JPH10118709A - 熱間仕上圧延した金属板の通板安定装置および熱延仕上圧延した金属板の通板安定方法 - Google Patents

熱間仕上圧延した金属板の通板安定装置および熱延仕上圧延した金属板の通板安定方法

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JPH10118709A
JPH10118709A JP27437296A JP27437296A JPH10118709A JP H10118709 A JPH10118709 A JP H10118709A JP 27437296 A JP27437296 A JP 27437296A JP 27437296 A JP27437296 A JP 27437296A JP H10118709 A JPH10118709 A JP H10118709A
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out table
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JP27437296A
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Naoki Nakada
直樹 中田
Nobuhiro Ito
伸宏 伊藤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B39/00Arrangements for moving, supporting, or positioning work, or controlling its movement, combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B39/02Feeding or supporting work; Braking or tensioning arrangements, e.g. threading arrangements
    • B21B39/12Arrangement or installation of roller tables in relation to a roll stand
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
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    • B21B45/0209Cooling devices, e.g. using gaseous coolants
    • B21B45/0215Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes
    • B21B45/0218Cooling devices, e.g. using gaseous coolants using liquid coolants, e.g. for sections, for tubes for strips, sheets, or plates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板先端部のまくれやループの発生による通板
の不安定を防止するように、熱延鋼板に高圧水を噴射す
る装置を提供すること。 【解決手段】熱延仕上圧延後のランアウトテーブル上で
熱延鋼板の通板を安定させる装置であって、ランアウト
テーブルの少なくとも上流側に、熱延鋼板の上面に対し
て噴射する噴射水の熱延鋼板進行方向の速度成分が、熱
延鋼板の速度以上となるように噴射する1以上のスプレ
ー装置と、各スプレー装置の動作を制御する制御装置と
を備える。そして、制御装置は各スプレー装置の噴射開
始、噴射停止タイミングを演算する演算手段と、該演算
手段による演算結果を参照して、各スプレー装置の噴射
開始、噴射停止動作を制御する動作制御手段とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼板の熱間仕
上圧延後のランアウトテーブル上での通板を安定させる
ように、熱延鋼板に水を噴射するものに係わり、特に、
鋼板の先端部のまくれやループの発生による通板の不安
定を防止し、鋼板巻取時のトラブル等を回避するための
手段に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延処理された鋼板(熱延鋼板)
は、通常、仕上圧延機から送出された後、ランアウトテ
ーブル上を通板し、ピンチローラ装置によってその通板
方向が変更され、最終的に巻取装置に巻き取られコイル
として製品になる。
【0003】そして、熱延鋼板がランアウトテーブル上
を進行する際には、巻取装置付近での温度が所定の目標
