JPH10117791A - ヒトgタンパク質結合受容体hlyaz61 - Google Patents

ヒトgタンパク質結合受容体hlyaz61

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JPH10117791A
JPH10117791A JP9288425A JP28842597A JPH10117791A JP H10117791 A JPH10117791 A JP H10117791A JP 9288425 A JP9288425 A JP 9288425A JP 28842597 A JP28842597 A JP 28842597A JP H10117791 A JPH10117791 A JP H10117791A
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JP
Japan
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polypeptide
polynucleotide
receptor
hlyaz61
cells
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JP9288425A
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Catherine E Ellis
キャサリン・イー・エリス
Derk J Bergsma
ダーク・ジェイ・バーグスマ
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Original Assignee
SmithKline Beecham Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新しく同定されたポリヌクレオチドおよびポ
リペプチド;該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの
変種および誘導体ならびに生成方法;該ポリペプチドの
アゴニストおよびアンタゴニスト;ならびに該ポリヌク
レオチド、ポリペプチド、変種、誘導体、アゴニストお
よびアンタゴニストの使用に関する。 【解決手段】 配列番号2に記載のアミノ酸を含有して
なるポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドと
の同一性が少なくとも70%であるポリヌクレオチド、
遺伝暗号の重複によって、配列番号2に記載の同アミノ
酸をコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチ
ドに相補的であるポリヌクレオチド、および前記ポリヌ
クレオチドの少なくとも15個の隣接している塩基を含
有してなるポリヌクレオチドからなる群から選択される
メンバーを含んでなる単離ポリヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一部分、新しく同
定されたポリヌクレオチドおよびポリペプチド;該ポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドの変種および誘導体;
該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの生成方法;該
ポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニスト;なら
びに該ポリヌクレオチド、ポリペプチド、変種、誘導
体、アゴニストおよびアンタゴニストの使用に関する。
詳しくは、これらおよび他に関して、本発明は、ヒトG
タンパク質結合受容体(以下、「HLYAZ61」と記
す)のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、新しく同定されたポリヌクレ
オチド、かかるポリヌクレオチドによりコードされたポ
リペプチド、かかるポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドの使用、ならびにかかるポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの生成に関する。さらに詳しくは、本発明のポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドは、ヒト7−トラン
スメンブラン受容体である。本発明は、また、かかるポ
リペプチドの作用を阻害または活性化することにも関す
る。多くの医学的に重要な生物学的方法が、Gタンパク
質および/または二次メッセンジャー(例えば、cAM
P)を含むシグナル変換経路に関係するタンパク質によ
って媒介されることは、よく確立されている[Lefkowit
z, Nature, 351: 353-354 (1991)]。ここで、これらの
タンパク質は、Gタンパク質またはPPGタンパク質を
有する経路に関係するタンパク質と称される。これらの
タンパク質のいくつかの例としては、GPC受容体、例
えば、アドレナリン作動薬およびドーパミンなど[B.
K. Kobilkaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84: 46-5
0 (1987); B. K. Kobilkaら, Science, 238: 650-656(1
987); J. R. Bunzowら, Nature, 336: 783-787 (198
8)]、Gタンパク質自体、エフェクタータンパク質、例
えば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラーゼ、および
ホスホジエステラーゼ、およびアクチュエータータンパ
ク質、例えば、タンパク質キナーゼAおよびタンパク質
キナーゼC[M. I. Simonら, Science, 252: 802-808
(1991)]が挙げられる。
【0003】例えば、シグナル変換の一形態では、結合
するホルモンの効果は、細胞内での酵素アデニルシクラ
ーゼの活性化である。ホルモンによる酵素活性化は、ヌ
クレオチドGTPの存在に依存する。GTPは、また、
結合するホルモンに影響を及ぼす。Gタンパク質は、ア
デニルシクラーゼに対するホルモン受容体を結合する。
Gタンパク質は、ホルモン受容体により活性化される
と、GTPを結合されたGDPと交換することを示し
た。次いで、GTP担持形態は、活性化アデニルシクラ
ーゼに結合する。Gタンパク質自体により触媒されたG
TPのGDPへの加水分解は、Gタンパク質をその基礎
的な不活性形態に戻す。かくして、Gタンパク質は、受
容体からエフェクターへシグナルを中継する中間体とし
て、および該シグナルの存続時間を制御する時計として
の二重の役割を果たす。
【0004】Gタンパク質結合受容体の膜タンパク質遺
伝子スーパーファミリーは、7個の推定のトランスメン
ブランドメインを有するとして特徴付けられた。該ドメ
インは、細胞外または細胞質ループにより結合されたト
ランスメンブランa−ヘリックスを表すと思われる。G
タンパク質結合受容体としては、広範囲の生物学的に活
性な受容体、例えばホルモン、ウイルス、成長因子およ
び神経受容体などが挙げられる。
【0005】Gタンパク質結合受容体は、少なくとも8
個の開放性親水性ループを結合している、約20〜30
個のアミノ酸からなるこれらの7つの保存された疎水性
ストレッチを含むとして特徴付けられた。結合受容体の
Gタンパク質ファミリーとしては、精神病的および神経
病的障害を治療するために用いられた神経弛緩薬に結合
するドーパミン受容体が挙げられる。このファミリーの
メンバーの他の例としては、カルシトニン受容体、アド
レナリン作動性受容体、エンドセリン受容体、cAMP
受容体、アデノシン受容体、ムスカリン様受容体、アセ
チルコリン受容体、セロトニン受容体、ヒスタミン受容
体、トロンビン受容体、キニン受容体、卵胞刺激ホルモ
ン受容体、オプシン受容体、内皮分化遺伝子−1受容
体、ロドプシン受容体、オドラント受容体、およびサイ
トメガロウイルス受容体が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0006】ほとんどのGタンパク質結合受容体は、機
能的タンパク質構造を安定化すると思われるジスルフィ
ド結合を形成する最初の2つの細胞外ループの各々に単
一の保存されたシステイン残基を有する。7個のトラン
スメンブラン領域は、TM1、TM2、TM3、TM
4、TM5、TM6およびTM7と称される。TM3
は、シグナル変換に関係していた。
【0007】システイン残基のリン酸化および脂質化
(パルミチル化またはファルネシル化)は、いくつかの
Gタンパク質結合受容体のシグナル変換に影響を及ぼす
ことができる。ほとんどのGタンパク質結合受容体は、
第3の細胞質ループおよび/またはカルボキシ末端内に
潜在的なリン酸化部位を含んでいる。β−アドレノレセ
プターなどのいくつかのGタンパク質結合受容体につい
て、タンパク質キナーゼAおよび/または特定の受容体
キナーゼによるリン酸化は、受容体脱感受性を媒介す
る。
【0008】いくつかの受容体について、Gタンパク質
結合受容体のリガンド結合部位は、いくつかのGタンパ
ク質結合受容体トランスメンブランドメインによって形
成された親水性ソケット(該ソケットは、Gタンパク質
結合受容体の疎水性残基によって取り囲まれている)を
含有してなると思われる。各Gタンパク質結合受容体ト
ランスメンブランヘリックスの親水性部位は、内部に向
かい、極性リガンド結合部位を形成すると仮定される。
TM3は、TM3アスパラギン酸残基などのリガンド結
合部位を有するとしていくつかのGタンパク質結合受容
体に関係していた。TM5セリン、TM6アスパラギン
およびTM6またはTM7フェニルアラニンまたはチロ
シンもまた、リガンド結合に関係している。
【0009】Gタンパク質結合受容体は、異種三量体G
タンパク質によって、種々の細胞内酵素、イオンチャン
ネルおよび輸送体に細胞内で結合することができる[Jo
hnsonら, Endoc. Rey., 10: 317-331 (1989)を参照]。
種々のGタンパク質a−サブユニットは、好ましくは、
個々のエフェクターを刺激して、細胞における種々の生
物学的機能を調節する。Gタンパク質結合受容体の細胞
質残基のリン酸化は、いくつかのGタンパク質結合受容
体のGタンパク質結合の調節のための重要なメカニズム
として同定された。Gタンパク質結合受容体は、哺乳動
物宿主内の多くの部位に見られる。
【0010】過去15年にわたって、ほぼ150種類
の、7−トランスメンブラン(7−TM)受容体を標的
とする治療薬が成功裏に市場に導入された。これは、こ
れらの受容体が治療薬として確立され証明された歴史を
有することを示す。明らかに、以下に挙げられるがこれ
らに限定されない機能不全または疾患を予防、改善また
は矯正する役割を果たすことができるさらなる受容体の
同定および特徴付けが必要とされている:とりわけ、細
菌感染、真菌類感染、原生動物感染およびウイルス感染
などの感染、特に、HIV−1およびHIV−2によっ
て生じる感染、疼痛、癌、食欲不振、病的飢餓、喘息、
パーキンソン病、急性心不全、低血圧症、高血圧症、尿
停留、骨粗鬆症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレ
ルギー、良性前立腺肥大症、ならびに、不安、精神分裂
病、躁鬱病、せん妄、痴呆または重篤な精神遅滞、およ
びハンチントン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群
などのジスキネジーを含む精神病的および神経病的障
害。
【0011】本発明のポリペプチドは、保存された7−
トランスメンブラン残基を有し、公知のGタンパク質結
合受容体に対してアミノ酸配列ホモロジーを有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これらの結果および他
の結果に対して、本発明の目的は、とりわけ「図1」〜
「図3」に示すアミノ酸配列と、ラットブラジキニン−
2受容体、ヒトATP受容体およびヒト血小板活性化因
子受容体などの他のタンパク質の公知のアミノ酸配列と
の間のホモロジーにより新規HLYAZ61として同定
されたポリペプチドを提供することである。演繹された
HLYAZ61受容体タンパク質は、Gタンパク質結合
受容体と同じようないくつかの特徴を有する。最も顕著
なものは、受容体のGタンパク質結合スーパーファミリ
ーの間に見られる7−トランメンブラン構造トポロジー
を提供するメンブランスパンニングドメインを表すと思
われる、約20〜30個のアミノ酸からなる7個の疎水
性領域の存在である。
【0013】本発明のさらなる目的は、HLYAZ61
をコードするポリヌクレオチド、特に本明細書でHLY
AZ61と称するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドを提供することである。本発明のこの態様の特に
好ましい具体例では、ポリヌクレオチドは、「図1」〜
「図3」(配列番号1および2)に記載した配列におけ
るヒトHLYAZ61をコードしている領域を含有して
なる。本発明のこの態様に関連して、本発明は、プラス
ミドpHLYAZ61に含有されるヒトcDNAから発
現可能な成熟ポリペプチドをコードしている単離した核
酸分子を提供するものである。本発明のこの態様に関連
して、本発明は、mRNA、cNDA、ゲノムDNAお
よび断片を含むヒトHLYAZ61をコードしている単
離した核酸分子を提供するものであり、本発明のこの態
様のさらなる具体例では、生物学的、診断学的、臨床学
的または治療学的に有用なその変種、類似体または誘導
体、ならびに変種、類似体および誘導体の断片を提供す
るものである。ヒトHLYAZ61の天然の対立遺伝子
変種は、本発明のこの態様の特に好ましい具体例のうち
である。
【0014】本発明の目的は、治療目的のために、例え
ば、とりわけ、細菌感染、真菌類感染、原生動物感染お
よびウイルス感染、特に、HIV−1およびHIV−2
によって生じる感染、疼痛、癌、食欲不振、病的飢餓、
喘息、パーキンソン病、急性心不全、アテローム性動脈
硬化症、低血圧症、高血圧症、尿停留、骨粗鬆症、狭心
症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥
大症、ならびに、不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、
痴呆または重篤な精神遅滞、およびハンチントン病また
はジル・ド・ラ・ツレット症候群などのジスキネジーを
含む精神病的および神経病的障害を含むがこれらに限定
されない機能不全または疾患の治療のために用いられる
HLYAZ61ポリペプチド、特にヒトHLYAZ61
ポリペプチドを提供することでもある。
【0015】本発明のこの態様に関して、本発明は、本
明細書ではHLYAZ61と称されるヒト起源の新規ポ
リペプチド、ならびにその生物学的、診断学的または治
療学的に有用な断片、変種および誘導体、該断片の変種
および誘導体、ならびにその類似体を提供するものであ
る。ヒトHLYAZ61遺伝子の天然対立遺伝子により
コードされるヒトHLYAZ61の変種は、本発明の特
に好ましい具体例のうちである。本発明の他の態様に関
して、本発明は、本発明の受容体ポリペプチドに結合し
て、該受容体を活性化するかまたは該受容体の活性化を
阻害する化合物についておよび受容体リガンドについて
スクリーニングする方法を提供するものである。
【0016】本発明のもう1つの目的は、前記ポリペプ
チド、ポリペプチド断片、変種および誘導体、該変種お
よび誘導体の断片、ならびにその類似体の生成方法を提
供することである。本発明のこの態様の好ましい具体例
において、本発明は、宿主におけるヒトHLYAZ61
の発現のための条件下、外因的に誘導されたヒトHLY
AZ61コード化ポリヌクレオチドを発現的に取り込ん
だ宿主細胞を培養し、次いで、発現ポリペプチドを回収
することを特徴とする前記HLYAZ61ポリペプチド
の生成方法を提供するものである。
【0017】本発明のもう1つの目的に関して、本発明
は、とりわけ、リサーチ目的、生物学的目的、臨床目的
および治療目的のために前記ポリペプチドおよびポリヌ
クレオチドを利用する生成物、組成物、プロセスおよび
方法を提供するものである。
【0018】本発明のこの態様の好ましい具体例に関し
て、本発明は、とりわけ、HLYAZ61ポリペプチド
またはHLYAZ61コード化mRNAを決定すること
により細胞におけるHLYAZ61発現を評価するた
め;HLYAZ61ポリペプチドまたはここに記載され
ているポリヌクレオチドに細胞を暴露させることによ
り、イン・ビトロ、半ビボまたはイン・ビボで、とりわ
け、細菌感染、真菌類感染、原生動物感染およびウイル
ス感染、特に、HIV−1およびHIV−2によって生
じる感染、疼痛、癌、食欲不振、病的飢餓、喘息、パー
キンソン病、急性心不全、アテローム性動脈硬化症、低
血圧症、高血圧症、尿停留、骨粗鬆症、狭心症、心筋梗
塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥大症、なら
びに、不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆または
重篤な精神遅滞、およびハンチントン病またはジル・ド
・ラ・ツレット症候群などのジスキネジーを含む精神病
的および神経病的障害を含むがこれらに限定されない機
能不全または疾患を治療するため;HLYAZ61遺伝
子において、欠損症などの遺伝的変異および異常をアッ
セイするため;ならびにHLYAZ61ポリペプチドま
たはポリヌクレオチドを微生物に投与してHLYAZ6
1機能を増強するかまたはHLYAZ61機能不全を治
療するための生成物、組成物および方法を提供するもの
である。
【0019】本発明のさらにもう1つの具体例に関し
て、本発明は、HLYAZ61の発現不足に関する症状
の治療のための本発明の受容体ポリペプチドを刺激する
ためにかかる活性性化合物を使用する方法を提供するも
のである。本発明のもう1つの態様に関して、本発明
は、HLYAZ61の過剰発現に関する症状の治療のた
めにかかる阻害性化合物を使用する方法を提供するもの
である。本発明のさらにもう1つの態様に関して、本発
明は、受容体がHLYAZ61リガンドを結合するよう
な、本発明のHLYAZ61の少なくとも1つのドメイ
ンの保存的アミノ酸置換を有する断片、コンセスサス断
片および/または配列であるか、または、定量的または
定性的にHLYAZ61リガンド結合を調節してもよい
非天然合成、単離および/または組換えHLYAZ61
ポリペプチドを提供するものである。
【0020】本発明のさらにもう1つの態様に関して、
本発明は、診断用途、治療用途および/またはリサーチ
用途において用いられる予想される生物学的性質によ
り、リガンドに結合させるかまたはリガンド結合を調節
することによる、HLYAZ61機能の有効なモジュレ
ーターとして有用である合成または組換えHLYAZ6
1ポリペプチド、その保存的置換および誘導体、それに
対する抗体、抗イディオタイプ抗体、組成物および方法
を提供するものである。
【0021】本発明のさらにもう1つの目的は、受容体
タイプおよびサブタイプとして、種々のHLYAZ61
またはその断片を阻害するかまたはそれによく似るよう
に設計される合成、単離または組換えポリペプチドを提
供することである。本発明のこの態様および他の態様の
好ましい具体例に関して、本発明は、ヒトHLYAZ6
1配列にハイブリダイズするプローブを提供するもので
ある。本発明のこの態様のさらなる好ましい具体例にお
いて、本発明は、HLYAZ61ポリペプチドに対する
抗体を提供するものである。これに関する特に好ましい
具体例では、抗体は、ヒトHLYAZ61について非常
に選択的である。
【0022】本発明のもう1つの態様に関して、HLY
AZ61アゴニストを提供するものである。HLYAZ
61結合分子または受容体分子に結合し、HLYAZ6
1誘発応答を発生または増強する、HLYAZ61によ
く似る分子は、好ましいアゴニストのうちである。ま
た、HLYAZ61もしくはHLYAZ61ポリペプチ
ドと、またはHLYAZ61活性の他のモジュレーター
と相互に作用し、これにより、1以上のHLYAZ61
の効果を強化または増強する分子も好ましいアゴニスト
のうちである。本発明のさらにもう1つの態様に関し
て、HLYAZ61アンタゴニストを提供するものであ
る。HLYAZ61受容体または結合分子に結合するよ
うにHLYAZ61によく似るが、1以上のHLYAZ
61誘発応答を生じないものは、好ましいアンタゴニス
トのうちである。また、1以上のHLYAZ61の効果
を阻害するようにHLYAZ61に結合するかまたはH
LYAZ61と相互に作用するか、または、HLYAZ
61の発現を防止する分子も好ましいアンタゴニストの
うちである。
【0023】本発明のさらなる態様では、イン・ビトロ
で細胞に、半ビボで細胞に、およびイン・ビボで細胞
に、または、多細胞生物に投与するためのHLYAZ6
1ポリヌクレオチドまたはHLYAZ61ポリペプチド
を含有してなる組成物を提供するものである。本発明の
この態様の特定の好ましい具体例では、該組成物は、疾
患の治療のための宿主生物におけるHLYAZ61ポリ
ペプチドの発現のためのHLYAZ61ポリヌクレオチ
ドを含有してなる。HLYAZ61の異常な内因性活性
に関連する機能不全の治療のためのヒト患者における発
現は、これに関して特に好ましい。
【0024】本発明の他の目的、特徴、長所および態様
は、以下の説明から当業者に明らかになるであろう。し
かしながら、以下の説明および特定の実施例は、本発明
の好ましい具体例を示すが、単なる説明のために記載さ
れると解すべきである。記載した発明の意図および範囲
内における種々の変化および変更は、以下の説明および
本明細書の他の部分の記載により当業者に容易に明らか
になるであろう。
【0025】用語解説 以下の説明は、本明細書で、特に実施例でしばしば用い
られる用語の理解を容易にするために提供される。説明
は、便宜上提供されるものであり、本発明を限定するも
のではない。
【0026】DNAの「消化」とは、限定されないが、
DNAにおいてある種の配列でのみ作用する制限酵素な
どの酵素によるDNAの触媒化切断を表す。本明細書で
表す種々の制限酵素は、市販品であり、それらの反応条
件、補因子および使用のための他の必要条件は、知られ
ており、当業者に慣用的である。
【0027】分析目的のために、典型的には、プラスミ
ドまたはDNA断片1μgを、反応バッファー約20μl
中、約2単位の酵素で消化する。血漿構築のためにDN
A断片を単離するために、典型的には、DNA 5〜5
0μgを、20〜250単位の酵素で比例して大きな容
量で消化する。
【0028】特定の制限酵素のための適切なバッファー
および基質量は、以下に記載するような標準的な研究マ
ニュアルに記載されており、それらは、商業的供給者に
より特定化される。
【0029】通常、37℃で約1時間のインキュベーシ
ョン時間が用いられるが、条件は、標準的な方法、供給
者の指示および反応の詳細に関して変化する。消化後、
反応を分析し、断片を、当業者に慣用的なよく知られて
いる方法を用いて、アガロースゲルまたはポリアクリル
アミドゲルを介して電気泳動により精製する。
【0030】「遺伝的要素」は、一般に、ポリペプチド
をコードする領域、または複製、転写もしくは翻訳また
は宿主細胞中でのポリペプチドの発現に重要な他のプロ
セスを調節する領域を含んでなるポリヌクレオチド、あ
るいは、ポリペプチドをコードする領域および発現を調
節するそれに操作的に連結される領域の両方を含んでな
るポリヌクレオチドを意味する。
【0031】遺伝的要素は、エピソーム要素として;す
なわち、宿主細胞ゲノムの物理的に独立した分子として
複製するベクター内に含まれる。それらは、真核細胞に
おいてメトトレキセート選択によりトランスフェクトさ
れたDNAの増幅の間に生じるもののような、微小染色
体内に含まれる。遺伝的要素は、宿主細胞ゲノム内に、
それらの天然状態ではないが、むしろ精製DNAの形態
またはベクターにおける単離、クローニングおよび宿主
細胞への導入などの操作の後に含まれる。
【0032】「単離され」は、その自然の状態から「人
の手によって」変えられたことを意味する;すなわち、
自然に生じる場合、その元の環境から変化させられるか
または取り出されるか、その両方である。
【0033】この用語を本明細書で用いる場合、例え
ば、自然の状態で生きている動物に自然に存在する天然
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離され」
ていないが、その自然の状態での共存物質から分離され
た該ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離さ
れ」ている。例えば、ポリヌクレオチドに関して、「単
離され」なる用語は、自然に生じる染色体および細胞か
ら分離されることを意味する。
【0034】単離の一部として、または、単離に続い
て、かかるポリヌクレオチドは、例えば、突然変異誘発
のために、融合タンパク質を形成するために、および宿
主における増殖または発現のために、DNAなどの他の
ポリヌクレオチドに結合することができる。単離された
ポリヌクレオチドを、単独でまたはベクターなどの他の
