JPH10119291A - インクジェット記録方法及びその装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及びその装置

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JPH10119291A
JPH10119291A JP27337496A JP27337496A JPH10119291A JP H10119291 A JPH10119291 A JP H10119291A JP 27337496 A JP27337496 A JP 27337496A JP 27337496 A JP27337496 A JP 27337496A JP H10119291 A JPH10119291 A JP H10119291A
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ink
head
recording head
ink jet
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JP27337496A
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Tatsuya Fukushima
達弥 福嶋
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Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078Printing on textile

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録でのサテライトによる記
録濃度のバラツキを補正して高品位な画像を記録する。 【解決手段】 記録ヘッドを布帛に対して相対的に往復
移動し、画像データに基づいて記録ヘッドを駆動して画
像を記録する際、サテライトによる影響が現れない往路
移動による記録では通常の記録走査を行い(S6)、サ
テライトによる記録濃度への影響が現れる復路移動での
記録の際には、記録ヘッドの駆動条件を印加するエネル
ギーを少なくして(S10)記録濃度を下げるように動
作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
による記録時に発生する副次的なインク液滴による記録
濃度の変動を抑えるインクジェット記録方法及びその装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】布帛や壁紙などに対して記録を行う代表
的な方法として、シルク・スクリーン版を用いて布帛等
に直接印刷を行うスクリーン捺染方法がある。このよう
なスクリーンを用いる方法では、先ず、印刷すべき原画
像で使われている色毎にシルクスクリーン版を作成しな
ければならない。更に、そのスクリーン版をスクリーン
捺染装置に装着し、そのシルクスクリーン版の網目を通
してインクを布帛等に直接転写することによって記録が
行われる。
【0003】しかしながら、このようなスクリーン版を
用いた捺染方法では、シルクスクリーン版を作成するの
に多大な工数と日数を要するほか、各色のインク調合、
各色ごとのシルク・スクリーン版の位置合わせなどの作
業を要するという問題点がある。更に、使用する色の数
に比例して捺染装置が大型化し、スペースを要するほ
か、シルクスクリーン版の保存用のスペースも必要にな
るという問題がある。
【0004】そこで、布帛の壁紙などの記録媒体上に、
インクジェット法により直接画像を印刷する方法が提案
されている。このインクジェットによる印刷方法は、イ
ンクジェット記録ヘッドに設けられた吐出口からの微小
のインクを布帛等の記録媒体に対して飛翔させることに
より、その記録媒体に直接画像を記録する方法であり、
この方法によれば、従来のスクリーン捺染で必要であっ
たスクリーン版が不要になる。その結果、布帛等に画像
を形成するまでの工程、日数が大幅に短縮できるほか、
装置の小型化も可能になる。また、印刷に使用される画
像情報も、磁気テープ、フレキシブルディスク(F
D)、光ディスクなどの記憶媒体に保存しておき、随時
読み出して印刷することができるため、画像情報の保管
や保存性に優れ、更に、現画像に対する配色替え、レイ
アウト変更、拡大、縮小などの加工が容易に行えるとい
う利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録装置においては、布帛(被記録材)と記録
ヘッドとの間隔は、通常のコンピュータ機器の出力端末
であるプリンタ装置の場合と比較して長くしなければな
らない。即ち、通常のプリンタ装置であれば、被記録材
として記録紙が用いられるが、捺染記録の場合には、様
々な風合いの布帛等が記録材として使用されるため、こ
のような被記録材である布帛と記録ヘッドとの間隔は長
くとらざるを得ないことになる。
【0006】そのため、オンデマンド型のインクジェッ
ト記録装置に特有の、メインパルスの印加によるインク
吐出時に発生する副次的なインク液滴の吐出による記録
濃度への影響が現れる。
【0007】図13は、インクジェット用記録ヘッドの
ノズル1500内に設けられた電気熱変換体1520に
通電して、そのノズル1500内のインク1510の急
激な膨張によりインク滴を吐出する吐出プロセスを説明
する図である。
【0008】図13(a)は、ノズル1500内にイン
ク1510が充満している状態を示し、図13(b)
は、電気熱変換体1520にエネルギーを極めて短時間
だけ与えた状態を示し、この時、電気熱変換体1520
付近のインクが急激に加熱されて微小の気泡が発生す
る。次に、インク1510が急激に気化し、微小気泡1
530が成長する(c)。図13(d)は、気泡153
0が最大に膨張し、インク1510が吐出口から押し出
される状態を示す。図13(e)は、電気熱変換体15
20への通電が終了して気泡1530がインク1510
によって冷やされて急激に縮み、押し出されたインク1
510が滴状になった状態を示す。図13(f)は、イ
ンク滴1540が押し出されて矢印方向に飛翔する状態
