JPH1011719A - 磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法

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JPH1011719A
JPH1011719A JP16782596A JP16782596A JPH1011719A JP H1011719 A JPH1011719 A JP H1011719A JP 16782596 A JP16782596 A JP 16782596A JP 16782596 A JP16782596 A JP 16782596A JP H1011719 A JPH1011719 A JP H1011719A
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magnetoresistive
soft magnetic
bias
magnetic
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JP16782596A
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Inventor
Eizo Fukami
栄三 深見
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく磁気記録情報を再生できる磁気抵抗
効果ヘッド及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドは、軟
磁性横バイアス膜110、非磁性スペーサ膜120、磁
気抵抗効果膜130、反強磁性膜141,142及び電
極膜151,152が順次積層され、かつ、軟磁性横バ
イアス膜110は情報検出領域10を含むその近傍にの
み形成され、反強磁性膜141,142及び電極膜15
1,152は検出領域10を除く磁気抵抗効果膜130
の両端部にのみ形成された構造になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体から
情報を読み取るための磁気ヘッドに関し、さらに詳しく
は、磁気抵抗効果により情報を読み取ることを特徴とす
る磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果センサを用いて磁気的に記
録された情報を検出する方法はよく知られており、磁気
抵抗効果ヘッドとして高密度対応磁気ディスク記録装置
などに用いられつつある。磁気抵抗効果センサの材料と
しては、磁気抵抗効果膜であるNiFe合金(パーマロ
イ)膜やNiFeCo合金膜などが一般に用られる。そ
の際、バルクハウゼンジャンプノイズと呼ばれる磁化の
多磁区構造に起因する雑音を制御するために、縦方向バ
イアスと呼ばれる磁界を磁気抵抗効果膜に印加したり、
また、磁気抵抗効果センサを線形動作領域内で用いるた
めに、横方向バイアス磁界を印加したりすることが望ま
しい。
【0003】横方向バイアス磁界を印加する1つの手法
として、ソフトフィルムバイアス法があり、磁気抵抗効
果膜に非磁性スペーサ膜を介して積層された軟磁性膜の
磁化を、磁気抵抗効果膜に流れる情報検出電流により作
り出される磁界を用いて磁気抵抗効果膜の磁化と抵当な
角度(望ましくは90度)に向け、その磁化からの漏洩
磁界によりバイアス磁界を印加するものである。また、
縦方向バイアス磁界の印加方法もいくつか提案されてい
る。
【0004】これらのバイアス磁界印加のための具体的
方法としては、図17に示すように、軟磁性横バイアス
膜610、非磁性スペーサ膜620及び磁気抵抗効果膜
630を順次積層し、磁気抵抗効果膜630の情報検出
領域10を除く両端部領域に磁気抵抗効果膜630と交
換結合するように反強磁性縦バイアス膜641、642
を配設し、次いで電極膜651、652を積層した構造
が特開昭62−40610号公報に開示されている。し
かしながら、この構造では、軟磁性横バイアス膜610
の両端部の磁化は磁気抵抗効果膜630に流れる検出電
流による磁界によって充分に制御されないため、不安定
な動作特性及びバルクハウゼンノイズが生じる恐れがあ
る。
【0005】そこで、その改良型として、図18に示す
ように、磁気抵抗効果膜730上の情報検出領域10の
みに非磁性スペーサ膜720及び軟磁性横バイアス膜7
10を配置し、それに隣接するように反強磁性縦バイア
ス膜741,742及び電極膜751,752を配置し
た構造の磁気抵抗効果ヘッドが特開昭63−11731
0号公報に開示されている。
【0006】また、図19に示すように、軟磁性横バイ
アス膜810,非磁性スペーサ膜820及び磁気抵抗効
果膜830の順に積層し、そられの両端部をテーパ状に
加工し、その両端部に隣接して強磁性膜841,842
と反強磁性膜851,852からなる強磁性/反強磁性
縦バイアス膜及び電極膜861、862を積層して配設
した構造が特開平7−57223号公報に開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−113710号公報に開示されているような構造
の磁気抵抗効果ヘッドでは、軟磁性横バイアス膜710
に積極的に検出電流が流れ磁気抵抗効果膜730への分
流が減少するため、再生出力が効率的に得られない。ま
た、特開平7−57223号公報に開示されているよう
な構造においても、強磁性/反強磁性縦バイアス膜には
従来からNiFe/FeMn膜あるいはHiFe/Ni
Mn膜などの金属膜が用いられることから、軟磁性横バ
イアス膜810にも検出電流が少なからず流れ磁気抵抗
効果膜830への分流が減少するため、再生出力が効率
的に得られない。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明は、効率よく磁気記録情
