンオイル、パラフィ
ン、ワックス、フッ素化合物等、撥水性を有する物質な
どが挙げられる。
【0042】本発明に用いられる原紙は、LBKP、N
BKP等に代表される化学パルプ及び填料を主体とし、
その他、サイズ剤や抄紙助剤を必要に応じて用い、常法
により抄紙される。使用されるパルプ材としては、機械
パルプや古紙再生パルプを併用しても良く、また、これ
らを主体とするものであってもよい。
【0043】サイズ剤としては、ロジンサイズ、アルキ
ルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、石油樹脂
系サイズ、エピクロルヒドリン、アクリルアミド等が挙
げられる。又、填料としては、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、二酸化チタン等が挙げられる。
【0044】原紙の比容積を1.2cm3/g以上2.
0cm3/g以下に調整する方法としては、たとえば、
原料パルプとしての短繊維パルプの比率を増加させ、プ
レスを強くしたり、逆に長繊維パルプの比率を増加さ
せ、プレスを弱くする等の方法が挙げられる。
【0045】上記の材料を用いて調製した本発明の記録
紙は、水抽出pHが6以上、より好ましくは7以上のもの
として調整される。水抽出pHとは、JIS-P-8133に規定さ
れた試験片約1.0gを、蒸留水70mlに浸した際の抽
出液のpHをJIS-Z-8802に従って測定したものである。
【0046】pHが前記の範囲に満たない場合には、紙自
体の長期にわたる保存性の面で問題となってくるほか、
紙面上で染料が十分な発色性を示さない場合がある。こ
のようにして調製される記録紙のステキヒト・サイズ度
は、低すぎると付着したインク滴が滲み過ぎ、鮮明な画
像や文字が形成されにくくなり、また高すぎるとインク
がいつまでたっても紙層中に吸収されないため、付着し
たインクの定着性、乾燥性が悪くなる傾向にある。この
ためステキヒト・サイズ度が0〜40秒の範囲内である
ことが好ましい。
【0047】本発明の記録紙は、従来の中性のPPC用紙
と比べても、記録特性以外の表面形状や物理特性につい
て大きな変更を伴わないため、電子写真記録用のトナー
転写紙及びインクジェット記録用紙の双方に適用可能で
ある。
【0048】つぎに、本発明で使用するインクについて
説明する。
【0049】本発明で使用するインクは、上述したアニ
オン性基を含有する水溶性染料と水、水溶性有機溶剤を
含み、必要に応じてその他の成分、例えば粘度調整剤,
pH調整剤,防腐剤,界面活性剤,酸化防止剤等を含ま
せることができる。
【0050】本発明で使用するアニオン性基を含有する
水溶性染料としては、カラ−インデックス(COLOU
R INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料,
直接染料,反応性染料、食用染料であれば特に限定され
ない。また、カラ−インデックスに記載のないもので
も、アニオン性基、例えばスルホン基,カルボキシル基
等を有するものであれば特に制限はない。ここで言う水
溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当
然含まれる。
【0051】インクに使用される水溶性有機溶剤として
は、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン等のエ−テル類;ポリエチレングリコ−
ル,ポリプロピレングリコ−ル等のポリアルキレングリ
コ−ル類;エチレングリコ−ル,プロピレングリコ−
ル,ブチレングリコ−ル,トリエチレングリコ−ル,
1,2,6−ヘキサントリオ−ル,チオジグリコ−ル,
ヘキシレングリコ−ル,ジエチレングリコ−ル等のアル
キレングリコ−ル類;エチレングリコ−ルメチルエ−テ
ル,ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル,トリエ
チレングリコ−ルモノメチルエ−テル等の多価アルコ−
ルの低級アルキルエ−テル類;エタノ−ル,イソプロピ
ルアルコ−ル,n−ブチルアルコ−ル,イソブチルアル
コ−ル等の1価アルコ−ル類;その他、グリセリン,N
−メチル−2−ピロリドン,1,3−ジメチル−2―イ
ミダゾリジノン,トリエタノ−ルアミン,スルホラン,
ジメチルサルホキサイド等が用いられる。
【0052】上記水溶性有機溶剤の含有量について特に
制限はないが、インク全重量に対して1〜50重量%、
さらに好ましくは2〜30重量%が好適な範囲である。
【0053】インク中には、この他必要に応じて、粘度
調整剤,pH調整剤,防腐剤,界面活性剤、酸化防止
剤,蒸発促進剤等の添加剤を配合してもかまわない。界
面活性剤の選択は、液体の浸透性を調整する上で特に重
要である。
【0054】また、インクの好適な物性値は25℃付近
で、pHが3〜12の範囲、表面張力が10〜60dy
n/cmの範囲、粘度が1〜30cpsの範囲である。
【0055】さらに本発明の効果を一層引き出すため
に、上記の成分に加えて、インク中に、アニオン性の界
面活性剤あるいはアニオン性の高分子物質を添加しても
よい。あるいは、前記両性界面活性剤をその等電点以上
のpHに調整して使用しても良い。
【0056】アニオン性界面活性剤の例としては、カル
ボン酸塩型,硫酸エステル型,スルホン酸塩型,燐酸エ
ステル型等、一般的なものが使用できる。また、アニオ
ン性高分子物質の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、
具体的には、ポリアクリル酸ソ−ダ、あるいは高分子の
一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることがで
きるが、もちろんこれらに限定されない。
【0057】次に、インクジェット記録方式について説
明する。
【0058】インクジェット記録方法は、インクの小滴
を種々の駆動原理を利用して、オリフィスより吐出して
記録を行なわせる従来公知のインクジェット記録方式の
いずれのものにも、適用可能である。その代表例とし
て、特開昭54−59936号公報に記載されている方
法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積
変化を生じ、この状態変化による作用力によって、イン
クをノズルから吐出させるインクジェット方式をあげる
ことができる。
【0059】本発明のインクジェット記録方法に好適な
一例のインジェット記録装置を以下に説明する。その装
置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に
示す。
【0060】図1において、ヘッド13はインクを通す
溝14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック
板等を、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では
ヘッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリ
コン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17
−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層
18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20
よりなっている。
【0061】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0062】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、記録シー
ト25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッド
を多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘ
ッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説
明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作され
ている。
【0063】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図で
ある。
【0064】図4に、かかるヘッドを、組み込んだイン
クジェット記録装置の1例を示す。図4において、61
はワイピング部材としてのブレードであり、その一端は
ブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カ
ンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドに
より記録領域に隣接した一に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、
記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体
63によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行
われる。
【0065】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合
し、キャリッジ66の一部はモータ68 によって駆動
されるベルト69と接続(不図示)している。これによ
りキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能と
なり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した
領域の移動が可能となる。
【0066】51は記録媒体を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモータにより駆動される紙送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれ
て排紙ローラ53を配した排紙される。
【0067】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0068】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0069】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為の記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0070】カラー化する場合には、ブラック、シア
ン、マゼンタ、イエローのインクがそれぞれ入っている
記録ヘッドをキャリッジ66上に並列に4色並べる。ま
た、記録ヘッドを並列に並べずに、1個の記録ヘッドを
縦列に4つに分割してもよい。さらに、インクは4色で
なく、シアン、マゼンタ、イエローの3色でもよい。
【0071】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説
明する。文中、部とあるのは重量基準である。
【0072】(実施例1)原料パルプとしてLBKP90部
とNBKP10部を混合し、叩解した後、炭酸カルシウム2
0部、アルケニル無水コハク酸0.2部、カチオン化デ
ンプン0.5部を配合して、常法により坪量64g/
2、厚さ90μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙を
抄造した。この原紙の比容積は1.4cm3/gであっ
た。
【0073】次に、下記の成分〔M−1〕を混合溶解し
た後、前記原紙にバーコーターで1.5g/m2になる
ように塗布し、100℃のオーブンで3分間乾燥させ
た。
【0074】 〔M−1の成分〕 下記で示すカチオンポリマーA 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーA:N,N-ジメチルアミノプロピル
アクリルアミドを塩化ベンジルで四級化したアクリルア
ミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
とメチレンビスアクリルアミドをイオン交換水に溶か
し、窒素を吹き込みながら70℃まで加熱し、2,2
‘-アゾビス(2-アミジノプロパン)ヒドロクロライド
0.1%水溶液を加え、85℃で2時間反応させて得た
化合物(固形分15.5%、重量平均分子量:150
万、一般式(1)において、R=H,R1=R2=C
3,R3=(CH23,X=Cl)。
【0075】つぎに下記の成分を混合し、さらにポアサ
イズが0.22μmのメンブレンフィルタ−(商品名;
フロロポアフィルタ−,住友電工製)にて加圧濾過して
イエロ−,マゼンタ,シアン,ブラックのインク1−
Y,1−M,1−C,1−Kを得た。
【0076】1−Y: C.I.ダイレクトイエロ−86 2部 チオジグリコ−ル 10部 アセチレノ−ルEH 0.05部 水 残部
【0077】1−M:染料をC.I.アシッドレッド2
89;2.5部に代えた以外は1−Yと同じ組成。
【0078】1−C:染料をC.I.アシッドブル−
9;2.5部に代えた以外は1−Yと同じ組成。
【0079】1−K:染料をC.I.フ−ドブラック
2;3部に代えた以外は1−Yと同じ組成。
【0080】次に、上記で得られた記録紙及びインクを
用いて、1mmあたり14本の割合で記録ノズルを有す
る、熱の作用によりインク滴を吐出させるインクジェッ
ト方式(バブルジェット方式)の記録ヘッドを搭載した
記録装置によりカラー画像を形成し、下記の基準に基づ
