JPH10108853A - 人体用の立体変位センサー - Google Patents

人体用の立体変位センサー

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JPH10108853A
JPH10108853A JP8287677A JP28767796A JPH10108853A JP H10108853 A JPH10108853 A JP H10108853A JP 8287677 A JP8287677 A JP 8287677A JP 28767796 A JP28767796 A JP 28767796A JP H10108853 A JPH10108853 A JP H10108853A
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field coils
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界磁コイルの製作が容易にでき、しかもセン
サーコイルの位置を正確に検出できる人体用の立体変位
センサーを提供する。 【解決手段】 人体用の立体変位センサーは、人体の動
く部分に固定されるセンサーコイル5と、センサーコイ
ルに非接触に配設される3組の界磁コイル6と、界磁コ
イルで交流を励起する交流電源8と、交流で励起される
界磁コイルからセンサーコイルに誘導される信号を演算
してセンサーコイルの位置または姿勢を演算する演算手
段7とを備える。3組の界磁コイル6は、円形に巻かれ
て互いに対向する位置に配設されるコイルで構成され、
非磁性体の球面シェル1の表面に、互いに直交する姿勢
に配設されている。球面シェルの内部には、センサーコ
イルを配設している。界磁コイルを励起し、この界磁コ
イルからセンサーコイルに誘導される信号を演算して、
センサーコイルの位置または姿勢を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の動く部分、
たとえば顎や手等の動きを測定する装置に関し、特に、
人体の動く部分を立体的に高精度に測定できる装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】人体の動く部分である下顎の位置を検出
する装置は開発されている(特開昭53−89296号
公報)。この装置は、下顎に光源を固定し、光源の動き
を光センサーで受光して、顎の動きを測定するようにな
っている。この装置は、下顎歯茎に、前方に向けて光を
発する光源を装着する。光源の前方には、レンズを介し
て光センサーを配設する。光センサーからの信号を増幅
してXYレコーダとデータレコーダに記録する。
【0003】さらに、別の顎運動測定装置として、下顎
の動きを、顎の前方に取り付けた3個のポテンシオメー
タで検出する装置も提案されている(実開昭54−34
290号公報)。この装置は、患者の頭部にフレームを
固定し、3個のポテンシオメータでもって下顎の前後、
左右、上下の運動を検出している。
【0004】下顎歯茎に光源を固定する装置は、光の受
光位置に無数のCCDやフォトトランジスタ等の受光セ
ンサーを配設し、この受光センサーで受光位置を検出し
ている。下顎が上下左右に運動すると、光源がこれと一
緒に運動して、光の照射方向が変化する。光を受光セン
サーで受けることで、顎の運動を測定している。この装
置は、下顎が運動すると光の照射方向が大幅に変化す
る。したがって、原理的に、CCD等の受光センサーの
数が著しく増加し、または、大きなレンズを必要として
高価になる欠点がある。
【0005】また、光を前に照射して、前方に設けられ
た受光センサーで検出する装置は、顎が運動すると光の
照射位置と照射方向の両方が変わるため、受光センサー
の出力信号で顎の動きを特定する演算処理が難しく、演
算処理回路も複雑になる欠点があった。
【0006】さらに、ポテンシオメータを使用する下顎
運動測定装置は、顎の上下、前後、左右の動きを、前方
に配設されたポテンシオメータに伝達するので、下顎と
