JPH10111005A - ライン型吹出口装置 - Google Patents

ライン型吹出口装置

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JPH10111005A
JPH10111005A JP8281328A JP28132896A JPH10111005A JP H10111005 A JPH10111005 A JP H10111005A JP 8281328 A JP8281328 A JP 8281328A JP 28132896 A JP28132896 A JP 28132896A JP H10111005 A JPH10111005 A JP H10111005A
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Yukio Kuno
幸男 久野
Akira Torimi
明 鳥実
Takuya Shigematsu
拓也 重松
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Kyoritsu Air Tech Inc
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KYORITSU EATETSUKU KK
Kyoritsu Air Tech Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライド羽根の連通開口を通過する空気の圧
力損失の変化量が小さく、吹出す空気の風量、風向を確
実に制御できて空調の精度が高く、吹出口箱にワンタッ
チで装着して風量、風向調節の施工の簡略化、作業コス
トの低廉化を達成でき、製造コストも安価なライン型吹
出口装置を提供することを目的とする。 【構成】 吹出口箱の開口近縁に嵌着され吹出開口を形
成する額縁部18と、額縁部と一体的に固定され額縁部
に略直角状に縦方向に囲周して設けられ上端部に基部開
口を形成する縦壁22と、吹出開口近縁に取付けられた
風向調整羽根とを有し、縦壁の基部開口20を開閉し、
通流口48を有するスライド羽根50を備えて連通面積
を変化させつつ基部開口を開閉するスライド風量調整機
構42が設けられ、スライド羽根の最閉鎖位置で基部開
口は所要の連通面積を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天井面に設置するライ
ン型吹出口装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の吹出口において、冷房時は温度差
による下降気流があり、このため、快適な空気調和を得
られるものの暖房時には上層部分のみが温度上昇する。
これを解消するために、近時空気吹出口の直下近縁の在
室者等にも適切な空調環境が得られるようにライン型吹
出口が用いられている。また、このライン型吹出口は、
近時の高層建築物、高層ビルディング等において、居住
空間を広く確保するために天井を高くする場合などに暖
房時の吹出方向を効果的に調節できることから、汎用さ
れている。このライン型吹出口においては、天井裏等に
設けられた空調ダクトに接続された空調チャンバーの下
面から天井面へ向け細長い金属製の枠を垂下させ、この
金属枠内に回転羽根等からなる風向調節器を設け、この
風向調節器で冬期における暖気は吹出口から直接下方
へ、夏期における冷気は天井面に沿って並行に吹出す様
に調整している。しかし、このライン型吹出口には、吹
出口から吹出す風量の調節機構が設けられておらず、そ
のために室内に必要な空調空気の直接的な調節ができ
ず、良好な空気調和を保持させにくいものであった。そ
こで、出願人は前記風向調節器の上方位置であって吹出
口枠の内部に固定羽根とこの固定羽根に対してスライド
する可動羽根を備えた風量調節装置を設け、吹出口から
吹出す空調空気の風速の調節及び風向きの調節ができる
ライン型吹出口を実願平4−55540号において提案
した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ラ
イン型吹出口においては、前記吹出口枠内に設けた可動
羽根と固定羽根との連通開口は、可動羽根と固定羽根と
の相互の開口どうしの相対的なスライド移動により相互
の開口が完全連通した全開状態から、相互の開口が完全
閉鎖された全閉状態まで変化させるため、開口を形成す
る羽根枠本体部分が必要であるから、全開時の圧力損失
が大きく、室内へ吹出す空気の風量を精度良く制御でき
ず、空気調和を効率良く行えない欠点があった。また、
そのためこの内部側の風量調節機構部分の方が室内に面
した吹出口の開口部分よりも風速が速くなり、騒音を生
じやすいものとなっていた。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は風量を調整するスライド羽
根の連通開口が全開状態のときに、通過する空気の圧力
損失が小さく、室内へ吹出す空調空気の風量を精度良く
調整できるとともに、騒音を生じさせないようにし得る
ライン型吹出口装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、下面に長矩形の開口12を
有した吹出口箱11の前記開口12近縁に装着されるラ
イン型吹出口装置であって、前記吹出口装置は、前記開
口12に嵌着され吹出開口16を形成する室内額縁部1
8と、この額縁部18と一体的に固定され、該額縁部1
