JPH09234302A - パルプ蒸解薬品中のカリウム塩除去装置及びその温度調節方法 - Google Patents
パルプ蒸解薬品中のカリウム塩除去装置及びその温度調節方法Info
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- JPH09234302A JPH09234302A JP8045771A JP4577196A JPH09234302A JP H09234302 A JPH09234302 A JP H09234302A JP 8045771 A JP8045771 A JP 8045771A JP 4577196 A JP4577196 A JP 4577196A JP H09234302 A JPH09234302 A JP H09234302A
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Landscapes
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明はパルプ製造工場のソーダ回収ボイラ
に付設され、パルプ蒸解薬品中の不純物であるカリウム
塩を除去する装置及びその装置における温度調節方法を
提供する。 【解決手段】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気
集塵機等で捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化
し、上記捕集灰中のカリウム塩を除去する装置の温度調
整において、スラリータンクである第1攪拌槽11及び
第2攪拌槽19の冷却を冷却水を用いた水冷ジャケット
11a及び19aによるてジャケット冷却方式とすると
共に、該スラリータンク内面の接スラリー面を低摩擦係
数の耐食性材料でコーティングしてスケールの付着を防
止し、カリウム塩の除去操作に必要な温度を得る。
に付設され、パルプ蒸解薬品中の不純物であるカリウム
塩を除去する装置及びその装置における温度調節方法を
提供する。 【解決手段】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気
集塵機等で捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化
し、上記捕集灰中のカリウム塩を除去する装置の温度調
整において、スラリータンクである第1攪拌槽11及び
第2攪拌槽19の冷却を冷却水を用いた水冷ジャケット
11a及び19aによるてジャケット冷却方式とすると
共に、該スラリータンク内面の接スラリー面を低摩擦係
数の耐食性材料でコーティングしてスケールの付着を防
止し、カリウム塩の除去操作に必要な温度を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプ製造工場のソ
ーダ回収ボイラに付設され、パルプ蒸解薬品中の不純物
であるカリウム塩を除去する装置及びその装置における
温度調節方法に関する。
ーダ回収ボイラに付設され、パルプ蒸解薬品中の不純物
であるカリウム塩を除去する装置及びその装置における
温度調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプ蒸解薬品中のカリウム塩を除去す
る方法としては従来実機に適用された方法はない。この
ため、本発明者らはパルプ蒸解薬品中の不純物であるカ
リウムや塩素を効率よく除去し、薬品となるナトリウム
を効率よく回収する方法を先に開発提案した(特願平1
−84649号公報参照)。
る方法としては従来実機に適用された方法はない。この
ため、本発明者らはパルプ蒸解薬品中の不純物であるカ
リウムや塩素を効率よく除去し、薬品となるナトリウム
を効率よく回収する方法を先に開発提案した(特願平1
−84649号公報参照)。
【0003】この方法は、ソーダ回収ボイラの燃焼排ガ
スから電気集塵機等で捕集した捕集灰を、水に混合・分
散してスラリー化し、一定時間保持してカリウム塩を水
に溶解した後、スラリー中の固形分を分離・回収するも
のである。
スから電気集塵機等で捕集した捕集灰を、水に混合・分
散してスラリー化し、一定時間保持してカリウム塩を水
に溶解した後、スラリー中の固形分を分離・回収するも
のである。