報を再生できる磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の欠
点を鑑みなされたものであり、軟磁性横バイアス膜を磁
気抵抗効果膜の情報検出領域を含むその近傍にのみ配設
させることによって、軟磁性横バイアス膜の磁化を適切
な向きに安定して制御でき、外部からの不必要な磁界に
よる軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって誘発され
る不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャンプノイズ
を防止しつつ、軟磁性横バイアス膜への検出電流の分流
を最小限に抑え磁気抵抗効果膜に流れる検出電流を増大
させることによって、効率よく磁気記録情報を再生でき
る磁気抵抗効果ヘッド及びその製造方法である。
【0010】すなわち、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッ
ドは、軟磁性横バイアス膜と磁気抵抗効果膜とが非磁性
スペーサ膜を介して積層されてなり、前記軟磁性横バイ
アス膜の面積が前記磁気抵抗効果膜の情報検出領域より
も大きくかつ前記磁気抵抗効果膜全体よりも小さく形成
されているという基本的構成を採っている。
【0011】詳しく言えば、本発明に係る磁気抵抗効果
ヘッドは、基板上に形成された情報検出領域において、
磁気的に記録された情報を検出する磁気抵抗効果ヘッド
であって、前記基板上の少なくとも前記情報検出領域と
なる部分に形成された軟磁性膜と、前記軟磁性膜の全体
を覆うように形成された非磁性スペーサ膜と前記非磁性
スペーサ膜上に積層されてなる磁気抵抗効果膜を有する
ことを特徴とする。また、前記軟磁性膜の寸法が、前記
情報検出領域の幅以上でかつその幅の2倍以下であるも
のとしてもよい。前記軟磁性膜の両端部がテーパ形状に
加工されているものとしてもよい。前記非磁性スペーサ
膜と前記磁気抵抗効果膜の両端部がテーパ形状に加工さ
れているものとしてもよい。前記非磁性スペーサ膜と前
記磁気抵抗効果膜の両端部がテーパ形状に加工されてお
り、かつ、前記非磁性スペーサ膜のテーパの下部がその
上部より緩やかな傾斜になっているものとしてもよい。
前記磁気抵抗効果膜上の前記情報検出領域とならない部
分に、前記磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を印加する
手段と情報検出電流を磁気抵抗効果膜に流すための電極
膜とを備えたものとしてもよい。基板上に形成された情
報検出領域において、磁気的に記録された情報を検出す
る磁気抵抗効果ヘッドの製造法であって、前記基板上
に、軟磁性膜を形成する工程と、前記軟磁性膜を前記情
報検出領域となる部分に寸法が前記情報検出領域の幅以
上でかつその幅の2倍以下であり所定の形状にパターン
化する工程と、前記非磁性スペーサ膜及び磁気抵抗効果
膜を前記軟磁性膜の全体を覆うように形成し所定の形状
にパターン化する工程と、前記磁気抵抗効果膜に縦バイ
アスを印加するための縦バアイス膜を及び情報検出電流
を磁気抵抗効果膜に流すための電極膜を形成する工程と
を少なくとも順次行うことを特徴とするものとしてもよ
い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る磁気抵抗効
果ヘッドの第一実施形態を示す概略断面図である。図2
及び図3は、図1の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示
す概略断面図である。以下、図1、図2及び図3に基づ
いて説明する。
【0013】図1は、磁気抵抗効果ヘッドのセンサ主要
領域をエアー・ベアリング面(ABS)から見たもので
ある。本実施形態の磁気抵抗効果ヘッドは、軟磁性横バ
イアス膜110、非磁性スペーサ膜120、磁気抵抗効
果膜130、反強磁性膜141,142及び電極膜15
1,152が順次積層され、かつ、軟磁性横バイアス膜
110は情報検出領域10を含むその近傍にのみ形成さ
れ、反強磁性膜141,142及び電極膜151,15
2は検出領域10を除く磁気抵抗効果膜130の両端部
にのみ形成された構造になっている。
【0014】次に、上記磁気抵抗効果ヘッドの製造工程
について説明する。
【0015】まず、図2(a)に示すように、Al2
3 −TiC系セラミックの基板1上に、厚さが0.1ミ
クロンのAl2 3 からなる絶縁膜2、厚さが280オ
ングストロームのCoZrMo非晶質合金からなる軟磁
性横バイアス膜110を順次スパッタ法を用いて積層成
膜し、さらにその上に適当な厚さのフォトレジスト3を
塗布し、適当な条件で露光・現像することによってパタ
ーン化した。
【0016】次いで、イオンミリング法を用いて、図2
(b)に示すように、軟磁性横バイアス膜110をパタ
ーン化し、アセトンあるいは剥離剤などの有機溶剤を用
いてフォトレジスト3を除去した。ここでは、軟磁性横
バイアス膜110をイオンミリング法によりパターン化
する際、イオンビームを軟磁性バイアス膜110面に対
して垂直に入射させることによって、軟磁性バイアス膜
110の両端部を絶縁膜2面に対してほぼ直角になるよ
うにパターン加工している。しかし、イオンビームを軟
磁性バイアス膜110面に対して斜めに入射させること
によって、軟磁性バイアス膜110の両端部をテーパ状
にパターン加工してもよい。
【0017】その後、250オングストロームの膜厚の
SiNからなる非磁性スペーサ膜120及び300オン
グストロームの膜厚のNiFeからなる磁気抵抗膜13
0をスパッタ法を用いて順に積層成膜し、さらにその上
に適当な厚さのフォトレジスト4を塗布し、適当な条件
で露光・現像することによってパターン化して図2
