JPH10112075A - 情報記録媒体及び原盤製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及び原盤製造方法

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JPH10112075A
JPH10112075A JP8266159A JP26615996A JPH10112075A JP H10112075 A JPH10112075 A JP H10112075A JP 8266159 A JP8266159 A JP 8266159A JP 26615996 A JP26615996 A JP 26615996A JP H10112075 A JPH10112075 A JP H10112075A
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light
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JP8266159A
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Hiroshi Suganuma
洋 菅沼
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たな原理に基づいた超高密度の情報記録が
可能で、原盤(レプリカ)を製造してこの原盤を用いた
射出成型手段により作製でき、再生専用の光ディスクと
して量産することに適した情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板1上に形成されたグルーブ3に沿う
単位領域4毎に、偏光依存性を有する微細構造(波長オ
ーダの凹凸格子構造)を形成する。微細構造は、反射防
止膜、偏光子、波長板、屈折率分布型レンズなどの機能
を有し、格子の方向によって、多値の情報を記録するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値の情報の記録
が可能となされた情報記録媒体に関する技術分野に属す
る。また、本発明は、上記情報記録媒体を作製するため
の原盤を製造する原盤製造方法に関する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録媒体として、いわゆるピ
ットディスク、光磁気ディスク、相変化型光ディスクの
如く、種々の方式の光ディスクが提案されている。
【0003】上記ピットディスクは、射出成型手段によ
り、記録された情報に応じた微細な凹凸(ピット)を有
するディスク基板を作製し、このディスク基板上にアル
ミニウム膜の如き金属反射膜を被着形成して作製された
ものである。このピットディスクは、上記ピットにレー
ザ光束を照射したときに生ずる散乱に起因する該ピット
の有無に依る反射率の違いより、情報の読み出しが行わ
れるものである。すなわち、このピットディスクにおい
ては、上記ピットの有無が“0”と“1”とのデジタル
信号を表す。
【0004】また、上記光磁気ディスクは、ディスク基
板上に磁性材料層が被着形成されて構成されている。こ
の光磁気ディスクにおいては、上記磁性材料の磁化方向
に応じて該磁性材料層に照射された光束において生ずる
カー効果による偏光方向の回転を検出することにより、
情報の読み出しが行われるものである。すなわち、この
光磁気ディスクにおいては、上記磁性材料層における磁
化方向(上向き、または、下向き)が“0”と“1”と
のデジタル信号を表す。
【0005】そして、上記相変化型光ディスクは、ディ
スク基板上に形成された信号記録層における結晶とアモ
ルフォスとの複素屈折率の違いに起因する反射率の違い
の有無を検出して、情報の読み出しが行われるものであ
る。すなわち、この相変化型光ディスクにおいては、結
晶状態であるかアモルフォス状態であるかが“0”と
“1”とのデジタル信号を表す。
【0006】このような光ディスクは、動画情報、音声
情報、コンピュータ用データの如き種々の情報を記録す
る記録媒体として用いられている。そして、このような
光ディスクにおいては、記録情報の高密度化、大容量化
とともに、量産性及び低コスト性が要求されている。
【0007】従来の光ディスクにおける情報記録密度
は、情報の書き込み及び読み出しに用いる光束(レーザ
光束)の波長と、この光束を該光ディスクの信号記録面
上に集光させる対物レンズの開口数(NA)とによって
規定されている。したがって、上記光束の短波長化及び
上記対物レンズの高NA化によって、上記光ディスクに
おける記録情報の高密度化を図ることができる。
【0008】しかし、上記光束の短波長化及び上記対物
レンズの高NA化のどちらも、現在の技術水準における
限界が見え始めている。そこで、新たな原理に基づいた
超高密度の情報記録方式が模索されている。例えば、ホ
ログラフィを用いた多重記録(J.F.Heanue,M.C.Bashaw,
L.Hesselink."Volume Holographic Strage and Retriev
al of Digital Data,"Science,Vol.265,pp749-752,5 Au
gust 1994)、多層構造を用いた3次元記録(例えば、
K.Rubin,H.Rosen,T.Strand,W.Imaino,W.Tang,"Multi-La
yer Volumetric Storage",Optical Data Storage 1994
Technical Digest series vol 10.p.104,May 1994,J.H.