ポリヌクレオチドに結合して、培養においてまたは全微
生物において、宿主細胞中に導入することができる。培
養においてまたは全微生物において宿主細胞中に導入さ
れると、かかるDNAは、なおも単離されるであろう。
というのは、それらは、それらの天然形態または環境に
はないからである。同様に、ポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドは、例えば、細胞中へのポリヌクレオチドま
たはポリペプチドの導入のための培地、処方、溶液など
の組成物、例えば、天然組成物ではない化学反応または
酵素反応のための組成物もしくは溶液で生じ、そこで
は、本明細書で用いる場合の該用語の意味の範囲内で単
離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドのままで
ある。
【0035】「ライゲーション」は、しばしば二本鎖D
NAである2以上のポリヌクレオチド間でホスホジエス
テル結合を形成するプロセスを表す。ライゲーションの
ための技術は、当該技術分野によく知られており、ライ
ゲーションのためのプロトコルは、例えば、Sambrook
ら, MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, 第2版;
Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring H
arbor, New York, 1989(以下、Sambrookらと記す)な
どの標準的な研究マニュアルおよび文献に記載されてい
る。
【0036】「オリゴヌクレオチド」は、比較的短いポ
リヌクレオチドを表す。しばしば、この用語は、一本鎖
デオキシリボヌクレオチドを表すが、一本鎖または二本
鎖リボヌクレオチド、RNA:DNAハイブリッドおよ
び二本鎖DNAもまた表す。
【0037】一本鎖DNAプローブオリゴヌクレオチド
などのオリゴヌクレオチドは、しばしば、自動化オリゴ
ヌクレオチド合成装置で行われるような、化学的方法に
より合成される。しかしながら、オリゴヌクレオチド
は、イン・ビトロ組換えDNA媒介技術を含む種々の他
の方法により、ならびに細胞および微生物におけるDN
Aの発現により行うことができる。
【0038】まず、化学的に合成されたDNAは、典型
的には、5'ホスファートなしで得られる。かかるオリ
ゴヌクレオチドの5'末端は、組換えDNA分子を形成
するために典型的に用いられるDNAリガーゼを用いる
ライゲーション反応によりホスホジエステル結合形成の
ための基質ではない。かかるオリゴヌクレオチドのライ
ゲーションが望ましい場合、キナーゼおよびATPを用
いるような標準的な方法により、ホスファートを添加す
ることができる。
【0039】化学的に合成されたオリゴヌクレオチドの
3'末端は、一般的に、遊離ヒドロキシル基を有してお
り、T4DNAリガーゼなどのリガーゼの存在下、もう
1つのオリゴヌクレオチドなどのもう1つのポリヌクレ
オチドの5'ホスファートとホスホジエステル結合を容
易に形成するであろう。よく知られているように、この
反応は、所望により、ライゲーション前に他のポリヌク
レオチドの5'ホスファートを除去することにより、選
択的に防止することができる。
【0040】「プラスミド」は、それらの宿主細胞の染
色体の一部ではない、安定に遺伝さる遺伝的要素であ
る。それらは、DNAまたはRNAからなり、線形であ
っても円形であってもよい。プラスミドは、それらの複
製および細胞複製の間の安定な遺伝を確実にする分子を
コードし、相当な医学的、農業的および環境的重要性を
有する生成物をコードする。例えば、それらは、病原性
細菌のビルレンスを非常に増加させる毒素をコードす
る。それらは、また、抗生物質に対する耐性を与える遺
伝子をコードする。プラスミドは、組換え遺伝子をクロ
ーン化し発現するために用いられるベクターとして分子
生物学において幅広く用いられる。本明細書では、プラ
スミドは、一般に、当業者によく知られている標準的な
命名慣例にしたがって、大文字および/または番号の前
および/または後に小文字pにより記される。本明細書
に記載する出発プラスミドは、市販のものもしくは公共
的に入手可能なものであるか、または、よく知られてい
る公表された方法の慣用的な適用により入手可能なプラ
スミドから構築することができる。本発明にしたがって
用いることができる多くのプラスミドおよび他のクロー
ニングおよび発現ベクターは、よく知られており、当業
者に容易に入手可能である。さらにまた、当業者は、本
発明における使用に適している多くの他のプラスミドを
容易に構築することができる。本発明におけるかかるプ
ラスミドおよび他のベクターの性質、構築および使用
は、本明細書から当業者に容易に明かであろう。
【0041】「ポリヌクレオチド」は、一般に、非修飾
RNAもしくはDNAまたは修飾RNAもしくはDNA
であるポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌ
クレオチドを表す。かくして、例えば、本明細書で用い
る場合、ポリヌクレオチドは、とりわけ、一本鎖および
二本鎖DNA、一本鎖領域および二本鎖領域の混合物で
あるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本
鎖領域および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖
もしくは典型的には二本鎖であるかまたは一本鎖領域お
よび二本鎖領域の混合物であるDNAおよびRNAから
なるハイブリッド分子を表す。
【0042】さらに、本明細書で用いる場合、ポリヌク
レオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよび
DNAの両方からなる三本鎖領域を表す。かかる領域の
鎖は、同一分子由来であっても異なる分子由来であって
もよい。該領域は1以上の分子の全てを含んでもよい
が、より典型的には、該分子のうちのいくつかの分子の
領域のみを含む。三重螺旋領域の分子の1つは、しばし
ば、オリゴヌクレオチドである。
【0043】本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチド
なる用語は、1以上の修飾塩基を含有する前記DNAま
たはRNAを含む。かくして、安定性または他の理由の
ために修飾された主鎖を有するDNAまたはRNAは、
該用語が本明細書で意図される場合のポリヌクレオチド
である。さらにまた、イノシンなどの普通ではない塩
基、またはトリチル化塩基などの修飾塩基を含有してな
るDNAまたはRNA(ちょうど2つの例を挙げる)
は、該用語が本明細書で用いられる場合のポリヌクレオ
チドである。
【0044】当業者に知られている多くの有用な目的に
かなう非常に様々な修飾がDNAおよびRNAに行われ
たことが認められるであろう。ポリヌクレオチドなる用
語は、本明細書で用いられる場合、ポリヌクレオチドの
化学的に、酵素的にまたは代謝的に修飾された形態、な
らびにとりわけ単純型細胞および複雑型細胞を含むウイ
ルスおよび細胞のDNAおよびRNA特徴を有する化学
的形態を表す。
【0045】本明細書で用いる場合、「ポリペプチド」
は、以下に記載するような全てのポリペプチドを含む。
ポリペプチドの基本構造はよく知られており、当該技術
分野なおける無数の教則本および他の刊行物に開示され
ている。これに関して、該用語は、本明細書では、ペプ
チド結合により直鎖にお互いに結合し合った2以上のア
ミノ酸を含有してなるペプチドまたはタンパク質を表す
ために用いられる。本明細書で用いる場合、該用語は、
当該技術分野で一般的にペプチド、オリゴペプチドおよ
びオリゴマーとして表される短い鎖および当該技術分野
で多くのタイプがあるタンパク質として表される長い鎖
の両方を表す。
【0046】ポリペプチドが、しばしば、一般に20天
然アミノ酸と称される20個のアミノ酸以外のアミノ酸
を含有すること、およびターミナルアミノ酸を含む多く
のアミノ酸が所定のポリペプチドにおいて、プロセシン
グおよび他の翻訳後修飾などの自然の方法によるか、ま
たは、当該技術分野でよく知られている化学的修飾技術
により修飾されることが認められるであろう。ポリペプ
チドにおいて自然に生じる一般的な修飾でさえ非常に多
くて余す所なく挙げられないが、それらは、基本書およ
びさらに詳述された研究論文、ならびに多数の研究文献
においてよく開示されており、かくして、当業者によく
知られている。
【0047】例証となる二、三を挙げると、アセチル
化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビ
ンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドもし
くはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質もしくは脂質
誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結
合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル
化、共有架橋結合の形成、システインの形成、ピログル
タメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボン酸化、
グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、
ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク
質分解プロセシング、リン酸化、フェニル化、ラセミ
化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのアミノ
酸のタンパク質へのトランスファー−RNA媒介付加、
ならびにユビキチン化は、本発明のポリペプチドに存在
する既知の修飾のうちである。
【0048】かかる修飾は、当業者によく知られてお
り、科学文献に非常に詳細に開示されている。いくつか
の特に一般的な修飾、例えば、グリコシル化、脂質結
合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボン酸
化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化は、例え
ば、PROTEINS - STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,
第2版, T. E. Creighton, W. H. Freeman and Compan
y, New York, 1993などのほとんどの基本書に開示され
ている。多くの詳述された評論雑誌がこれに関して入手
可能であり、例えば、POSTTRANSLATIONAL COVALENT MOD
IFICATION OF PROTEINS,B. C. Johnson編, Academic Pr
ess, New York, 1983におけるWold, F., “Posttransla
tional Protein Modifications: Perspectives and Pro
spects", 第1-12頁; Seifterら, “Analysis for prote
in modifications and nonprotein cofactors", Meth.
Enzymol., 1990, 182: 626-646およびRattanら, “Prot
ein Synthesis: Posttranslational Modifications and
Aging", Ann. N. Y. Acad. Sci.,1992, 663: 48-62に
よって提供されるものが挙げられる。
【0049】よく知られており、前記したとおり、ポリ
ペプチドは、常に全体的に直鎖状であるわけではないと
認められるであろう。例えば、ポリペプチドは、ユビキ
チン化の結果として枝分かれし、一般的に天然には生じ
ない人の操作により引き起こされる自然プロセシング事
象を含む翻訳後事象の結果として、枝分かれを伴うかま
たは伴わない、環状であってもよい。環状ポリペプチ
ド、枝分かれしたポリペプチドおよび枝分かれした環状
ポリペプチドは、非翻訳天然プロセスによって、および
全合成方法によっても同様に合成される。
【0050】修飾は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およ
びアミノもしくはカルボキシル末端を含むポリペプチド
のどこにでも生じることができる。実際、ポリペプチド
におけるアミノもしくはカルボキシル基またはその両方
の基の電子対を共有する修飾による遮断は、天然および
合成ポリペプチドにおいて共通であり、かかる修飾は、
本発明のポリペプチドにも同様に存在する。例えば、プ
ロセシング前にイー・コリ(E.coli)において作成さ
れたポリペプチドのアミノ末端残基は、ほとんど常にN
−ホルミルメチオニンであろう。
【0051】ポリペプチドにおいて生じる修飾は、しば
しば、作成される方法の機能である。宿主においてクロ
ーン化遺伝子を発現させることによって作成されたポリ
ペプチドについて、例えば、大部分における修飾の性質
および程度は、宿主細胞の翻訳後修飾能およびポリペプ
チドアミノ酸配列に存在する修飾シグナルによって決定
されるであろう。例えば、よく知られてるとおり、グリ
コシル化は、しばしば、イー・コリのような細菌宿主に
おいては生じない。したがって、グリコシル化を望む場
合、ポリペプチドは、グリコシル化する宿主、一般的に
は真核細胞において発現されるべきである。昆虫細胞
は、しばしば、哺乳動物細胞と同一の翻訳後グリコシル
化を行い、この理由のため、昆虫細胞発現系は、とりわ
け、グリコシル化の天然パターンを有する哺乳動物タン
パク質を有効に発現するように研究された。同様の考察
が他の修飾に適用される。
【0052】同一タイプの修飾は、所定のポリペプチド
における2、3の部位で同一の程度または程度が変化し
て存在することが認められるであろう。また、所定のポ
リペプチドは、多くのタイプの修飾を含有してもよい。
【0053】一般に、本明細書で用いる場合、ポリペプ
チドなる用語は、全てのかかる修飾、特に、宿主細胞に
おいてポリヌクレオチドを発現することによって合成さ
れるポリペプチドに存在するものを包含する。
【0054】本明細書で用いる場合、ポリヌクレオチド
またはポリペプチドの「変種」は、各々、参照ポリヌク
レオチドまたはポリペプチドとは異なるポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドである。この意味における変種
は、以下に、および、より詳細な本発明の説明における
他の箇所に記載されている。
【0055】(1)別の参照ポリヌクレオチドとヌクレ
オチド配列において異なるポリヌクレオチド。一般に、
差異は、参照および変種のヌクレオチド配列が、全体的
に非常に密接に類似しており、多くの領域では同一であ
るように制限される。
【0056】以下に記載するとおり、変種のヌクレオチ
ド配列の変化は、サイレントである。すなわち、それら
は、ポリヌクレオチドによってコードされたアミノ酸を
変更しない。変更がこのタイプのサイレント変化に制限
される場合、変種は、参照と同一のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドをコードするであろう。以下に記載する
とおり、変種のヌクレオチド配列の変化は、参照ポリヌ
クレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ
酸配列を変更する。かかるヌクレオチド変化は、以下に
記載するとおり、参照配列によってコードされるポリペ
プチドにおいてアミノ酸置換、付加、欠失、融合および
トランケーションを生じる。
【0057】(2)別の参照ポリペプチドとアミノ酸配
列において異なるポリペプチド。一般に、差異は、参照
および変種の配列が全体的に密接に類似しており、多く
の領域では同一であるように制限される。変種および参
照ポリペプチドは、組み合わせて存在してもよい1以上
の置換、付加、欠失、融合およびトランケーションによ
ってアミノ酸配列において異なる。
【0058】本明細書で用いる場合、「融合タンパク
質」は、2つの、しばしば無関係の、融合された遺伝子
またはその断片によってコードされるタンパク質であ
る。欧州特許出願EP-A-0 464 533[対応カナダ特許出願
第2045869号]には、別のヒトタンパク質またはその一
部と一緒に免疫グロブリン分子の定常部の種々の部分を
含有してなる融合タンパク質が開示されている。多くの
場合、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc
部を用いることは、例えば、改良された薬物動態特性を
生じる治療および診断における使用に便利である[例え
ば、欧州特許出願EP-A 0 232 262を参照]。他方、いく
つかの使用の場合、融合タンパク質が発現され、検出さ
れ、精製された後、Fc部を欠失することができるのが
望ましい。したがって、化学的または酵素的に切断可能
な連鎖領域を用いて融合タンパク質の2つの成分を連鎖
するのが望ましい。これは、Fc部が治療および診断に
おける使用に対する障害であることを証明する場合、例
えば、融合タンパク質が免疫化のために抗原として用い
られるべきである場合である。薬物発見において、例え
ば、hIL−5などのヒトタンパク質は、hIL−5の
アンタゴニストを同定するために高処理量スクリーニン
グアッセイ用のFc部と融合された。D. Bennettら, Jo
urnal of Molecular Recognition, 8: 52-58 (1995);
およびK. Johansonら, The Journal of Biological Che
mistry, 210 (16) : 9459-9471 (1995)を参照。
【0059】したがって、本発明は、HLYAZ61ま
たはその一部および種々のサブクラスの免疫グロブリン
(IgG、IgM、IgA、IgE)の重鎖もしくは軽鎖の
定常部の種々の部分を含有してなる遺伝子工学処理した
可溶性融合タンパク質にも関する。融合がヒンジ部で生
じる場合、ヒトIgG、特にIgG1の重鎖の定常部は、
免疫グロブリンとして好ましい。特定の具体例では、F
c部は、血液凝固因子Xaで切断することができる切断
配列の取込みにより簡単に除去することができる。さら
にまた、本発明は、遺伝子工学によるこれらの融合タン
パク質の調製のためのプロセス、ならびに診断および治
療のためのそれらの使用に関する。本発明のさらなる態
様は、かかる融合タンパク質をコードしているポリヌク
レオチドにも関する。
【0060】膜結合受容体は、融合タンパク質の形成に
特に有用である。かかる受容体は、一般に、3種類の構
造部:細胞外ドメイン、トランスメンブランドメインお
よび細胞質ドメインを有すると特徴付けられる。本発明
は、融合タンパク質の成分としてこれらの部分の1以上
の使用を考慮する。かかる融合タンパク質技術の例は、
国際特許出願WO94/29458およびWO94/2
2914に見ることができる。
【0061】「結合分子」(または、他に「相互作用分
子」もしくは「受容体成分因子」と称される)は、特
に、本発明の受容体ポリペプチドに結合するかまたは該
受容体ポリペプチドと相互に作用する、リガンドを含む
分子を表す。かかる結合分子は、本発明の一部である。
結合分子は、特に本発明のポリペプチドに結合する抗体
および抗体由来の試薬など、非天然であってもよい。
【0062】当該技術分野で知られているように、2つ
のポリペプチドの「類似性」は、1つのポリペプチドの
アミノ酸配列およびその保存されたアミノ酸置換基を第
2のポリペプチドの配列と比較することにより決定され
る。さらにまた、2つのポリペプチド配列または2つの
ポリヌクレオチド配列の間の配列関連性の程度を意味す
る「同一性」もまた、かかる配列の2つの長さの間のマ
ッチの同一性によって決定されるとして当該技術分野に
おいて知られている。同一性および類似性は、共に、容
易に算出することができる[COMPUTATIONAL MOLECULAR
BIOLOGY, Lesk,A. M.ら, Oxford University Press, Ne
w York, (1988); BIOCOMPUTING: INFORMATICS AND GENO
ME PROJECTS, Smith, D. W.ら, Academic Press, New Y
ork, (1993); COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA, P
ART 1, Griffin, A. M., およびGriffin, H. G.編, Hum
ana Press, New Jersey, (1994); SEQUENCE ANALYSIS I
NMOLECULAR BIOLOGY, von Heinje, G., Academic Pres
s, (1987); ならびにSEQUENCE ANALYSIS PRIMER, Gribs
kov, M. およびDevereux, J.編, M Stockton Press, Ne
w York, (1991)]。2つのポリヌクレオチド配列または
ポリペプチド配列の間の同一性および類似性を測定する
ための多くの方法が存在するが、「同一性」および「類
似性」なる用語は、当業者によく知られている[H. Car
illoおよびD. Lipton, SIAM J. Applied Math., 48: 10
73 (1988)]。2つの配列の間の同一性または類似性を
決定するために一般的に用いられる方法としては、Guid
e toHuge Computers, Martin J. Bishop編, Academic P
ress, San Diego, 1994ならびにH. CarilloおよびD. Li
pton, SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988)に開示
されるものが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。同一性を決定するための好ましい方法は、試験さ
れる2つの配列の間で最大のマッチを与えるように設計
される。同一性および類似性を決定するための方法は、
コンピュータープログラムにおいて体系化される。2つ
の配列の間の同一性および類似性を決定するための好ま
しいコンピュータープログラム法としては、GCSプロ
グラムパッケージ[J. Devereuxら, Nucleic Acids Res
earch, 12 (1): 387 (1984)]、BLAST、FAST
A[S. F. Atschulら, J. Molec. Biol., 215: 403 (19
90)]が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
【0063】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に詳細に
説明するとおり、特に、新規HLYAZ61ポリペプチ
ドおよびポリヌクレオチドに関する。特に、本発明は、
特に、Gタンパク質結合受容体、ラットブラジキニン−
2受容体、ヒトATP受容体およびヒト血小板活性化因
子受容体にアミノ酸配列ホモロジーによって関係付けら
れる新規ヒトHLYAZ61のポリペプチドおよびポリ
ヌクレオチドに関する。本発明は、特に、「図1」〜
「図3」に記載されているヌクレオチド配列およびアミ
ノ酸配列[各々、配列番号1および2]を有するHLY
AZ61、ならびにATCC受託番号98224(プラ
スミドpCMVSPORTHLYAZ61およびこれに
よりコードされているアミノ酸配列、ここで、「寄託ク
ローン」または「寄託クローンのcDNA」と称され
る)におけるヒトcDNAのHLYAZ61ヌクレオチ
ド配列に関する。「図1」〜「図3」に記載されている
ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、寄託クローン
のcDNAを配列決定することによって得られる。した
がって、寄託クローンの配列は、2つの間の不一致に関
して制御しており、「図1」〜「図3」の配列に対する
参照としては、寄託クローンのヒトcDNAの配列に対
する参照が挙げられる。
【0064】ポリヌクレオチド 本発明の1つの態様に関して、「図1」〜「図3」に記
載の推定アミノ酸配列[配列番号2]を有するHLYA
Z61ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド
を提供するものである。
【0065】「図1」〜「図3」に記載されているポリ
ヌクレオチド[配列番号1]などのここに提供された情
報を用いて、ヒトHLYAZ61をコードしている本発
明のポリヌクレオチドは、出発物質としてヒト白血球か
らの細胞由来のmRNAを用いてcDNAをクローニン
グするためのものなど、標準的なクローニングおよびス
クリーニング法を用いて得られる。本発明の一例とし
て、「図1」〜「図3」に記載されているポリヌクレオ
チド[配列番号1]は、発現された配列タグ(EST)
分析[M. D. Adamsら, Science, 252: 1651-1656 (199
1); M. D. Adamsら, Nature, 355: 632-634 (1992); M.
