JPH10111369A - 時間計数回路及びpll回路 - Google Patents

時間計数回路及びpll回路

Info

Publication number
JPH10111369A
JPH10111369A JP8268281A JP26828196A JPH10111369A JP H10111369 A JPH10111369 A JP H10111369A JP 8268281 A JP8268281 A JP 8268281A JP 26828196 A JP26828196 A JP 26828196A JP H10111369 A JPH10111369 A JP H10111369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
delay
signal
ring
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8268281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3361435B2 (ja
Inventor
Keiichi Kusumoto
馨一 楠本
Yutaka Terada
裕 寺田
Akira Matsuzawa
昭 松澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP26828196A priority Critical patent/JP3361435B2/ja
Publication of JPH10111369A publication Critical patent/JPH10111369A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3361435B2 publication Critical patent/JP3361435B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間計数回路において、電源電圧変動等によ
る影響を緩和して高精度な時間測定を実現可能にする。 【解決手段】リング状に接続された奇数個のインバータ
からなり発振するインバータリング3の発振周波数は、
フェーズロックループ(PLL)によって安定制御され
ている。第1のフリップフロップ列5は測定対象のパル
ス信号の遷移のタイミングでインバータリング3の出力
信号を保持し、この信号を基に第1のエンコーダ8及び
第1の信号処理回路9によってパルス間隔を表す時間デ
ータが演算される。第2のフリップフロップ列17はP
LL制御の基準となる基準クロック信号の遷移のタイミ
ングでインバータリング3の出力信号を保持し、この信
号を基に第2のエンコーダ19及び第2の信号処理回路
20によってインバータリング3の発振周波数のずれを
表す補正用データが演算され、この補正用データを用い
て前記時間データが補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】パルス信号のパルス間隔等の
時間を測定する時間計数回路に関する。
【0002】
【従来の技術】パルス信号のパルス間隔等の時間を測定
する時間計数回路は、ディジタル通信等の様々な分野に
おいて利用されている。また、更なる精度の向上及び動
作の安定化によって,周波数変調(FM)信号の復調や
LSIのバス信号の復調等の分野における応用が期待さ
れている。
【0003】特にFM信号の復調については、従来はバ
イポーラトランジスタからなるアナログ回路によって行
われていたが、FM復調回路に時間計数回路を用いる
と、時間計数回路はCMOSトランジスタによって構成
可能であるのでFM復調回路を他のディジタル回路と同
一チップ上に配置することができる。これにより、半導
体デバイスのコストを大幅に削減することができる。
【0004】また、微小時間を正確且つ安定して測定可
能な時間計数回路をLSIのバス信号の復調に利用でき
るようになった場合、LSIのバス数を大幅に削減する
ことができる。
【0005】図14は従来の時間計数回路の一例の構成
を示す回路図である。図14において、80は基準クロ
ック信号が入力される端子、81は位相比較回路、82
は発振周波数制御回路、83は電源回路、84はカウン
タ回路、85は測定対象のパルス信号が入力される端
子、86はリング状に接続された奇数個のインバータか
らなるインバータリング、87はフリップフロップ列、
88はエンコーダ、89は信号処理回路、90は前記測
定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時間データが
出力される端子である。
【0006】図14において、インバータリング86は
奇数個のインバータがリング状に接続されているため発
振し、この結果、信号の遷移が時間の経過と共に循環す
る。インバータリング86の出力信号は、端子85に入
力された測定対象のパルス信号の遷移のタイミングでフ
リップフロップ列87によって保持される。すなわち、
フリップフロップ列87の出力信号は、測定対象のパル
ス信号の遷移のタイミングにおける,インバータリング
86における信号遷移の位置を示す。したがって、フリ
ップフロップ列87の出力信号から測定対象のパルス信
号のパルス間隔等を求めることができる。フリップフロ
ップ列87の出力信号は、エンコーダ88によってイン
バータリング86における信号遷移の位置を表す2進数
データに変換される。また、カウンタ回路84は、イン
バータリング86を循環する信号遷移の周回数を計数す
る。信号処理回路89は、エンコーダ88から出力され
た2進数データ及びカウンタ回路84から出力された計
数データを基にして、測定対象のパルス信号のパルス間
隔等を表す時間データを演算して出力する(電子情報通
信学会,信学技報,ICD93−77(1993−0
8),“時間/数値変換LSI”参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の時間
計数回路には以下のような問題がある。
【0008】図14に示す従来の時間計数回路では、イ
ンバータリング86は、外部から与えられた電圧により
遅延時間を制御可能なインバータによって構成されてお
り、いわゆる電圧制御発振器(Voltage Controlled Osc
illator ,以下「VCO」という)になっている。そし
て、インバータリング86における信号遷移の伝達時間
を安定させるために(VCOの発振周波数を安定させる
ために)、インバータリング86と、位相比較回路8
1,発振周波数制御回路82及び電源回路83とによっ
てフェーズロックループ(Phase Locked Loop ,以下
「PLL」という)が構成されている。
【0009】このPLLは、端子80に入力された基準
クロック信号とインバータリング86の最終段のインバ
ータの出力信号との位相差が小さくなるように、インバ
ータリング86を構成する各インバータの遅延時間を制
御している。言い換えると、このPLLは、インバータ
リング86の発振周波数が基準クロック信号の周波数と
等しくなるようインバータリング86を制御している。
このPLLの制御によってインバータリング86の発振
周波数は安定し、インバータリング86を構成する各イ
ンバータの遅延時間は、温度やトランジスタ・パラメー
タの変動があっても基準クロック信号の周期をインバー
タの全段数の2倍で割った値になるよう制御される。し
たがって、より高精度の時間測定を行うことができる。
【0010】ところが、我々が時間計数回路の応用を考
えている分野においては、従来のPLLによる制御で
は、動作速度及び動作精度の点で必ずしも充分ではな
い。
【0011】図15は従来のPLL回路の構成を示すブ
ロック図である。図15において、90は基準クロック
信号の入力端子、91は位相比較回路、92はチャージ
ポンプ回路、93はローパスフィルタ(Low Pass Filte
r ,以下「LPF」という)、94は制御回路、95は
電源回路、96はVCOである。PLLの動作について
は既に精力的に解析がなされており多数の文献で説明さ
れているので、詳しい説明は行わない。ここでは、時間
計数回路にPLLを構成した場合に焦点を絞ってその問
題を説明する。時間計数回路にPLLを構成した場合に
は、図15におけるVCO96がインバータリング(遅
延回路リング)に相当し、またチャージポンプ回路9
2,LPF93及び制御回路94が発振周波数制御回路
に相当することになる。
【0012】図16(a)は、電源電圧VDD及び制御回
路94からVCO96に入力される制御電圧Vc の変化
を示すグラフである。図16(a)において、縦軸は電
圧、横軸は時間である。また、ΔVI はVCO96の発
振周波数を決定する電圧であり、ΔVI =VDD−Vc
ある。電源回路95は電源電圧VDDに対する依存性が低
いので、電源電圧VDDが変化しても電圧ΔVI は一定値
を保とうとする。しかし、電源回路95の動作特性の限
界から、電圧ΔVI は電源電圧VDDの速い変化に対して
は変動してしまう。図16(a)に示すように、実際の
PLLでは、電圧ΔVI は電源電圧VDDの変動ほどは変
化しないが、電源回路95の動作特性の限界からわずか
に変動してしまう。
【0013】図16(b)は、時間計数回路にPLLを
構成した場合すなわちVCO96をインバータリングで
構成した場合において、電源電圧VDDが変動したときの
インバータリングを構成する各インバータの遅延時間の
変化を示すグラフである。図16(b)において、縦軸
は遅延時間、横軸は時間であり、横軸は図16(a)の
横軸と一致している。また、時間tc はインバータリン
グの発振周波数が基準クロック信号の周波数に一致した
ときの各インバータの遅延時間である。図16(b)に
示すように、電源電圧VDDの変動により電圧ΔVI が変
化すると、インバータリングを構成するインバータの遅
延時間は変化し、時間tc から外れてしまう。このイン
バータの遅延時間のずれは、PLLの制御によって修正
される。
【0014】図17(a)は時間tc から外れたインバ
ータの遅延時間がPLLの制御によって修正されるとき
のインバータの遅延時間の変化を示すグラフである。イ
ンバータの遅延時間が時間tc に戻るのに要する時間及
びその戻り方は、制御を行うPLLの構成要素であるL
PF93の特性によって決定される。図17(a)はL
PF93が2次のLPFである場合のインバータの遅延
時間の変化を示している。また、図17(b)は典型的
な2次のLPFの回路構成を示している。
【0015】図17(a)に示すように、まず、時刻t
1 において遅延時間が修正され、時刻t1 以前における
遅延時間のずれΔt01が時刻t1 以後においてより小さ
くなり、その値は0に近付きΔta になる。この修正は
短い時間で行われることが特徴であり、修正期間は時刻
1 の近傍の局所的な時間に限られる。さらに、時刻t
2 において遅延時間が修正され、時刻t2 以前における
遅延時間のずれΔtaが時刻t2 以後においてより小さ
くなり、Δtb になる。また、修正期間は時刻t2 近傍
の局所的な時間に限られる。
【0016】2次のLPFをPLLに用いた場合、修正
期間が短く且つ修正量が大きくなるので、VCOの発振
周波数を基準クロック信号の周波数に一致させるのには
適している。このため、デジタル通信分野においてクロ
ックパルスの再生回路や周波数逓倍回路等に用いられる
一般的なPLLでは、その構成要素として2次のLPF
を用いることが多い。
【0017】しかしこの場合、図17(a)から分かる