を示し、図13(g)は、インク滴1540が主インク
滴1550と、滴状となった尾部のインク滴1560と
が形成された状態を示す。
【0009】このようなインクジェット記録法に限ら
ず、一般的なインクジェット記録法であっても、インク
液滴の吐出時においては、主インク滴が吐出された時の
尾部がインク自身の表面張力によって小さなインク滴と
なり、本来の記録に必要な主インク滴とは別に、副次的
なインク滴(以下、サテライトと呼ぶ)となる。このサ
テライトは、主インク滴から伸びた尾部がちぎれて形成
されるため、その飛翔速度も主インク滴に比べると遅く
なっていることが観測されている。
【0010】更に、このサテライトは、主インク滴に対
してオフセットされた角度で飛翔していることが、観測
によって明らかにされている。
【0011】図14は、このサテライト1560が布帛
上に着弾する模様を示す模式図である。
【0012】このサテライトは、シリアルスキャンによ
る記録時には、往路及び復路のいずれでも、片側のみで
記録するのであれば、布帛上において常に同じ方向に着
弾されるため画像設計上問題はない。しかし、記録スピ
ードを上げるために往復走査による記録を行う場合にサ
テライトによる問題が発生する。
【0013】このサテライト1560の飛翔角度は、主
インク滴の吐出方向に対して1度程度、右或は左方向に
オフセットされている。このため、例えば左方向への走
査である往路での記録走査により発生したサテライト1
560は左方向に約1度ずれて飛翔するため、その飛翔
速度が主インク滴1550よりも遅いにも拘らず、図1
4(a)に示す如く、主インク滴1560の中に隠れ
る。
【0014】これとは逆に、右方向に記録走査する復路
走査で発生したサテライト1560は左方向に約1度ず
れているため、図14(b)のごとく主インク滴155
0と離れたところに着弾してしまう。
【0015】このように例え被記録材と記録ヘッドとの
間隔が長くなった状態でも、往路走査では、サテライト
1560は主インク滴1550の染色跡の中に着弾する
ため、全体としてその染色面積は変わらない。しかしな
がら復路走査では、主インク滴1550とサテライト1
560とが離れた位置に着弾するため、染色面積は(主
インク滴+サテライト)で決まる面積となる。一般に、
インクジェット記録における記録濃度は、布帛上での染
色された面積で決まる。即ち、インク着弾面積が広けれ
ば、それだけ濃度も濃く見えることになる。このように
して往路走査と復路走査とでは染色面積が異なることに
より、各方向への記録走査による記録濃度差となって認
識されることになる。
【0016】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、インクジェット記録における記録濃度のバラツキを
補正して高品位な画像を記録できるインクジェット記録
方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0017】また本発明の目的は、インクジェット記録
に付随する要因に起因して濃度が濃く記録される際に
は、記録ヘッドに印加するエネルギーを少なくして記録
濃度のバラツキの発生を抑えたインクジェット記録方法
及びその装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェット記録装置は以下のような構成
を備える。即ち、インクを吐出して記録を行う記録ヘッ
ドと被記録媒体とを相対的に移動して前記被記録媒体に
画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記
記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に往復移動させる
搬送手段と、前記搬送手段による相対移動に同期して、
画像データに基づいて前記記録ヘッドを駆動して画像を
記録する記録手段と、前記搬送手段による往路移動と復
路移動とにおいて前記記録手段による前記記録ヘッドの
駆動条件を変更する記録制御手段とを有することを特徴
とする。
【0019】上記目的を達成するために本発明のインク
ジェット記録方法は以下のような工程を備える。即ち、
インクを吐出して記録を行う記録ヘッドと被記録媒体と
を相対的に移動して前記被記録媒体に画像を記録するイ
ンクジェット記録方法であって、前記記録ヘッドと前記
被記録媒体を相対的に往復移動させる工程と、前記記録
へドットと前記被記録媒体の相対移動に同期して、画像
データに基づいて前記記録ヘッドを駆動して画像を記録
する工程と、前記記録ヘッドと前記被記録媒体の相対往
路移動と復路移動とにおいて前記記録ヘッドの駆動条件
を変更する記録制御工程とを有することを特徴とする。
【0020】また本発明によれば、記録ヘッドに印加す
るエネルギーの制御は、メインヒートパルス幅を変更す
ることにより行うのが望ましい。
【0021】また本発明によれば、記録ヘッドに印加す
るエネルギーの制御は、メインヒートパルスとプレヒー
トパルスとの間の休止時間を変更することにより行うの
が望ましい。
【0022】また本発明によれば、記録ヘッドに印加す
るエネルギーの制御は、メインヒートパルスの前に印加
するプレヒートパルス幅を変更することにより行うのが
望ましい。
【0023】このような記録濃度の変動の要因として
は、例えば前述したサテライトがある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の
形態の捺染装置の概略構成を示す模式的側断面図であ
る。
【0026】図1において、1は被記録材である布帛
で、搬送用モータ106(図6)によって駆動される巻
出しローラ11の回転に応じて巻き出され、中間ローラ
12,13を介して搬送手段100に至る。搬送手段1
00は、ローラ22,23に捲回された搬送用ベルト2
1を含み、ローラ12,13を介して搬送される布帛1
を、ローラ14によりベルト21に貼り付けて、ローラ
22,23の回転により移動される搬送用ベルト21と
ともに布帛1を矢印方向に搬送している。こうして搬送
された布帛1は、ローラ17により搬送用ベルト21か
ら剥がされ、ローラ18,19を介して巻き取り用ロー