【0004】この際、図3に示すNa2 SO4 −K2 S
O4 混合系の溶解度曲線から判る通り、Na回収率の観
点から見ると、溶解操作は20℃以下(好ましくは、約
10℃)で行うのがよい。このため、従来テストプラン
トでは、攪拌槽(後述)内に内部を冷媒が循環する冷却
管を挿入して試験を実施してきた。
O4 混合系の溶解度曲線から判る通り、Na回収率の観
点から見ると、溶解操作は20℃以下(好ましくは、約
10℃)で行うのがよい。このため、従来テストプラン
トでは、攪拌槽(後述)内に内部を冷媒が循環する冷却
管を挿入して試験を実施してきた。
【0005】従来のカリウム塩を除去する装置における
具体的な一例を、図4を用いて説明する。図4中、符号
01は第1攪拌槽、02はベルトコンベア、03は攪拌
機、04は冷却機、05はポンプ、06は第2攪拌槽、
07は攪拌機、08冷却機、09ポンプ及び010デカ
ンターを各々図示する。先ず、第1攪拌槽01に電気集
塵機の捕集灰1.0T/hをベルトコンベア02から連
続的に投下・供給し、それと並行して該第1攪拌槽01
に水2.1T/hを供給する。第1攪拌槽01では攪拌
機03を強力に攪拌して捕集灰と水とを充分混合してス
ラリー化する。この際、冷却機04により第1攪拌槽0
1内のスラリー温度を約30℃に保つようにする。この
状態で1〜2時間滞留させ、その後ポンプ05でスラリ
ー約3.1T/hを第2攪拌槽06に移送する。
具体的な一例を、図4を用いて説明する。図4中、符号
01は第1攪拌槽、02はベルトコンベア、03は攪拌
機、04は冷却機、05はポンプ、06は第2攪拌槽、
07は攪拌機、08冷却機、09ポンプ及び010デカ
ンターを各々図示する。先ず、第1攪拌槽01に電気集
塵機の捕集灰1.0T/hをベルトコンベア02から連
続的に投下・供給し、それと並行して該第1攪拌槽01
に水2.1T/hを供給する。第1攪拌槽01では攪拌
機03を強力に攪拌して捕集灰と水とを充分混合してス
ラリー化する。この際、冷却機04により第1攪拌槽0
1内のスラリー温度を約30℃に保つようにする。この
状態で1〜2時間滞留させ、その後ポンプ05でスラリ
ー約3.1T/hを第2攪拌槽06に移送する。
【0006】該第2攪拌槽06では攪拌機07によるゆ
るやかな攪拌により4〜8時間滞留させ、カリウム塩を
水に溶解するとともに、Na2 SO4 の結晶成長を促
す。この際、冷却機08により第2攪拌槽06内のスラ
リー温度が約10℃を保つようにする。
るやかな攪拌により4〜8時間滞留させ、カリウム塩を
水に溶解するとともに、Na2 SO4 の結晶成長を促
す。この際、冷却機08により第2攪拌槽06内のスラ
リー温度が約10℃を保つようにする。
【0007】次に、ポンプ09を介して第2攪拌槽06
内のスラリー約3.1T/hをデカンター010に移送
してスラリー中の固形分を分離した。その結果、0.9
T/hのスラッジと2.2T/hの分離液とを得た。
内のスラリー約3.1T/hをデカンター010に移送
してスラリー中の固形分を分離した。その結果、0.9
T/hのスラッジと2.2T/hの分離液とを得た。
【0008】この従来例におけるNa回収率は約72
%、カリウム除去率は約95%、NaCl除去率は約9
7%であった。
%、カリウム除去率は約95%、NaCl除去率は約9
7%であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示す従来のカリウム塩を除去する装置においては、第1
攪拌槽01および第2攪拌槽06内のスラリー温度を下
げるための手段として、冷却管内部に冷媒を循環させ
て、攪拌槽内の温度を低温に保つ冷却機04,08を用
いていたため、次のようなトラブルが発生した。
示す従来のカリウム塩を除去する装置においては、第1
攪拌槽01および第2攪拌槽06内のスラリー温度を下
げるための手段として、冷却管内部に冷媒を循環させ
て、攪拌槽内の温度を低温に保つ冷却機04,08を用
いていたため、次のようなトラブルが発生した。
【0010】 攪拌槽01,06内のスラリー温度を
低温に保つためには冷却管をより低い温度にする必要が
あり、このため冷却管表面でNa2 SO4 の結晶成長が
生じて冷却管全体を覆ってしまうので大幅な伝熱阻害を
もたらした。 また、スラリーの液面レベルの冷却管に固着したス
