JP3444432B2 - 光情報記録再生装置 - Google Patents

光情報記録再生装置

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JP3444432B2 JP28677193A JP28677193A JP3444432B2 JP 3444432 B2 JP3444432 B2 JP 3444432B2 JP 28677193 A JP28677193 A JP 28677193A JP 28677193 A JP28677193 A JP 28677193A JP 3444432 B2 JP3444432 B2 JP 3444432B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体にレーザ光
を照射して情報の記録再生を行う光情報記録再生装置に
関するものであり、特に情報の記録密度を向上させた光
情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、時系列ディジタル信号を、
“0”,“1”のビットに対応した微小な記録スポット
として、回転する記録媒体上に記録する書換形の光ディ
スク装置は、記録媒体に対する記録再生原理から光磁気
記録と相変化記録に大別される。
【0003】光磁気記録では、“0”,“1”のビット
は記録媒体における垂直磁化膜中の磁化の向きによって
記録され、これを磁気光学効果によって読み出してい
る。また、相変化記録では、記録媒体の結晶状態と非晶
質状態との可逆変化を利用して“0”,“1”のビット
を記録し、これを両者の反射率の変化として読み出して
いる。これらいずれの場合も、回転する記録媒体上にレ
ーザ光をレンズによって集光し、その集光スポットによ
り時系列ディジタルデータを記録している。
【0004】前述した記録再生原理のうち、光磁気記録
について装置の基本構成及び記録・再生原理を図2及び
図3を用いて説明する。図2において、1はディジタル
信号発生手段、2は半導体レーザ、3は鉛直方向の偏光
成分を反射し、水平方向の偏光成分を透過するビームス
プリッタ、4はミラー、5は対物レンズ、6は通常光磁
気ディスクと称されている回転ディスク媒体、7は回転
ディスク媒体6に形成された記録ピット、8は電磁コイ
ル、9は検光子、10は集光レンズ、11は光検出器で
ある。
【0005】半導体レーザ2から出射されるレーザ光
は、鉛直方向に直線偏光されており、ディジタル信号発
生手段1からのディジタル信号によって変調され、ビー
ムスプリッタ3に入射される。該ビームスプリッタ3に
入射されたレーザ光はビームスプリッタ3によって反射
され、その出射光はミラー4によって反射された後、対
物レンズ5によって回転ディスク媒体6上に集光され
る。この際、回転ディスク媒体6によって反射されたレ
ーザ光は、対物レンズ5及びミラー4を介してビームス
プリッタ3に入射され、水平方向の偏光成分のみがビー
ムスプリッタ3を透過する。ここでビームスプリッタ3
を透過したレーザ光は、検光子9及び集光レンズ10を
透過して光検出器11に入射される。
【0006】前述した構成において、回転ディスク媒体
6へのディジタル情報の記録は、ディジタル信号発生手
段1から出力される時系列ディジタル信号によって半導
体レーザ2を直接変調し、回転ディスク媒体6に照射す
るレーザ光の出力を強弱させることによって行われる。
この際、図3に示すように、回転ディスク媒体6におけ
る垂直磁化膜6aの磁化の向きは予め一様に上向きに揃
えられており、この状態で回転ディスク媒体6にはディ
ジタル信号の“0”が記録されている。さらに、レーザ
光の集光位置付近には、電磁コイル8によって、媒体の
磁化方向とは逆向きの一定の弱い磁界が下向きに印加さ
れている。
【0007】ディジタル信号の“1”を記録する時に
は、レーザ光の強度が増加される。これにより、レーザ
光の集光位置では膜の温度が局所的に上昇しキュリー温
度を越えるまで昇温される。このとき、キュリー温度を
越えた領域内の磁化膜の保持力が減少し、その領域の磁
化の向きが電磁コイル8によって印加された弱い磁界に
よって反転するため、ディジタル信号の“1”が記録さ
れる。
【0008】回転ディスク媒体6に対するレーザ光の集
光スポットにおける光強度分布は、図3に示すようにガ
ウシアンプロファイルになっており、磁化が反転した領
域のサイズ(ビットのサイズに相当)は、垂直磁化膜6
aの感度特性と照射レーザ光のパワー制御によってほぼ