温度になるように、冷却設備で冷却される。この冷却設
備としては、一般に、注水タンクにバルブを介して連結
された冷却ヘッダが採用されており、さらに、冷却ヘッ
ダには、冷却水を鋼板の直上および/または直下に噴射
するためのノズルが設けられており、鋼板の進行に合わ
せて、バルブ開閉制御動作によって、注水タンクからノ
ズルを介して冷却水の噴射開始、噴射停止が行われるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱延鋼板の
製造ラインにおいて、圧延速度(ランアウトテーブル上
では「搬送速度」や「通板速度」と称する)を高速化す
ることは、製品の生産効率を向上するためには有効であ
るが、板厚の薄い鋼板は剛性が小さいので、鋼板先端部
のランアウトテーブル上での通板速度が、所定値以上に
なるように設定すると、板厚の薄い鋼板は、ランアウト
テーブルを構成するテーブルローラ上をバウンドしなが
ら走行するようような現象が発生してしまい、通板が不
安定になる。なお、まくれの発生について、図1を参照
して説明しておくと、以下のようになる。
【0005】図1に示したシステムにおいては、仕上圧
延機2から送出された鋼板1は、回転自在に支持されて
いる、複数のテーブルローラ2からなるランアウトテー
ブル6上を通過し、上ロールおよび下ロールからなるピ
ンチローラ装置5によって進行方向を変更されて、巻取
装置3にて巻き取られ、コイルとなる。そして、ランア
ウトテーブル6の通過の際に、冷却水を鋼板の真上およ
び直下に噴射する冷却設備30a、30bによって冷却
される。
【0006】さて、鋼板1の最先端部が、テーブルロー
ラ4から浮き上がった状態で、ランアウトテーブル6上
を通板すると、冷却水から受ける抵抗力や蛇行時にサイ
ドガイド(図示しない、ランアウトテーブルの側面に設
けられる設備)に衝突した時の衝撃力等によって、図1
に示すように、鋼板1の最先端部がまくれ上がってしま
うことによって、まくれが発生する。このまくれが発生
すると、鋼板1の先端部がピンチローラ装置5の上・下
ロール間に進入できず、巻取装置3による巻取り動作が
行えなくなるばかりか、ピンチローラ装置5の近傍の装
置を破損させてしまう事態さえ発生しうる。また、かろ
うじて巻取動作が行えたとしても、鋼板1の先端部(先
頭部)を折り曲げて巻取る(以下、「頭折れ」と称す
る)ことになり、この頭折れの部分を切り取って製品出
荷を行わなければならなくなるため、製品の歩留りが著
しく低下していた。
【0007】さらに、鋼板1の先端部に、このようなま
くれが発生しない場合であっても、いわゆるループが発
生する場合がある。このループは、図2に示すように、
冷却設備30a、30bが噴射する冷却水から受ける抵
抗力等により鋼板1の先端部の進行方向の速度が仕上圧
延機2の圧延速度を下回ってしまうことによって、ラン
アウトテーブル6上で、鋼板1に発生するものである。
このループが発生すると、鋼板1の長手方向に対する冷
却水の供給が一様でなくなるため、巻取り温度がコイル
長手方向で一定でなくなり、製品材質にむらが生じてし
まうことになり、このような場合には、鋼板1の巻取温
度が、目標巻取温度から大きくずれてしまった部分を切
り取って製品出荷を行わなければならないため、製品の
歩留りが著しく低下していた。
【0008】このような問題に対して、例えば特開平5
−315290号公報記載の技術によれば、比較的板厚
の薄い鋼板をランアウトテーブル6上で減速させなが
ら、通過させることによって対処しており、この技術
は、鋼板1の先端部に後方張力を付与し、ループの発生
を防止するものであるが、鋼板1の通板速度の減速率や
減速時間を小さく設定してしまえば、小さなループの発
生を防止することしかできない。また逆に、減速率や減
速時間を大きく設定すれば、生産効率上好ましくない。
さらに、まくれが発生しかかっている場合に、後方張力
を付与するだけでは、鋼板1の最先端部をテーブルロー
ラ4に押さえつけるための力が作用しないので、まくれ
が徐々に大きくなっていく状態を阻止することができな
いという問題点もあった。
【0009】通板を安定させる技術として、特開平4−
84617号公報には、熱間仕上圧延された金属ストリ
ップをホットランテーブル上にて冷却するに当たり、こ
の金属ストリップの進行方向に沿う如く、サイドスプレ
ーノズルからの冷却水を、金属ストリップの通板前から
注水することを特徴とする金属ストリップの冷却方法が
開示されている。
【0010】前記サイドスプレーノズルは、金属ストリ
ップ面に対する傾斜角θ1を、45度から80度の範囲
にし、また金属ストリップの進行方向に対する角度θ2
を30度から60度の範囲に設定し、ストリップの進行
方向への推進力が確保でき、さらに水の除去も達成さ
れ、ウエービングの発生を防止することが可能とされて
いる。しかしながら、この方法でもストリップの進行方