ラリーは液面レベルの変動に伴い乾燥と湿潤を繰り返す
うちに固化して堅い結晶となり、その後スラリー中に落
下・混入して後流のポンプ05,09や配管を閉塞させ
る原因となった。
低温に保つためには冷却管をより低い温度にする必要が
あり、このため冷却管表面でNa2 SO4 の結晶成長が
生じて冷却管全体を覆ってしまうので大幅な伝熱阻害を
もたらした。 また、スラリーの液面レベルの冷却管に固着したス
ラリーは液面レベルの変動に伴い乾燥と湿潤を繰り返す
うちに固化して堅い結晶となり、その後スラリー中に落
下・混入して後流のポンプ05,09や配管を閉塞させ
る原因となった。
【0011】本発明は上記技術水準に鑑み、従来技術に
おけるような不具合のないパルプ蒸解薬品中のカリウム
塩を除去する装置及びその温度調節方法を提供すること
を課題とする。
おけるような不具合のないパルプ蒸解薬品中のカリウム
塩を除去する装置及びその温度調節方法を提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明にかかるカリウム塩を除去する装置は、ソーダ回収ボ
イラの燃焼排ガスから電気集塵機等で捕集した捕集灰
を、水と混合してスラリー化し、上記捕集灰中のカリウ
ム塩を除去する装置において、スラリータンクをジャケ
ット冷却すると共に、該スラリータンク内面の接スラリ
ー面を低摩擦係数の耐食性材料でコーティングしてなる
ことを特徴とする。
明にかかるカリウム塩を除去する装置は、ソーダ回収ボ
イラの燃焼排ガスから電気集塵機等で捕集した捕集灰
を、水と混合してスラリー化し、上記捕集灰中のカリウ
ム塩を除去する装置において、スラリータンクをジャケ
ット冷却すると共に、該スラリータンク内面の接スラリ
ー面を低摩擦係数の耐食性材料でコーティングしてなる
ことを特徴とする。
【0013】一方のカリウム塩除去装置の温度調節方法
は、ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気集塵機等で
捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化し、上記捕
集灰中のカリウム塩を除去する装置の温度調整方法にお
いて、スラリータンクを冷却水にてジャケット冷却方式
とすると共に、該スラリータンク内面の接スラリー面を
低摩擦係数の耐食性材料でコーティングしてスケールの
付着を防止し、カリウム塩の除去操作に必要な温度を得
ることを特徴とする。
は、ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気集塵機等で
捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化し、上記捕
集灰中のカリウム塩を除去する装置の温度調整方法にお
いて、スラリータンクを冷却水にてジャケット冷却方式
とすると共に、該スラリータンク内面の接スラリー面を
低摩擦係数の耐食性材料でコーティングしてスケールの
付着を防止し、カリウム塩の除去操作に必要な温度を得
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
を図面を参照して説明する。
を図面を参照して説明する。
【0015】本発明は従来のような冷却管を用いての冷
却方式に換えて、ジャケット方式のスラリータンクによ
り直接冷却するものである。すなわち、このような低温
で操作するカリウム塩除去装置においては、冷却管の表
面にスケールが付着しやすく、この為に冷却効率が極端
に悪くなり実用化には至っていなかった。
却方式に換えて、ジャケット方式のスラリータンクによ
り直接冷却するものである。すなわち、このような低温
で操作するカリウム塩除去装置においては、冷却管の表
面にスケールが付着しやすく、この為に冷却効率が極端
に悪くなり実用化には至っていなかった。
【0016】そこで冷却面が表面でスケールが付着して
も比較的剥離しやすいジャケット冷却方式としてスラリ
ータンク内に従来のような冷却機を露出させず、しかも
スラリーに接するジャケットの冷却面に低摩擦係数の表
面層を形成する耐食性材料として例えばポリテトラフル
オロエチレン(商品名;テフロン)のコーティングを行
い、スラリー付着を防止することによって、攪拌槽内の
スラリー温度を所定の温度(例えば、第1攪拌槽で約3
