JPH10118611A - ソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩除去装置の制御方法 - Google Patents
ソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩除去装置の制御方法Info
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- JPH10118611A JPH10118611A JP8279065A JP27906596A JPH10118611A JP H10118611 A JPH10118611 A JP H10118611A JP 8279065 A JP8279065 A JP 8279065A JP 27906596 A JP27906596 A JP 27906596A JP H10118611 A JPH10118611 A JP H10118611A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから捕集した
捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を除去する装
置において、捕集灰の性状変化をリアルタイムで把握
し、捕集灰の性状変化に応じて、カリウム除去率、ナト
リウム回収率を最適化するための制御方法を提供する。 【解決手段】 捕集灰Aを水Wと混合してスラリ化させ
る第一攪拌槽2内において、当該スラリに硫酸12を添加
してpHを10以下に、温度を20℃以上に調整し、捕
集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させ、この液の一部
を連続的に取り出し、捕集灰を完全に溶解させた後、こ
の溶液中の各イオン濃度を連続的に測定し、これらの濃
度から捕集灰中のこれらの含有量を求め、カリウム除去
率等の最適化のために、第一攪拌槽2および、上記スラ
リから硫酸ナトリウムを析出させるための第二攪拌槽6
に、投入する全水量を調節する。
捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を除去する装
置において、捕集灰の性状変化をリアルタイムで把握
し、捕集灰の性状変化に応じて、カリウム除去率、ナト
リウム回収率を最適化するための制御方法を提供する。 【解決手段】 捕集灰Aを水Wと混合してスラリ化させ
る第一攪拌槽2内において、当該スラリに硫酸12を添加
してpHを10以下に、温度を20℃以上に調整し、捕
集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させ、この液の一部
を連続的に取り出し、捕集灰を完全に溶解させた後、こ
の溶液中の各イオン濃度を連続的に測定し、これらの濃
度から捕集灰中のこれらの含有量を求め、カリウム除去
率等の最適化のために、第一攪拌槽2および、上記スラ
リから硫酸ナトリウムを析出させるための第二攪拌槽6
に、投入する全水量を調節する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソーダ回収ボイラ
捕集灰からの食塩及びカリウム塩を除去する装置の制御
方法に関する。
捕集灰からの食塩及びカリウム塩を除去する装置の制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソーダ回収ボイラ捕集灰から食塩及びカ
リウム塩を除去する装置では、捕集灰中のナトリウムイ
オン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン及び炭
酸イオンの各濃度に応じて、カリウム塩の除去率を重視
するか或いは硫酸ナトリウムの回収率を重視するかで、
使用する水の量や第二攪拌槽での固形分析出温度などの
運転条件を最適な条件に調整する必要がある。しかし、
従来の除去装置では、これらの各イオンをオンラインで
連続的に測定する手段がなかった。そこで、定期的に捕
集灰を分取し、化学分析を行って上記の各イオン濃度を
求め、その結果を基に装置の水の使用量などの運転条件
を決定していた。しかし、この方法では化学分析に時間
がかかるため、捕集灰を採取してから添加水量等の運転
条件を変更するまでにタイムラグが生じ、この間に捕集
灰の組成が変化して最適な運転条件と違った条件で運転
せざるを得なくなるなどの不具合点があった。たとえ
ば、最適な水添加量とならないため、カリウム除去率が
目標よりも悪くなったり、逆にナトリウム回収率が悪く
なることが生じていた。
リウム塩を除去する装置では、捕集灰中のナトリウムイ
オン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン及び炭
酸イオンの各濃度に応じて、カリウム塩の除去率を重視
するか或いは硫酸ナトリウムの回収率を重視するかで、
使用する水の量や第二攪拌槽での固形分析出温度などの
運転条件を最適な条件に調整する必要がある。しかし、
従来の除去装置では、これらの各イオンをオンラインで
連続的に測定する手段がなかった。そこで、定期的に捕
集灰を分取し、化学分析を行って上記の各イオン濃度を
求め、その結果を基に装置の水の使用量などの運転条件