ラ20により巻き取られる。尚、15,16は搬送用ベ
ルト21を支持しているローラである。また、26はイ
ンクを貯蔵しているインクタンク、24,25は記録ヘ
ッドである。27は乾燥部で、記録ヘッド24,25に
より印刷された画像のインクを乾燥させるために熱風等
を照射して布帛を乾燥させている。
【0027】図2は、本実施の形態の捺染装置の概略構
成を示す斜視図である。
【0028】図2において、33はプリントワークを示
し、このプリンタワーク33の内部には、布帛1の搬送
方向に略直行した主走査方向に一対の平行なガイドレー
ル30,31が配されている。これらガイドレール3
0,31上にはボールベアリング35を介してヘッドキ
ャリッジ34が設けられており、ヘッドキャリッジ34
を往復走査して印刷(プリント)を行うことができるよ
うに構成されている。尚、ヘッドキャリッジ34は、プ
リンタワーク33の一側壁に固定されたキャリッジモー
タ105(図6)によって駆動ベルト(不図示)を介し
て駆動される。また、ヘッドキャリッジ34の内部下面
には、布帛1に対して画像形成を行うための記録ヘッド
ユニット24,25が取り付けられている。
【0029】記録ヘッドユニット24,25は、所定方
向(例えばキャリッジ34の走査方向に略直交する方
向)に多数のインク吐出口(ノズル)を配列した記録ヘ
ッド110(図6、図7)を上記所定方向とは異なる方
向(例えばキャリッジ34の走査方向)に複数配置した
ものを1組みとし、かつ本実施の形態では、この記録ヘ
ッド110の組をキャリッジ34の搬送方向に2段保持
している。各組の記録ヘッド110は、それぞれ色が異
なるインクに対応して複数個を一組として設けられ、こ
れによってカラープリントを可能にしている。
【0030】各組の記録ヘッド110には、必要に応じ
て複数のインク貯蔵タンクユニット26からインク供給
経路である中継チューブ類32を介して種々のインクが
供給されるように構成されている。このインク供給経路
の詳細については後述するが、これらのインク供給経路
は、ヘッドキャリッジ34と共に移動するので、移動の
し易さ、及び破損防止のために、キャタピラ内(不図
示)に配置されているのが望ましい。このインク供給経
路として用いられるチューブとしては、フッ素ゴム、イ
ソプロピレンゴム、シリコーンゴムなどのゴム系、テフ
ロンなどのフッ素樹脂系、ポリオレフィン、ポリエチレ
ン、塩化ビニルなどのプラスチック系が好ましいが、こ
れに限定されるものではない。
【0031】また、記録ヘッドユニット24,25のホ
ームポジションの下部には、キャッピング手段36が設
けられている。このキャッピング手段36は、非プリン
ト時に各記録ヘッドの吐出口面に当接されるものであ
り、非プリント時に各記録ヘッド110がキャッピング
手段36と対向する位置であるホームポジション位置へ
移動してキャッピングを行う。これは記録ヘッド110
を空気中に長時間報知すると、ノズル内のインクが蒸発
して増粘し、インクの吐出が不安定になるためで、これ
を防ぐために、非プリント中はノズル部を外気と遮断し
て密閉(キャッピング)している。このキャッピング手
段36の内部には、インクで湿潤状態に保たれた吸液材
が設けられており、内部を高湿潤度に維持してインクの
増粘を最小限に抑えている。
【0032】図3は、本実施の形態に適したインク供給
経路を模式的に示した図である。尚図3においては、1
つの記録ヘッド分のインク供給経路を示しており、この
インク供給経路は、実際は記録ヘッド110の個数分備
えている。
【0033】インク貯蔵ユニット26内において、13
10は大容量のインクを貯蔵するためのインクタンクで
あり、1320は記録ヘッドユニット24(25)と水
頭差を一定にし、インク吐出の安定化を図っているサブ
タンクである。340はメインタンク1310のインク
をサブタンク1320に供給するためのポンプである。
300はサブタンク1320のインクを撹拌する撹拌部
材である。また、各構成要素はインク供給チューブ10
30で接続される。
【0034】以上の構成において、インク貯蔵ユニット
26は、本実施の形態の捺染装置のインクジェット記録
部の外部に設けられているので、供給チューブ1030
の長さは特に長くなる。尚、記録ヘッドユニット24ま
での供給チューブ1030の位置において、鉛直方向の
位置の差(高低差)がない完全に水平な位置構成を取る
ことは不可能である。
【0035】記録ヘッドユニット24へのインクの供給
は、通常、毛細管作用により記録ヘッドから吐出される
分だけ自動的に記録ヘッドに供給される。また、サブタ
ンク1320へのインク供給は、サブタンク1320に
設けられたインクセンサ350からの信号によりユーザ
に警告するとともにインクの供給を停止する。
【0036】インク撹拌部材320はモータ330によ
り回転駆動され、メインタンク1310に貯蔵された大
量のインクを撹拌し、タンク1310中のインクの色料
の凝集、沈降を防ぐために、所定のタイミングにて駆動
されて回転される。
【0037】次に、本実施の形態で使用されるインクに
ついて説明する。
【0038】本実施の形態に適するインクとしては、水
に不溶性、あるいは難溶性の色料を分散したインクジェ
ット用インクが挙げられる。この色料とは、物体に色を
付与する性質のある物質のことである。ここでは、分散
染料、金属錯塩染料、顔料などが使用される。
【0039】分散染料としては、C.I.ディスパーズ
イエロー5,42,54等、金属錯塩染料としては、ア
シッドミーリングサイアニン5R、アシッドファースト
サイアニングリーンG等が好ましいが、これらの染料に
限定されるものではない、また顔料としては、ウルトラ
マリン、酸化チタニウム、テナール青などの無機顔料の
ほか、ジアゾエロー、ジスアゾオレンジ、パーマネント
カーミンFB等の有機顔料が好ましいが、これらの顔料
に限定されるものではない。
【0040】以下、本発明の好適な実施例の形態をより
詳しく説明するが、本発明はこれに限定するものではな
い。
【0041】本実施の形態のインクジェットプリントに
おけるインク滴の吐出プロセスは前述した通りであり、
電気熱変換体にパルス信号によるエネルギーを印加する
