JP4875110B2 - 空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置 - Google Patents

空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置に関し、より詳細には、交流磁場を利用して連続的に測定ができ、また、周波数の設定の自由度が大きく、さらに、構成が簡単な空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置に関する。
近年、情報端末の位置や姿勢を検出する空間情報検出システムのニーズが高まってきている。例えば、モーションキャプチャにおけるヘッドマウントディスプレイのような可動体の向きを検出するための空間情報検出システムや、医療機器の分野において、挿入型の内視鏡やカプセル内視鏡のように目視できない場所にある情報端末の方向を計測する空間情報検出システムなどが挙げられる。
これら情報端末の位置や姿勢を検出する空間情報検出方法として、交流磁場を利用する方法がある。そのとき、交流磁場の発生する向きと測定に利用される磁気センサの向きが問題となる。例えば、磁気センサに磁場が入射してくると出力信号が増大する方向(以下、磁気センサの正方向という)が、交流磁場の正方向と同方向である場合に測定する交流信号と、磁気センサの正方向が交流磁場の正方向と反対の向きである場合に測定する交流信号は、見かけ上は区別ができない。
図31A及び図31Bは、磁気センサの正方向が正弦波状の交流磁場の入射方向に対して同方向の場合(図31A)と反対方向の場合(図31B)に測定された出力信号の様子を示す図である。図31A及び図31B共に、出力信号は正弦波となり、半波長分ずれた状態であるだけで、信号を適当な瞬間から連続的に取得している場合には交流磁場がどちらの方向から入射してきたか区別できない。従って、信号強度(振幅)だけを検出しても磁気センサの向きを判断し、振幅について正負の符号を持たせることはできない(符号とは、図31Aのように磁気センサの正方向が交流磁場の入射方向と同じであれば正の符号(+)、図31Bのように磁気センサの正方向が交流磁場の入射方向と反対であれば負の符号(−)と定義する)。すなわち、振幅の符号を手がかりに、磁気センサの向きを判断できない。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1では、発生コイルから正弦波Aと正弦波Bを重ね合わせた磁場を発生させ、受信コイルで磁場を計測し、正弦波Aと正弦波Bを周波数帯域ごとに分離し、それぞれの信号を同期して比較することで発生コイルが磁場を出力した方向と受信コイルの向きとを判断していた。
また、カプセル内視鏡の開発では、例えば、非特許文献1のように、発生コイルでの交流磁場の発生に同期させて、受信コイルで磁場を検出し、FFT(Fast fourier Transform;高速フーリエ変換)演算を施すことによって各周波数の信号強度(振幅)を検出し、また、信号検出時からFFT演算を施すまでのデータから位相を算出し、同じ時間を基準とすると磁気センサの向きと磁場の向きが同方向と反対方向の場合で位相がπずれていることから、検出した交流磁場の振幅の符号を決定していた。
特開平号公報 特開平号公報 特開2006−214979号公報 特開2004−184341号公報 特開平11−73600号公報 特開2003−65791号公報 特開平8−278137号公報 WO2004/003476
生体医工学 41−4,239/249(2003)
しかしながら、上述した特許文献1に記載された方法では、正弦波Aが正出力を行っている場合に同期して間欠的に正弦波Bを重ね合わせるという複雑な構成が必要である。また、受信コイルごとにそれぞれの周波数を分離するための帯域の決まったフィルタが必要であり、さらに正弦波Aと正弦波Bに利用する周波数が10倍以上異なっている必要もあり、周波数の設定の自由度が低いという問題があった。また、システム構成として、発生コイルが動く構成となっており、磁場を発生させるための電源を情報端末へ搭載せねばならず、最近の情報端末に必須な小型化と省電力を図りにくいという問題があった。
また、上述した非特許文献1に記載された方法では、同じ時間からの位相を検出するために、交流磁場の発生と同期して信号を測定しなければならず、そのためのトリガ(同期信号)を必要とし、連続的な測定を行うことが難しいという問題があった。
その他、交流信号を利用した空間情報検出装置については、例えば、特許文献2のような音波の方向や、特許文献3のような一定間隔に置かれたコイルからの交流磁場を受けて車両の幅方向の位置を検出するような技術も見受けられる。この特許文献2では、別の位置にある2つの素子が受信した波形の位相差から方向を検出し、特許文献3は別の位置にある2つの素子が受信した波形の振幅から幅方向の位置を検出するものであるが、どちらも検出方向の範囲が限られており、最近の情報端末の要求する360度の方向を検出するのには適していなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、交流磁場を利用して連続的に測定ができ、また、周波数の設定の自由度が大きく、さらに、構成が簡単な空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、本発明の請求項1に記載の空間情報検出システムは、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を発生する磁場発生部と、該磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部と、該磁場検出部の各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、該符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出部とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部と、該姿勢検出部の出力信号と前記磁場ベクトル算出部の出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出部とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記磁場検出部が、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力信号と、前記直流磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場発生部からの交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記直流磁場は、地磁気であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記磁場発生部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場を少なくとも1つ発生させることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記不均一磁場が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁場発生部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを発生させ、前記磁場検出部が、前記均一磁場と、前記不均一磁場とを検出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場および前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出するとともに、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出部を有することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部を備え、前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記磁場検出部が、前記均一磁場と前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出部が、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記直流磁場は、地磁気であることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項7乃至10のいずれかに記載の発明において、前記不均一磁場は、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場であることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11のいずれかに記載の発明において、前記磁場発生部は、前記均一磁場と、前記不均一磁場とを重ね合わせて発生させるコイルを有することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の発明において、前記複数の周波数成分の整数比が、偶数対奇数であることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記整数比が、2対1であることを特徴とする。