集光スポット径と同程度になる。このようにしてディジ
タルデータの“0”,“1”のパターンが回転ディスク
媒体6上に記録される。
【0009】回転ディスク媒体6に記録された情報の消
去は、垂直磁化膜6aの磁化の向きを情報記録前の状態
に戻すことにより行われる。即ち、電磁コイルの磁界の
向きを記録時とは逆向きにしておき、レーザ光の光出力
を常時強めた状態で回転ディスク媒体6にレーザ光を連
続的に照射する。これにより、記録の場合と同じ原理に
よって磁化の向きを上向きにすることができ、記録情報
を消去することができる。
【0010】一方、回転ディスク媒体6に記録されたデ
ィジタル信号の再生は、磁気光学効果を利用して行われ
る。即ち、直線偏光のレーザ光を垂直磁化膜6aに照射
すると反射光の偏光面が磁化の向きによって左右に回転
するため、この偏光面の回転を検光子を用いて光量変化
として検出する。例えば図2に示したように、半導体レ
ーザ2からの弱い光のデータ読み出し光を鉛直方向の直
線偏光にしておく。これにより、図3に示すディジタル
信号の“1”に相当する記録ピット上に読み出し光が照
射された時、その反射光の偏光面はディジタル信号の
“0”に相当する記録ピットに照射された場合とは異な
る回転角を持つ。即ち、“0”の場合に偏光の水平成分
が生じないようにレーザ光の偏光面を調整しておけば、
“1”の読み出し光では水平成分が生じ、ビームスプリ
ッタ3及び検光子9を透過した光の光量が光検出器11
によって検出されるので、“0”,“1”に対応してデ
ィジタル信号が再生される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の光ディ
スク装置では、レーザ光を対物レンズ5によって回転デ
ィスク媒体6上に集光し、集光スポットのサイズに相当
する記録ピット7を形成することによってディジタル信
号を記録しているので、記録の高密度化を図るためには
集光スポット径を小さくしなければならない。しかしな
がら、集光スポット径は回折限界によって原理的に制約
され、情報記録の高密度化を図ることができなかった。
【0012】即ち、レーザ光の波長をλ、対物レンズ5
の開口数をNA、焦点距離をf、対物レンズ5に入射す
るレーザ光のビーム径をD、回転ディスク媒体6の屈折
率をnとすると、対物レンズ5による収束光のビームウ
ェスト、即ち対物レンズ5の焦点における集光スポット
径Wは、次の(1) 式で表される有限の値となる。 W = Kλ/NA = Kλ(4f2 + D21/2/nD …(1) ここでKは定数であり、対物レンズ5の入射瞳における
光量分布がガウシアンの時にはK=1.34、一様分布の時
にはK=0.96となる。例えば、現状の光ディスク装置で
用いられている半導体レーザの波長λ=780nm 、対物レ
ンズの開口数NA=0.6 を用い、K=0.96 とすればW0
=1.2 μmとなり、記録密度は5×105bits/mm2程度
となっている。
【0013】従って、より高密度化を実現するには記録
ピット7をより微小化しなければならず、そのための手
段としてはより波長の短いレーザ光を用いるか、或いは
より大きな開口数NAを持つ対物レンズ5を用いなけれ
ばならない。しかし、記録用レーザ光の波長を短波長化
すると、レンズや回転ディスク媒体6等による光の吸収
が起こり始めるため、使用できる波長はせいぜい300
nm程度である。また、高開口数の対物レンズ5を用いる
にしても、その開口数NAは約0.9 程度である。従っ
て、原理的に達成可能な記録密度は106 bits/mm2程度
が限界であった。
【0014】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、従来
の情報記録密度限界を上回る高密度記録が可能な光情報
記録再生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1では、レーザ光源から出射され
たレーザ光を光記録媒体に照射して情報の記録再生を行
う光情報記録再生装置において、前記レーザ光源から入
射したレーザ光を複数の異なる方向に回折する光回折素
子と、該光回折素子から出射する複数の回折光を前記光
記録媒体上の同一位置で干渉させる光干渉手段とを備
、前記光回折素子は、前記回折光が、所定のx軸と平
行で反対向きに設定され且つ前記同一位置を原点として
光軸に直角に交わるx’軸上において、それぞれ
【数3】 但し、jは1からある特定の整数値mまで変わる自然
数、U j :ビームの波面、u 0 :レーザ光の強度と光回折