ことによってインクを発泡させてインク吐出滴を得てい
る。
【0042】図4は、電気熱変換体に投入するエネルギ
ーと記録濃度との関係を示す図、図5は、本実施の形態
の捺染装置の記録ヘッドの電気熱変換体に印加されるパ
ルス波形を示す図である。
【0043】図4のX軸である印加時間T1は、図5に
おけるa−MHn(n=1〜11)信号のパルス幅を示
している。
【0044】図4に示されたパルス信号による印加時間
と記録濃度との関係より、パルス信号の印加時間を長く
(電気熱変換体への投入エネルギーを増やす)していく
と、それにつれて記録濃度も上昇し、印加時間が4.5
μ秒を越えると記録濃度が減少に転じていることがわか
る。これは、電気熱変換体に加えられたエネルギーが過
大となり、適正なインクの発泡が行われなくなって異常
吐出となり、これにより記録濃度が低下しているものと
考えられる。また印加エネルギーが小さすぎても適正な
インクの発泡が行われないため、記録濃度が低下してい
ることが分かる。
【0045】そこで、本願発明者が数多くの実験を行っ
た結果、記録ヘッド110のノズル内の電気熱変換体に
投入する電気パルスの幅を、適正なインクの発泡を保つ
ことができる領域でコントロールすることによって、記
録濃度を制御することができることを見い出した。
【0046】本実施の形態における布帛への染色を考え
た時、鮮明な画像を印刷するのが望ましく、この場合、
布帛の裏側へのインクの浸透が要求される。従って、記
録ヘッドの寿命の許す範囲内で、最大記録濃度が得られ
るパルス幅で記録ヘッドを駆動して記録を行うのが望ま
しい。
【0047】この場合、前述したサテライトによる記録
濃度差を解消するにあたっては、サテライトによって濃
度が上昇する記録方向(前述の例では復路方向)のパル
ス印加時間を固定して、反対の記録方向(往路方向)で
の記録濃度を上げようとしてパルス印加時間を大きくす
ると、記録ヘッドの負荷が増大して所定の寿命時間に到
達する前に破損する可能性が高くなる。また、装置の電
源容量の面を考慮しても、パルス印加時間を大きくする
ことは望ましくない。
【0048】そこで本実施の形態では、サテライトによ
り記録濃度が高くなる記録方向(復路方向)でのパルス
印加時間を短くして記録濃度を低下させ、逆にサテライ
トによる記録濃度への影響がでない記録方向(往路方
向)との間の濃度バランスを取ることによって、キャリ
ッジ34の往路走査と復路走査による記録により発生す
る、サテライトに起因する記録濃度差を解消するもので
ある。
【0049】図5のタイミング図を説明する前に、図6
及び図7を参照して本実施の形態の捺染装置の構成を説
明する。
【0050】図6は本実施の形態の捺染装置の構成を示
すブロック図である。
【0051】100は装置全体の動作を制御するメイン
コントローラで、マイクロプロセッサ等のCPU13
1、CPU131の制御プログラムや各種データなどを
記憶しているプログラムメモリ132などを備えてい
る。101はフレームメモリで、プリントする画像デー
タを記憶している。102は入力装置で、図示しない外
部機器(コンピュータ)より画像データを受取って入力
している。103,104のそれぞれはモータドライバ
で、それぞれ対応するキャリッジモータ105及び布帛
の搬送用モータ106を回転駆動している。
【0052】107はドライバ・コントローラで、メイ
ンコントローラ100との間でデータの授受を行い、記
録ヘッド110の駆動制御を実行している。メモリ10
8は記録ヘッド110に出力する印刷データを一時的に
記憶している。109は記録ヘッド110を駆動するヘ
ッドドライバである。記録ヘッド110は、イエローイ
ンクを吐出して記録する記録ヘッド110Y、マゼンタ
インクを吐出して記録を行うマゼンタ記録ヘッド110
M、シアンインクを吐出して記録を行うシアン記録ヘッ
ド110C、及び黒色のインクを吐出して記録を行う黒
記録ヘッド110Kを含んでいる。
【0053】図7は本実施の形態の捺染装置で使用され
る記録ヘッド110の構成を示すブロック図である。
【0054】この記録ヘッド110は、それぞれが12
8ノズルからなるヘッドチップ121を11個(IC1
〜IC11)並べて形成されたインクジェット方式のイ
ンライン型の長尺ヘッドである。ドライバコントローラ
107の制御の下にヘッドドライバ109から記録ヘッ
ド110に出力される吐出駆動パルスは、11個のヘッ
ドチップ121のそれぞれに適したデューティのクロッ
ク信号122(a−MH01〜a−MH11)として供
給されている。ここで11個のヘッドチップ121のそ
れぞれの駆動信号のデューティを変更しているのは、ヘ
ッドチップ121のそれぞれの印加パルスに対するイン
ク吐出量がばらついているためである。そこで、このよ
うなインク吐出量のバラツキを補正して各ヘッドチップ
121を駆動することにより、インク吐出量のバラツキ
に起因する記録濃度差を解消して、均一な濃度の印刷結
果を得ることができる。尚、これら各ヘッドチップ12
1のインク吐出特性のバラツキは、EEPROM120
に記憶されており、ドライバコントローラ107はこの
EEPROM120の内容を読取り、その特性に応じた
駆動パルスを印加するように制御している。
【0055】また図7において、VHは電源電圧、PG
NDは接地を示し、DLATは各ヘッドチップ121へ
のデータラッチ信号を示している。また、SCKはEE
PROM120にアクセスするためのクロック信号、S
DOはEEPROM120への出力データ、SDIはE
EPROM120120からの入力データ、a−CSE
RはEEPROM120のチップセレクト信号である。
また123は各ヘッドチップ121を駆動するサブヒー
トパルス信号(a−PT)である。また図7の各信号に
付された「*」は、その信号がローツルー(ロウレベル
の時にイネーブル)であることを示している。
【0056】尚、図7では、データ入力ライン等、本実
施の形態の主要動作を説明するのに不要な信号は省略し
て示している。
【0057】次に図5のタイミングチャートを参照して
本実施の形態の捺染装置における駆動制御について説明
する。
【0058】PHCKは、ドライバコントローラ107