を決定していた。しかし、この方法では化学分析に時間
がかかるため、捕集灰を採取してから添加水量等の運転
条件を変更するまでにタイムラグが生じ、この間に捕集
灰の組成が変化して最適な運転条件と違った条件で運転
せざるを得なくなるなどの不具合点があった。たとえ
ば、最適な水添加量とならないため、カリウム除去率が
目標よりも悪くなったり、逆にナトリウム回収率が悪く
なることが生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な不具合な点を解消し、捕集灰の性状変化をリアルタイ
ムで把握し、捕集灰の性状変化に応じて、目標とするカ
リウム除去率、ナトリウム回収率を保持するのに最適な
投入水量や析出槽温度等に運転状態を保つための制御方
法を提供しようとするものである。
な不具合な点を解消し、捕集灰の性状変化をリアルタイ
ムで把握し、捕集灰の性状変化に応じて、目標とするカ
リウム除去率、ナトリウム回収率を保持するのに最適な
投入水量や析出槽温度等に運転状態を保つための制御方
法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソーダ回収ボ
イラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食
塩及びカリウム塩を連続的に除去する装置において、捕
集灰を水と混合してスラリ化させるための第一攪拌槽内
において、当該スラリに硫酸を添加して、一定時間保持
して捕集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる第一攪
拌槽内の液の一部を連続的に取り出し、これに所定量の
水を加え、捕集灰を完全に溶解させた後、この溶液中の
ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸
イオン及び炭酸イオンの各濃度を連続的に測定し、これ
らの濃度から捕集灰中のこれらの含有量を求め、脱カリ
ウム率および硫酸ナトリウム回収率の最適化のために、
第一攪拌槽および、硫酸ナトリウムを析出させるための
第二攪拌槽に、投入する全水量を調節することを特徴と
するソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩
除去装置の制御方法を提供する。本発明は、また、硫酸
を添加して捕集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる
際に、pHを7〜10に、温度を20〜50℃に調整す
ることを特徴とするソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩
及びカリウム塩除去装置の制御方法を提供する。
イラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食
塩及びカリウム塩を連続的に除去する装置において、捕
集灰を水と混合してスラリ化させるための第一攪拌槽内
において、当該スラリに硫酸を添加して、一定時間保持
して捕集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる第一攪
拌槽内の液の一部を連続的に取り出し、これに所定量の
水を加え、捕集灰を完全に溶解させた後、この溶液中の
ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸
イオン及び炭酸イオンの各濃度を連続的に測定し、これ
らの濃度から捕集灰中のこれらの含有量を求め、脱カリ
ウム率および硫酸ナトリウム回収率の最適化のために、
第一攪拌槽および、硫酸ナトリウムを析出させるための
第二攪拌槽に、投入する全水量を調節することを特徴と
するソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩
除去装置の制御方法を提供する。本発明は、また、硫酸
を添加して捕集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる
際に、pHを7〜10に、温度を20〜50℃に調整す
ることを特徴とするソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩
及びカリウム塩除去装置の制御方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、ソーダ回収ボイラの
燃焼排ガスから捕集した捕集灰を水と混合してスラリ化
させるための第一攪拌槽において、当該スラリに硫酸を
添加し、一定時間保持して捕集灰中の食塩及びカリウム
塩を水に溶解させる第一攪拌槽内のスラリの一部を連続
的に取り出し、これに所定量の水を加え、スラリ中の固
形分を完全に溶解させて溶液とする。硫酸を添加して捕
集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる際に、pHを
7〜10に、好ましくは、8〜9に調整する。温度は、
20〜50℃に調整する。硫酸添加によりpHを10以
下としたのは、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を完全
に硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )に変化させてナトリ
ウム回収率を高くするためである。pHを7以上とした
のは、7未満では硫酸が入りすぎて硫酸が無駄になるか
らである。温度を20〜50℃としたのは、20℃未満
では食塩やカリウム塩の溶解が不十分となり、また流動
性も悪くなるためであり、50℃をこえると次の第二攪
拌槽でスラリを20℃以下に冷却するのが困難となるた
めである。一定時間保持して捕集灰中の食塩及びカリウ
ム塩を水に溶解させるのであるが、この時間は、処理す
る捕集灰の量、組成等によって異なる。ソーダ回収ボイ
ラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食塩
及びカリウム塩をオンラインで連続的に除去する装置に
おいて、スラリの一部を連続的に取り出すことにより、
各イオンをオンラインで連続的に測定することが可能と
なる。取り出したスラリの一部は、所定量の水を加え、
スラリ中の固形分を完全に溶解させて溶液とする。所定
量の水とは、スラリの固形分を完全に溶解させるために
必要な量の水であり、固形分の組成により異なる。この
水の添加量は、各イオン濃度を算出するために必要とな
る。また、回収ボイラの捕集灰は、そのほとんどが、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、食塩か
らなり、水が十分にあれば完全に溶解する。
燃焼排ガスから捕集した捕集灰を水と混合してスラリ化
させるための第一攪拌槽において、当該スラリに硫酸を
添加し、一定時間保持して捕集灰中の食塩及びカリウム
塩を水に溶解させる第一攪拌槽内のスラリの一部を連続
的に取り出し、これに所定量の水を加え、スラリ中の固
形分を完全に溶解させて溶液とする。硫酸を添加して捕
集灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させる際に、pHを
7〜10に、好ましくは、8〜9に調整する。温度は、
20〜50℃に調整する。硫酸添加によりpHを10以
下としたのは、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を完全
に硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )に変化させてナトリ
ウム回収率を高くするためである。pHを7以上とした
のは、7未満では硫酸が入りすぎて硫酸が無駄になるか
らである。温度を20〜50℃としたのは、20℃未満
では食塩やカリウム塩の溶解が不十分となり、また流動
性も悪くなるためであり、50℃をこえると次の第二攪
拌槽でスラリを20℃以下に冷却するのが困難となるた
めである。一定時間保持して捕集灰中の食塩及びカリウ
ム塩を水に溶解させるのであるが、この時間は、処理す
る捕集灰の量、組成等によって異なる。ソーダ回収ボイ
ラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食塩
及びカリウム塩をオンラインで連続的に除去する装置に
おいて、スラリの一部を連続的に取り出すことにより、
各イオンをオンラインで連続的に測定することが可能と
なる。取り出したスラリの一部は、所定量の水を加え、
スラリ中の固形分を完全に溶解させて溶液とする。所定
量の水とは、スラリの固形分を完全に溶解させるために
必要な量の水であり、固形分の組成により異なる。この
水の添加量は、各イオン濃度を算出するために必要とな
る。また、回収ボイラの捕集灰は、そのほとんどが、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、食塩か
らなり、水が十分にあれば完全に溶解する。
【0006】第一攪拌槽内から取り出しスラリ中の固形
分を完全に溶解した溶液について、この溶液中のナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン
及び炭酸イオンの濃度を測定する。これらのイオンの定
量的測定方法としては、イオン電極法、イオンクロマト
法等が挙げられる。これらの各イオン濃度の測定結果
と、第一攪拌槽に投入した捕集灰量と水量及び/または
第一攪拌槽内のスラリの固形分濃度、第一攪拌槽に投入
した硫酸量とその濃度、スラリを完全に溶液化するため
に加えた水量から捕集灰中のナトリウムイオン、カリウ
ムイオン、塩素イオン、硫酸イオン及び炭酸イオンの各
濃度を算出する。たとえば、灰採取量をSg、溶解に用
いた水の量Wg、溶液中のイオン濃度をI%とすると、
そのイオンの灰中濃度a%は、 a=I・(S+W)/S で求められる。次に、これらのデータから、先ず第一攪
拌槽内のスラリ中の硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩
化ナトリウム(食塩)及び炭酸ナトリウムの濃度を算出
し、次いで捕集灰中の硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
塩化ナトリウム(食塩)及び炭酸ナトリウムの濃度を算
出する。
分を完全に溶解した溶液について、この溶液中のナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン
及び炭酸イオンの濃度を測定する。これらのイオンの定
量的測定方法としては、イオン電極法、イオンクロマト
法等が挙げられる。これらの各イオン濃度の測定結果
と、第一攪拌槽に投入した捕集灰量と水量及び/または
第一攪拌槽内のスラリの固形分濃度、第一攪拌槽に投入
した硫酸量とその濃度、スラリを完全に溶液化するため
に加えた水量から捕集灰中のナトリウムイオン、カリウ
ムイオン、塩素イオン、硫酸イオン及び炭酸イオンの各
濃度を算出する。たとえば、灰採取量をSg、溶解に用
いた水の量Wg、溶液中のイオン濃度をI%とすると、
そのイオンの灰中濃度a%は、 a=I・(S+W)/S で求められる。次に、これらのデータから、先ず第一攪
拌槽内のスラリ中の硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩
化ナトリウム(食塩)及び炭酸ナトリウムの濃度を算出
し、次いで捕集灰中の硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
塩化ナトリウム(食塩)及び炭酸ナトリウムの濃度を算
出する。
【0007】以上のデータと硫酸ナトリウム、硫酸カリ
ウム、塩化ナトリウムの各温度の水に対する溶解度デー
タとから、最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウム回収率
が得られるように第二攪拌槽に投入する水の量を制御す
る。また、捕集灰中の食塩およびカリウム塩を溶解させ
るとともに、スラリの流動性を確保することを目的とし
て、第一攪拌槽に投入する水の量を制御する。本装置
は、各塩類の溶解度の差を利用して、不要な食塩やカリ
ウム塩を水溶液として除去し有用な硫酸ナトリウムをな
るべく回収して再利用するものであり、このために水量
調節が必要となる。最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウ
ム回収率は、カリウム塩の除去率を重視するか、または
硫酸ナトリウムの回収率を重視するかよって異なる。以
上の方法でソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから捕集した
捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を除去する装
置を、捕集灰の性状変化に応じて投入水量を調整するこ
とにより脱カリウム率、硫酸ナトリウム回収率を最適に
保つための制御が可能である。
ウム、塩化ナトリウムの各温度の水に対する溶解度デー
タとから、最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウム回収率
が得られるように第二攪拌槽に投入する水の量を制御す
る。また、捕集灰中の食塩およびカリウム塩を溶解させ
るとともに、スラリの流動性を確保することを目的とし
て、第一攪拌槽に投入する水の量を制御する。本装置
は、各塩類の溶解度の差を利用して、不要な食塩やカリ
ウム塩を水溶液として除去し有用な硫酸ナトリウムをな
るべく回収して再利用するものであり、このために水量
調節が必要となる。最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウ
ム回収率は、カリウム塩の除去率を重視するか、または
硫酸ナトリウムの回収率を重視するかよって異なる。以
上の方法でソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから捕集した
捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を除去する装
置を、捕集灰の性状変化に応じて投入水量を調整するこ
とにより脱カリウム率、硫酸ナトリウム回収率を最適に
保つための制御が可能である。
【0008】本発明について、図1に示す一実施態様の
例を用いて、具体的に説明する。第1図は、ソーダ回収
ボイラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される
食塩及びカリウム塩を除去する装置に本発明を適用した
例を示す。捕集灰をベルトコンベア1を介して、第一攪
拌槽2に入れる。第一攪拌槽2内で、攪拌しながら希硫
酸タンク11内の希硫酸12を薬注ポンプ13を介して投入す
る。希硫酸投入量は、pH計14の測定値をpH調整器15
に取り込み、pHが10以下、できれば、9程度になる
ように決定する。同時に第一攪拌槽2には水を加え、ス
ラリー化する。さらに、熱交換器4に冷却水を流すこと
によってスラリー温度を40℃程度まで冷却する。該ス
ラリは、ポンプ5を介して、第二攪拌槽6へ送ると同時
にその一部をスラリ溶解槽17に送り、ここに水を加え
て、完全に溶液とし、この溶液中の各イオン濃度を濃度
計18で測定することによって、捕集灰中の各イオン濃度
を算出する。このデータを制御計19に取り込み、最適な
カリウム除去率、ナトリウム回収率となる水添加量を求
め、第二攪拌槽6に投入する水/氷の量を調整する。第
一攪拌槽2から第二攪拌槽6へ移送されたスラリは、攪
拌機7で攪拌されながら水/氷を加えられ、さらに冷却
機8で20℃以下、望ましくは、10℃前後に冷却され
る。第二攪拌槽6内では、不要なカリウム塩と食塩が水