上顎との相対運動距離に対するポテンシオメータの移動
範囲が大きく、測定範囲が広いセンサーを使用する必要
があった。
【0007】本発明者は、これ等の欠点を除去すること
を目的に、界磁コイルからセンサーコイルに交流を誘導
して人体の動く部分の立体位置を検出する装置を開発し
た(特公平5−51293号公報)。この装置は、図1
に示すように、上顎と下顎の相対位置を検出するため
に、下顎にセンサーコイル5を、上顎に界磁コイル6を
装着する。界磁コイル6はX軸、Y軸、Z軸の位置を検
出するために、図2〜図4に示すように、3組設けてい
る。互いに対向して配設される界磁コイル6は、一方を
サイン波で、他方をコサイン波で励起する。すなわち、
一対をなす各組の界磁コイル6は90度の位相差のある
交流で励起される。センサーコイル5がサイン波で励起
される界磁コイル6に接近すると、センサーコイル5に
誘導される交流はサイン波に近くなり、コサイン波で励
起される界磁コイル6に接近すると、コサイン波に近く
なる。このため、センサーコイル5に誘導される交流の
位相を検出して、位置を検出できる。
【0008】センサーコイル5のX、Y、Z位置を順番
に検出するために、3組の界磁コイル6は一定の周期で
切り換えられ、あるいは、3組の界磁コイル6を異なる
周波数で励起する。一定の周期で切り換える装置は、X
位置を検出した後にY位置を検出し、Y位置を検出した
後にZ位置を検出する。このようにして、一定の周期で
X、Y、Z位置を順番に検出する。3組の界磁コイル6
を異なる周波数で励起する装置は、センサーコイル5に
誘導される信号をバンドパスフィルターで選別して、
X、Y、Z位置を検出できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】界磁コイルからセンサ
ーコイルに誘導される交流の位相を検出して、立体位置
を検出する装置は、光やポテンシオメーターを使用する
装置に比較すると、人体の動く部分の位置を正確に検出
できる特長がある。しかしながら、この装置は界磁コイ
ルの製作が難しく、この製作コストが高くなる欠点があ
る。界磁コイルが正確に製作できないと、センサーコイ
ルの位置を正確に検出できなくなる。界磁コイルの寸法
誤差が、センサーコイルの測定誤差の原因となるからで
ある。
【0010】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、界
磁コイルを簡単かつ容易に製作して、センサーコイルの
位置を正確に検出できる人体用の立体変位センサーを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の人体用の立体変
位センサーは、前述の目的を達成するために下記の構成
を備える。人体用の立体変位センサーは、人体の動く部
分に固定されるセンサーコイル5と、このセンサーコイ
ル5に非接触に配設される3組の界磁コイル6と、この
界磁コイル6で交流を励起する交流電源8と、交流で励
起される界磁コイル6からセンサーコイル5に誘導され
る信号を演算してセンサーコイル5の位置または姿勢を
演算する演算手段7とを備える。
【0012】さらに、本発明の人体用の立体変位センサ
ーは、各組の界磁コイル6を、円形に巻かれて互いに対
向する位置に配設されるコイルで構成している。3組の
界磁コイル6は、非磁性体の球面シェル1の表面に、互
いに直交する姿勢に配設されている。球面シェル1の内
部には、センサーコイル5を配設している。界磁コイル
6を励起し、この界磁コイル6からセンサーコイル5に
誘導される信号を演算して、センサーコイル5の位置ま
たは姿勢を検出する。
【0013】本発明の人体用の立体変位センサーは、3
組の界磁コイル6を、非磁性体である球面シェル1の表
面に、互いに直角に配設している。界磁コイル6は、球
面シェル1の外側表面に、あるいは内側表面に沿って配
設される。この構造の界磁コイル6は、円形に巻かれた
コイルを、球面シェル1の表面に沿って移動させて、正
確な位置に配設できる。3組の界磁コイル6となる6個