Strickler and W.W.Webb,"Three dimensional optical
data storage in refractive two-photon point excita
tion",Optica Letter,16,22,pp.1780-1783(1991)な
ど)、近接場光学を用いた表面記録(E.Betzig et al A
ppl.Phys.Lett.61(1992)142)等が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な、ホログラフィを用いた多重記録や、多層構造を用い
た3次元記録や、近接場光学を用いた表面記録は、いず
れも、いわゆる記録型の光ディスク(ユーザが情報の記
録を行う光ディスク)のための記録方式である。したが
って、これらの記録方式を採用した光ディスクは、情報
の記録を行うにあたって、1枚毎に個別の情報の記録操
作が必要であり、再生専用の光ディスクとして量産する
ことに適していない。すなわち、これらの記録方式を採
用した光ディスクにおいては、上述のピットディスクの
作製において採用されているような、レプリカ(原盤)
を製造してこのレプリカを用いた射出成型手段により作
製するという手段を採れないのである。
【0010】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、新たな原理に基づいた超高密度
の情報記録が可能であり、かつ、原盤(レプリカ)を製
造してこの原盤を用いた射出成型手段により作製すると
いう手段が採用できて再生専用の光ディスクとして量産
することに適した情報記録媒体の提供という課題を解決
しようとするものである。
【0011】また、本発明は、上記本発明に係る情報記
録媒体を射出成型手段により作製するにあたって使用さ
れる原盤を製造する原盤製造方法の提供という課題を解
決しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る情報記録媒体は、光束を照射されてこ
の光束を反射したときに該反射光束の状態について偏光
方向依存性を有する微細構造を有して構成されている。
【0013】本発明に係る情報記録媒体における微細構
造としては、例えば、波長オーダの周期を持つ超微細回
折格子が挙げられる。このような超微細回折格子が構造
複屈折を有することは、古くから知られており(例え
ば、M.ボルン、E.ウォルフ著、「光学の原理II
I」、p.1030〜1033に記載されている)、ま
た、このような構造は蛾の目などに見いだされていた。
【0014】そして、このような超微細構造を用いれ
ば、反射防止膜(例えば、Daniel H.Raguin et al."Ant
ireflection structured surfaces for the infrared s
pectral region ,"Appl.Opt.32,1154-1167(1993))、偏
光子(例えば、M.G.Moharam and T.K.Gaylord,"Rigorou
s couple-wave analysis of metallic surface-reliefg
ratings,"J.Opt.Soc.Am,3,1780-1787(1986))、波長板
(例えば、Lucila H.Cescato et
al.”Holographic quarterwa
ve plates,”Appl.Opt.29,32
86−3290(1990))、屈折率分布型レンズ
(例えば、Micael W.Farn,”Binar
y gratings with increased
efficiency,”Appl.Opt,31,
4453−4458(1992))などの機能を実現で
きることが、近年の研究によって明かにされている。
【0015】なお、このような微細構造は、すでに、赤
外光に対して使える偏光子としては実用化されている
(例えば、島津製作所社製のもの)。この背景には、近
年、微細加工技術(UVレーザや電子線露光法などを用
いたマイクロリソグラフィ、ホログラフィ露光法、ダイ
ヤモンドターニングを用いたルーリング、ガラスやプラ
スチックを用いたモールディングや紫外線硬化による複
製作製技術など)の進歩によって、サブミクロンの構造
まで実際に試作できるようになったことがある。また、
最近のコンピュータの計算能力の向上は、複雑な回折効
率の計算を短時間で行うことを可能にしたことがある。
【0016】これらの波長オーダの周期を持つ回折格子
の回折効率は、通常のスカラ理論では予測できない。こ
こで、「波長オーダ」とは、波長の数倍程度以下(例え
ば、5倍程度以下)のスカラ回折理論が適用できない領
域のことを指す。一般に、格子が波長の数倍以上の周期
を持つ場合は、図28に示すように、この格子の溝方向
(格子ベクトルKに垂直な方向)と入射光の偏光方向
(電界ベクトルE方向)が平行の場合(TE(Trans El
ectric)偏光)は、格子の溝方向と入射光の偏光方向が
垂直の場合(TM(Trans Magnetic)偏光)に比べて、
数%程度高い回折効率を示す。しかし、格子が波長の数
倍以上の周期を持つ場合に回折効率を求めるには、格子
の形状と屈折率の分布を境界条件としてマックスウェル
方程式を直接解かなければならない。これは多大な計算
量を必要とするが、近年のコンピュータの性能の向上に
よって、比較的手軽にこのような計算も行えるようにな
っている。
【0017】回折格子の回折効率は、使用する波長、回
折格子の周期、回折格子の形状、回折格子の深さ、回折
格子の基板屈折率、回折格子への入射角に加えて、偏光
状態に依存する。特に、前記のような微細構造を有する
場合は、偏光状態に対して顕著な依存性を示す。
【0018】例えば、前述の微細構造を用いた偏光子に
関する文献(M.G.Moharam and T.K.Gaylord,"Rigorous
couple-wave analysis of metallic surface-relief gr