8に対して略直角状に縦方向に囲周して設けられ上端部
に基部開口20を形成する縦壁22と、前記吹出開口1
6近縁に取り付けられた風向調整羽根体24、24とを
有し、前記縦壁の基部開口には、1個又は複数の通路開
口44を備えた固定羽根46と、通流口48を有するス
ライド羽根50と、を有し、これら通路開口と通流口と
の連通開口面積を変化させつつ前記基部開口20を開閉
するスライド風量調整機構42が設けられ、前記スライ
ド羽根50が最閉鎖方向位置にある時には前記基部開口
20を全閉状態とすることなく、所要の連通面積を保持
することを特徴とするライン型吹出口装置10から構成
される。
【0006】請求項2に係る発明では、前記スライド羽
根50を最開放方向位置に変位させた時に、該基部開口
20の連通開口Sを通過する風速と、前記吹出開口16
を通過する風速が等しくなるように設定されてなること
としてもよい。
【0007】請求項3に係る発明では、前記固定羽根は
前記基部開口を水平状に閉鎖するように設けられ、前記
スライド羽根50は、前記固定羽根に対して密着摺動
し、かつ、対向する縦壁にまたがるようにして断面略コ
字状に設けられ、さらに、両縦壁に密着摺動しつつスラ
イド移動することとしてもよい。
【0008】請求項4に係る発明では、前記スライド羽
根50は、前記基部開口20の長手方向に対して複数個
に分割され、かつ、これらの分割されたスライド羽根5
0は相互に脱着自在に連結されてなることとしてもよ
い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るライン型吹出口装置
は、天井面に設けた細長い開口に連通すべく、下面に長
矩形の開口を有した吹出口箱の前記開口近縁に装着され
るライン型吹出口装置であって、前記吹出口装置は、前
記開口に嵌着され吹出開口を形成する室内額縁部と、こ
の額縁部と一体的に固定され、該額縁部に対して略直角
状に縦方向に囲周して設けられ上端部に基部開口を形成
する縦壁と、前記吹出開口近縁に取り付けられた風向調
整羽根体とを有している。更に、前記縦壁の基部開口に
は、1個又は複数の通路開口を備えた固定羽根と、通流
口を有するスライド羽根とを有するスライド風量調整機
構が設けられている。スライド風量調整機構は、これら
通路開口と通流口との連通開口面積を変化させつつ前記
基部開口を開閉する。そして、スライド羽根が最閉鎖方
向位置にある時には前記基部開口を全閉状態とすること
なく、所要の連通面積を保持するものである。従って、
スライド羽根が全開状態のときに内部を通過する空気の
圧力損失が少なく、空調空気の風量、風向を確実かつ容
易に制御でき、空調の精度が大幅に高くなって室内の空
気調和を効率よく行える。
【0010】長矩形状に形成された額縁部と、この額縁
部内に開口された吹出開口の周縁を囲周して立設された
縦壁は、上下面を開口させた四角枠状の構造であるから
アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の合
金を素材として一体成型で形成でき、よって、このライ
ン型吹出口装置の本体部分を安価に製造できる。また枠
状に形成することにより内部に風向調整羽根体やスライ
ド風量調整機構を設けても軽量で取扱がし易い。また、
天井面に設けた細長い開口から吹出口箱の下面開口へ突
込み状に挿入係止するだけで額縁部を天井面に簡単に装
着して吹出口箱内に風量調整機構と風向調整機構を簡易
に実現でき、施工工程が簡略化されて、作業時間短縮、
作業コストの低廉化を達成できる。縦壁及び額縁は一体
成型として構成する必要はなく、別体に各単板を組み付
けて上下を開口させた中空箱体構成としても良い。
【0011】風向調整羽根体は、縦壁内に一対の円弧長
板を空気流路を確保するように所定幅で対向させて配置
し、鉛直方向から傾動できる様に軸支させている。風向
調整羽根体は、一対の円弧長板に限ることなく、縦壁内
の中央位置等に一体的に形成させた一個の羽根板を傾動
自在に軸支させてもよいし、羽根体自体の構造は任意に
改変しても良い。
【0012】スライド風量調整機構は、1個または複数
の通路開口を備えた固定羽根と、通流口を有するスライ
ド羽根と、を有し、これら通路開口と通流口との連通開
口面積を変化させつつ基部開口を開閉する。通路開口及
び通流口の開口形状は四角、丸、三角、五角形、その他
の多角形状、その他任意の形状に設定して良い。開口の
配置、ピッチ間隔、等も任意で良い。等開口面積でも良
い。
【0013】スライド羽根は固定羽根に対して密着状に
スライド移動できる構造であるほうが風による振動、ガ
タツキ音等を生じさせないから、より好ましい。従っ
て、幅方向を位置決めしたようにして密着する、例えば
実施例のようなコ字枠状の羽根形状を相互に重ね合わせ
たようにしてスライドさせる構成が好適である。しか
し、この構成に限らずとも良い。
【0014】スライド羽根の全開状態において、固定羽
根とスライド羽根との連通開口の面積をより大きく設定
でき、内部を通過する空気の圧力損失が小さく、室内へ
吹出す空調空気の風量、風向を確実かつ容易に制御で
き、空調の精度が高く、室内の空気調和を効率よく行え
る。
【0015】また、スライド羽根を最開放方向位置に変
位させた時に、該基部開口の連通開口を通過する風速
と、前記吹出開口を通過する風速が等しくなるように設
定されている。即ち、スライド羽根の全開状態における
相互に連通した固定羽根とスライド羽根との全連通開口
の面積と、下方の風向調整羽根体の一対の円弧長板の通
流間隔の面積とが等しくなる様に形成され、これにより