0℃、第2攪拌槽で約10℃)に調節するものである。
も比較的剥離しやすいジャケット冷却方式としてスラリ
ータンク内に従来のような冷却機を露出させず、しかも
スラリーに接するジャケットの冷却面に低摩擦係数の表
面層を形成する耐食性材料として例えばポリテトラフル
オロエチレン(商品名;テフロン)のコーティングを行
い、スラリー付着を防止することによって、攪拌槽内の
スラリー温度を所定の温度(例えば、第1攪拌槽で約3
0℃、第2攪拌槽で約10℃)に調節するものである。
【0017】本発明で対象にしているカリウム塩の除去
装置においては、捕集灰中のKやClを除去するととも
に、薬品となるNa2 SO4 を効率よく分離・回収する
必要がある。このためには捕集灰中で1μm程度のNa
2 SO4 粒子を100〜300μmに結晶成長させる必
要がある。
装置においては、捕集灰中のKやClを除去するととも
に、薬品となるNa2 SO4 を効率よく分離・回収する
必要がある。このためには捕集灰中で1μm程度のNa
2 SO4 粒子を100〜300μmに結晶成長させる必
要がある。
【0018】この際、従来の冷却管等を用いた間接冷却
方式ではスラリータンクの内部に設けた冷却管表面で大
量の結晶が成長して伝熱阻害の原因となった。
方式ではスラリータンクの内部に設けた冷却管表面で大
量の結晶が成長して伝熱阻害の原因となった。
【0019】そこで本発明の温度調節方法では攪拌槽内
のスラリーを冷却する方法として、スラリータンクをジ
ャケット方式の冷却方式とし、冷却面をスケールが脱離
しやすい平面状にするとともに、ジャケットの接スラリ
ー面であるタンク内の表面をポリテトラフルオルエチレ
ン等のコーティングにより、低摩擦係数の表面層を形成
する。これにより、冷却面にスケールが付着しても、そ
の形状及びポリテトラフルオルエチレンの材質的な剥離
性の効果によりスケールの付着,生長がなく、従来のよ
うな伝熱管冷却における伝熱阻害トラブルもない。ま
た、長時間伝熱面に固着していた堅い粒子が脱離,混入
してスラリーポンプや配管の閉塞を引き起こすような問
題もない。
のスラリーを冷却する方法として、スラリータンクをジ
ャケット方式の冷却方式とし、冷却面をスケールが脱離
しやすい平面状にするとともに、ジャケットの接スラリ
ー面であるタンク内の表面をポリテトラフルオルエチレ
ン等のコーティングにより、低摩擦係数の表面層を形成
する。これにより、冷却面にスケールが付着しても、そ
の形状及びポリテトラフルオルエチレンの材質的な剥離
性の効果によりスケールの付着,生長がなく、従来のよ
うな伝熱管冷却における伝熱阻害トラブルもない。ま
た、長時間伝熱面に固着していた堅い粒子が脱離,混入
してスラリーポンプや配管の閉塞を引き起こすような問
題もない。
【0020】
【実施例】本発明の具体的実施例について図1,図2を
用いて説明する。
用いて説明する。
【0021】図1は本発明の一実施例のカリウム塩を除
去する装置の温度調節方法を概説する説明図である。図
1中、11は第1攪拌槽、12はベルトコンベア、13
は冷却機、14は薬注ポンプ、15は希硫酸タンク、1
6は硫酸、17は攪拌機、18はポンプ、19は第2攪
拌槽、20は冷水機、21は攪拌機、22はポンプ、2
3はデンカンター、24はアッシュコンベアを各々図示
する。図1に示すように、第1攪拌槽11に電気集塵機
の捕集灰1.0T/hをベルトコンベア12から連続的
に投下・供給し、並行して該第1攪拌槽11に1.0T
/hの水又は水と氷の混合物および薬注ポンプ14を用
いて希硫酸タンク15中の37%硫酸16を350リッ
トル/h(0.45T/h)供給する。
去する装置の温度調節方法を概説する説明図である。図
1中、11は第1攪拌槽、12はベルトコンベア、13
は冷却機、14は薬注ポンプ、15は希硫酸タンク、1
6は硫酸、17は攪拌機、18はポンプ、19は第2攪
拌槽、20は冷水機、21は攪拌機、22はポンプ、2
3はデンカンター、24はアッシュコンベアを各々図示
する。図1に示すように、第1攪拌槽11に電気集塵機
の捕集灰1.0T/hをベルトコンベア12から連続的
に投下・供給し、並行して該第1攪拌槽11に1.0T
/hの水又は水と氷の混合物および薬注ポンプ14を用
いて希硫酸タンク15中の37%硫酸16を350リッ
トル/h(0.45T/h)供給する。
