JPH10118570A - 脱ぷ精米機の選別装置における夾雑物の除去装置 - Google Patents

脱ぷ精米機の選別装置における夾雑物の除去装置

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JPH10118570A
JPH10118570A JP29445696A JP29445696A JPH10118570A JP H10118570 A JPH10118570 A JP H10118570A JP 29445696 A JP29445696 A JP 29445696A JP 29445696 A JP29445696 A JP 29445696A JP H10118570 A JPH10118570 A JP H10118570A
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Tomohiro Sakashita
友浩 坂下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 選別受箱において、稲麹菌を傷めないで玄米
を容易に振い落とすことができる夾雑物の除去装置を提
供する。 【解決手段】 選別された玄米が玄米タンクへ落下する
ように、選別の主体となる選別風ケースと、その下から
傾斜する選別網と、選別網から稲麹菌や藁屑等の夾雑物
が落下する選別受箱とを、玄米タンクの上に並列させて
なる選別装置を構成した。 【効果】 脱ぷ精米機の選別装置において、選別網の下
に設けられる選別受箱に、稲麹菌や藁屑等の夾雑物が溜
まったときには、ガイドハンドルを持って選別受箱を振
動させることによって、玄米を完全に振い落としてか
ら、選別受箱を外して無用な夾雑物のみを捨てることが
でき、その際に稲麹菌を傷めることがないので、稲麹菌
の混入による玄米の変色や変質を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、脱ぷと搗米との機能
を併せ持つ脱ぷ精米機の選別装置において、稲麹菌や藁
屑等の夾雑物を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脱ぷ精米機においては、籾タンクに投入
された籾米が脱ぷされると、それが選別装置に吹き上げ
られ、選別装置で選別された玄米が玄米タンクに落下
し、そこから精米装置に供給されるようになっている。
したがって、選別装置は、機体の上部に設けられてい
る。
【0003】脱ぷ機から選別装置へは、玄米や籾殻だけ
でなく、稲麹菌や藁屑もそれに混入して送られてくる
が、稲麹菌や藁屑等の夾雑物が比較的均一な籾殻とは違
って選別風だけによる選別が難しいことから、選別風ケ
ースの下にそれを除去するために、選別網を傾斜して設
ける他、選別網の下に選別受箱が設けられる。選別受箱
には、底に玄米を通す網が張られ、玄米が玄米タンクに
落下するので、これにより稲麹菌や藁屑が受けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の脱
ぷ精米機における夾雑物の除去装置によれば、選別受箱
に稲麹菌や藁屑等の夾雑物が溜まったときには、それを
手で掬ったり、選別受箱を外したりしてその夾雑物を捨
てていたが、選別受箱によっても濾されないまま底に残
留している玄米もあるので、夾雑物と同時に玄米も捨て
ることになる不都合があった。
【0005】玄米を捨てないように、残留する玄米を底
網から手で擦り落とす操作をすると、その操作で稲麹菌
を傷め、それが粉末化して底網から落下し、玄米に混入
して精米されると、玄米が変色したり変質するという問
題があった。ちなみに、稲麹菌とは、籾に寄生する麹菌
のようなもので、籾中の玄米に寄生し、直径が5〜8m
m程度の緑黒色の球体に成長する。
【0006】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
選別受箱において、稲麹菌を傷めないで玄米を容易に振
い落とすことができる夾雑物の除去装置を提供すること
を目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、選別された玄米が玄米タンクへ落下
するように、選別の主体となる選別風ケースと、その下
から傾斜する選別網と、選別網から稲麹菌や藁屑等の夾
雑物が落下する選別受箱とを、玄米タンクの上に並列さ
せてなる選別装置を構成した。
