JPH10118658A - 導管内を流れている液体の磁気処理方法。 - Google Patents

導管内を流れている液体の磁気処理方法。

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JPH10118658A
JPH10118658A JP27676696A JP27676696A JPH10118658A JP H10118658 A JPH10118658 A JP H10118658A JP 27676696 A JP27676696 A JP 27676696A JP 27676696 A JP27676696 A JP 27676696A JP H10118658 A JPH10118658 A JP H10118658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導管中にスケールが沈着するのを防止するた
め、より効率的に磁気を液体に作用させることができ
る、導管内を流れている液体の磁気処理方法を提供す
る。 【解決手段】 液体が流れている導管の周りに、一対又
は複数対の永久磁石を、各永久磁石の同じ磁極が該導管
に密接するように、かつ各一対の永久磁石が該導管を挟
んで向き合うように配置し、更に各永久磁石における導
管に密接している磁極の反対側の磁極を鉄板で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導管内を流れてい
る液体の磁気処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体に磁気を作用させると、その液体の
化学的又は物理的性状が変化することは知られている。
磁気処理された液体、例えば水は、輸送管、タンク、排
水系統の機器などの内面にスケール(水あか、湯あか)
を発生させないとか、付着したスケールを除去するとか
の効用が挙げられている。これはスケールになり易い物
質を溶解している液体に磁場を作用させると、液体の表
面張力が低下し、また液体中溶解又は懸濁している物質
のイオンの状態が変化するので、管内壁などへのスケー
ル付着が防止されると説明されている。
【0003】このような効果を達成する目的で各種の装
置が考案されている。磁石を導管内に配置したもの、導
管外に配置したもの、1個の磁石を用いるもの、複数の
磁石を用いるもの、複数の磁石を導管に接する側の磁極
が同じになるように配列したもの、複数の磁石を導管に
接する側の磁極がN・S交互になるように配列したも
の、複数の磁石を導管の円周方向に配列したもの、複数
の磁石を導管の軸方向に配列したもの、磁石を横置きに
したもの、磁石を多段に重ねたもの、磁場と同時に電場
をかけるようにしたもの、これらの組み合わせなどが挙
げられている。
【0004】磁石を導管内に配置すれば液体に強力な磁
力を与えることが可能であるが、導管内部の流れ抵抗が
大になり、また保守点検が面倒になる。磁石を導管外に
配置する場合は導管内部の流れ抵抗に変化がなく、既設
の配管に後から取りつけることが容易であると言う利点
があるが、導管が太い場合には導管の中心部にまで強力
な磁場を形成させることが困難なので、磁気処理が不十
分になる。
【0005】磁気処理による導管のスケール防止効果を
高めるためには、導管内を流れている液体にできるだけ
高い磁力を与えれば良く、そのためにはできるだけ強力
な磁石を用いれば良いのは当然であるが、工業的に利用
できる磁石の強度には限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、同じ強さの
磁石を使用した場合でも、より効率的に磁気を液体に作
用させることができる、導管内を流れている液体の磁気
処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる導管内
を流れている液体の磁気処理方法は、液体が流れている
導管の周りに、一対又は複数対の永久磁石を、各永久磁
石の同じ磁極が該導管に密接するように、かつ各一対の
永久磁石が該導管を挟んで向き合うように配置し、更に
各永久磁石における導管に密接している磁極の反対側の
磁極を鉄板で覆うことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】3対(6個)の永久磁石を使用し
た場合を添付図面により説明する。図1は導管の直径方
向の断面図、図2は導管の長軸方向の断面図である。液
体が流れている導管1の周りに、3対(6個)の永久磁
石2A、2B、2C、2D、2E及び2Fを、各永久磁
石の同じ磁極(図ではS極)が導管1に密接するよう
に、かつ各一対(2Aと2Dの対、2Bと2Eの対、並
びに2Cと2Fの対)の永久磁石が導管1を挟んで向き
合うように配置し、更に各永久磁石における導管に密接
している磁極の反対側の磁極(図ではN極)を鉄板3
A、3B、3C、3D、3E及び3Fで覆う。各鉄板
は、導管に密接している磁極の反対側の磁極(図ではN
極)を完全にカバーできる大きさとする。図では隣接す
る3個の永久磁石用の鉄板3F、3A及び3Bが接合し
て一枚の鉄板、そして3C、3D及び3Eが接合して一
枚の鉄板になるほどに大きくした場合を示している。図
示のように、一枚の鉄板となった3F、3A及び3Bの
両端4Fと4B、並びに一枚の鉄板となった3C、3D
及び3Eの両端4Cと4Eを折り曲げて、4Bと4C、
並びに4Eと4Fをそれぞれ機械的に結合できる形状に
することにより、6個の永久磁石を所定位置関係に保持
し導管1の周りに固定するための支持部材としての役割
を兼ねさせることができる。
【0009】径の細い導管に対しては一対(2個)の永
久磁石が導管1を挟んで向き合うように配置すれば良い
が、導管の径が太い場合には4個、6個、8個、10個
〜20個などの偶数の永久磁石を2個1対として、それ
ぞれの対の2個の永久磁石が導管1を挟んで向き合うよ
うに配置する。4個の永久磁石を使用する場合は導管の
周りに角度90度の間隔で配置するのが良い。6個の永
久磁石を使用する場合は、図1に示すように、導管の周
りに角度60度の間隔で配置するのが良い。以下同様で
ある。磁石の磁極は、液体の種類に応じて、導管に接す