素子の回折効率によって決まる振幅定数、x’:前記
x’軸上の座標値、M:前記光干渉手段によって決まる
定数、W 0 :レーザ光のビーム径、ω:レーザ光の角周
波数、t:時間、k j :j番目の波面の波数ベクトルの
x’成分、i:虚数単位、で表される波面を有するビー
ムとなるように構成されている光情報記録再生装置を提
案する。
【0016】また、請求項2では、請求項1記載の光情
報記録再生装置において、jを1からある特定の整数値
mまで変わる自然数とし、n0 ,Δn,kj のそれぞれ
を前記光回折素子の平均屈折率、屈折率の最大変化分、
格子ベクトルの前記x軸方向のj番目の成分としたと
き、前記光回折素子の、ある特定な方向(x軸)に対す
る屈折率分布n(x)が、
【数4】 で表される光情報記録再生装置を提案する。
【0017】
【作用】本発明の請求項1によれば、レーザ光源から出
射されたレーザ光は、光回折素子によって複数の異なる
方向に回折され、該光回折素子から出射されるレーザ光
は複数の回折光に分割される。さらに、これら複数の回
折光は光干渉手段によって光記録媒体上の同一位置に集
光され、干渉させられる。これにより、集光位置におけ
る干渉(多波干渉)によって狭小な孤立強度ピークが形
成され、該孤立強度ピークによって1ビットに相当する
ピットが形成される。
【0018】また、請求項2によれば、前記光回折素子
として、異なる空間周波数成分を持つ複数(m個)の正
弦波の級数和の形で表される屈折率分布を持つ位相体積
系の多重回折格子が用いられる。これにより、前記光回
折素子への入射レーザ光は、前記光回折素子によって複
数(m個)の異なる方向へ回折され、これらの回折光が
光干渉手段により結像点において相互に干渉(多波干
渉)させられる。該干渉により、狭小な孤立強度ピーク
が形成され、これを用いて1ビットに相当するピットが
形成される。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明の一実施例を示す構成図であ
る。図において、前述した従来例と同一構成部分は同一
符号を持って表す。即ち、1は記録対象とする時系列デ
ィジタルを発生する信号発生手段、20はレーザ光源、
21はレーザ光源20から出射されたレーザ光で、鉛直
方向に直線偏光されている。100は光回折素子で、所
定の入射角度でレーザ光21を入射できる位置に配置さ
れている。12はコリメートレンズで、光回折素子10
0内の格子ベクトルがコリメートレンズ12の前側焦点
面内に存在するように配置されている。3はビームスプ
リッタで、コリメートレンズ12を挟んで光回折格子1
00と対向するように配置されている。5は対物レンズ
で、ビームスプリッタ3を挟んでコリメートレンズ12
と対向するように配置されている。6は回転ディスク媒
体であり、媒体面上のピット形成位置が対物レンズ5の
後側焦点面と一致するように配置されている。9は検光
子、10は集光レンズ、11は光検出器である。
【0020】次に、前述した光回折素子100の作成方
法を図4に基づいて説明する。光回折素子100の作成
において用いる回折格子記録媒体200としては、例え
ばLiNbO3 、SBNなどのフォトリフラクティブ結
晶が使用でき、この場合、回折格子記録用レーザ光源と
しては例えばアルゴンレーザ等の500nm付近に発振波
長を持つ高出力レーザが使用できる。
【0021】作成に当たっては、図4に示すように回折
格子記録媒体200内に原点0をとり、媒体端面に平行
にx軸を、またx軸に直交しかつ記録媒体200の深さ
方向にy軸をそれぞれ設定する。次に、レーザ光をビー
ムスプリッタで2m個(mは任意の自然数)に分割す
る。このとき、分割された2m個のレーザ光は全て直線
偏光であり、電場ベクトルの信号方向が同一方向(例え
ばxy面に垂直な方向)に設定されているものとする。
【0022】まず、始めに2m個のレーザ光のうち2つ
のレーザ光(A1,A1’)を、それぞれxy面内で、か
つy軸に対して互いに対称な入射角−θ1,θ1をもって
原点0へ入射させる。この時、レーザ光A1 とA1’ の
交差する領域では両者の干渉により、格子ベクトルがx
軸に平行で、周期Λ1 =λ/2 sinθ1 の干渉縞F
1(図示せず)が形成される。ここで、λは回折格子記
録用レーザ光の波長である。この状態において、干渉縞
1 の光強度最大部をy軸に一致させるようにレーザ光
1とA1’の光路差を調整する。
【0023】次に、レーザ光A1 とA1’を遮光した状
態で、残りの(2m−2)個のレーザ光のうちレーザ光