いて記録画像を評価した。その結果を表1に示す。
【0081】1.文字品位の評価 ドットが過大に滲んだり、ドットの周辺がギザギザにな
ったり、ボケたりする、いわゆるフェザリングが発生し
ないものを○とし、それ以外のレベルのものは×とし
た。画像品位の評価はインクのはじきが発生しないもの
を○とし、それ以外のものは×とした。
【0082】2. 耐水性の評価 100%デューティの文字の上にスポイトで水を1滴た
らして自然乾燥させ、目視にて評価した。画像の流れは
生じないが文字太りを生じるものを△とした。特に、画
像の流れが生じず、且つ文字太りも生じないものを○と
した。それ以外のレベルのものは×とした。
【0083】(実施例2)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−2〕を使用したことを除
き、その他は実施例1と同様にして記録紙を調製し、記
録画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0084】 〔M−2の成分〕 下記で示すカチオンポリマーB 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーB:N,N-ジエチルアミノエチルア
クリルアミドを塩化ベンジルで四級化したアクリルアミ
ドエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライドとメ
チレンビスアクリルアミドをイオン交換水に溶かし、窒
素を吹き込みながら70℃まで加熱し、2,2‘-アゾ
ビス(2-アミジノプロパン)ヒドロクロライド0.1
%水溶液を加え、85℃で2時間反応させて得た化合物
(固形分16.5%、重量平均分子量:130万、一般
式(1)において、R=H,R1=R2=C25,R3
(CH22,X=Cl)。
【0085】(実施例3)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−3〕を使用したことを除
き、その他は実施例1と同様にして記録紙を調製し、記
録画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0086】 〔M−3の成分〕 下記で示すカチオンポリマーC 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーC:単量体としてメタクリルオキシエ
チルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶液と
アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド水溶液とメチレンビスアクリルアミド水溶液
を用いた以外は実施例1と同じ条件で重合させて得た化
合物(固形分16.9%、重量平均分子量:120万、
一般式(1)と一般式(2)の共重合体、一般式(1)
において、R=H、R1=R2=CH3,R3=(C
23,X=Cl、一般式(2)において、R=R1
2=CH3,R3=(CH22,X=Cl)。
【0087】(実施例4)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−4〕を使用したことを除
き、その他は実施例1と同様にして記録紙を調製し、記
録画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0088】 〔M−4の成分〕 下記で示すカチオンポリマーD 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーD:単量体としてメタアクリルアミド
プロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド水溶
液とメチレンビスアクリルアミド水溶液を用いた以外は
実施例1と同じ条件で重合させて得た化合物(固形分1
7.5%、重量平均分子量:100万、一般式(1)に
おいて、R=R1=R2=CH3,R3=(CH23,X=
Cl)。
【0089】(実施例5)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−5〕を使用したことを除
き、その他は実施例1と同様にして記録紙を調製し、記
録画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0090】 〔M−5の成分〕 下記で示すカチオンポリマーE 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーE:アクリルアミドプロピルジメチル
ベンジルアンモニウム硫酸塩とメチレンビスアクリルア
ミドをイオン交換水に溶かし、窒素を吹き込みながら7
0℃まで加熱し、2,2‘-アゾビス(2-アミジノプロ
パン)ヒドロ硫酸塩0.1%水溶液を加え、85℃で2
時間反応させて得た化合物(固形分17.5%、重量平
均分子量:160万、一般式(1)において、R=H,
1=R2=CH3,R3=(CH23,X=SO4)。
【0091】(実施例6)坪量64g/m2、厚さ12
0μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙(比容積は
2.0cm3/g)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、記録紙を調製し、記録画像の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0092】(比較例1)実施例1において、原紙をそ
のまま記録紙として用いて記録画像の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0093】(比較例2)実施例1において、塗布液
〔Mー1〕からカチオンポリマーを除いた成分を使用し
たことを除いて実施例1と同様にして記録紙を調製し
た。実施例1と同様にして記録を行い、記録画像の評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0094】(比較例3)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−6〕を用いたことを除い
て、実施例1と同様に記録紙を調製した。実施例1と同
様にして記録を行い、記録画像の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0095】 〔M−6の成分〕 下記で示すカチオンポリマーF 3部(固形分として) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 カチオンポリマーF:メタクロイルオキシエチルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライド60%水溶液50.