ように、インバータの遅延時間は修正期間において大き
く変化する。このため、2次のLPFを用いたPLLを
時間計数回路に構成する場合には、インバータリングを
構成する各インバータの遅延時間に均一性がなくなり、
実時間と時間計数値の間の線形性が著しく劣化するとい
う問題が生じる。
【0018】前述のクロックパルスの再生回路や周波数
逓倍回路ではインバータリングを構成する一のインバー
タの出力信号を制御すればよい(すなわち、全インバー
タの遅延時間の積分値が制御の対象となる)ので、各イ
ンバータの遅延時間の不均一性は問題にはならない。と
ころが、時間計数回路ではインバータリングを構成する
複数のインバータの出力信号を用いるため、各インバー
タの遅延時間の均一性(遅延時間の微分値が小さいこ
と)が必要になる。
【0019】このように、従来のPLLによる制御で
は、動作速度及び動作精度の点で必ずしも充分ではな
い。時間計数回路は他の大規模ディジタル回路との集積
化が望まれているので、ディジタル回路が誘発する電源
電圧変動の影響を緩和して高精度な時間計測を実現可能
にすることは、今後の極めて重要な課題となる。
【0020】前記の問題に鑑み、本発明は、時間計数回
路において、電源電圧変動等による影響を緩和して高精
度な時間測定を実現可能にすることを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明が講じた手段について説明する。
【0022】まず、第1の手段は、時間計数回路に構成
するPLLにLPFとして1次のLPFを用いるもので
ある。
【0023】図18(a)はインバータの遅延時間が時
間tc から外れてPLLの制御によって修正されるとき
の変化を示すグラフであり、LPFとして1次のLPF
を用いた場合を示している。また、図18(b)は典型
的な1次のLPFの構成を示す回路図である。
【0024】図18(a)を図17(a)と比較すると
分かるように、LPFとして1次のLPFを用いた場
合、遅延時間のずれは時間t1 ,t2 以後においてわず
かに修正されるだけであり、単位時間当たりの遅延時間
の修正量は小さい。また、1次のLPFは2次のLPF
と比べて出力電圧の変化が緩やかなので、修正期間は2
次のLPFのように局所的でなく全域にわたる反面、修
正期間における遅延時間の変化は小さい。
【0025】PLLに1次のLPFを用いた場合、重要
な性能指数であるクロックジッタが劣化するので、時間
計数回路以外の回路では1次のLPFを用いたPLLは
あまり構成されなかった。しかし、時間計数回路に構成
するPLLにLPFとして1次のLPFを用いることに
よって、インバータリングのインバータの遅延時間の不
均一性が抑制され、局所的な変化の大きい期間がなくな
る(微分値が良くなる)。したがって、実時間と時間デ
ータとの関係において線形性の精度が向上する。
【0026】第2の手段は、インバータの遅延時間を決
定する電流源を、PLLの制御回路によって制御される
電流源と定電圧電源回路によって制御される電流源とで
構成するものである。この構成によって、電源電圧の変
動による遅延時間の変動を抑制することができる。
【0027】PLLにはインバータの遅延時間を制御す
る制御回路があるが、この制御回路から出力される制御
電圧は電源電圧変動による影響を受けやすい。前記の構
成によって、インバータの遅延時間を制御する電流の一
部を定電圧電源回路によって制御された電流とすること
ができ、これにより電源電圧変動による遅延時間の変化
が小さくなる。
【0028】このときインバータの遅延時間はその制御
範囲が限定されることになるが、この限定は、例えば周
波数帯域の広いクロック信号の再生回路では問題になる
が、時間計数回路の場合には特に問題とならない。第2
の手段によって、電源電圧変動による遅延時間の変化が
小さくなり、実時間と時間データとの関係において線形
性の精度が向上する。
【0029】前記第1及び第2の手段はいずれもPLL
に着目したものであった。第3の手段は、基準クロック
信号の周波数とインバータリングの発振周波数とのずれ
を求め、このずれに応じて時間データを補正するもので
ある。
【0030】すなわち、測定対象のパルス信号の遷移の
タイミングをインバータリングから求めこれにより時間
データを演算すると共に、基準クロック信号の遷移のタ
イミングをインバータリングから求めこれにより補正用
データを求める。前記補正用データは、基準クロック信
号の周波数とインバータリングの周波数とのずれを表す
ので、前記時間データを前記補正用データを用いて補正
することにより、時間データの精度が向上する。
【0031】請求項1の発明が講じた解決手段は、前記
第3の手段に対応するものであり、リング状に接続され
た複数の遅延回路からなり,発振によって信号の遷移が
循環する遅延回路リングを備え、測定対象のパルス信号
の遷移のタイミングにおける前記遅延回路リングの各遅
延回路の出力信号を基にして、前記測定対象のパルス信
号のパルス間隔等を表す時間データを演算する時間計数
回路において、周波数が一定である基準クロック信号を
基準にして前記遅延回路リングの発振周波数を安定制御
するPLL(フェーズロックループ)が構成されてお
り、前記基準クロック信号の遷移のタイミングにおける
前記遅延回路リングの各遅延回路の出力信号を基にして
前記時間データの補正に用いる補正用データを演算し、
演算した補正用データを用いて前記時間データを補正す
るものである。
【0032】請求項1の発明によると、補正用データ
は、基準クロック信号を基準にした場合の遅延回路リン
グの発振周波数のずれ(遅延回路リングを構成する各遅
延回路の遅延時間のずれ)を表すので、この補正用デー
タを用いて時間データを補正することにより、電源電圧
変動等により遅延回路リングの発振周波数がずれても、
時間測定精度が低下することはなく実時間と時間データ
との直線性が補償され、高精度な時間データを安定して
得ることができる。
【0033】請求項2の発明が講じた解決手段は、前記
第3の手段を具体化したものであり、時間計数回路とし
て、リング状に接続された複数の遅延回路からなり発振
によって信号の遷移が循環する遅延回路リングと、前記
遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を測定
対象のパルス信号の遷移のタイミングで保持して出力す
る複数の保持回路からなる第1の保持回路列と、前記第
1の保持回路列の出力信号を基にして、前記測定対象の
パルス信号のパルス間隔等を表す時間データを演算する
第1の演算回路と、周波数が一定である基準クロック信
号と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相を比較
し、前記基準クロック信号と前記遅延回路リングの発振
出力信号との位相差を表す位相差検出信号を出力する位
相比較回路と、前記位相比較回路から出力された位相差
検出信号に従って、前記遅延回路リングの発振周波数を
制御する発振周波数制御回路とを備え、前記位相比較回
路,発振周波数制御回路及び遅延回路リングによって、
前記基準クロック信号を基準にして前記遅延回路リング
の発振周波数を安定制御するPLL(フェーズロックル
ープ)が構成されており、さらに、前記遅延回路リング
を構成する各遅延回路の出力信号を前記基準クロック信
号の遷移のタイミングで保持して出力する複数の保持回
路からなる第2の保持回路列と、前記第2の保持回路列
の出力信号を基にして前記第1の演算回路により演算さ
れた時間データの補正に用いる補正用データを演算する
第2の演算回路と、前記第1の演算回路により演算され
た時間データを、前記第2の演算回路により演算された
補正用データを用いて補正する補正回路とを備えている
ものとする。
【0034】請求項2の発明によると、発振によって信
号の遷移が循環する遅延回路リングを構成する各遅延回
路の出力信号が、第1の保持回路列によって測定対象の
パルス信号の遷移のタイミングで保持され、この保持さ
れた信号を基にして、第1の演算回路によって前記測定
対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時間データが演
算される。また、周波数が一定である基準クロック信号
と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相を比較す
る位相比較回路と、前記位相比較回路から出力される位
相差比較信号を基にして前記遅延回路リングの発振周波
数を制御する発振周波数制御回路とを含むPLL(フェ
イズロックループ)が構成されており、このPLLによ
って前記遅延回路リングの発振周波数は前記基準クロッ
ク信号を基準にして安定制御される。そしてさらに、第
2の保持回路列によって前記遅延回路リングを構成する
各遅延回路の出力信号が前記基準クロック信号の遷移の
タイミングで保持され、前記第2の演算回路によって前
記時間データの補正に用いる補正用データが演算され
る。この補正用データは、前記基準クロック信号を基準
にした場合の前記遅延回路リングの発振周波数のずれ
(前記遅延回路リングを構成する各遅延回路の遅延時間
のずれ)を表す。補正回路によって、この補正用データ
を用いて前記第1の演算回路により演算された時間デー
タを補正する。このため、電源電圧変動等により遅延回
路リングの発振周波数がずれても、時間測定精度が低下
することはなく実時間と時間データとの直線性が補償さ
れるので、高精度な時間データを安定して得ることがで
きる。
【0035】そして、請求項3の発明では、前記請求項
2の時間計数回路における補正回路は、補正のための演
算に用いるデータを、前記第2の演算回路により求めら
れる補正用データに対してそれぞれ予め記憶している記
憶手段を備えているものとする。
【0036】請求項3の発明によると、補正回路の回路
構成が簡単になり、回路規模が小さくなる。
【0037】また、請求項4の発明が講じた解決手段
は、前記第1の手段を具体化したものであり、リング状
に接続された複数の遅延回路からなり,発振によって信
号の遷移が循環する遅延回路リングと、この遅延回路リ
ングを構成する各遅延回路の出力信号を測定対象のパル
ス信号の遷移のタイミングで保持する複数の保持回路か
らなる保持回路列とを備え、前記保持回路列が保持した
前記各遅延回路の出力信号を基にして前記測定対象のパ
ルス信号のパルス間隔等を表す時間データを演算する時
間計数回路において、周波数が一定である基準クロック
信号を基準にして前記遅延回路リングの発振周波数を安
定制御するPLL(フェーズロックループ)が構成され
ており、前記PLLを構成するローパスフィルタは、1
次のローパスフィルタであるものである。
【0038】請求項4の発明によると、遅延回路リング
の発振周波数が正常動作時の周波数からずれたとき、P
LLによって正常動作時の周波数に戻される。このと
き、PLLを構成するローパスフィルタは1次のローパ
スフィルタであるので、2次のローパスフィルタを用い
る場合と比較すると、PLLの動作速度は遅く基の周波
数に戻るまでの時間は長くなるが、遅延回路リングを構
成する各遅延回路の遅延時間の局所的な変化がなくなり
平均化される。言い換えれば、各遅延回路の遅延時間の
微分非直線性が小さくなり、時間データの精度が向上す
る。
【0039】また、請求項5の発明が講じた解決手段
は、前記第2の手段を具体化したものであり、リング状
に接続された複数の遅延回路からなり発振によって信号
の遷移が循環する遅延回路リングと、この遅延回路リン
グを構成する各遅延回路の出力信号を測定対象のパルス