atings,"(J.Opt.Soc.Am,3,1780-1787(1986)))によれ
ば、表面に金を蒸着した1.0μm周期の矩形状の回折
格子は、ブラッグ角の入射光に対してTE波の回折効
率、TM波の回折効率は、偏光によって深さに対する変
化のし方が異なる。特に、波長の3割程度の深さに対し
ては、TM波は大きなロスを示す。
【0019】また、1996年のオプティカル・レターズ
(21巻10号)、ロン・チャン・ヤンらによる「偏光
ビームスプリッタ」(Rong-Chung Tyan et al."polariz
ing beam splitter based on the anisotropic spectra
l reflectivity characteristic of form-birefringent
multilayer gratings,"Opt.Lett.21,761-763(1996))
によれば、SiとSiO2をそれぞれ0.12μm、
0.22μmずつ7層積み重ねた0.5μmピッチの回
折効率は、理論上、波長1.3μmにおいて垂直入射の
TE波を100%反射し、垂直入射のTM波を100%
透過する。したがって、これらの構造を利用して、反射
防止膜、偏光子(偏光板)、位相子(2分の1波長板、
4分の1波長板)を作ることができる。
【0020】そこで、本発明に係る情報記録媒体は、基
体上に形成され光束を照射されてこの光束を反射したと
きに該反射光束の状態が該照射光束の偏光方向に依存性
を有する微細構造により、多値の情報を記録することと
したものである。
【0021】また、本発明は、上記情報記録媒体におい
て、上記微細構造は、上記基体上に形成されたグルーブ
に沿って配列された単位領域毎に形成されていることと
したものである。
【0022】さらに、本発明は、上記情報記録媒体にお
いて、上記微細構造は、情報の読み出しに用いる光束の
波長よりも短い長さをピッチとする凹凸構造により形成
されていることとしたものである。
【0023】また、本発明は、上記情報記録媒体におい
て、上記基体上に磁気材料層を有し、上記微細構造は、
情報の読み出しに用いる光束の波長よりも短い長さをピ
ッチとする該磁気記録層における磁化領域の構造により
形成されていることとしたものである。
【0024】また、本発明は、上記情報記録媒体におい
て、上記微細構造は、光束を照射されてこの光束を反射
したときに該反射光束の状態が該照射光束の波長に依存
性を有し、複数の波長の光束を用いて信号の読み出しを
行うこととなされたものである。
【0025】そして、本発明に係る原盤製造方法は、光
束を照射されてこの光束を反射したときに該反射光束の
状態が該照射光束の偏光方向に依存性を有する微細構造
を有する情報記録媒体を作製するための原盤を製造する
原盤製造方法であって、2以上のコヒーレント光束を感
光材料層上に照射し、これらコヒーレント光束を互いに
干渉させて該感光材料層上に干渉縞を形成して、この干
渉縞による露光に基づいて上記微細構造を形成する部分
を作製することとしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0027】〔1〕光ディスクの構成(図1乃至図4) この実施の形態は、本発明に係る情報記録媒体を、図1
に示すように、ディスク基板1を有して構成された光デ
ィスク(ディスク状記録媒体)として構成したものであ
る。このディスク基板1の主面部上には、略々同心円状
をなす螺旋状にグルーブ3が形成されている。そして、
このグルーブ3に沿って、単位領域であるピット部4が
配列されている。これらピット部4は、上記グルーブ3
に沿う方向の長さが、それぞれ一定の長さとなされて形
成されている。
【0028】そして、上記各ピット部4には、この情報
記録媒体より情報信号を読み出すときに使用される光束
の波長と同程度以下の周期を持つ超微細回折格子の如き
微細構造が形成されている。波長と同程度以下の周期を
持つ超微細回折格子は、反射防止膜、偏光子(偏光
板)、位相子(二分の一波長板、四分の一波長板)の機
能を有するものとして形成することができる。そして、
この光ディスクのピット部4は、これらの機能を有する
波長オーダの超微細構造を有しており、このピット部4
に入射された光束の反射光の回折効率や偏光状態を変化
させる。また、上記ピット部4の上記反射光に対する作
用は、波長に対する依存性をもつものとすることもでき
る。
【0029】上記ピット部4がいかなる機能、特性を有
するものとするかは、このピット部4の構造によって自
由に設計できる。すなわち、上記ピット部4の構造が回
折格子である場合には、この回折格子の周期や深さを変
えることで、これらの機能、特性を設計できる。したが
って、このピット部の構造に対してある値(0、1、
2、3、・・・)を対応させれば、多値の情報記録が可
能である。
【0030】上記ピット部4としては、図2に示すよう
に、反射効率もしくは透過効率が偏光依存性を持つ構造
としたもの(偏光子型ピット)が考えられる。この構造
を有するピット部4は、入射光のある偏光状態に対し
て、高い反射率、もしくは低い反射率を示すので、これ
を用いて情報が記録できる。
【0031】例えば、基本の格子方向に対するTE(Tr
ans Electric)偏光とTM(TransMagnetic)偏光とを
照射すれば、格子ベクトルKの方向に応じて各偏光成分
についての回折効率が変化するので、反射光を各偏光成
分へ分解すれば、この回折効率の比から、同じ超微細構
造でも、その格子方向を検出することができる。すなわ
ち、この格子方向として複数の方向を規定し、複数の値
を各方向に対応させれば、多値の情報記録が可能にな
る。
【0032】また、上記ピット部4としては、図3に示
すように、位相子の機能を有する構造としたもの(位相
子型ピット)が考えられる。この構造を有するピット部
4は、入射光の偏光方向(電場ベクトルE)と格子方向
(格子ベクトルK)との角度に応じて入射光を旋光させ