6gとアクリルアミド40%水溶液2.22gをイオン
交換水140gに溶かし、窒素を吹き込みながら70℃
まで加熱し、2,2‘-アゾビス(2-アミジノプロパ
ン)ヒドロクロライド0.1%水溶液を加え、85℃で
2時間反応させて得た化合物(固形分15.4%、重量
平均分子量:15万)。
【0096】(比較例4)実施例1における成分〔M−
1〕に代えて下記の成分〔M−7〕を用いたことを除い
て、実施例1と同様に記録紙を調製した。実施例1と同
様にして記録を行い、記録画像の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0097】 〔M−7の成分〕 カチオンポリマー 3部(固形分として) (商品名;ネオフィックスRP-70、日華化学製) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 (比較例5)実施例1における成分〔M−1〕に代えて
下記の成分〔M−8〕を用いたことを除いて、実施例1
と同様に記録紙を調製した。実施例1と同様にして記録
を行い、記録画像の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0098】 〔M−8の成分〕 カチオンポリマー 3部(固形分として) (商品名;PAA-HCl-3L、日東紡績製) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 (比較例6)実施例1における成分〔M−1〕に代えて
下記の成分〔M−9〕を用いたことを除いて、実施例1
と同様に記録紙を調製した。実施例1と同様にして記録
を行い、記録画像の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0099】 〔M−9の成分〕 カチオンポリマー 3部(固形分として) (商品名;PAS-880、日東紡績製) 水溶性樹脂:カチオン化デンプン 6部 (商品名;CATO304、NATIONAL STARCH & CHEMICAL製) 水 残部 (比較例7)原料パルプとしてLBKP90部とNBKP10部
を混合し、叩解した後、カオリン(土屋カオリン製)1
0部、アルケニル無水コハク酸0.2部、カチオン化で
んぷん0.5部を配合して、常法により坪量100g/
2、厚さ100μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙
を抄造した。この原紙の比容積は1.0cm3/gであ
った。
【0100】この原紙を用いたことを除いて実施例1と
同様に記録紙を調製した。実施例1と同様にして記録を
行い、記録画像の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0101】(比較例8)坪量64g/m2、厚さ14
0μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙(比容積は
2.2cm3/g)を用いたことを除いて実施例1と同
様に記録紙を調製した。実施例1と同様にして記録を行
い、記録画像の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】表1から明らかなように、実施例1〜6に
より、文字品位,耐水性ともに良好な画像が得られたの
に対し、比較例1及び2では、カチオンポリマーを含ま
ないので全く耐水性がない。しかし、比較例7では実施
例1と同じ成分を塗布していても比容積が小さく密度の
高い原紙を用いたためインクをはじいてしまい耐水性も
劇的に低下している。また、比較例3では一般式2)示
されるの構造を骨格とする疎水性が弱いカチオンポリマ
ーを用いたところ耐水性が劣っていた。市販のカチオン
ポリマーを用いた比較例4〜6ではいずれも耐水性に劣
っており、更に比較例4及び5では黒インクの茶変化や
インクはじきが起こり、かなり悪い画像しか得られな
い。比較例8は原紙の影響で文字品位が悪くなってい
る。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、カラーインクジェ
ット記録を行なう場合に、本発明を実施した記録紙を使
用することで、耐水性を満足した画像を得ることが可能
となった。また、本発明の記録紙は、従来技術のような
特殊なコーティングを施していないため、粉落ちの心配
がなく、風合いは普通紙と変わらず、鉛筆筆記性が良好
である。さらに、インクジェット用紙としてだけでな
く、電子写真用記録用のトナー転写紙としても使用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で使用するインクジェット記録装置
のヘッド部の縦断面図。
【図2】本発明方法で使用するインクジェット記録装置
のヘッド部の横断面図。
【図3】図1及び図2に示したヘッドをマルチ化したヘ
ッドの外観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状物質及び填料を主体としてなり、
    比容積が1.2cm3/g以上2.0cm3/g以下の範
    囲にある原紙に、下記一般式(1)で示される、ベンジ
    ル基を有する(メタ)アクリルアミドアルキル第四級ア
    ンモニウム塩を骨格とする重合物を有効成分とするカチ
    オンポリマーと水溶性樹脂を含有せしめたことを特徴と
    する記録紙。 【外1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基、R1及びR2は水素
    原子あるいは炭素原子数1〜18の脂肪族アルキル基を
    表し(R1及びR2は同一であっても異なっていても良
    い)、R3は炭素原子数1〜4のアルキレン基もしくはCH
    2CH(OH)CH2を示す。X-はハロゲンイオン、硫酸イオン、
    炭素原子数1〜18のアルキル硫酸イオン、炭素原子数
    1〜18のアルキルあるいはアリールスルホン酸イオ
    ン、酢酸イオンを表す。)
  2. 【請求項2】 前記カチオンポリマーと水溶性樹脂を原
    紙の表面に塗布してなる請求項1に記載の記録紙。
  3. 【請求項3】 前記水溶性樹脂がデンプンである請求項
    1もしくは2に記載の記録紙。
  4. 【請求項4】 前記デンプンがカチオン化デンプンであ
    る請求項3に記載の記録紙。
  5. 【請求項5】 前記カチオンポリマーの重量平均分子量
    が20万から200万の範囲にある請求項1乃至4に記載の
    記録紙。
  6. 【請求項6】 前記カチオンポリマーと前記水溶性樹脂
    を含み、B型回転粘度計で測定した6rpmにおける粘
    度が、1000から4000cpの範囲にある塗工液を
    原紙に塗布した請求項2に記載の記録紙。
  7. 【請求項7】 アニオン性基を有する水溶性染料を少な