D. Adamsら, Nature, 377 Supp: 3-174 (1995)]およ
びジーン・トラッパーオゥ(Gene TrapperO)技術
(ライフ・テクノロジズ(Life Technologies)を用
いてヒト白血球cDNAプラスミドライブラリーにおい
て見いだされる。
【0066】本発明のヒトHLYAZ61は、構造的に
は、寄託クローンにおけるヒトHLYAZ61をコード
しているcDNAの配列決定の結果によって示されるよ
うに、Gタンパク質結合受容体の他のタンパク質に関係
している。HLYAZ61は、Gタンパク質結合受容体
と共通のいくつかの特徴を有する。受容体のGタンパク
質結合スーパーファミリーの中で見られる7−トランス
メンブラン構造トポロジーを提供するメンブランスパン
ニングドメインを表すと思われる、各々約20〜30個
のアミノ酸からなる7つの疎水性領域の存在が最も顕著
である。得られたcDNA配列は、「図1」〜「図3」
および配列番号1に記載される。それは、アミノ酸組成
だけを考慮し、グリコシル化などの翻訳後修飾を無視し
て、推定分子量約36,758ダルトンの最大サイズ3
19個のアミノ酸からなるタンパク質をコードしている
オープンリーディングフレームを含有する。
【0067】「図1」〜「図3」のHLYAZ61は、
ラットブラジキニン−2−受容体(GENBANK受託
番号M59967)についてのアール・ノルベギカス
(R.norvegicus)mRNAと132個のアミノ酸残基
において約33.3%の同一性およびヒトATP受容体
と223個のアミノ酸残基において22.9%の同一性
を有する。「図1」〜「図3」のHLYAZ61は、ヒ
ト血小板活性化因子受容体(GENBANK受託番号L
07334)と95個のアミノ酸において約30.5%
の同一性を有し、他のGタンパク質結合受容体について
同様のパーセントの同一性を占める。
【0068】本発明のポリヌクレオチドは、mRNAな
どのRNAの形態であるか、または、例えば、クローニ
ングによって得られるか、または化学合成法によって生
成されるか、またはその組合せによって得られるcDN
AおよびゲノムDNAを含むDNAの形態であってもよ
い。該DNAは、二本鎖であっても一本鎖であってもよ
い。一本鎖DNAは、センス鎖としても知られているコ
ード化鎖であるか、アンチ−センス鎖とも称される非コ
ード化鎖であってもよい。
【0069】ポリペプチドをコードしているコード化配
列は、「図1」〜「図3」に記載されるポリヌクレオチ
ド[配列番号1]のコード化配列と同一である。遺伝暗
号の重複(縮重)の結果として、「図1」〜「図3」に
記載されているポリペプチド[配列番号2]をコードし
ている異なる配列を有するポリヌクレオチドであっても
よい。
【0070】「図1」〜「図3」に記載されているポリ
ペプチドをコードしている本発明のポリヌクレオチドと
しては、単独で成熟ポリペプチドについてのコード化配
列;成熟ポリペプチドについてのコード化配列、および
プレ−またはプロ−またはプレプロ−タンパク質配列な
どのリーダー配列または分泌配列をコードしているもの
などのさらなるコード化配列;ならびに前記のさらなる
コード化配列を伴うかまたは伴わない、成熟ポリペプチ
ドのコード化配列、および、例えばmRNAのリボソー
ム結合および安定性のためなどのスプライシングおよび
ポリアデニル化シグナルを含む転写およびmRNAプロ
セシングにおいて役割を果たす転写された未翻訳配列な
どのイントロンおよび非コード化5'および3'配列が挙
げられるがそれに限定されないさらなる非コード化配列
が挙げられる。さらなる機能性を与えるコード化配列が
ポリペプチドに取り込まれてもよい。かくして、例え
ば、ポリペプチドは、融合ポリペプチドの精製を容易に
する、ペプチドなどのマーカー配列と融合してもよい。
本発明のこの態様の好ましい具体例では、マーカー配列
は、pQEベクター(キアジェン・インコーポレイテッ
ド(Qiagen, Inc.))において提供されるタグのよう
なヘキサ−ヒスチジンペプチドである。Gentzら, Proc.
Natl. Acad. Sci., USA, 1989, 86: 821-824に開示さ
れているように、例えば、ヘキサ−ヒスチジンは、融合
タンパク質の好都合な精製を提供する。他の具体例で
は、マーカー配列は、HAタグである。HAタグは、例
えば、Wilsonら, Cell, 1984, 37: 767によって開示さ
れたインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から誘導さ
れたエピトープに対応する。多くの他のかかるタグは、
市販されている。
【0071】前記に関して、「ポリペプチドをコードし
ているポリヌクレオチド」なる用語は、本明細書で用い
られる場合、遺伝暗号の重複によって、本発明のポリペ
プチドをコードしている配列を含むポリヌクレオチド、
特に「図1」〜「図3」に記載されているアミノ酸配列
[配列番号2]を有するヒトHLYAZ61を包含す
る。該用語は、コード化配列および/または非コード化
配列も含む、さらなる領域と一緒にポリペプチドをコー
ドしている単一の連続領域または不連続領域(例えば、
イントロンによって中断された)を含むポリヌクレオチ
ドをも包含する。
【0072】本発明は、さらに、「図1」〜「図3」に
記載される推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの断
片、類似体および誘導体をコードしている前記ポリヌク
レオチドの変種に関する。ポリヌクレオチドの変種は、
天然の対立遺伝子変種などの天然の変種であるか、自然
に生じることが知られていない変種であってもよい。ポ
リヌクレオチドのかかる非天然変種は、ポリヌクレオチ
ド、細胞または微生物に適用されるものを含む突然変異
誘発法によって作られてもよい。
【0073】ヌクレオチド置換、欠失または付加による
前記ポリヌクレオチドとは異なる変種は、これに関する
変種のうちである。置換、欠失または付加は、1以上の
ヌクレオチドを含む。該変種は、コード化領域もしくは
非コード化領域またはその利用法において変更される。
コード化領域における変更は、保存的または非保存的ア
ミノ酸置換、欠失または付加を生じる。
【0074】「図1」〜「図3」に記載されているHL
YAZ61のアミノ酸配列[配列番号2]を有するポリ
ペプチドをコードしているポリヌクレオチド;その変
種、類似体、誘導体および断片、ならびに該変種、類似
体および誘導体の断片は、これに関する本発明の特に好
ましい具体例のうちである。
【0075】さらに、数個(a several)、多少(a fe
w)、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0個の
アミノ酸残基が置換されているか、欠失されているか、
または、付加されているか、その組合せである「図1」
〜「図3」に記載されているHLYAZ61ポリペプチ
ドのアミノ酸配列を有するHLYAZ61変種をコード
しているポリヌクレオチド、類似体、誘導体および断
片、ならびに該断片の変種、類似体および誘導体は、こ
れに関して特に好ましい。これらのうち特に好ましく
は、HLYAZ61の特性および活性を変更しないサイ
レント置換、付加および欠失である。これに関して特に
好ましくは、保存的置換である。最も好ましくは、置換
なしで、「図1」〜「図3」に記載されているアミノ酸
配列を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレ
オチドである。
【0076】さらに、本発明の好ましい具体例は、「図
1」〜「図3」に記載されているアミノ酸配列を有する
HLYAZ61ポリペプチドをコードしているポリヌク
レオチドと少なくとも約60%同一であるポリヌクレオ
チド、かかるポリヌクレオチドと相補的であるポリヌク
レオチドである。最も好ましくは、寄託クローンのヒト
cDNAのHLYAZ61ポリペプチドをコードしてい
るポリヌクレオチドと少なくとも80%同一である領域
を含有してなるポリヌクレオチドおよびそれに相補的な
ポリヌクレオチドである。これに関して、該ポリヌクレ
オチドと少なくとも90%同一であるポリヌクレオチド
は、特に好ましく、少なくとも95%であるものは、特
に好ましい。さらにまた、少なくとも97%を有するも
のが好ましく、最も好ましくは、少なくとも98−99
%を有するものであり、少なくとも99%を有するもの
が最も好ましい。
【0077】さらにまた、これに関してさらに好ましい
具体例は、「図1」〜「図3」に記載されるcDNAに
よってコードされている成熟ポリペプチドと同一の生物
学的機能または活性を実質的に保持するポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドである。
【0078】さらに、本発明は、前記配列にハイブリダ
イズするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本
発明は、特に、ストリンジェントな条件下で前記ポリヌ
クレオチドにハイブリダイスするポリヌクレオチドに関
する。本明細書で用いる場合、「ストリンジェントな条
件」なる用語は、配列間の同一性が少なくとも95%、
好ましくは少なくとも97%である場合にのみハイブリ
ダイゼーションが生じることを意味する。
【0079】本発明のポリヌクレオチドアッセイに関し
てここでさらに検討するように、前記したような本発明
のポリヌクレオチドは、cDNAおよびゲノムDNAに
対するハイブリダイゼーションプローブとして用いて、
HLYAZ61をコードしている全長cDNAおよびゲ
ノムクローンを単離し、ヒトHLYAZ61遺伝子に対
して高い配列類似性を有する他の遺伝子のcDNAおよ
びゲノムクローンを単離する。かかるプローブは、一般
に、少なくとも15個のヌクレオチドを含有してなるで
あろう。好ましくは、かかるプローブは、少なくとも3
0個のヌクレオチドを有するであろうし、少なくとも5
0個のヌクレオチドを有してもよい。特に好ましいプロ
ーブは、30個〜50個の範囲のヌクレオチドを有する
であろう。
【0080】例えば、HLYAZ61遺伝子のコード化
領域は、オリゴヌクレオチドを合成するために既知のD
NA配列を用いてスクリーニングすることにより単離さ
れる。次いで、本発明の遺伝子のものと相補的な配列を
有する標識オリゴヌクレオチドを用いて、ヒトcDN
A、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスク
リーニングし、プローブがハイブリダイズするライブラ
リーのメンバーを決定する。
【0081】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、ポリヌクレオチドアッセイに関して本明細書で
さらに述べるように、ヒト疾患に対する治療および診断
の発見のためのリサーチ試薬および物質として用いられ
る。
【0082】ポリヌクレオチドは、さらなるアミノもし
くはカルボキシ末端アミノ酸または成熟ポリペプチドの
内部のアミノ酸(例えば、該成熟形態が1以上のポリペ
プチド鎖を有する場合)を加えた成熟タンパク質である
ポリペプチドをコードする。かかる配列は、とりわけ、
前駆体から成熟形態へのタンパク質のプロセシングにお
いて役割を果たすか、タンパク質トラフィッキングを容
易にするか、タンパク質半減期を延長または短縮させる
か、または、アッセイまたは生成のためのタンパク質の
操作を容易にする。この場合は、一般的にin situであ
るので、さらなるアミノ酸は、細胞酵素によって成熟タ
ンパク質から離れて処理される。
【0083】1以上のプロ配列に融合したポリペプチド
の成熟形態を有する前駆タンパク質は、ポリペプチドの
不活性形態であってよい。プロ配列が除去されると、か
かる不活性前駆体は、一般に活性化される。プロ配列の
いくつかまたは全ては、活性化前に除去される。一般的
に、かかる前駆体は、プロタンパク質と称される。
【0084】要するに、本発明のポリヌクレオチドは、
成熟タンパク質、(プレタンパク質と称される)リーダ
ー配列を加えた成熟タンパク質、プレタンパク質のリー
ダー配列ではない1以上のプロ配列を有する成熟タンパ
ク質の前駆体、またはリーダー配列および1以上のプロ
配列(一般的に、ポリペプチドの活性および成熟形態を
生成するプロセシング工程の間に除去される)を有する
プロタンパク質に対する前駆体であるプレプロタンパク
質をコードする。
【0085】寄託物質 ヒトHLYAZ61 cDNAを含有するプラスミド
は、1996年10月11日にアメリカ合衆国2085
2メリーランド州ロックヴィル、パーク・ロウン・ドラ
イブ12301番のアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(American Type Culture Collectio
n)に、ATCC受託番号98224の下に寄託され
た。該ヒトcDNA寄託物は、本明細書では、「寄託ク
ローン」または「寄託クローンのcDNA」と称され
る。寄託物質は、インサートとして全長HLYAZ61
cDNAを含有するプラスミドpCMVSPORT
(ギブコ(Gibco)・BRL;ライフ・テクノロジズ
(Life Technologies))である;該プラスミドは、
寄託により「pCMVSPORTHLYAZ61」と称
される。
【0086】寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際
的承認に関するブダペスト条約の下に行われた。株は、
変更できないであろうし、特許の発行により公衆に開放
される制限または条件を有しないであろう。寄託は、単
に、当業者に対する便宜として提供されるものであり、
寄託が35U.S.C.112条のもとに要求されるよう
な実施可能要件であることを承認するものではない。寄
託物質に含有されるポリヌクレオチドの配列およびそれ
によりコードされているポリペプチドのアミノ酸配列
は、本明細書の配列に関するいずれの記載にも矛盾する
事象においてコントロールしている。寄託物質を製造、
使用または販売するためにはライセンスが必要である
が、そのようなライセンスはここでは賦与されない。
【0087】ポリペプチド 本発明は、さらに、「図1」〜「図3」に記載される推
定アミノ酸配列[配列番号2]を有するヒトHLYAZ
61ポリペプチドに関する。
【0088】本発明は、また、これらのポリペプチドの
断片、類似体および誘導体にも関する。「図1」〜「図
3」に記載されるポリペプチドに(引用して本明細書の
記載とする)する場合、「断片」、「誘導体」および
「類似体」なる用語は、実質的に、かかるポリペプチド
と同一の生物学的機能または活性、すなわち、HLYA
Z61としての機能を保持するか、または、ポリペプチ
ドがHLYAZ61として機能しない場合でさえリガン
ドまたは結合分子に結合する能力を保持するポリペプチ
ド、例えば、受容体の可溶性形態を意味する。かくし
て、類似体としては、例えば、活性成熟ポリペプチドを
生成するためのプロタンパク質部分の切断によって活性
化することができるプロタンパク質が挙げられる。
【0089】本発明のポリペプチドは、組換えポリペプ
チド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチドであっ
てよい。好ましい具体例では、組換えポリペプチドであ
る。
【0090】「図1」〜「図3」のポリペプチドの断
片、誘導体または類似体は、(i)アミノ酸残基の1つ
以上が保存されたかまたは保存されていないアミノ酸残
基(好ましくは、保存されたアミノ酸)で置換され、か
かる置換アミノ酸残基が遺伝暗号によってコードされて
いてもいなくてもよいもの;(ii)アミノ酸残基の1
つ以上が置換基を含むもの;(iii)成熟ポリペプチ
ドがポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例え
ば、ポリエチレングリコール)のような別の化合物と融
合されるもの;(iv)リーダー配列もしくは分泌配
列、または成熟ポリペプチドまたはプロタンパク質配列
の精製のために用いられる配列のようなさらなるアミノ
酸が成熟ポリペプチドに融合されているものであってよ
い。かかる断片、誘導体および類似体は、本明細書に記
載の技術から当業者の範囲内であると思われる。
【0091】「図1」〜「図3」に記載されているHL
YAZ61のアミノ酸配列[配列番号:2]を有するポ
リペプチド、その変種、類似体、誘導体および断片、な
らびに該断片の変種、類似体および誘導体は、これに関
する本発明の特に好ましい具体例である。さらに、これ
に関する本発明の特に好ましい具体例は、HLYAZ6
1のアミノ酸配列を有するポリペプチド、その変種、類
似体、誘導体および断片、ならびにHLYAZ61の活
性/機能を保持している断片の変種、類似体および誘導
体である。
【0092】保存的アミノ酸置換により参照から変化し
ているものは、好ましい変種である。かかる置換は、同
様の特徴を有する他のアミノ酸によりポリペプチドにお
ける所定のアミノ酸を置換するものである。典型的に
は、保存的置換としては、脂肪族アミノ酸Ala、Val、
LeuおよびIleの間での相互置換;ヒドロキシル残基S
erおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、
アミド残基AsnおよびGln間の置換、塩基性残基Lysお
よびArgの交換、芳香族残基PheおよびTyr間の置換が
挙げられる。
【0093】さらにこれに関して特に好ましくは、数
個、多少、5〜10、1〜5、1〜3、2、1または0
個のアミノ酸残基が置換、欠失または付加されているか
またはこれらの組合せである、「図1」〜「図3」に記
載されるHLYAZ61のアミノ酸配列を有するポリペ
プチド、その変種、類似体、誘導体および断片、ならび
に該断片の変種、類似体および誘導体である。これらの
うち特に好ましくは、HLYAZ61の特性および活性
を変更しないサイレント置換、付加および欠失である。
これに関して特に好ましくは、保存的置換でもある。非
常に好ましくは、置換なしで「図1」〜「図3」に記載
されるアミノ酸配列[配列番号2]を有するポリペプチ
ドである。
【0094】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは、単離形態で提供され、好ましく
は、均一性に精製される。本発明のポリペプチドとして
は、配列番号2のポリペプチド(特に、成熟ポリペプチ
ド)、ならびに配列番号2のポリペプチドに少なくとも
約60%の同一性、および好ましくは配列番号2のポリ
ペプチドに少なくとも80−90%の類似性(より好ま
しくは、少なくとも90%の同一性)およびさらに好ま
しくは配列番号2のポリペプチドに少なくとも95%の
類似性(さらに好ましくは、少なくとも95%の同一
性)を有するポリペプチドが挙げられ、一般的に少なく
とも30個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも50
個のアミノ酸を含有するポリペプチドかかる部分を有す
るかかるポリペプチドの部分も挙げられる。
【0095】本発明のポリペプチドの断片または一部
は、ペプチド合成による対応する全長ポリペプチドを生
成するために用いられる;したがって、該断片は、全長
ポリペプチドを生成するための中間体として用いられ
る。本発明のポリヌクレオチドの断片または一部は、本
発明の全長ポリヌクレオチドを合成するために用いられ
る。断片は、「自立構造」(free-standing)であり、
他のアミノ酸またはポリペプチドの一部ではなく、また
これらと融合していないか、あるいは、断片は、該断片
が一部または領域を形成する大きなポリペプチド内に含
有されてなる。大きなポリペプチド内に含有されてなる
場合、ここで述べている断片は、単一の連続領域を形成
するのが最も好ましい。しかしながら、いくつかの断片
は、単一の大きなポリペプチド内に含有されてなる。例
えば、好ましい具体例は、宿主における発現のために設
計された前駆ポリペプチド内に含有されてなり、HLY
AZ61断片のアミノ末端に融合した異種プレ−および
プロ−ポリペプチド領域ならびに該断片のカルボキシル
末端に融合した付加領域を有する本発明のHLYAZ6
1ポリペプチドの断片に関する。したがって、ここで意
図される意味の1つの態様におけるフラクメントは、H
LYAZ61から誘導された融合ポリペプチドまたは融
合タンパク質の一部に関する。
【0096】本発明のポリペプチド断片の代表的な例と
しては、約5−15、10−20、15−40、30−
55、41−75、41−75、41−80、41−9
0、50−100、75−100、90−115、10
0−125および110−113アミノ酸長さを有する
ものが挙げられる。
【0097】これに関して、「約」は、いずれかの極値
または両極値で、数個、多少、5、4、3、2または1
個のアミノ酸残基により大きいかまたは小さい個々に挙
げられた範囲を含む。例えば、これに関する約40−9
0アミノ酸は、40プラスまたはマイナス数個、多少、
5、4、3、2または1個のアミノ酸残基から90プラ
スまたはマイナス数個、多少、5、4、3、2または1
個のアミノ酸残基のポリペプチド断片を意味する。すな
わち、40マイナス数個のアミノ酸から90プラス数個
のアミノ酸までの広い範囲から、40プラス数個のアミ
ノ酸から90マイナス数個のアミノ酸までの狭い範囲ま
でがある。これに関して非常に好ましくは、いずれかの
極値または両方の極値で、挙げられた範囲プラスまたは
マイナス5アミノ酸程度である。特に好ましくは、いず
れかの極値または両方の極値で、挙げられた範囲プラス
またはマイナス3アミノ酸程度である。特に非常に好ま
しくは、いずれかの極値または両方の極値で、挙げられ
た範囲プラスまたはマイナス1アミノ酸であるか、また
は、付加または欠失を伴わない挙げられた範囲である。
これに関する全てのうちで最も好ましくは、約5−1
5、10−20、15−40、30−55、41−7
5、41−80、41−90、50−100、75−1
00、90−115、100−125および110−1
13アミノ酸長さの断片である。
【0098】HLYAZ61のトランケーション突然変
異体は、本発明の特に好ましい断片のうちである。トラ
ンケーション突然変異体としては、「図1」〜「図3」
に記載されるアミノ酸配列を有するHLYAZ61ポリ
ペプチド、またはアミノ末端を含む連続している一連の
残基(すなわち、連続領域、一部または部分)もしくは
カルボキシル末端を含む連続している一連の残基の欠
失、または、二重トランケーション突然変異体の場合に
2つの連続している一連の残基(一方は、アミノ末端を
含んでおり、もう一方は、カルボキシル末端を含んでい
る)の欠失を除く、その変種または誘導体が挙げられ
る。本発明の膜結合受容体の特に好ましい断片として
は、細胞外ドメインが細胞質ドメインと直接融合する受