向への推進力が十分でなく高速通板するには十分でなか
った。
【0011】また、特開平8−174031号公報に
は、熱間圧延ラインのホットランテーブル上において、
金属ストリップを通板するに際して、金属ストリップの
幅方向に複数のノズルを備えたノズルヘッダを前記ホッ
トランテーブルの長手方向に複数段配列し、仕上圧延機
出側における金属ストリップの板厚、温度、形状および
バウンド高さに応じて第1段目のノズルヘッダから吹き
付けるエアの風量および圧力を制御し、金属ストリップ
の進行に従ってその先端部のバウンド高さに応じて第2
段目以降のノズルヘッダから吹き付けるエアの風量およ
び圧力を制御する熱間圧延ラインのホットランテーブル
上における通板方法が開示されている。
【0012】しかしながら、この方法もストリップの進
行方向への推進力が十分でなく高速で通板するには十分
でなかった。そこで、本発明は、上記未解決の課題を解
決するために創作されたものであって、その目的は、金
属板のランアウトテーブル上での通板を安定させるよう
に、金属板に水を噴射し、先端部のまくれやループの発
生による通板の不安定を防止し、鋼板の巻取開始時のト
ラブル等を回避するための方法および装置を提供する点
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明によれば、熱延仕上圧延後のラ
ンアウトテーブル上で熱延鋼板の通板を安定させる装置
であって、前記ランアウトテーブルの少なくとも上流側
に、前記熱延鋼板の上面に対して噴射する噴射水の熱延
鋼板進行方向の速度成分が、該熱延鋼板の速度以上とな
るように噴射する1以上のスプレー装置と、各スプレー
装置の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置
は、各スプレー装置の噴射開始、噴射停止タイミングを
演算する演算手段と、該演算手段による演算結果を参照
して、各スプレー装置の噴射開始、噴射停止動作を制御
する動作制御手段とを有する、ことを特徴とする熱間仕
上圧延した金属板の通板安定装置が提供される。
【0014】また、請求項2記載の発明によれば、スプ
レー装置から噴出した噴射水によって、熱間圧延後の熱
延鋼板のランアウトテーブル上での通板を安定させる方
法において、前記ランアウトテーブルの少なくとも上流
側で、前記熱延鋼板の上面に対して噴射する噴射水の熱
延鋼板進行方向の速度成分が、該熱延鋼板の速度以上と
なるように、所定の時間噴射する、ことを特徴とする熱
間仕上圧延した金属板の通板安定方法が提供される。
【0015】本発明では、熱間仕上圧延した金属板の先
端部分に高圧水を噴射することによって、鋼板の最先端
部をランアウトテーブルに押さえつけ、また、噴射水の
鋼板進行方向の速度成分が、鋼板の速度以上となるよう
に、高圧水を噴射するので、鋼板の最先端部に対して、
進行方向の推進力も与えることができ、まくれとループ
の発生が防げる。なお、高圧水の噴射速度は、噴射圧
力、噴射水量等を調節することによって設定すればよ
く、高圧水の、鋼板進行方向の速度成分が、鋼板の速度
以上となることの確認は、高圧水の噴射状態を高速度カ
メラ等の計測装置で計測することによって行えばよい。
【0016】また、仕上圧延機の最終スタンドを通過し
たランアウトテーブルの上流で高圧水を噴射によってテ
ーブルローラに押さえつけられると鋼板の先端部は、反
りのない平坦な形状のまま冷却設備で冷却され、強度を
増していくので、まくれはいっそう発生しにくくなる。
高圧水は、剛性が小さく、かつ、先端部を所定値以上の
通板速度で通板させなければ所定の仕上圧延温度を確保
できないような鋼板、例えば、板厚2.6(mm)以下
の鋼板で、先端部が700(mpm)以上の速度でラン
アウトテーブルを走行する際に、噴射するように制御す
ればよい。なお、高圧水を長時間噴射し続けるために
は、大型のポンプ設備が必要になるため、噴射時間は可
能なかぎり短く、例えば3秒以内とすることが好まし
い。
【0017】このように、本発明によれば、高圧水の噴
射によって、ランアウトテーブル上を走行中の鋼板の先
端部に対して、下方向の押さえつけ力、および、進行方
向の推進力を与え、通板安定性が悪いとされている板厚
2.6(mm)以下の比較的薄い鋼板に対しても、まく
れやループの発生を防止することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。図3は、本発明を適用した装置の
構成図である。本装置は、仕上圧延機2と、仕上圧延機
2に加わる荷重に対応する信号を出力するロードセル1
0と、鋼板1を進行方向に案内する、回転自在に支持さ
れた複数のテーブルローラ4からなるランアウトテーブ
ル6と、ランアウトテーブル6の終端部であって、ピン
チロールの直前に設けられ、鋼板1の進行方向を規制