信号の遷移のタイミングで保持する複数の保持回路から
なる保持回路列とを備え、前記保持回路列が保持した前
記各遅延回路の出力信号を基にして前記測定対象のパル
ス信号のパルス間隔等を表す時間データを演算する時間
計数回路において、周波数が一定である基準クロック信
号と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相を比較
し、前記基準クロック信号と前記遅延回路リングの発振
出力信号との位相差を表す位相差検出信号を出力する位
相比較回路と、前記位相比較回路から出力された位相差
検出信号に従って前記遅延回路リングの発振周波数を制
御する発振周波数制御回路とを備え、前記位相比較回
路,発振周波数制御回路及び遅延回路リングによって、
前記基準クロック信号を基準にして前記遅延回路リング
の発振周波数を安定制御するPLL(フェーズロックル
ープ)が構成されており、前記遅延回路リングを構成す
る各遅延回路は、第1及び第2の電流源を有しており、
この第1及び第2の電流源の電流量の和によって遅延時
間が決定されるものであり、前記第1の電流源は前記P
LLを構成する発振周波数制御回路によって電流量が制
御される一方、前記第2の電流源は定電圧電源回路によ
って電流量が制御されるものである。
【0040】請求項5の発明によると、遅延回路リング
を構成する各遅延回路の遅延時間は、PLLを構成する
発振周波数制御回路によって電流量が制御される第1の
電流源及び定電圧電源回路によって電流量が制御される
第2の電流源の電流量の和によって決定される。電源電
圧が変動しても第2の電流源の電流量は変化しないの
で、電源電圧の変動等に起因する遅延回路リングの発振
周波数の変化を小さく抑えることができる。したがっ
て、実時間と時間データとの線形性が向上し、時間デー
タの精度が向上する。
【0041】そして、請求項6の発明では、前記請求項
5の時間計数回路において、前記遅延回路リングを構成
する各遅延回路は、前記発振周波数制御回路の出力電圧
をゲート電圧とするトランジスタを前記第1の電流源と
して有すると共に,前記定電圧電源回路の出力電圧をゲ
ート電圧とするトランジスタを前記第2の電流源として
有する差動インバータであるものとする。
【0042】また、請求項7の発明が講じた解決手段
は、リング状に接続された複数の遅延回路からなり発振
によって信号の遷移が循環する遅延回路リングと、この
遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を測定
対象のパルス信号の遷移のタイミングで保持する複数の
保持回路からなる保持回路列とを備え、前記保持回路列
が保持した前記各遅延回路の出力信号を基にして前記測
定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時間データを
演算する時間計数回路において、周波数が一定である基
準クロック信号を基準にして前記遅延回路リングの発振
周波数を安定制御するPLL(フェーズロックループ)
が構成されており、前記遅延回路リングを構成する各遅
延回路は、電流源とこの電流源の出力電流に対する抵抗
となる負荷抵抗素子とを有しており、前記電流源の電流
量及び前記負荷抵抗素子の抵抗値によって遅延時間が決
定されるものであり、前記PLLは、前記基準クロック
信号と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相を比
較し、前記基準クロック信号と前記遅延回路リングの発
振出力信号との位相差を表す位相差検出信号を出力する
位相比較回路と、前記位相比較回路から出力された位相
差検出信号を基にして、前記遅延回路リングを構成する
各遅延回路が有する電流源の電流量を制御する第1の制
御回路と、前記遅延回路リング及び前記第1の制御回路
に与えられる電圧の変動を検知し、この電圧の変動によ
る前記遅延回路リングの発振周波数の変化が抑制される
よう,前記遅延回路リングを構成する各遅延回路が有す
る負荷抵抗素子の抵抗値を制御する第2の制御回路とを
備えているものとする。
【0043】請求項7の発明によると、遅延回路リング
を構成する各遅延回路の遅延時間は、第1の制御回路に
より制御される電流源の電流量及び第2の制御回路によ
り制御される負荷抵抗素子の抵抗値によって決定され
る。ここで、第2の制御回路は、遅延回路リング及び第
1の制御回路に与えられる電圧の変動を検知し、この電
圧の変動による前記遅延回路リングの発振周波数の変化
が抑制されるよう,前記負荷抵抗素子の抵抗値を制御す
るので、電源電圧の変動等に起因する遅延回路リングの
発振周波数の変化を小さく抑えることができる。したが
って、実時間と時間データとの線形性が向上し、時間デ
ータの精度が向上する。
【0044】そして、請求項8の発明では、前記請求項
7の時間計数回路において、前記遅延回路リングの各遅
延回路は、前記第1の制御回路の出力電圧をゲート電圧
とするトランジスタを前記電流源として有すると共に,
前記第2の制御回路の出力電圧をゲート電圧とするトラ
ンジスタを前記負荷抵抗素子として有する差動インバー
タであるものとする。
【0045】また、請求項9の発明が講じた解決手段
は、時間計数回路として、リング状に接続された複数の
遅延回路からなり発振によって信号の遷移が循環する遅
延回路リングと、前記遅延回路リングを構成する各遅延
回路の出力信号を測定対象のパルス信号の遷移のタイミ
ングで保持して出力する複数の保持回路からなる第1の
保持回路列と、前記第1の保持回路列の出力信号を基に
して前記測定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時
間データを演算する第1の演算回路と、前記遅延回路リ
ングを構成する各遅延回路の出力信号を周波数が一定で
ある基準クロック信号の遷移のタイミングで保持して出
力する複数の保持回路からなる第2の保持回路列と、前
記第2の保持回路列の出力信号を基にして前記第1の演
算回路により演算された時間データの補正に用いる補正
用データを演算する第2の演算回路と、前記第1の演算
回路により求められた時間データを前記第2の演算回路
により求められた補正用データを用いて補正する補正回
路とを備えているものとする。
【0046】また、請求項10の発明が講じた解決手段
は、電圧制御発振器の発振周波数を安定制御するPLL
(フェーズロックループ)回路として、周波数が一定で
ある基準クロック信号と前記電圧制御発振器の発振出力
信号との位相を比較し、前記基準クロック信号と前記電
圧制御発振器の発振出力信号との位相差を表す位相差検
出信号を出力する位相比較回路と、前記位相比較回路か
ら出力された位相差検出信号を基にして前記電圧制御発
振器の周波数を制御する発振周波数制御回路とを備え、
前記電圧制御発振器は、第1及び第2の電流源を有して
おり、この第1及び第2の電流源の電流量の和によって
遅延時間が決定されるものであり、前記第1の電流源は
前記発振周波数制御回路によって電流量が制御される一
方、前記第2の電流源は定電圧電源回路によって電流量
が制御されるものである。
【0047】また、請求項11の発明が講じた解決手段
は、電圧制御発振器の発振周波数を安定制御するPLL
(フェーズロックループ)回路として、前記電圧制御発
振器は、電流源とこの電流源の出力電流に対する抵抗と
なる負荷抵抗素子とを有しており、前記電流源の電流量
及び前記負荷抵抗素子の抵抗値によって遅延時間が決定
されるものであり、周波数が一定である基準クロック信
号と前記電圧制御発振器の発振出力信号との位相を比較
し、前記基準クロック信号と前記電圧制御発振器の発振
出力信号との位相差を表す位相差検出信号を出力する位
相比較回路と、前記位相比較回路から出力された位相差
検出信号を基にして前記電圧制御発振器が有する電流源
の電流量を制御する第1の制御回路と、前記電圧制御発
振器及び前記第1の制御回路に与えられる電圧の変動を
検知し、この電圧の変動による前記電圧制御発振器の発
振周波数の変化が抑制されるよう,前記電圧制御発振器
が有する負荷抵抗素子の抵抗値を制御する第2の制御回
路とを備えているものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
る時間計数回路の構成図である。図1において、1は測
定対象のパルス信号の入力端子、2はバッファ回路、3
は奇数個のインバータがリング状に接続された遅延回路
リングとしてのインバータリング、4はインバータリン
グ3を構成するインバータの出力信号を各々入力とする
複数のバッファ回路からなる第1のバッファ回路列、5
は入力端子1に入力された測定対象のパルス信号の遷移
のタイミングで第1のバッファ回路列4の出力信号を保
持する第1の保持回路列としての第1のフリップフロッ
プ列、6はインバータリング3における信号の周回数を
計数するカウンタ回路、7は入力端子1に入力された測
定対象のパルス信号の遷移のタイミングでカウンタ回路
6の計数データを保持する保持回路、8は第1のフリッ
プフロップ列5の出力信号をデータに変換する第1のエ
ンコーダ、9は第1のエンコーダ8の出力データ及び保
持回路7の保持データを入力とし、前記測定対象のパル
ス信号のパルス間隔等を表す時間データを演算する第1
の信号処理回路である。第1のエンコーダ8及び第1の
信号処理回路9によって第1の演算回路が構成されてい
る。
【0049】また、11はインバータリング3の発振周
波数の基準となる基準クロック信号の入力端子、12は
バッファ回路、13は基準クロック信号とインバータリ
ング3の発振出力信号との位相を比較する位相比較回
路、14は位相比較回路13から出力された,基準クロ
ック信号とインバータリング3の発振出力信号との位相
差を表す位相差検出信号を基にしてインバータリング3
の各インバータの遅延時間を制御する発振周波数制御回
路、15は発振周波数制御回路14に一定電圧を供給す
る電源回路であり、インバータリング3を電圧制御発振
器とするフェーズロックループ(PLL)が構成されて
いる。
【0050】16はインバータリング3を構成するイン
バータの出力信号を各々入力とする複数のバッファ回路
からなる第2のバッファ回路列、17は入力端子11に
入力された基準クロック信号の遷移のタイミングで第2
のバッファ回路列16の出力信号を保持する第2の保持
回路列としての第2のフリップフロップ列、18は入力
端子11に入力された基準クロック信号の遷移のタイミ
ングでカウンタ回路6の計数データを保持する保持回
路、19は第2のフリップフロップ列17の出力信号を
データに変換する第2のエンコーダ、20は第2のエン
コーダ19の出力データ及び保持回路18の保持データ
を入力とし、第1の信号処理回路9によって演算された
時間データを補正するために用いる補正用データを演算
する第2の信号処理回路である。第2のエンコーダ19
及び第2の信号処理回路20によって第2の演算回路が
構成されている。
【0051】21は基準クロック信号に同期して入力さ
れた前記第2の信号処理回路20の出力データを測定対
象のパルス信号に同期して出力する第1の同期回路、2
2は第1の信号処理回路9によって演算された時間デー
タを第1の同期回路21の出力データを用いて補正する
補正回路としての第3の信号処理回路、23は外部クロ
ックの入力端子、24はバッファ回路、25は測定対象
のパルス信号に同期して前記第3の信号処理回路22か
ら出力された補正後の時間データを,入力端子23に入
力された外部クロックのエッジのタイミングで出力する
第2の同期回路、26は補正後の時間データが出力され