縦壁の上端側の基部開口と額縁側の吹出開口とを通過す
る風速が略同一となり、室内に直面する額縁部付近で風
切音と共に雑音、振動等の発生を抑制でき、室内の空調
の実効を達成できる。風の入口側の風速を出口側の風速
と一致させておくことにより、出口側としての額縁側の
風向調整により出口側の風速が速くなる可能性はある
が、入口側設定を変更しない限りは入口側の風速が出口
側よりも速くなることがなく、よって、風切り音、騒
音、雑音等が内部で発生させないようにし得る。よっ
て、設定も行ないやすいものとなる。しかしながら騒
音、雑音防止の点では、入口側となる基部開口側の固定
羽根及びスライド羽根との連通開口面積を額縁側の吹出
開口より大きく設定する方が好適である。
【0016】基部開口に設けたスライド風量調整機構
は、縦壁の上端に設けた固定羽根の上面に密着摺動する
スライド羽根が、その断面略コ字状の両端部が対向した
縦壁の上端に同じく密着摺動して安定保持されるため、
摺動時は勿論のこと、スライド羽根内の通流口を空調空
気が高速で通過してもガタつきが全くなく、振動や騒音
を発生することがないことは上述した通りである。
【0017】固定羽根及びスライド羽根は縦壁の上端側
に必ずしも平面状に設置する必要はない。断面略山形
状、半円形状等に形成してもよい。要は風の通流口に対
して密着状態を保持しつつスライド移動し、これを開閉
し得る構造のものであれば良い。また、縦壁と固定羽根
とを一体的に形成し、これに対して可動羽根としてのス
ライド羽根をスライド自在に摺動できるように構成して
も良い。スライド羽根のスライド移動は複数のスライド
羽根どうしを連結する連結長板とそれらのスライド羽根
との固定用ビスに取りつけた中空円筒状の調整軸を操作
して移動させても良いが、通流口の一端側に略L形状に
操作片を垂下させ、これを棒等で移動させてもよい。要
は、室内の作業者が下方側から棒などを用いて簡易にス
ライド調整する時に係止でき得るものであれば良い。
【0018】スライド羽根は、基部開口の長手方向に対
して複数個に分割され、かつ、これらの分割されたスラ
イド羽根は相互に連結長板で着脱自在に連結される。連
結具で相互に連結された複数の分割スライド板を均等に
スライド移動させて室内額縁部の吹出開口から均一に空
調空気を吹出させ、或は、室内側の状態に応じて連結具
を取りはずし、分割したスライド羽根を個別に移動させ
て空調空気の吹出風量を部分的に調整できる。
【0019】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の好
適な実施例を説明する。図1、図2には、本発明の実施
例に係るライン型吹出口装置を吹出口箱の下面側に取り
付けた状態が示されている。また、図3、図4、図5に
は、本発明の実施例に係るライン型吹出口装置の要部が
示されている。
【0020】図において、ライン型吹出口装置(以下
「吹出口装置」と略する)10は、天井空間Tに配設さ
れた空調用ダクト等の端部に接続された吹出口箱11等
の下面等に配置される。この吹出口箱11は、例えば側
面側を空調用ダクトに連通接続されるとともに、下面に
は長矩形の開口12を有している。すなわち、吹出口箱
11は例えばフレキシブルダクト32と連通接続する接
続口30を備えたやや大型の中空箱としての本体13
と、この本体13の下面側に突設状に連通接続され、本
体13から段付き状に小径化して設けられた細長い立体
の長矩形の金属製吹出口枠14と、を備えている。そし
て、この吹出口枠14の下面側に長矩形の開口12が形
成されている。本実施例に係る吹出口装置10は、この
吹出口枠14内に下方から上方に押し込むようにして簡
単に装着される。この吹出口装置10の主要な構成部分
は例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛
合金等の軽合金を素材として型成型等により製造でき
る。
【0021】この吹出口装置10は、前記吹出口枠14
の開口12に嵌着されて吹出開口16を形成する室内額
縁部18と、この額縁部18の上面に一体的に固定さ
れ、該額縁部18に対して略直角状に縦方向に囲周して
設けられ上端部に基部開口20を形成する縦壁22と、
前記吹出開口16の近縁で縦壁22内に取り付けられた
風向調整羽根体24とを有している。図9は、風向調整
羽根体や、固定羽根、スライド羽根をすべて取り除いた
状態の装置10の一部省略平面図であり、基部開口20
は、装置10の縦壁22により形成される開口全体、あ
るいは縦壁22により形成される許容開口面積を言うも
のである。
【0022】図1、図2に示す様に、吹出口枠14の下
端側の開口12は室内R側に面する様に配置されてい
る。この吹出口枠14は、長手方向に相対向して設置さ
れた縦枠板26、26と、この縦枠板26、26の両端
に連設された幅狭な側板28とで、上下面を開口させた
中空の細長い直方体形状に形成されている。天井空間T
内で吹出口箱11は、図示しない天井スラブに埋設固定
された吊支ボルト等に支持され、例えば、図示しない空
調機やメインダクトから延設されたフレキシブルダクト
32が接続される。そして、吹出口箱11は、その吹出
口枠14の下端側の下面開口12を天井板33に設けら
れた細長い切欠開口34に上方からあてがって位置合わ
せした状態で取り付けられている。図2、図7、図8に
示す様に、前記縦枠板26、26の下端には、挿入した
吹出口装置10をワンタッチで着脱係止するため、内面
側へ折曲されたフック35、35が設けられている。な