また、本発明の請求項15に記載の空間情報検出方法は、多軸の磁気センサを有する磁場検出部を用いて、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を検出する磁場検出ステップと、該磁場検出ステップからの各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換ステップと、該フーリエ変換ステップからの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、該符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出ステップとを有することを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、前記姿勢検出ステップの出力信号と前記磁場ベクトル算出ステップの出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出ステップとを有することを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記磁場検出ステップが、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出し、前記フーリエ変換ステップは、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出ステップが、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出ステップが、前記姿勢検出ステップからの出力信号と、前記直流磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と前記交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記磁場検出ステップが、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを検出し、前記磁場ベクトル算出ステップが、前記フーリエ変換ステップからの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場に加え、前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出し、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出ステップを有することを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出ステップを有し、前記位置・姿勢算出ステップが、前記姿勢検出ステップからの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の発明において、前記磁場検出ステップが、前記均一磁場及び前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出し、前記フーリエ変換ステップは、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出ステップが、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出ステップが、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、本発明の請求項21に記載の空間情報検出装置は、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を発生する磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部と、該磁場検出部の各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、前記符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出部とを備えたことを特徴とする。
また、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部と、前記姿勢検出部の出力信号と前記磁場ベクトル算出部の出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出部とを備えたことを特徴とする。
また、請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の発明において、前記磁場検出部が、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力信号と、前記直流磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と前記交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項24に記載の発明は、請求項21に記載の発明において、前記磁場検出部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを発生させる磁場発生部から発生された磁場を検出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場に加え、前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出するとともに、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出部を備えることを特徴とする。
また、請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の発明において、前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部を備え、前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
また、請求項26に記載の発明は、請求項24に記載の発明において、前記磁場検出部が、前記均一磁場と前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、前記磁場ベクトル算出部が、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、前記位置・姿勢算出部が、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出することを特徴とする。
本発明によれば、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である磁場を発生する磁場発生部と、この磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部と、この磁場検出部の各軸の出力信号に基づいて、各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換部と、このフーリエ変換部からの出力信号に基づいて、各軸の複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、この符号と振幅から磁場の向きと大きさを表す磁場のベクトルを算出する磁場ベクトル算出部とを備えたので、交流磁場を利用して連続的に測定ができ、また、周波数の設定の自由度が大きく、さらに、構成が簡単な空間情報検出システムを提供することができる。また、同様に、その空間情報検出方法及び空間情報検出装置を提供することができる。