(c)に示すように形成した。
【0018】次いで、図3(d)に示すように、500
オングストロームの膜厚のNiMnからなる反強磁性縦
バイアス膜141,142及び1000オングストロー
ムの膜厚のAuからなる電極膜151,152を順次ス
パッタ法を用いて積層成膜した後、アセトンあるいは剥
離剤などの有機溶剤を用いてフォトレジスト4を除去し
た。このとき、反強磁性縦バイアス膜141,142及
び電極膜151,152を積層成膜する前に、少なくと
も反強磁性縦バイアス膜141,142と隣接接合する
磁気抵抗効果膜130の表面をエッチングなどの処理に
よってクリーニングしておくことが望ましい。
【0019】次いで、図3(e)に示すように、0.1
ミクロンの厚さのAl2 3 からなる絶縁性保護膜5を
形成し、磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した。
【0020】なお、上述した各々の機能膜の材料におい
ては、一例にすぎず、各々の機能膜として適切な材料を
用いればよく、厚さについても機能を損なわない範囲内
で設定すればよい。特に、非磁性スペーサ膜120の材
料としては、比抵抗が大きいほど好ましく、そのなかで
も絶縁性非磁性材料が最も望ましい。軟磁性横バイアス
膜110については、飽和磁束密度及び比抵抗の大きい
材料が好ましい。また、図2及び図3には示されていな
いが、磁気記録媒体に記録され、再生したい特定の信号
磁界以外の余分な磁界を遮蔽することを目的とした機能
膜として、基板1と絶縁膜2との間に強磁性材料からな
る下シールド膜や、絶縁性保護膜5の上に強磁性材料か
らなる上シールド膜を積層して形成してもよく、強磁性
材料としては、NiFe合金、FeAiSi合金又はF
eTaN合金などが好ましい。
【0021】その後、上記工程において作製された磁気
抵抗効果ヘッド素子に対して、周知の技術によりスライ
ダ加工を施すとともに、加圧バネ,支持アーム等の取り
付け及び電極への配線等を行って磁気抵抗効果ヘッドを
作製した。このようにして作製された磁気抵抗効果ヘッ
ドについて再生特性を調べたところ、外部からの不必要
な磁界による軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって
誘発される不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャン
プノイズのない良好な再生特性が得られ、さらに従来と
同一の検出電流においても、大きな再生出力が得られ
た。
【0022】図4は、図1の本実施形態の磁気抵抗効果
ヘッドを示す抵抗回路図である。図5は、図18の従来
の磁気抵抗効果ヘッドを示す抵抗回路図である。以下、
図1、図4、図5及び図18に基づいて、本実施形態の
磁気抵抗効果ヘッドの作用を説明する。
【0023】図4(a)は、図1に示す本実施形態の磁
気抵抗効果ヘッドの抵抗回路図であり、簡単のために電
極膜151,152の抵抗は無視してある。そして、情
報検出領域を挟む両側の抵抗は対称であるので、さらに
簡略化でき、図4(b)に示すような抵抗回路図が得ら
れる。
【0024】ここで、電極膜151,152から流れ込
む全検出電流をIとし、磁気抵抗効果膜130に流れる
電流をIMRとすると、IMR=I/(1+(RMR+RB
/(RSP+RB +RMR1 )+(RMR+RB )/(RSAL
+RB +RMR1 +RSP1 ))・・・ 式(1)と表され
る。
【0025】図5(a)は、図18に示す従来の磁気抵
抗効果ヘッドの抵抗回路図であり、簡単のために電極膜
751,752の抵抗は無視してある。そして、情報検
出領域を挟む両側の抵抗は対称であるので、さらに簡略
化でき、図5(b)に示すような抵抗回路図が得られ
る。
【0026】ここで、電極膜751,752から流れ込
む全検出電流をI’とし、磁気抵抗効果膜730に流れ
る電流I’ MRとすると、I’MR=I’/(1+(R’
MR+R’B1)/(R’SP+R’B1/2)+(R’MR
R’B1)/R’SAL ) ・・・式(2)と表される。
【0027】さらに、磁気抵抗効果膜,非磁性スペーサ
膜、軟磁性横バイアス膜及び反強磁性バイアス膜の比抵
抗をそれぞれρMR ,ρSP ,ρSAL 及びρS とし、それ
ぞれの膜厚をdMR ,dSP ,dSAL 及びdB とする。ま
た、磁気抵抗効果膜、非磁性スペーサ膜及び軟磁性横バ
イアス膜の奥行き(図1及び図18における素子の奥行
き)をH、電流が膜面にほぼ平行に流れるときの電流パ
ス長をL、図1及び図18において電極膜から磁気抵抗
効果膜、非磁性スペーサ膜及び軟磁性横バイアス膜に電
流が流れるときのパス断面積をXH及びX’H、かつ、
電流パス長は各膜厚に等しいと仮定すると、式(1)及
び式(2)は、それぞれIMR=I/(1+(ρMRL/d
MRH+2ρB B /XH)/(ρSPL/dspH+2ρ
B B /XH+2ρMRMR/XH)+(ρMRL/dMR
+2ρB B /XH)/(ρSAL/dsAL H+XH+2
ρMRMR/XH+2MRMR/XH+2ρSPSP/X
H))・・・ 式(3)、I’MR=I’/(1+(ρMR
L/dMRH+2ρB B /X’H)/(ρSPL/dSP
+2ρB B X’H)+(ρMRL/dMRH+2ρB B
/X’H)/ρSPL*dsAL H) ・・・ 式(4)と
書き換えられる。
【0028】そこで、各定数として図6に示す値を用
い、X及びX’を0.01μm、磁気抵抗効果比△ρMR
を0.025として、同一の検出電流(I=I’)での
再生出力比V/V’を算出したところ、図7の結果を得
た。ここで、図6の各比抵抗の単位はμΩ・cmとし、
各膜厚及びL,H,X,X’の単位はμmとした。
【0029】図7の結果から、図18に示すような従来
の構造より、図1に示すような本発明の構造のほうが、