【0022】第1攪拌槽11では攪拌機17を強力に回
転させて捕集灰と水や氷や希硫酸を充分混合してスラリ
ー化する。この状態で1〜2時間滞留させ、その間第1
攪拌槽11に設置された水冷ジャケット11aに冷却機
13からの冷却水を15ton/hr送り、第1攪拌槽1
1内のスラリーを冷却する。この時の冷却水入口温度は
29℃、出口温度は33.5℃、第1攪拌槽11内のス
ラリー温度は34.5℃であった。その後ポンプ18で
スラリー約2.45T/hを第2攪拌槽19に移送す
る。
転させて捕集灰と水や氷や希硫酸を充分混合してスラリ
ー化する。この状態で1〜2時間滞留させ、その間第1
攪拌槽11に設置された水冷ジャケット11aに冷却機
13からの冷却水を15ton/hr送り、第1攪拌槽1
1内のスラリーを冷却する。この時の冷却水入口温度は
29℃、出口温度は33.5℃、第1攪拌槽11内のス
ラリー温度は34.5℃であった。その後ポンプ18で
スラリー約2.45T/hを第2攪拌槽19に移送す
る。
【0023】第2攪拌槽19においては、更に0.65
T/hの水と氷の混合物を投入し、攪拌機21によるゆ
るやかな攪拌により4〜8時間滞留させ、その間第2攪
拌槽19に設置された水冷ジャケット19aに冷水機2
0からの冷却水を25ton /hr送り、第2攪拌槽19
内のスラリーを冷却し、Na2 SO4 の結晶成長を促
す。この時の冷却水入口温度は5.6℃、出口温度は
9.5℃、第2攪拌槽19内のスラリー温度は11.2
℃であった。
T/hの水と氷の混合物を投入し、攪拌機21によるゆ
るやかな攪拌により4〜8時間滞留させ、その間第2攪
拌槽19に設置された水冷ジャケット19aに冷水機2
0からの冷却水を25ton /hr送り、第2攪拌槽19
内のスラリーを冷却し、Na2 SO4 の結晶成長を促
す。この時の冷却水入口温度は5.6℃、出口温度は
9.5℃、第2攪拌槽19内のスラリー温度は11.2
℃であった。
【0024】次に、ポンプ22により第2攪拌槽19内
のスラリー約3.1T/hをデカンター23に移送して
スラリー中の固形分を分離した。その結果、1.8T/
hのスラッジと1.3T/hの分離液を得た。
のスラリー約3.1T/hをデカンター23に移送して
スラリー中の固形分を分離した。その結果、1.8T/
hのスラッジと1.3T/hの分離液を得た。
【0025】この分離液1.3T/hは水で希釈後、工
場内の廃水処理装置に送った。一方、1.8T/hのス
ラッジは0.87T/hの固形分と0.93T/hの付
着水およびNa2 SO4 ・10H2 Oに基く結晶水を含
んでいた。このスラッジはアッシュコンベア24でアッ
シュ混合タンクに戻した。
場内の廃水処理装置に送った。一方、1.8T/hのス
ラッジは0.87T/hの固形分と0.93T/hの付
着水およびNa2 SO4 ・10H2 Oに基く結晶水を含
んでいた。このスラッジはアッシュコンベア24でアッ
シュ混合タンクに戻した。
【0026】この試験の間、第1攪拌槽11内のスラリ
ー温度は33〜36℃、第2攪拌槽19内のスラリー温
度は11〜15℃であり、カリウム塩の除去装置として
の機能を充分果たした。
ー温度は33〜36℃、第2攪拌槽19内のスラリー温
度は11〜15℃であり、カリウム塩の除去装置として
の機能を充分果たした。
【0027】またこの例におけるNa回収率は約85
%、カリウム除去率は約88%、NaCl除去率は約9
5%であった。
%、カリウム除去率は約88%、NaCl除去率は約9
5%であった。
【0028】なお、本実施例では、捕集灰中のNa2 S
O4 によりスラリーの pHが10〜11を示したため希
硫酸による中和を行ったが、捕集灰中のNa2 SO4 が
少ない場合には、あえて pH調整をする必要はない。
O4 によりスラリーの pHが10〜11を示したため希
硫酸による中和を行ったが、捕集灰中のNa2 SO4 が
少ない場合には、あえて pH調整をする必要はない。
【0029】図2は前述の第1,第2攪拌槽の冷却方法
の違いによる総括伝熱係数の経時変化を表わしたもの
で、曲線Aは従来のコイル式冷却方式、曲線Bは単なる
ジャケット式冷却方式、曲線Cは接スラリー面をポリテ
トラフルオルエチレンコーティングしたジャケット式冷
却方式の総括伝熱係数を示したものである。図2により
明らかなように、曲線A,曲線Bは経時変化とともに総