のコイルは、同じ形状のものを製作し、これを球面シェ
ル1の表面に沿って移動させて、正確な位置に配設でき
る。このため、界磁コイル6を簡単に製作できると共
に、正確な位置に容易に配設できる。
【0014】センサーコイル5が、一対の界磁コイル6
に対する位置を検出する一つの動作原理は下記の通りで
ある。図5において、界磁コイル6BをEcosω1t
の交流で励磁し、手前の界磁コイル6AをEsinω1
tの交流で励磁するとき、すなわち、両界磁コイル6
A、6Bを、位相差が90度で同一周波数の交流で励磁
すると、センサーコイル5が両界磁コイル6の中央に位
置するとき、センサーコイル5には、両界磁コイル6
A、6Bの中間の位相の交流、すなわちcos(ω1t
+π/4)の交流が誘導される。
【0015】センサーコイル5が中央から矢印Aの方向
に移動する程、センサーコイル5に誘導される交流の位
相は、sinω1tに近付き、中央から矢印Bの方向に
移動する程、cosω1tの交流に近付く。したがっ
て、センサーコイル5に誘導される交流の位相を検出し
て、センサーコイル5のX軸方向の位置が測定できる。
ただし、センサーコイル5に誘導される交流の位相と、
X軸方向の変位量は、両界磁コイル6A、6Bの中間す
べての領域にわたって直線的に変化するものでない。し
たがって、検出された位相から変位量を補正する。
【0016】球面シェル1には、互いに直角に3組の界
磁コイル6を配設しているので、各組の界磁コイル6を
異なる周波数で励起して、各界磁コイル6に対する位置
をセンサーコイル5で検出できる。センサーコイル5
は、1個のコイルでもよいが、誘導される電圧を大きく
するためには、3組のコイルを界磁コイル6と同じ方向
に配設する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態
は、本発明の技術思想を具体化するための人体用の立体
変位センサーを例示するものであって、本発明は人体用
の立体変位センサーを下記のものに特定しない。
【0018】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応す
る番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解
決するための手段の欄」に示される部材に付記してい
る。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形
態の部材に特定するものでは決してない。
【0019】以下、人体用の立体変位センサーを上下の
顎の相対位置を検出する装置に使用した具体例を示す。
ただ、本発明の立体変位センサーは、顎の変位のみでな
く、手や頭等の動きを検出することもできるのは言うま
でもない。
【0020】顎の動きを検出する立体変位センサーは、
上顎に対する下顎の動きを検出する。立体変位センサー
は、下顎に連結されるセンサーコイル5と、このセンサ
ーコイル5に非接触に配設される3組の界磁コイル6
と、この界磁コイル6を交流で励起する交流電源と、交
流で励起される界磁コイル6からセンサーコイル5に誘
導される信号を演算してセンサーコイル5の位置または
姿勢を演算する演算手段7とを備える。
【0021】3組の界磁コイル6は、円形に巻かれたコ
イルを互いに対向する位置に配設している。3組の界磁
コイル6は、非磁性体の球面シェル1の表面に、互いに
直交する姿勢で配設されている。球面シェル1の内部に
は、センサーコイル5を配設している。界磁コイル6か
らセンサーコイル5に誘導される信号を演算して、セン
サーコイル5の位置と姿勢を検出する。
【0022】図6に示す立体変位センサーは、頭蓋を球
面シェル1に連結している。球面シェル1は、頭蓋を定
位置に連結するために、頭蓋を入れて定位置に連結する
ためのキャップ2を固定している。球面シェル1には、
界磁コイル6を固定しているので、頭蓋を球面シェル1
に連結すると、上顎が界磁コイル6の定位置に連結され
る。
【0023】センサーコイル5は、下顎に剛体結合した