本発明の空間情報検出システムの実施形態1を示す全体構成図である。 本発明の空間情報検出システムにおける情報端末と磁場発生部のコイル座標系を示す図で、情報端末の座標系を示す図である。 本発明の空間情報検出システムにおける情報端末と磁場発生部のコイル座標系を示す図で、磁場発生部のコイルの座標系を示す図である。 本発明の空間情報検出システムにおける情報端末の方向と座標系との関係を示す図である。 本発明の空間情報検出システムにおける実施形態1の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。 磁気センサの向きと発生している交流磁場の向きの関係と、第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相関係を示す図である。 磁気センサの向きと発生している交流磁場の向きの関係と、第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相関係を示す他の図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 1Hzと2Hzのサイン波磁場を重ね合わせた磁場を、方位角センサを磁場と水平に30度ごと回転して測定したと仮定したシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態2の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態2の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 3Hzと8Hzの正弦波磁場を重ね合わせた磁場を、方位角センサを磁場と水平に30度ごと回転して測定したと仮定したシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の空間情報検出システムにおける実施形態3の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態3の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態3の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態4を示す全体構成図である。 情報端末の座標系についての説明図である。 本発明の空間情報検出システムにおける実施形態4の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。 位置検出用磁場Bpがなす磁場の向きに関して模式的に示す図である。 位置検出磁場発生コイルからの位置検出用磁場BpをZg軸上方から見た様子を示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態4の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態5を示す全体構成図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態6を示す全体構成図である。 勾配磁場発生機構についての説明図である。 勾配磁場発生機構についての説明図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態6の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態7を示す全体構成図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態7の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態8を示す全体構成図である。 本発明の空間情報検出システムにおける実施形態8の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態8の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態9の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態10を示す全体構成図である。 本発明の空間情報検出システムの実施形態10の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。 磁気センサの正方向が正弦波状の交流磁場の入射方向に対して同方向の場合に測定された出力信号の様子を示す図である。 磁気センサの正方向が正弦波状の交流磁場の入射方向に対して反対方向の場合に測定された出力信号の様子を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本発明において、空間情報とは姿勢、または位置の情報のことを意味している。姿勢とは、自由度の残った一部の姿勢であることもあるし、自由度の残っていない任意姿勢のこともある。
まず、一部の姿勢である方向の検出について以下に説明する。
この方向の検出については、発生磁場の周波数比1:2で3軸磁気センサを使用する場合(実施形態1)、発生磁場の周波数比M:Nで3軸磁気センサを使用する場合(実施形態2)、発生磁場の周波数比M:Nで2軸磁気センサを使用する場合(実施形態3)がある。これらの各実施形態について以下に説明する。実施形態1から3では、発生磁場は1つのコイルから発生する磁場として説明する。1つのコイルから発生する磁場はコイルの中心軸に対称に広がってゆくが、実施形態1から3では、1つの方向へ発生している磁場としてみなせる範囲で情報端末の方向を検出する方法を説明する。つまり、磁場の向きと大きさが一定とみなせる均一磁場として扱える領域、あるいはコイルの中心軸上、あるいは固定した位置に、情報端末があるとした状態での実施形態となっている。
[実施形態1]
<発生磁場の周波数比1:2で3軸磁気センサを使用する場合>
図1は、本発明の空間情報検出システムにおける実施形態1を示す全体構成図で、図中符号1は磁場発生部、1aは電源、1bはコイル、2は情報端末、20は磁場検出部、21は磁気センサ、3は演算部を示している。この実施形態1は、周波数比1:2で1つの磁場発生部を備え、磁場検出部20は、3軸の磁気センサ21を備えたものである。
本発明の空間情報検出システムは、磁場発生部1と、磁場検出部20と、フーリエ変換部(後述する図4の符号32)と、磁場ベクトル算出部(後述する図4の符号33)と、方向算出部(後述する図4の符号34)を有する演算部3とから構成されている。磁場検出部20は、方向を検出したい情報端末2に取り付けられているものである。
なお、情報端末2とは、利用者が何らかの情報を得ることのできる部分や部位を意味し、携帯電話,PDA(Personal Digital Assistant;パーソナルデジタルアシスタント),カプセル内視鏡,内視鏡,ゲーム機など多様なものを意味している。また、演算部3は、例えば、携帯電話,PDA,ゲーム機向け,あるいはカプセル内視鏡,内視鏡向けの計測器またはPC(Personal Computer;パーソナルコンピューター)内のCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)、DSP(Digital Signal Processor;デジタルシグナルプロセッサ),マイクロコンピューターなどに、メモリやハードディスクのような記憶装置や、外部との通信機能などを利用して構成する。
本発明の空間情報検出システムを構成する磁場発生部1は、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を発生するものである。図1に示すように、電源1aとコイル1bとからなり、電源1aは、周波数が異なる2つの交流電流(又は電圧)を重ね合わせて発生させることができ、その第1と第2の周波数の角周波数は、それぞれω、2ωである(最小の整数比として周波数比が1:2である)。そして、コイル1bに電源1aからの発生電流を印加することで磁場を発生することができる。発生した交流磁場の位相は、第1の周波数成分、第2の周波数成分ともに時間t=0において−π/2であるとする。すなわち、第1の周波数成分の磁場の位相Θ、第2の周波数成分の磁場の位相をΦとすると、
Θ=ωt−π/2 ・・・・(1)
Φ=2ωt−π/2 ・・・(2)
と表すことができるとする。
磁場検出部20は、図4にその具体的な構成が示されているが、磁場発生部1から発生された磁場を検出する3軸の磁気センサ21(図4のX軸磁気センサ21a,Y軸磁気センサ21b,Z軸磁気センサ21c)を搭載した方位角センサ20aを含んでおり、この方位角センサ20aは、互いに直交した面を向いた3軸の磁気センサ21a,21b,21cが搭載されている。この磁気センサは、例えば、ホール素子,MR素子,GMR素子,MI素子などの半導体型の磁気センサである。
演算部3は、図4にその具体的な構成が示されているが、フーリエ変換部32と、磁場ベクトル算出部33と、方向算出部34とを含んでおり、用途に応じ情報端末2に搭載されていてもされていなくてもよい。なお、図1においては情報端末2と演算部3の間に信号線が描かれているが、無線であってもよい。