る側をS極としても良いし、N極としても良いが、一般
的には導管に接する側をS極とする。磁極の反対側の磁
極に重ねて設置する鉄板の表面積は磁極の表面積より大
きい方が好ましい。
【0010】以下本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものでは
ない。
【0011】
【比較例1】外径26mm、内径20mmの塩化ビニル
製パイプに25℃の水道水を通しパイプ出口の水の表面
張力を測定したところ81ダイン/cmであった。なお
表面張力の測定は米国CSCサイエンティフィック社製
CSC−デュヌーイ精密テンシオメーター:モデル#7
0535で行った。またパイプ出口の水のpHは7.1
3であった。pHの測定は東亜エレクトロニックス社製
の携帯型pHメーター:モデルHM−14Pで行った。
【0012】
【比較例2】比較例1で使用した外径26mm、内径2
0mmの塩化ビニル製パイプの周り(同じ円周上)に、
長さ65mm、幅15mm、高さ36mmで65mm×
15mmの面が磁極になっている永久磁石(長さ65m
m、幅15mm、高さ12mmの永久磁石の3段重ね)
6個を、図3に示すように、その長い面がパイプの長軸
に平行になるように、そして各磁石のS極がパイプに密
接するように、また一対の永久磁石がパイプを挟んで向
き合うように60度の角度をおいて等間隔で配置した。
この状態で塩化ビニル製パイプに25℃の水道水を比較
例1と同じ流速で通しパイプ出口の水の表面張力を測定
したところ79.3ダイン/cmであった。表面張力の
低下率は2.1%であった。またパイプ出口の水のpH
は7.07であった。
【0013】
【実施例1】比較例2と同様に設置した6個の永久磁石
のN極(パイプから遠い側)を、図1に示すように、永
久磁石2AのN極は鉄板3A、永久磁石2BのN極は鉄
板3B、永久磁石2CのN極は鉄板3C、永久磁石2D
のN極は鉄板3D、永久磁石2EのN極は鉄板3E、永
久磁石2FのN極は鉄板3Fで覆った。鉄板の厚さは2
mm、幅は65mmで、鉄板3F、3A及び3B、並び
に鉄板3C、3D及び3Eはそれぞれ一続きの鉄板を使
用し、それぞれの鉄板を湾曲させて各々が導管1の外周
のほぼ半ばを取り巻くように構成した。この状態で塩化
ビニル製パイプに25℃の水道水を比較例1と同じ流速
で通し、パイプ出口の水の表面張力を測定したところ7
8.0ダイン/cmであった。表面張力の低下率は3.
7%であった。またパイプ出口の水のpHは6.96で
あった。
【0014】
【比較例3】図4に示すように、3対(6個)の永久磁
石を、パイプを挟んで向き合う一対(2個)の永久磁石
のそれぞれ異なる極がパイプに密接するように配列した
以外は実施例1と同様に磁石と鉄板を配置した。この状
態でパイプに25℃の水道水を比較例1と同じ流速で通
しパイプ出口の水の表面張力を測定したところ80.1
ダイン/cmであった。表面張力の低下率は1.1%で
あった。またパイプ出口の水のpHは7.11であっ
た。
【0015】実施例1及び比較例1〜3の試験結果をま
とめて表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例及び比較例から明らかなように、液
体が流れている導管の周りに、偶数個の永久磁石を、各
永久磁石の同じ磁極が該導管に密接するように、かつ2
個一対とした永久磁石が該導管を挟んで向き合うように
配置することにより、導管内を流れる水道水の表面張力
は低下する(比較例1対比較例2)が、更に各永久磁石
における導管に密接している磁極の反対側の磁極に鉄板
を重ねて設置すること(実施例1)により、導管内を流
れる水道水の表面張力は一層低下する。これは各永久磁
石における導管に密接している磁極の反対側の磁極(図
ではN極)に重ねて設置した鉄板が永久磁石の磁束を遮
断する効果を示し、その分だけ導管に密接している磁極
(図ではS極)側の磁束が導管の中により深く到達し、
反対側に設置されている永久磁石からの磁束と反発しあ
って横方向にも拡大して、液体に作用する領域が拡大す
るためである。またパイプを挟んで向き合う一対(2
個)の永久磁石のそれぞれ異なる極がパイプに密接する
ように配列した場合(比較例3)は、実施例1の場合は
もとより、比較例2に比べても、導管内を流れる水道水
の表面張力の低下は劣る。
【0018】
【発明の効果】同じ強度を有する磁石を使用した場合で
も、導管内を流れている液体により強力な磁力を作用さ
せることができ、液体の表面張力を一層低下させ、管内
壁などへのスケール付着の防止効果を高める。液体のp
Hも低下するが、pHの低下は管の内壁の腐食を抑制す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って永久磁石及び鉄板を配置した導
管の直径方向の断面図である。
【図2】本発明に従って永久磁石及び鉄板を配置した導
管の軸方向の断面図である。
【図3】比較例2における永久磁石の設置方法を示す断
面図である。
【図4】比較例3における永久磁石の設置方法を示す断
面図である。
【符号の説明】 1 導管 2A 永久磁石 2B 永久磁石 2C 永久磁石 2D 永久磁石 2E 永久磁石 2F 永久磁石 3A 鉄板 3B 鉄板 3C 鉄板 3D 鉄板 3E 鉄板 3F 鉄板 4B 鉄板3Bの端部 4C 鉄板3Cの端部 4E 鉄板3Eの端部 4F 鉄板3Fの端部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が流れている導管の周りに、一対又
    は複数対の永久磁石を、各永久磁石の同じ磁極が該導管
    に密接するように、かつ各一対の永久磁石が該導管を挟
    んで向き合うように配置し、更に各永久磁石における導
    管に密接している磁極の反対側の磁極を鉄板で覆うこと
    を特徴とする導管内を流れている液体の磁気処理方法。
JP27676696A 1996-10-21 1996-10-21 導管内を流れている液体の磁気処理方法。 Expired - Lifetime JP3902277B2 (ja)

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