取付部材4に連結される。取付部材4は、両端と先端の
互いに離れた3標点にセンサーコイル5を連結してい
る。センサーコイル5で、取付部材4の3標点の位置と
姿勢が演算されると、下顎の上顎に対する相対位置は立
体的に計算できる。この図の立体変位センサーは、球面
シェル1に対する3個のセンサーコイル5の位置を検出
して、上顎に対する下顎の動き、すなわち、顎運動を計
測する。
【0024】図の装置は、上顎を球面シェル1の特定の
位置に連結しているが、上顎は必ずしも球面シェル1に
連結する必要はない。図示しないが、上顎と下顎の両方
に複数のセンサーコイルを連結し、上顎および下顎の界
磁コイルに対する相対位置を検出して、下顎の上顎に対
する相対的な動きを検出することもできる。
【0025】センサーコイル5は、種々の用途に市販さ
れているコアー入りの小形チョークコイルが使用でき
る。センサーコイル5は、好ましくは、3組のチョーク
コイルを、互いに直角に連結したものを使用する。それ
ぞれのチョークコイルは、その中心線を、各組の界磁コ
イル6と平行とする姿勢に配設する。界磁コイル6と平
行に配設されるチョークコイルは、界磁コイル6から効
率よく信号が誘導される。下顎が動くと、チョークコイ
ルは、界磁コイル6に対して傾斜する。チョークコイル
が界磁コイル6に対して傾斜すると、チョークコイルに
誘導される交流の振幅は小さくなる。このため、チョー
クコイルに誘導される交流の振幅を検出して、界磁コイ
ル6に対する傾斜角を検出することもできる。
【0026】界磁コイル6は、センサーコイル5の、
X、Y、Z軸方向の変位を検出するために3組設けられ
る。界磁コイル6A、6B、6C、6D、6E、6F
は、図6に示すように、球面シェル1の表面に配設され
ている。球面シェル1は、界磁コイル6を定位置に配設
するための芯材である。球面シェル1は、界磁コイル6
が発生する磁界を乱さないように、プラスチック等の非
磁性体で成形される。
【0027】球面シェル1は、界磁コイル6を配設する
ためのものであるから、界磁コイル6の無い部分は除去
できる。図6の球面シェル1は、下方を開口している。
球面シェル1の下方から内部に人体を挿入して、下顎の
動きを検出している。図示しないが、球面シェルの前方
を開口して、球面シェルに挿入した人体の状態を確認す
ることもできる。さらに、図示しないが、球面シェル
は、人体全体が入ることのできる大きさとすることもで
きる。人体全体が入ることのできる球面シェルは、上顎
と下顎にそれぞれ複数のセンサーコイルを固定して、人
体を球面シェルに固定せず、また、人体が球面シェルの
内部で移動できるようにして、下顎の上顎に対する動き
を検出できる。
【0028】球面シェル1の表面に固定される一対の界
磁コイル6Aと6B、6Cと6D、6Eと6Fは、互い
に対向する位置に配設されている。界磁コイル6は円形
に巻かれたコイルで、球面シェル1の外側、あるいは内
側に固定される。界磁コイル6は、好ましくは、ヘルム
ホルツ・コイルと同じ構造に設計される。すなわち、一
対の界磁コイル6は、各々の円形コイルの半径を、両コ
イル間の間隔に等しくする。球面シェル1の外表面の半
径をrとするとき、界磁コイル6を円形に巻く半径は
0.894rとする。この半径に巻いた円形コイルは、
球面シェル1の外側に沿わせると、ヘルムホルツ・コイ
ルと同じように、半径に等しい間隔に配設される。球面
シェル1の定位置に配設される界磁コイル6は、接続剤
で固定し、あるいは、非磁性体の連結具で球面シェル1
に固定する。
【0029】ヘルムホルツ・コイルと同じ構造の界磁コ
イル6は、一対の界磁コイル6の間隔が広すぎず、ま
た、狭すぎることもなく、その内部に配設されるセンサ
ーコイル5の位置を正確に演算できる特長がある。一対
の界磁コイル6の間隔が広すぎると、界磁コイル6の間
の磁界が弱くなり、反対に間隔が接近しすぎるとセンサ
ーコイルの位置を正確に検出できなくなる。また、界磁
コイル6の間に人体の一部を入れるのも難しくなる。
【0030】界磁コイル6は、球面シェル1の外側でな
く、内側に沿わせて固定することもできる。球面シェル