同一の検出電流で再生したときの出力は大きくなり、効
率よく再生できることがわかる。また、非磁性スペーサ
膜の比抵抗が大きい(すなわち絶縁性の高い膜)ほど、
そのときの出力比は大きくなり、効率も向上することが
わかる。
【0030】次に、他の作用を説明する。
【0031】軟磁性横バイアス膜は、通常容易磁化軸が
検出電流方向と平行になるように作製され、磁気抵抗効
果膜に横バイアス磁界を印加するために軟磁性横バイア
ス膜の磁化を、磁気抵抗効果膜に流れる電流により発生
する磁界によって理想的には検出電流と垂直方向に向け
て用いられる。ところが、図17に示すように軟磁性横
バイアス膜610の寸法が長いと実行的な異方性磁界が
大きくなり、検出電流と垂直方向に向きにくくなる。そ
の結果、磁気抵抗膜に印加される横バイアス磁界が小さ
くなる。本発明の素子構造では、軟磁性横バイアス膜の
寸法が短いため、実行的な異方性磁界が小さくでき、容
易に検出電流と垂直方向に向く。その結果、磁気抵抗効
果膜に印加される横バイアス磁界を大きくできる。ま
た、横バイアス磁界は軟磁性横バイアス膜の単位体積あ
たりの磁化と膜厚との積に比例するため、図17のよう
な素子構造での横バイアス磁界と同じ大きさの横バイア
ス磁界を印加しようとした場合には、本発明の素子構造
のほうが軟磁性横バイアス膜の厚さを薄くでき、その結
果、軟磁性バイアス膜への検出電流の分流も小さくでき
る。さらに、膜厚が薄くなると比抵抗が増大する傾向が
あるため、より分流が抑制されることが期待できる。
【0032】図8は、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッド
の第二実施形態を示す概略断面図である。図9及び図1
0は、図8の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す概略
断面図である。以下、図8、図9及び図10に基づいて
説明する。
【0033】図8は、磁気抵抗効果ヘッドのセンサ主要
領域をABSから見たものである。本実施形態の磁気抵
抗効果ヘッドは、軟磁性横バイアス膜210、非磁性ス
ペーサ膜220、磁気抵抗効果膜230が順次積層さ
れ、かつ、軟磁性横バイアス膜210は磁気抵抗効果膜
230の情報検出領域10を含むその近傍にのみ形成さ
れ、また、非磁性スペーサ膜220及び磁気抵抗効果膜
230の両端部がテーパ形状をなし、さらに、それぞれ
のテーパ形状部分から片側方向に延びるようにして硬磁
性縦バイアス膜241,242及び電極膜251,25
2が形成された構造になっている。
【0034】次に、上記磁気抵抗効果ヘッドの製造工程
について、図9及び図10に基づいて詳述する。
【0035】まず、図9(a)に示すように、Al2
3 −TiC系セラミックの基板1上に、厚さが800オ
ングストロームのAl2 3 からなる絶縁膜2、厚さが
230オングストロームのCoZrMo非晶質合金から
なる軟磁性横バイアス膜210を順次スパッタ法を用い
て積層成膜し、さらにその上に適当な厚さのフォトレジ
スト3を塗布し、適当な条件で露光・現像することによ
ってパターン化した。
【0036】次いで、イオンミリング法を用いて、図9
(b)に示すように、軟磁性横バイアス膜110をパタ
ーン化し、アセトンあるいは剥離剤などの有機溶剤を用
いてフォトレジスト3を除去した。ここで、軟磁性横バ
イアス膜210をイオンミリング法によりパターン化す
る際、イオンビームを軟磁性バイアス膜210面に対し
て垂直に入射させることによって、軟磁性バイアス膜2
10の両端部を絶縁膜2面に対してほぼ直角になるよう
にパターン加工している。しかし、イオンビームを軟磁
性バイアス膜210面に対して適度な角度をつけて入射
させることによって、軟磁性バイアス膜210の両端部
をテーパ状にパターン加工してもよい。
【0037】その後、200オングストロームの膜厚の
Taからなる非磁性スペーサ膜220及び250オング
ストロームの膜厚のNiFeからなる磁気抵抗膜230
をスパッタ法を用いて順に積層成膜し、さらにその上に
適当な厚さのフォトレジスト6を塗布し、適当な条件で
露光・現像することによって図9(c)に示すようにス
テンシル形状にパターン化した。このとき、ステンシル
の庇の部分は、軟磁性横バイアス膜210の幅と同程度
あるいはそれより適度に広くなるように形成する。ま
た、ここでは、フォトレジスト6はステンシル形状にパ
ターン化しているが、軟磁性横バイアス膜210の幅と
同程度あるいはそれより適度に広くなるように形成して
おけばステンシルの軸部がないような形状でもよい。
【0038】次いで、イオンミリング法を用いて、図1
0(d)に示すように、非磁性スペーサ膜220及び磁
気抵抗効果膜230を同時にテーパ状に加工した。ここ
で、図10(d)では、非磁性スペーサ膜220が完全
に除去され絶縁膜2の直上でイオンミリングが完了して
いるが、非磁性スペーサ膜220がテーパの下部で裾を
引くようななだらかな形状で適度な厚さで残存していて
もよい。
【0039】次いで、スパッタ法を用いて、320オン
グストロームの膜厚のCoPtからなる硬磁性縦バイア
ス膜241,242及び1500オングストロームの膜
厚のAuからなる電極膜251,252を順に積層成膜
した。このとき、硬磁性縦バイアス膜241,242及
び電極膜251,252を積層成膜する前に、少なくと
も硬磁性縦バイアス膜241,242と隣接接合する磁
気抵抗効果膜230の表面を逆スパッタ又はイオンミリ
ングなどの処理によってクリーニングしておくことが望
ましく、硬磁性縦バイアス膜241,242の下地膜と
してCrなどを先に成膜してもよい。また、図10
(e)においては、磁気抵抗効果膜230のテーパの上
端部21と硬磁性縦バイアス膜241,242及び電極
膜251,252の先端部は1点で重なるように形成さ