るので、この旋光角を用いて情報が記録できる。
【0033】例えば、基本の格子方向に対するTM(Tr
ans Magnetic)偏光(または、TE(Trans Electric)
偏光)を照射すれば、格子ベクトルKの方向に応じて反
射光の偏光方向が変化するので、反射光を偏光成分へ分
解して入射光に対して反射光の偏光方向がどれだけ変化
したか(旋光角)を検出すれば、その格子方向を検出す
ることができる。すなわち、この格子方向として複数の
方向を規定し、複数の値を各方向に対応させれば、多値
の情報記録が可能になる。
【0034】さらに、上記ピット部4としては、図4に
示すように、反射率が入射光の波長に依存する構造とし
たもの(波長バンドパス型ピット)が考えられる。この
構造を有するピット部4は、入射光の波長に応じて反射
率が異なるので、いかなる波長の入射光が最も反射され
るかによって情報が記録できる。
【0035】例えば、第1乃至第4の波長λ1,λ2,
λ3,λ4の入射光を照射すれば、上記ピット部4の構
造に応じて反射光における波長成分が変化するので、反
射光を分光してどの波長の入射光が最も多く反射されて
いるかを検出すれば、該ピット部4の構造(分光反射特
性)を検出することができる。すなわち、このピット部
の構造(分光反射特性)として複数の構造(特性)を規
定し、複数の値を各構造(特性)に対応させれば、多値
の情報記録が可能になる。
【0036】このように、本発明に係る情報記録媒体に
おいては、再生時には、上記ピット部4が有する微細構
造を、再生光の偏光方向に対する特性の変化、もしく
は、それに加えて再生光の波長に対する特性の変化によ
り検出する。すなわち、この情報記録媒体においては、
再生時には、再生光の波長と同程度以下の微細構造の偏
光に対する特性、もしくは波長に対する特性を用いて、
多値の情報を読み出すことができる。
【0037】この情報記録媒体においては、複数種類の
構造に対してそれぞれ別の値を対応させることができる
ので、多値多重情報記録が可能になる。これによって、
一つのピット部に多値の情報を担わせることになり、そ
の多値多重度に応じて情報の記録密度を増大させること
ができる。
【0038】〔2〕ピックアップ装置の構成(図22乃
至図27) 上述のような情報記録媒体より情報信号の読出しを行う
ピックアップ装置(信号読出し装置)としては、図22
に示すように、光源として半導体レーザ27を有するも
のを用いることができる。このピックアップ装置におい
ては、上記半導体レーザ27より発せられた光束は、コ
リメータレンズ28により平行光束となされた後、四分
の一波長(λ/4)板29及びビームスプリッタ30を
透過し、対物レンズ31により上記光ディスクの主面部
上に集光される。上記光束は、上記光ディスクが回転操
作されることにより、上記グルーブ3に沿って上記各ピ
ット部4を順次的に走査する。
【0039】この光束の上記各ピット部4よりの反射光
は、これらピット部4が有する微細構造である回折格子
によって回折された回折光である。この反射光は、上記
対物レンズ31を経て、上記ビームスプリッタ30によ
って上記半導体レーザ27に戻る光路より分岐される。
この反射光は、ウォラストンプリズム32を透過するこ
とにより、図26に示すように、互いに直交する偏光方
向成分に分離され、それぞれ集光レンズ33によって第
1及び第2のディテクタ34,35上に集光される。こ
れら各ディテクタ34,35は、受光した反射光の光量
に応じた電気的な信号を出力する。
【0040】上記半導体レーザ27より出射された光束
は、直線偏光だが、上記四分の一波長板29を透過する
ことにより、円偏光に変換されている。上記ピット部4
が有する微小超微細回折格子に円偏光の光束が入射する
と、格子方向による回折効率の違いから、戻りの回折光
の偏光方向成分の強度の比率は、格子方向に依存性をも
つ。
【0041】したがって、光磁気ディスク用のピックア
ップ装置における信号処理と同様にして、減算器36に
より上記各ディテクタ34,35の出力信号の差動を求
めることにより、あるいは、図27に示すように、割算
器45により該各ディテクタ34,35の出力信号の比
率を求めることにより、格子方向を決定することができ
る。この信号処理回路においては、上記第1のディテク
タ34の出力信号は、第1のアンプ43を経て、上記割
算器45に入力される。また、上記第2のディテクタ3
5の出力信号は、第2のアンプ44を経て、上記割算器
45に入力される。そして、この割算器45の出力信号
は、閾値判別器46に送られる。この閾値判別器46
は、上記割算器45の出力信号を、一、または、複数の
閾値と比較して、複数の信号に弁別する。したがって、
この閾値判別器46の出力信号により、複数の格子方向
の弁別を行うことができる。複数の格子方向に多値の情
報を対応させておけば、多値情報の記録再生が実現でき
る。
【0042】また、上記ピックアップ装置において、図
23に示すように、上記四分の一波長板29に代えて二
分の一波長(λ/2)板37を配設し、この二分の一波
長板37を光軸回りに回転操作することとしてもよい。
二分の一波長板37は旋光子であるので、回転操作され
る二分の一波長板37を透過した光束の偏光方向は、こ
の二分の一波長板37の回転周期に比例した周期で回転
されることとなる。
【0043】上記ピット部4が有する微小超微細回折格
子に直線偏光の光束が入射すると、格子方向による回折
効率の違いから、戻りの回折光の強度は、格子方向に依
存性をもつ。上記光束の偏光方向を回転させて、上記各
ディテクタ34,35の出力信号が最大値、もしくは最
小値をとるときの該光束の偏光方向を多値の情報に対応
させておけば、多値情報の記録再生が実現できる。な
お、上記光束の偏光方向は、1つのピット部4に対して
少なくとも1回転される必要がある。
【0044】さらに、上記ピックアップ装置において、
上記半導体レーザ27より出射された光束の偏光方向を
回転させるには、図24に示すように、上記二分の一波