る出力端子である。
【0052】図1に示す本実施形態に係る時間計数回路
について、まず、基本的な動作を説明する。
【0053】インバータリング3は、奇数個のインバー
タがリング状に接続されているので、発振が起こり、信
号の遷移が循環する。
【0054】
【表1】
【0055】表1はインバータリング3における信号遷
移の循環を示す表である。表1において、左欄は量子化
された時間を、中欄は各時間におけるインバータリング
3の出力信号を、右欄はインバータリング3の出力信号
から得られた第1のエンコーダ8又は第2のエンコーダ
19の出力データを示している。時間は連続的に変化す
るものであるが、時間計数回路は連続的に変化する時間
を量子化し所定の階調に分割するものであり、表1に示
すように、図1に示す時間計数回路では時間を9階調に
分割している。
【0056】なお、ここでは説明を簡単にするために、
インバータリング3を構成する各インバータの遅延時間
が1nsであるものとする。すなわち、表1における時
間刻みが1nsになる。また、インバータリング3の出
力信号において、“L”は論理回路におけるローレベル
を表し、“H”は論理回路におけるハイレベルを表す。
【0057】表1に示すように、時間0において、イン
バータリング3の出力信号は“LHLHLHLHL”で
ある。第1段及び第9段のインバータの出力信号が共に
“L”であることから、インバータリング3を循環する
信号は第1段のインバータに達しているといえる。表1
では、隣り合うインバータの出力信号が同じレベルにな
る箇所に下線を付している。時間0から1nsが経過す
ると時間1になり、インバータリング3を循環する信号
は次段のインバータに伝達されて第1段及び第2段のイ
ンバータの出力信号が共に“H”になる。さらに1ns
が経過すると時間2になり、第2段及び第3段のインバ
ータの出力信号が共に“L”になる。このように、イン
バータリング3を循環する信号は1ns経過する毎に次
段のインバータに伝達される。ただし、隣り合うインバ
ータの出力信号が共に“H”のときと共に“L”のとき
とが、時間的に交互に現れる。第1のエンコーダ8及び
第2のエンコーダ19は、インバータリング3の出力信
号を右欄に示すような2進数の4ビットデータに変換す
る。
【0058】表1では時間は9階調に分割されているた
め、時間刻みが1nsであるとすると最大計測時間は9
nsとなる。そこで、さらに長い時間を計測可能にする
ために、図1に示す時間計数回路ではインバータリング
3における信号遷移の周回数を計数するカウンタ回路6
を設けている。
【0059】
【表2】
【0060】表2は図1に示す時間計数回路によって演
算した時間データを示す表である。表2に示すように、
3ビットのカウンタ回路6を用いることによって時間0
から時間71までの72階調の時間データを計測するこ
とが可能になる。
【0061】本実施形態に係る時間計数回路の特徴は、
基準クロック信号を用いて時間データを補正する点にあ
る。
【0062】ここで、本実施形態における時間補正の原
理を図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係
る時間補正の原理を概念的に表した図である。
【0063】入力端子11に入力された基準クロック信
号は第2のフリップフロップ列17に入力され、第2の
フリップフロップ列17は基準クロック信号の遷移のタ
イミングでインバータリング3の出力信号を保持する。
図2では、基準クロック信号の立ち下がりのタイミング
でインバータリング3の出力信号は保持されるものとし
ている。
【0064】また図2では、インバータリング3におけ
る信号遷移の循環をクロック信号の形で表している。ク
ロック信号の遷移点に付した数字はインバータリング3
において信号遷移の到達したインバータの段数を示して
おり、例えば4が付された遷移点は第4段のインバータ
に信号遷移が到達したことを示している。したがって、
クロックパルス信号のパルス幅はインバータリング3に
おける各インバータの遅延時間に相当する。パルス幅の
ばらつきは、電源電圧の変動等による各インバータの遅
延時間の変化を示している。
【0065】図2に示すように、基準クロック信号の立
ち下がりである時刻t1 において、インバータリング3
における信号遷移は第5段のインバータに到達してい
る。このとき、時間τn-1 は「5」に量子化される(第
1段のインバータを基準に量子化している)。また、基
準クロック信号の次の立ち下がりである時刻t2 におい
て、時間τn は「8」に量子化される。基準クロック信
号の周期をTR 、インバータリング3における一のイン
バータの出力信号の周期(以下「インバータリング3の
周期」という)をTn とすると、時間τn-1 ,τn と周
期Tn ,TR との間には次のような関係がある。 Tn =TR −τn-1 +τn …(1) ここで、時間τn-1 ,τn を量子化した値(ここでは
「5」と「8」である)をMn-1 ,Mn とする。また、
基準クロック信号の周期TR の量子化値はインバータリ
ング3を構成するインバータの段数N(ここでは9であ
る)の2倍になる。したがって、インバータリング3の
周期Tn の量子化値をPn とすると、Pn は次のような
式で表される。 Pn =2N−Mn-1 +Mn …(2) 補正前の時間データをDn とすると、補正後の時間デー
タCn は次のような式で表される。 Cn =Dn +Dn ・(Mn −Mn-1 )/Pn =Dn +Dn ・(Mn −Mn-1 )/(2N−Mn +Mn-1 ) …(3) すなわち、時間データDn は、量子化値Mn-1 ,Mn
求めて式(3)を演算することによって補正することが
できる。式(3)の右辺におけるNの値は、PLLの動
作特性と電源に重畳するノイズに応じて最適化するよう
にしてもよいが、特に最適化を必要としないならインバ
ータリング3のインバータの接続段数とする。
【0066】量子化値Mn-1 ,Mn は、基準クロック信
号の遷移のタイミングで第2のフリップフロップ列17
によって保持された信号から、第2の信号処理回路20
によって求められる。また、式(3)の演算は、第3の
信号処理回路22によって主として実行される。
【0067】具体的な数値を例にとって説明する。図2
に示すような場合、Mn-1 =5,Mn =8,N=9とな
り、インバータリング3の周期の量子化値Pn は、式
(2)から、 Pn =2×9−5+8=21 となる。補正前の時間データDn =25とすると、補正
後の時間データCn は式(3)から、 Cn =25+25×(8−5)/21 =29(小数点以下四捨五入) となる。
【0068】図3は第1の信号処理回路9の構成を示す
回路図である。第1の信号処理回路9は、第1のエンコ
ーダ8から入力された4ビット・データ及びカウンタ回
路6から保持回路7を介して入力された3ビット・デー
タから、補正前の時間データを演算する。
【0069】図3において、端子a1 にはカウンタ回路
6から保持回路7を介して出力された3ビット・データ
が入力されると共に、端子a2 には第1のエンコーダ8
から出力された4ビット・データが入力される。また、
端子a3 には測定対象のパルス信号が入力され、端子a
4 からは演算された補正前の時間データが出力される。
【0070】31a,31bは3ビット・データを保持
するフリップ・フロップであり、端子a1 に入力された
データを保持し出力する。32a,32bは4ビット・
データを保持するフリップ・フロップであり、端子a2
に入力されたデータを保持し出力する。33はデータ変
換回路であり、フリップフロップ31bから端子Dに入
力された3ビット・データを、その上位に“0”を付加
することによって4ビット・データに変換して端子Qか
ら出力する。例えば“011”はデータ変換回路33に
よって“0011”に変換される。
【0071】34は加算回路であり、端子Aにデータ変
換回路33から入力された4ビット・データと端子Bに
フリップフロップ32bから入力された4ビット・デー
タとを加算して、加算結果である5ビット・データのう
ち上位2ビットを端子Q1 から出力すると共に下位3ビ
ットを端子Q2 から出力する。35はデータ変換回路で
あり、端子Dに加算回路34の端子Q1 から入力された
2ビット・データを、その上位に“0”を付加すること
によって3ビット・データに変換して端子Qから出力す
る。例えば“01”はデータ変換回路35によって“0
01”に変換される。
【0072】36は加算回路であり、フリップフロップ
31bから端子Aに入力された3ビット・データとデー
タ変換回路35から端子Bに入力された3ビット・デー
タとを加算して、加算結果である4ビット・データを端
子Qから出力する。37はデータ変換回路であり、加算
回路36から端子Aに入力された4ビット・データを上
位ビットとし,かつ加算回路34の端子Q2 から端子B
に入力された3ビット・データを下位ビットとする7ビ
ット・データを端子Qから出力する。例えば、端子Aに
入力されたデータが“0011”であり端子Bに入力さ
れた3ビット・データが“001”であるとすると、端
子Qから出力されるデータは“0011001”とな
る。
【0073】38は7ビット・データを保持するフリッ
プ・フロップであり、データ変換回路37から出力され
た7ビット・データを保持し出力する。39は減算回路
であり、端子Aにフリップフロップ38から入力された
7ビット・データから、端子Bにデータ変換回路37か
ら入力された7ビット・データを減算する。
【0074】図3に示す第1の信号処理回路9の動作
を、時間11の場合を例にとって説明する。
【0075】表2に示すように、時間11において、端
子a1 に入力されるカウンタ回路6の出力データは“0
01”であり、また第1のエンコーダ8の出力データは
“0010”である。データ変換回路33は、入力され
たカウンタ回路6の出力データ“001”を“000
1”に変換する。加算回路34は、端子Aに入力された
“0001”と端子Bに入力された第1のエンコーダ8
の出力データ“0010”とを加算する。加算結果であ
る5ビット・データは“00011”となるので、加算
回路34は、端子Q1 から5ビット・データの上位2ビ
ット“00”を出力すると共に端子Q2 から5ビット・
データの下位3ビット“011”を出力する。データ変
換回路35は、加算回路34の端子Q1 から入力された
データ“00”を“000”に変換する。加算回路36
は、端子Aに入力された“001”と端子Bに入力され
た“000”とを加算し、加算結果として“0001”
を出力する。データ変換回路37は、端子Aに入力され
た“0001”を上位ビットとし端子Bに入力された
“011”を下位ビットとする7ビットデータ“000
1011”を出力する。この7ビットデータ“0001
011”は、表2に示すように時間11のときの時間デ
ータになる。
【0076】減算回路39は、端子Aにフリップフロッ
プ38から入力された7ビット・データから、端子Bに
データ変換回路37から入力された7ビット・データを
減算して出力する。フリップフロップ38はデータ変換
回路37から入力された時間データを一旦保持している
ので、減算回路39から出力された時間データは、測定
対象のパルス信号の遷移点間の時間を表すことになる。
端子Aに前述のデータ“0001011”が入力され、
端子Bに次の時間データである“0000011”が入
力されたとすると、減算回路39の出力データは“00
01000”になる。このような動作の結果、端子a4