容体を生じるアテンダントトランスメンブランおよび細
胞質ドメインまたはトランスメンブラン領域欠失を伴わ
ない細胞外ドメインを含有してなる受容体の可溶性形態
が挙げられる。前記サイズ範囲を有する断片は、一般的
に断片のうちで特に好ましいトランケーション断片の好
ましい具体例である。
【0099】HLYAZ61の構造的または機能的特性
によって特徴付けられる断片もまたは、本発明のこの態
様において好ましい。これに関する本発明の好ましい具
体例としては、HLYAZ61の、アルファ−ヘリッス
およびアルファ−ヘリックス形成領域(「アルファ領
域」)、ベータ−シートおよびベータ−シート形成領域
(「ベータ領域」)、ターンおよびターン形成領域
(「ターン領域」)、コイルおよびコイル形成領域
(「コイル領域」)、親水性領域、疎水性領域、アルフ
ァ両親媒性領域、ベータ両親媒性領域、可撓性領域、表
面形成領域ならびに高い抗原インデックス領域が挙げら
れる。
【0100】前記特徴のうちの数個のような数個の構造
的特徴を組み合わせるHLYAZ61の領域を含有して
なるものは、これに関する非常に好ましい断片のうちで
ある。これに関して、「図1」〜「図3」の残基約10
〜約20、約40〜約50、約70〜約90、および約
100〜約113個によって定義された、ターン領域、
親水性領域、可撓性領域、表面形成領域、および高い抗
原インデックス領域の非常に特徴的なアミノ酸組成物に
よって特徴付けられる領域は、特に非常に好ましい領域
である。かかる領域は、前記したとおり、大きなポリペ
プチド内に含有されてなるか、または、それ自体で本発
明の好ましい断片であってもよい。このパラグラフで用
いる場合、「約」なる用語は、一般に、断片に関して前
記した意味を有すると認められるであろう。
【0101】さらに、HLYAZ61の活性を媒介する
ものは、好ましい領域である。これに関して最も非常に
好ましくは、類似の活性もしくは改良された活性を有す
るかまたは減少した望ましくない活性を有するものを含
む、HLYAZ61の化学的活性、生物学的活性または
他の活性を有する断片である。これに関して非常に好ま
しくは、配列、位置、または両方の配列において、RE
C1.3受容体およびEDG−2受容体などの関連ポリ
ペプチドの活性領域に対してホモログである領域を含有
する断片である。前記したトランケーション突然変異
体、または細胞質、トランスメンブランまたは細胞外ド
メインを含有してなる断片は、これらに関する特に好ま
しい断片のうちである。
【0102】本発明の断片は、トランスメンブラン領域
だけの欠失および細胞質ドメイン自体の少なくとも一部
の維持または国際特許出願WO96/04382に開示されている
別の細胞質ドメインの少なくとも一部との融合によって
生じた断片を含む。本発明は、とりわけ、前記断片をコ
ードしているポリヌクレオチド、該断片をコードしてい
るポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオ
チド、特に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするもの、PCRプライマーなどの、該断片をコード
しているポリヌクレオチドを増幅させるためのポリヌク
レオチドにも関すると認められるであろう。これらに関
して、好ましいポリヌクレオチドは、前記、好ましい断
片に対応するものである。
【0103】ベクター、宿主細胞、発現 本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、
本発明のベクターにより遺伝子工学処理される宿主細胞
および組換え技術による本発明のポリペプチドの生成に
関する。
【0104】宿主細胞は、遺伝子工学処理されて、本発
明のポリヌクレオチドを取込み、本発明のポリペプチド
を発現することができる。例えば、ポリヌクレオチド
は、感染、形質導入、トランスフェクション、トランス
ベクションおよび形質転換のよく知られている技術を用
いて、宿主細胞に導入してもよい。該ポリヌクレオチド
は、単独でまたは他のポリヌクレオチドと一緒に導入さ
れてもよい。かかる他のポリヌクレオチドは、独立して
導入されるるか、または、本発明のポリヌクレオチドと
同時導入されるか、または、結合して導入されてもよ
い。
【0105】かくして、例えば、本発明のポリヌクレオ
チドは、例えば哺乳動物細胞における同時トランスフェ
クトおよび選択のための標準的な方法を用いて、選択可
能なマーカーをコードしているもう1つの分離ポリヌク
レオチドを用いて宿主細胞中にトランスフェクトされて
もよい。この場合、ポリヌクレオチドは、一般に、宿主
細胞ゲノム中に安定に取り込まれるであろう。
【0106】別法としては、該ポリヌクレオチドは、宿
主において増殖のための選択可能なマーカーを含有する
ベクターに結合してもよい。該ベクター構造は、前記技
術によって宿主細胞中に導入されてもよい。一般的に、
プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物などの
沈殿物において、または、荷電脂質との複合体におい
て、DNAとして導入される。電気穿光法を用いてポリ
ヌクレオチドを宿主に導入してもよい。該ベクターがウ
イルスである場合、該ベクターは、イン・ビトロでパッ
ケージングされるか、または、パッケージング細胞中に
導入されてもよく、該パッケージングされたベクター
は、細胞中に形質導入されてよい。本発明のこの態様に
関して、ポリヌクレオチドを作成するのに適切かつポリ
ヌクレオチドを細胞中に導入するのに適切な種々の技術
は、当業者によく知られており、慣用的である。かかる
技術は、これらの技術を詳述する多くの研究マニュアル
の説明である前記Sambrookらに詳細に開示されている。
【0107】本発明のこの態様に関して、該ベクター
は、例えば、プラスミドベクター、一本鎖もしくは二本
鎖ファージベクター、または一本鎖もしくは二本鎖RN
AまたはDNAウイルスベクターであってもよい。かか
るベクターは、DNAおよびRNAを細胞中に導入する
ためのよく知られている技術によって、ポリヌクレオチ
ド、好ましくはもDNAとして細胞中に導入されてもよ
い。ファージベクターおよびウイルスベクターの場合、
該ベクターは、感染および形質導入のためのよく知られ
ている技術によって、パッケージングされたかまたはキ
ャプシドに包まれたウイルスとして細胞中に導入されて
もよく、好ましくは導入される。ウイルスベクターは、
複製コンピテントまたは複製デフェクティブであっても
よい。後者の場合、ウイルス増殖は、一般的に、宿主細
胞を補完する際においてのみ生じるであろう。
【0108】ベクターのうち好ましくは、本発明のポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドの発現のためのもので
ある。一般的に、かかるベクターは、発現されるべきポ
リヌクレオチドに操作的に連結した宿主における発現に
有効なシス作用調節領域を含有してなる。適当なトラン
ス作用因子は、宿主によって供給されるか、コンプリメ
ンティングベクターによって供給されるか、または、宿
主への導入後にベクター自身によって供給される。
【0109】これに関する好ましい具体例では、ベクタ
ーは、特異的発現のために準備する。かかる特異的発現
は、誘導可能な発現またはある種のタイプの細胞のみに
おいての発現または誘導可能かつ細胞特異的な発現であ
ってよい。誘導可能なベクターのうち特に好ましくは、
温度および栄養添加物などの操作するのが容易である環
境要因による発現のために誘導され得るベクターであ
る。原核宿主および真核宿主において用いるための構成
性および誘導可能な発現ベクターを含む、本発明のこの
態様に適している種々のベクターは、よく知られてお
り、当業者によって慣用的に用いられている。
【0110】工学処理した宿主細胞は、とりわけ、プロ
モーターの活性化、形質転換体の選択または遺伝子の増
幅に適切な場合に修飾されてもよい、慣用の栄養培地に
おいて培養することができる。発現のために選択された
宿主細胞と一緒に予め用いられる温度およびpHなどの
培養条件は、一般に、当業者に明らかであるように、本
発明のポリペプチドの発現に適しているであろう。
【0111】多くの種々の発現ベクターを用いて、本発
明のポリペプチドを発現することができる。かかるベク
ターとしては、染色体ベクター、エピソームベクターお
よびウイルス誘導ベクター、例えば、細菌プラスミド、
バテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体要素、
およびバキュロウイルス、パポバウイルス、SV40、
ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、
仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルスなどのウイル
スから誘導されたベクター、ならびにプラスミドおよび
バクテリオファージ遺伝要素、コスミドおよびファージ
ミドから誘導されるもののようなその組合せから誘導さ
れたベクターが挙げられる。一般的に、宿主においてポ
リヌクレオチドを維持、増殖または発現させて、ポリペ
プチドを生成するのに適しているベクターは、これに関
する発現のために用いられてよい。
【0112】適当なDNA配列は、種々のよく知られて
おりかつ慣用的な技術のいずれによってベクター中に挿
入されてもよい。一般に、発現のためのDNA配列は、
1以上の制限エンドヌクレアーゼでDNA配列および発
現ベクターを切断し、次いで、T4 DNAリガーゼを
用いて一緒に制限断片を結合することによって発現ベク
ターに結合される。このために用いることができる制限
およびライゲーションのための方法は、よく知られてお
り、当業者に慣用的である。これに関して、および別法
を用いる発現ベクターを構築するために適している、当
業者によく知られておりかつ慣用的でもある方法は、Sa
mbrookらに非常に詳細に開示されている。
【0113】発現ベクターにおけるDNA配列は、例え
ば、mRNA転写を指向するプロモーターを含む適当な
発現調節配列に操作的に連結している。かかるプロモー
ターの代表例としては、よく知られているプロモーター
のいくつかを挙げると、ファージラムダPLプロモータ
ー、イー・コリ(E.coli)lac、trpおよびta
cプロモーター、SV40初期および後期プロモーター
ならびにレトロウイルスLTRのプロモーターが挙げら
れる。本発明のこの態様において有用な多くの他のプロ
モーターがよく知られており、かつ、本明細書における
説明および実施例によって説明される方法で当業者によ
って慣用的に用いられてもよいことは、理解されるであ
ろう。
【0114】一般に、発現構築物は、転写開始部位およ
び終止部位、ならびに、転写された領域における翻訳の
ためのリボソーム結合部位を含むであろう。構築物によ
って発現された成熟転写体のコーディング部分は、開始
時の転写開始AUGおよび翻訳されるべきポリペプチド
の最後に適切に位置する終止コドンを含むであろう。
【0115】さらに、構築物は、発現を調節し発生させ
る調節領域を含有してもよい。一般的に、多くの一般的
に実施される方法にしたがって、かかる領域は、転写を
制御することによって機能するであろう。一例として
は、とりわけ、リプレッサー結合部位およびエンハンサ
ーが挙げられる。増殖および発現のためのベクターとし
ては、一般的に、選択可能なマーカーが挙げられるであ
ろう。選択可能なマーカー遺伝子は、形質転換された宿
主細胞の選択のための表現型特徴を提供する。好ましい
マーカーとしては、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸
レダクターゼまたはネオマイシン耐性遺伝子、ならびに
イー・コリおよび他の細菌を培養するためのテトラサイ
クリンまたはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられるが、
これに限定されるものではない。かかるマーカーは、増
幅にも適している。別法としては、該ベクターは、この
目的のためにさらにマーカーを含有してもよい。
【0116】本明細書に記載しているような適切なDN
A配列、ならびに適切なプロモーターおよび他の適切な
調節配列を含有するベクターは、所望のポリペプチドの
発現に適している種々のよく知られている技術を用いて
適切な宿主中に導入されてもよい。適切な宿主の代表的
な例としては、イー・コリ、ストレプトマイセスおよび
サルモネラ・チフィムリウム細胞などの細菌細胞;酵母
細胞などの真菌類細胞;トロソフィラ(Drosophila)
S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞な
どの昆虫細胞;CHO、COSおよびボウズ(Bowes)
黒色腫細胞などの動物細胞;ならびに植物細胞が挙げら
れる。非常に種々の発現構築物の宿主は、よく知られて
おり、当業者は、本明細書の記載によって、本発明のこ
の態様にしたがってポリペプチドを発現するための宿主
を慣用的に選択することが可能になるであろう。
【0117】さらに詳しくは、本発明は、前記した1以
上の配列を含有してなる発現構築物などの組換え構築物
も含む。該構築物は、本発明のかかる配列が挿入され
た、プラスミドまたはウイルスベクターなどのベクター
を含有してなる。該配列は、前進方向または逆方向に挿
入されてもよい。これに関する好ましい具体例では、該
構築物は、さらに、配列に操作可能に連結された、例え
ばプロモーターを含む調節配列を含有してなる。多数の
好適なベクターおよびプロモーターは、当業者に知られ
ており、本発明において用いるのに適している多くの市
販のベクターがある。
【0118】市販されている以下のベクターが一例とし
て挙げられる。細菌において用いるのに好ましいベクタ
ーとしては、キアジェン(Qiagen)から入手可能なp
QE70、pQE60およびpQE−9;ストラータジ
ーン(Stratagene)から入手可能なpBSベクター、
Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH
8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A;な
らびにファルマシア(Pharmacia)から入手可能なpt
rc99a、pKK223−3、pKK233−3、p
DR540、pRIT5が挙げられる。好ましく真核ベ
クターとしては、ストラータジーンから入手可能なpW
LNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およ
びpSG;ならびにファルマシアから入手可能なpSV
K3、pBPV、pMSGおよびpSVLが挙げられ
る。これらのベクターは、本発明のこの態様にしたがっ
て用いるための当業者に入手可能である多くの市販され
ておりよく知られているベクターの実例として単に挙げ
られている。例えば宿主における本発明のポリヌクレオ
チドまたはポリペプチドの導入、維持、増殖または発現
に適している他のプラスミドまたはベクターが本発明の
この態様において用いられてもよいことは認められるで
あろう。
【0119】プロモーター領域は、候補プロモーター断
片、すなわち、プロモーターを含有する断片を導入する
ための制限部位の下流の、クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(「CAT」)転写単位などのプ
ロモーター領域を欠失しているリポーター転写単位を含
有するベクターを用いて所望の遺伝子から選択すること
ができる。よく知られているように、CAT遺伝子の上
流の制限部位でのプロモーター含有断片のベクター中へ
の導入は、標準的なCATアッセイによって検出するこ
とができるCATの生成を生じる。このために適してい
るベクターは、よく知られており、容易に入手可能であ
る。かかるベクターの2つの例としては、pKK232
−8およびpCM7が挙げられる。かくして、本発明の
ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーターとして
は、よく知られておりかつ容易に入手可能なプロモータ
ーだけではなく、リポーター遺伝子を用いて前記技術に
よって容易に得られてもよいプロモーターも挙げられ
る。
【0120】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドの発現に適している公知の細菌プロモーターとして
は、イー・コリlacIおよびlacZプロモーター、
T3およびT7プロモーター、gptプロモーター、ラ
ムダPR、PLプロモーターならびにtrpプロモータ
ーが挙げられる。
【0121】これに関して適している公知の真核プロモ
ーターとしては、CMV直接初期プロモーター、HSV
チミジンキナーゼプロモーター、初期および後期SV4
0プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(「RSV」)な
どのレトロウイルスLTRのプロモーター、ならにマウ
スメタロチオネイン−Iプロモーターなどのメタロチオ
ネインプロモーターが挙げられる。
【0122】宿主細胞における発現に適しているベクタ
ーおよびプロモーターの選択は、よく知られている方法
であり、発現ベクターの構築、宿主中へのベクターの導
入および宿主における発現のために必要な技術は、当業
者に慣用的である。
【0123】本発明は、また、前記構築物を含有する宿
主細胞にも関する。宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高
等真核細胞、酵母細胞などの下等真核細胞、または細菌
細胞などの原核細胞であってよい。
【0124】構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カル
シウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン
媒介トランスフェクション、陽イオン脂質媒介トランス
フェクション、電気穿光法、形質導入、感染または他の
方法によって行うことができる。かかる方法は、Davis
ら. BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, (1986) な
どの多くの標準的な研究マニュアルに開示されている。
【0125】宿主細胞における構築物は、慣用的な方法
で用いて、組換え配列によってコードされる遺伝子産物
を生成することができる。別法としては、本発明のポリ
ペプチドは、慣用的なペプチド合成器によって合成的に
生成することができる。
【0126】成熟タンパク質は、適切なプロモーターの
制御下で、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞
において発現することができる。無細胞翻訳系を用い
て、本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用い
て、かかるタンパク質を生成することができる。原核お
よび真核宿主と一緒に用いるための適切なクローニング
および発現ベクターは、前記Sambrookらに開示されてい
る。
【0127】一般的に、組換え発現ベクターは、複製起
点、下流の構造配列の転写を指向するための非常に発現
された遺伝子から誘導されたプロモーター、およびベク
ターの暴露の後に細胞を含有するベクターを単離させる
選択可能なマーカーを含むであろう。適切なプロモータ
ーとしては、とりわけ、3−ホスホグリセリン酸キナー
ゼ(「PGK」)、a−因子、酸性ホスファターゼ、お
よび熱ショックタンパク質などの糖分解酵素をコードし
ている遺伝子から誘導されるものが挙げられる。選択可
能なマーカーとしては、イー・コリのアンピシリン耐性
遺伝子およびエス・セレビシエ(S.cerevisiae)のt
rp1遺伝子が挙げられる。
【0128】高等真核生物による本発明のポリペプチド
をコードしているDNAの転写は、エンハンサー配列の
ベクター中への挿入によって増加してもよい。エンハン
サーは、所定の宿主細胞型におけるプロモーターの転写
活性を増加するように作用する通常約10〜300bpの
DNAのシス作用要素である。エンハンサーの例として
は、bp100〜270で複製起点の後期サイトに位置す
るSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プ
ロモーターエンハンサー、複製起点の後期サイト上のポ
リオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハン
サーが挙げられる。
【0129】本発明のポリペプチドの異種構造配列をコ
ードしている本発明のポリヌクレオチドは、一般的に、
標準的な技術を用いてベクター中に挿入されるであろう
し、その結果、発現のためにプロモーターに操作可能に
連結される。ポリヌクレオチドは、位置決定されるであ
ろうし、その結果、転写開始が適切にはリボソーム結合
部位に対して5'に位置する。リボソーム結合部位は、
発現されるべきポリペプチドの翻訳を開始するAUGに
対して5'であろう。一般に、開始コドン、通常AUG
を用いて始まり、リボソーム結合部位と開始コドンとの
間にある他のオープンリーディングフレームはないであ
ろう。また、一般に、ポリペプチドの最後には翻訳停止
コドン、ならびに転写された領域の3'末端には適切に
配置されたポリアデニル化シグナルおよび転写終止シグ
ナルがあるだろう。
【0130】適切な分泌シグナルは、小胞体の内腔、細
胞周辺腔または細胞外環境中への翻訳されたタンパク質
の分泌のために発現されたポリペプチド中に取り込まれ
てもよい。該シグナルは、ポリペプチドに対して内生的
であるか、または、異種であってもよい。
【0131】該ポリペプチドは、融合タンパク質などの
修飾形態で発現されてもよく、分泌シグナルだけではな
く、さらなる異種機能的領域を含んでもよい。かくし
て、例えば、さらなるアミノ酸、特にチャージしたアミ
ノ酸の領域は、ポリペプチドのN−末端に付加されて、
精製または後の取り扱いおよび貯蔵の間の宿主細胞にお
ける安定性および持続性を改良してもよい。領域は、ポ
リペプチドに付加されて、精製を促進してもよい。かか
る領域は、ポリペプチドの最終精製前に除去されてよ
い。ペプチド部分をポリペプチドに付加して、とりわ
け、分泌または排泄を使用時、安定性を改良し、精製を
促進することは、当該技術分野でよく知られている慣用
的な技術である。
【0132】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドの増殖、維持または発現に適している真核宿主とし
ては、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、バ
シラス・サチリス(Bacillus subtilis)およびサルモ
ネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)が
挙げられる。シュードモナス(Pseudomonas)、ストレ
プトマイセス(Streptomyces)およびスタフィロコッ
カス(Staphylococcus)の種々の種もまた、これに関
する適切な宿主である。さらにまた、当業者に知られて
いる多くの他の宿主もまた、これに関して用いられてよ
い。
【0133】代表的であるが非限定的である例として、
細菌用の有用な発現ベクターは、選択可能なマーカー、
およびよく知られているクローニングベクターpBR3
22(ATCC 37017)の遺伝要素を含有してな
る市販のプラスミドから誘導された細菌性複製起点を含
有してなっていてもよい。かかる市販のベクターとして
は、例えば、pKK223−3(スウェーデン国ウプサ
ラのファルマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia
Fine Chemicals))およびGEM1(アメリカ合衆
国ウィスコンシン州マジソンのプロメガ・バイオテク
(Promega Biotec))が挙げられる。これらのベクタ
ーにおいて、pBR322「主鎖」セクションは、適切
なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み合
わせられている。
【0134】適切な宿主株の形質転換後、宿主株は、適
切な細胞密度に増殖される。選択されたプロモーターが
誘導可能である場合、それは、適切な手段(例えば、温
度上昇または化学的インデューサーへの暴露)によって
誘導され、細胞は、さらなる期間培養される。次いで、
典型的には、細胞は、遠心分離により収穫され、物理的
または化学的手段により粉砕され、得られた粗製抽出物
は、さらなる精製の間保持される。
【0135】タンパク質の発現において用いられる微生
物細胞は、冷凍−解凍サイクル、音波処理、機械的粉
砕、または細胞溶解剤の使用を含む好都合な方法によっ
て粉砕することができる。かかる方法は、当業者によく
知られている。
【0136】種々の哺乳動物細胞培養系も同様に発現の
ために用いることができる。哺乳動物発現系の例として
は、C127、3T3、CHO、HeLa、ヒト腎臓2
93およびBHKセルライン、ならびにGluzmanら, Cel
l, 1981, 23: 175に開示されているサル腎臓線維芽細胞
のCOS−7セルラインが挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0137】哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切
なプロモーターおよびエンハンサー、ならびに必要なリ
ボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスド
ナーおよびアクセプター部位、転写終止配列、および発
現のために必要な5'フランキング非転写配列を含有し
てなるであろう。好ましい具体例では、SV40スプラ
イス部位およびSV40ポリアデニル化部位から誘導さ
れたDNA配列は、要求される非転写遺伝要素のために
用いられる。
【0138】HLYAZ61ポリペプチドは、硫酸アン
モニア法またはエタノール沈殿法、酸性抽出法、陰イオ
ンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー法、ホスホセ
ルロースクロマトグラフィー法、疎水性相互作用クロマ
トグラフィー法、アフィニティークロマトグラフィー
法、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー法およ
びレクチンクロマトグラフィー法を含むよく知られてい
る方法によって組換え細胞培養から回収および精製する
ことができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラ
フィー(「HPLC」)は、精製のために用いられる。
タンパク質を再生するためのよく知られている技術を用
いて、ポリペプチドが単離および/または精製の間に変
性される場合に活性なコンホメーションを再生してもよ
い。
【0139】本発明のポリペプチドとしては、自然に精
製されたポリペプチド、化学的合成法によって生成され
たポリペプチド、ならびに例えば細菌細胞、酵母細胞、
高等植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞を含む原核
宿主または真核宿主から組換え技術によって生成された
ポリペプチドが挙げられる。組換え生成方法において用
いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グ
リコシル化されていてもグリコシル化されていなくても
よい。さらに、本発明のポリペプチドは、宿主媒介方法
の結果として、初期修飾メチオニン残基を含む場合があ
ってもよい。
【0140】HLYAZ61ポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドは、種々の適用、特に、HLYAZ61の化
学的性質および生物学的性質を使用するもののために本
発明にしたがって用いられてもよい。さらなる適用は、
細胞、組織および生物の障害の診断および治療に関す
る。本発明のこれらの態様は、以下の説明によってさら
に説明される。
【0141】ポリヌクレオチドアッセイ 本発明は、例えば診断薬として用いるための相補的ポリ
ヌクレオチドを検出するためのHLYAZ61ポリヌク
レオチドの使用にも関する。機能不全に関連するHLY
AZ61の突然変異形態の検出は、HLYAZ61の過
小発現、過剰発現または変更された発現から生じる疾患
の診断または疾患に対する罹病性に加えることができる
かまたはこれを定義することができる診断器具を提供す
るであろう。ヒトHLYAZ61遺伝子において突然変
異を有する個体は、種々の技術によってDNAレベルで
検出されてもよい。診断のための核酸は、血液、尿、唾
液、組織生検または剖検材料からなどの患者の細胞から
得てもよい。ゲノムDNAは、検出のために直接用いる
か、または、分析前にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
[Saikiら, Nature, 324: 163-166 (1986)]を用いるこ
とによって酵素学的に増幅させてもよい。RNAまたは
cDNAは、同様の方法で用いてもよい。例として、H
LYAZ61をコードしている核酸に相補的なPCRプ
ライマーを用いて、HLYAZ61発現および突然変異
を同定および分析することができる。例えば、欠失およ
び挿入は、正常な遺伝子型と比較して増幅生成物のサイ
ズの変化によって検出することができる。点突然変異
は、増幅したDNAを放射性標識HLYAZ61 RN
Aまたは放射性標識HLYAZ61アンチセンスDNA
配列にハイブリダイスさせることによって同定すること
ができる。完全にマッチした配列は、RNase A消
化により、または、融点の差異により、ミスマッチ二本
鎖と区別することができる。
【0142】対照遺伝子および突然変異を有する遺伝子
との間の配列差異は、直接DNA配列決定によって明ら
かにすることもできる。さらに、クローン化DNAセグ
メントをプローブとして用いて、特定のDNAセグメン
トを検出することができる。かかる方法の感度は、PC
Rまたは他の増幅方法の適切な使用によって非常に増強
することができる。例えば、配列決定プライマーを、二
本鎖PCR生成物または修飾PCRにより生じた一本鎖
鋳型分子と一緒に用いる。配列決定は、放射性標識ヌク
レオチドを用いて慣用の方法により、または、フルオレ
セント−タグを用いて自動配列決定法により、行われ
る。
【0143】DNA配列差異に基づく遺伝子検定は、変
性剤を用いるかまたは用いずに、ゲル中でのDNA断片
の電気泳動移動度の変化の検出によって行ってもよい。
小さな配列欠失および挿入は、高解像度ゲル電気泳動法
によって視覚化することができる。種々の配列のDNA
断片は、種々のDNA断片の移動度が種々の位置でそれ
らの特異的融点または部分融点に従ってゲル中で遅らせ
られるホルムアミド勾配ゲルを変性させた後に区別され
てもよい[例えば、Myersら, Science, 230: 1242 (198
5) を参照]。
【0144】特定の位置での配列変化は、RNaseお
よびS1保護などのヌクレアーゼ保護アッセイまたは化
学的切断法によって明らかにされてもよい[例えば、Co
ttonら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 85:4397-4401
(1985)]。
【0145】かくして、特定のDNA配列の検出は、ハ
イブリダイゼーション、RNase保護、化学的切断、
直接DNA配列決定または制限酵素の使用(例えば、制
限断片長多型(「RFLP」)およびゲノムDNAのサ
ザンブロット法)などの方法によって行われてもよい。
【0146】本発明のさらなる態様に関して、本発明
は、とりわけ、細菌感染、真菌類感染、原生動物感染お
よびウイルス感染などの感染、特に、HIV−1および
HIV−2により生じる感染、疼痛、癌、拒食症、病的
飢餓、喘息、パーキンソン病、急性心不全、アテローム
性動脈硬化症、低血圧症、高血圧症、尿停留、骨粗鬆
症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性
前立腺肥大症、ならびに、不安、精神分裂病、躁鬱病、
せん妄、痴呆または重篤な精神遅滞、およびハンチント
ン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群などのジスキ
ネジーを含む精神病的および神経的障害を含むがこれら
に限定されない機能不全または疾患に対する罹病性の診
断方法または決定方法を提供するものである。HLYA
Z61遺伝子における突然変異は、かかる機能不全また
は疾患に対する罹病性を示し;前記核酸配列は、かかる
罹病性を評価するためのアッセイにおいて用いてもよ
い。かくして、例えば、該アッセイを用いて、置換、欠
失、トランケーション、挿入、フレームシフトなどの本
明細書に記載される場合のヒトHLYAZ61遺伝子に
おける突然変異(かかる突然変異は、前記機能不全また
は疾患のいずれかに対する罹病性を表示する)を決定し
てもよい。
【0147】本発明は、疾患、特に、とりわけ、細菌感
染、真菌類感染、原生動物感染およびウイルス感染など
の感染、特に、HIV−1およびHIV−2により生じ
る感染、疼痛、癌、拒食症、病的飢餓、喘息、パーキン
ソン病、急性心不全、アテローム性動脈硬化症、低血圧
症、高血圧症、尿停留、骨粗鬆症、狭心症、心筋梗塞、
潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥大症、ならび
に、不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、痴呆または重
篤な精神遅滞、およびハンチントン病またはジル・ド・
ラ・ツレット症候群などのジスキネジーを含む精神病的
および神経的障害を含むがこれらに限定されない機能不
全または疾患の診断方法であって、「図1」〜「図3」
に記載される配列を有するポリヌクレオチド[配列番号
1]の発現の異常に減少または増加したレベルを患者由
来の試料から判定することを特徴とする診断方法を提供
するものである。ポリヌクレオチドの減少または増加し
た発現は、例えば、PCR、RT−PCR、RNase
保護、ノーザンブロット法、および他のハイブリダイゼ
ーション法などのポリヌクレオチドの定量化についての
当該技術分野で知られている方法のいずれかを用いて測
定することができる。
【0148】より慣用的なゲル電気泳動法およびDNA
配列決定法に加えて、突然変異は、in situ分析によっ
て検出することもできる。
【0149】染色体アッセイ 本発明の配列は、染色体同定のために有用でもある。該
配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置に対して特異
的に標的とされ、これとハイブリダイズすることができ
る。さらにまた、染色体上の特定部位を同定するのに現
在必要とされている。実際の配列データに基づくいくつ
かの染色体マーキング試薬(リピート多型)は、染色体
位置をマークするために現在入手可能である。本発明に
よるDNAの染色体へのマッピングは、遺伝子関連疾患
とこれらの配列とを相互に関連させる際の重要な第1工
程である。
【0150】すなわち、配列は、cDNAからPCRプ
ライマー(好ましくは、15−30bp)を作成するこ
とによって染色体にマッピングすることができる。3'
未翻訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDN
Aにおいてエキソン1以上に及ばないプライマーを迅速
に選択する。というのは、エキソン1以上に及ぶプライ
マーは、増幅プロセスを複雑にするためである。次い
で、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドの
PCRスクリーニングのために、これらのプライマーを
用いる。該プライマーと対応するヒト遺伝子を含有する
これらのハイブリッドのみが増幅断片を生じるであろ
う。
【0151】体細胞ハイブリッドのPCRマッピング
は、特定のDNAを特定の染色体に割り当てるための迅
速な方法である。同一のオリゴヌクレオチドプライマー
と一緒に本発明を用いて、同様の方法において特定の染
色体または大きなゲノムクローンのプールからの断片の
パネルを用いてサブローカライゼーションを行うことが
できる。同様に用いて染色体にマッピングすることがで
きる他のマッピングストラテジーとしては、in situハ
イブリダイゼーション、標識フローソーテッド染色体に
よるプレスクリーニングおよび染色体特異的cDNAラ
イブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションに
よるプレセレクションなどが挙げられる。
【0152】cDNAクローンの中期染色体スプレッド
へのフルオレセンスin situハイブリッド法(FIS
H)を用いて、一工程で正確な染色体位置を提供するこ
とができる。この技術は、50〜60塩基程度の短いc
DNAと一緒に用いることができる。この技術の評価に
ついては、Vermaら, HUMAN CHROMOSOMES: A MANUAL OFB
ASIC TECHNIQUES, PERGAMON PRESS, NEW YORK, 1988を
参照。
【0153】この技術を行う方法の例として、HLYA
Z61 DNAを消化し、QIAEX II DNA精製
キット(カリフォルニア州チャッツワースのキアジェ
ン,インコーポレイテッド(QIAGEN,Inc.))を
用いて精製し、スーパー・コス1(Super Cos1)コ
スミドベクター(カリフォルニア州ラ・ジョーラのスト
ラータジーン(STRATAGENE))にライゲート
する。キアジェン・プラスミド精製キット(Qiagen P
lasmid Purification Kit)(カリフォルニア州チャ
ッツワースのキアジェン,インコーポレイテッド)を用
いて精製し、1mgを、バイオニック・ラベリング・キッ
ト(BioNick Labeling Kit)(ミズーリ州ゲイザス
バーグのギブコビーアールエム,ライフ・テクノロジズ
・インコーポレイテッド(GibcoBRL,Life Techno
logies Inc.))を用いてビオチン(Biotin)−dA
TPの存在下、ニックトランスレーションにより標識化
する。ジーン−テクト・ディテクション・システム(G
ENE−TECT Detection System)(カリフォル
ニア州パロ・アルトのクローンテク・ラボラトリーズ,
インコーポレイテッド(CLONTECH Laborator
ies,Inc.))によりビオチニル化を検出する。in situ
ハイブリッド法を、オンコー・ライト・ハイブリダイゼ
ーション・キット(ONCOR Light Hybridization
Kit)(ミズーリ州ゲイザスバーグのオンコー(ON
COR))を用いてスライド上で行って、中期染色体上
で単一のコピー配列を検出する。正常なドナーの末梢血
を、20%FCS、3%PHAおよびペニシリン/スト
レプマイシンで補足したRPMI1640中で3日間培
養し、10−7Mメトトレキセートで17時間同調さ
せ、補足していないRPMIで2回洗浄する。次いで、
細胞を、10−3Mチミジンと一緒に7時間インキュベ
ートする。該細胞を、コルセミド(0.5mg/ml)と一
緒に20分間インキュベートした後、中期で停止させ、
次いで、37℃で15分間、75mM KCl中で低張分
解(hypotonic lysis)させた。次いで、細胞ペレット
をスピンアウトし、カーノイ固定液(Carnoy fixativ
e)(3:1 メタノール/酢酸)中で固定させる。
【0154】スライド上に懸濁液1滴を添加し、該懸濁
液を風乾させることによって、中期スプレッドを調製す
る。ヒト胎盤DNA(1mg/ml)をブロックしつつ、ハ
イブリダイゼーション混合物(50%ホルミアミド、2
xSSC、1%硫酸デキストラン)10ml中に懸濁させ
たプローブ100ngを添加することによって、ハイブリ
ダイゼーションを行う。70℃の水浴中で10分間、プ
ローブ混合物を変性させ、37℃で1時間インキュベー
トし、予備加温した(37℃)スライド上に置く前に、
70℃で70%ホルムアミド/2xSSC中で予め変性
させ、エタノールシリーズ中で脱水させ、4℃に冷却す
る。
【0155】スライドを湿室中37℃で16時間インキ
ュベートする。スライドを50%ホルムアミド/2xS
SC中で41℃で10分間および2xSSC中で37℃
で7分間洗浄する。製造者のプロトコールに従って、F
ITC−アビジン(ミズーリ州ゲイザスバーグのオンコ
ー)と一緒にスライドをインキュベートすることによっ
て、ハイブリダイゼーションプローブを検出する。染色
体を封入剤に懸濁させたヨウ化プロピリジウムで対比染
色する。スライドをライツ・オルトプラン(Leitz O
RTHOPLAN)2−エピフルオレセンス顕微鏡を用
いて視覚化し、イマジェネティクス・コンピューター
(Imagenetics Computer)およびマッキントッシュ・
プリンター(MacIntosh printer)を用いて、5つの
コンピューター画像を得る。
【0156】配列が正確な染色体位置にマッピングされ
た後、染色体上の物理的位置を遺伝子地図データと相互
に関係付けることができる。かかるデータは、例えば、
V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (ジョン
ズ・ホプキンズ・ユニバーシティ・ウェルチ・メディカ
ル・ライブラリー(Johns Hopkins University Wel
ch Medical Library)を介してオンラインで入手可能
である)において見られる。次いで、同一染色体領域に
マッピングされた遺伝子および疾患の間の相互関係を連
鎖分析を介して同定する(物理的に隣接する遺伝子の共
同遺伝)。
【0157】次いで、冒されている個体と冒されていな
い個体との間のcDNAまたはゲノム配列の差異を決定
することが必要である。突然変異が冒されている個体の
いくつかまたは全てにおいて観察されるが、正常な個体
においては観察されない場合、該突然変異は、疾患の誘
発因子であると思われる。
【0158】物理的マッピングおよび遺伝子マッピング
技術の現行解像度について、疾患に関連した染色体領域
に正確に位置するcDNAは、マッピング解像度1メガ
ベースおよび20kb当たり遺伝子1個を仮定すると50
〜500個の潜在的な原因遺伝子のうちの1つである。
【0159】ポリペプチドアッセイ 本発明は、細胞および組織におけるHLYAZ61タン
パク質のレベルを検出するための診断アッセイにも関す
る。かかるアッセイは、定量的であっても定性的であっ
てもよい。かくして、例えば、正常な対照組織試料と比
較したHLYAZ61タンパク質の過剰発現の検出のた
めの本発明に関する診断アッセイを用いて、前記のよう
な疾患/障害の存在を検出してもよい。宿主由来の試料
中で本発明のHLYAZ61タンパク質などのタンパク
質のレベルを決定するために用いることができるアッセ
イ技術は、当業者によく知られている。かかるアッセイ
法としては、ラジオイムノアッセイ法、競合結合アッセ
イ法、ウエスタンブロット分析法およびELISAアッ
セイ法が挙げられる。これらのうち、ELISAは、し
ばしば好ましい。ELISAアッセイ法は、まず、HL
YAZ61に対して特異的な抗体、好ましくは、モノク
ローナル抗体を調製することからなる。さらに、一般的
に、該モノクローナル抗体に結合するリポーター抗体を
調製する。該リポーター抗体を、放射性試薬、蛍光性試
薬または酵素的試薬(この例では、ホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ酵素)などの検出可能な試薬に結合さ
せる。
【0160】ELISAを行うために、宿主から試料を
取り出し、試料中のタンパク質を結合する固体支持体、
例えば、ポリスチレン皿上でインキュベートした。次い
で、ウシ血清アルブミンなどの非特異的タンパク質と一
緒にインキュベートすることによって、皿の上の遊離タ
ンパク質結合部位を被覆する。次いで、モノクローナル
抗体がポリスチレン皿に結合したHLYAZ61タンパ
ク質に結合する間じゅう、モノクローナル抗体を皿の中
でインキュベートする。未結合モノクローナル抗体をバ
ッファーで洗浄する。ホースラディッシュペルオキシダ
ーゼに連結したリポーター抗体を皿の中に置いて、HL
YAZ61に結合したモノクローナル抗体にリポーター
抗体を結合させる。次いで、未結合リポーター抗体を洗
浄する。次いで、比色物質を含むペルオキシダーゼ活性
のための試薬を皿に添加する。第一抗体および第二抗体
を介してHLYAZ61に連結した固定化したペルオキ
シダーゼは、着色された反応生成物を生成する。所定期
間に発色した色の量は、試料中に存在するHLYAZ6
1タンパク質の量を示す。定量的な結果は、典型的に
は、標準曲線を参照することによって得られる。
【0161】競合アッセイ法は、HLYAZ61に対し
て特異的な抗体が固体支持体に結合され、標識化HLY
AZ61および宿主由来の試料が該固体支持体上を通過
する場合に用いられてもよい。検出された、固体支持体
に結合した標識の量は、試料中のHLYAZ61の量に
相互に関係付けることができる。
【0162】抗体 ポリペプチド、それらの断片もしくは他の誘導体、また
はその類似体、またはそれらを発現する細胞を免疫原と
して用いて、それらに対する抗体を生成することもでき
る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗体また
はモノクローナル抗体であり得る。本発明は、また、キ