長板37に代えて、電気光学効果を応用した偏光方向変
調器(電気光学変調器)38を用いることができる。こ
の偏光方向変調器38は、ドライブ回路39に制御され
ることにより、透過する光束の偏光方向を任意の方向の
直線偏光に変換する。上記各ディテクタ34,35より
の出力信号が送られる信号処理回路40には、上記ドラ
イブ回路39より上記光束の偏光方向の回転周期に同期
した同期信号が送られる。この信号処理回路40は、上
記各ディテクタ34,35よりの出力信号及び上記同期
信号に基づき、該各ディテクタ34,35の出力信号が
最大値、もしくは最小値をとるときの該光束の偏光方向
を検出する。この偏光方向を多値の情報に対応させてお
けば、多値情報の記録再生が実現できる。
【0045】そして、上記ピックアップ装置において
は、偏光方向が互いに直交する向きに設置された2つの
半導体レーザを用い、これら半導体レーザよりの出射光
を重ね合わせて上記光ディスクに照射することにより、
上記各ディテクタ34,35からは、それぞれの向きの
直線偏光に対応する信号を得ることができる。この場合
においても、上記ピット部4が有する微細回折格子から
の戻りの回折光の強度の格子方向への依存性に基づき、
多値情報の記録再生が実現できる。
【0046】さらに、上記ピックアップ装置は、上記ピ
ット部4が有する微細構造からの戻りの回折光の強度が
波長に対する依存性を有するものである場合には、図2
5に示すように、複数の波長λ1,λ2の光束を発する光
源として第1及び第2の半導体レーザ27a,27bを
用いて構成することができる。複数の波長の光束を発す
る光源としては、波長可変の光源として、半導体レー
ザ、固体レーザ及びそのパラメトリック発振などの波長
可変のレーザを用いることができる。また、複数個の光
源を用いる場合には、半導体レーザ、固体レーザなどの
複数個の波長の違うレーザ光源を用いることができる。
【0047】上記各半導体レーザ27a,27bより出
射された光束は、ハーフミラー41を介して互いに重ね
合わされて、上記コリメータレンズ28に入射されて平
行光束となされる。この光束は、上記ビームスプリッタ
30及び色収差補正用回折型光学素子42を透過した
後、上記対物レンズ31により、上記光ディスクの主面
部上に集光される。
【0048】上記ピット部4よりの反射光は、このピッ
ト部4が有する微細構造に依存した波長成分となってい
る。この反射光を上記ビームスプリッタ30を介して上
記各ディテクタ34,35に集光し、電気的な信号に変
換することにより、多値情報の記録再生が実現できる。
【0049】〔3〕原盤の製造方法(図5乃至図13) 上述のような本発明に係る情報記録媒体である光ディス
クを製造するには、まず、原盤(マスタ原盤)を製造す
る。上記光ディスクは、後述するように、この原盤を用
いて製造される。
【0050】上記原盤を製造するには、図5に示すよう
に、感光材料からなるレジスト層8が表面部に形成され
た原盤基板9上に、波長以下の微細構造として情報を記
録する。この微細構造は、幾つかの値に対応する2値以
上の多値の情報を表している。この微細構造の記録装置
としては、光の干渉を利用したホログラフィック露光装
置を用いることができる。
【0051】従来より、回折格子を作成する方法の一つ
として、2つの光束の干渉縞を基板上のレジストに露光
し、現像後にエッチングを行い、この干渉縞を基板に転
写するという方法が広く用いられてきた。しかし、ここ
で通常用いられるのは、平面波(平行光)、もしくは曲
率が非常に緩い球面波(平行光に近い収束光、もしくは
発散光)であった。
【0052】これに対して、本発明に係る原盤製造方法
では、図5乃至図7に示すように、上記光ディスク上の
ピット部4に相当する微小な領域に回折格子を作成する
ために、2つの光スポットの干渉を用いることとしてい
る。すなわち、ガウシアンビーム(断面上の光強度分布
がガウス分布である光束)を集光した光スポットの近傍
では、図6に示すように、波面は光線方向に垂直な平面
である。したがって、ガウシアンビームを集光させたと
き、焦点深度以内程度では、波面は、平行光と同様に取
り扱える。そこで、2つの光束の光路を互いに傾けて一
点に集光させれば、図7に示すように、これら光スポッ
ト間の干渉が生じる。この干渉によって生じる微細な干
渉縞を用いれば、上記原盤基板9上に上記ピット部4に
相当する構造に対応する露光をすることができる。これ
ら2光束のなす角度を変えることによって、干渉縞のピ
ッチを変えることができ、また、該2光束の配列方向を
変えることによって干渉縞の方向を制御することができ
る。
【0053】例えば、図8に示すように、NA0.52
の対物レンズ7に2本の波長266nmの光束r1,r2
を並列させて入射させれば、それぞれの光束のNAは
0.26なので、該対物レンズ7によって形成される光
スポット径はそれぞれおよそ1μm程度になる。これら
光スポット近傍でそれぞれのビームの波面は、図6に示
すように、光線方向に対して垂直な平面と考えてよい。
このとき、それぞれの光束r1,r2の中心の入射角は、
図9に示すように、15度になる。このとき、1波長の
光路差を生じる干渉縞の周期Λは、図10に示すよう
に、 2Λsin(90°−15°)=0.266μm より、0.138μmである。この周期Λは、可視半導
体レーザの波長に対して充分小さく、偏光依存性を持つ
のに充分な値である。この周期Λは、上記各光束の上記
原盤基板9に対する入射角を変えることで、任意の値に
設定することができる。
【0054】上述のように2つの光束r1,r2の干渉縞
を上記原盤基板9上のレジスト層8に露光し、現像後に
エッチングを行うことにより、原盤が製造される。
【0055】ここで、入射瞳上の透過率分布を用いて、
微細構造をレジスト等に露光する一例として、図11及
び図12に示すように、焦点距離Rの対物レンズの入射
瞳上に2つの円形開口6a,6bが並んでいるときにそ
のスポットがどうなるかを計算してみる。
【0056】図11及び図12に示すような座標系(上