から出力され、記録周波数がT4で示される基準のクロ
ック信号である。このクロック信号PHCKの立上りを
基準として各種パルス信号が生成されている。
【0059】a−PTパルス(パルス幅T0)は、ドラ
イバコントローラ107から出力され、DATAライン
に信号が無い時にノズルヒータである記録ヘッド110
の電気熱変換体を駆動するために出力される。これは例
えば、記録する画素位置が偏った画像を連続して記録す
ると特定のノズルだけが連続して駆動されてしまう。こ
れにより記録ヘッド110の内部温度が偏ってしまい、
この温度の偏りによるインクの粘性変化が生じる。これ
によりインクの吐出効率が変化し、記録された画像の濃
度ムラとなって現れることになる。そこで、DATAラ
インに画像データの無い時(記録データが無い時)にノ
ズル内のインクの発泡が生じない程度のパルス信号を電
気熱変換体に印加し、これによってヘッド内部のインク
温度のばらつきを最小限に抑えるものである。
【0060】各ヘッドチップ121への駆動信号のパル
ス幅は、前述したように記録ヘッド110のEPROM
120から読み出すことによって設定される。即ち、ド
ライバコントローラ107は、このEEPROM120
から読み取ったデータをメモリ108に記憶し、その記
憶したデータに従って各ヘッドチップ121への駆動パ
ルス信号のパルス幅を決定する。
【0061】図5において、50,51のそれぞれは各
ヘッドチップ121へのメインヒートパルス信号(a−
MHn)を示しており、各パルス幅はT3に設定されて
いる。ヒート信号50の場合は、DATAが存在しない
ので電気熱変換体には通電が行なわれず、ヒート信号5
1ではDATAが存在しているため、52で示すように
電気熱変換体に通電が行われる。尚、53で示すよう
に、a−PT信号が入力された時にDATAが存在する
時は、電気熱変換体への通電が行われない。
【0062】次に図8のフローチャートを参照して、本
実施の形態の捺染装置における動作を説明する。尚、本
実施の形態の捺染装置は、記録ヘッド110を走査して
記録を行うシリアルスキャン型のプリンタ装置であり、
キャリッジ34の往復走査により記録を行っている。
尚、この処理を実行する制御プログラムはメインコント
ローラ100のプログラムメモリ132に記憶されてい
る。
【0063】この処理は例えば装置の電源オンにより開
始され、まずステップS1で、EEPROM120に記
憶されているデータを読み出して記録ヘッド110の各
ヘッドチップ121のインク吐出特性値を得る。この値
に基づいて、ステップS2で、各色の記録ヘッド110
Y〜110Kの各ヘッドチップ121に印加するメイン
ヒートパルス(a−MHn)のパルス幅を決定し、その
パルス幅をメインコントローラ100のメモリに記憶す
る。更に、このパルス幅の情報はドライバコントローラ
107に送られて、メモリ108に記憶される。そして
実際の記録時には、メインコントローラ100の制御の
下にドライバコントローラ107によりパルス幅が制御
される。
【0064】次にステップS3に進み、入力装置102
を介して画像データを入力し、フレームメモリ101に
記憶する。そしてステップS4では、プリントの開始が
指示されたかどうかを調べ、プリント開始が指示される
までステップS3,S4を繰り返し実行し、プリント開
始になるとステップS5に進み、キャリッジモータ10
5の回転を開始してキャリッジ34の走行を開始する。
【0065】次にステップS6に進み、ドライバコント
ローラ107、ヘッドドライバ109を介して記録ヘッ
ド110にプリントデータを出力するとともに、ドライ
バコントローラ107によりメモリ108に記憶してい
るパルス幅情報に従ってヒート信号(a−MHn)を出
力して記録を行う。次にステップS7に進み、往路走査
による記録が終了したかどうかを調べ、終了していない
時はステップS6に戻る。
【0066】往路走査による記録処理が終了するとステ
ップS8に進み、搬送用モータ106を駆動し、記録ヘ
ッド110により記録された画像の幅分だけ布帛1を搬
送して巻き取りロール20に巻き取り、次にキャリッジ
モータ105を前述の往路方向のキャリッジ走査の時と
は逆方向に回転させて、キャリッジ34の復路走査を開
始する。次にステップS9に進み、往路方向の記録とは
逆方向に画像データをフレームメモリ101より読み出
しドライバコントローラ107、ヘッドドライバ109
を介して記録ヘッド110に出力する。次にステップS
10に進み、今度は前述の往路走査の場合と比較して、
それよりも短いパルス幅のメインヒート信号(a−MH
n)を出力することにより記憶ヘッド110を駆動して
印刷を行う。
【0067】こうしてステップS11で復路走査による
記録が終了したかどうかを調べ、復路走査による記録が
終了するまでステップS9〜S11を繰り返し実行す
る。こうして復路走査での記録が終了するとステップS
12に進み、所望の画像データの印刷が終了したかを調
べ、終了していない時は搬送用モータ106を回転駆動
し、記録が完了した画像幅分だけ布帛1を搬送し、ステ
ップS5に戻り、前述の処理を実行する。ステップS1
2で画像の記録が終了すると、記録済みの布帛1を所定
量巻き取って画像記録(印刷)処理を終了する。
【0068】尚、本実施の形態では、復路走査での印刷
時に記録された画像濃度が濃くなるために、復路走査に
おいて記録ヘッドの駆動パルスの幅を短くするようにし
たが本発明はこれに限定されるものでなく、例えば往路
走査での印刷時に記録された画像濃度が濃くなる場合に
は、往路走査において記録ヘッドの駆動パルスの幅を短
くするようにすれば良いことはもちろんである。
【0069】[実施の形態2]図9は本発明の実施の形
態2における記録ヘッド110aに印加するパルス信号
の波形を示すタイミング図、図10は本実施の形態2で
使用される記録ヘッド110aの構成を示すブロック図
である。尚、この実施の形態2における捺染装置のハー
ドウェア構成は前述の実施の形態1の構成と同様である
ため、その説明を省略する。
【0070】図10から明らかなように、実施の形態2
の記録ヘッド110aも前述の実施の形態1の記録ヘッ