括伝熱係数が急激に低下した。これはスケール付着に起
因したものと考えられ、事実試験後の接スラリー面には
厚さ数mmのスケールが付着していた。
の違いによる総括伝熱係数の経時変化を表わしたもの
で、曲線Aは従来のコイル式冷却方式、曲線Bは単なる
ジャケット式冷却方式、曲線Cは接スラリー面をポリテ
トラフルオルエチレンコーティングしたジャケット式冷
却方式の総括伝熱係数を示したものである。図2により
明らかなように、曲線A,曲線Bは経時変化とともに総
括伝熱係数が急激に低下した。これはスケール付着に起
因したものと考えられ、事実試験後の接スラリー面には
厚さ数mmのスケールが付着していた。
【0030】一方、曲線Cの初期、総括伝熱係数はポリ
テトラフルオルエチレンの熱伝導率の低さから他に比し
て小さいが、経時変化による低下も小さい。これはスラ
リーに接するポリテトラフルオルエチレン面にスラリー
が付着しにくいためであり、試験後のポリテトラフルオ
ルエチレン面にはスケールの付着は殆んど見られなかっ
た。このように接スラリー面にポリテトラフルオルエチ
レン施工をしたジャケット式冷却は長期間安定した冷却
能力が得られる事が判明した。
テトラフルオルエチレンの熱伝導率の低さから他に比し
て小さいが、経時変化による低下も小さい。これはスラ
リーに接するポリテトラフルオルエチレン面にスラリー
が付着しにくいためであり、試験後のポリテトラフルオ
ルエチレン面にはスケールの付着は殆んど見られなかっ
た。このように接スラリー面にポリテトラフルオルエチ
レン施工をしたジャケット式冷却は長期間安定した冷却
能力が得られる事が判明した。
【0031】
【発明の効果】 回収ボイラの排ガスの捕集灰から食塩およびカリウ
ム塩を除去する装置において、反応槽(第1攪拌槽およ
び第2攪拌槽)内の温度調節を接スラリー面にポリテト
ラフルオルエチレン施工したジャケット冷却方式によっ
て行うことにより従来のコイル式熱交換器を用いた冷却
方式で問題になっていた伝熱面でのスケールの付着成長
による伝熱阻害を改善できた。
ム塩を除去する装置において、反応槽(第1攪拌槽およ
び第2攪拌槽)内の温度調節を接スラリー面にポリテト
ラフルオルエチレン施工したジャケット冷却方式によっ
て行うことにより従来のコイル式熱交換器を用いた冷却
方式で問題になっていた伝熱面でのスケールの付着成長
による伝熱阻害を改善できた。
【0032】このため、従来のようにプラント運転中に
伝熱面を清掃する等の作業を要しなくなった。
伝熱面を清掃する等の作業を要しなくなった。
【0033】 また、伝熱面に付着していたスラリー
が乾燥・固化し、その後スラリー中に混入して後流側の
ポンプや配管を閉塞させるようなトラブルも生じなくな
り、プラントの連続運転が可能になった。
が乾燥・固化し、その後スラリー中に混入して後流側の
ポンプや配管を閉塞させるようなトラブルも生じなくな
り、プラントの連続運転が可能になった。
【0034】 コイル式熱交換器を用いた場合に生じ
る材料腐食の問題も耐食性が良好なポリテトラフルオル
エチレン施工で解消し、そのためのメンテナンスも要し
なくなった。
る材料腐食の問題も耐食性が良好なポリテトラフルオル
エチレン施工で解消し、そのためのメンテナンスも要し
なくなった。
【図1】本発明の一実施例の説明図である。
【図2】冷却方法の相違による総括伝熱係数の経時変化
の説明図である。
の説明図である。
【図3】Na2 SO4 −K2 SO4 混合系のNa2 SO
4 ,K2 SO4 の溶解度及びNa2 SO4 単独系、K2
SO4 単独系の夫々の溶解度を示す図である。
4 ,K2 SO4 の溶解度及びNa2 SO4 単独系、K2
SO4 単独系の夫々の溶解度を示す図である。
【図4】従来法のカリウム除去法の一態様の説明図であ
る。
る。
11は第1攪拌槽 12 ベルトコンベア 13 冷却機 14 薬注ポンプ 15 希硫酸タンク 17,21 攪拌機 18,22 ポンプ 19 第2攪拌槽 20 冷水機 23 デンカンター 24 アッシュコンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01D 5/00 D21C 11/04 C D21C 11/04 Z B09B 5/00 N F23J 15/06 F23J 15/00 K 15/02 C
Claims (2)