記各円形開口6a,6bの中心同士を結ぶ方向をx軸、
上記対物レンズの光軸をz軸、これらx軸及びz軸に直
交する軸をy軸とする)において、入射瞳の振幅透過率
f(x,y)は、次式で与えられる。
【0057】
【数1】
【0058】このとき、フーリエ変換面(すなわち、上
記対物レンズの焦点面)での振幅分布U(u,v)=U
(r0)は、次式で表される。
【0059】
【数2】
【0060】ここで、kは波数(k=2π/λ)であ
る。光強度分布は、上の複素振幅の絶対値の2乗で与え
られる。これを、対物レンズの焦点距離R=10mm、
光束の波長266nm、円形開口6a,6bの直径a=
2.6mmの場合について計算すると、中心強度を1に
正規化して、図13に示すように、焦点面上の強度分布
(周期Λ≒0.266μmの干渉縞)が得られる。ここ
では、瞳上の振幅透過率を考えたが、瞳上の位相分布を
用いても同じことがいえる。
【0061】〔4〕原盤の製造装置(図14乃至図2
1) 上記原盤基板上に形成する干渉縞を制御するには、図1
4に示すように、2光束の一方の光路を光線方向を変え
ずに平行に横ずらしする、傾斜された平行平板13を有
する原盤製造装置を用いることが考えられる。この原盤
製造装置においては、レーザ光源11より発せられた平
行光束であるレーザ光は、ビームスプリッタ12により
2つの光束r1,r2に分岐される。一方の光束r1は、
上記平行平板13を透過して、第1のミラー14、ハー
フミラー16により反射されて、対物レンズ7により、
上記原盤基板9上に集光される。そして、他方の光束r
2は、第2のミラー15により反射され、上記ハーフミ
ラー16を透過して、上記対物レンズ7により、上記原
盤基板9上に集光される。
【0062】上記平行平板13は、図14中矢印Aで示
すように、上記一方の光束r1の光線方向に対する傾斜
角度θが可変となされて支持されている。上記一方の光
束r1は、上記平行平板13を透過するときに、この平
行平板13の上記傾斜角度θに応じて、光線方向を変え
ずに平行に横ずらしされる。このように、一方の光束r
1が平行に横ずらしされることにより、この一方の光束
1の上記原盤基板9に対する入射角が変化し、上記干
渉縞の周期Λが変えられる。
【0063】また、この原盤制御装置は、図15に示す
ように、上記平行平板13に代えて、音響光学素子1
9,22のような偏向器を用いて構成してもよい。すな
わち、上記ビームスプリッタ12を経た上記一方の光束
1は、集光レンズ18により第1の音響光学素子19
に入射される。この第1の音響光学素子19は、入射さ
れた一方の光束r1を、x軸方向(図15中の上下方
向)に偏向させる。この光束r1は、リレーレンズ2
0,21により光線方向を元の方向に平行な方向となさ
れ、第2の音響光学素子22に入射される。この第2の
音響光学素子22は、入射された光束r1を、y軸方向
(図15における奥行き方向)に偏向させる。このよう
にして偏向された一方の光束r1は、コリメータレンズ
23により光線方向を元の方向に平行な方向となされ、
上記第1のミラー14及び上記ハーフミラー16により
反射され、上記対物レンズ7に入射される。
【0064】このように、一方の光束r1が、x方向及
びy方向に平行に横ずらしされることにより、この一方
の光束r1の上記原盤基板9に対する入射角及び方向が
変化し、上記干渉縞の周期Λ及び縞の方向(格子方向に
対応する)が変えられる。
【0065】さらに、上記レーザ光源11より発せられ
る光束はコヒーレンスが高い光源なので、図16及び図
17に示すように、予めビーム径を充分に大きくしてお
けば、マスク5,24,25を用いて光束中の必要な部
分を抜き出してやることでも、上述した原盤製造装置と
同様の効果を上げることができる。
【0066】すなわち、図16に示すように、上記ビー
ムスプリッタ12及び上記第1のミラー14を経た一方
の光束r1は、一部に光透過部を有する第1のマスク2
4を経ることにより、光束の一部のみが、上記ハーフミ
ラー16により反射されて上記対物レンズ7に入射され
る。また、上記ビームスプリッタ12及び上記第2のミ
ラー15を経た他方の光束r2は、一部に光透過部を有
する第2のマスク25を経ることにより、光束の一部の
みが、上記ハーフミラー16を透過して上記対物レンズ
7に入射される。
【0067】また、上記干渉縞の周期Λを変える必要が
なく、縞の方向(格子方向)のみを制御したい場合に
は、図17に示すように、上記レーザ光源11より1発
せられたレーザ光をコリメータレンズ26によって充分
なビーム径を有する平行光束とし、第1及び第2の光透
過部を有する第3のマスク5を透過させることにより、
第1及び第2の光束r1,r2とする。この第3のマスク
5は、図18に示すように、上記第1及び第2の光透過
部となる一対の円形透孔6a,6bを有しており、これ
ら円形透孔6a,6b以外の部分が遮光部となされてい
る。この第3のマスク5は、図18中矢印Bで示すよう
に、光軸回りの回転操作が可能となされている。そし
て、上記各光束r1,r2は、対物レンズ7により、上記
原盤基板9上に集光される。
【0068】この原盤製造装置においては、上記第3の
マスク5が回転操作されることで、上記2光束r1,r2
の干渉縞の向きがコントロールされる。なお、上記第3
のマスク5は、図19に示すように、中心部と周縁部分
とに第1及び第2の円形透孔6c,6dを有するもので
あってもよい。
【0069】また、上記第3のマスク5としては、図2
0及び図21に示すように、液晶などを用いた空間変調
器を使用することができる。この場合には、この第3の
マスク5における光透過部は、機械的な可動部を用いる
ことなく、液晶の制御により、自由なパターンとするこ
とができ、また、随時的に変化させることもできる。こ
の光透過部は、図20に示すように、第1及び第2の光
透過部6e,6fとして形成されてもよく、また、図2
1に示すように、ランダムなパターンの光透過部6gと
して形成されてもよい。上記光透過部6gがランダムな