れている。しかし、硬磁性縦バイアス膜241,242
及び電極膜241,252が磁気抵抗効果膜230の平
坦部22に適度に覆いかぶさるように形成してもよく、
硬磁性縦バイアス膜241,242と電極膜251,2
52との先端部についても電極膜251,252が硬磁
性縦バイアス膜241,242を覆うように被覆されて
いてもよく、逆に、電極膜251,252が硬磁性縦バ
イアス膜241,242より後退して形成されていても
よい。
【0040】次いで、図10(f)に示すように、アセ
トンあるいは剥離剤などの有機溶剤を用いてフォトレジ
スト6及びその上に積層成膜された硬磁性縦バイアス膜
243及び電極膜253を除去し、800オングストロ
ームの厚さのAl2 3 からなる絶縁性保護膜5を形成
し、磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した。
【0041】なお、上述した各々の機能膜の材料におい
ては、一例にすぎず、各々の機能膜として適切な材料を
用いればよく、厚さについても機能を損なわない範囲内
で設定すればよい。特に、非磁性スペーサ膜220の材
料としては、比抵抗が大きいほど好ましく、そのなかで
も絶縁性非磁性材料が最も望ましい。軟磁性横バイアス
膜210については、飽和磁束密度及び比抵抗の大きい
材料が好ましい。また、図9から図10には示されてい
ないが、磁気記録媒体に記録され、再生したい特性の信
号磁界以外の余分な磁界を遮蔽することを目的とした機
能膜として、基板1と絶縁膜2との間に強磁性材料から
なる下シールド膜や、絶縁性保護膜5の上に強磁性材料
からなる上シールド膜を積層して形成してもよく、強磁
性材料としては、NiFe合金,FeAiSi合金ある
いはFeTaN合金などが好ましい。
【0042】その後、上記工程において作製された磁気
抵抗効果ヘッド素子に対して、周知の技術によりスライ
ダ加工を施すとともに、加圧バネ,支持アーム等の取り
付け及び電極への配線等を行って磁気抵抗効果ヘッドを
作製した。上記のように作製された磁気抵抗効果ヘッド
について再生特性を調べたところ、外部からの不必要な
磁界による軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって誘
発される不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャンプ
ノイズのない良好な再生特性が得られ、さらに従来と同
一の検出電流においても、大きな再生出力が得られた。
本実施形態の磁気抵抗効果ヘッドの作用は、第一実施形
態と同様であるので説明を省略する。
【0043】図11は、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッ
ドの第三実施形態を示す概略断面図である。図12、図
13及び図14は、図11の磁気抵抗効果ヘッドの製造
方法を示す概略断面図である。以下、図11、図12、
図13及び図14に基づいて説明する。
【0044】図11は、磁気抵抗効果ヘッドのセンサ主
要領域をABSからみたものである。本実施形態の磁気
抵抗効果ヘッドは、軟磁性横バイアス膜310、非磁性
スペーサ膜320、磁気抵抗効果膜330が順次積層さ
れ、かつ、軟磁性横バイアス膜310は磁気抵抗効果膜
330の情報検出領域10を含むその近傍のみに両端部
がテーパ状に加工して形成され、また、非磁性スペーサ
膜320及び磁気抵抗効果膜330の両端部もテーパ形
状をなし、さらに、硬磁性縦バイアス膜341,342
及び電極膜351,352が磁気抵抗効果膜330の情
報検出領域10だけを隔てて形成された構造になってい
る。
【0045】次に、上記磁気抵抗効果ヘッドの製造工程
について、図12、図13及び図14に基づいて詳述す
る。
【0046】まず、図12(a)に示すように、Al2
3 −TiC系セラミックの基板1上に、厚さが800
オングストロームのAl2 3 からなる絶縁膜2,厚さ
が190オングストロームのCoZrMoの非晶質合金
からなる軟磁性横バイアス膜310を順次スパッタ法を
用いて積層成膜し、さらにその上に適当な厚さのフォト
レジスト7を塗布し、適当な条件で露光・現像すること
によってステンシル形状にパターン加工した。
【0047】次いで、イオンミリング法を用いて、図1
2(b)に示すように、軟磁性横バイアス膜310をそ
の端部がテーパ状にパターン化し、アセトンあるいは剥
離剤などの有機溶剤を用いてフォトレジスト7を除去し
た。ここで、軟磁性横バイアス膜310をイオンミリン
グ法によりパターン化する際、イオンビームを軟磁性バ
イアス膜310面に対して適度な角度をつけて入射させ
ることによって、その両端部をテーパ状にパターン加工
している。しかし、イオンビームを垂直に入射させるこ
とによって、その両端部を絶縁膜2面に対してほぼ直角
になるようにパターン加工してもよい。
【0048】その後、200オングストロームの膜厚の
Taからなる非磁性スペーサ膜320及び200オング
ストロームの膜厚のNiFeからなる磁気抵抗効果膜3
30をスパッタ法を用いて順に積層成膜し、さらにその
上に適当な厚さのフォトレジスト8を塗布し、適当な条
件で露光・現像することによって図12(c)に示すよ
うにステンシル形状にパターン化した。このとき、ステ
ンシルの庇の部分は、軟磁性横バイアス膜310の幅と
同程度あるいはそれより適度に広くなるように形成す
る。また、フォトレジスト8はステンシル形状にパター
ン化しているが、軟磁性横バイアス膜310の幅と同程
度あるいはそれより適度に広くなるように形成しておけ
ばステンシルの軸部がないような形状でもよい。
【0049】次いで、イオンミリング法を用いて、図1
3(d)に示すように、非磁性スペーサ膜320及び磁
気抵抗効果膜330を同時にテーパ状に加工した。ここ
で、図13(d)では、非磁性スペーサ膜320が完全