ド110と同様に、11個のヘッドチップ121aを有
している。
【0071】次に図9のタイミングチャートを参照して
本実施の形態2の捺染装置における駆動制御について説
明する。
【0072】PHCKは、ドライバコントローラ107
から出力され、記録周波数がT4で示される基準のクロ
ック信号である。このクロック信号PHCKの立上りを
基準として各種パルス信号が生成されている。
【0073】a−PTパルス(パルス幅T0)は、ドラ
イバコントローラ107から出力され、DATAライン
に信号が無い時にノズルヒータである記録ヘッド110
aの電気熱変換体を駆動するために出力される。これは
例えば、記録する画素位置が偏った画像を連続して記録
すると特定のノズルだけが連続して駆動されてしまう。
これにより記録ヘッド110の内部温度が偏ってしま
い、この温度の偏りによるインクの粘性変化が生じる。
これによりインクの吐出効率が変化し、記録された画像
の濃度ムラとなって現れることになる。そこで、DAT
Aラインに画像データの無い時(記録データが無い時)
にノズル内のインクの発泡が生じない程度のパルス信号
を電気熱変換体に印加し、これによってヘッド内部のイ
ンク温度のばらつきを最小限に抑えるものである。
【0074】a−PH1〜a−PH4はプレヒートパル
ス信号を示し、ここでは4種類(PH1〜PH4)のプ
レヒート信号が入力でき、図示しないセレクトデータ
(予各ヘッドチップに格納されている)に応じて各ヘッ
ドチップ毎に選択される。ここではこのプレヒートパル
ス信号のパルス幅をT1に設定している。このプレヒー
トパルス信号は、DATAが存在する時に印加される
と、その時間だけ記録ヘッド110aの電気熱変換体に
通電する。このプレヒートパルス信号のパルス幅T1
は、これだけではインクの吐出が発生しない値(時間)
に設定されている。
【0075】図9において、90,91のそれぞれは、
プレヒートパルスとメインヒートパルスを示している。
この場合は、DATAが存在しているので、電気熱変換
体は92,94で示すように通電され、これら通電時間
の間には時間T2で示される通電休止時間が存在してい
る。
【0076】図11は、この休止時間と記録濃度との関
係を示す図である。
【0077】本実施の形態2のインクジェット・プリン
トにおけるインク滴の吐出プロセスは前述した通りであ
る。即ち、記録ヘッド110aの電気熱変換体に極短パ
ルスを印加して熱エネルギーを付与することにより、ノ
ズル内のインクを発泡させてノズルよりインク吐出滴を
得る。この場合、1つのメインヒート信号、いわゆるシ
ングルパルスを電気熱変換体に投入するよりも、最初に
プレヒートパルス(パルス幅T1:T1≪T3)を投入
した後、休止時間T2の後に、メインヒートパルス(パ
ルス幅T3)を印加する方がインクの吐出効率が良くな
り、同じメインヒートパルス幅でもインク吐出量が多く
なることが明らかになっている。更に、休止時間の長さ
を変更することによっても、記録濃度を制御できること
が知られている。
【0078】図11の休止時間T2と記録濃度との関係
が凸形状を示している。このグラフ図において、最大濃
度ポイントAよりも右側の方が制御し易く見えるが、こ
の右側では休止時間が長くなるため、記録速度の低下に
つながる。従って、休止時間がより短い、最大濃度ポイ
ントよりも左側を用いて制御を行う。
【0079】即ち、往路走査と復路走査において発生す
る、サテライトによる記録濃度差を解消するためには、
サテライトの影響がでない記録方向では休止時間T2
を、“0”である従来のシングルパルスから最大濃度が
得られるT2までを使用したダブルパルスによる駆動で
画像濃度設定を行う。一方、サテライトの影響により記
録濃度が設定値よりも高くなる走査方向では、休止時間
T2をサテライトの影響のない記録走査方向の場合より
も短くすることによって、記録濃度を低下させるのが望
ましい。
【0080】尚、この休止時間T2は、図9に示すよう
に、PHCKの立ち上がりからメインヒートパルス信号
(a−MH01〜a−MH11)の立ち下がりまでの期
間T5から、PHCKの立ち上がりからプレヒートパル
ス信号(a−PH01〜a−PH04)の立ち上がりま
での期間(T0+T1)を減算したものである。従っ
て、a−PTのパルス幅(T0)、及びPHCKの立ち
上がりからメインヒートパルス信号(a−MH01〜a
−MH11)の立ち下がりまでの期間(T5)を変更す
ることによって。この休止時間(T2)を変更すること
ができる。
【0081】図12は、この実施の形態2の捺染装置に
よる記録処理を示すフローチャートで、前述の実施の形
態1の動作フローチャート(図8)と共通する部分は同
じ番号で示し、その説明を省略する。
【0082】この処理では、ステップS6aでは往路走
査によりダブルパルスで記録を行い、ステップS10a
における復路での走査記録時には、往路走査時よりも短
い休止時間で記録するように動作する。
【0083】尚、この処理を実行する制御プログラムは
メインコントローラ100のプログラムメモリ132に
記憶されている。
【0084】また、往路走査による記録時の方が復路走
査時よりも記録濃度が濃くなる時は、往路走査時に休止
時間を短くするように制御することはもちろんである。
【0085】更に、この休止時間以外にも、或はこの休
止時間の制御に加えて、プレヒートパルス幅を変更して
記録濃度のバラツキを抑えるようにしても良い。この場
合はプレヒートパルス幅を長くすると記録濃度が高くな
り、逆にプレヒートパルス幅を短くすると記録濃度が低
下するので、サテライトによる記録濃度への影響が現れ
る走査では、プレヒート幅を短くして記録濃度の上昇を
抑えるようにすれば良い。
【0086】尚、このようなインクジェットによる捺染
を行う上で、捺染対象となる布帛は、綿、絹、羊毛等の
天然繊維、ナイロン、レーヨン、ポリエステル等の合成
繊維、これらの繊維の混紡品など多岐に亙る。従って、
これらの繊維を染色する色料も多岐に亙る。例えば、ポ
リエステル繊維には、分散染料、羊毛には金属錯塩染
料、綿にはバット染料、あるいは顔料といったような、
水に不溶性或は難溶性の色料が使用される場合がある。
【0087】これらの水に不溶性或は難溶性の色料から