メラ、単一鎖、およびヒト化抗体、ならびにFab断
片、またはFab発現ライブラリーの生成をも含む。当
該技術分野で知られている種々の方法は、かかる抗体お
よび断片の生成のために用いられてもよい。
【0163】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生じる抗体は、該ポリペプチドを動物に直接注射す
ることによって、または、動物、好ましくは非ヒトに該
ポリペプチドを投与することによって得ることができ
る。次いで、このようにして得られた抗体は、ポリペプ
チド自体を結合するであろう。この方法では、ポリペプ
チドの断片のみをコードする配列を用いてさえ、全天然
ポリペプチドを結合する抗体を生じさせることができ
る。次いで、かかる抗体を用いて、ポリペプチドを発現
する組織からポリペプチドを単離することができる。
【0164】モノクローナル抗体の調製のために、連続
セルライン培養によって生成される抗体を提供する技術
を用いることができる。例としては、ハイブリドーマ法
[G.KohlerおよびC. Milstein, Nature, 256: 495-497
(1975)]、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法
[Kozborら, Immunology Today, 4: 72 (1983)]、およ
びEBV−ハイブリドーマ法[Coleら, MONOCLONAL ANT
IBODIES AND CANCERTHERAPY, 第77-96頁, Alan R. Lis
s, Inc., (1985)]が挙げられる。
【0165】単一鎖抗体の生成のために開示されている
技術[U.S.特許第4,946,778号]を適用して、本発明の
免疫原性ポリペプチド生成物に対する単一鎖抗体を生成
することもできる。また、トランスジェニックマウス、
または他の哺乳動物を含む他の生物を用いて、本発明の
免疫原性ポリペプチド生成物に対するヒト化抗体を発現
してもよい。
【0166】前記抗体を用いて、ポリペプチドを発現す
るクローンを単離または同定するか、アフィニティーク
ロマトグラフィーによる単離および/または精製のため
の抗体の固体支持体への結合により本発明のポリペプチ
ドを精製してもよい。
【0167】HLYAZ61に対する抗体を用いて、と
りわけ、細菌感染、真菌類感染、原生動物感染およびウ
イルス感染などの感染、特に、HIV−1およびHIV
−2により生じる感染、疼痛、癌、拒食症、病的飢餓、
喘息、パーキンソン病、急性心不全、アテローム性動脈
硬化症、低血圧症、高血圧症、尿停留、骨粗鬆症、狭心
症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレルギー、良性前立腺肥
大症、ならびに、不安、精神分裂病、躁鬱病、せん妄、
痴呆または重篤な精神遅滞、およびハンチントン病また
はジル・ド・ラ・ツレット症候群などのジスキネジーを
含む精神病的および神経的障害を含むがこれらに限定さ
れない機能不全または疾患を阻害してもよい。
【0168】HLYAZ61結合分子およびアッセイ HLYAZ61を用いて、それと相互に作用するタンパ
ク質を単離することができ;この相互作用は、妨害のた
めの標的であってもよい。HLYAZ61と他の因子と
の間のタンパク質間相互作用の阻害剤は、HLYAZ6
1活性のモジュレーションのための医薬品の開発を導い
た。
【0169】かくして、本発明は、また、HLYAZ6
1への結合分子の同定方法を提供するものでもある。H
LYAZ61への結合分子のためのタンパク質をコード
している遺伝子は、当業者に知られている多くの方法、
例えば、リガンド・パンニングおよびFACSソーティ
ングによって同定することができる。かかる方法は、例
えば、Coliganら, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY
1, Chapter 5 (1991)などの多くの研究マニュアルに開
示されている。
【0170】例えば、酵母二ハイブリッドシステム(ye
ast two-hybrid system)は、転写活性化因子の活性の
再構成を用いて、イン・ビボで、第1の試験タンパク質
と第2の試験タンパク質との間の相互作用を検出するた
めの方法を提供する。該方法は、U.S.特許第5,283,173
号に開示されており;試薬は、クローンテック(Clont
ech)およびストラータジーン(Stratagene)から入手
可能である。すなわち、HLYAZ61 cDNAをG
al4転写因子DNA結合ドメインと融合させ、酵母細
胞中で発現させる。関心のある細胞から得られたcDN
AライブラリーメンバーをGal4のトランス作用ドメ
インと融合させる。HLYAZ61と相互に作用するこ
とができるタンパク質を発現するcDNAクローンは、
Gal4活性の再構成およびGal1−lacZなどの
リポーター遺伝子の発現のトランス作用を導くであろ
う。
【0171】別法は、組換えHLYAZ61を用いるラ
ムダgtl1またはラムダZAP(ストラータジーン)
または等価cDNA発現ライブラリーのスクリーニング
を含む。組換えHLYAZ61タンパク質またはその断
片を、FLAG、HSVまたはGSTなどの小さなペプ
チドタグと融合させる。該ペプチドタグは、心筋クレア
チンキナーゼなどのキナーゼのための好都合なリン酸化
部位を有することができるか、または、それらは、ビオ
チニル化することができる。組換えHLYAZ61は、
32[P]でリン酸化することができるか、または、非標識
で用いて、ストレプトアビジンまたはタグに対する抗体
を用いて検出することができる。ラムダgtl1 cD
NA発現ライブラリーは、関心のある細胞から調製さ
れ、組換えHLYAZ61と一緒にインキュベートし、
洗浄し、HLYAZ61と相互に作用するcDNAクロ
ーンを単離する。かかる方法は、当業者によって慣用的
に用いられる。例えば、前掲のSambrookらを参照。
【0172】もう1つの方法は、哺乳動物発現ライブラ
リーのスクリーニングである。この方法では、哺乳動物
プロモーターとポリアデニル化部位との間でcDNAを
ベクターにクローン化し、一時的にCOSまたは293
細胞においてトランフェクトする。48時間後、固定さ
れ洗浄された細胞を標識HLYAZ61と一緒にインキ
ュベートすることによって結合タンパク質を検出する。
好ましい具体例では、HLYAZ61をヨウ素化し、結
合されたHLYAZ61を、オートラジオグラフィーに
よって検出する。Simsら, Science, 1988, 241:585-589
およびMcMahanら, EMBO J., 1991, 10: 2821-2823を参
照。この方法では、関心のある結合タンパク質をコード
しているcDNAを含有するcDNAのプールを、各プ
ールのさらなる細別の後に、一時的トランスフェクショ
ン、結合およびオートラジオグラフィーのサイクルによ
り単離することができる。別法としては、全cDNAラ
イブラリーを哺乳動物細胞にトランスフェクトし、プレ
ートに結合したHLYAZ61を含有する皿の上に細胞
をパンニング(panning)することにより、関心のある
cDNAを単離することができる。洗浄後に結合してい
る細胞を溶解し、プラスミドDNA単離し、細菌中で増
幅させ、単一のcDNAクローンが得られるまで、トラ
ンスフェクションおよびパンニングのサイクルを繰り返
す。Seedら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1987, 84: 3
365およびAruffoら, EMBO J., 1987,6: 3313を参照。結
合タンパク質が分泌されると、そのcDNAは、結合ま
たは中和アッセイが一時的にトランスフェクトされた細
胞から上清をアッセイするために確立された後、同様の
プーリング(pooloing)ストラテジーによって得ること
ができる。上清をスクリーニングするための一般的な方
法は、Wongら, Science, 1985, 228: 810-815に開示さ
れている。
【0173】もう1つの方法は、細胞から直接にHLY
AZ61と相互作用するタンパク質の単離を含む。HL
YAZ61のGSTまたは小さなペプチドタグとの融合
タンパク質を作成し、ビーズ上に固定化させる。関心の
ある細胞からの生合成的に標識したかまたは標識しない
タンパク質抽出物を調製し、ビーズと一緒にインキュベ
ートし、バッファーで洗浄する。HLYAZ61と相互
作用するタンパク質を特異的にビーズから溶離し、SD
S−PAGEによって分析する。結合相手の主要なアミ
ノ酸配列データは、微小配列決定(microsequencing)
によって得られる。所望により、該細胞は、細胞タンパ
ク質のチロシンリン酸化などの機能的応答を誘発する薬
物で処理することができる。かかる薬物の例は、インタ
ーロイキン−2などの成長因子またはサイトカインであ
る。
【0174】もう1つの方法は、イムノアフィニティー
精製である。組換えHLYAZ61を標識または非標識
細胞抽出物と一緒にインキュベートし、抗HLYAZ6
1抗体で免疫沈殿させる。免疫沈殿物をタンパク質A−
セファロースで回収し、SDS−PAGEによって分析
する。非標識タンパク質をビオチニル化によって標識
し、ストレプトアビジンを用いてSDSゲル上で検出す
る。結合相手のタンパク質を微小配列決定によって分析
する。さらに、微小配列決定の前に、当業者によく知ら
れている生化学的精製工程を用いてもよい。
【0175】さらにもう1つの別法は、結合相手につい
てペプチドライブラリーをスクリーニングすることを含
む。タグを付したかまたは標識化した組換えHLYAZ
61を用いて、HLYAZ61と相互に作用するペプチ
ドライブラリーまたはホスホペプチドライブラリーから
ペプチドを選択する。ペプチドの配列決定により、相互
作用するタンパク質において見られるコンセンサスペプ
チド配列が同定される。
【0176】これらの方法または当業者に知られている
他の方法によって同定されたHLYAZ61結合相手、
および前記したこれらの推定結合相手は、本発明のアッ
セイ方法で用いることができる。HLYAZ61/結合
相手複合体の存在についてアッセイすることは、例え
ば、該複合体に対して特異的な抗体を用いる酵母二ハイ
ブリッドシステム、ELISAまたはイムノアッセイに
よって行われる。HLYAZ61/結合相手相互作用の
形成を妨害または阻害する試験物質の存在下、複合体の
減少した量は、試験物質を欠いている対照と比較して決
定されるであろう。
【0177】遊離HLYAZ61または結合相手につい
てのアッセイは、例えば、特異的な抗体を用いるELI
SAまたはイムノアッセイによって、または、放射性標
識したHLYAZ61を細胞または細胞膜と一緒にイン
キュベートした後に遠心分離またはフィルター分離工程
によって行われる。HLYAZ61/結合相手相互作用
の形成を妨害または阻害する試験物質の存在下、遊離H
LYAZ61または遊離結合相手の増加した量は、試験
物質を欠いている対照と比較して決定されるであろう。
【0178】本発明のポリペプチドを用いて、細胞また
は無細胞調製物におけるHLYAZ61結合分子のHL
YAZ61結合能を評価することができる。
【0179】アゴニストおよびアンタゴニスト − アッ
セイおよび分子本発明のHLYAZ61は、本発明の受
容体ポリペプチドの活性化を活性化する化合物(アゴニ
スト)または阻害する化合物(アンタゴニスト)につい
てのスクリーニングプロセスにおいて用いてもよい。
【0180】一般に、かかるスクリーニング法は、表面
で本発明の受容体ポリペプチドを発現する適切な細胞を
生成することを含む。かかる細胞としては、哺乳動物、
酵母、ドロソフィラまたはイー・コリ由来の細胞が挙げ
られる。特に、本発明の受容体をコードしているポリヌ
クレオチドを用いて細胞をトランスフェクトし、これに
より、HLYAZ61を発現する。次いで、受容体を発
現する細胞を試験化合物と接触させて、結合、刺激また
は機能的応答の阻害を観察する。
【0181】1つのかかるスクリーニング法は、トラン
スフェクトされて本発明のHLYAZ61を発現するメ
ラノフォアの使用を含む。かかるスクリーニング法は、
国際特許出願WO92/01810に開示されている。1つの具体
例では、この技術を用いて、該受容体をコードするメラ
ノフォア細胞を、受容体リガンドおよびスクリーニング
しようとする化合物の両方と接触させることにより、本
発明の受容体ポリペプチドの活性化を阻害する化合物に
ついてスクリーニングする。リガンドによって生じるシ
グナルの阻害は、化合物が受容体に対する潜在的なアン
タゴニストであること、すなわち、受容体の活性化を阻
害することを示す。該技術は、かかる細胞をスクリーニ
ングしようとする化合物と接触させ、かかる化合物がシ
グナルを発生するか、すなわち受容体を活性化するかを
決定することによって受容体ーを活性化する化合物のス
クリーニングのために用いてもよい。
【0182】他のスクリーニング法としては、受容体活
性化によって生じる細胞外pH変化を測定するシステム
におけるHLYAZ61を発現する細胞(例えば、トラ
ンスフェクトされたCHO細胞)の使用が挙げられる
[例えば、Science, 246: 181-296 (1989) を参照]。
この方法では、化合物を、本発明の受容体ポリペプチド
を発現する細胞と接触させてよい。次いで、二次メッセ
ンジャー応答、例えば、シグナル形質導入またはpH変
化を測定して、潜在的な化合物が受容体を活性化するか
または阻害するかを決定する。
【0183】もう1つのスクリーニング法は、HLYA
Z61をコードするRNAをゼノプス(Xenopus)卵母
細胞に導入して、一時的に受容体を発現することを含
む。次いで、該受容体卵母細胞を受容体リガンドおよび
スクリーニングしようとする化合物と接触させる。次い
で、受容体の活性化を阻害すると思われる化合物につい
てスクリーニングする場合、カルシウム、プロトンまた
は他のイオンなどのシグナルの検出によって、受容体の
阻害または活性化を決定する。
【0184】もう1つのスクリーニング法は、受容体が
ホスホリパーゼCまたはDに連結するHLYAZ61を
発現することを含む。かかる細胞の代表的な例として
は、内皮細胞、平滑筋細胞、および胎芽腎臓細胞が挙げ
られるが、これに限定されるものではない。該スクリー
ニングは、前記のとおり、ホスホリパーゼ第2シグナル
から受容体の活性化または受容体の活性化の阻害を検出
することによって行われてよい。
【0185】もう1つの方法は、アンタゴニストであっ
て、表面に受容体を有する細胞への標識リガンドの結合
の阻害を決定することによって本発明の受容体ポリペプ
チドの活性化を阻害する化合物についてスクリーニング
することを含む。かかる方法は、細胞がその表面で受容
体を発現するようにHLYAZ61をコードするDNA
で真核細胞をトランスフェクトすることを含む。次い
で、既知のリガンドの標識化形態の存在下、該細胞を化
合物と接触させる。該リガンドを例えば放射活性などに
よって標識することができる。受容体に結合した標識リ
ガンドの量を例えばトランスフェクトされた細胞または
これらの細胞からの膜に関連する放射活性を測定するこ
となどによって測定する。化合物が受容体に結合する
と、標識リガンドの受容体への結合は、標識リガンドの
減少によって測定されるように阻害される。
【0186】もう1つの方法は、HLYAZ61媒介c
AMPおよび/またはアデニル酸シクラーゼ蓄積の阻害
または刺激を測定することによって、HLYAZ61阻
害薬についてスクリーニングすることを含む。かかる方
法は、真核細胞をHLYAZ61受容体でトランスフェ
クトして、細胞表面で受容体を発現することを含む。次
いで、該細胞を、HLYAZ61の存在下、潜在的なア
ンタゴニストに暴露する。次いで、cAMP蓄積の量を
測定する。潜在的なアンタゴニストが受容体を結合する
と、HLYAZ61結合を阻害し、HLYAZ61媒介
cAMPのレベル、またはアデニル酸シクラーゼ、活性
が減少または増加するであろう。
【0187】本発明の受容体についてのアゴニストまた
はアンタゴニストを検出するための別の方法は、U.S.特
許第5,482,835号に開示されているように酵母をベース
とした技術を含む。
【0188】本発明は、HLYAZ61受容体に結合す
る能力を有することが知られていないリガンドがかかる
受容体に結合することができるかを決定するための方法
を提供するものでもある。この方法は、リガンドをHL
YAZ61受容体に結合させる条件下、HLYAZ61
受容体を発現させる哺乳動物細胞を、リガンドと接触さ
せ、受容体に結合するリガンドの存在を検出し、これに
よって、リガンドがHLYAZ61受容体に結合するか
を決定することを特徴とする。アゴニストおよび/また
はアンタゴニストを決定することについて前記したシス
テムを、受容体に結合するリガンドを決定するために用
いてもよい。
【0189】潜在的なHLYAZ61受容体アンタゴニ
ストの例としては、抗体、または、ある場合、受容体の
活性が防止されるように二次メッセンジャー応答を引き
出さないが受容体に結合するオリゴヌクレオチドが挙げ
られる。
【0190】潜在的なアンタゴニストとしては、タンパ
ク質が生物学的機能を失い、HLYAZ61受容体に結
合すると応答を引き出さない、HLYAZ61受容体の
リガンドに密接に関するタンパク質、すなわち、リガン
ドの断片も挙げられる。
【0191】潜在的なアンタゴニストとしては、アンチ
センス法の使用を介して調製されたアンチセンス構築物
も挙げられる。アンチセンス法を用いて、トリプル−ヘ
リックス形成またはアンチセンスDNAもしくはRNA
を介して遺伝子発現を制御することができ、両方の方法
は、ポリヌクレオチドをDNAまたはRNAに結合させ
ることに基づいている。例えば、本発明の成熟ポリヌク
レオチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コー
ド化部分を用いて、約10〜40塩基対の長さのアンチ
センスRNAオリゴヌクレオチドを設計する。DNAオ
リゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相
補的であるように設計され(トリプルヘリックス)[Le
eら, Nucl. Acids Res., 6:3073 (1979); Cooneyら, Sc
ience, 241:456 (1988);およびDervanら, Science, 25
1:1360 (1991)を参照]、これにより、HLYAZ61
受容体の転写および生成を予防する。アンチセンスRN
Aオリゴヌクレオチドは、イン・ビボでmRNAにハイ
ブリダイズし、mRNA分子のHLYAZ61受容体へ
の翻訳を遮断する(アンチセンス)[Okano, J. Neuroc
hem., 56: 560 (1991);およびOLIGODEOXYNUCLEOTIDES
AS ANTISENSE INHIBITORS OF GENE EXPRESSION, CRC Pr
ess, Boca Raton, FL (1988)]。前記オリゴヌクレオチ
ドは、細胞にデリバリーすることもでき、その結果、ア
ンチセンスRNAまたはDNAは、イン・ビボで発現し
て、HLYAZ61受容体の生成を阻害することができ
る。
【0192】もう1つの潜在的なアンタゴニストは、H
LYAZ61受容体に結合して、リガンドに接近不可能
にし、その結果、正常な生物学的活性を防止する、小さ
な分子である。小さな分子の例としては、小さなペプチ
ドまたはペプチド様分子が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0193】潜在的なアンタゴニストとしては、リガン
ドに結合してリガンドが膜結合HLYAZ61受容体と
相互に作用しないようにするHLYAZ61受容体の可
溶性形態、例えば、受容体の断片も挙げられる。
【0194】Gタンパク質結合受容体は、哺乳動物宿主
において偏在し、多くの病理を含む多くの生物学的機能
の原因である。したがって、一方でHLYAZ61を刺
激し、他方でHLYAZ61の機能を阻害することがで
きる化合物および薬物を見いだすのが望ましい。
【0195】一般に、HLYAZ61受容体についての
アゴニストは、とりわけ、細菌感染、真菌類感染、原生
動物感染およびウイルス感染などの感染、特に、HIV
−1およびHIV−2により生じる感染、疼痛、癌、拒
食症、病的飢餓、喘息、パーキンソン病、急性心不全、
アテローム性動脈硬化症、低血圧症、高血圧症、尿停
留、骨粗鬆症、狭心症、心筋梗塞、潰瘍、喘息、アレル
ギー、良性前立腺肥大症、ならびに、不安、精神分裂
病、躁鬱病、せん妄、痴呆または重篤な精神遅滞、およ
びハンチントン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群
などのジスキネジーを含む精神病的および神経的障害を
含むがこれらに限定されない機能不全または疾患につい
ての治療目的および予防目的のために用いられる。
【0196】HLYAZ61についてのアンタゴニスト
は、前記疾患または障害についての種々の治療目的およ
び予防目的のために用いられてよい。
【0197】本発明は、さらに、有効な量で前記阻害化
合物(アンタゴニスト)を医薬的に許容される担体と一
緒に患者に投与して、リガンドのHLYAZ61受容体
への結合を遮断することまたは第2シグナルを阻害する
ことによって活性を阻害し、これにより異常な症状を軽
減することを特徴とする、過剰のHLYAZ61活性に
関係する異常な症状の治療方法を提供するものである。
【0198】本発明は、医薬的に許容される担体と組み
合わせて前記本発明の受容体ポリペプチドを活性化する
化合物(アゴニスト)の治療的に有効な量を患者に投与
して、これにより異常な症状を軽減することを特徴とす
る、HLYAZ61の過小発現およびその活性に関係す
る異常な症状の治療方法を提供するものでもある。
【0199】組成物およびキット HLYAZ61の可溶性形態、およびかかる受容体を活
性化または阻害する化合物は、適切な医薬担体と組み合
わせて用いてよい。かかる組成物は、該ポリペプチドお
よび化合物の治療的に有効な量、ならびに医薬的に許容
される担体または賦形剤を含有してなる。かかる担体と
しては、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロー
ス、水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組合
せが挙げられるがこれに限定されるものではない。処方
は、投与の形態に適合させるべきである。投与の形態に
関連する適切な担体の選択は、当業者によって慣用的に
行われる。
【0200】さらに、本発明は、前記した本発明組成物
の成分の1以上を充填した1以上の容器を含有してなる
医薬パックおよびキットに関する。
【0201】投与 本発明のポリペプチドおよび他の化合物は、単独で、ま