お、図中37は保温材を示す。
【0023】本発明に係る吹出口装置10は、室内に面
して取り付けられる額縁部18と、額縁部18に対して
略直角状に縦方向に囲周して設けられ縦壁22と、この
縦壁22内に設けられた風向調整羽根体24とを有し、
更にスライド風量調整機構42を天井裏側となる縦壁2
2の上面側に一体的に組み付けたものである。
【0024】図3に示す様に、額縁部18は、吹出口箱
11の細長い開口12の下方に配置され、内部側に長矩
形状に形成された吹出開口16を有し、図7、8にも示
すように下面が美麗な滑面に成型されると共に、周縁上
面には受け縁36が成型された化粧長板38として形成
されている。そして、この吹出開口16の内周縁の上面
側には化粧長板38と同一素材で略直角状に一体成型さ
れた縦壁22が吹出開口16を囲周し内側に直方体状の
空隙を形成する様に立設されている。この額縁部18の
化粧長板38と縦壁22は、軽合金で一体成型が可能で
あるため安価に大量生産できる。この額縁部18の化粧
長板と縦壁22とは必ずしも一体成型により製造する必
要はなく、別体として単板等を用い、中空箱状に組み付
けたものであっても良い。
【0025】図1、図7、図8に示す様に、縦壁22は
長辺側縦壁及び短辺側縦壁よりなり、短辺側縦壁には、
略円柱状の一対のコマ軸40、40がその軸心が対向線
上に互いに一致するように対向状に軸支されている。そ
して、この対向した一対のコマ軸40、40の外周面の
略対称位置に、端面円弧状で、全体として円弧長板状の
一対の風向調整羽根体24、24の端部が係止されてい
る。この風向調整羽根体24、24は互いに円弧の凹部
を向かい合わせるようにして円状に配置され、その円の
任意の対向円弧部を切り欠いて、空気が直線状に流通で
きるようになっている。これら、両風向調整羽根体2
4、24の間隙空間、すなわち、切欠が羽根体相互の開
口幅Kを形成して空気の流路となっている。
【0026】この風向調整羽根体24、24の相互に対
向した上下端の開口幅Kは略同一幅に形成されている。
この風向調整羽根体24、24は、その上下端の開口幅
Kを鉛直方向に配置したり、或はコマ軸40、40を回
動させて傾斜方向に配置したりすることによって、風向
調整羽根体24、24内を通過する空調空気は天井板3
3に垂直な鉛直方向へ、或は天井板33に沿った水平方
向等へ吹出され、空調空気の吹出し方向を調整できる。
なお、実施例では、縦壁22内に2枚の風向調整羽根体
24、24を設けて吹出す空調空気の方向を調整してい
るが、これに限ることなく、縦壁22内の略中央位置等
に1枚の羽根板を縦方向に傾動自在に軸支させ、鉛直方
向や傾斜方向へ傾動させて空調空気の吹出し方向を調整
してもよい。
【0027】本発明に係るライン型吹出口装置の一つの
特徴的なことは、前記縦壁22の基部開口20には、1
個又は複数の通路開口44を備えた固定羽根46と、通
流口48を有するスライド羽根50と、を有し、これら
通路開口44と通流口48との連通開口面積を変化させ
つつ前記基部開口20を開閉するスライド風量調整機構
42が設けられ、スライド羽根50が最閉鎖方向位置に
あるときには基部開口20を全閉状態とすることなく、
所要の連通面積を保持することである。これにより、ス
ライド羽根を再閉鎖方向位置に位置させても連通してあ
る程度の開口部分を確保しておくから、その分スライド
方向の移動量が少なくてスライド羽根を最閉鎖状態とす
ることとなり、これによって、閉鎖に必要なメクラ部分
も小さく構成できるからそのぶん大きな開口を形成で
き、よって、スライド移動による全開時の連通面積の、
許容開口面積全体に対する開口率を大きなものに設定で
きる結果、全開時の圧力損失を小さなものとすることが
できる。
【0028】図3、図4、図5に示す様に、本実施例に
おいて、前記スライド風量調整機構42は、縦壁22の
上端の基部開口20に水平に取付けられ、複数の通路開
口44を備えた固定羽根46と、前記通路開口44と同
一形状で同一個数の通流口48を備えたスライド羽根5
0とを有している。前記スライド羽根50は、例えば、
基部開口20を覆蓋しつつ固定羽根46に対して密着摺
動し、対向する縦壁22にまたがるようにして断面略コ
字状に設けられ、かつ縦壁22の両壁体に密着摺動しつ
つ移動する様に設けられている。
【0029】また、縦壁22の上端の基部開口20に
は、その長手方向の両端側と中央部とに、吹出口装置1
0を接続ダクト14の開口12に着脱係着させる馬蹄形
係止体52が設けられ、これらの各馬蹄形係止体52
は、基部開口20に対して交差状に固定された取付板5
4と、この取付板54の中心に開孔されたボルト孔に縦
壁22側から上方へ螺合貫通された締付ボルト56と、
この締付ボルト56に螺合保持された馬蹄形係止金具5
8とを備えている。
【0030】図3、図4、図5に示す様に、前記複数の
馬蹄形係止体52の間隔位置で、基部開口20の上面に
薄金属板を素材として断面略コ字状に形成された固定羽
根46が載着されている。この固定羽根46には、その
長手方向の平面部に矩形状の複数の通路開口44がスラ
イド羽根の通流口48を閉鎖するメクラ部としての閉鎖
部46aを隔てて所定の間隔で開口されている。また、
断面略コ字状の幅方向の両端部60、60は縦壁22の
外面に密着されて複数の螺子62で縦壁22に螺合固定
されている。なお、固定羽根46の幅方向の両端部6
0、60は縦壁22の内面側に密着固定させてもよい。
また、縦壁22の上端からこの固定羽根の本体部として
の閉鎖部46aを一体的に、あるいは一体成型により構
成しても良い。
【0031】前記スライド羽根50は、固定羽根46と
同様に薄金属板を素材とし、かつ固定羽根46の上面に
密着して長手方向にスライドできる様に形成されてい
る。このスライド羽根50の長手方向の平面部に、前記
固定羽根46の通路開口44と同一矩形状の複数の通流
口48が、閉鎖部としての羽根本体部50aを隔てて通
路開口44の相互の間隔と同一の間隔をおいて開口され
ている。更に、断面略コ字状のスライド羽根50の幅方
向の両端部64、64の内壁面は、固定羽根46の幅方
向の両端部60、60の外壁面に密着摺動状に設けら
れ、かつ両端部60、60に螺合固定した各螺子62と
対応した位置には、同螺子62に係合しつつスライド羽
根50を長手方向にスライド案内させる複数の案内長孔
66が開孔されている。この案内長孔66は、図4に示
す固定羽根46の通路開口44の長手方向の長さLより
も短く開孔されている。例えば略0.7L程度の長さを
有している。
【0032】これにより、スライド羽根50は、その両
端部64、64に設けた案内長孔66、66が固定羽根
46の両端部60、60側の螺子62、62に係合して
スライド移動する。例えば、図4、図5上で矢印(イ)
方向へスライド羽根50がスライドして案内長孔66、
66の左方端が螺子62、62に係着して停止した状態
では、スライド羽根50の各通流口48と固定羽根46
の通路開口44との連通開口S1は全開状態となって連
通する。次に、相互に全開状態に連通された状態からス
ライド羽根50を矢印(ロ)方向へスライドさせると連
通開口S1は徐々に縮小され、図3に示す様に、案内長
孔66、66の右方端に螺子62、62が係着した時に
は、固定羽根の通路開口44とスライド羽根の通流口4
8との連通開口S2は全開状態の連通開口S1の略30
%程度の連通面積を保持し、固定羽根の通路開口44は
スライド羽根50で完全閉鎖されることがない。このよ
うに、案内長孔66は、スライド羽根50のスライド移
動を案内しつつそのスライド移動量を規制するストッパ
として機能する。すなわち、同長孔66の右方端は右方
端スットパであり、左方端は左方端ストッパである。
【0033】従って、スライド羽根50が最閉鎖方向位
置に移動したときでも、固定羽根46の各通路開口44
は全閉状態になることがなく所要の連通面積を保持す
る。逆にスライド羽根50が全開状態に移動したときに
は、固定羽根46とスライド羽根50との連通開口S1
の面積が増大することとなる。
【0034】すなわち、図5からも明らかなように、本
実施例においてスライド羽根50の通流口48のスライ
ド方向長さYと、隣接する通流口48との仕切り部分と
なるスライド羽根50本体部分の閉鎖部(メクラ部)の
スライド方向長さZは、約5:3に設定されている。こ
れに対し、例えば開口を全閉とする従来型の調整機構で
は、通流口の長さYとメクラ部分の長さZはほぼ一致し
た長さが必要である。この点、本発明の吹出口装置のよ
うに、最閉鎖方向位置でも所要の連通面積を保持するよ
うにスライド羽根を移動させるような構成としておけ
ば、予め固定羽根46の通路開口44の開口面積を大き
く設定し、かつ、これに対してスライドしながら連通開
口を変化させるスライド羽根50の通流口48も同様に
大きく設定することにより、全開状態の連通開口面積と
しての基部開口20全体(吹出口枠40自体の上部開口
全体)に対する開口率は結果として全閉型構造よりも大
きなものとなり、これによって、全開時の圧力損失を大
幅に小さなものとし、精度の高い風量調整機能を実現さ
せることができる。また、これらの吹出口について開口
全体を全閉状態とする必要性自体はほとんどなく、吹出
量自体の調整を簡易に行なうのみで良い。
【0035】また、スライド羽根は最閉鎖方向位置で停
止するように位置決めされており、予め最も頻度が高い
設定を行なう部分に停止位置を設定してストッパ等を設
置しておけば、単に最閉鎖方向位置にスライド羽根を移
動させるだけで、簡単に好ましい羽根の位置設定がで
き、よって、室内在室者等の専門の製造業者以外の者で
も簡単に操作を行なえるものである。
【0036】また、スライド羽根50は固定羽根46の
上面で密着摺動し、更に、断面略コ字状に形成された幅
方向の両端部が、縦壁22の対向した壁面側に密着摺動
しつつスライド移動するため、摺動時は勿論のこと、ス
ライド羽根50の通流口48内を空調空気が高速で通過
してもガタつきが全くなく、振動や騒音を発生すること
もない。
【0037】更に、図7、図8に示す様に、本実施例に
係るスライド風量調整機構42は、スライド羽根50の
通流口48が固定羽根46の通路開口44に一致する様
に最全開方向位置に変位させた時には、基部開口20の
上端側の各連通開口S1を通過する風速と、額縁部18
内の吹出開口16を通過する風速が等しくなる様に設定
されている。
【0038】即ち、スライド羽根50の全開状態におけ
る相互に一致した通路開口44と通流口48との各連通
開口S1の全面積と、縦壁22内に設置された風向調整
羽根体24、24の上下端の開口幅Kにより形成される
空気流路の流れ方向投影の全面積とが略同一になる様に
形成されている。これにより、例えばスライド羽根50
を全開状態にしておけば、風量調整機構側42の連通開
口部分と、額縁部18の風向調整羽根体の空気流路部分
との風速が同じであるから、吹出口箱11の内部側など
で雑音、騒音、振動等を生じさせることがないだけでな
く、風向調整羽根体24を回動させて風向を調整して
も、室内額縁部側の流速が早くなるだけだから、騒音を
生じさせず、また、生じても簡単に消音対策を行なうこ
とができるものである。
【0039】図3、図4、図5に示す様に、スライド羽
根50は、縦壁22の基部開口20の長手方向に対して
複数個に分割され、かつ、これらの分割されたスライド
羽根50は相互に脱着自在に連結されている。即ち、実
施例においては、縦壁22の上面中央位置に設置された
馬蹄型係止体52の両側に左右に分割されたスライド羽
根50、50が配置され、このスライド羽根50、50
は、中央部に馬蹄型係止体52の締付ボルト56を通係
させた案内長孔68を開孔させた連結長板70で相互に
連結されている。
【0040】図3、図5に示す様に、連結長板70の両
端は、左右スライド羽根板50、50の端部上面に載着
されて各々止め螺子72、72で連結され、これによっ
てこれら左右のスライド羽根板50、50は該連結長板
70によって連結され、これらは一体的にスライド移動
する。更に左側のスライド羽根50においては、止め螺
子72の下方の固定羽根46に案内長孔74が開孔さ
れ、この案内長孔74の下面側から止め螺子72にスラ
イド操作のための中空円筒状の調整軸76が螺着されて
いる。また、右側のスライド羽根50においても、その
右側端寄り位置において止め螺子72が下面の固定羽根
46に開孔させた案内長孔74へ貫通され、該案内長孔
74の下面側から止め螺子72に調整軸76が螺着され
ている。図に示すように、該調整軸の内壁側に刻設され
た雌螺子の上部側が止め螺子72に螺合している。そし
て、その螺合部分から下方側に中空筒状の調整軸の中空
部が形成されている。この中空部分に下方側から操作用
の棒などを用いて差し込み係合させ、所要の移動方向に
スライド移動させて連通開口を調整することとなる。
【0041】これにより、額縁部18の下面側の吹出開
口16から風向調整羽根体24、24の間隔を経由して
適宜なボックスドライバー等をいずれかの調整軸76に
係着させ、連結長板70で連結させた左右スライド羽根
50、50を均等にスライドさせて基部開口20側の開
口幅を全開状態から所要の連通開口を保持した閉鎖方向
へスライド移動でき、室内額縁部18の吹出開口16か
ら均一に空調空気を吹出すことができる。また、室内側
の状態に応じては、図6に示す様に、連結長板70を取
り外し、分割した左右のスライド羽根50、50を個別
に移動させ、例えば右側のスライド羽根50は、連通開
口S1を全開状態にスライドさせ、左側のスライド羽根
50は、連通開口S2を絞った状態に閉鎖して空調空気
の吹出風量を部分的に調整できる。
【0042】上記した様に、吹出口装置10は、空調空
気の風量、風向を確実かつ容易に制御できるばかりでな
く、額縁部18を含んで縦壁22とスライド風量調整機
構42が一体的に設けられているから、吹出口箱11の
下面の開口12に吹出口装置10を押しあげ、押し込ん
で装着するだけで風量及び風向調整のための機構を実現
でき、施工工程が簡略化されて、作業時間短縮、作業コ
ストの低廉化を達成できる。同時に風切り音等の発生を
確実に防止できる。また、額縁部18の吹出開口16の
下面側からスライド羽根50の連通口部分を確認して開
閉操作を行えるため、空調空気の風量や風向を簡易、迅
速に調整できる。
【0043】更に、実施例では額縁部18と縦壁22と
は一体成型され、その縦壁22のもとに、固定羽根46
やスライド羽根50を一体的に構成できるから吹出口装
置全体の製造コストが安価となると共に、スライド式の
スライド羽根50の取付高さ位置を低くできる結果、目
視による羽根開閉作業も非常に行い易くなる。
【0044】なお、固定羽根46と、スライド羽根50
は、実施例において、断面コ字状で縦壁22の上端を覆
蓋する様に設けているが、必ずしもこれに限ることな
く、例えば、縦壁22内に内接するようなコ字枠構造と
して相互に密着摺動させたり、断面視で山型状、半円型
状等に形成したり、或は固定羽根46の下面側でスライ
ド羽根50が密着摺動する様に形成してもよい。
【0045】また、固定羽根の通路開口44やスライド
羽根の通流口48の形状も、矩形状に実施しているが、
これに限ることなく、例えば、同一面積の円形、三角
形、多角形、並列長孔、その他の任意の形状としても良
い。
【0046】また、実施例では空調の端末部分のダクト
の端部に連通接続させた吹出口箱(空調チャンバー)の
下端側に本吹出口装置を施工するようにしているが、ラ
イン型の吹出口であればいずれのタイプの吹出口につい
ても適用できるものであり、例えば、システムライン型
のライン型吹出口についても必要に応じて適用しても良
い。
【0047】次に、本発明に係る吹出口装置の作用を説
明する。本発明に係る吹出口装置10は、図1、図2に
示す様に、天井空間Tにおいてダクト等に接続された吹
出口箱11等の下面の開口12に対し、室内R側から額
縁部18を作業者が把持して挿入し、上方に向けて押し
込む。そして、装置10は、縦壁22の上面側に設置さ
れた各馬蹄形係止体52を介して固定される。すなわ
ち、馬蹄形係止体52は、吹出口枠14の縦枠板26の
下端の内曲げフック35に上から載着状に係着される馬
蹄形係止金具58と、この金具58の中央部分を上下方
向に貫通して設けられた締め付けボルト56を含む。
【0048】これによって、本装置10を風向調整羽根
体24側を下面側にした状態で上方に押し込み、図示し
ない縦壁22にまたがるように固定させたコ字金具の螺
着孔に該ボルト56を螺着させて装置10全体を取り付
ける。このようにすれば同時に額縁部18の周縁の受け
縁36の上面が天井板33に密着し装置10の取り付け
が完了する。なお、馬蹄形係止金具58の係着に間隙が
発生して係止状態が甘い場合には、額縁部18の吹出開
口16からドライバを挿入して締付ボルト56を調整し
て最適状に保持する。この状態で吹出口箱11の下面に
接続した吹出口枠14内に供給された空調空気を額縁部
18の吹出開口16から室内R側へ吹出して室内の空気
調和を図るものである。
【0049】そこで、室内側へ吹き出される空調空気の
風量を調整するときには、縦壁22内の風向調整羽根体
24、24の上下開口が鉛直方向に位置する様に回動し
た後で、スライド風量調整機構42のスライド羽根50
の端部側に連結して固定羽根46の案内長孔68から垂
下された調整軸76に、吹出開口16からボックスドラ
イバー等を挿入して係着させ、吹出開口16の長手方向
に移動させながらスライド羽根50を摺動させる。例え
ば、図4上で矢印(イ)方向へ移動させると固定羽根4
6の通路開口44とスライド羽根50の通流口48との
連通開口は、各通流口48が通路開口44に徐々に連通
して増大し、通流口48と通路開口44が完全連通した
全開状態で連通開口S1となる。また、矢印(ロ)方向
へ移動させると、連通開口S1は全開状態から徐々に縮
小し、連通開口はスライド羽根46の両端部の案内長孔
66と螺子62との係合で規制される。この最閉鎖方向
位置において、連通開口S2は全閉状態になることな
く、流路開口44と通流口48との所要の連通面積、例
えば、全開状態の連通開口S1の略30%程度の面積を
保持する。
【0050】このように、スライド羽根50のスライド
で連通開口Sが全開状態から所要の連通面積を保持した
状態で閉鎖状態とし、これによって全開状態における連
通面積の基部開口20全体に対する開口の割り合いを増
加させることとなる結果、スライド羽根の全開状態にお
ける空気の圧力損失が小さくなり、額縁部18の吹出開
口16から吹出す空調空気の風量、風向を確実かつ容易
に制御できることとなる。スライド羽根50のスライド
で連通開口Sを必要な面積に保持して調整した後で風向
調整羽根体24、24の上下開口幅Kの向きを鉛直方向
や、或は斜め下方へ傾斜させて吹出し方向を調整する。
【0051】このときに、各連通開口Sは均等面積とな
って額縁部18の吹出開口16から吹き出されるが、な
かには、吹出開口16から吹出される空調空気をパーテ
イション等の移動仕切によって区分したいときには、吹
出口装置10を接続ダクト14の下面の開口12から取
り外し、左右のスライド羽根50、50の連結を解除し
た後で左右のスライド羽根50、50を個別に移動さ
せ、例えば右側のスライド羽根50を全開状態に、左側
のスライド羽根50は、連通開口を絞った状態に閉鎖し
て空調空気の吹出しを部分的に調整するものである。
【0052】本発明に係るライン型吹出口装置は上記し
た実施例構成にのみ限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において
任意の改変を加えても良い。
【0053】
【発明の効果】以上、説明した様に請求項1に係るライ
ン型吹出口装置は、下面に長矩形の開口を有した吹出口
箱の前記開口近縁に装着されるライン型吹出口装置であ
って、前記吹出口装置は、前記開口に嵌着され吹出開口
を形成する室内額縁部と、この額縁部と一体的に固定さ
れ、該額縁部に対して略直角状に縦方向に囲周して設け
られ上端部に基部開口を形成する縦壁と、前記吹出開口
近縁に取り付けられた風向調整羽根体とを有し、前記縦
壁の基部開口には、1個又は複数の通路開口を備えた固
定羽根と、通流口を有するスライド羽根と、を有し、こ
れら通路開口と通流口との連通開口面積を変化させつつ
前記基部開口を開閉するスライド風量調整機構が設けら
れ、前記スライド羽根が最閉鎖方向位置にある時には前
記基部開口を全閉状態とすることなく、所要の連通面積
を保持するから、最閉鎖方向位置でも保持される連通面
積のぶんだけ、すなわち、スライド移動量が少ないぶん
だけ大きな全開連通面積を確保でき、これによって設定
する全開時の連通面積は基部開口全体の面積に対して、
全閉時の連通を全く行なわない全閉型の装置に比較して
より大きな連通面積を確保できる結果、スライド羽根の
全開状態における空気の圧力損失が小さく、従って、額
縁部の吹出開口から吹出す空調空気の風量、風向を確実
かつ容易に制御でき、また、空調の精度が大幅に高くな
って室内の空気調和を効率よく行える。また、これによ
って、この連通開口部分の風速を、額縁部側から吹き出
す風速よりも大きいかあるいは同じように設定でき、し
たがって、騒音、雑音、風切り音等の発生をも効果的に
防止することが可能である。また、額縁部を含んで縦壁
とスライド羽根の風量調整機構が一体的に設けられてい
るから、天井面に設置した吹出口箱の下面開口に吹出口
装置をワンタッチで装着するだけで風量及び風向調整の
ための機構を実現でき、施工工程が簡略化されて、作業
時間短縮、作業コストの低廉化を達成できる。また、額
縁部の吹出開口の下面側からスライド羽根の連通口部分
を確認して開閉操作を行えるため、空調空気の風速や風
向を簡易、迅速に調整できる。更に、額縁部と縦壁とは
一体成型され、その縦壁のもとに、固定羽根やスライド
羽根を一体的に構成できるから吹出口装置全体の製造コ
ストが安価となると共に、スライド式のスライド羽根の