水性インクを調製するためには、色料原体を微粒子化
し、分散剤で水中へ分散、乳化すれば良い。
【0088】更に、被記録材の幅方向に多数の吐出口を
配列したラインタイプの記録ヘッドを使用したインクジ
ェット記録装置では、より一層の高速記録が可能であ
る。
【0089】このようなインクジェット記録装置を捺染
に使用すれば、スクリーン捺染に用いられるスクリーン
版を必要とせず、布帛に印刷するまでの工程、日数が大
幅に短縮できるほか、装置の小型化も達成できる。
【0090】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0091】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応し液体(イ
ンク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡
の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)
を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆
動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収
縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)
の吐出が達成でき、より好ましい。
【0092】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0093】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0094】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0095】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0096】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0097】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0098】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化する
ものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では
インク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0099】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0100】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として一体または別体に設けられるものの他、リー
ダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有
するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良
い。
【0101】また、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ,インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0102】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても達成される。
【0103】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0104】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0105】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0106】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0107】以上の説明したように本実施の形態によれ
ば、シリアルスキャンでの往復記録において、往路と復
路で濃度をコントロールすることができ、その結果、サ
テライトによって発生する往路走査による記録と復路走
査による記録における記録濃度の差を取り除くことがで
き、常に高品位なプリントを行うことができる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンクジェット記録における記録濃度のバラツキを補正し
て高品位な画像を記録できるという効果がある。
【0109】また本発明によれば、インクジェット記録
に付随する要因に起因して濃度が濃く記録される際に
は、記録ヘッドに印加するエネルギーを少なくして記録
濃度のバラツキの発生を抑えることができるという効果
がある。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェット捺
染装置の概略構成を示す模式的側断面図である。
【図2】図1に示す装置の概略斜視図である。
【図3】図1に示す装置で用いられるインク供給経路を
示す模式図である。
【図4】本実施の形態の捺染装置の記録ヘッドへの印加
エネルギーと記録濃度との関係を示すグラフ図である。
【図5】本発明の実施の形態1における電気熱変換体に
印加するパルス信号の波形図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るインクジェット捺
染装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1における記録ヘッドの内
部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1のインクジェット捺染装
置の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2における電気熱変換体に
印加するパルス信号の波形図である。