1の内側に界磁コイル6を配設する装置は、球面シェル
1の内径をrとして、界磁コイル6の巻き径を0.89
4rとする。この界磁コイル6も、球面シェル1の内面
に沿わせて定位置に配設した状態で、接続し、あるいは
非磁性体の連結具で定位置に固定する。
【0031】一対をなす界磁コイル6は交流電源8に接
続されて、互いに位相差が90度である交流で励起され
る。界磁コイル6を励起する交流電源8は、3組の界磁
コイル6を異なる周波数で同時に励起する発振手段を内
蔵する。図に示す立体変位センサーは、X、Y、Z方向
の位置を検出するために3組の界磁コイル6を備えてい
る。
【0032】X、Y、Z方向の位置を検出するために、
3組の界磁コイル6は異なる周波数で励起される。た
だ、同じ組である一対をなす界磁コイル6は、位相が異
なり、周波数を同一とする交流で励起される。一対をな
す界磁コイル6を同一周波数で異なる位相差とする立体
変位センサーは、3組のセンサーコイル5に誘導される
交流の位相差で位置を検出できる。
【0033】交流電源8は、X方向の位置を検出する界
磁コイル6A、Bを、角速度ω1の周波数で、Y軸方向
の位置を検出する界磁コイル6C、Dを角速度ω2の周
波数で、Z方向の位置を検出する界磁コイル6E、Fを
角速度ω3の周波数で励起する発振手段を内蔵する。さ
らに、交流電源8は、互いに対向して配設される一対を
なす界磁コイル6を、90度位相差のある交流で励起す
るために、角速度がω1、ω2、ω3で、位相が90度異
なる、サイン波とコサイン波とを発生する。
【0034】交流電源8は、複数の発振回路で周波数の
異なる交流を発生させることもできるが、マイクロコン
ピュータとD/Aコンバータとを使用して、位相差が9
0度で、周波数が異なるサイン波とコサイン波とを発生
させることもできる。この交流電源8は、マイクロコン
ピュータでデジタル量のサイン波とコサイン波とを作
り、これをD/Aコンバータでアナログ量に変換する。
【0035】演算手段7は、3組のセンサーコイル5に
誘導される交流をフィルター手段9で周波数別に選択
し、特定周波数の位相と振幅を検出して、センサーコイ
ル5の位置を演算する。図7に示す演算手段7は、界磁
コイル6とセンサーコイル5から入力される信号から、
特定周波数の交流を選別して取り出すフィルター手段9
であるアナログフィルターと、アナログフィルターから
出力される交流を矩形波に整形する波形整形回路10
と、この波形整形回路10の出力を比較するエクスクル
ーシブオア回路11と、このエクスクルーシブオア回路
11の出力パルスの時間幅を測定して位相差を検出する
カウンター12を備える。
【0036】アナログフィルターは、界磁コイル6を励
磁し、センサーコイル5に誘導される周波数の信号のみ
を通過させるバンドパスフィルターである。図6に示す
演算手段7は、X、Y、Z軸方向の位置を検出するため
に、3組のアナログフィルターを備える。X軸方向の位
置を検出するためのアナログフィルターは、角速度ω1
の周波数成分のみを通過させる。Y軸方向、Z軸方向を
検出するためのアナログフィルターは、角速度がω2、
ω3である周波数成分のみを通過させる。
【0037】センサーコイル5には界磁コイル6を励磁
する周波数の信号が誘導されるので、界磁コイル6とセ
ンサーコイル5に接続される一対をなすアナログフィル
ターは、同じ周波数の信号を通過させるバンドパスフィ
ルターである。アナログフィルターは、一般的に、入力
側と出力側とで位相がずれる特性を有する。図7に示す
演算手段7は、界磁コイル6とセンサーコイル5の信号
の位相差を検出して位置を検出する。アナログフィルタ
ーを通過するときにできる信号の位相差は、位置を検出
する誤差の原因となる。位相差による誤差を解消するた
めに、界磁コイル6とセンサーコイル5とに接続される
二つのアナログフィルターは、通過する信号の位相差を
同じに調整する。両方のアナログフィルターで位相差が
発生しても、同じように位相がずれると、その界磁コイ
ル6とセンサーコイル5の信号の位相差は同じとなるか