に除去され絶縁膜2の直上でイオンミリングが完了して
いるが、非磁性スペーサ膜320がテーパの下部で裾を
引くようななだらかな形状で適度な厚さで残存していて
もよい。
【0050】そして、ステンシル形状のフォトレジスト
8をアセトンあるいは剥離剤などの有機溶剤を用いて除
去したのが図13(e)である。
【0051】その後、図13(f)に示すように、図1
2(c)において形成したステンシルより小さいステン
シルをフォトレジスト9によって新たに形成した。この
とき、ステンシルの庇の部分は、情報検出領域10と同
程度あるいはそれより適度に広くなるように形成する。
また、フォトレジスト9はステンシル形状にパターン化
しているが、情報検出領域310の幅と同程度あるいは
それより適度に広くなるように形成しておけばステンシ
ルの軸部がないような形状でもよい。
【0052】次いで、スパッタ法を用いて、290オン
グストロームの膜厚のCoCrPtからなる硬磁性縦バ
イアス膜341,342及び1200オングストローム
の膜厚のAuからなる電極膜351,352を順に積層
成膜した。このとき、硬磁性縦バイアス膜341,34
2及び電極膜351,352を積層成膜する前に、少な
くとも硬磁性縦バイアス膜341,342と隣接接合す
る磁気抵抗効果膜330の表面を逆スパッタあるいはイ
オンミリングなどの処理によってクリーニングしておく
ことが望ましく、硬磁性縦バイアス膜241,242の
下地膜としてCrなどを先に成膜してよもい。また、図
14(g)においては、磁気抵抗効果膜330の情報検
出領域10の端部23で硬磁性縦バイアス膜341,3
42と電極膜351,352の先端部が一致するように
形成されている。が、硬磁性縦バイアス膜341,34
2と電極膜351,352を情報検出領域10の端部2
3から適度に後退させて形成してもよいく、また、硬磁
性縦バイアス膜341,342と電極膜351,352
との先端部についても電極膜351,352が硬磁性縦
バイアス膜341,342を覆うように被覆されていて
もよく、逆に、電極膜351,352が硬磁性縦バイア
ス膜341,342より後退して形成されていてもよ
い。
【0053】次いで、図14(h)に示すように、アセ
トンあるいは剥離剤などの有機溶剤を用いてフォトレジ
スト9及びその上に積層成膜された硬磁性縦バイアス膜
343及び電極膜353を除去し、800オングストロ
ームの厚さのAl2 3 からなる絶縁性保護膜5を形成
し、磁気抵抗効果ヘッド素子を作製した。
【0054】なお、上述した各々の機能膜の材料におい
ては、一例にすぎず、各々の機能膜として適切な材料を
用いればよく、厚さについても機能を損なわない範囲内
で設定すればよい。特に、非磁性スペーサ膜320の材
料としては、比抵抗が大きいほど好ましく、そのなかで
も絶縁性非磁性材料が最も望ましい。軟磁性横バイアス
膜310については、飽和磁束密度及び比抵抗の大きい
材料が好ましい。また、図11から図14には示されて
いないが、磁気記録媒体に記録され、再生したい特定の
信号磁界以外の余分な磁界を遮蔽することを目的とした
機能膜として、基板1と絶縁膜2との間に強磁性材料か
らなる下シールド膜や絶縁性保護膜5の上に強磁性材料
からなる上シールド膜を積層して形成してもよく、強磁
性材料としては、NiFe合金,FeAiSi合金ある
いはFeTaN合金などが好ましい。
【0055】その後、上記工程において作製された磁気
抵抗効果ヘッド素子に対して、周知の技術によりスライ
ダ加工を施すとともに、加圧バネ、支持アーム等の取り
付け及び電極への配線等を行って磁気抵抗効果ヘッドを
作製した。上記のように作製された磁気抵抗効果ヘッド
について再生特性を調べたところ、外部からの不必要な
磁界による軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって誘
発される不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャンプ
ノイズのない良好な再生特性が得られ、さらに従来と同
一の検出電流においても、大きな再生出力が得られた。
本実施形態の磁気抵抗効果ヘッドの作用は、第一実施形
態と同様であるので説明を省略する。
【0056】図15は、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッ
ドの第四実施形態を示す概略断面図である。以下、図1
5に基づいて説明する。
【0057】図15は、磁気抵抗効果ヘッドのセンサ主
要領域をABSから見たものである。本実施形態の磁気
抵抗効果ヘッドは、軟磁性横バイアス膜410、非磁性
スペーサ膜420、磁気抵抗効果膜430が順次積層さ
れ、かつ、軟磁性横バイアス膜410は磁気抵抗効果膜
430の情報検出領域10を含むその近傍のみに両端部
がテーパ状に加工して形成され、また、非磁性スペーサ
膜420及び磁気抵抗効果膜430の両端部もテーパ形
状をなし、さらに、それぞれのテーパ形状部分から片側
方向に延びるようにして強磁性膜441,442及び反
強磁性膜451,452からなる強磁性/反強磁性縦バ
イアス膜及び電極膜461,462が形成された構造に
なっている。
【0058】上記磁気抵抗効果ヘッドの製造工程は、図
8に示した第二実施形態の製造工程(図9及び図10)
とほぼ同様であるが、以下の点が異なっている。第1
に、第二実施形態の図9(b)において軟磁性横バイア
ス膜をイオンミリングによりパターン加工する際のイオ
ンビームを、軟磁性バイアス膜面に対して適度な角度を
つけて入射させることによって、軟磁性バイアス膜の両
端部をテーパ状にパターン加工している点である。第2
に、図10(e)において成膜されている硬磁性縦バイ
アス膜の代りに、厚さ300オングストロームのNiF
eからなる強磁性膜441,442及び厚さ500オン