から測定対象のパルス信号のパルス間隔等の時間を表す
時間データが出力される。
【0077】図4は第2の信号処理回路20の構成を示
す回路図である。図4において、41は前記式(3)の
右辺の第2項(以下「補正項」という)の係数の計算に
用いるデータMn ,Mn-1 を演算する信号処理回路、4
2,43は7ビット・データを保持するフリップフロッ
プ、44は端子D1 に入力されたデータと端子D2 に入
力されたデータとの差を演算する減算回路、45は7ビ
ット・データを保持するフリップフロップである。
【0078】第2のエンコーダ19は第1のエンコーダ
8と同様に動作し、第2のフリップフロップ列17から
出力されたインバータリング3の出力信号を2進数のデ
ータに変換して出力する。
【0079】図4において、端子b1 にはカウンタ回路
6から保持回路18を介して出力された3ビット・デー
タが入力されると共に、端子b2 には第2のエンコーダ
19から出力された4ビット・データが入力される。ま
た、端子b3 には基準クロック信号が入力される。
【0080】信号処理回路41は、第1の信号処理回路
9とほぼ同様に動作し、端子a1 及a2 に入力されたデ
ータから補正用の時間データを演算して端子a4 から出
力する。すなわち、基準クロック信号の遷移のタイミン
グで、式(3)における量子化値Mn-1 ,Mn に相当す
る7ビット・データが信号処理回路41から出力され
る。
【0081】減算回路44は、端子D1 にフリップフロ
ップ42から入力されたデータとフリップフロップ43
によって1クロック分(すなわち基準クロック信号の遷
移1回分)遅延されて端子D2 に入力されたデータとの
差を演算する。すなわち、式(3)における(Mn −M
n-1 )を演算する。演算結果のデータは、フリップフロ
ップ45を介して端子b4 から出力される。
【0082】図5は第3の信号処理回路22の構成を示
す回路図である。図5において、端子C1 には第2の信
号処理回路20から出力された補正用の7ビット・デー
タ(Mn −Mn-1 )が第1の同期回路21によってタイ
ミングを修正された上で(測定対象のパルス信号に同期
して)入力される。端子C2 には第1の信号処理回路9
から出力された7ビットの補正前の時間データが測定対
象のパルス信号に同期して入力される。また、端子C3
には測定対象のパルス信号が入力される。
【0083】51a〜51e,52,54及び55はフ
リップ・フロップ、53は式(3)における補正項の演
算を行う乗算回路、56は乗算回路53の出力データを
用いて式(3)の演算を行う加算回路である。フリップ
フロップ51a〜51dは、乗算回路53において演算
されるデータのタイミングを合わせるために端子C1
入力されたデータを遅延させるものである。
【0084】フリップフロップ51eの出力データは、
時間補正のために用いるデータ(Mn −Mn-1 )であり
第2の信号処理回路20によって演算されたものであ
る。またフリップフロップ52の出力データは、補正前
の時間計数データDn であり、第1の信号処理回路9に
よって演算されたものである。ここで、フリップフロッ
プ51eの出力データを“0000011”とする。フ
リップフロップ51eの出力データにおいて、最上位ビ
ットがデータの正負を表すものとし、最上位ビットが
“0”のときはデータは正、“1”のときはデータは負
であるものとする。また、フリップフロップ52の出力
データを“0011001”とする。
【0085】乗算回路53は、フリップフロップ51e
の出力データ及びフリップフロップ52の出力データを
用いて補正項Dn ・(Mn −Mn-1 )/(N−Mn +M
n-1)を演算する。図1に示す時間計数回路ではN=1
001(2進数表現,10進数では「9」)であるの
で、N−Mn +Mn-1 =1100となり、補正項の演算
結果として“1101”を出力する。Dn ・(Mn −M
n-1 )/(N−Mn +Mn-1 )は10進数では12.5
となるが、ここでは小数点以下は四捨五入して13とし
た。
【0086】加算回路56は、フリップフロップ54か
ら端子Aに入力されたデータ“0011001”と乗算
回路53からフリップフロップ55を介して端子Bに入
力されたデータ“1101”とを加算して、加算結果デ
ータ“0100110”を出力する。加算回路56の出
力データは、補正された時間計数データとして端子C4
から出力される。
【0087】また第1の同期回路21は、第2の信号処
理回路20から基準クロック信号の遷移のタイミングで
出力された7ビット・データが測定対象のパルス信号の
遷移のタイミングで第3の信号処理回路22に入力され
るよう、データの出力タイミングを変更する機能を持つ
ものである。
【0088】図6(a)は第1の同期回路21の詳細な
構成を示す回路図である。図6(a)において、nはデ
ータの入力端子、pはデータの出力端子、oは第1のク
ロック信号CLK1 の入力端子、qは第2のクロック信
号CLK2 の入力端子である。第1の同期回路21で
は、基準クロック信号が第1のクロック信号CLK1
相当し、測定対象のパルス信号が第2のクロック信号C
LK2 に相当する。また、61,65は端子Cに入力さ
れるクロック信号に従って動作する7ビットのフリップ
フロップ、62,66は端子Cに入力されるクロック信
号に従って動作し,かつ端子Rに“H”の信号が入力さ
れると出力信号を“L”に初期化するリセット型フリッ
プフロップ、63,67は論理回路、64,68は遅延
回路である。フリップフロップ61及びリセット型フリ
ップフロップ62は端子oに入力された第1のクロック
信号CLK1 に従って動作し、リセット型フリップフロ
ップ66は端子qに入力された第2のクロック信号CL
2 に従って動作する。
【0089】図6(a)に示す第1の同期回路21の動
作を、図6(b)に示すタイミングチャートを参照して
説明する。
【0090】端子nには、第2の信号処理回路20か
ら、基準クロック信号(すなわち第1のクロック信号C
LK1 )の遷移のタイミングで7ビット・データが入力
される。端子oに入力された第1のクロック信号CLK
1 が立ち上がると、フリップフロップ61は端子nに入
力されたデータを保持する。また、リセット型フリップ
フロップ62は、端子Dの電位が常に“H”なので端子
Qから“H”の信号を出力する。すなわち節点Aの信号
電位は“H”になる。端子Bの信号電位は、端子Aの信
号電位を遅延させたものになる。
【0091】端子qに入力された測定対象のパルス信号
(すなわち第2のクロック信号CLK2 )が立ち上がる
と、リセット型フリップフロップ66は節点Aの信号を
保持して端子Qから出力する。これにより、節点Dの信
号電位は“H”に変化し、フリップフロップ61の出力
データがフリップフロップ65によって保持され、端子
pから出力される。このとき、節点B,Dの信号電位は
共に“H”になるので論理回路63の出力信号は“H”
になり、リセット型フリップフロップ62は初期化され
る。また、リセット型フリップフロップ66は第2のク
ロック信号CLK2 の立ち下がりで初期化される。した
がって、第1の同期回路21は初期状態に戻る。
【0092】このような動作によって、図6(b)に示
すように、第1の同期回路20は、第1のクロック信号
CLK1 (基準クロック信号)の遷移のタイミングで入
力されたデータを第2のクロック信号CLK2 (測定対
象のパルス信号)のタイミングで出力することができ
る。
【0093】また、第2の同期回路25は、第3の信号
処理回路22から測定対象のパルス信号の遷移のタイミ
ングで出力された,補正された時間計数データが、入力
端子23に入力された外部クロックのタイミングで端子
26から出力されるよう、データの出力タイミングを変
更する機能を持っている。回路の構成は図6(a)に示
す第1の同期回路21と同様であり、第1のクロック信
号CLK1 として端子oに測定対象のパルス信号が与え
られると共に第2のクロック信号CLK2 として端子q
に外部クロックが与えられる。
【0094】図7は第3の信号処理回路の他の構成例を
示すブロック図である。図7に示す第3の信号処理回路
22Aの特徴は、端子c1 に第2の信号処理回路20か
ら入力された補正用データ(Mn −Mn-1 )に対する補
正項の値をテーブル形式で記憶した、記憶手段としての
ROM58を備えている点である。すなわちROM58
は、次式に示す1/Qn の値をテーブル形式で記憶して
いる。 1/Qn =(Mn −Mn-1 )/(N−Mn +Mn-1 ) …(4) 表3はROM58が記憶しているデータの例を示す表で
ある。
【0095】
【表3】
【0096】図7において、読み出し回路57は、端子
1 から入力された補正用データ(Mn −Mn-1 )に従
ってROM58から補正項の値を読み出す。乗算回路5
9は、読み出し回路57によって読み出された補正項1
/Qn と端子c1 から入力された補正前の時間データD
n とを乗算する。加算回路60は、乗算回路59から入
力された値Dn /Qn と補正前の時間データDn とを加
算して補正された時間データとして端子c4 から出力す
る。
【0097】なお、図1に示す時間計数回路ではPLL
が構成されているが、本発明はPLLが構成された時間
計数回路に限るものでなく、PLLが構成されていない
時間計数回路にも適用可能である。図8はPLLが構成
されていない本実施形態に係る時間計数回路の構成を示
す回路図であり、図1と共通の構成要素には図1と同一
の符号を付している。図8に示す時間計数回路では、基
準クロック信号は測定対象のパルス信号のパルス間隔等
を表す時間データの補正を行うためにのみ用いられる。
【0098】(第2の実施形態)図9は本発明の第2の
実施形態に係るPLL(Phase Locked Loop ,フェーズ
ロックループ)回路の構成を示すブロック図である。図
9において、70はVCO(Voltage controlled oscil
lator ,電圧制御発振器)、71は基準クロック信号が
入力される端子、72はVCO70の発振出力信号と端
子71に入力された基準クロック信号との位相を比較す
る位相比較回路、73はチャージポンプ回路、74はL
PF(Low Pass Filter ,ローパスフィルタ)、75は
チャージポンプ回路73から出力されLPF74によっ
て高周波成分を除去された電圧を基にしてVCO70の
発振周波数を制御する第1の制御回路、76は電源電圧
変動によるVCO70の発振周波数の変化を抑制する第
2の制御回路、77はチャージポンプ回路73に一定の
電圧を供給する第1の電源回路、78は第1の制御回路
75及びVCO70に一定の電圧を供給する定電圧電源
回路としての第2の電源回路である。チャージポンプ回
路73,LPF74及び第1の制御回路75によって発
振周波数制御回路が構成されている。
【0099】図10は図9に示すPLL回路におけるV
CO70の構成を示す回路図である。図10において、
79は差動インバータであり、VCO70はリング状に
接続された奇数個(図10では5個)の差動インバータ
79からなる差動インバータリングによって構成されて
いる。差動インバータ79において、Dは正転入力端
子、DBは反転入力端子、Qは正転出力端子、QBは反
転出力端子であり、各差動インバータ79,79,…
は、正転出力端子Qが次段の差動インバータの反転入力
端子DBに接続されていると共に反転出力端子QBが次
段の差動インバータの正転入力端子Dに接続されてい
る。また、端子Fには第1の制御回路75から供給され
た制御電圧Vc1が印加されると共に端子Hには第2の制