に溶解すると同時に、ナトリウム塩の大部分は硫酸ナト
リウム粒子として析出する。これをポンプ9でデカンタ
10に送り、デカンタで分離し、分離液は廃水処理設備を
介して、系外へ排出され、分離された硫酸ナトリウム粒
子は、溶解タンク16で黒液に溶解して黒液タンクへ戻す
ことによってナトリウムの回収を行う。以上によって、
捕集灰中の不要な食塩、カリウム塩を除去すると共に、
有用な硫酸ナトリウムを回収することが可能になる。
例を用いて、具体的に説明する。第1図は、ソーダ回収
ボイラの燃焼排ガスから捕集した捕集灰中に含有される
食塩及びカリウム塩を除去する装置に本発明を適用した
例を示す。捕集灰をベルトコンベア1を介して、第一攪
拌槽2に入れる。第一攪拌槽2内で、攪拌しながら希硫
酸タンク11内の希硫酸12を薬注ポンプ13を介して投入す
る。希硫酸投入量は、pH計14の測定値をpH調整器15
に取り込み、pHが10以下、できれば、9程度になる
ように決定する。同時に第一攪拌槽2には水を加え、ス
ラリー化する。さらに、熱交換器4に冷却水を流すこと
によってスラリー温度を40℃程度まで冷却する。該ス
ラリは、ポンプ5を介して、第二攪拌槽6へ送ると同時
にその一部をスラリ溶解槽17に送り、ここに水を加え
て、完全に溶液とし、この溶液中の各イオン濃度を濃度
計18で測定することによって、捕集灰中の各イオン濃度
を算出する。このデータを制御計19に取り込み、最適な
カリウム除去率、ナトリウム回収率となる水添加量を求
め、第二攪拌槽6に投入する水/氷の量を調整する。第
一攪拌槽2から第二攪拌槽6へ移送されたスラリは、攪
拌機7で攪拌されながら水/氷を加えられ、さらに冷却
機8で20℃以下、望ましくは、10℃前後に冷却され
る。第二攪拌槽6内では、不要なカリウム塩と食塩が水
に溶解すると同時に、ナトリウム塩の大部分は硫酸ナト
リウム粒子として析出する。これをポンプ9でデカンタ
10に送り、デカンタで分離し、分離液は廃水処理設備を
介して、系外へ排出され、分離された硫酸ナトリウム粒
子は、溶解タンク16で黒液に溶解して黒液タンクへ戻す
ことによってナトリウムの回収を行う。以上によって、
捕集灰中の不要な食塩、カリウム塩を除去すると共に、
有用な硫酸ナトリウムを回収することが可能になる。
【0009】
【実施例】本発明を適用した図1に示す装置において、
捕集灰処理量1000kg/h規模の装置で第一攪拌槽
設定温度40℃、第一溶攪拌槽スラリ目標濃度50%、
第二攪拌槽設定温度10℃の運転条件での、運転開始直
後と1ケ月後、2ケ月後の捕集灰組成と装置の運転状態
及び脱カリウム率、硫酸ナトリウムの回収率の関係をま
とめると表1のような結果が得られた。
捕集灰処理量1000kg/h規模の装置で第一攪拌槽
設定温度40℃、第一溶攪拌槽スラリ目標濃度50%、
第二攪拌槽設定温度10℃の運転条件での、運転開始直
後と1ケ月後、2ケ月後の捕集灰組成と装置の運転状態
及び脱カリウム率、硫酸ナトリウムの回収率の関係をま
とめると表1のような結果が得られた。
【表1】
【0010】表2には捕集灰処理量が1000kg/h
規模の装置で本発明を適用しなかった場合の運転結果を
示した。この場合、2週間に1回、捕集灰の分析を分析
会社に委託し、その結果を基に投入量を計算して、2週
間に1回水量の変更を行う方式を採用した。
規模の装置で本発明を適用しなかった場合の運転結果を
示した。この場合、2週間に1回、捕集灰の分析を分析
会社に委託し、その結果を基に投入量を計算して、2週
間に1回水量の変更を行う方式を採用した。
【表2】
【0011】これらの結果を比較すると、1ケ月後、2
ケ月後の運転結果では脱カリウム率は90.0%と同じ
であった。しかし、本発明を適用した方が捕集灰組成に
応じて第二溶解槽への投入水量を制御していることか
ら、投入水量も少なく、硫酸ナトリウム回収率も高くな
ることが判った。即ち、ソーダ回収ボイラの燃焼排ガス
から捕集した捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩
を除去する装置に、本発明を適用することによって、余
分な水を使用することなく、最適な脱カリウム率、硫酸
ナトリウム回収率が得られた。
ケ月後の運転結果では脱カリウム率は90.0%と同じ
であった。しかし、本発明を適用した方が捕集灰組成に
応じて第二溶解槽への投入水量を制御していることか
ら、投入水量も少なく、硫酸ナトリウム回収率も高くな
ることが判った。即ち、ソーダ回収ボイラの燃焼排ガス
から捕集した捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩
を除去する装置に、本発明を適用することによって、余
分な水を使用することなく、最適な脱カリウム率、硫酸
ナトリウム回収率が得られた。
【0012】
【発明の効果】本発明により、ソーダ回収ボイラの燃焼
排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食塩及びカリ
ウム塩を除去する装置において、捕集灰組成を連続的に
測定し、その組成変化に応じて装置で使用する水量を制
御することにより、最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウ
ム回収率を維持することが可能となる。
排ガスから捕集した捕集灰中に含有される食塩及びカリ
ウム塩を除去する装置において、捕集灰組成を連続的に
測定し、その組成変化に応じて装置で使用する水量を制
御することにより、最適な脱カリウム率、硫酸ナトリウ
ム回収率を維持することが可能となる。
【図1】本発明の実施例に係る装置のフローシートを示
した図である。
した図である。
1 コンベア 2 第一攪拌槽 3 攪拌機 4 熱交換器 5 ポンプ 6 第二攪拌槽 7 攪拌機 8 冷却器 9 ポンプ 10 デカンタ 11 希硫酸タンク 12 希硫酸 13 薬注ポンプ 14 pH計 15 pH調整器 16 溶解タンク 17 スラリ溶解槽 18 濃度計 19 制御計 A 灰 W 水 I 氷 B 黒液
Claims (2)
- 【請求項1】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから捕集
した捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を連続的
に除去する装置において、該捕集灰を水と混合してスラ
リ化させる第一攪拌槽内において、当該スラリに硫酸を
添加して、灰中の食塩及びカリウム塩を溶解させ、この
液の一部を連続的に取り出し、これに水を加え、捕集灰
を完全に溶解させた後、この溶液中のナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン及び炭酸
イオンの各イオン濃度を連続的に測定し、これらの濃度
から捕集灰中のこれらの含有量を求め、脱カリウム率お
よび硫酸ナトリウム回収率の最適化のために、上記第一
攪拌槽および、上記スラリから硫酸ナトリウムを析出さ
せるための第二攪拌槽に、投入する全水量を調節するこ
とを特徴とするソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及び
カリウム塩除去装置の制御方法。 - 【請求項2】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから捕集
した捕集灰中に含有される食塩及びカリウム塩を連続的
に除去する装置において、該捕集灰を水と混合してスラ
リ化させる第一攪拌槽内において、当該スラリに硫酸を
添加してpHを7〜10以下に、温度を20℃〜50℃
に調整し、一定時間保持して捕集灰中の食塩及びカリウ
ム塩を溶解させ、この液の一部を連続的に取り出し、こ
れに所定量の水を加え、捕集灰を完全に溶解させた後、
この溶液中のナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素
イオン、硫酸イオン及び炭酸イオンの各イオン濃度を連
続的に測定し、これらの濃度から捕集灰中のこれらの含
有量を求め、脱カリウム率および硫酸ナトリウム回収率
の最適化のために、上記第一攪拌槽および、上記スラリ
から硫酸ナトリウムを析出させるための温度を0〜20
℃に制御した第二攪拌槽に、投入する全水量を調節する
ことを特徴とするソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及
びカリウム塩除去装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27906596A JP3382792B2 (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | ソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩除去装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27906596A JP3382792B2 (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | ソーダ回収ボイラ捕集灰からの食塩及びカリウム塩除去装置の制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10118611A true JPH10118611A (ja) | 1998-05-12 |
JP3382792B2 JP3382792B2 (ja) | 2003-03-04 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5967389B1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-08-10 | 南国興産株式会社 | 畜糞灰化物を原料とするカリウム化合物の製造方法 |
-
1996
- 1996-10-22 JP JP27906596A patent/JP3382792B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP5967389B1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-08-10 | 南国興産株式会社 | 畜糞灰化物を原料とするカリウム化合物の製造方法 |
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