し、矯正するためのサイドガイド15と、鋼板1の進行
方向を、上・下ロールで変更するピンチローラ装置5
と、鋼板1の巻取動作を行う巻取装置3と、仕上圧延機
2とサイドガイド15の間の冷却設備30とを、有して
いる。
【0019】冷却設備30は、上部冷却設備30aと下
部冷却設備30bを有し、上部冷却設備30aは図示し
ない注水タンクと、該タンクからバルブ13を介して配
管で連結された冷却ヘッダ100aと、該冷却ヘッダ1
00aに設けられた複数のノズル200a(図4にて示
す)とを備える。下部冷却設備30bは、前記注水タン
クと、該タンクから冷却水を送るための図示しないポン
プと、該ポンプからバルブ13を介して配管で連結され
た冷却ヘッダ100bと、該冷却ヘッダ100bに設け
られた複数のノズル200b(図4にても示さず)とを
備える。
【0020】バルブ13は3個の冷却ヘッダ100aま
たは冷却ヘッダ100bの注水の入り、切りを行うとし
て示したが、これに限られるものではなく所定数の冷却
ヘッダとすれば良い。図3は図示しないタンクからバル
ブ13を介して配管で連結された冷却ヘッダ100の一
部について示したが、残りの冷却ヘッダも同様に配管で
連結されている。
【0021】本発明では、さらに、水を供給可能なポン
プ14からの配管には、開閉制御可能な各バルブ13が
設置されていて、各バルブの先端部にはスプレー装置1
2A〜12Dが、高圧水を噴射可能に設けられている。
【0022】また、制御装置20(制御手段)は、ロー
ドセル10からの信号を入力し、各バルブ13に、バル
ブの開閉制御信号を供給する機能を有する動作制御部2
0b(動作制御手段)と、各バルブの開閉時刻、即ち、
各スプレーの噴射開始、噴射停止時刻を演算するための
演算部20a(演算手段)とを有し、さらに、仕上圧延
機2から各スプレー装置までの距離情報、鋼板の搬送速
度情報等を制御装置20に与えるための入力装置25が
設けられている。制御装置20は、動作プログラムを内
蔵するROM、動作プログラムを実行するためのCP
U、および、ワークエリア等として動作するRAM等の
電子デバイスで実現可能であり、入力装置25は、マウ
ス、キーボード等の入力デバイスにて実現可能であるた
め、制御装置20および入力装置25は、例えば、パー
ソナルコンピュータやワークステーション等の1台のコ
ンピュータ装置で実現可能である。
【0023】図10は、噴射水の鋼板進行方向の速度成
分を変えて、仕上板厚1.8(mm)、板幅900(m
m)を、通板速度V0 700(m/min)で、それぞ
れ500本圧延した場合の、まくれ又はループの発生率
を調べた結果を示している。
【0024】図10に示すように、噴射水の鋼板進行方
向の速度成分を鋼板の速度V0 である700(m/mi
n)に近づけると、まくれ又はループの発生率が急激に
低下し、700(m/min)以上にすると、その発生
率が零になるので、本願発明の噴射水の鋼板進行方向の
速度成分を鋼板の速度V0 以上として噴射することとし
た。
【0025】鋼板1の板厚が2.6(mm)以下の全て
の鋼板1の先端部に推進力を与えられるようにするた
め、高圧水の噴射は、その鋼板1の進行方向の速度成分
が最高で1000(mpm)となるように流量設定可能
に構成されているものとする。
【0026】具体的には、各スプレー装置の高圧水の鋼
板進行方向の速度成分が、鋼板1の進行の速度(例えば
700(mpm))以上となるように、各スプレー装置
の高圧水の噴射圧力を設定しておけばよい。
【0027】また、ランアウトテーブル6の下流の冷却
設備30で冷却する前に、スプレー装置によって高圧水
を噴射して、鋼板1を、まくれやループのない平坦な状
態にしておくことが好ましい。
【0028】本発明のスプレー装置は、仕上圧延機の最
終スタンド10とピンチロール5の間の、ランアウトテ
ーブル6の上方に配置され、金属板の上面に噴射水を、
金属板進行方向の速度成分が、該金属板の速度以上にな
るようにスプレーする。
【0029】さらに、スプレー装置はランアウトテーブ
ルの上流側に少なくとも一つ配置しないと、金属板の先
端部に、仕上圧延機の最終スタンド10を通過した直後
にまくれが発生するので、これを防止するために、スプ
レー装置はランアウトテーブル6の上流側に少なくとも
一つ配置する。
【0030】水冷を行うよりも前に先端部をまくれがな
い状態にするために、冷却設備で水冷を行っているゾー
ンよりも上流側に配置するのが好ましい。また、先端部
がコイラー手前のサイドガイド15にぶつかって折れ曲
がるのを防止するために、サイドガイド15のすぐ上流
側に配置するのがさらに好ましい。
【0031】本発明の実施形態では、ランアウトテーブ
ルの上流側である仕上圧延機最終スタンドから17.5
(mm)の場所にスプレー装置Aを1つ配置している。
さらに、本発明では仕上圧延機最終スタンドから35.