らである。
【0038】波形整形回路10は、アナログフィルター
を通過した信号が入力される。波形整形回路10は二つ
あり、一方には界磁コイル6を励磁するサイン波、又は
コサイン波いずれかの交流を加え、他方の波形整形回路
10には、センサーコイル5に誘導された交流を加える
(図8の(1)、(2)の入力波形)。波形整形回路1
0は、入力される信号を、図8の(3)、(4)で示す
矩形波に整形する。
【0039】エクスクルーシブオア回路11は、両入力
信号の位相差成分を取り、図8の(5)に示すように、
位相差に相当するパルス幅tの信号を出力する。出力信
号のパルス幅tがカウンター12で測定され、カウンタ
ー12の出力が位相差を表示する。
【0040】いま仮に、波形整形回路10の一方に、サ
イン波を入力し、この状態で、センサーコイル5がサイ
ン波で励磁される一方の界磁コイル6に接近すると、セ
ンサーコイル5に誘導される交流の位相は、図8の
(2)の矢印で示す方向に位相がずれてサイン波に近付
き、波形整形回路10の出力信号の位相差が少なくな
る。したがって、エクスクルーシブオア回路11の出力
信号のパルス幅tは短く、カウンター12の計測値は低
くなる。反対に、センサーコイル5がサイン波で励磁さ
れる界磁コイル6から離れ、コサイン波で励磁される界
磁コイル6に近付くと、センサーコイル5に誘導される
交流は、サイン波から位相のずれが大きくなり、エクス
クルーシブオア回路11の出力パルス幅が広く、カウン
ター12の計測値が高くなる。
【0041】すでに述べたようにカウンターの計測値
は、図9に示すように、X、Y、Z軸の変位量に対し
て、直線的に変化しない。したがって、図9に示す特性
曲線をコンピュータに記憶させ、これに基づいて、検出
した位相差から移動位置を演算して、正確に位置を検出
できる。
【0042】以上の実施の形態は、界磁コイル6を位相
差90度の交流で励磁したが、位相差は必ずしも90度
にする必要はなく、両界磁コイル6に流す交流に位相差
がある限り使用できる。ただし、界磁コイル6の位相差
が少ないと、測定精度が低下する。
【0043】図7に示す演算手段7は、アナログフィル
ターで検出した信号を周波数別に選別している。ただ
し、本発明の立体変位センサーは、演算手段7を図7に
示す回路に特定しない。演算手段7にはマイクロコンピ
ュータを使用することもできる。マイクロコンピュータ
は、センサーコイル5に誘導される信号を内蔵するA/
Dコンバータでデジタル量に変換し、これを演算してセ
ンサーコイル5のX、Y、Z軸の位置を計算できる。マ
イクロコンピュータは、センサーコイル5に誘導される
信号を、FFT等の数学的な手法を用いてフーリエ級数
に展開し、フーリエ級数から角周波数成分の位相のずれ
を求めてセンサーコイル5のX、Y、Z軸方向の位置を
計算する。マイクロコンピュータを使用した演算手段7
は、アナログフィルターのような調整を必要とせず、安
価に多量生産できる。
【0044】図6に示す人体用の立体変位センサーは、
3組の界磁コイル6を、それぞれ異なる周波数で同時に
励起する。すなわち、界磁コイル6Aと6Bを角速度ω
1の交流で、界磁コイル6Cと6Dを角速度ω2の交流
で、界磁コイル6Eと6Fを角速度ω3の交流で励起す
る。ただ、本発明の人体用の立体変位センサーは、図1
0に示すように、界磁コイル6A、6B、6C、6D、
6E、6Fを、角速度ω1、ω2、ω3の3つの周波数を
含む交流で励起して、複数組の界磁コイルを異なる周波
数で同時に励起することもできる。演算手段7のフィル
ター手段9が、各界磁コイル6の交流を周波数別に選別
して位置を演算できるからである。ただし、界磁コイル
6A、6C、6Eを励起する交流と、界磁コイル6B、
6D、6Fを励起する交流とは、位相差のある交流を使
用する。このように、複数の界磁コイルを同じ信号で励
起する人体用の立体変位センサーは、回路を簡素化でき
る特長がある。
【0045】
【発明の効果】本発明の人体用の立体変位センサーは、
界磁コイルを簡単かつ容易に製作して、センサーコイル