御回路76から供給された制御電圧Vc2が印加され、さ
らに端子Cには第2の電源回路78から供給された電圧
d2が印加される。
【0100】図9及び図10に示す本実施形態に係るP
LL回路は時間計数回路に適したものであり、このPL
L回路を時間計数回路に用いる場合には、VCO70を
構成する差動インバータリングを時間計数回路のインバ
ータリングとする。
【0101】本実施形態に係るPLL回路は、従来のP
LL回路との相違点が4つある。
【0102】まず1つは、電源回路を2つ設け、チャー
ジポンプ回路73に第1の電源回路77によって電圧を
供給する一方、第1の制御回路75及びVCO70に第
2の電源回路78によって電圧を供給する点である。
【0103】2つめの相違点は、VCO70を構成する
各差動インバータ79における電流源をPMOSトラン
ジスタP1及びP2によって構成し、第2の電流源とし
てのPMOSトランジスタP1のゲートに第2の電源回
路78から供給された電圧Vd2を印加する一方、第1の
電流源としてのPMOSトランジスタP2のゲートに第
1の制御回路75から供給された制御電圧Vc1を印加す
る点である。
【0104】3つめの相違点は、負荷トランジスタであ
るNMOSトランジスタN1,N2,N3,N4のう
ち、負荷抵抗素子としてのNMOSトランジスタN2及
びN3のゲートに第2の制御回路76から供給された制
御電圧Vc2を印加する点である。
【0105】そして、4つめの相違点は、時間計数回路
に構成するのに適するよう、LPF74を1次のLPF
とする点である。
【0106】以下、本実施形態に係るPLL回路の動作
について、従来のPLL回路との相違点を中心にして説
明する。位相比較回路72,チャージポンプ回路73及
び第1の制御回路75は従来のPLL回路と同様に動作
するので、詳細な説明はここでは省略する。
【0107】図10に示すVCO70の各差動インバー
タ79において、PMOSトランジスタP1のゲート電
圧は第2の電源回路78から供給された電圧Vd2である
一方、PMOSトランジスタP2のゲート電圧は第1の
制御回路75から供給された制御電圧Vc1である。第2
の電源回路78の供給電圧Vd2は電源電圧の変動による
影響をほとんど受けないが、第1の制御回路75の供給
電圧Vc1は電源電圧の変動の影響を比較的強く受ける。
このため、電源電圧の変動によるドレイン電流の変化は
PMOSトランジスタP2の方がPMOSトランジスタ
P1よりも大きく、PMOSトランジスタP1のドレイ
ン電流は電源電圧の変動の影響をほとんど受けない。差
動インバータ79の信号遅延時間はPMOSトランジス
タP1,P2のドレイン電流量の和によって決定される
ので、電源電圧変動による差動インバータ79の信号遅
延時間の変化が従来よりも小さくなり、電源電圧変動の
影響が緩和される。ただしこの場合、差動インバータ7
9の遅延時間の制御範囲は制限されることになる。
【0108】本実施形態に係るPLL回路において従来
よりも電源電圧変動の影響が緩和される理由を、図11
を用いてさらに詳細に説明する。
【0109】図11(a)は従来のPLLの構成の一部
を示している。制御回路94は、電源回路95から供給
された電圧Vd によってバイアスされており、LPF9
3の出力信号に従って制御電圧Vc を変化させる。ここ
で、VCO96は、本実施形態に係るPLLと同様に図
10に示すような差動インバータリングによって構成さ
れているものとし、電流源となるP型MOSトランジス
タP1 ,P2 のゲートには制御回路94から出力された
制御電圧Vc が印加されるものとする。このとき、VC
O96を構成する差動インバータの遅延時間τd1の変動
量Δτd1は、制御電圧Vc の変動量をΔVc とすると、 Δτd1=a1 ・ΔVc …(11) となる。ここで、a1 は変化率を表す。
【0110】一方、図11(b)は、本実施形態に係る
PLLの構成の一部を示している。第1の制御回路75
は、第2の電源回路78から供給された電圧Vd1によっ
てバイアスされており、LPF74の出力信号に従って
制御電圧Vc1を変化させる。このとき、VCO70を構
成するインバータの遅延時間τd2の変動量Δτd2は、制
御電圧Vc1の変動量をΔVc1、第2の電源回路78から
出力される電圧Vd2の変動量をΔVd2とすると、 Δτd2=a2 ・ΔVc1+a3 ・ΔVd2 …(12) となる。ここで、a2 ,a3 は変化率を表す。
【0111】次に、電源電圧の変動による影響を考え
る。電源電圧VDDの変動ΔVDDによる制御電圧Vc の変
化をΔVcnとすると、 ΔVcn=an ・ΔVDD …(13) となる。式(11)のΔVc に式(13)のΔVcnを代
入すると、 Δτd1=a1 ・an ・ΔVDD …(14) となり、この式(14)は、電源電圧が変動したときの
従来のPLLにおけるVCO96を構成する差動インバ
ータの遅延時間の変動量を表す。
【0112】また、式(12)のΔVc に式(13)の
ΔVcnを代入すると、 Δτd2=a2 ・an ・ΔVDD …(15) となり、この式(15)は、電源電圧が変動したときの
本実施形態に係るPLLにおけるVCO70を構成する
差動インバータの遅延時間の変動量を表す。なお、式
(15)では、第2の電源回路78からVCO70に供
給される電圧Vd2の電源電圧変動による変化は十分小さ
いので、右辺の第2項を省略している。
【0113】ここで、変化率a1 ,a2 は、差動インバ
ータの電流源を構成するP型MOSトランジスタのゲー
ト・ソース間電圧の変化に対するドレイン電流の変化の
比に依存する。従来のPLLでは、差動インバータの電
流源を構成する2つのP型MOSトランジスタのゲート
には共に制御電圧Vc が印加される一方、本実施形態の
PLLでは、差動インバータの電流源を構成する2つの
P型MOSトランジスタの一方のみのゲートに制御電圧
c が印加される。このため、次のような関係が成り立
つ。 a1 >>a2 …(16) 式(14),(15)及び(16)から、 Δτd1>>Δτd2 …(17) が成り立つ。したがって、本実施形態に係るPLLによ
ると、電源電圧変動による差動インバータの遅延時間の
変化が従来よりも小さくなり、電源電圧変動の影響が緩
和される。
【0114】また、図10に示す本実施形態に係るPL
LのVCO70において、N型MOSトランジスタN
2,N3は差動インバータ79の負荷抵抗値をゲート電
圧に従って調整する機能を有している。この負荷抵抗値
の変化によって差動インバータ79の遅延時間を調整す
ることができるので、電源電圧変動による差動インバー
タ79の遅延時間の変化をN型MOSトランジスタN
2,N3のゲート電圧を制御することによって抑制する
ことができる。
【0115】具体的には、第2の制御回路76から出力
された制御電圧Vc2が各差動インバータ79のN型MO
SトランジスタN2,N3のゲートに供給されており、
第2の制御回路76は、第2の電源回路78の出力電圧
の変動を検知して、この電圧の変動に伴うVCO70の
差動インバータ79における遅延時間の変化が抑制され
るように制御電圧Vc2を変化させる。
【0116】図12を用いて、第2の制御回路76によ
るVCO70の遅延時間の変化の抑制についてさらに詳
細に説明する。
【0117】第2の電源回路78から第1の制御回路7
5に供給される電圧Vd1の電源電圧変動による変化量を
ΔVd1とし、第2の電源回路78からVCO70に供給
される電圧Vd2の電源電圧変動による変化量をΔVd2
すると、VCO70を構成する差動インバータの遅延時
間の電源電圧変動による変化量Δτd3は、 Δτd3=a4 ・ΔVd1+a5 ・ΔVd2 …(18) となる。ここで、a4 ,a5 は変化率である。
【0118】第2の制御回路76は、電圧Vd1,Vd2
入力とし、VCO70を構成する差動インバータの遅延
時間をΔτd4だけ変化させるよう制御電圧Vc2を変化さ
せる。ここで、Δτd4は、 Δτd4=a6 ・ΔVd1+a7 ・ΔVd2 …(19) となる。a6 ,a7 は変化率である。
【0119】VCO70の遅延時間の変化を抑制するた
めには、任意の電圧変化量ΔV1 ,ΔV2 に対して、 Δτd3=Δτd4 …(20) が成り立てばよい。式(20)に式(18),(19)
を代入すると、 (a4 −a6 )・ΔV1 +(a5 −a7 )・ΔV2 =0 …(21) となり、任意のΔV1 ,ΔV2 について式(21)が成
り立つ条件は、 a4 =a6 且つ a5 =a7 …(22) である。第2の制御回路76は、変化率a6 ,a7 が式
(22)を満たすように構成されているので、VCO7
0を構成する差動インバータの遅延時間の電源電圧変動
による変化を抑制することができる。
【0120】さらに、図9に示す本実施形態に係るPL
Lでは、LPF74に1次のローパスフィルタを用いて
いる。PLLは基準クロック信号とVCO70の発振出
力信号との位相差が小さくなるように動作するものであ
り、PLLの制御速度の特性を決定するものがLPF7
4である。LPF74に1次のローパスフィルタを用い
ることによって、課題の項で説明したように、制御速度
は低下するが、その反面、制御範囲は拡大して制御量が
滑らかになる。
【0121】なお、LPF74は、受動素子のみによる
構成に限るものではなく、能動素子による構成及び能動
素子及び受動素子の両方を用いた構成による,動作速度
の緩やかなローパスフィルタとしてもよい。
【0122】もちろん本実施形態に係るPLL回路を時
間計数回路に適用する場合には、VCO70がインバー
タリングに対応するので、VCO70の差動インバータ
の段数を時間計数回路に必要な段数にする必要がある。
【0123】図13は、本実施形態に係る時間計数回路
の応用例を示す図であり、レーザーディスクに記録され
た信号を読み出す方法を表す概念図である。図13に示
すように、レーザーディスク100にレーザー発振器1
01から照射された光は、レーザーディスク101に記
録されたビットに応じて反射又は非反射される。反射又
は非反射された光は正弦波信号102に変換されるが、
この正弦波信号103のゼロクロス点間の時間t1 ,t
2 ,t3 ,…は、レーザーディスク100の信号におけ
る同一ビットが連続する回数に対応している。したがっ
て、正弦波信号102を増幅して方形波信号103に変
換した後、方形波信号103の各エッジ間の時間を時間
計数回路によって計数することによって、レーザーディ
スク100の信号における同一ビットが連続する回数を
求める。
【0124】図13に示すような用途に時間計数回路を
用いる場合、時間分解能が高く且つ計数値と実時間との
一致精度が高い時間計数回路が必要になる。実際のレー
ザーディスクの画像データを再生するためには、時間分
解能が0.3nsであり且つ計数値と実時間との一致精
度が±10%以内の時間計数回路が必要になる。このよ
うな高い時間分解能及び時間測定精度は、本実施形態に
係る時間計数回路によってはじめて実現することができ
る。
【0125】
【発明の効果】以上のように本発明に係る時間計数回路
において、電源電圧変動等により遅延回路リングの発振
周波数がずれても、時間測定精度が低下することはなく
実時間と時間データとの線形制が補償されるので、高精
度な時間データを安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る時間計数回路の
構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における時間補正の方