たは、治療化合物などの他の化合物と共に用いられてよ
い。該医薬組成物は、例えば、とりわけ、局所、経口、
肛門、膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、ま
たは経皮経路による投与を含む、有効で好都合な方法で
投与されてよい。医薬組成物は、一般に、特定の適応症
の治療または予防に有効な量で投与される。一般に、該
組成物は、少なくとも体重kg当たり約10mgの量で投与
される。ほとんどの場合、それらは、1日に体重kg当た
り約8mgの過剰ではない量で投与されるであろう。好ま
しくは、ほとんどの場合、投与量は、1日に体重kg当た
り約10mg〜約1mgである。最適な投与量は、適応症、
その重篤度、投与経路、合併症などを考慮して、各治療
様式および適応症についての標準的な方法によって決定
されるであろうと認められるであろう。
【0202】遺伝子治療 HLYAZ61ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリ
ペプチドであるアゴニストおよびアンタゴニストは、し
ばしば「遺伝子治療」と称される治療様式において、か
かるポリペプチドの発現によって、本発明にしたがって
用いられてよい。かくして、例えば、患者由来の細胞を
DNAまたはRNAなどのポリヌクレオチドを用いて工
学処理して、半ビボでポリペプチドをコードしてよい。
次いで、工学処理した細胞を該ポリペプチドで処置され
るべき患者に提供することができる。この具体例では、
細胞は、例えば本発明のポリペプチドをコードするRN
Aを含有するレトロウイルスプラスミドベクターの使用
などによって、半ビボで工学処理されてよい。かかる方
法は、当該技術分野によく知られており、本発明のそれ
らの使用は、本明細書における教示から明らかであろ
う。
【0203】同様に、細胞は、当該技術分野で知られて
いる方法によって、イン・ビボでのポリペプチドの発現
のためにイン・ビボで工学処理されてよい。例えば、本
発明のポリヌクレオチドは、前記したとおり、複製不完
全レトロウイルスベクターにおける発現のために工学処
理されてよい。次いで、レトロウイルス発現構築物を単
離し、パッケージング細胞が関心のある遺伝子を含有す
る感染ウイルス粒子を生成するように、本発明のポリペ
プチドをコードしているRNAを含有するレトロウイル
スプラスミドベクターで形質導入されたパッケージング
細胞中に導入してよい。これらのプロデューサー細胞
を、イン・ビボでの細胞の工学処理およびイン・ビボで
のポリペプチドの発現のために患者に投与してよい。本
発明のポリペプチドを投与するためのこれらの方法およ
び他の方法は、本発明の教示から当業者に明らかであろ
う。
【0204】前記レトロウイルスプラスミドベクターを
誘導するレトロウイルスとしては、モロニー・マウス白
血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイル
ス、ハーヴィー(Harvey)肉腫ウイルス、鳥白血症ウ
イルス、ギボン・アペ(GibbonApe)白血病ウイル
ス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖
性肉腫ウイルス、および乳腺癌ウイルスが挙げられる
が、これに限定されるものではない。好ましい具体例で
は、レトロウイルスプラスミドベクターは、モロニー・
マウス白血病ウイルスから誘導される。
【0205】かかるベクターは、ポリペプチドを発現す
るための1以上のプロモーターを含むであろう。用いて
よい適切なプロモーターとしては、Millerら, Biotechn
iques, 1989, 7: 980-990に開示されているレトロウイ
ルスLTR;SV40プロモーター;およびヒトサイト
メガロウイルス(CMV)プロモーターが挙げられる
が、これに限定されるものではない。ヒストン、RNA
ポリメラーゼIII、およびb−アクチンプロモーター
を含むがこれに限定されない真核細胞性プロモーターな
どの細胞性プロモーターを用いることもできる。用いて
よいさらなるウイルス性プロモーターとしては、アデノ
ウイルスプロモーター、チミジンキナーゼ(TK)プロ
モーター、およびB19パルボウイルスプロモーターが
挙げられるが、これに限定されるものではない。適切な
プロモーターの選択は、本明細書に含まれる教示から当
業者に明らかであろう。
【0206】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は、適切なプロモーターの制御下に置かれるであろ
う。用いてよい適切なプロモーターとしては、アデノウ
イルス主要後期プロモーターなどのアデノウイルスプロ
モーター;またはサイトメガロウイルス(CMV)プロ
モーターなどの異種プロモーター;RSウイルス(RS
V)プロモーター;MMTプロモーター、メタロチオネ
インプロモーターなどの誘発性プロモーター;熱ショッ
クプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプ
ロモーター;ヒトグロビンプロモーター;単純性疱疹チ
ミジンキナーゼプロモーターなどのウイルスチミジンキ
ナーゼプロモーター;レトロウイルスLTR(前記した
修飾レトロウイルスLTRを含む);b−アクチンプロ
モーター;およびヒト成長ホルモンプロモーターが挙げ
られるがこれに限定されるものではない。該プロモータ
ーは、また、ポリペプチドをコードしている遺伝子を制
御する天然プロモーターであってもよい。
【0207】レトロウイルスプラスミドベクターを用い
てパッケージングセルラインを形質導入して、プロデュ
ーサーセルラインを形成する。トランスフェクトされる
パッケージング細胞の例としては、Miller, A., Human
Gene Therapy, 1990, 1: 5-14に開示されているPE5
01、PA317、Y−2、Y−AM、PA12、T1
9−14X、VT−19−17−H2、YCRE、YC
RIP、GP+E−86、GP+envAm12、およ
びDANセルラインが挙げられるが、これに限定される
ものではない。該ベクターは、当該技術分野で知られて
いる手段を介してパッケージング細胞に形質導入されて
よい。かかる手段としては、電気穿光法、リポソームの
使用、およびCaPO4沈殿法が挙げられるが、これに限
定されるものではない。1つの別法では、レトロウイル
スプラスミドベクターは、リポソーム中に被包される
か、または、脂質に結合されてよく、次いで、宿主に投
与される。
【0208】プロデューサーセルラインは、ポリペプチ
ドをコードしている核酸配列を含んでなる感染レトロウ
イルスベクター粒子を生じるであろう。次いで、かかる
レトロウイルスベクター粒子を用いて、イン・ビトロま
たはイン・ビボで、真核細胞を形質導入してよい。形質
導入された真核細胞は、ポリペプチドをコードしている
核酸配列を発現するであろう。形質導入された真核細胞
としては、胎芽幹細胞、胎芽癌細胞、ならびに造血幹細
胞、肝細胞、線維芽細胞、筋原線維、ケラチノサイト、
内皮細胞、および気管支上皮細胞が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0209】
【実施例】以下の実施例によって、本発明をさらに説明
する。実施例は、単に、特定の具体例を引用して本発明
を説明しようとするものである。これらの例は、本発明
のある特定の態様を説明するが、記載した発明の範囲を
限定または制限しようとするものではない。ここで用い
る用語は、前記「用語」の項目で説明した。全ての実施
例は、詳細に特記しない限り、当業者によく知られてお
り慣用的である標準的な方法を用いて行われる。以下の
実施例の慣用的な分子生物学法は、前掲のSambrookらの
ような標準的な研究マニュアルの開示に従って行うこと
ができる。
【0210】以下の実施例に記載した全ての部または量
は、特記しない限り重量によるものである。特記しない
限り、以下の実施例における断片のサイズ分離は、Samb
rookらおよびGoeddelら, Nucleic Acids Res., 1980,
8: 4057などの多くの他の文献に開示されているアガロ
ースおよびポリアクリルアミドゲル電気泳動法(「PA
GE」)の標準的な方法を用いて行われる。特記しない
限り、ライゲーションは、標準的なバッファー、インキ
ュベーション温度および時間、ほぼ等モル量のライゲー
トしようとするDNA断片およびDNA 0.5mg当たり
約10単位のT4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)を
用いて行われる。
【0211】実施例1 哺乳動物細胞における受容体の発現 HLYAZ61をコードしているcDNAを発現ベクタ
ーpCDNにクローン化することによって、発現プラス
ミド、HLYAZ61 HAを作成する[N. Aiyarら, M
ol. Cell. Biochem., 131: 75-86 (1994)(引用して本
明細書の記載とする)]。クローニングのための適切な
制限酵素および方法は、当業者によく知られている。
【0212】発現ベクターcDNAは、以下のものを含
有する: (1)好都合には、cDNAを、CMVプロモーターの
発現制御下に置き、ポリリンカーにおける制限部位によ
って操作可能にSV40イントロンおよびアデニル化シ
グナルに連結することができるように配置された、ヒト
サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、ウシ成
長ホルモン3'フランキング配列、ポリリンカー、SV
40イントロン、およびポリアデニル化シグナル; (2)イー・コリおよび他の原核細胞における増殖に有
効なイー・コリ複製起点; (3)ゲネチシン(G418)選択のための細菌ネオマ
イシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(NEO)発現
カセット; (4)メトトレキセート(MTX)増幅のためのネズミ
・ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現カセッ
ト; (5)プラスミド含有原核細胞の選択のためのアンピシ
リン耐性遺伝子;および (6)真核細胞における増殖のための複製のSV40起
点。
【0213】全HLYAZ61前駆体をコードしている
DNA断片は、ベクターのポリリンカーにクローン化さ
れ、その結果、CMVによって組換えタンパク質発現が
指向される。プラスミド構築ストラテジーは、以下のと
おりである。
【0214】固有の制限部位を含有するプライマーを用
いて、プラスミドpHLYAZ61のHLYAZ61
cDNAを増幅する。受容体発現を最大するために、ベ
クターpCDNへの挿入前に、固有の制限酵素を用いて
5'および3'未翻訳領域(UTR)を受容体cDNAか
ら除去する。PCRを用いてcDNAをトリムするの
で、発現前にDNA配列を確認する。
【0215】この実施例では、適切なプライマーを用い
る。5'プライマーは、約30bpの長さであり、固有の
制限部位およびAUG開始コドンを含有する。3'プラ
イマーは、約30bpであり、適切な終止コドンを含有す
る。
【0216】PCR増幅DNA断片およびベクター、p
CDNは、この配列に固有の制限酵素で消化され、次い
で、ライゲートされる。ライゲーション混合物をイー・
コリ株SURE(アメリカ合衆国92037カリフォル
ニア州ラ・ジョーラのストラータジーン・クローニング
・システムズ(Stratagene Cloning Systems)から
入手可能)中に形質転換し、形質転換培養物をアンピシ
リン培地プレート上に置き、次いで、インキュベートし
て、アンピシリン耐性コロニーを増殖させる。耐性コロ
ニーからプラスミドDNAを単離し、HLYAZ61コ
ード化断片の存在について制限分析およびゲルサイジン
グにより試験する。
【0217】ヒト胎芽腎臓293(HEK293)細
胞、異種7TM受容体を発現するために一般的に用いら
れるセルラインを選択して、HLYAZ61受容体を発
現させる。293細胞のGタンパク質成分は、発現した
受容体に結合すると予想される。組換えHLYAZ61
の発現のために、2×105個のHEK293細胞を培
地中に置き、湿度5%のインキュベーター中37℃で一
晩インキュベートする。翌日、前記のように発現ベクタ
ーのプレート当たり20mgのDNAを、製造者の指示に
従って哺乳動物トランスフェクションキットを用いる
か、または例えば前掲のSambrookらに開示されているよ
うなDEAE−DEXTRANを用いて、リン酸カルシ
ウム法により細胞中に導入する。
【0218】トランスフェクションに続いて、該細胞
を、3%CO2中、37℃で24時間インキュベート
し、熱ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)で
洗浄し、新しい培地を供給し、次いで、5%CO2中、
37℃で維持した。一晩インキュベートした後、該培地
を除去し、G418 400mg/mlを含有する新しい選
択培地と取り換えて、発現ベクターで安定に形質転換さ
れる細胞を選択した。選択培地は、独立細胞コロニーが
皿の上に出現するまで、2〜4週間、毎週2回取り換え
る。細胞コロニーは、別々に引き上げ、限界希釈法によ
り精製し、さらなる分析のために膨張させる。該コロニ
ーを6ウエルプレートにおいて増殖させ、ヒトHLYA
Z61を発現するクローナルセルラインを同定する。
【0219】発現は、ノーザンブロット分析法により検
出される。予想されるサイズの発現生成物は、細胞溶解
物中に見られ、負の対照においては見られない(pCD
NベクターのみでトランスフェクトされたHEK293
細胞クローンは、負の対照として作用する)。
【0220】実施例2 リガンドまたはアンタゴニストの同定 次いで、実施例1で前記した発現受容体を、以下のとお
りリガンドまたはアンタゴニストについてスクリーニン
グする。
【0221】A.リガンド/組織バンク 発現受容体を用いて、化合物バンク、複雑な生物学的液
体、組合せ有機物およびペプチドライブラリーなどをス
クリーニングし、活性化リガンドまたはアンタゴニスト
を同定する。例えば、HLYAZ61発現受容体を用い
て、(a)5HT、バソプレシン、IL−8などのヒト
7TM受容体を介して作用することが知られている伝達
物質、ホルモンまたはケモカイン、(b)アナンドアミ
ド(anandamide)、グリシン、Mg2+などの7TM受容
体に対する推定アゴニストである天然化合物、(c)サ
バギン(savagine)、ウロテンシンIなどのまだ発見さ
れていない哺乳動物カウンターパートである非哺乳動物
の生物学的に活性なペプチド、(d)未知の天然リガン
ド(例えば、デルタ9THC)と一緒に7TM受容体を
活性化すると思われる自然に見られない化合物ならびに
他のものからなる、150を超える推定オーファン受容
体リガンドのバンクをスクリーニングする。
【0222】同様に、該受容体は、ヒト、および他の哺
乳動物、種の組織抽出物、例えば、ブタ組織に対してス
クリーニングされる。特に、かかる組織抽出物として
は、肺、肝臓、腸、心臓、腎臓、副腎、虚血性脳、血
漿、尿および胎盤などが挙げられる。最初の抽出工程
は、酸またはエタノール沈殿を介する多量のタンパク質
の除去に集中して、7TM受容体の既知の天然リガンド
の高いパーセンテージの原因となるペプチドおよび小さ
な分子に分離を片寄らせる。次いで、中間の抽出工程
は、タンパク質を同定するために用いられる。これらの
組織バンクの形成において用いられる抽出技術は、当該
技術分野で知られている。
【0223】B.機能性アッセイ 1.ゼノプス(Xenopus)卵母細胞アッセイ ゼノプス卵母細胞は、mRNAを正確に翻訳し、シグナ
ルペプチド切断、グリコシル化、リン酸化およびサブユ
ニットアゼンブリーなどの多数の翻訳後修飾を行う能力
を有しいるので、細胞表面受容体の特徴付けにゼノプス
卵母細胞系を用いる。機能性アッセイは、以下のとおり
行う:標準的なプロトコルを用いて、RNAポリメラー
ゼを用いてHLYAZ61受容体cDNAをコードする
線形プラスミド鋳型からイン・ビトロキャップRNA転
写体を調製する。イン・ビトロ転写体を最終濃度0.2m
g/mlで水に懸濁させる。成体雌性ヒキガエルから卵巣
葉(ovarian lobe)を取り出す;第V期デフォリキュレ
ーテッド(defolliculated)卵母細胞が得られ、TNA
転写体(10ng/卵母細胞)を、ドラマンド顕微注射装
置を用いて50nlのボーラス中で注射する。2つの電極
電圧クランプ(ワーナー・インストゥルメンツ(Warne
r Instruments)を用いて、個々のゼノプス卵母細胞か
らの電極を測定する。記録は、室温で、無Ca2+バース
(Barth)培地において行われる。
【0224】2.マイクロフィジオメーター(microphy
siometer)アッセイ これらのバンクのスクリーニングは、マイクロフィジオ
メーター(例えば、モレキュラー・デバイシズ・リミテ
ッド(Molecular Devices, Ltd.)などからの市販品
として入手可能)を用いて行う。例えば、二次メッセン
ジャー系の活性化の結果、細胞内シグナル発生プロセス
を活気付けることを必要とする増加した代謝活性の結果
として大部分が形成される、細胞から少量の酸の排出が
生じる。細胞を取り囲む培地におけるpH変化は、小さ
く、マイクロフィジオメーターによって検出可能であ
る。かくして、細胞内シグナル発生経路を用いてエネル
ギーに結合する受容体(例えば、アンディGタンパク質
結合受容体)の活性化は、検出可能である。
【0225】3.カルシウムアッセイ HEK293細胞において安定に発現された受容体は、
適切なランクオーダーおよび効力を有するアゴニストに
対する強いカルシウム応答を示す。HEK293細胞に
おいて発現された、PLCの活性化およびカルシウム可
動化に機能的に結合することを示す他の7TM受容体
は、数多く、限定されないが、C5a、エンドセリン、
IL−8などが挙げられる。受容体トランスフェクトさ
れたかまたはベクター制御細胞におけるHEK293細
胞中の基礎カルシウムレベルは、正常な100nM〜2
00nMの範囲である。組換え受容体を発現するHEK
293細胞を、フラ2で負荷し、1日>150個の選択
されたリガンドがアゴニスト誘発カルシウム可動化につ
いて評価された。一過性カルシウム可動化を示すアゴニ
ストをベクター制御細胞において試験して、カルシウム
応答がトランスフェクトされた受容体細胞に固有である
かを決定する。固有のアゴニスト誘発応答が同定される
と、該応答は、細胞の分離グループにおいて再生成さ
れ、次いで、有効かつ関連リガンドについて濃度応答曲
線を用いて生理学的に特徴付けられる。
【0226】C.Gタンパク質aサブユニットGa16
の共トランスフェクション HEK293細胞を、通常造血細胞中に存在する、Gタ
ンパク質のGqファミリーの一員であるGタンパク質a
サブユニットGa16と共トランスフェクトする。Gs、
GiおよびGqファミリーメンバーに結合する種々の受
容体は、Ga16と共発現すると、内因性ホスホリパーゼ
Cに機能的に連結することができ[OffermannsおよびSi
mon (1995)]、それらのGa16を活性化する能力を示
す。カルシウムアッセイは、受容体の生理学的シグナル
発生メカニズムと独立したリガンドについてのスクリー
ンとして慣用的に行われる。
【0227】実施例3 遺伝子治療のためのヒトHLYAZ61の発現 皮膚生検により、患者から線維芽細胞を得る。得られた
組織を組織培養培地中に置き、小片に分離する。組織の
小さな切片を組織培養フラスコの湿面上に置く;各フラ
スコ中、約10個の切片を置く。該フラスコをひっくり
かえし、緊密に密封し、室温で一晩放置する。室温で2
4時間後、該フラスコを逆転させる;組織の切片は、フ
ラスコの底に固定されたままである;新しい培地(例え
ば、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシ
ンを有するハムF12培地)を添加する。次いで、37
℃で約1週間、インキュベートする。次いで、新しい培
地を添加し、次いで、数日毎に取り換える。培地中でさ
らに2週間後、線維芽細胞の単層が出現する。該単層を
トリプシン化し、大きなフラスコ中にスケールアップす
る。
【0228】発現されるべき断片をクローニングするた
めに、遺伝子治療のためのベクターを制限酵素で消化す
る。消化したベクターをウシ腸ホスファターゼで処理し
て、自己ライゲーションを防止する。脱リン酸化した線
形ベクターをアガロースゲル上で分画化し、精製する。
【0229】活性HLYAZ61を発現する能力を有す
るHLYAZ61 cDNAを単離する。ベクター中に
クローニングするために、所望により、該断片の端部を
修飾する。例えば、5'オーバーハンギングをDNAポ
リメラーゼで処理して、平滑末端を生じてもよい。3'
オーバーハンギング末端は、S1ヌクレアーゼを用いて
除去してもよい。リンカーは、T4 DNAリガーゼを
用いて平滑末端にライゲートしてもよい。
【0230】等量のモロニー・マウス白血病ウイルス線
形主鎖およびHLYAZ61断片を一緒に混合し、T4
DNAリガーゼを用いて結合させる。ライゲーション
混合物を用いて、イー・コリを形質転換し、細菌をアガ
ロース含有カナマイシン上に置く。カナマイシン表現型
および制限分析は、ベクターが適正に挿入された遺伝子
を有することを確認する。
【0231】10%ウシ血清(CS)、ペニシリンおよ
びストレプトマイシンを有するダルベッコ修飾イーグル
培地(DMEM)中、パッケージング細胞を組織培養物
中で、融合密度に増殖する。標準的な方法により、HL
YAZ61遺伝子を含有するベクターをパッケージング
細胞中に導入する。HLYAZ61遺伝子を含有する感
染ウイルス粒子をパッケージング細胞から回収し、これ
は、今、プロデューサー細胞と称される。
【0232】新しい培地をプロデューサー細胞に添加
し、適切なインキュベーション期間後、培地を融合した
プロデューサー細胞のプレートから収穫する。感染ウイ
ルス粒子を含有する培地をミリポア(MILLIPOR
E)フィルター(マサチューセッツ州ベッドフォード)
を介して濾過して、剥離したプロデューサー細胞を除去
する。次いで、濾過した培地を用いて、線維芽細胞に感
染させる。培地を、線維芽細胞の亜融合プレートから除
去し、素早く、濾過した培地と取り換える。形質導入を
容易にするために、培地中にポリブレン(POLYBR
ENE)(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリ
ッチ・ケミカル・カンパニー(AldrichChemical C
o.))を含ませてもよい。適切なインキュベーション
後、培地を除去し、新しい培地と取り換える。ウイルス
の力価が高い場合は、実質的には、全ての線維芽細胞
は、感染させられ、選別は、必要とされない。力価が低
い場合は、neoまたはhisなどの選択可能なマーカ