1 ,A1’とは異なる2つのレーザ光(A2 ,A2’)
をそれぞれxy面内でかつy軸に対して互いに対称な入
射角−θ2,θ2をもって原点0へ入射させる。ここでθ
1 <θ2 とする。この時、レーザ光A2 とA2’の交差
する領域では両者の干渉により、格子ベクトルがx軸に
平行で、周期Λ2 =λ/2 sinθ2の干渉縞F2 (図示
せず)が形成される。ここで干渉縞の光強度最大部をy
軸に一致させるようにレーザ光A2 とA2’の光路差を
調整する。
【0024】以下同様にして、2m個に分割されたレー
ザ光の中からj番目(j=1,2,…,m)に用いる2
つのレーザ光(AJ,AJ’)を選択し、レーザ光Aj
j’をそれぞれxy面内で、かつy軸に対して互いに
対称な入射角−θj ,θj をもって原点へ入射させる。
ここでθ1 <θ2 <…<θj <…<θm とする。この
時、レーザ光Aj ,Aj’以外の(2m−2)個のレー
ザ光は遮光しておく。レーザ光Aj とAj’の交差する
領域では両者の干渉により、格子ベクトルがx軸に平行
で、周期Λj =λ/2 sinθj の干渉縞Fj (図示され
ていない)が形成される。ここで干渉縞Fj の光強度最
大部をy軸に一致させるようにレーザ光AjとAj’の光
路差を調整する。
【0025】次に、上述の様に各レーザ光を調整した状
態で、全レーザ光A1 ,A2 ,…,Aj ,…,Am ,A
1’,A2’,…,Aj’,…,Am’を一斉に回折格子記
録媒体200に照射する。この結果、y軸上で2m個の
レーザ光が同位相で相互に干渉した多重干渉縞が形成さ
れる。回折格子記録媒体200として用いるフォトリフ
ラクティブ結晶中には、照射レーザ光の光強度分布に対
応して屈折率が変調される効果(フォトリフラクティブ
効果)により、図4並びに次の(2) 式に示すような多重
干渉縞に対応した多重屈折率分布が形成される。 ここでn0 は回折格子記録媒体200の平均屈折率、Δ
nは屈折率の最大変化分であり、kj =2π/Λj であ
る。
【0026】フォトリフラクティブ結晶中に形成した多
重屈折率分布は、電界印加による定着処理により長期間
安定に保持することができる。その詳細な方法について
は、例えば、文献「 OPTICS LETTERS /vol.18,No.12 /J
une 15,1993」の1004〜1006ページに記載の " Electric
al fixing of photorefractive holograms in Sr0. 75B
a0.25Nb2O6"、著者名Y.Qiao, S.Orlov, D.Psaltis, R.
R.Neurgaonkar に記載されている。
【0027】次に、上記のようにして多重屈折率分布を
形成した回折格子記録媒体200からなる光回折素子1
00を用いた情報記録再生方法について、図1、図5及
び図6を用いて説明する。図1において、レーザ光源2
0は信号発生手段1からのディジタル信号を受けてレー
ザ光21の光強度を強弱する。光回折素子100は、そ
の格子ベクトルがコリメートレンズ12の前側焦点面内
に存在するように配置され、図4に示すように設定した
x軸、y軸は共に図1において水平面内にあり、さらに
y軸はコリメートレンズ12と対物レンズ5の光軸に一
致するように設定されている。また、この時光回折素子
100は、前記xy平面の原点がコリメートレンズ12
の前側焦点と一致するように配置されている。
【0028】レーザ光源20から出射されたレーザ光2
1の波長が、光回折素子100を形成する際に用いたレ
ーザ光の波長と同じ波長λの場合、レーザ光21は、図
4に示したy軸に対する入射角±θ1 ,±θ2 ,…,±
θm のうちのいずれかと等しい入射角度θB で光回折素
子100へ入射される。この時、レーザ光21の電場ベ
クトルはxy平面に垂直な面内で振動しているものとす
る。
【0029】これにより、レーザ光21は光回折素子1
00によって回折され、レーザ光21自身の透過光及び
(2m−1)個の回折光を生じる。この現象はホログラ
フィにおける波面再生原理と全く等価な現象である。即
ち、図4における2m個の回折格子記録レーザ光の内、
図1におけるレーザ光21に相当するものを参照光、他
の(2m−1)個のレーザ光を信号光とみなせば、これ
らの干渉によってホログラムとして作製した光回折素子
100に対してレーザ光21を入射させると、波面再生
の原理により信号光に相当する(2m−1)個の回折光
が再生される。
【0030】また、レーザ光21の波長が、光回折素子
100を形成する際に用いたレーザ光の波長λと異なる