法を説明するための図である。
【図3】図1に示す時間計数回路における第1の信号処
理回路9の詳細な構成を示す回路図である。
【図4】図1に示す時間計数回路における第2の信号処
理回路20の詳細な構成を示す回路図である。
【図5】図1に示す時間計数回路における第3の信号処
理回路22の詳細な構成を示す回路図である。
【図6】図1に示す時間計数回路における第1の同期回
路21及び第2の同期回路25を説明するための図であ
って、(a)は詳細な構成を示す回路図、(b)は動作
を示すタイミング図である。
【図7】図1に示す時間計数回路における第3の信号処
理回路22の他の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る時間計数回路の
変形例の構成を示す回路図であり、PLLが構成されて
いない時間計数回路の例である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るPLL(Phase
Locked Loop ,フェーズロックループ)回路の構成を示
すブロック図である。
【図10】図9に示すPLL回路におけるVCO(Volt
age Controlled Oscillator ,電圧制御発振器)70の
詳細な構成を示す回路図である。
【図11】図9に示すPLL回路の特徴を説明するため
の図である。
【図12】図9に示すPLL回路の特徴を説明するため
の図である。
【図13】本発明に係る時間計数回路の応用例を示す図
であり、光ディスクに記録された信号を読み出す方法を
説明するための図である。
【図14】従来の時間計数回路の構成を示す回路図であ
る。
【図15】従来のPLL回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図16】電源電圧変動による遅延時間の変化を説明す
るための図であり、(a)は電源電圧変動と電流源に与
えられる電圧との関係を示すグラフ、(b)は遅延時間
の変化を示すグラフである。
【図17】2次のLPFを用いたPLL回路による遅延
時間の制御を説明するための図である。
【図18】1次のLPFを用いたPLL回路による遅延
時間の制御を説明するための図である。
【符号の説明】 3 インバータリング(遅延回路リング) 5 第1のフリップフロップ列(第1の保持回路列) 8 第1のエンコーダ 9 第1の信号処理回路 13 位相比較回路 14 発振周波数制御回路 17 第2のフリップフロップ列(第2の保持回路列) 19 第2のエンコーダ 20 第2の信号処理回路 22,22A 第3の信号処理回路(補正回路) 58 ROM(記憶手段) 70 VCO(電圧制御発振器) 72 位相比較回路 73 チャージポンプ回路 74 LPF(ローパスフィルタ) 75 第1の制御回路 76 第2の制御回路 78 第2の電源回路(定電圧電源回路) 79 差動インバータ P1 PMOSトランジスタ(第2の電流源) P2 PMOSトランジスタ(第1の電流源) N2,N3 NMOSトランジスタ(負荷抵抗素子)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり,発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングを備え、測定対象のパルス信号の遷移のタイミング
    における前記遅延回路リングの各遅延回路の出力信号を
    基にして、前記測定対象のパルス信号のパルス間隔等を
    表す時間データを演算する時間計数回路において、 周波数が一定である基準クロック信号を基準にして前記
    遅延回路リングの発振周波数を安定制御するPLL(フ
    ェーズロックループ)が構成されており、 前記基準クロック信号の遷移のタイミングにおける前記
    遅延回路リングの各遅延回路の出力信号を基にして前記
    時間データの補正に用いる補正用データを演算し、演算
    した補正用データを用いて前記時間データを補正するこ
    とを特徴とする時間計数回路。
  2. 【請求項2】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり、発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングと、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を
    測定対象のパルス信号の遷移のタイミングで保持して出
    力する複数の保持回路からなる第1の保持回路列と、 前記第1の保持回路列の出力信号を基にして、前記測定
    対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時間データを演
    算する第1の演算回路と、 周波数が一定である基準クロック信号と前記遅延回路リ
    ングの発振出力信号との位相を比較し、前記基準クロッ
    ク信号と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相差
    を表す位相差検出信号を出力する位相比較回路と、 前記位相比較回路から出力された位相差検出信号に従っ
    て、前記遅延回路リングの発振周波数を制御する発振周
    波数制御回路とを備え、 前記位相比較回路,発振周波数制御回路及び遅延回路リ
    ングによって、前記基準クロック信号を基準にして前記
    遅延回路リングの発振周波数を安定制御するPLL(フ
    ェーズロックループ)が構成されており、さらに、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を
    前記基準クロック信号の遷移のタイミングで保持して出
    力する複数の保持回路からなる第2の保持回路列と、 前記第2の保持回路列の出力信号を基にして、前記第1
    の演算回路により演算された時間データの補正に用いる
    補正用データを演算する第2の演算回路と、 前記第1の演算回路により演算された時間データを、前
    記第2の演算回路により演算された補正用データを用い
    て補正する補正回路とを備えていることを特徴とする時
    間計数回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の時間計数回路におい
    て、 前記補正回路は、 補正のための演算に用いるデータを、前記第2の演算回
    路により求められる補正用データに対してそれぞれ予め
    記憶している記憶手段を備えていることを特徴とする時
    間計数回路。
  4. 【請求項4】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり,発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングと、この遅延回路リングを構成する各遅延回路の出
    力信号を測定対象のパルス信号の遷移のタイミングで保
    持する複数の保持回路からなる保持回路列とを備え、前
    記保持回路列が保持した前記各遅延回路の出力信号を基
    にして前記測定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す
    時間データを演算する時間計数回路において、 周波数が一定である基準クロック信号を基準にして前記
    遅延回路リングの発振周波数を安定制御するPLL(フ
    ェーズロックループ)が構成されており、 前記PLLを構成するローパスフィルタは、1次のロー
    パスフィルタであることを特徴とする時間計数回路。
  5. 【請求項5】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり,発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングと、この遅延回路リングを構成する各遅延回路の出
    力信号を測定対象のパルス信号の遷移のタイミングで保
    持する複数の保持回路からなる保持回路列とを備え、前
    記保持回路列が保持した前記各遅延回路の出力信号を基
    にして前記測定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す
    時間データを演算する時間計数回路において、 周波数が一定である基準クロック信号と前記遅延回路リ
    ングの発振出力信号との位相を比較し、前記基準クロッ
    ク信号と前記遅延回路リングの発振出力信号との位相差
    を表す位相差検出信号を出力する位相比較回路と、 前記位相比較回路から出力された位相差検出信号に従っ
    て、前記遅延回路リングの発振周波数を制御する発振周
    波数制御回路とを備え、 前記位相比較回路,発振周波数制御回路及び遅延回路リ
    ングによって、前記基準クロック信号を基準にして前記
    遅延回路リングの発振周波数を安定制御するPLL(フ
    ェーズロックループ)が構成されており、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路は、第1及び
    第2の電流源を有しており、この第1及び第2の電流源
    の電流量の和によって遅延時間が決定されるものであ
    り、 前記第1の電流源は、前記PLLを構成する発振周波数
    制御回路によって電流量が制御される一方、前記第2の
    電流源は、定電圧電源回路によって電流量が制御される
    ことを特徴とする時間計数回路。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の時間計数回路におい
    て、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路は、前記発振
    周波数制御回路の出力電圧をゲート電圧とするトランジ
    スタを前記第1の電流源として有すると共に前記定電圧
    電源回路の出力電圧をゲート電圧とするトランジスタを
    前記第2の電流源として有する差動インバータであるこ
    とを特徴とする時間計数回路。
  7. 【請求項7】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり,発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングと、この遅延回路リングを構成する各遅延回路の出
    力信号を測定対象のパルス信号の遷移のタイミングで保
    持する複数の保持回路からなる保持回路列とを備え、前
    記保持回路列が保持した前記各遅延回路の出力信号を基
    にして前記測定対象のパルス信号のパルス間隔等を表す
    時間データを演算する時間計数回路において、 周波数が一定である基準クロック信号を基準にして前記
    遅延回路リングの発振周波数を安定制御するPLL(フ
    ェーズロックループ)が構成されており、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路は、電流源と
    この電流源の出力電流に対する抵抗となる負荷抵抗素子
    とを有しており、前記電流源の電流量及び前記負荷抵抗
    素子の抵抗値によって遅延時間が決定されるものであ
    り、 前記PLLは、 前記基準クロック信号と前記遅延回路リングの発振出力
    信号との位相を比較し、前記基準クロック信号と前記遅