グストロームのNiMnからなる反強磁性膜451,4
52からなる強磁性/反強磁性縦バイアス膜を積層成膜
している点である。このとき、強磁性膜441,442
の下地膜としてTaあるいはZrなどを先に成膜しても
よい。
【0059】上記のように作製された磁気抵抗効果ヘッ
ドについて再生特性を調べたところ、外部からの不必要
な磁界による軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって
誘発される不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャン
プノイズのない良好な再生特性が得られ、さらに従来と
同一の検出電流においても、大きな再生出力が得られ
た。本実施形態の磁気抵抗効果ヘッドの作用は、第一実
施形態と同様であるので説明を省略する。
【0060】図16は、本発明に係る磁気抵抗効果ヘッ
ドの第五実施形態を示す概略断面図である。以下、図1
6に基づいて説明する。
【0061】図16は、磁気抵抗効果ヘッドのセンサ主
要領域をABSから見たものである。本実施形態の磁気
抵抗効果ヘッドは、軟磁性横バイアス膜510、非磁性
スペーサ膜520、磁気抵抗効果膜530が順次積層さ
れ、かつ、軟磁性横バイアス膜510は磁気抵抗効果膜
530の情報検出領域10を含むその近傍のみに両端部
がテーパ状に加工して形成され、また、非磁性スペーサ
膜520及び磁気抵抗効果膜530の両端部もテーパ形
状をなし、さらに、強磁性膜541,542及び反強磁
性膜551,552からなる強磁性/反強磁性縦バイア
ス膜及び電極膜551,562が磁気抵抗効果膜530
の情報検出領域10だけを隔てて形成された構造になっ
ている。
【0062】上記磁気抵抗効果ヘッドの製造工程は、図
11に示した本発明の第三実施形態の製造工程(図12
から図14)とほぼ同様であるが、以下の点が異なって
いる。すなわち、図14(g)において成膜されている
硬磁性縦バイアス膜の代りに、厚さ270オングストロ
ームのNiFeからなる強磁性膜541,542及び厚
さ500オングストロームのNiMnからなる反強磁性
膜551,552からなる強磁性/反強磁性縦バイアス
膜を積層成膜している点である。このとき、強磁性膜5
41,542の下地膜としてTaあるいはZrなどを先
に成膜してもよい。
【0063】上記のような作製された磁気抵抗効果ヘッ
ドについて再生特性を調べたところ、外部からの不必要
な磁界による軟磁性横バイアス膜の磁化の撹乱によって
誘発される不安定な動作特性及びバルクハウゼンジャン
プノイズのない良好な再生特性が得られ、さらに従来と
同一の検出電流においても、大きな再生出力が得られ
た。本実施形態の磁気抵抗効果ヘッドの作用は、第一実
施形態と同様であるので説明を省略する。
【0064】以上、本発明において適するいくつかの実
施形態について記述してきたが、上述した実施形態以外
においても本発明に該当する範囲内で様々な変更が可能
であることはいうまでもないことである。
【0065】
【発明の効果】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッド及びそ
の製造方法よれば、軟磁性横バイアス膜への検出電流の
分流を最小限に抑え磁気抵抗効果膜に流れる検出電流を
増大させることによって、効率よく磁気記録情報を再生
でき、さらに軟磁性横バイアス膜を磁気抵抗効果膜の情
報検出領域を含むその近傍にのみ配設させることによっ
て、軟磁性横バイアス膜の磁化を適切な向きに制御で
き、外部からの不必要な磁界による軟磁性横バイアス膜
の磁化の撹乱によって誘発される不安定な動作特性及び
バルクハウゼンジャンプノイズを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの第一実施形
態を示す概略断面図である。
【図2】図1の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す概
略断面図であり、図2(a)〜図2(c)の順に工程が
進行する。
【図3】図1の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す概
略断面図であり、図3(d)、図3(e)の順に工程が
進行する。
【図4】図1の磁気抵抗効果ヘッドを示す抵抗回路図で
あり、図4(b)は図4(a)をさらに簡略化したもの
である。
【図5】図15の磁気抵抗効果ヘッドを示す抵抗回路図
であり、図5(b)は図5(a)をさらに簡略化したも
のである。
【図6】図1及び図15の磁気抵抗効果ヘッドを構成す
る各膜の定数の一例を示す図表である。
【図7】図1及び図15の磁気抵抗効果ヘッドの出力比
の一例を示す図表である。
【図8】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの第二実施形
態を示す概略断面図である。
【図9】図8の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す概
略断面図であり、図9(a)〜図9(c)の順に工程が
進行する。
【図10】図8の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示す
概略断面図であり、図10(d)〜図10(f)の順に
工程が進行する。
【図11】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの第三実施
形態を示す概略断面図である。
【図12】図11の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示
す概略断面図であり、図12(a)〜図12(c)の順
に工程が進行する。