0(m)と52.5(m)の場所にそれぞれ1つと、ラ
ンアウトテーブルの下流であってピンチロール5の入側
に配置されるサイドガイド15上流の仕上圧延機最終ス
タンドから175.0(m)の場所に一つ、合計4つ配
置している。
【0032】また、本発明のスプレー装置は、図4のよ
うに上部冷却ヘッダ100aの間に配置し、上部冷却水
と干渉しないようにしてもよいが、上部冷却ヘッドの間
に配置すると該位置の冷却ヘッドの間隔が大きくなるの
で、上部冷却ヘッダ100aの上方であって、上部冷却
水と干渉しないように、例えば、図8に示すように配置
するのが好ましい。なお、図4(b)は、側面の概略
図、図4(c)は、平面概略図であり、また、図4
(a)は、図4(b)のA−A視の概略図である。
【0033】図8(a)は、側面の概略図、図8(b)
は、図8(a)のA−A視の概略図である。また、注水
が鋼板上で交差するようにスプレー装置にノズルを2個
設けた例を示したが、交差しなくても良く、金属材の圧
延する最も狭い幅の内側に注水できるように、例えば図
9に示すように注水しても良い(この正面図は図8
(a)と同じ)。
【0034】スプレー装置にノズルを2個設けた例を示
したが、ノズルを多くすると、鋼板により大きい推進力
を与えることができるので、ノズルは1か所に2〜3個
設置するのが好ましい。ただし、ノズルがランアウトテ
ーブルのセンターラインに1個だけしかなくても、鋼板
に十分な推進力を与えることができれば十分である。
【0035】鋼板1は、冷却装置30によって冷却され
るとともに、本発明の主要部をなす各スプレー装置か
ら、高圧水の噴射を受ける。さて、図5のフローチャー
トを参照して、制御装置20によって動作制御される各
スプレー装置の動作を中心に、装置の動作を説明する
と、以下のようになる。
【0036】まず、ステップS500において、入力装
置25を介して、条件を入力する。ここで、条件として
は、仕上最終スタンド(仕上圧延機2)から、各スプレ
ー装置までの位置情報、鋼板1の搬送速度等が挙げられ
る。演算部20aは、入力された条件を自身のワークエ
リアに格納する。
【0037】次に、ステップS502において、演算部
20aは、スプレー噴射開始時刻、噴射停止時刻を演算
する。即ち、鋼板1の先端部が仕上圧延機2から送出さ
れる時点を時刻「0」として、各スプレー装置のスプレ
ー噴射開始時刻、噴射停止時刻を演算する。なお、スプ
レーの噴射時間は、ここでは2.0(秒)とする。
【0038】具体的には、演算部20aが、各スプレー
装置の位置情報を、鋼板1の搬送速度で除算して、鋼板
1の先端部が各スプレー装置位置を通過する時刻を求
め、求めた時刻から、スプレー装置の応答時間等(例え
ば、1(秒))を引き算して、スプレー噴射開始時刻を
求め、さらに、スプレーの噴射時間2.0秒を加算し
て、スプレー噴射停止時刻を求める。
【0039】例えば、スプレー装置12A、12B、1
2C、12Dの仕上最終スタンドからの距離を、夫々、
17.5(m)、35.0(m)、52.5(m)、1
75.0(m)とし、板厚が1.8(mm)の鋼板の先
端を、700(mpm)の通板速度で走行させ、スプレ
ーの噴射時間を2.0(秒)とする場合、各スプレー装
置のスプレー噴射開始時刻、スプレー噴射終了時刻は、
図6に示すようになる。一例として、スプレー装置12
Aに対しては、仕上最終スタンドからの距離が17.5
(m)であり、通板速度700(mpm)として、鋼板
最先端部がスプレー装置12Aの位置を通過する時刻は
1.5(s)となるので、スプレー噴射開始時刻は0.