パターンである場合には、上記原盤基板9上には、この
光透過部6gのパターンに応じた干渉パターンが形成さ
れる。
【0070】上述したような原盤製造装置においては、
平行光束の波面の一部を取り出して干渉させているの
で、上記原盤基板9上に形成される光スポットの位置ず
れは生じない。しかし、上記光スポットが充分に重なり
合う程度のずれが許容しうる場合には、上記2光束
1,r2の上記対物レンズ7への入射角を多少ずらして
干渉させてもよい。
【0071】また、これらの原盤製造装置において、上
記2光束r1,r2の波面が揃っていることを確認するた
めには、上記対物レンズ7の手前のハーフミラー(合波
用のビームスプリッタ)16より該対物レンズ7のない
側に出射される2光束の波面を元のビームの波面と重ね
て干渉縞を観察すればよい。この観察結果に応じて、上
記2光束r1,r2の傾きを調整することができる。
【0072】また、上記原盤基板9上に微細構造を形成
するには、電子線描画装置を用いることができる。
【0073】さらに、上記原盤基板9上に上記微細構造
を形成するには、エバネッセント場を用いることができ
る。エバネッセント場は、伝幡できない局在電磁場であ
る。光ファイバの先端を波長以下の微細な構造にするこ
とで、漏れ出すエバネッセント場を用いて微細加工がで
きることが知られている。すなわち、このエバネッセン
ト場を用いれば、上記原盤の製造、加工が可能である。
【0074】そして、上記原盤基板9上に上記微細構造
を形成するには、縮小投影露光を用いて、拡大してつく
られたマスクを上記レジスト層8上に転写することとし
てもよい。この場合には、露光自体は、回折限界に制限
される。しかし、位相シフトマスクなどの超解像技術を
使えば、波長以下の解像度を得ることができる。また、
再生時には、記録時(原盤製造時)よりも長い波長で読
み出すこととすれば、格子構造は波長以下の構造として
振る舞う。
【0075】〔5〕光ディスク製造方法 上記光ディスクを製造するには、上述のようにして製造
された原盤(マスタ原盤)を用いて、この原盤の有する
構造のレプリカとしてのディスク基板1を製造する。
【0076】すなわち、上述の原盤製造装置のいずれか
を用いて、上記レジスト層8上に微細構造を露光する。
これを現像した後、導電処理を施して、ニッケルスタン
パを電鋳する。射出成型法であれば、上記ディスク基板
1となるプラスチック材料(ポリカーボネイト(Polyca
rbonate)等)にこのスタンパの有する構造を転写し、
さらに、反射層となるアルミニウムを表面に蒸着し、そ
の後保護層をつけることにより、上記光ディスクが製造
される。また、2P法であれば、ガラスもしくはプラス
チックのディスク基板と上記スタンパとでフォトポリマ
を挟み、紫外線を照射して、該フォトポリマを硬化させ
ることで、光ディスクが製造される。さらに、追記型も
しくは可逆型の光ディスクを製造する場合であれば、さ
らにこの上に記録材料を形成する。
【0077】〔6〕書換可能ディスクへの記録方法 上記ピット部4が有する微細構造である回折格子は、上
述したような、形状の凹凸による位相の違いのみなら
ず、屈折率の差により生ずる位相の違い、反射率の分布
による強度の違い、偏光の回転による偏光方向の分布な
どを用いて作成することもできる。
【0078】すなわち、光磁気ディスクや相変化ディス
クの信号記録層を形成する材料と同様の材料を使って、
上述のような微小な超微細回折格子を形成することもで
きる。この場合には、この光ディスクは、情報信号の書
換えが可能な光ディスクとして用いることができる。
【0079】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る情報記録媒
体は、基体上に形成され光束を照射されてこの光束を反
射したときに該反射光束の状態が該照射光束の偏光方向
に依存性を有する微細構造により、多値の情報を記録す
ることとしている。このような微細構造は、反射防止
膜、偏光子、波長板、屈折率分布型レンズなどの機能を
有するものとして形成することができる。
【0080】そして、この微細構造としては、情報の読
み出しに用いる光束の波長よりも短い長さをピッチとす
る凹凸構造により形成することができる。したがって、
このような微細構造は、原盤(レプリカ)を製造してこ
の原盤を用いた射出成型手段によって形成することがで
きる。また、この微細構造は、上記基体上に形成された
グルーブに沿って配列された単位領域毎に形成すること
ができる。
【0081】すなわち、本発明は、新たな原理に基づい
た超高密度の情報記録が可能であり、かつ、原盤(レプ
リカ)を製造してこの原盤を用いた射出成型手段により
作製するという手段が採用できて再生専用の光ディスク
として量産することに適した情報記録媒体を提供するこ
とができるものである。
【0082】そして、本発明に係る原盤製造方法は、光
束を照射されてこの光束を反射したときに該反射光束の
状態が該照射光束の偏光方向に依存性を有する微細構造
を有する情報記録媒体を作製するための原盤を製造する
原盤製造方法であって、2以上のコヒーレント光束を感
光材料層上に照射し、これらコヒーレント光束を互いに
干渉させて該感光材料層上に干渉縞を形成して、この干
渉縞による露光に基づいて上記微細構造を形成する部分
を作製する。
【0083】すなわち、本発明は、上記本発明に係る情
報記録媒体を射出成型手段により作製するにあたって使
用される原盤を製造する原盤製造方法を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体の構成を示す平面図
及び要部拡大平面図である。
【図2】上記情報記録媒体における格子方向と反射率と
の関係を示すグラフである。
【図3】上記情報記録媒体における格子方向と反射光の
偏光方向との関係を示すグラフである。
【図4】上記情報記録媒体における照射光の波長と反射