    くとも含有するインクを請求項1乃至6に記載の記録紙
    に付与することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記インクが更に、アニオン性を有する
    化合物を含む請求項7に記載のインクジェット記録方
    法。
  9. 【請求項9】 前記インクがイエロー、シアン、マゼン
    タ及びブラックの4色からなる請求項7もしくは8に記
    載のインクジェット記録方法。
JP8283811A 1996-10-25 1996-10-25 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 Withdrawn JPH10119425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8283811A JPH10119425A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8283811A JPH10119425A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10119425A true JPH10119425A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17670460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8283811A Withdrawn JPH10119425A (ja) 1996-10-25 1996-10-25 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10119425A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6881300B2 (en) 1999-12-02 2005-04-19 Space Environmental Technology Company, Inc. Sizing agent and recording paper comprising sizing agent
US7303653B2 (en) 2002-11-28 2007-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Sizing agent and recording sheet having the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6881300B2 (en) 1999-12-02 2005-04-19 Space Environmental Technology Company, Inc. Sizing agent and recording paper comprising sizing agent
US7303653B2 (en) 2002-11-28 2007-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Sizing agent and recording sheet having the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0661168B1 (en) Recording medium and image-forming method employing the same
EP0675178B1 (en) Ink set, and method and apparatus for image formation employing the same
US5439515A (en) Ink, and ink-jet recording method and instrument using the same
US6475601B1 (en) Printing paper, and ink-jet printing process using the same
JP3591938B2 (ja) インクジェット用記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
EP0678396B1 (en) Recording paper, ink-jet recording process and recording system making use of the recording paper
JPH0999628A (ja) 画像形成方法
JP3486492B2 (ja) 記録紙及びこれを用いた画像形成方法
JPH08142500A (ja) 画像形成方法
JP2004174948A (ja) インクジェット記録方法及び画像形成物並びに画像形成装置
JPH10119425A (ja) 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP3072824B2 (ja) インクジェット用記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
JPH07257017A (ja) 画像形成方法及び記録媒体
JP2943927B2 (ja) 被記録材,これを甲いたインクジェット記録方法及び被記録材の製造方法
JPH07266689A (ja) 記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
JP2003034072A (ja) インクジェット記録用記録紙およびそれを用いたインクジェット記録方法
JP3184697B2 (ja) インクジェット記録システム
JPH08295076A (ja) 記録紙およびこれを用いたインクジェット記録方法
JPH08230311A (ja) 記録媒体および画像形成方法
JPH08118787A (ja) 記録媒体及び画像形成方法
JP2692963B2 (ja) インクジェット記録方法
JPH08118788A (ja) 記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
JP2008155529A (ja) インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法
CA2270148C (en) Recording paper, ink-jet recording process and recording system making use of the recording paper
JPH07242050A (ja) 記録紙、これを用いたインクジェット記録方法及び記録システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040106