5(s)、スプレー噴射停止時刻は2.5(s)とな
る。
【0040】ここで、噴射開始のタイミングは、先端部
がスプレー装置を通過するタイングより1.0秒早い
が、これはスプレー噴射の応答時間や圧延速度の誤差等
を見込んだものであり、鋼板1の先端部に確実に高圧水
が当たるように、タイミング設定されている。また、ス
プレー装置の噴射時間は、2.0秒としたが、噴射時間
を短くしすぎると鋼板先端部のまくれやループの発生を
防止する効果が小さくなるうえ、スプレーを早出しする
余裕時間が制限される。
【0041】また、噴射時間をあまり長くすると、大型
のポンプが必要となってしまい、設備やランニングコス
トがかかるので、0.5秒から3.0秒にするのが好ま
しい。
【0042】次に、ステップS504において、動作制
御部20bが、ロードセル10から鋼板1の先端部通過
を示す信号を受け取ったか否かを判定する。このロード
セル10は、仕上圧延機2に荷重が加わった場合に信号
を出力するものであり、信号出力が開始された場合、先
端部の通過を示す信号(先端信号)が出力される。
【0043】さて、動作制御部20bが先端信号を検出
しない場合(No)、ステップS504でウエイト状態
になり、一方、先端信号を検出した場合(Yes)に
は、ステップS504に進む。
【0044】そして、ステップS506では、動作制御
部20bが、スプレー装置の動作を制御する。具体的に
は、動作制御部20bが、演算部20aが演算して求め
た、図6に示す、スプレー噴射開始時刻、スプレー噴射
停止時刻を参照して、対応するスプレー装置のバルブ1
3を開閉する制御を行い、高圧水の噴射開始、噴射停止
を行う。例えば、スプレー装置12Aに対しては、動作
制御部20bは、ロードセル10からの先端信号を検出
してから、0.5(秒)後(スプレー噴射開始時刻)
に、バルブを開く制御信号を制御線を介して与えて、ス
プレー装置12Aのバルブ13を開き、さらに、先端信
号検出後、2.5(秒)後(スプレー噴射停止時刻)
に、バルブを閉じる制御信号を制御線を介して与えて、
スプレー装置12Aのバルブ13を閉じて、高圧水の噴
射制御を行う。なお、この動作制御は、制御線をバルブ
毎に複数設けて並列処理するようにしておくのが好まし
い。
【0045】このようにして、鋼板進行方向の速度成分
が所定値以上(例えば700(mpm)以上)になるよ
うに、高圧水を、上方または斜め上方から鋼板に対して
噴出する、1以上のスプレー装置を準備しておき、各ス
プレー装置の噴射開始、噴射停止タイミングを演算し、
この演算結果を参照して、各スプレー装置の噴射開始、
噴射停止動作を制御する方法が実施できる。さらに、高
圧水の鋼板進行方向での噴射速度成分が、鋼板の速度成
分を上回るように、高圧水を、鋼板の上面に噴出するス
プレー装置を準備しておき、所定厚さ以下(例えば、
2.6(mm)以下)の板厚を有する、熱間仕上圧延後
の鋼板が所定値以上(例えば700(mpm)以上)の
速度でランアウトテーブルを走行する場合には、スプレ
ー装置が、所定時間の間、高圧水を噴射するように動作
制御を行う方法も実施可能である。
【0046】以下、従来の技術(エアー噴射の場合)と
比較した本発明の効果を、図7に示した具体的な数値を
参照しつつ説明する。図7には、板厚1.8(mm)の
場合と、板厚2.6(mm)の場合において、先端通板
速度の値、空気と水の噴射、スプレーの鋼板進行方向の
速度成分の値をパラメータとして、まくれ及びループの
発生率、生産性、歩留りを調べた結果を示している。噴
出する圧力は20(kgf/cm2 )とした。
【0047】まず、板厚1.8mmの鋼板を製造する場
合について説明する。従来例では、先端通板速度を65
0(mpm)、空気噴射、とした場合を例にとってお
り、この場合、まくれ及びループの発生率が30(%)
と高く、生産性が低く(×)、歩留りもあまりよくなか
った。
【0048】この従来例に対して、生産性を向上するた
め、先端通過速度を700(mpm)とすると(比較例
1)、コイル1本あたりの生産性は向上したものの
(○)、まくれ及びループの発生率が60(%)に悪化
し、また、歩留りも悪かった(×)。
【0049】この比較例1に対し、先端通板速度が70
0(mpm)であっても、本発明を適用し、スプレーか
ら噴射される高圧水の鋼板進行方向の速度成分を720
(mpm)とした場合(実施例)には、スプレーからの
噴射水が、鋼板1の先端部のまくれの発生を抑制し、か
つ、鋼板1に推進力を与えることになるので、鋼板1の
先端部はランアウトテーブル6上を安定に走行できるよ