【図13】図11の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示
す概略断面図であり、図13(d)〜図13(f)の順
に工程が進行する。
【図14】図11の磁気抵抗効果ヘッドの製造方法を示
す概略断面図であり、図14(g)、図14(h)の順
に工程が進行する。
【図15】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの第四実施
形態を示す概略断面図である。
【図16】本発明に係る磁気抵抗効果ヘッドの第五実施
形態を示す概略断面図である。
【図17】従来の磁気抵抗効果ヘッドの第一例を示す概
略断面図である。
【図18】従来の磁気抵抗効果ヘッドの第二例を示す概
略断面図である。
【図19】従来の磁気抵抗効果ヘッドの第三例を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 絶縁膜 3,4,6,7,8,9 フォトレジスト 5 絶縁性保護膜 10 情報検出領域 110,210,310,410,510,610,7
10,810 軟磁性横バイアス膜 120,220,320,420,520,620,7
20,820 非磁性スペーサ膜 130,230,330,430,530,630,7
30,830 磁気抵抗効果膜 141,142,641,642,741,742 反
強磁性縦バイアス膜 151,152,251,252,253,351,3
52,353,461,462,561,562,65
1,652,751,752,861,862電極膜 241,242,243,341,342,353 硬
磁性縦バイアス膜 441,442,541,542,841,842 軟
磁性膜 451,452,551,552,851,852 反
強磁性膜 I,I’ 全検出電流 IMR,I’MR 磁気抵抗効果膜に流れる検出電流 RB ,RB11,RB12,RB21,RB22,RB31,RB32
R’B R’B1 R’B11 R’B12 R’B21
R’B22 反強磁性縦バイアス膜の抵抗 RMR MR1,RMR11 MR12 MR21 MR22
R’MR 磁気抵抗効果膜の抵抗 RSAL,R’SAL 軟磁性横バイアス膜の抵抗 RSP SP1,RSP11 SP12 R’SP 非磁性スペ
ーサ膜の抵抗

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性横バイアス膜と磁気抵抗効果膜と
    が非磁性スペーサ膜を介して積層されてなる磁気抵抗効
    果ヘッドにおいて、 前記軟磁性横バイアス膜の面積が前記磁気抵抗効果膜の
    情報検出領域よりも大きくかつ前記磁気抵抗効果膜全体
    よりも小さく形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性横バイアス膜の寸法が前記情
    報検出領域の幅以上でかつその幅の2倍以下である、請
    求項1記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性横バイアス膜の両端部がテー
    パ形状に加工されている、請求項1又は2記載の磁気抵
    抗効果ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記非磁性スペーサ膜及び前記磁気抵抗
    効果膜のそれぞれの両端部がテーパ形状に加工されてい
    る、請求項1,2又は3記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記非磁性スペーサ膜の前記テーパ形状
    の下部がその上部より緩やかな傾斜になっている、請求
    項4記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁気抵抗効果膜の前記情報検出領域
    とならない部分に、前記磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁
    界を印加する手段と情報検出電流を前記磁気抵抗効果膜
    に流すための電極膜とを備えたことを特徴とする請求項
    1,2,3,4又は5記載の磁気抵抗効果ヘッド。
  7. 【請求項7】 基板上に形成された情報検出領域におい
    て、磁気的に記録された情報を検出する磁気抵抗効果ヘ
    ッドの製造方法であって、 前記基板上に軟磁性横バイアス膜を形成する第一工程
    と、この第一工程で形成された前記軟磁性横バイアス膜
    を前記情報検出領域の幅以上でかつその幅の2倍以下の
    所定形状にパターン化する第二工程と、この第二工程で
    パターン化された前記軟磁性横バイアス膜の全体を覆う
    ように非磁性スペーサ膜及び磁気抵抗効果膜を形成し所
    定形状にパターン化する第三工程と、この第三工程でパ
    ターン化された前記磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を
    印加するための縦バイアス膜及び情報検出電流を当該磁
    気抵抗効果膜に流すための電極膜を形成する第四工程と
    を備えた磁気抵抗効果ヘッドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011238338A (ja) * 2010-05-01 2011-11-24 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv フィルムスタック内の結晶アライメントのためのケイ素/金シード構造

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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