- 【請求項1】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気
集塵機等で捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化
し、上記捕集灰中のカリウム塩を除去する装置におい
て、 スラリータンクをジャケット冷却すると共に、該スラリ
ータンク内面の接スラリー面を低摩擦係数の耐食性材料
でコーティングしてなることを特徴とするカリウム塩除
去装置。 - 【請求項2】 ソーダ回収ボイラの燃焼排ガスから電気
集塵機等で捕集した捕集灰を、水と混合してスラリー化
し、上記捕集灰中のカリウム塩を除去する装置の温度調
整方法において、 スラリータンクを冷却水にてジャケット冷却方式とする
と共に、該スラリータンク内面の接スラリー面を低摩擦
係数の耐食性材料でコーティングしてスケールの付着を
防止し、カリウム塩の除去操作に必要な温度を得ること
を特徴とするカリウム塩除去装置における温度調節方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8045771A JPH09234302A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | パルプ蒸解薬品中のカリウム塩除去装置及びその温度調節方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8045771A JPH09234302A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | パルプ蒸解薬品中のカリウム塩除去装置及びその温度調節方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09234302A true JPH09234302A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12728563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8045771A Pending JPH09234302A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | パルプ蒸解薬品中のカリウム塩除去装置及びその温度調節方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09234302A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008308461A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ε−カプロラクタムの製造方法 |
CN104759452A (zh) * | 2015-04-14 | 2015-07-08 | 浙江环立环保科技有限公司 | 一种焚烧飞灰预处理系统及工艺 |
JP2018524484A (ja) * | 2015-06-01 | 2018-08-30 | ヴェオリア ウォーター テクノロジーズ インコーポレイテッド | 高い炭酸塩含有量を有する溶解した灰からパルプ化化学品を回収する方法 |
-
1996
- 1996-03-04 JP JP8045771A patent/JPH09234302A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008308461A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ε−カプロラクタムの製造方法 |
CN104759452A (zh) * | 2015-04-14 | 2015-07-08 | 浙江环立环保科技有限公司 | 一种焚烧飞灰预处理系统及工艺 |
JP2018524484A (ja) * | 2015-06-01 | 2018-08-30 | ヴェオリア ウォーター テクノロジーズ インコーポレイテッド | 高い炭酸塩含有量を有する溶解した灰からパルプ化化学品を回収する方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030902 |