の位置を正確に検出できる特長がある。それは、本発明
の装置が、3組の界磁コイルを、非磁性体の球面シェル
の表面に配設して、球面シェルの内部にセンサーコイル
を配設しているからである。この構造の立体変位センサ
ーは、3組の界磁コイルの構造を同じ円形とすることも
可能であるために、界磁コイルを能率よく生産できる。
更に、界磁コイルは円形に巻いたコイルであって、その
構造も簡単であるために、安価に多量生産できる。さら
にまた、円形の界磁コイルは球面シェルの表面に沿わせ
て、正確な位置に簡単に配設できる。
【0046】さらに、本発明の立体変位センサーは、円
形に巻いた3組の界磁コイルを、互いに直交する姿勢に
球面シェルの表面に固定している。この構造の界磁コイ
ルは、それぞれの界磁コイルの中心に、コイルのない部
分ができる。球面シェルは、コイルのない部分を除去す
ることができる。このため、図6に示すように、球面シ
ェルの下方を開口して、ここから人体を挿入できる。こ
のことは、界磁コイルが固定されるひとつの球面シェル
を使用して、いいかえると、図1に示す従来の装置のよ
うに、複数組の立体変位センサーを使用することなく、
人体の動きを立体的に正確に検出できる特長を実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の人体用の立体変位センサーの使用状態の
一例を示す斜視図
【図2】図1に示す立体変位センサーのX軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図3】図1に示す立体変位センサーのY軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図4】図1に示す立体変位センサーのZ軸方向の位置
を検出する界磁コイルとセンサーコイルを示す斜視図
【図5】本発明の立体変位センサーがセンサーコイルの
位置を検出する動作原理を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態にかかる立体変位センサー
の概略斜視図
【図7】本発明の実施の形態にかかる立体変位センサー
の演算手段と交流電源の回路図
【図8】図6に示す演算手段の各点の波形を示すグラフ
【図9】センサーコイルに誘導される信号の位相差と変
位量の関係を示すグラフ
【図10】本発明の他の実施の形態にかかる立体変位セ
ンサーの演算手段と交流電源の回路図
【符号の説明】
1…球面シェル 2…キャップ 4…取付部材 5…センサーコイル 6…界磁コイル 6A…界磁コイル
6B…界磁コイル 6C…界磁コイル 6D…界磁コイル 6E…界磁コイル 6F…界磁コイル 7…演算手段 8…交流電源 9…フィルター手段 10…波形整形回路 11…エクスクルーシブオア回路 12…カウンター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の動く部分に固定されるセンサーコ
    イル(5)と、このセンサーコイル(5)に非接触に配設され
    る3組の界磁コイル(6)と、この界磁コイル(6)を交流で
    励起する交流電源(8)と、交流で励起される界磁コイル
    (6)からセンサーコイル(5)に誘導される信号を演算して
    センサーコイル(5)の位置または姿勢を演算する演算手
    段(7)とを備える人体用の立体変位センサーにおいて、 3組の界磁コイル(6)は、円形に巻かれたコイルを互い
    に対向する位置に平行に配設しており、3組の界磁コイ
    ル(6)は、非磁性体の球面シェル(1)の表面に、互いに直
    交する姿勢に配設されており、この球面シェル(1)の内
    部にはセンサーコイル(5)が配設されており、界磁コイ
    ル(6)からセンサーコイル(5)に誘導される信号を演算し
    て、センサーコイル(5)の位置または姿勢を検出するよ
    うに構成されてなることを特徴とする人体用の立体変位
    センサー。
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