波長λ’の場合は、θB とわずかに異なる入射角θB
でレーザ光21を光回折素子100へ入射させれば、多
重屈折率格子による光回折の原理により2m個の回折光
を得ることができる。例えば、この2m個の回折光をB
1 ,B2 ,…,Bj ,…,Bm ,B1’,B2’,…,B
j’,…,Bm’とすると、これら2m個の回折光B1
m ,B1’〜Bm’は、ビームスプリッタ3及び対物レ
ンズ5を介して回転ディスク媒体6上の同一位置(対物
レンズの後側焦点)へ集光される。
【0031】図4,図5に示すように、回折光B1 ,B
2 ,…,Bj ,…,Bm ,B1’,B2’,…,Bj’,
…,Bm’の集光位置を原点0’とし、x軸と平行でか
つこれとは反対向きにx’軸を、またx’軸に垂直でコ
リメートレンズ12と対物レンズ5の光軸に一致する方
向にy’軸をそれぞれ設定し、回折光B1 〜Bm
1’〜Bm’がy’軸となす角をそれぞれ−φ1 ,−φ
2 ,…,−φj ,…,−φm ,φ1 ,φ2 ,…,φj
…,φm ,とすると、x’軸上での各ビームの波面は、
次の(3) 式によって表される。
【0032】 Uj(x')=u0 exp{-(x’2)/(MW0)2}{exp i(ωt - kjx’) + exp i(ωt + kjx’)} …(3) kj=2π/(Mλ)・sinφj (j=1,2,.......m) ここで、Mは光学系の結像倍率であり、図1において
は、対物レンズ5の焦点距離F2 をコリメートレンズ1
2の焦点距離F1 で除した値(M=F2 /F1 )で与え
られる。また、W0 はレーザ光21のビーム径、ωはレ
ーザ光21の角周波数、u0 はレーザ光21の強度と光
回折素子100の回折効率によって決まる振幅定数であ
り、kj はj番目の波面の波数ベクトルのx’成分であ
る。
【0033】原点0’における回折光B1 ,B2 ,…,
j ,…,Bm ,B1’,B2’,…,Bj’,…,Bm
の干渉像の光強度分布は次の(4) 式によって表される。 図6は前記(4) 式においてm=15とした場合の干渉像
の光強度分布の計算結果を表している。ここでは入力パ
ラメータとして、M=1/50,W0 =500 μm、λ=500n
m ,対物レンズ5の開口数NA=0.5 を用い、簡単のた
めu0=1とした。この計算結果は、原点0’におい
て、x’軸方向に半値全幅が約0.02μmの狭小強度ピー
クが形成されることを示している。この強度ピークを形
成した状態で、ディジタル信号発生手段1から出力され
るディジタル信号に対応させてレーザ光源20から出射
されるレーザ光21の光出力を強弱変化させれば、強い
光出力の状態では、回転ディスク媒体6の垂直磁化膜6
a上には図7に示すような孤立強度ピークに対応した狭
小な記録ピットが形成される。この結果、従来の光ディ
スク装置に比べて、情報記録密度を50倍以上に高密度
化することができる。
【0034】一方、情報を再生するには従来技術と同様
に磁気光学効果を利用する。即ち、レーザ光21(鉛直
方向に直線偏向されたレーザ光)を光回折素子100に
入射させれば、前述した記録過程と同様にして回転する
回転ディスク媒体6上で狭小なビームスポットが形成さ
れ、これが垂直磁化膜上に形成された記録ピットに照射
されると、その反射光束の偏光面が磁化の向きによって
左右に回転する。これらの反射光束は対物レンズ5を通
過した後、ビームスプリッタ3で反射されて検光子9へ
導かれる。ここで、検光子9は予め水平方向の偏向成分
を持ったレーザ光が通過できるように設定されているの
で、偏光面が回転した反射光束は検光子9を通過し、集
光レンズ10を介して光検出器11に達し、光変化とし
て検出される。これによって、1ビット毎に対応したデ
ィジタル信号が再生される。
【0035】尚、前述した実施例においては、光回折素
子100としてフォトリフラクティブ結晶中に形成した
多重屈折率格子を用い、さらにその形成方法について説
明したが、同様な多重屈折率格子は超音波光回折素子を
多周波からなる重畳正弦波電気信号で駆動することによ
っても実現することができる。この方法によって複数の
超音波回折光を発生させる方法については、例えば、文
献「IEEE TRANSACTIONS ON SONICS AND ULTRASONICS /v
ol.SU-24,No.1,/January,1977 」の7〜18ページに記
載の " Multifrequency Acoustooptic Diffraction ",
著者名 David L.Hecht に記述されている。ただし、こ