うになった。ただし、スプレー装置から噴射される高圧
水の鋼板進行方向の速度成分を680(mpm)とした
場合(比較例2)は、噴射水が上方から当り鋼板先端部
のまくれの発生を抑制する効果は多少あったものの(ま
くれ及びループの発生率が50(%))、鋼板の先端部
に推進力を与えることができず、ループの発生は防止で
きないため、歩留りの向上は行えなかった(×)。実施
例で示すように、スプレー装置を設け、スプレー装置か
ら噴射される高圧水の鋼板進行方向の速度成分を720
(mpm)とした場合には、まくれ及びループの発生率
が0(%)、生産性および歩留りも良好であった
(○)。
【0050】次に、板厚2.6mmの鋼板を製造する場
合について説明する。従来例では、先端通板速度を65
0(mpm)、空気噴射とした場合を例にとっており、
この場合、まくれ及びループの発生率が10(%)と高
く、生産性が低く(×)、歩留りもあまりよくなかっ
た。この従来例に対して、生産性を向上するため、先端
通過速度を700(mpm)とすると(比較例3)、コ
イル1本あたりの生産性は向上したものの(○)、まく
れ及びループの発生率が20(%)に悪化し、また、歩
留りも悪かった(×)。
【0051】この比較例3に対し、先端通板速度が70
0(mpm)であっても、本発明を適用し、スプレーか
ら噴射される高圧水の鋼板進行方向の速度成分を720
(mpm)とした場合(実施例)には、スプレーからの
噴射水が、鋼板の先端部のまくれの発生を抑制し、か
つ、鋼板の推進力を与えるので、鋼板の先端部はランア
ウトテーブル6上を安定に走行できるようになった。た
だし、スプレー装置から噴射される高圧水の鋼板進行方
向の速度成分を680(mpm)とした場合(比較例
4)は、高圧水が上方から鋼板先端部に当り、まくれの
発生を抑制する効果は多少あったものの(まくれ及びル
ープの発生率が15(%))、鋼板先端部に推進力を与
えることができず、ループの発生は防止できないため、
歩留りの向上は行えなかった(×)。実施例で示すよう
に、スプレー装置を設け、スプレー装置から噴射される
高圧水の鋼板進行方向の速度成分を720(mpm)と
した場合には、まくれまたはループの発生率が0
(%)、生産性および歩留りも良好であった(○)。
【0052】このように、板厚2.6(mm)の鋼板を
製造する場合も、板厚1.8(mm)の鋼板を製造する
場合と同様に、本発明を適用して、スプレー装置から噴
射される高圧水の鋼板進行方向の速度成分を、通板速度
よりも速くすることによって、鋼板の先端部はランアウ
トテーブル6上を安定に走行できるようになり、生産性
が向上するとともに、巻取り温度の精度が向上して、製
品の歩留りも向上した。なお、本実施例は、先端通板速
度を700(mpm)の場合を示したが、先端通板速度
が800(mpm)等、700(mpm)より高い場合
であっても、スプレーの鋼板進行方向の速度成分を、通
板速度よりも速くした結果、同様の効果が得られた。
【0053】また、巻取り温度精度の向上は、歩留りの
向上のみではなく、材質のばらつきをも小さくし、より
質の高い製品製造を可能とした。例えば、前述した板厚
1.8(mm)の鋼板を製造する場合、従来では、コイ
ル先端の100(m)部分のうち、巻取り温度が目標巻
取り温度の±20(°C)以内の範囲に収まる部分は、
全体の50(%)であったが、本発明の適用により、9
2(%)まで向上することを確認した。これにより、4
0(kgf/mm2 )鋼の場合の材質の強度のばらつき
は、±4.0(kgf/mm2 )(従来)から±2.5
(kgf/mm 2 )までになり、より質の高い製品を製
造することを確認した。
【0054】以上のように、本発明によれば、ランアウ
トテーブル上を高速で走行する鋼板の先端部において、
まくれやループが発生することがほとんどなくなり、鋼
板の通板の安定化を図ることができた。これにより、板
厚2.6(mm)以下の鋼板を製造する場合において、
鋼板の通板速度の高速化が実現でき、生産効率を向上さ
せることができる。さらに、高速通板時に巻取り不可能
な状態や頭折れが発生することを防止し、巻取り温度制
御を行う際の精度向上も図ることができ、製品歩留りの
向上や製品の高品質化をも実現可能となる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、鋼板の進行方向の速度成分が所定値以上に
なるように、高圧水を、上方または斜め上方から鋼板に
対して噴出するスプレー装置を備え、演算手段が各スプ
レー装置の噴射開始、噴射停止タイミングを演算して、