    延回路リングの発振出力信号との位相差を表す位相差検
    出信号を出力する位相比較回路と、 前記位相比較回路から出力された位相差検出信号を基に
    して、前記遅延回路リングを構成する各遅延回路が有す
    る電流源の電流量を制御する第1の制御回路と、 前記遅延回路リング及び前記第1の制御回路に与えられ
    る電圧の変動を検知し、この電圧の変動による前記遅延
    回路リングの発振周波数の変化が抑制されるよう,前記
    遅延回路リングを構成する各遅延回路が有する負荷抵抗
    素子の抵抗値を制御する第2の制御回路とを備えている
    ことを特徴とする時間計数回路。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の時間計数回路におい
    て、 前記遅延回路リングの各遅延回路は、前記第1の制御回
    路の出力電圧をゲート電圧とするトランジスタを前記電
    流源として有すると共に前記第2の制御回路の出力電圧
    をゲート電圧とするトランジスタを前記負荷抵抗素子と
    して有する差動インバータであることを特徴とする時間
    計数回路。
  9. 【請求項9】 リング状に接続された複数の遅延回路か
    らなり、発振によって信号の遷移が循環する遅延回路リ
    ングと、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を
    測定対象のパルス信号の遷移のタイミングで保持して出
    力する複数の保持回路からなる第1の保持回路列と、 前記第1の保持回路列の出力信号を基にして、前記測定
    対象のパルス信号のパルス間隔等を表す時間データを演
    算する第1の演算回路と、 前記遅延回路リングを構成する各遅延回路の出力信号を
    周波数が一定である基準クロック信号の遷移のタイミン
    グで保持して出力する複数の保持回路からなる第2の保
    持回路列と、 前記第2の保持回路列の出力信号を基にして、前記第1
    の演算回路により演算された時間データの補正に用いる
    補正用データを演算する第2の演算回路と、 前記第1の演算回路により求められた時間データを、前
    記第2の演算回路により求められた補正用データを用い
    て補正する補正回路とを備えていることを特徴とする時
    間計数回路。
  10. 【請求項10】 電圧制御発振器の発振周波数を安定制
    御するPLL(フェーズロックループ)回路であって、 周波数が一定である基準クロック信号と前記電圧制御発
    振器の発振出力信号との位相を比較し、前記基準クロッ
    ク信号と前記電圧制御発振器の発振出力信号との位相差
    を表す位相差検出信号を出力する位相比較回路と、 前記位相比較回路から出力された位相差検出信号を基に
    して、前記電圧制御発振器の周波数を制御する発振周波
    数制御回路とを備え、 前記電圧制御発振器は、第1及び第2の電流源を有して
    おり、この第1及び第2の電流源の電流量の和によって
    遅延時間が決定されるものであり、 前記第1の電流源は、前記発振周波数制御回路によって
    電流量が制御される一方、前記第2の電流源は、定電圧
    電源回路によって電流量が制御されることを特徴とする
    PLL回路。
  11. 【請求項11】 電圧制御発振器の発振周波数を安定制
    御するPLL(フェーズロックループ)回路であって、 前記電圧制御発振器は、電流源とこの電流源の出力電流
    に対する抵抗となる負荷抵抗素子とを有しており、前記
    電流源の電流量及び前記負荷抵抗素子の抵抗値によって
    遅延時間が決定されるものであり、 周波数が一定である基準クロック信号と前記電圧制御発
    振器の発振出力信号との位相を比較し、前記基準クロッ
    ク信号と前記電圧制御発振器の発振出力信号との位相差
    を表す位相差検出信号を出力する位相比較回路と、 前記位相比較回路から出力された位相差検出信号を基に
    して、前記電圧制御発振器が有する電流源の電流量を制
    御する第1の制御回路と、 前記電圧制御発振器及び前記第1の制御回路に与えられ
    る電圧の変動を検知し、この電圧の変動による前記電圧
    制御発振器の発振周波数の変化が抑制されるよう,前記
    電圧制御発振器が有する負荷抵抗素子の抵抗値を制御す
    る第2の制御回路とを備えていることを特徴とするPL
    L回路。
JP26828196A 1996-10-09 1996-10-09 時間計数回路及びpll回路 Expired - Fee Related JP3361435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26828196A JP3361435B2 (ja) 1996-10-09 1996-10-09 時間計数回路及びpll回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26828196A JP3361435B2 (ja) 1996-10-09 1996-10-09 時間計数回路及びpll回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10111369A true JPH10111369A (ja) 1998-04-28
JP3361435B2 JP3361435B2 (ja) 2003-01-07

Family

ID=17456371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26828196A Expired - Fee Related JP3361435B2 (ja) 1996-10-09 1996-10-09 時間計数回路及びpll回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3361435B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098460A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 古野電気株式会社 位相測定装置、および周波数測定装置
CN106645785A (zh) * 2016-09-22 2017-05-10 北京京东尚科信息技术有限公司 用于测量编码器信号频率的装置、方法及运行检测装置
JP6687298B1 (ja) * 2019-03-06 2020-04-22 三菱電機株式会社 時間デジタル変換器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098460A1 (ja) * 2009-02-27 2010-09-02 古野電気株式会社 位相測定装置、および周波数測定装置
CN102334038A (zh) * 2009-02-27 2012-01-25 古野电气株式会社 相位测定装置、以及频率测定装置
US8738312B2 (en) 2009-02-27 2014-05-27 Furuno Electric Co., Ltd. Phase measuring device and frequency measuring device
CN106645785A (zh) * 2016-09-22 2017-05-10 北京京东尚科信息技术有限公司 用于测量编码器信号频率的装置、方法及运行检测装置
JP6687298B1 (ja) * 2019-03-06 2020-04-22 三菱電機株式会社 時間デジタル変換器
WO2020179023A1 (ja) * 2019-03-06 2020-09-10 三菱電機株式会社 時間デジタル変換器
US11435702B2 (en) 2019-03-06 2022-09-06 Mitsubishi Electric Corporation Time-to-digital converter

Also Published As

Publication number Publication date
JP3361435B2 (ja) 2003-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109964404B (zh) 高线性度相位内插器
EP0844740B1 (en) A/D converter and A/D conversion method
US6958639B2 (en) Digital duty cycle correction circuit and method for multi-phase clock
US7688242B2 (en) Analog-to-digital (AD) converter and analog-to-digital conversion method
KR100377234B1 (ko) 시간계수회로,표본화회로,스큐조정회로 및 논리판정회로
US6829318B2 (en) PLL synthesizer that uses a fractional division value
TWI638524B (zh) 自我校正分數式鎖相迴路及其方法
KR102614643B1 (ko) 이중-경로 디지털-시간 변환기
US20020060638A1 (en) A/D converter
US10725433B2 (en) Time-to-digital conversion circuitry
JP2007110370A (ja) デジタル位相検出器
US20050195301A1 (en) Charge pump circuit and PLL circuit using the same
JP2006180428A (ja) 位相同期回路
TWI638526B (zh) 頻率合成裝置及其方法
WO2019146177A1 (ja) 時間デジタル変換回路および位相同期回路
WO2009122843A1 (ja) 周波数シンセサイザおよび発振器の発振周波数制御方法
EP0588656B1 (en) Digital signal-edge time measurement circuit
JP2012005022A (ja) デジタル位相差検出器およびそれを備えた周波数シンセサイザ
US5835552A (en) Time counting circuit and counter circuit
JP3361435B2 (ja) 時間計数回路及びpll回路
US6172557B1 (en) Time counting circuit, pulse converting circuit and FM demodulating circuit
US11936392B2 (en) Phase locked loop, electronic device, and method for controlling phase locked loop
US6806741B2 (en) Phase comparator capable of performing stable phase comparison for high frequency band
JP2009118362A (ja) A−d変換装置
WO2022203594A1 (en) Temperature sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021001

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees