JPH10108866A - バルーン式超音波プローブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要以上に過膨張せず、患部近傍を圧排する
ことがなく、バルーンが破裂しても破片が飛散すること
を防止する。 【解決手段】 バルーン式超音波プローブ装置の先端で
は、超音波プローブ２を挿通したバルーンシース３は、
超音波プローブ２の超音波振動子が位置する先端に袋状
で円筒状の拡張部を設けたポリエチレン製でバルーン３
２がＰＴＦＥ製のシース３３の内部に挿通されている。
基端側のプローブ駆動ユニット５が連結固定されている
固定部４は、超音波プローブ２に接続されるプローブ駆
動ユニット５とバルーン３２及びシース３３とを水密に
係合するものであり、その側面にルアー口金２０を設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はバルーン式超音波プ
ローブ装置、更に詳しくは超音波伝達媒体を充填するバ
ルーンの構造部分に特徴のあるバルーン式超音波プロー
ブ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、体腔内の深部を超音波診断するた
めに、先端に超音波振動子を設けた挿入部を経内視鏡的
もしくは経皮的に体腔内に挿入し、観測用超音波をラジ
アル走査やリニア走査して超音波画像を得る超音波プロ
ーブ及び超音波観測装置が広く使われてきている。

【０００３】このような超音波プローブにおいて、発生
する超音波ビームの周波数は５ＭＨｚ以上が一般的であ
り、超音波プローブと観察部位との間に空気が存在する
と超音波ビームは減衰して観察部位まで到達することが
できず、超音波画像を得ることができなくなる。そこ
で、良好な超音波観察を行うためには超音波プローブと
観察部位との間に超音波伝達媒体（水など）を介在させ
ることが必要となる。

【０００４】超音波プローブと観察部位との間に超音波
伝達媒体を介在させる手法としては、脱気水充満法とバ
ルーン法がある。この脱気水充満法は、患部近傍を脱気
水で満たし、水深下にて超音波プローブによる超音波診
断を行うものである。

【０００５】また、バルーン法は、脱気水を溜めにくい
例えば食道に対して、超音波振動子周辺を流動パラフィ
ン等の媒体で満たしたバルーンを設け、直接患部に接触
させて超音波診断を行うものである。ここで、超音波プ
ローブにバルーンを設ける手段として、例えば特開平８
−２４３４８号公報やＵＳＰ５３３１９４７、ＵＳＰ５
１９００４６に、先端に弾性的に膨張可能なバルーンを
設けたバルーンシースが開示されている。

【０００６】そして、これらの従来技術においては、バ
ルーンシースを用いて超音波検査を行う際には、バルー
ン内に媒体を注入して患部に対して適正な大きさに膨張
させ超音波診断を行う。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記バ
ルーン法においては、万が一注入量が多すぎた場合、過
膨張して患部近傍を圧排したり、バルーンが破裂して破
片が飛散しないとも限らない。例えば上記特開平８−２
４３４８号公報には過膨張時の破裂対策が種々開示され
ているが、従来技術においては、弾性変形可能なバルー
ンを使用しているために、過膨張による患部近傍の圧排
や破裂による破片の飛散を１００％保証することは難し
いという問題がある。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、必要以上に過膨張せず、患部近傍を圧排するこ
とがなく、バルーンが破裂しても破片が飛散することの
ないバルーン式超音波プローブ装置を提供することを目
的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のバルーン式超音
波プローブ装置は、先端に超音波送受信部を有する超音
波プローブと、前記超音波プローブを内部に挿通可能
で、先端側が袋状に閉じ基端側に開口部を有し、体腔内
に挿入し患部を観察する内視鏡の鉗子口より挿入し先端
が前記内視鏡の先端より突出した際、前記開口部が前記
鉗子口外に位置する長さを有する水密で非弾性変形な部
材からなるバルーンシースと、前記超音波プローブの基
端部と前記バルーンシースの前記開口部とを水密に固定
する固定部材とを備えて構成される。

【００１０】本発明のバルーン式超音波プローブ装置で
は、内視鏡の鉗子口より挿入し先端が前記内視鏡の先端
より突出した際、前記開口部が前記鉗子口外に位置する
長さを有したバルーンシースに超音波伝達媒体を充填さ
せた場合、バルーンシースを水密で非弾性変形な材質で
構成することで、必要以上に過膨張せず、患部近傍を圧
排することがなく、バルーンが破裂しても破片が飛散す
ることを防止することを可能とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について述べる。

【００１２】図１ないし図３は本発明の第１の実施の形
態に係わり、図１はバルーン式超音波プローブ装置によ
る超音波検査を行うことのできる内視鏡装置の構成を示
す構成図、図２は図１のバルーン式超音波プローブ装置
の先端側の構成を示す構成図、図３は図１のバルーン式
超音波プローブ装置の基端側の構成を示す構成図であ
る。

【００１３】図１に示すように、本実施の形態のバルー
ン式超音波プローブ装置１は、先端に後述する超音波振
動子を設けた超音波プローブ２と、この超音波プローブ
２を挿通する先端に弾性変形しない後述する拡張部を備
えたバルーンを有するバルーンシース３と、超音波プロ
ーブ２の手元側に固定部４を介して接続され超音波振動
子を駆動するプローブ駆動ユニット５とを備えて構成さ
れる。

【００１４】そして、バルーンシース３及び超音波プロ
ーブ２は、内視鏡１１の鉗子チャンネル内に挿通されて
使用されるようになっている。術者は、内視鏡１１の鉗
子口１５よりバルーンシース３を装着した超音波プロー
ブ２を挿入し、内視鏡１１を介して患者１３の例えば気
管支等の体腔内に導き、病変部１４に先端に設けられて
いるバルーンを密着させて超音波プローブ２により観察
用超音波を走査して病変部１４の超音波画像を得て観察
を行う。なお、内視鏡１１は図示しない光源及びビデオ
プロセッサに接続され、体腔内の光学像を得て通常の観
察もできるようになっている。

【００１５】超音波プローブ２の手元側のコネクタ部４
ａには、プローブ駆動ユニット５が連結固定されてお
り、プローブ駆動ユニット５によって超音波プローブ２
の超音波振動子が駆動され、観察用超音波の送受信がな
されるようになっている。プローブ駆動ユニット５は、
信号ケーブル１６を介してキーボード１７を備えた超音
波観測装置１８に接続されており、この超音波観測装置
１８によってエコー信号の信号処理が行われ、超音波観
測装置１８に接続されたモニタ１９に観察部位の断層像
が表示されるようになっている。

【００１６】また、バルーンシース３の固定部４には、
側部にルアー口金２０が設けられ、ルアー口金２０にチ
ューブ２１を介してシリンジ２２が接続されている。こ
のシリンジ２２によってバルーンシース３内に滅菌水な
どの超音波伝達媒体を注入できるようになっている。

【００１７】なお、超音波伝達媒体は滅菌水に限らず、
音響的に生体の音響インピーダンスに近いものならば良
く、生理食塩水、超音波ゼリーなどでも良い。

【００１８】バルーン式超音波プローブ装置１の先端で
は、図２に示すように、超音波プローブ２の超音波振動
子２ａが位置する先端に袋状で円筒状の拡張部３１を設
けたポリエチレン製で例えば厚さ０．００５ｍｍのバル
ーン３２がＰＴＦＥ製のシース３３の内部に挿通されて
いる。

【００１９】一方、図３に示すように、バルーン式超音
波プローブ装置１の基端側の固定部４は、バルーン３２
及びシース３３とを水密に係合するものであり、その側
面に前記ルアー口金２０が設けられている。そして、こ
のルアー口金２０に３方活栓３５を介してチューブ２１
によりシリンジ２２が接続されている。

【００２０】次に、このように構成された本実施の形態
の作用について説明する。

【００２１】超音波伝達媒体としての滅菌水が入ったシ
リンジ２２をチューブ２１を介してコネクタ部４のルア
ー口金２０に取り付ける。一旦シリンジ２２からバルー
ンシース３内の吸引を行ってバルーンシース３と超音波
プローブ２の間に介在する空気を吸い出した後、シリン
ジ内で空気と滅菌水を置換してシリンジ２２より滅菌水
をバルーンシース３内に送り込み、拡張部３１を含むバ
ルーン３２内に滅菌水を注入する。

【００２２】シリンジ２２を引きバルーン３２内を引圧
にした後、滅菌水を注入することを繰り返して拡張部３
１を含むバルーン内に滅菌水を充填する。

【００２３】その後、再度シリンジ２２により吸引を行
って拡張部３１を収縮させた状態でバルーンシース３及
び超音波プローブ２を内視鏡１１の鉗子口１５から挿入
目的観察部位に向けて挿入する。体腔内に挿通した内視
鏡１１の光学系により病変部１４の位置を把握した後
に、超音波プローブ２を挿通したバルーンシース３を内
視鏡１１の先端から突出させ、拡張部３１を患部近傍に
配置する。

【００２４】この状態で、シリンジ２２によりバルーン
３２の拡張部３１を滅菌水で拡張させ、患部に密着させ
る。そして、超音波観測装置１８を操作して、モニタ１
９に患部の超音波断層像を描出し、深達度診断を行う。

【００２５】このように本実施の形態によれば、シリン
ジ２２により内部を滅菌水で充填するバルーン３２をポ
リエチレン製の弾性膨張しないバルーンを用いて構成し
ているので、バルーン３２の拡張部３１は、一定以上拡
張せず、過注水による気管支等の過膨張、圧排等を防ぐ
ことができる。

【００２６】また、ポリエチレン等の弾性変形しないバ
ルーン３２を用いているために、バルーン３２内すべて
が滅菌内で満たされた後はシリンジ２２で注水できなく
なり、術者はバルーン３２内が満たされたことを容易に
把握することできる。

【００２７】さらに、万が一バルーン先端の拡張部が破
損した場合でも、弾性変形しながら膨張するバルーンと
異なり、弾性による破片の飛散がないので、バルーンが
破裂した場合でも、超音波プローブ２をバルーンシース
３ごと内視鏡１１から抜き、シース３３からバルーン３
２を引き抜くことで安全に回収することが可能となる。
さらに、超音波画像では把握できないバルーン３２の前
方への弾性変形も発生することはない。

【００２８】また、バルーン３２の厚さを例えば０．０
０５ｍｍとし、拡張部３１を透過する超音波の波長の１
／１０以下としているので、患部形状によく馴染むだけ
でなく、超音波画像上にバルーン３２の多重エコーを目
立たせなくすることができる。ここで、バルーン３２の
厚さは０．００５ｍｍに限らず、波長の１／１０以下の
厚さであればよい。

【００２９】さらに、バルーン３２は先端の拡張部３１
から手元側まで一体になっているので、先端部分での外
力による脱落を防止することができる。

【００３０】なお、バルーン３２の材質はポリエチレン
としたが、これに限らず、低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、もしくはこれらの混合材質でも良い。

【００３１】また、バルーン３２としては薄膜袋状成型
ができてほぼ弾性変形しない材質であれば良く、その材
質としてはポリエチレンに限らず、例えばセルロースプ
ラスチック（酢酸セルロース、酪酢酸セルロース等）、
エチレン−α−オレフィン共重合体、フッ素樹脂（ＰＴ
ＦＥ、ＰＦＥ、ＰＦＡ、ＦＥＰ、等）、ポリアミド、ポ
リプロピレン、ポリウレタン等の樹脂でもかまわない。

【００３２】さらに、バルーン３２の材質にＸ線造影剤
を混入させても良く、この場合、Ｘ線造影が可能とな
る。

【００３３】図４ないし図７は本発明の第２の実施の形
態に係わり、図４はバルーン式超音波プローブ装置の調
整アダプタの構成を示す構成図、図５は図４の調整アダ
プタを備えたバルーン式超音波プローブ装置の先端側の
構成を示す構成図、図６は図４のアダプタを備えたバル
ーン式超音波プローブ装置の作用を説明する第１の説明
図、図７は図４のアダプタを備えたバルーン式超音波プ
ローブ装置の作用を説明する第２の説明図である。

【００３４】第２の実施の形態は、第１の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。

【００３５】第１の実施の形態では、超音波プローブ２
を挿通したバルーンシース３を、超音波プローブ２の超
音波振動子が位置する先端に袋状で円筒状の拡張部３１
を設けたポリエチレン製で例えば厚さ０．００５ｍｍの
バルーン３２がＰＴＦＥ製のシース３３の内部に挿通さ
れて構成するとしたが、本実施の形態では、バルーンシ
ース３におけるシース３３とバルーン３２、およびバル
ーンシース３とプローブ２との長さ調整可能な調整アダ
プタ４１を備えて構成する。

【００３６】すなわち、図４に示すように、調整アダプ
タ４１は、超音波プローブ２が挿通可能な開口を有する
本体４２を内視鏡１１の鉗子口１５に装着部材４３によ
り着脱自在に装着されるようになっている。

【００３７】シース３３の手元端は本体４２に固定され
ており、本体４２にはシース３３の挿入軸とは異なる位
置に挿入軸と略平行でシース３３の挿入方向とは逆向き
に棒４４が立てられており、この棒４４の他端には本体
４２の開口に超音波プローブ２を挿通した際に超音波プ
ローブ２が折れるのを防止するための、超音波プローブ
２が挿通可能な開口を有する折れ止め４５を設けた支持
台４６が固定されている。

【００３８】また、棒４４を挿通する開口を有する軸部
４７を備え、軸部４７の他方の側に超音波プローブ２を
挿通し超音波プローブ２の挿入軸方向に移動可能なスラ
イダ４８が設けられている。つまり、スライダ４８は、
軸部４７が棒４４を移動することで、超音波プローブ２
の挿入軸方向に移動可能となっており、軸部４７の上部
には開口に連通しているネジ部が設けられ、このネジ部
に螺合しているノブ４９を締め込むことにより、軸部４
７を棒４４の任意の位置で固定することが可能となって
いる。

【００３９】スライダ４８では、内視鏡１１の鉗子口１
５側でバルーン３２を水密に固定すると共に、他方の側
をＯリング等のシール材５０より超音波プローブ２に水
密に固定されており、さらに水密に固定したバルーン３
２側とシール材５０との間にルアー口金２０が設けら
れ、超音波プローブ２をスライダ４８に挿通することで
バルーン３２内をルアー口金２０の開口を除いて水密に
密閉されるようになっている。なお、ルアー口金２０に
チューブ２１を介してシリンジ２２が接続される。

【００４０】ここで、バルーン３２とシース３３との長
さ関係は、スライダ４７を支持台４６側に寄せたとき、
バルーンシース３先端においてバルーン３２がシース３
３内に引き込まれるようにしておく。

【００４１】また、図５に示すように、バルーン３２先
端の拡張部３１は、異なる直径（ｄ１、ｄ２）を有して
おり、それぞれの直径は、例えばｄ１＝６ｍｍ、ｄ２＝
１０ｍｍとしている。

【００４２】その他の構成は第１の実施の形態と同じで
ある。

【００４３】次にこのように構成された本実施の形態の
作用について説明する。

【００４４】装着部材４３により内視鏡１１の鉗子口１
５に装着した調整アダプタ４１において、ノブ４９を緩
めスライダ４７の位置を調節して、図６に示すバルーン
３２をシース３３の中に引き込んだ状態でバルーンシー
ス３を内視鏡１１の鉗子口１５に挿通し、体腔内に導
く。そして、超音波プローブ２を調整アダプタ４１の折
れ止め４５側からバルーン３２の中へ挿入する。

【００４５】患部を超音波観察するときには、超音波プ
ローブ２を調整アダプタ４１のスライダ４７と共に押し
込むことで、図７に示すように、シース３３からバルー
ン３２を突出させる。この状態でシリンジ２２から滅菌
水をバルーン３２内へ注入し、バルーン３２先端の超音
波振動子を包含する拡張部３１を拡張させ、患部に密着
させて超音波診断を行う。

【００４６】バルーン３２の拡張部３１の大きい直径ｄ
２を患部に当てる場合は、調整アダプタ４１のノブ４９
を緩め、超音波プローブ２とともにスライダ４７を押し
込み、シース３３から直径ｄ２部を突出させる。そし
て、シリンジ２２により滅菌水を注水し、拡張部が直径
ｄ２に拡張したことを内視鏡１１の光学系で確認する。
超音波プローブ２の位置を超音波振動子２ａが拡張部３
１の直径ｄ２の位置になるように、超音波画像を見なが
ら調整する。