フーリエ変換部32は、図4に基づいて後述するが、磁場検出部20の各軸の出力信号に基づいて、各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するものである。磁場ベクトル算出部33は、図4に基づいて後述するが、フーリエ変換部32からの出力信号に基づいて、各軸の複数の周波数成分の位相関係から各軸の振幅について符号を算出するとともに、各軸の符号と、複数の周波数成分の少なくともいずれか一つの周波数成分における振幅から磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出するものである。方向算出部34は、磁場ベクトル算出部33からの出力に基づいて情報端末2の向いている方向を算出するものである。
図2A及び図2Bは、本発明の空間情報検出システムにおける情報端末と磁場発生部のコイルの座標系を示す図で、図2Aは情報端末の座標系を、図2Bは磁場発生部のコイルの座標系を各々示す図である。
図2Aに示すように、情報端末2の長手方向をx軸、短手方向をy軸とし、x軸とy軸に垂直なz軸で、右手系の座標系xyz座標系(端末座標系)を定義する。また、情報端末2の方位角センサ20aが有する互いに直交な3軸の磁気センサ21a,21b,21cの方向は、xyz座標系を構成する各軸の方向と一致しているものとする。すなわち、x軸,y軸,z軸の磁気センサがあり、それぞれの出力の増大方向(正方向)がxyz座標系の各軸の正方向の向きである。
また、図2Bに示すように、コイル1bは、水平面に鉛直に設置されており、このコイル1bから発生する正の磁場の方向と一致するXg軸と、水平面(地平面)と鉛直な上方へ向かうZg軸と、水平面と平行な面をXg軸と構成するYg軸で、右手系の座標系XgYgZg座標系(絶対座標系)が構成されている。
図3は、本発明の空間情報検出システムにおける情報端末の方向と座標系との関係を示す図である。図3において、ある方向を向いた情報端末2のxyz座標系とXgYgZg座標系は原点以外一致していない。実施形態1の空間情報検出システムで検出する情報端末2の空間情報である方向データΨは、情報端末2のx軸、y軸をXgYg面へ座標変換した時のベクトルをそれぞれx’軸,y’軸とすると、x'軸と正の磁場の発生方向であるXg軸とのなす角で表される。(はじめに、x軸周りの回転を行い、y軸をy’軸へ、次にy’軸周りの回転を行い、x軸をx’軸へ移す。)なお、この図3におけるような方向データΨは方位角ともいう。なお、本発明の実施の形態1の空間情報検出システムで検出する方向データΨは、用途によっては方位角に限らず、情報端末2が検出した磁場の向きを表す磁場ベクトルとする場合もある。
図4は、本発明の空間情報検出システムにおける実施形態1の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。この空間情報検出装置は、磁場検出部20と演算部3とから構成され、この演算部3は、データ受信部31とフーリエ変換部32と磁場ベクトル算出部33と方向算出部34を備えている。磁場検出部20は、方位角センサ20aとデータ送信部26を備えている。
この方位角センサ20aは、x軸磁気センサ21aとy軸磁気センサ21bとz軸磁気センサ21cとの3軸の磁気センサ21と、この3軸の磁気センサ21を選択して選択された軸の磁気センサからの出力信号を取得するマルチプレクサ部22と、このマルチプレクサ部22を介して磁気センサ21を駆動する磁気センサ駆動部23と、マルチプレクサ部22からの出力信号を増幅する信号増幅部24と、この信号増幅部24からの増幅信号をA/D変換するA/D変換部25とから構成されている。データ送信部26は、A/D変換部25で変換された信号を演算部3に送信する。
このような構成により、磁気センサ駆動部23は、マルチプレクサ部22を介して磁気センサ21を駆動する。マルチプレクサ部22は、測定する軸の磁気センサを選択する。選択された軸の磁気センサの信号は、信号増幅部24において適切な大きさに増幅され、A/D変換部25においてアナログ信号からデジタル信号へと変換される。このデジタル信号への変換は、各軸の磁気センサからの信号に対して行う。デジタル化された信号は、データ送信部26から磁気データとして演算部3へと送信される。
演算部3は、上述したように、磁場検出部20のデータ送信部26からの磁気データを受信するデータ受信部31と、フーリエ変換部32と、磁場ベクトル算出部33と、方向算出部34とから構成されている。
フーリエ変換部32は、データ受信部31からの出力信号から各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅を算出する。また、磁場ベクトル算出部33は、フーリエ変換部32からの出力信号から各軸の複数の周波数成分の位相関係から各軸の振幅について符号を算出し、符号と振幅から磁場の向きと大きさを表す磁場のベクトルを算出する。また、方向算出部34は、磁場ベクトル算出部33からの出力信号から情報端末2の方向を算出する。
このような構成により、データ受信部31は、磁場検出部20のデータ送信部26から送られてきた磁気データを受信してフーリエ変換部32へ送る。このフーリエ変換部32は、所望量の3軸の磁気センサ21からの磁気データを取得した後に、それらに対しFFT演算(高速フーリエ変換)を実行する。所望量として取得するデータ量は、例えば、重ね合わせた交流磁場の波形の整数周期分のデータ量である。例えば、1Hzと2Hzの交流磁場を重ねて発生し、方位角センサ20aにて128Hzのサンプリングで磁気データを取得する場合、1Hzと2Hzの周期が整数倍になるデータ量は128個であり、これを取得するデータ量とする。FFT演算の実行は、x軸の所望量の磁気データ、y軸の所望量の磁気データ、z軸の所望量の磁気データに対し、別々にFFT演算を行うか、いずれかの2軸の所望量の磁気データを同時に複素FFT演算してFFTデータを得て、残りの1軸の所望量の磁気データに対しては別にFFT演算を行う方法でも良い。そして、FFT演算の実行により算出された各軸のFFTデータから第1の周波数成分の各軸の振幅と、第1と第2の周波数成分の位相を算出し、磁場ベクトル算出部33へと送る。
ここで、各軸のFFTデータから、フーリエ変換部32で算出された振幅をx軸,y軸,z軸でそれぞれA,A,Aとし、算出された第1の周波数成分の位相の各軸成分を同様にθ,θ,θ、第2の周波数成分の位相の各軸成分をφ,φ,φとして表す(0≦θ,θ,θ,φ,φ,φ<2π)。
これら算出された位相は、磁場ベクトル算出部33へと送られ、測定した軸の磁気センサの正方向が磁場の正方向に対してどちらの方向を向いていたか、次の位相関係から求める振幅符号判定値を利用して振幅の符号を判定する。以下にx軸の成分に関して説明を行う。
振幅符号判定値η
η=φ−2×θ ・・・(式3)
と定義する。但し、0≦η<2πである。
磁気センサ21の正方向と、発生磁場の正方向が一致している場合、算出される第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相をθ ,φ とすると、
θ =ωt−π/2−2πp ・・・(式4)
φ =2ωt−π/2−2πq ・・・(式5)
(但し、p 、q は0≦θ ,φ <2πにするための整数)と測定される。そして、そのときの振幅符号判定値η は(式3)より、
η =π/2+2π(2p −q )−2πν ・・・(式6)
となり、一定値である(但し、ν は0≦η <2πにするための整数)。一方、磁気センサ21の正方向と、発生磁場の正方向が反対の場合、算出される第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相をθ ,φ とすると、
θ =ωt−π/2+π−2πp ・・・(式7)
φ =2ωt−π/2+π−2πq ・・・(式8)
と測定される(位相がπずれる。またp 、q は0≦θ ,φ <2πにするための整数)ので、この場合の振幅符号判定値η は(式3)から
η =3π/2+2π(2p −q )−2πν ・・・(式9)
となり(但し、ν は0≦η <2πにするための整数)、これも一定値である。
従って、(式3)から算出した振幅符号判定値ηが(式6)のη と(式9)のη として、値が異なることから、発生磁場の方向と磁気センサ21の向きの関係が、同方向であるのか反対方向であるのかが判別できる。そして、振幅の符号を判定することが可能である。
例えば、x軸の振幅の符号Sign(A)(但し、Sign(k)はkの符号を表し、−1または+1となる)は、(式3)のηを用いて
Sign(A)=Sign(Sin(η)) ・・・(式10)
と表現できる。