率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明に係る原盤製造方法においてマスクを用
いて2光束を干渉させている状態を示す側面図である。
【図6】上記原盤製造方法において2光束が干渉を生じ
ている部分を示す要部側面図である。
【図7】上記原盤製造方法において2光束が干渉して形
成された干渉縞を示す平面図である。
【図8】上記原盤製造方法において2光束を干渉させて
いる状態を示す斜視図である。
【図9】上記原盤製造方法において互いに干渉される2
光束の基板への入射角度を示す側面図である。
【図10】上記原盤製造方法において干渉を生じている
2光束の基板への入射状態を示す要部側面図である。
【図11】上記原盤製造方法における2光束の干渉につ
いて解析するためのマスク上の座標を示す平面図であ
る。
【図12】上記原盤製造方法において上記マスクを通過
した光束の進行方向の座標を示す斜視図である。
【図13】上記原盤製造方法において2光束が干渉して
形成された干渉縞の強度分布を示すグラフである。
【図14】上記原盤製造方法において2光束を干渉させ
るための装置(可変式の平行平板を用いたもの)の構成
を示す側面図である。
【図15】上記原盤製造方法において2光束を干渉させ
るための装置(音響光学素子を用いたもの)の構成を示
す側面図である。
【図16】上記原盤製造方法において2光束を干渉させ
るための装置(ビームスプリッタとマスクとを用いたも
の)の構成を示す側面図である。
【図17】上記原盤製造方法において2光束を干渉させ
るための装置(空間変調器、または、マスクを用いたも
の)の構成を示す側面図である。
【図18】上記原盤製造方法において用いるマスク(中
心を介して対称な位置に2個の透孔を有するもの)の構
成を示す平面図である。
【図19】上記原盤製造方法において用いるマスク(中
心部及び周縁側に2個の透孔を有するもの)の構成を示
す平面図である。
【図20】上記原盤製造方法において用いるマスク(中
心を介して対称な位置に複数のドットからなる光透過領
域を有するもの)の構成を示す平面図である。
【図21】上記原盤製造方法において用いるマスク(ラ
ンダムな位置に複数のドットからなる光透過領域を有す
るもの)の構成を示す平面図である。
【図22】上記情報記録媒体より情報信号を読み取る光
学ピックアップ装置(4分の1波長板を有するもの)の
構成を示す側面図である。
【図23】上記情報記録媒体より情報信号を読み取る光
学ピックアップ装置(回転操作される2分の1波長板を
有するもの)の構成を示す側面図である。
【図24】上記情報記録媒体より情報信号を読み取る光
学ピックアップ装置(入射光の偏光方向を回転させる電
気光学変調器を有するもの)の構成を示す側面図であ
る。
【図25】上記情報記録媒体より情報信号を読み取る光
学ピックアップ装置(入射光として異なる波長の2つの
光束を用いるもの)の構成を示す側面図である。
【図26】偏光方向の成分を説明するグラフ(ベクトル
分解図)である。
【図27】上記光学ピックアップ装置よりの出力信号を
処理する信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図28】微細構造である格子の方向と入射光の偏光方
向との関係による回折光の変化を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板、3 グルーブ、4 単位領域、5
マスク、6a 第1の透孔 6b 第2の透孔、7 対
物レンズ、8 レジスト層、9 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 11/10 541 G11B 11/10 541D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成され、光束を照射されてこ
    の光束を反射したときに該反射光束の状態が該照射光束
    の偏光方向に依存性を有する微細構造により、多値の情
    報を記録することとなされた情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 微細構造は、基体上に形成されたグルー
    ブに沿って配列された単位領域毎に形成されていること
    とした請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 微細構造は、情報の読み出しに用いる光
    束の波長よりも短い長さをピッチとする凹凸構造により
    形成されている請求項1記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 基体上に磁気材料層を有し、 微細構造は、情報の読み出しに用いる光束の波長よりも
    短い長さをピッチとする上記磁気記録層における磁化領
    域の構造により形成されている請求項1記載の情報記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 微細構造は、光束を照射されてこの光束
    を反射したときに該反射光束の状態が該照射光束の波長
    に依存性を有し、複数の波長の光束を用いて信号の読み
    出しを行うこととなされた請求項1記載の情報記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 光束を照射されてこの光束を反射したと
    きに該反射光束の状態が該照射光束の偏光方向に依存性
    を有する微細構造を有する情報記録媒体を作製するため
    の原盤を製造する原盤製造方法であって、 2以上のコヒーレント光束を感光材料層上に照射し、こ
    れらコヒーレント光束を互いに干渉させて該感光材料層
    上に干渉縞を形成して、この干渉縞による露光に基づい
    て上記微細構造を形成する部分を作製することとした原
    盤製造方法。
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