【図10】本発明の実施の形態2における記録ヘッドの
内部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態2における電気熱変換体
のダブルドライブでの休止時間と記録濃度との関係を示
すグラフ図である。
【図12】本発明の実施の形態2のインクジェット捺染
装置の処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態のインクジェット方式における
インク吐出プロセスを説明する概略図である。
【図14】従来のサテライトによる布帛上の着弾模式図
である。
【符号の説明】
100 メインコントローラ 105 キャリッジモータ 107 ドライバコントローラ 108 メモリ 109 ヘッドドライバ 110 記録ヘッド 120 EEPROM 121 ヘッドチップ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出して記録を行う記録ヘッド
    と被記録媒体とを相対的に移動して前記被記録媒体に画
    像を記録するインクジェット記録装置であって、 前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に往復移動さ
    せる搬送手段と、 前記搬送手段による相対移動に同期して、画像データに
    基づいて前記記録ヘッドを駆動して画像を記録する記録
    手段と、 前記搬送手段による往路移動と復路移動とにおいて前記
    記録手段による前記記録ヘッドの駆動条件を変更する記
    録制御手段と、を有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録制御手段は、前記記録ヘッドよ
    り吐出されるインク量を変化させることを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録制御手段は、前記記録ヘッドを
    駆動するパルス信号のパルス幅を変化させることを特徴
    とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録制御手段は、前記記録ヘッドを
    プレヒートパルスと主ヒートパルスとで駆動し、前記プ
    レヒートパルスと主ヒートパルスの間の休止時間を変化
    させることを特徴とする請求項2に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録制御手段は、前往路移動時と復
    路移動時とで前記被記録媒体の記録画像濃度に差異が生
    じる場合、濃度が濃くなる移動方向での記録時に前記記
    録ヘッドへの印加エネルギーを少なくするように制御す
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは当該記録ヘッドのイン
    ク吐出特性を記憶したメモリを有し、前記記録制御手段
    は、前記メモリから読み出したインク吐出特性に従って
    前記記録ヘッドへの印加エネルギーを更に制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 インクを吐出して記録を行う記録ヘッド
    と被記録媒体とを相対的に移動して前記被記録媒体に画
    像を記録するインクジェット記録方法であって、 前記記録ヘッドと前記被記録媒体を相対的に往復移動さ
    せる工程と、 前記記録へドットと前記被記録媒体の相対移動に同期し
    て、画像データに基づいて前記記録ヘッドを駆動して画
    像を記録する工程と、 前記記録ヘッドと前記被記録媒体の相対往路移動と復路
    移動とにおいて前記記録ヘッドの駆動条件を変更する記
    録制御工程と、を有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  9. 【請求項9】 前記記録制御工程では、前記記録ヘッド
    より吐出されるインク量を変化させることを特徴とする
    請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 前記記録制御工程では、前記記録ヘッ
    ドを駆動するパルス信号のパルス幅を変化させることを
    特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 前記記録制御工程では、前記記録ヘッ
    ドをプレヒートパルスと主ヒートパルスとで駆動し、前
    記プレヒートパルスと主ヒートパルスの間の休止時間を
    変化させることを特徴とする請求項9に記載のインクジ
    ェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記記録制御工程では、前往路移動時
    と復路移動時とで前記被記録媒体の記録画像濃度に差異
    が生じる場合、濃度が濃くなる移動方向での記録時に前
    記記録ヘッドへの印加エネルギーを少なくするように制
    御することを特徴とする請求項8に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは当該記録ヘッドのイ
    ンク吐出特性を記憶したメモリを有し、前記記録制御工
    程では、前記メモリから読み出したインク吐出特性に従
    って前記記録ヘッドへの印加エネルギーを更に制御する
    ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105196713A (zh) * 2015-10-19 2015-12-30 深圳弘美数码纺织技术有限公司 介质连续运动的印花装置及其控制方法和数码印花机

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CN105196713A (zh) * 2015-10-19 2015-12-30 深圳弘美数码纺织技术有限公司 介质连续运动的印花装置及其控制方法和数码印花机

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