図5及び図6は、磁気センサの向きと発生している交流磁場の向きの関係と、第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相関係を示す図である。最上段に正の磁場の方向と磁気センサ21の正方向の関係を、2段目に磁気センサ21で測定される、交流磁場の変動を周波数成分ごとにt=0からt=3π/ωまで図示し、3段目に2段目の交流磁場の第1の周波数成分の位相θ、第2の周波数成分の位相φ、そして2θの時間変化をそれぞれ実線、破線、一点鎖線でt=0からt=3π/ωまで図示し、最下段にη(=φ−2θ)の時間変化をt=0からt=3π/ωまで図示している。
図5は、磁場の正方向と磁気センサの正方向が同方向の場合、図6は、反対方向の場合を示している。図5では、ηがπ/2で一定に((式6)のη に対応)、図6ではηが3π/2で一定((式9)のη に対応)になる。図では磁気センサ21の感磁面(磁場を検知する面)が磁場と垂直の場合で表しているが、垂直でない場合は測定される磁場の振幅が減少するだけで、感磁面が磁場と平行となって反対の方向側へ向くまで、(式6)と(式9)のη ,η は変化しない。従って、磁気センサ21の出力の正負が判別できる。そして、以上見てきたように、(式6)と(式9)のη ,η は時間に依存しない値をとり、振幅の符号決定には磁場と同期したデータからの位相算出を必要としないので、測定するタイミングを自由に選ぶこともでき、また連続的な測定が可能である。そして、上述した特許文献1のように、間欠的に信号を重ね合わせる構成を利用しなくてよいという利点がある。
x軸と同様にしてy軸,z軸の振幅符号判定値η,ηから、y軸,z軸の振幅の符号を求め、次の符号付き振幅を算出する。x軸,y軸,z軸の符号付き振幅をA’,Ay’,Az’とすると、
Ax’=Sign(Sin(η))×A ・・・(式11)
’=Sign(Sin(η))×A ・・・(式12)
’=Sign(Sin(η))×A ・・・(式13)
を算出する。これによって、測定している交流磁場の第1の周波数成分の強度と向きを表す磁場ベクトル(A’,A’,A’) を得ることができた(ただし、XはXの転置を表し、このベクトルは縦ベクトルを表現している)。なお、この磁場ベクトルは、必要に応じて規格化して用いてもよい。すなわち、A’や磁場ベクトル(A’,A’,A’) の大きさを基準にした比で磁気ベクトルデータを表現し直しても良い。そして、この得られた磁場ベクトルを方向算出部34へと送る。
この方向算出部34では、磁場ベクトルから姿勢情報である方向データΨを求め、出力する。方向データΨを、図3のような方位角として算出する場合は、情報端末2の姿勢を検知し、磁場ベクトルを情報端末2の姿勢に合わせて補正し、その水平成分から算出することができる。例えば、特許文献4,5などに記されているような方法で方向データΨを求めることができる。
補正された磁場ベクトルの水平成分をA’’,A’’とすると、方向データΨは
Ψ=tan−1(A’’/A’’) ・・・(式14)
で、360度の方向を求めることができる。
もちろん、xy平面とXgYg平面が同一平面上にある場合には、(式11)、(式12)から直接
Ψ=tan−1(A’/A’) ・・・(式15)
で求めることができる。
なお、方向データΨを方位角としてではなく単純に磁場の存在方向を表したい場合には、磁場ベクトルをそのまま方向データΨとして利用する。
図7A及び図7Bは、本発明の空間情報検出システムの実施形態1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、磁場発生部1により周波数比が1:2で異なる2つの交流磁場を重ね合わせて発生させる(ステップS1)。次に、磁場発生部1により発生した磁場を、磁場検出部20の3軸の磁気センサ21を有する方位角センサ20aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。次に、フーリエ変換部32は、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、フーリエ変換部32にて、取得された所望量のx軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS4)。次に、同様にy軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS5)。次に、同様にz軸の磁気データに対してでFFT演算を行う(ステップS6)。
次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS7)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS8)。次に、同様にz軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS9)。
次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS10)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS11)。次に、同様にz軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS12)。
次に、磁場ベクトル算出部33において、算出したθ,θ,θ,φ,φ,φから(式3)に基づいて各軸の振幅符号判定値η,η,ηを算出し(ステップS13)、算出した振幅符号判定値η,η,ηから、各軸の振幅の符号を判定し、符号付き振幅、すなわち、磁場ベクトルを算出する(ステップS14)。この磁場ベクトルから方向データΨを方向算出部34で算出する(ステップS15)。
なお、フーリエ変換部32でFFT演算がなされた後であれば、その後のステップS13以前の演算順序は交換することは可能である。例えば、ステップS4の後に、ステップS7、ステップS10という順のようにx軸の磁気データの演算を一度に行ってしまう順序も考えられる。また、ステップS13、ステップS14の演算を各軸のデータごとに行なってもよい。例えば、x軸のηから符号を判定し、x軸の振幅の符号を判定し、符号付き振幅A’を算出する。その後、y軸,z軸のη,ηから順次同様の手順にてA’,A’を算出するのでもよい。
また、以上の手順では、3軸の磁気データに対して個別に3回のFFT演算を行ったが(ステップS4〜ステップS6)、複素FFT演算を用いて、3軸の磁気データのFFTを、2回のFFT演算実行で済ますこともできる。例えば、x軸とy軸の磁気データに対して実数部にx軸の磁気データを、虚数部にy軸の磁気データを入れ、複素FFT演算を実行し、残りのz軸の磁気データに対しては虚数部をゼロ詰めした複素FFT演算を行うという方法もある。なお、これ以外のFFT演算アルゴリズムに対しても、3軸の磁気データのFFTデータが得られれば、本発明の空間情報検出方法は有効であることは明らかである。
また、以上の手順では、振幅を算出する周波数成分を第1の周波数成分としたが、磁気センサが測定した信号の強度として、第2の周波数成分の振幅も算出後のFFTデータから求めることもでき、第1の周波数成分の振幅と同じ符号を持つので、方向データ算出に十分な強度が得られれば、第1の周波数成分の振幅ではなく、第2の周波数成分の振幅を演算に利用してもよいのは明らかである。その場合、算出される磁場ベクトルは第2の周波数成分を表したものとなる。
また、以上では1つの周波数成分の交流磁場の波形を理想的な正弦波と仮定して説明したが、理想的な正弦波でない場合でも、取得したい周波数成分とそうでない周波数成分の信号が分離できる場合には、その他の正弦波でない波形を利用した場合でも今回の発明に含まれる。
図8は、1Hzと2Hzの正弦波磁場を重ね合わせた磁場を、方位角センサを磁場と水平に30度ごと回転して測定したと仮定したシミュレーションの結果を示す図である。サンプリング周波数は100Hzであり、FFT演算時のデータ量は100個とした。設定方位角と、算出角度が一致している。
[実施形態2]
<発生磁場の周波数比M:Nで3軸磁気センサを使用する場合>
本発明の実施形態2における空間情報検出システムの構成は、図1と同様であるが、図1の磁場発生部1で発生させる交流磁場の、第1の周波数成分と第2の周波数成分の角周波数が、互いの偶奇が異なる正の整数M、Nを用い、それぞれMω、Nωである(最小の整数比として周波数比がM:Nである)。なお、互いの偶奇が異なるとは、どちらかが偶数であった場合に、もう一方は奇数であるということである。つまり、M:Nは偶数対奇数、または奇数対偶数である。そして、コイル1bに電源1aからの発生電流を印加することで磁場を発生することができる。発生した交流磁場の位相は、第1の周波数成分、第2の周波数成分ともに時間t=0においてそれぞれΩθ、Ωφである。すなわち、第1の周波数成分の磁場の位相をΘ、第2の周波数成分の磁場の位相をΦとすると、