取付高さ位置を低くできる結果、目視による羽根開閉作
業も非常に行い易い。
【0054】また、請求項2によれば、前記スライド羽
根を最開放方向位置に変位させた時に、該基部開口の連
通開口を通過する風速と、前記吹出開口を通過する風速
が等しくなるように設定されてなることにより、スライ
ド羽根を全開させたときに、風上側に位置する風量調整
機構による基部開口の開口面積と室内に面する側の吹出
開口面積とが略同一となって空気の圧力損失が小さくな
り、室内に直面する額縁部付近で風切り音と共に雑音、
振動等が発生することがなく、室内の空気調和の実効を
達成できる。また、風量調整の際の風量の設定が分かり
やすく、設計上についても簡単に行なえるようになる。
【0055】また、請求項3によれば、前記スライド風
量調整機構は、前記縦壁の上端の基部開口に水平状に取
り付けられ、1個又は複数の通路開口を備えた固定羽根
を有し、前記スライド羽根は、前記基部開口を上方から
覆蓋しつつ前記固定羽根に対して密着摺動し、対向する
縦壁にまたがるようにして断面略コ字状に設けられ、か
つ、両縦壁に密着摺動しつつスライド移動することによ
り、縦壁の上端に設けた固定羽根の上面に密着摺動する
スライド羽根は、コ字状の両端部が対向した縦壁の上端
に同じく密着摺動して安定保持されるため、摺動時は勿
論のこと、スライド羽根内の通流口を空調空気が高速で
通過してもガタつきが全くなく、振動や騒音を発生する
ことがない。
【0056】また、請求項4によれば、前記スライド羽
根は、前記基部開口の長手方向に対して複数個に分割さ
れ、かつ、これらの分割されたスライド羽根は相互に脱
着自在に連結されてなることにより、連結具で相互に連
結された複数の分割スライド板を均等にスライド移動さ
せて室内額縁部の吹出開口から均一に空調空気を吹出し
たり、或は、室内側の状態に応じて連結具を取りはず
し、分割スライド羽根を個別に移動させて空調空気の吹
出風量を部分的に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るライン型吹出口装置を、
空調チャンバーに垂下した接続ダクトの下面開口内に嵌
着させた状態を示した空調チャンバーの側面中央一部縦
断説明図である。
【図2】図1に示すチャンバーの正面中央縦断説明図で
ある。
【図3】スライド羽根を閉鎖方向に移動させ、連通開口
を一部保持した状態のライン型吹出口装置の一部切欠斜
視図である。
【図4】スライド羽根をスライドさせて連通開口が全開
状態にあるライン型吹出口装置の一部切欠平面図であ
る。
【図5】同じく連通開口が全開状態にあるライン型吹出
口装置のスライド羽根の連結部を示した一部平面図であ
る。
【図6】連結部を切り離して一方のスライド羽根を全開
状態に、他方のスライド羽根を半閉鎖状態に保持させた
状態を示す一部省略平面図である。
【図7】図4のA−A線拡大断面図である。
【図8】図5のB−B線拡大断面図である。
【図9】風向調整羽根体、固定羽根、スライド羽根を取
り除いて平面から見た一部省略平面説明図である。
【符号の説明】
10 ライン型吹出口装置 11 吹出口箱 12 開口 13 本体 14 吹出口枠 16 吹出開口 18 額縁部 20 基部開口 22 縦壁 24 風向調整羽根体 42 スライド風量調整機構 44 通路開口 46 固定羽根 48 通流口 50 スライド羽根 70 連結長板 S 連通開口 T 天井空間 R 室内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面に長矩形の開口を有した吹出口箱の
    前記開口近縁に装着されるライン型吹出口装置であっ
    て、 前記吹出口装置は、前記開口に嵌着され吹出開口を形成
    する室内額縁部と、 この額縁部と一体的に固定され、該額縁部に対して略直
    角状に縦方向に囲周して設けられ上端部に基部開口を形
    成する縦壁と、 前記吹出開口近縁に取り付けられた風向調整羽根体と、
    を有し、 前記縦壁の基部開口には、1個又は複数の通路開口を備
    えた固定羽根と、通流口を有するスライド羽根と、を有
    し、これら通路開口と通流口との連通開口面積を変化さ
    せつつ前記基部開口を開閉するスライド風量調整機構が
    設けられ、 前記スライド羽根が最閉鎖方向位置にある時には前記基
    部開口を全閉状態とすることなく、所要の連通面積を保
    持することを特徴とするライン型吹出口装置。
  2. 【請求項2】 前記スライド羽根を最開放方向位置に変
    位させた時に、該基部開口の連通開口を通過する風速
    と、前記吹出開口を通過する風速が等しくなるように設
    定されてなる請求項1記載のライン型吹出口装置。
  3. 【請求項3】 前記固定羽根は前記基部開口を水平状に
    閉鎖するように設けられ、 前記スライド羽根は、前記固定羽根に対して密着摺動
    し、かつ、対向する縦壁にまたがるようにして断面略コ
    字状に設けられ、さらに、両縦壁に密着摺動しつつスラ
    イド移動することを特徴とする請求項1または2記載の
    ライン型吹出口装置。
  4. 【請求項4】前記スライド羽根は、前記基部開口の長手
    方向に対して複数個に分割され、かつ、これらの分割さ
    れたスライド羽根は相互に脱着自在に連結されてなる請
    求項1ないし3のいずれかに記載のライン型吹出口装
    置。
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