ーを有するレトロウイルスベクターを用いて、拡大のた
めに形質導入細胞を選択することが必要である。
【0233】工学処理された線維芽細胞を、単独で、ま
たはCYTODEX 3ビーズなどの微小担体ビーズ上
で群集に増殖させた後に、ラットに注入する。注入した
線維芽細胞は、HLYAZ61生成物を生成し、該タン
パク質の生物学的作用を宿主に伝達する。
【0234】本発明が、特に前記説明および実施例に記
載した以外のことも実施されてよいことは、明らかであ
ろう。本発明の多くの変更および変形は、前記教示に照
らして可能であり、したがって、「特許請求の範囲」の
範囲内である。
【0235】
【配列表】
【0236】配列番号:1 配列の長さ:1828塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:171..1127 配列 GTCGACCCAC GCGTCCGGCC TGCAATGGGG TTGCTACTGC TGCGGCTAAC CAAACAGCTC 60 ATGCTTCTCT GAAGACTTGC AGCAAGGCTT GCTGAGGCTC ACAGAAGATA GCCCCAGAGT 120 CTTAGAAATT TTTTCTTTTC AATAAGCAGT CATCCTTACT TTCCCTCAAG ATG ACA 176 Met Thr 1 AAC AGT TCG TTC TTC TGC CCA GTT TAT AAA GAT CTG GAG CCA TTC ACG 224 Asn Ser Ser Phe Phe Cys Pro Val Tyr Lys Asp Leu Glu Pro Phe Thr 5 10 15 TAT TTT TTT TAT TTA GTT TTC CTT GTT GGA ATT ATT GGA AGT TGT TTT 272 Tyr Phe Phe Tyr Leu Val Phe Leu Val Gly Ile Ile Gly Ser Cys Phe 20 25 30 GCA ACC TGG GCT TTT ATA CAG AAG AAT ACG AAT CAC AGG TGT GTG AGC 320 Ala Thr Trp Ala Phe Ile Gln Lys Asn Thr Asn His Arg Cys Val Ser 35 40 45 50 ATC TAC TTA ATT AAT TTG CTT ACA GCC GAT TTC CTG CTT ACT CTG GCA 368 Ile Tyr Leu Ile Asn Leu Leu Thr Ala Asp Phe Leu Leu Thr Leu Ala 55 60 65 TTA CCA GTG AAA ATT GTT GTT GAC TTG GGT GTG GCA CCT TGG AAG CTG 416 Leu Pro Val Lys Ile Val Val Asp Leu Gly Val Ala Pro Trp Lys Leu 70 75 80 AAG ATA TTC CAC TGC CAA GTA ACA GCC TGC CTC ATC TAT ATC AAT ATG 464 Lys Ile Phe His Cys Gln Val Thr Ala Cys Leu Ile Tyr Ile Asn Met 85 90 95 TAT TTA TCA ATT ATC TTC TTA GCA TTT GTC AGC ATT GAC CGC TGT CTT 512 Tyr Leu Ser Ile Ile Phe Leu Ala Phe Val Ser Ile Asp Arg Cys Leu 100 105 110 CAG CTG ACA CAC AGC TGC AAG ATC TAC CGA ATA CAA GAA CCC GGA TTT 560 Gln Leu Thr His Ser Cys Lys Ile Tyr Arg Ile Gln Glu Pro Gly Phe 115 120 125 130 GCC AAA ATG ATA TCA ACC GTT GTG TGG CTA ATG GTC CTT CTT ATA ATG 608 Ala Lys Met Ile Ser Thr Val Val Trp Leu Met Val Leu Leu Ile Met 135 140 145 GTG CCA AAT ATG ATG ATT CCC ATC AAA GAC ATC AAG GAA AAG TCA AAT 656 Val Pro Asn Met Met Ile Pro Ile Lys Asp Ile Lys Glu Lys Ser Asn 150 155 160 GTG GGT TGT ATG GAG TTT AAA AAG GAA TTT GGA AGA AAT TGG CAT TTG 704 Val Gly Cys Met Glu Phe Lys Lys Glu Phe Gly Arg Asn Trp His Leu 165 170 175 CTG ACA AAT TTC ATA TGT GTA GCA ATA TTT TTA AAT TTC TCA GCC ATC 752 Leu Thr Asn Phe Ile Cys Val Ala Ile Phe Leu Asn Phe Ser Ala Ile 180 185 190 ATT TTA ATA TCC AAT TGC CTT GTA ATT CGA CAG CTC TAC AGA AAC AAA 800 Ile Leu Ile Ser Asn Cys Leu Val Ile Arg Gln Leu Tyr Arg Asn Lys 195 200 205 210 GAT AAT GAA AAT TAC CCA AAT GTG AAA AAG GCT CTC ATC AAC ATA CTT 848 Asp Asn Glu Asn Tyr Pro Asn Val Lys Lys Ala Leu Ile Asn Ile Leu 215 220 225 TTA GTG ACC ACG GGC TAC ATC ATA TGC TTT GTT CCT TAC CAC ATT GTC 896 Leu Val Thr Thr Gly Tyr Ile Ile Cys Phe Val Pro Tyr His Ile Val 230 235 240 CGA ATC CCG TAT ACC CTC AGC CAG ACA GAA GTC ATA ACT GAT TGC TCA 944 Arg Ile Pro Tyr Thr Leu Ser Gln Thr Glu Val Ile Thr Asp Cys Ser 245 250 255 ACC AGG ATT TCA CTC TTC AAA GCC AAA GAG GCT ACA CTG CTC CTG GCT 992 Thr Arg Ile Ser Leu Phe Lys Ala Lys Glu Ala Thr Leu Leu Leu Ala 260 265 270 GTG TCG AAC CTG TGC TTT GAT CCT ATC CTG TAC TAT CAC CTC TCA AAA 1040 Val Ser Asn Leu Cys Phe Asp Pro Ile Leu Tyr Tyr His Leu Ser Lys 275 280 285 290 GCA TTC CGC TCA AAG GTC ACT GAG ACT TTT GCC TCA CCT AAA GAG ACC 1088 Ala Phe Arg Ser Lys Val Thr Glu Thr Phe Ala Ser Pro Lys Glu Thr 295 300 305 AAG GCT CAG AAA GAA AAA TTA AGA TGT GAA AAT AAT GCA TAAAAGACAG 1137 Lys Ala Gln Lys Glu Lys Leu Arg Cys Glu Asn Asn Ala 310 315 GATTTTTTGT GCTACCAATT CTGGCCTTAC TGGACCATAA AGTTAATTAT AGCTTTGAAA 1197 GATAAAAAAA AAAAACAACA AAAAAAAACT CAGTATGAAA AAATACAGTT AGCTAGCAAA 1257 TATGGACAGG TTTACTTAGA AATCCTGTTT CTAAATGCAA GTCAAGCTTT ATTGTTAGGC 1317 TTGCTGCTAC TCATTAACCC AAATATTTGT ACAAAAAACT AAAGAGTCTC ATTGAACGAA 1377 TGTAAAATCC TGCAATATCC TTGAAATCCA AAAGAGGTCC ATGACATAGA CCCAAAGGTA 1437 TTCATGAGTT ATTCATTTAA ATGCCTGGAA CTGACTTCTT GATAAAAATA TAAAAAATAA 1497 TTTCCATGTA AGTTACCAGA AAGCCCACCA GCAACATAAT TTTAAAGCCT TTCAGATTAC 1557 TTTTAAAAAA TGCAGCTTAC ATATAACAAC TTGTGCCTAT TTTATTTCTA ATCTATCACT 1617 TCAAAAGATG GTAATCTTTC AACTCATTAT TCCTCCAATT TTTAATGTCG AATTTTTTTC 1677 TAACACAATA ACCAAAAGCT TTTATTTATA AAAAGGCTTG AAAAATATAG ACAATCTTTA 1737 ATGTATTATT TGTAATTATA TTCTATCTGT AGGTTATAAT AAAGGCTTCC TGATGTTAGT 1797 AATAATACAA AAAAAAAAAA AAAGGGCGGC C 1828
【0237】配列番号:2 配列の長さ:319アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Thr Asn Ser Ser Phe Phe Cys Pro Val Tyr Lys Asp Leu Glu Pro 1 5 10 15 Phe Thr Tyr Phe Phe Tyr Leu Val Phe Leu Val Gly Ile Ile Gly Ser 20 25 30 Cys Phe Ala Thr Trp Ala Phe Ile Gln Lys Asn Thr Asn His Arg Cys 35 40 45 Val Ser Ile Tyr Leu Ile Asn Leu Leu Thr Ala Asp Phe Leu Leu Thr 50 55 60 Leu Ala Leu Pro Val Lys Ile Val Val Asp Leu Gly Val Ala Pro Trp 65 70 75 80 Lys Leu Lys Ile Phe His Cys Gln Val Thr Ala Cys Leu Ile Tyr Ile 85 90 95 Asn Met Tyr Leu Ser Ile Ile Phe Leu Ala Phe Val Ser Ile Asp Arg 100 105 110 Cys Leu Gln Leu Thr His Ser Cys Lys Ile Tyr Arg Ile Gln Glu Pro 115 120 125 Gly Phe Ala Lys Met Ile Ser Thr Val Val Trp Leu Met Val Leu Leu 130 135 140 Ile Met Val Pro Asn Met Met Ile Pro Ile Lys Asp Ile Lys Glu Lys 145 150 155 160 Ser Asn Val Gly Cys Met Glu Phe Lys Lys Glu Phe Gly Arg Asn Trp 165 170 175 His Leu Leu Thr Asn Phe Ile Cys Val Ala Ile Phe Leu Asn Phe Ser 180 185 190 Ala Ile Ile Leu Ile Ser Asn Cys Leu Val Ile Arg Gln Leu Tyr Arg 195 200 205 Asn Lys Asp Asn Glu Asn Tyr Pro Asn Val Lys Lys Ala Leu Ile Asn 210 215 220 Ile Leu Leu Val Thr Thr Gly Tyr Ile Ile Cys Phe Val Pro Tyr His 225 230 235 240 Ile Val Arg Ile Pro Tyr Thr Leu Ser Gln Thr Glu Val Ile Thr Asp 245 250 255 Cys Ser Thr Arg Ile Ser Leu Phe Lys Ala Lys Glu Ala Thr Leu Leu 260 265 270 Leu Ala Val Ser Asn Leu Cys Phe Asp Pro Ile Leu Tyr Tyr His Leu 275 280 285 Ser Lys Ala Phe Arg Ser Lys Val Thr Glu Thr Phe Ala Ser Pro Lys 290 295 300 Glu Thr Lys Ala Gln Lys Glu Lys Leu Arg Cys Glu Asn Asn Ala 305 310 315
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトHLYAZ61のヌクレオチド[配列番
号1]および推定アミノ酸[配列番号2]の一部を示
す。
【図2】 ヒトHLYAZ61のヌクレオチド[配列番
号1]および推定アミノ酸[配列番号2]の一部を示
す。
【図3】 ヒトHLYAZ61のヌクレオチド[配列番
号1]および推定アミノ酸[配列番号2]の一部を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/08 C12Q 1/02 C12Q 1/02 C12N 5/00 B //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ダーク・ジェイ・バーグスマ アメリカ合衆国19312ペンシルベニア州バ ーウィン、アイリッシュ・ロード271番

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号2に記載のアミノ酸を含
    有してなるポリペプチドをコードしているポリヌクレオ
    チドとの同一性が少なくとも70%であるポリヌクレオ
    チド、 (b)遺伝暗号の重複によって、配列番号2に記載の同
    アミノ酸をコードするポリヌクレオチド、 (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドに相補的
    であるポリヌクレオチド、および (d)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチド
    の少なくとも15個の隣接している塩基を含有してなる
    ポリヌクレオチドからなる群から選択されるメンバーを
    含んでなる単離ポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号1に記載のヌクレオチドを含有
    してなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 配列番号1に記載のヌクレオチド1−1
    188を含有してなる請求項2記載のポリヌクレオチ
    ド。
  6. 【請求項6】 配列番号2に記載のアミノ酸を含有して
    なるポリペプチドをコードしている請求項2記載のポリ
    ヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 (a)pHLYAZ61に含有されたヒ
    トcDNAによって発現された成熟ポリペプチドをコー
    ドしているポリヌクレオチドとの同一性が少なくとも7
    0%であるポリヌクレオチド、 (b)遺伝暗号の重複によって、pHLYAZ61に含
    有されたヒトcDNAによって発現された同成熟ポリペ
    プチドをコードしているポリヌクレオチド、 (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドと相補的
    であるポリヌクレオチド、および (d)(a)、(b)または(c)のポリヌクレオチド
    の少なくとも15個の隣接した塩基を含有してなるポリ
    ヌクレオチドからなる群から選択されるメンバーを含有
    してなる単離ポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のDNAを含有してなるベ
    クター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のベクターを含有してなる
    宿主細胞。
  10. 【請求項10】 DNAによりコードされるポリペプチ
    ドを請求項9記載の宿主細胞から発現させることを特徴
    とするポリペプチドの生成方法。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドを発現する細胞が請求項
    8記載のベクター中に含有されるヒトcDNAによって
    コードされるポリペプチドを発現するように該細胞を該
    ベクターで形質転換またはトランスフェクトすることを
    特徴とする、ポリペプチドを発現する細胞の生成方法。
  12. 【請求項12】 配列番号2に記載のアミノ酸配列との
    同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を含有し
    てなるポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含
    有してなるポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項12記載のポリペプチドに対す
    るアゴニスト。
  15. 【請求項15】 請求項12記載のポリペプチドに対す
    る抗体。
  16. 【請求項16】 請求項12記載のポリペプチドに対す
    るアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 請求項12記載のポリペプチドの治療
    的有効量を患者に投与することを特徴とする、HLYA
    Z61を必要とする患者の治療方法。
  18. 【請求項18】 ポリペプチドをコードしているDNA
    を患者に投与し、イン・ビボで該ポリペプチドを発現さ
    せることにより、ポリペプチドの治療的有効量が投与さ
    れる請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項16記載のアンタゴニストの治
    療的有効量を患者に投与することを特徴とする、HLY
    AZ61ポリペプチドを阻害する必要のある患者の治療
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項12記載のポリペプチドをコー
    ドしている核酸配列における突然変異を判定することを
    特徴とする、請求項12記載のポリペプチドの発現に関
    係する疾患または該疾患に対する罹病性の診断方法。
  21. 【請求項21】 宿主由来の試料において請求項12記
    載のポリペプチドの存在について分析することを特徴と
    する診断方法。
  22. 【請求項22】 請求項12記載のポリペプチドについ
    ての受容体を表面上で発現する細胞を、受容体に結合さ
    せる条件下で、スクリーニングしようとする化合物と接
    触させ(ここで、受容体は、化合物の受容体への結合に
    応答して検出可能なシグナルを提供する能力を有する第
    2成分と関係している)、次いで、 該化合物と受容体との相互作用により生じたシグナルの
    存在または不在を検出することにより、該化合物が受容
    体に結合して、該受容体を活性化するかまたは阻害する
    かを決定することを特徴とする、請求項12記載のポリ
    ペプチドについての受容体に結合して該受容体を活性化
    するかまたは阻害する化合物の同定方法。
JP9288425A 1996-10-21 1997-10-21 ヒトgタンパク質結合受容体hlyaz61 Pending JPH10117791A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US73434996A 1996-10-21 1996-10-21
US08/734349 1996-10-21

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JPH10117791A true JPH10117791A (ja) 1998-05-12

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ID=24951320

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JP9288425A Pending JPH10117791A (ja) 1996-10-21 1997-10-21 ヒトgタンパク質結合受容体hlyaz61

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WO1998033908A1 (en) * 1997-01-31 1998-08-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human c5a-like receptor

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US5723315A (en) * 1996-08-23 1998-03-03 Genetics Institute, Inc. Secreted proteins and polynucleotides encoding them
WO1998033908A1 (en) * 1997-01-31 1998-08-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human c5a-like receptor
CA2291221A1 (en) * 1997-05-30 1998-12-03 Human Genome Sciences, Inc. 32 human secreted proteins

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EP0837128A3 (en) 1999-04-28

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