Θ=Mωt+Ωθ ・・・(式16)
Φ=Nωt+Ωφ ・・・(式17)
と表すことができるとする。
また、図2,図3,図4のコイルと情報端末の座標系を表す図及び情報端末の方向と座標系との関係を示す図及び空間情報検出装置の構成ブロック図は、発明の実施形態1と同様である。
上述した(式16)、(式17)の形式で表される交流磁場が重なって発生し、発明の実施形態1と同様に方位角センサ20aにて3軸の磁気データを測定し、フーリエ変換部32にて所望量の3軸の磁気センサ21からの磁気データを取得後、それらに対しFFT演算を実行する。
ここで、発明の実施形態1と同様に、各軸のFFTデータから、振幅をx軸,y軸,z軸でそれぞれA,A,Aとし、第1の周波数成分の位相の各軸成分を同様にθ,θ,θ、第2の周波数成分の位相の各軸成分をφ,φ,φとして表す(0≦θ,θ,θ,φ,φ,φ<2π)。
磁場ベクトル算出部33では、測定した軸の磁気センサの正方向が磁場の正方向に対してどちらの方向を向いていたか、位相関係から求める振幅符号判定値を利用して、振幅の符号を判定する。以下にx軸の成分に関して説明を行う。振幅符号判定値η
η=M×φ−N×θ ・・・(式18)
と定義する。但し、0≦η<2πである。
磁気センサの正方向と、発生磁場の正方向が一致している場合、算出される第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相をθ ,φ とすると、
θ =Mωt+Ωθ−2πp ・・・(式19)
φ =Nωt+Ωφ−2πq ・・・(式20)
(但し、p 、q は0≦θ ,φ <2πにするための整数)と測定される。そして、そのときの振幅符号判定値η は(式18)より、
η =(MΩφ−NΩθ)+2π(Np −Mq )−2πν
・・・(式21)
となる(但し、ν は0≦η <2πにするための整数)。一方、磁気センサの正方向と、発生磁場の正方向が反対の場合、算出される第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相をθ ,φ とすると、
θ =Mωt+Ωθ+π−2πp ・・・(式22)
φ =Nωt+Ωφ+π−2πq ・・・(式23)
と測定される(位相がπずれる。またp 、q は0≦θ ,φ <2πにするための整数)ので、この場合の振幅符号判定値η は(式18)より、
η =(MΩφ−NΩθ)+π(M−N)+2π(Np −Mq )−2πν ・・・(式24)
となる(但し、ν は0≦η <2πにするための整数)。発明の実施の形態1と同様に、発生磁場の方向と磁気センサの向きの関係が判別できるためには、(式21)のη と(式24)のη が異なることであるので、
M−N≠2j(但し、jは整数) ・・・(式25)
かつ、
Np −Mq ,Np −Mq
が常に整数であるようにM、Nを選ぶ必要がある。すなわち、MとNは互いの偶奇の異なる整数である。つまり、M−Nが偶数にならなければ(式21)のη と(式24)のη は区別が可能である。M、Nは一方が偶数で、もう一方が奇数であればよい。
このようにして、(式18)から算出した振幅符号判定値ηは、(式21)のη と(式24)のη として区別が可能であるので、発生磁場の方向と磁気センサの向きの関係も区別できる。Sign(A)は、(式21)のη と(式24)のη によって、発生磁場の方向と磁気センサの向きの関係に応じて正負の符号が算出できるように、予め関数を設定しておけばよい。
MΩφ−NΩθ=π/2 ・・・(式26)
の場合には、
Sign(A)=Sign(Sin(η)) ・・・(式27)
と表現できる。
同様にしてy軸,z軸の振幅符号判定値η,ηから、y軸,z軸の振幅の符号を求め、次の符号付き振幅を求める。x軸,y軸,z軸の符号付き振幅をA’,Ay’,Az’とすると、
Ax’=Sign(A)×A ・・・(式28)
’=Sign(A)×A ・・・(式29)
’=Sign(A)×A ・・・(式30)
を算出する。
以上のようにして、磁場ベクトルが得られたので、発明の実施の形態1と同様にこの得られた磁場ベクトルを方向算出部34へと送る(必要に応じて、磁場ベクトルを規格化したい場合は規格化する。)。この方向算出部34では、発明の実施形態1と同様にして方向データΨを算出する。
以上のように、重ね合わせる交流磁場の周波数比を、発明の実施形態1の1:2からM:Nへと拡張し、利用する周波数の選択の幅を広げることができた。発明の実施形態1の1:2とは、一般的にはこの発明の実施形態2のM:Nに含まれているのはもちろんである。さらに、磁場発生時に位相Ωθ,Ωφが決まっていれば、上記の方式で方向検出を行うことが可能であるので、第1の周波数と第2の周波数の位相が必ずしも一致せず異なっていてもよい。また、発明の実施形態1と同様に振幅の符号決定には磁場と同期したデータからの位相算出を必要としないので、測定するタイミングを自由に選ぶこともでき、また連続的な測定が可能である。そして、上述した特許文献1のように間欠的に信号を重ね合わせる複雑な構成を利用しなくてよい。
図9A及び図9Bは、本発明の空間情報検出システムの実施形態2の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、磁場発生部1で周波数比がM:Nで異なる2つの交流磁場を重ね合わせて発生させる(ステップS1)。次に、磁場発生部1で発生した磁場を、3軸の磁気センサ21を有する方位角センサ20aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。次に、フーリエ変換部32は、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、フーリエ変換部32において、取得された所望量のx軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS4)。次に、同様にy軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS5)。次に、同様にz軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS6)。
次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS7)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS8)。次に、同様にz軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS9)。
次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS10)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS11)。次に、同様にz軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS12)。
次に、磁場ベクトル算出部33において、算出したθ,θ,θ,φ,φ,φから(式18)に基づいて各軸の振幅符号判定値η,η,ηを算出し(ステップS13)。算出した振幅符号判定値η,η,ηから各軸の振幅の符号を判定し、符号付き振幅、すなわち、磁場ベクトルを算出する(ステップS14)。次に、磁気ベクトルデータから方向データΨを方向算出部34で算出する(ステップS15)。
フーリエ変換部32でFFT演算がなされた後であれば、その後のステップS13以前の演算順序は交換することは可能である。例えば、ステップS4の後に、ステップS7、ステップS10という順のようにx軸の磁気データの演算を一度に行ってしまう順序も考えられる。また、ステップS13、ステップS14の演算を各軸のデータごとにおこなってもよい。例えば、x軸のηから符号を判定し、x軸の振幅の符号を判定し、符号付き振幅A’を算出する。その後,y軸,z軸のη,ηから順次同様の手順にてA’,A’を算出するのでもよい。
また、以上の手順では、3軸の磁気データに対して個別に3回のFFT演算を行ったが(ステップS4〜ステップS6)、複素FFT演算を用いて、3軸の磁気データのFFTを、2回のFFT演算実行で済ますこともできる。例えば、x軸とy軸の磁気データに対して実数部にx軸の磁気データを、虚数部にy軸の磁気データを入れ、複素FFT演算を実行し、残りのz軸の磁気データに対しては虚数部をゼロ詰めした複素FFT演算を行うという方法もある。なお、これ以外のFFT演算アルゴリズムに対しても、3軸の磁気データのFFTデータが得られれば、本発明の空間情報検出方法は有効であることは明らかである。
また、以上の手順では、振幅を算出する周波数成分を第1の周波数成分としたが、実施形態1と同様に、磁気センサが測定した信号の強度として、第2の周波数成分の振幅を利用してもよいことは明らかである。
また、実施形態1と同様に1つの周波数成分の交流磁場の波形が理想的な正弦波でない場合でも、取得したい周波数成分とそうでない周波数成分の信号が分離できる場合には、その他の正弦波でない波形を利用した場合であっても今回の発明に含まれる。
図10は、3Hzと8Hzの正弦波磁場を重ね合わせた磁場を、方位角センサを磁場と水平に30度ごと回転して測定したと仮定したシミュレーションの結果を示す図である。サンプリング周波数は100Hzであり、FFT演算時のデータ量は100個とした。設定方位角と算出角度が一致していることがわかる。
[実施形態3]
<発生磁場の周波数比M:Nで2軸磁気センサを使用する場合>
本発明の実施形態3は、周波数比M:Nで1つの磁場発生手段と2軸の磁気センサ21を有する場合を示している。情報端末2が水平面に固定されて使用される場合には、方位角センサ20aは、x軸とy軸の2軸の磁気センサ(21a,21b)のみを有するもので、発明の実施形態1、もしくは発明の実施形態2と同様の手順で磁場の方向を検出することができる。
図11は、本発明の空間情報検出システムにおける実施形態3の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図で、2軸の磁気センサ21を利用した場合の本発明に係る空間情報検出装置の構成ブロック図である。図11が、上述した実施形態1の図4と異なるのは、磁気センサ21の数であり、x軸,y軸のみの2軸となっている。その他の構成及び動作は、図4と同様である。
図12A及び図12Bは、本発明の空間情報検出システムの実施形態3の動作を説明するためのフローチャートを示す図で、磁気センサが2軸の場合の方向検出方法の手順を示すフローチャートである。まず、磁場発生部1により周波数比がM:Nで異なる2つの交流磁場を重ね合わせて発生させる(ステップS1)。次に、磁場発生部1で発生した磁場を、2軸の磁気センサ21を有する方位角センサ20aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。次に、フーリエ変換部32は、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、フーリエ変換部32において、取得された所望量のx軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS4)。次に、同様にy軸の磁気データに対してFFT演算を行う(ステップS5)。次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS6)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分の振幅Aを算出する(ステップS7)。
次に、x軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS8)。次に、同様にy軸のFFTデータから第1の周波数成分と第2の周波数成分の位相θ,φを算出する(ステップS9)。
次に、磁場ベクトル算出部33において、算出したθ,θ,φ,φから(式18)に基づいて各軸の振幅符号判定値η,ηを算出し(ステップS10)、算出した振幅符号判定値η,ηから、各軸の振幅の符号を判定し、符号付き振幅、すなわち、磁気ベクトルデータを算出する(ステップS11)。次に、磁場ベクトルから方向データΨを方向算出部34で算出する(ステップS12)。
以上の手順によって、空間情報である方向データΨを算出することができた。続けて方向データΨを算出するには、ステップ2へもどれば良い。
以上の実施形態1乃至3においては、磁場を発生するコイルを1つのコイルとして説明したが、情報端末をはさむ形でヘルムホルツコイルを配置し、そのヘルムホルツコイルから実施形態1乃至3で説明した磁場を発生させても良い。
なお、以上の実施形態と同様な交流磁場を発生するコイルを複数個利用し、同様な方法を利用することで情報端末2の任意の姿勢検出が可能である。実施形態1乃至3においては1つの交流磁場の発生方向を軸とした動きの自由度が残っているが、もう一つ別の交流磁場を発生させることでその自由度を減らすことができ、任意の姿勢が規定できるようになる。従って、実施形態にあるような方位角センサ20aによって、任意の姿勢検出が可能である。このことは、以降の実施形態において説明する方法を利用する。
次に、均一磁場と不均一磁場を用いた位置と姿勢の検出について以下に説明する。
この均一磁場と不均一磁場を用いた位置と姿勢の検出については、別々のコイルでZg軸用磁場と位置検出用磁場を発生する場合(実施形態4)、1つのコイルでZg軸用磁場と位置検出用磁場を発生する場合(実施形態5)がある。以下、これらの実施形態について以下に説明する。
[実施形態4]
<別々のコイルでZg軸用磁場と位置検出用磁場を発生する場合>
図13は、本発明の空間情報検出システムの実施形態4を示す全体構成図である。この空間情報検出システムは、磁場発生部として、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知で、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なっている交流の不均一磁場を発生する不均一磁場発生部(位置検出磁場発生コイル103と位置検出磁場発生用電源106)と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場を発生する2つの均一磁場発生部(Xg軸ヘルムホルツコイル101とXg軸ヘルムホルツコイル用電源104及びZg軸ヘルムホルツコイル102とZg軸ヘルムホルツコイル用電源105)と、この不均一磁場発生部から発生された交流磁場と均一磁場発生部から発生された交流磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部111と、この磁場検出部111の姿勢情報を2つの均一磁場発生部から発生される交流の均一磁場に基づく磁場検出部111の出力信号から算出し、その姿勢情報と、不均一磁場発生部により発生される交流の不均一磁場に基づく磁場検出部111の出力信号とから磁場検出部111の位置情報を算出する演算部108とを備えている。
つまり、空間情報検出システムは、Xg軸ヘルムホルツコイル101とZg軸ヘルムホルツコイル102と位置検出磁場発生コイル103とXg軸ヘルムホルツコイル用電源104とZg軸ヘルムホルツコイル用電源105と位置検出磁場発生用電源106と磁場検出部111を有する情報端末107と演算部108とデータ表示部109とから構成されている。情報端末107と演算部108とデータ表示部109とは、空間情報検出装置を構成している。
右手系の座標系XgYgZg座標系(絶対座標系であり、Xg軸、Yg軸、Zg軸は、それぞれ互いに直交している)が定義され、2つのコイル1組で構成される1対のヘルムホルツコイルであるXg軸ヘルムホルツコイル101とZg軸ヘルムホルツコイル102は、それぞれのコイルの中心軸がXg軸とZg軸に沿って構成されている。
Yg軸は、Zg軸からXg軸の方向へ右ネジを回してネジの進む方向にあるものとする(図13の紙面手前側から奥側へ向かうものとする)。Xg軸ヘルムホルツコイル101は、そのコイル間中心付近にXg軸の向きに同一となる交流の均一磁場Bx(Xg軸方向磁場)を発生できる。Zg軸ヘルムホルツコイル102も同様に、そのコイル間中心付近にZg軸の向きに同一となる交流の均一磁場Bz(Zg軸方向磁場)を発生できる。Xg軸ヘルムホルツコイル101とZg軸ヘルムホルツコイル102がともに均一磁場を発生できる空間を均一空間と呼ぶ。図13の点線内がその均一空間を表している。
そして、Zg軸に沿って中心軸をもつ位置検出磁場発生コイル103が1つ配置される。この位置検出磁場発生コイル103からは、各ヘルムホルツコイルが形成する均一空間内の任意の位置において、磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場Bp(位置検出用磁場)を発生する。
Xg軸ヘルムホルツコイル用電源104と、Zg軸用ヘルムホルツコイル用電源105と、位置検出磁場発生用電源106は、それぞれ上記の各コイル、Xg軸ヘルムホルツコイル101と、Zg軸ヘルムホルツコイル102と、位置検出磁場発生コイル103に、周波数が異なる2つの交流電流(又は電圧)を重ね合わせて供給する。
Xg軸ヘルムホルツコイル用電源104からの交流電流(又は電圧)は、第1と第2の周波数の角周波数が、偶奇が異なる正の整数M、Nを用いて、それぞれMω、Nωである(最小の整数比として周波数比がM:Nである)。例えばM=1、N=2としてよい。同様に、Zg軸ヘルムホルツコイル用電源105からは、Mω、Nωの角周波数を、位置検出磁場発生用電源106からは、Mω、Nωの角周波数を持つ交流電流(又は電圧)を発生させる。これらの各角周波数はそれぞれ互いに異なるものであるとする。