の場合、多重屈折率格子は進行超音波によて形成される
ので、多重屈折率格子の周期的な時間変化を伴う。従っ
て、超音波伝搬媒体内を進行超音波が伝搬するに際し
て、屈折率変化の極大部分が通過する時刻にタイミング
を合わせてレーザ光をパルス照射させるという操作が必
要となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、光回折素子から出射された複数のレーザ回折光
の多波干渉効果により非常に幅の狭い単一光強度ピーク
を形成することができるので、従来型光情報記録再生装
置において回折限界によって制限されていたビームスポ
ットサイズよりも小さい記録ピットが形成できるため、
この光強度ピークをレーザ光強度を強弱させて媒体面へ
照射すれば、実効的に対物レンズでレーザ光を集光する
場合の回折限界を上回る狭小ピットを記録でき、光記録
媒体への情報記録密度の高密度化を容易に達成すること
ができるという非常に優れた効果を奏するものである。
【0037】さらに、請求項2によれば、上記の効果に
加えて、前記光回折素子への入射レーザ光は、前記光回
折素子によって複数(m個)の異なる方向へ回折され
るので、容易に狭小な孤立強度ピークを形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における情報記録再生装置を
示す基本構成図
【図2】従来例の光ディスク装置を示す基本構成図
【図3】従来例の光磁気記録原理を説明する図
【図4】本発明の一実施例における光回折素子の作製方
法を説明する図
【図5】本発明の一実施例における光記録媒体上での多
波干渉の説明図
【図6】多波干渉によって形成された光強度ピークの計
算結果を示す図
【図7】本発明の一実施例の情報記録装置で形成される
狭小ビームスポットによる情報記録再生原理を説明する
【符号の説明】
1…信号発生手段、2…半導体レーザ、3…ビームスプ
リッタ、4…ミラー、5…対物レンズ、6…回転ディス
ク媒体、6a…垂直磁化膜、7…記録ピット、8…電磁
コイル、9…検光子、10…集光レンズ、11…光検出
器、12…コリメートレンズ、20…レーザ光源、21
…レーザ光、100…光回折素子、200…回折格子記
録媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−103436(JP,A) 特開 平4−362986(JP,A) 特開 平4−49535(JP,A) 特開 平4−78030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/135

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から出射されたレーザ光を光
    記録媒体に照射して情報の記録再生を行う光情報記録再
    生装置において、 前記レーザ光源から入射したレーザ光を複数の異なる方
    向に回折する光回折素子と、 該光回折素子から出射する複数の回折光を前記光記録媒
    体上の同一位置で干渉させる光干渉手段とを備え 前記光回折素子は、前記回折光が、所定のx軸と平行で
    反対向きに設定され且つ前記同一位置を原点として光軸
    に直角に交わるx’軸上において、それぞれ 【数1】 但し、jは1からある特定の整数値mまで変わる自然
    数、U j :ビームの波面、u 0 :レーザ光の強度と光回折
    素子の回折効率によって決まる振幅定数、x’:前記
    x’軸上の座標値、M:前記光干渉手段によって決まる
    定数、W 0 :レーザ光のビーム径、ω:レーザ光の角周
    波数、t:時間、k j :j番目の波面の波数ベクトルの
    x’成分、i:虚数単位、 で表される波面を有するビームとなるように構成されて
    いる ことを特徴とする光情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 jを1からある特定の整数値mまで変わ
    る自然数とし、n0 ,Δn,kj のそれぞれを前記光回
    折素子の平均屈折率、屈折率の最大変化分、格子ベクト
    ルの前記x軸方向のj番目の成分としたとき、 前記光回折素子の、ある特定な方向(x軸)に対する屈
    折率分布n(x)が、 【数2】 で表されることを特徴とする請求項1記載の光情報記録
    再生装置。
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