動作制御手段が各スプレー装置の噴射開始、噴射停止動
作を制御するので、鋼板のまくれやループの発生を防止
して、熱延鋼板のランアウトテーブル上での通板が安定
する。
【0056】また、請求項2に係る発明によれば、鋼板
の進行方向の速度成分が所定値以上になるように、高圧
水を、上方または斜め上方から鋼板に対して噴出する、
1以上のスプレー装置を準備しておき、各スプレー装置
の噴射開始、噴射停止タイミングを演算し、各スプレー
装置の噴射開始、噴射停止動作を制御するので、鋼板の
まくれやループの発生を防止して、熱延鋼板のランアウ
トテーブル上での通板が安定する。
【0057】さらに、請求項3に係る発明によっても、
高圧水の鋼板進行方向での噴射速度成分が、鋼板の進行
方向の速度成分を上回るように、高圧水を、上方または
斜め上方から鋼板に対して噴出するスプレー装置を準備
しておき、ンアウトテーブルを走行する場合には、スプ
レー装置が、所定時間以内の間、高圧水を噴射するよう
に動作制御を行うので、鋼板のまくれやループの発生を
防止して、熱延鋼板のランアウトテーブル上での通板が
安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の問題点の説明図である。
【図2】従来の問題点の説明図である。
【図3】本発明の装置構成例を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態の説明図である。
【図5】装置の動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【図6】演算部の演算結果を示す説明図である。
【図7】本発明の効果を説明する説明図である。
【図8】本発明の実施形態の説明図である。
【図9】本発明の実施形態の説明図である。
【図10】本発明の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 仕上圧延機 3 巻取装置 4 テーブルローラ 5 ピンチローラ装置 6 ランアウトテーブル 10 ロードセル 12A スプレー装置 12B スプレー装置 12C スプレー装置 12D スプレー装置 13 バルブ 14 ポンプ 15 サイドガイド 20 制御装置 20a 演算部 20b 動作制御部 25 入力装置 30a 上部冷却設備 30b 下部冷却設備 100a 上部冷却ヘッダ 100b 下部冷却ヘッダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延仕上圧延後のランアウトテーブル上
    で熱延鋼板の通板を安定させる装置であって、 前記ランアウトテーブルの少なくとも上流側に、 前記熱延鋼板の上面に対して噴射する噴射水の熱延鋼板
    進行方向の速度成分が、該熱延鋼板の速度以上となるよ
    うに噴射する1以上のスプレー装置と、各スプレー装置
    の動作を制御する制御装置とを備え、 該制御装置は、各スプレー装置の噴射開始、噴射停止タ
    イミングを演算する演算手段と、該演算手段による演算
    結果を参照して、各スプレー装置の噴射開始、噴射停止
    動作を制御する動作制御手段とを有する、ことを特徴と
    する熱間仕上圧延した金属板の通板安定装置。
  2. 【請求項2】 スプレー装置から噴出した噴射水によっ
    て、熱間圧延後の熱延鋼板のランアウトテーブル上での
    通板を安定させる方法において、 前記ランアウトテーブルの少なくとも上流側で、 前記熱延鋼板の上面に対して噴射する噴射水の熱延鋼板
    進行方向の速度成分が、該熱延鋼板の速度以上となるよ
    うに、所定の時間噴射する、ことを特徴とする熱間仕上
    圧延した金属板の通板安定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100768311B1 (ko) * 2001-10-31 2007-10-18 주식회사 포스코 권취코일 냉각장치
CN113070343A (zh) * 2020-01-05 2021-07-06 上海梅山钢铁股份有限公司 一种防止卷取区域带钢折叠方法

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KR100768311B1 (ko) * 2001-10-31 2007-10-18 주식회사 포스코 권취코일 냉각장치
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