【0008】また、選別受箱を玄米タンクの上端に納め
て左右へスライド可能に架設し、且つ、選別受箱の前端
に玄米タンクの上端縁に掛かるガイドハンドルを設け、
ガイドハンドルで選別受箱を左右に振動させ得るように
構成すると、本発明の目的達成により有効である。
【0009】上記の脱ぷ精米機の選別装置における夾雑
物の除去装置において、選別風ケースを受ける左右補助
台に、選別網の上端部を傾斜方向へスライド可能に係合
させ、選別網の下端の両側に選別受箱の上端縁に段階的
に掛かるぎざぎざ付きの下部支持脚を突設すると、さら
に目的の達成に有効である。
【0010】
【作 用】選別風ケース内における選別機能により、主
に籾殻やシナイ、小米等が排除され、選別に洩れた玄米
と、稲麹菌や藁屑等の夾雑物とが選別網に掛かり、さら
に選別から洩れた玄米と、夾雑物が選別受箱に落下す
る。そこで、選別受箱に夾雑物が溜まったときには、選
別受箱を外して捨てるが、その作業に先立って、選別受
箱を振動させることによって、玄米を完全にふるい落と
すことができる。
【0011】選別受箱を振動させるには、前側のガイド
ハンドルを手で持って左右に動かすが、単なる手による
往復運動による振動であるので、その際に稲麹菌を傷め
るおそれがなく、具合良く玄米だけを落下させることが
できる。また、選別網がぎざぎざにより選別受箱に掛か
っているので、それに掛ける段階により選別網の傾斜角
度を調整できることはもちろん、選別受箱を外すときに
は、選別網を容易に持ち上げることができる。
【0012】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0013】脱ぷ精米機は、機筺1の中に脱ぷ装置2と
精米装置4とを内蔵し、その中間工程としての選別装置
3が機筺1の上に搭載されており、その選別装置3につ
いて本発明による夾雑物の除去装置Pが構成される。
【0014】機筺1の中において、脱ぷ装置2と精米装
置4とは架台9の上に装備され、機筺1の上端部が仕切
り11によって、籾タンク13と玄米タンク15とに分
かれている。そして、玄米タンク15を跨ぐように選別
装置3が立設される。この選別装置3については、籾タ
ンク13側において脱ぷ装置2からの吹上ホース17を
導入させ、選別された玄米が玄米タンク15に落下する
ように配備される。
【0015】選別装置3は、その主体となる機能が内蔵
される選別風ケース21の下から、選別網23を前方へ
傾斜させ、選別網23の下に選別受箱25を設けたもの
で、玄米を玄米タンク15に流下させる必要から、機筺
1の上に設置されるが、さらに高く設定することによっ
て、籾タンク13および玄米タンク15の容量を合理的
に多くしてあって、選別装置3に付属する夾雑物の除去
装置Pも同時に高くなっている。
【0016】また、選別風ケース21の高さから選別網
29が急傾斜になっており、そのため、稲麹菌40や藁
屑42等が網に引っ掛かる不都合が防止される。そし
て、選別風ケース21を高く設定するために、後面と左
右側面とを囲む形状の補助台19で選別風ケース21を
受け、補助台19の下端が機筺1の上端にねじ止めされ
ている。
【0017】夾雑物の除去装置Pは、選別装置3のうち
の選別網23と選別受箱25とからなるもので、選別受
箱25が玄米タンク15の上端に掛けられ、選別網23
が選別風ケース21の下から傾斜してその選別受箱25
に口掛けしてある。そして、選別受箱25が機筺1の上
に開口しているので、内容物を上から容易に覗き見るこ
とができる。
【0018】選別網23の上端部が補助台19の左右側
板間に挾まれているので、選別網23の取付けについて
は、補助台19の左右間に支軸18を架設し、選別網2
3の左右両側に支軸18に掛かる上部掛止片29,29
を突設し、それには、支軸18に係合するスライド溝3
1が傾斜方向へ長く形成され、選別網23を取り外し得
るようにスライド溝31の下縁が一部開口される。
【0019】また、選別網23の下端には、選別受箱2
5の縁に掛かる下部支持脚32,32を突設し、それに
は、選別受箱25に掛かる部分にぎざぎざ27を設け、
掛かる高さにより、選別網23の傾斜角度を段々に調整
できるようにしてある。なお、このぎざぎざ27で掛け
るために、上端がスライド溝31で軸支される。
【0020】選別受箱25は、底面に玄米を通す網26
が張られ、左右に長い矩形であって、玄米タンク15の
左右上端縁、つまり、機筺1の一側と仕切り11との両
方の間に納まる左右に長い矩形であるが、その間におい