【００４７】その他の作用は第１の実施の形態と同じで
ある。

【００４８】このように本実施の形態によれば、第１の
実施の形態の効果に加え、バルーン３２先端の拡張部３
１が異なる直径（ｄ１、ｄ２）を有しているので、弾性
変形しないバルーン３２を用いてもシース３３に対する
バルーン３２の突出量を変えるだけで、複数の拡張径を
得ることができる。

【００４９】なお、拡張部３１の直径は、図５において
２つ示したが、３種類以上の径を用意しても良い。この
とき、異なる直径毎にバルーンの色を変える、または、
段差部分にラインを設けておくと、内視鏡１１にて拡張
部３１の状態を把握しやすい。

【００５０】図８及び図９は本発明の第３の実施の形態
に係わり、図８はバルーン式超音波プローブ装置の先端
側の構成を示す構成図、図９は図８のバルーン式超音波
プローブ装置の作用を説明する説明図である。

【００５１】第２の実施の形態は、第１の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。

【００５２】本実施の形態では、図８に示すように、バ
ルーン３２先端の拡張部３１の断面をほぼ半円にし、シ
ース３３として手元側のねじりが先端まで伝わるトルク
シース３３ａを用いて構成している。

【００５３】ここで、バルーン３２を第１の実施の形態
と同じくポリエチレン等の弾性的に延びにくい材質を用
いて成型しているので、ほぼ半円等の異型形状も容易に
行うことができる。

【００５４】また、トルクシース３３ａとしては例えば
２重４条などの多重多条のコイルを用いても良いし、テ
フロンやポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン等の樹
脂に編組体を編み込んだチューブなど、回転伝達可能な
シースであれば良い。

【００５５】その他の構成は第１の実施の形態と同じで
ある。

【００５６】本実施の形態では、図９に示すように、例
えば気管支にバルーンシース３を介して超音波プローブ
２を挿通し超音波診断する際に、拡張部３１の断面がほ
ぼ半円になっているので、気道が完全に塞がれることな
く超音波検査中呼吸を継続することができ、トルクシー
ス３３ａを手元側で回転させることで、バルーン３２も
一体的に回り、ほぼ半円とした拡張部３１の向きを所望
の向きに回転させることができる。

【００５７】なお、拡張部３１の断面形状は、気道が確
保されれば良く、ほぼ半円にこだわることはない。

【００５８】その他の作用・効果は第１の実施の形態と
同じである。

【００５９】図１０及び図１１は本発明の第４の実施の
形態に係わり、図１０はバルーン式超音波プローブ装置
の先端側の構成を示す構成図、図１１は図１０のバルー
ン式超音波プローブ装置の作用を説明する説明図であ
る。

【００６０】第４の実施の形態は、第１の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。

【００６１】本実施の形態においては、図１０に示すよ
うに、超音波プローブ２を挿通するプローブを、先端を
二又に分岐させた二又バルーン５１としている。

【００６２】その他の構成は第１の実施の形態と同じで
ある。

【００６３】本実施の形態では、図１１に示すように、
例えば気管支分岐部近傍のリンパ節５２を超音波観察す
る場合、二又バルーン５１を気管支の分岐に配置し、超
音波プローブ２を二又に分かれている一方のバルーン先
端のいずれかに突出させ、最初の超音波検査を行う。引
き続き他方のバルーン先端へ超音波プローブ２のみを入
れ換えて、再度、超音波検査を行う。

【００６４】このようにバルーンシース３の抜き差しを
行うことなく、分岐部病変に対する所望な方向からの超
音波検査を行うことができる。

【００６５】なお、二又バルーン５１の断面形状をほぼ
半円にするなど、異型に成型しても良いことは言うまで
もない。

【００６６】その他の作用・効果は第１の実施の形態と
同じである。

【００６７】図１２は本発明の第５の実施の形態に係る
バルーン式超音波プローブ装置の先端側の構成を示す構
成図である。

【００６８】第５の実施の形態は、第１の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。

【００６９】本実施の形態においては、図１２に示すよ
うに、バルーン３２を拡張部３１の前方に突起部６１を
設けて構成している。

【００７０】その他の構成は第１の実施の形態と同じで
ある。

【００７１】本実施の形態では、超音波プローブ２を挿
通したバルーンシース３を気管支や膵胆管等の細径部へ
挿入する場合、突起部６１がガイドとなって、特に分岐
している気管支では選択的にかつスムーズに挿入するこ
とが可能となる。

【００７２】ここで、先端の突起部６１をバルーン３２
内部と連通させて、シリンジ２２による滅菌水注入時に
突起状をなすようにしても良いし、はじめから充実のあ
る程度硬さを持たせたものでも良い。

【００７３】その他の作用・効果は第１の実施の形態と
同じである。

【００７４】［付記］ （付記項１） 先端に超音波送受信部を有する超音波プ
ローブと、前記超音波プローブを内部に挿通可能で、先
端側が袋状に閉じ基端側に開口部を有し、体腔内に挿入
し患部を観察する内視鏡の鉗子口より挿入し先端が前記
内視鏡の先端より突出した際、前記開口部が前記鉗子口
外に位置する長さを有する水密で非弾性変形な部材から
なるバルーンシースと、前記超音波プローブの基端部と
前記バルーンシースの前記開口部とを水密に固定する固
定部材とを備えたことを特徴とするバルーン式超音波プ
ローブ装置。

【００７５】（付記項２） 先端に超音波送受信部を有
する超音波プローブと、前記超音波プローブを内部に挿
通可能で、先端側が袋状に閉じ基端側に開口部を有し、
体腔内に挿入し患部を観察する内視鏡の鉗子口より挿入
し先端が前記内視鏡の先端より突出した際、前記開口部
が前記鉗子口外に位置する長さを有する水密で非弾性変
形な部材からなるバルーンシースと、前記超音波プロー
ブの基端部と前記バルーンシースの前記開口部とを水密
かつ前記超音波プローブの長手軸方向に移動可能に固定
する固定部材とを備えたことを特徴とするバルーン式超
音波プローブ装置。

【００７６】（付記項３） 前記固定部材は、前記内視
鏡の前記鉗子口に着脱自在に装着される鉗子口装着手段
を有することを特徴とする付記項２に記載のバルーン式
超音波プローブ装置。

【００７７】（付記項４） 前記バルーンシースを構成
する水密で非弾性変形な部材は、ポリエチレン、セルロ
ースプラスチック、エチレン−α−オレフィン共重合
体、フッ素樹脂（ＰＴＦＥ、ＰＦＥ、ＰＦＡ、ＦＥＰ
等）、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、ま
たはこれらの複合体のいずれかであることを特徴とする
付記項１、２または３のいずれか１つに記載のバルーン
式超音波プローブ装置。

【００７８】（付記項５） 前記バルーンシースを構成
する水密で非弾性変形な部材にＸ線造影剤を混入するこ
とを特徴とする付記項４に記載のバルーン式超音波プロ
ーブ装置。

【００７９】（付記項６） 前記バルーンシースの先端
部分の形状を円柱状としたことを特徴とする付記項１、
２、３、４または５のいずれか１つに記載のバルーン式
超音波プローブ装置。

【００８０】（付記項７） 前記バルーンシースの先端
部分の断面形状を円以外の形状としたことを特徴とする
付記項１、２、３、４または５のいずれか１つに記載の
バルーン式超音波プローブ装置。

【００８１】（付記項８） 前記バルーンシースの先端
部分を少なくとも２つに分岐させたことを特徴とする付
記項１、２、３、４、５、６または７のいずれか１つに
記載のバルーン式超音波プローブ装置。

【００８２】（付記項９） 前記バルーンシースの先端
部分にガイド状の突起部を設けたことを特徴とする付記
項１、２、３、４、５、６、７または８のいずれか１つ
に記載のバルーン式超音波プローブ装置。

【００８３】（付記項１０） 前記バルーンシースを覆
う外径部を備えたことを特徴とする付記項１、２、３、
４、５、６、７、８または９のいずれか１つに記載のバ
ルーン式超音波プローブ装置。

【００８４】（付記項１１） 前記バルーンシースの厚
さは、前記超音波プローブが送受信する超音波の波長の
１／１０以下であることを特徴とする付記項１、２、
３、４、５、６、７、８、９または１０のいずれか１つ
に記載のバルーン式超音波プローブ装置。

【００８５】（付記項１） 超音波を送受信するバル
ーン式超音波プローブ装置と、体腔内に挿入し患部を観
察すると共に、鉗子口より前記バルーン式超音波プロー
ブ装置を挿入する内視鏡と、前記バルーン式超音波プロ
ーブ装置からの超音波信号を信号処理する超音波信号処
理手段とを備えた内視鏡装置において、前記バルーン式
超音波プローブ装置は、先端に超音波送受信部を有する
超音波プローブと、前記超音波プローブを内部に挿通可
能で、先端側が袋状に閉じ基端側に開口部を有し、前記
鉗子口より挿入し先端が前記内視鏡の先端より突出した
際、前記開口部が前記鉗子口外に位置する長さを有する
水密で非弾性変形な部材からなるバルーンシースと、前
記超音波プローブの基端部と前記バルーンシースの前記
開口部とを水密に固定する固定部材とを備えて構成され
ることを特徴とする内視鏡装置。

【００８６】

【発明の効果】以上説明したように本発明のバルーン式
超音波プローブ装置によれば、内視鏡の鉗子口より挿入
し先端が内視鏡の先端より突出した際、開口部が鉗子口
外に位置する長さを有したバルーンシースに超音波伝達
媒体を充填させた場合、バルーンシースを水密で非弾性
変形な材質で構成しているので、必要以上に過膨張せ
ず、患部近傍を圧排することがなく、バルーンが破裂し
ても破片が飛散することを防止することができるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係るバルーン式超
音波プローブ装置による超音波検査を行うことのできる
内視鏡装置の構成を示す構成図

【図２】図１のバルーン式超音波プローブ装置の先端側
の構成を示す構成図

【図３】図１のバルーン式超音波プローブ装置の基端側
の構成を示す構成図

【図４】本発明の第２の実施の形態に係るバルーン式超
音波プローブ装置の調整アダプタの構成を示す構成図

【図５】図４の調整アダプタを備えたバルーン式超音波
プローブ装置の先端側の構成を示す構成図

【図６】図４のアダプタを備えたバルーン式超音波プロ
ーブ装置の作用を説明する第１の説明図

【図７】図４のアダプタを備えたバルーン式超音波プロ
ーブ装置の作用を説明する第２の説明図

【図８】本発明の第３の実施の形態に係るバルーン式超
音波プローブ装置の先端側の構成を示す構成図

【図９】図８のバルーン式超音波プローブ装置の作用を
説明する説明図

【図１０】本発明の第４の実施の形態に係るバルーン式
超音波プローブ装置の先端側の構成を示す構成図

【図１１】図１０のバルーン式超音波プローブ装置の作
用を説明する説明図

【図１２】本発明の第５の実施の形態に係るバルーン式
超音波プローブ装置の先端側の構成を示す構成図

【符号の説明】

１…バルーン式超音波プローブ装置 ２…超音波プローブ ２ａ…超音波振動子 ３…バルーンシース ４…固定部 ４ａ…コネクタ部 ５…プローブ駆動ユニット １１…内視鏡 １３…患者 １４…病変部 １６…信号ケーブル １７…キーボード １８…超音波観測装置 １９…モニタ ２０…ルアー口金 ２１…チューブ ２２…シリンジ ３１…拡張部 ３２…バルーン ３３…シース ３５…３方活栓

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端に超音波送受信部を有する超音波プ
   ローブと、 前記超音波プローブを内部に挿通可能で、先端側が袋状
   に閉じ基端側に開口部を有し、体腔内に挿入し患部を観
   察する内視鏡の鉗子口より挿入し先端が前記内視鏡の先
   端より突出した際、前記開口部が前記鉗子口外に位置す
   る長さを有する水密で非弾性変形な部材からなるバルー
   ンシースと、 前記超音波プローブの基端部と前記バルーンシースの前
   記開口部とを水密に固定する固定部材とを備えたことを
   特徴とするバルーン式超音波プローブ装置。