て左右にスライドする余裕の隙間33,33を有し、左
右両側には、玄米タンク15の上端縁に掛かる耳片3
5,35が突設されている。
【0021】選別受箱25の前端には、玄米タンク15
の前端縁に掛かる反転屈折したガイドハンドル37が突
設されている。これは前後方向に対して選別受箱25の
位置決めの機能を有するため、選別網23の支持に適す
るばかりか、そのガイドハンドル37を握って選別受箱
25を左右へ(図3のQ方向へ)振動させる際に、その
操作をなしやすく、玄米のみを完全に振い落とすように
安定した操作をなすことができる。
【0022】なお、選別風ケース21内においては、玄
米、籾殻の混合流を案内する上部整流板34が先端部で
U字形に反転され、且つ櫛歯状に形成される。玄米、籾
殻、藁屑等の混合流が吹出口46より吹き込まれると、
この上部整流板34の先端部で玄米が反転し、下方の板
配列部50により選別され、良玄米は、玄米タンク15
に流下する。一方、これらで選別されたシナイ、小米等
が機外に排出される。また、籾殻は、吸引されサイクロ
ン51により空気流と分離して集められる。そして、選
別に洩れた玄米や、稲麹菌40や藁屑42が選別網23
に落下する。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、脱ぷ精米機の選別装置において、選別網の下に設け
られる選別受箱に、稲麹菌や藁屑等の夾雑物が溜まった
ときには、ガイドハンドルを持って選別受箱を振動させ
ることによって、玄米を完全に振い落としてから、選別
受箱を外して無用な夾雑物のみを捨てることができ、そ
の際に稲麹菌を傷めることがないので、稲麹菌の混入に
よる玄米の変色や変質を防ぐことができるという優れた
効果がある。
【0024】選別網がぎざぎざにより選別受箱に掛けて
あるときには(請求項3)、それに掛ける段階により選
別網の傾斜角度を適当に調整できることはもちろん、選
別受箱を外すときには、選別網を容易に持ち上げること
ができるため、夾雑物を捨てる作業に好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱ぷ精米機を一部破断して示す
斜視図である。
【図2】同脱ぷ精米機における発明の要部を示す側面か
ら見た断面説明図である。
【図3】同要部をさらに詳細に示す斜視図である。
【符号の説明】
P 夾雑物の除去装置 2 脱ぷ装置 3 選別装置 4 精米装置 15 玄米タンク 19 補助台 21 選別風ケース 23 選別網 25 選別受箱 27 ぎざぎざ 32 下部支持脚 37 ガイドハンドル 40 稲麹菌 42 藁屑
フロントページの続き (72)発明者 本井 孝幸 富山県中新川郡上市町若杉2番地 マルマ ス機械株式会社内 (72)発明者 坂下 友浩 富山県中新川郡上市町若杉2番地 マルマ ス機械株式会社内 (72)発明者 春木 優一 富山県中新川郡上市町若杉2番地 マルマ ス機械株式会社内 (72)発明者 堀内 正樹 富山県中新川郡上市町若杉2番地 マルマ ス機械株式会社内 (72)発明者 塚田 崇 富山県中新川郡上市町若杉2番地 マルマ ス機械株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選別された玄米が玄米タンクへ落下する
    ように、選別の主体となる選別風ケースと、その下から
    傾斜する選別網と、選別網から稲麹菌や藁屑等の夾雑物
    が落下する選別受箱とを、玄米タンクの上に並列させて
    なることを特徴とする脱ぷ精米機の選別装置における夾
    雑物の除去装置。
  2. 【請求項2】 選別受箱を玄米タンクの上端に納めて左
    右へスライド可能に架設し、且つ、選別受箱の前端に玄
    米タンクの上端縁に掛かるガイドハンドルを設け、ガイ
    ドハンドルで選別受箱を左右に振動させ得るように構成
    したことを特徴とする請求項1記載の脱ぷ精米機の選別
    装置における夾雑物の除去装置。
  3. 【請求項3】 選別風ケースを受ける左右補助台に、選
    別網の上端部を傾斜方向へスライド可能に係合させ、選
    別網の下端の両側に選別受箱の上端縁に段階的に掛かる
    ぎざぎざ付きの下部支持脚を突設したことを特徴とする
    請求項1または2記載の脱ぷ精米機の選別装置における
    夾雑物の除去装置。
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