そして、各コイルに各電源からの電流を供給することで磁場を発生でき、各コイルから発生した磁場、Xg軸方向磁場Bx、Zg軸方向磁場Bz、位置検出用磁場Bpは、それぞれ、MωとNω、MωとNω、MωとNωの組み合わせの角周波数を有する。
そして、これらBx、Bz、Bpの各周波数成分の位相関係は、実施形態2と同様に表すことができ、例えば、Bxの第1と第2の周波数成分の位相Θx,Φxは次のように表されるものとする。
Θx=Mxωxt+Ωθx ・・・(式31)
Φx=Nxωxt+Ωφx ・・・(式32)
(第1の周波数成分、第2の周波数成分ともに時間t=0においてそれぞれΩθx、Ωφxであるとする)。Bz、Bpについても同様な形式で表現できるものとする。
均一空間内には、情報端末107が配置されている。この情報端末107の内部には、上述した各コイルから発生された磁場を検出する磁場検出部(方位角センサ111aとデータ送信部116;後述する図15参照)111が搭載されており、この方位角センサ111aには、互いに直交した面を向いた3軸の磁気センサ110であるx軸磁気センサ110aとy軸磁気センサ110bとz軸磁気センサ110cが搭載されている。
この磁気センサ110a〜110cは、例えば、ホール素子,MR素子,GMR素子,MI素子などの半導体型の磁気センサである。また、データ送信部116は、方位角センサ111a内の3軸の磁気センサ110が検出した磁場をデジタル信号へと変換した磁気データを、情報端末107の外部の演算部108内のデータ受信部117へと送信することができる。なお、図13では、情報端末107のデータ送信部116から磁気データを無線で演算部108へと送信する様子が描かれている(鉤型の点線矢印が無線で送信される磁気データを表している)。
用途によっては、必ずしも無線である必要はなく、情報端末107と演算部108を有線で接続し、データの送受信を行っても良い。また、演算部108も情報端末107の外部に描かれているが、演算部108を情報端末107の内部に搭載して、演算部108のデータを情報端末107の外部のデータ表示部109とやり取りしても良い。この際、用途に応じて無線でも有線でも構わない。
なお、情報端末107とは、実施の形態1に記載と同様に多様なものを意味している。また、演算部108も、実施形態1と同様に多様なものを意味している。また、データ表示部109は、演算部108からの出力信号を利用者へ表示する機能を有する部分で、例えば、携帯電話,PDA,ゲーム機,計測器,PC用のディスプレイなどを利用して構成する。
図14は、情報端末107の座標系についての説明図である。情報端末107の長手方向をx軸、短手方向をy軸とし、x軸とy軸に垂直なz軸で、右手系の座標系xyz座標系(端末座標系という)を定義する。また、情報端末107に搭載された方位角センサ111aが有する互いに直交な3軸の磁気センサ110の方向は、それぞれxyz座標系を構成する各軸の方向と一致しているものとする。すなわち、x軸,y軸,z軸の磁気センサ(110a〜110c)がありそれぞれの出力の増大方向(正方向)がxyz座標系の各軸の正方向の向きである。
そして、演算部108では受信した磁気データから、絶対座標系に対する情報端末107の位置と姿勢を表す位置情報と姿勢情報を算出してデータ表示部109へと送り、このデータ表示部109において情報端末107の位置と姿勢を知ることができる。
図15は、本発明の空間情報検出システムにおける実施形態4の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。この空間情報検出装置は、磁場検出部111と演算部108とから構成され、この演算部108は、データ受信部117とフーリエ変換部118と磁場ベクトル算出部119と位置・姿勢算出部120とを備えている。磁場検出部111は、上述したように方位角センサ111aとデータ送信部116から構成されている。
この方位角センサ111aは、x軸磁気センサ110aとy軸磁気センサ110bとz軸磁気センサ110cとの3軸の磁気センサ110と、この3軸の磁気センサ110を選択して選択された軸の磁気センサからの出力信号を取得するマルチプレクサ部112と、このマルチプレクサ部112を介して磁気センサ110を駆動する磁気センサ駆動部113と、マルチプレクサ部112からの出力信号を増幅する信号増幅部114と、この信号増幅部114からの増幅信号をA/D変換してデータ送信部116へ出力するA/D変換部115とから構成されている。データ送信部116は、A/D変換部115で変換された信号を演算部108に送信する。
このような構成により、磁気センサ駆動部113は、マルチプレクサ部112を介して磁気センサ(110a〜110c)を駆動する。マルチプレクサ部112は、測定する軸の磁気センサを選択する。選択された軸の磁気センサの信号は、信号増幅部114において適切な大きさに増幅され、A/D変換部115においてアナログ信号からデジタル信号へと変換される。このデジタル信号への変換は、各軸の磁気センサ110からの信号に対して行う。デジタル化された信号は、データ送信部116から磁気データとして演算部108へと送信される。
演算部108は、上述したように、データ受信部117とフーリエ変換部118と磁場ベクトル算出部119と位置・姿勢算出部120とから構成されている。
このような構成により、データ受信部117は、磁場検出部111のデータ送信部116からの磁気データを受信し、フーリエ変換部118へと送る。このフーリエ変換部118は、データ受信部117からの所望量(例えば、128Hzのサンプリング周波数で測定を行う場合、1Hzの周波数分解能が必要であれば128個のデータ量となる)の3軸の磁気センサ110からの磁気データを取得した後に、それらに対しFFT演算を実行する。そして、各軸のFFT演算結果から、各軸において、各コイルから発生する交流磁場Bx、Bz、Bpの各周波数成分中(それぞれ角周波数成分が、MωとNω、MωとNω、MωとNωの複数の周波数成分中)の、信号強度(振幅)と位相を算出し(ここで、各軸におけるMω、Mω、Mωの周波数成分の振幅を算出し、MωとNω、MωとNω、MωとNωの周波数成分の位相を算出したものとする)、磁場ベクトル算出部119へと送る。
磁場ベクトル算出部119は、フーリエ変換部118からの各軸における複数の周波数成分中の振幅と位相から、発明の実施形態2に記載の方法によって、各磁場に対して、各軸の複数の周波数成分の位相関係を利用し、各軸の振幅について符号を算出することで、角周波数がMω、Mω、Mωの周波数成分の磁場ベクトル、それぞれm、m、mを算出する。すなわち、発明の実施形態2に記載の方法によって、mはMωの周波数成分の振幅と、MωとNωの周波数成分の位相関係から算出する。同様に、mはMωの周波数成分の振幅と、MωとNωの周波数成分の位相関係から、mはMωの周波数成分の振幅と、MωとNωの周波数成分の位相関係から算出する。これらは、Bx、Bz、Bpの角周波数がMω、Mω、Mωの成分の磁場の向きと大きさを端末座標系でのベクトルとして表現したものとなっている。すなわち、m、mは均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトルであり、姿勢検出用の磁場ベクトルとして、mは不均一磁場の向きと大きさを表す不均一磁場ベクトルであり、位置検出用の磁場ベクトルとして利用される。
なお、磁場ベクトルは、x軸、y軸、z軸の磁気センサ110から検出する符号付き振幅A’,A’,A’から求めることができる。例えば、Xg軸方向磁場Bxに対する符号付き振幅をA_x’(Mω),A_y’(Mω),A_z’(Mω)とすると、磁場ベクトルmは、
=(A_x’(Mω),A_y’(Mω),A_z’(Mω))・・・(式33)
となる(ただし、XはXの転置を表し、このベクトルは縦ベクトルを表現している)。同様に、m、mを、各軸におけるBz、Bpのそれぞれの周波数成分中の振幅と位相から算出することができる。
そして、位置・姿勢算出部120は、磁場ベクトル算出部119で算出された磁場ベクトルm、m、mから、情報端末107の姿勢情報と位置情報を算出し、データ表示部109へと送る。
ここで、位置・姿勢算出部120が、情報端末107の姿勢情報と位置情報を算出する手順の一例について説明する。
図16は、位置検出用磁場Bpがなす磁場の向きに関して模式的に示す図である。位置検出磁場発生コイル103から発生する磁場の向きは、コイルの中心軸(Zg軸)で対称に放射上に広がってゆく。この不均一磁場Bpが位置によって向きまたは大きさが異なるため、このBpを計測することによって情報端末107の位置を決定できる。
例えば、図17は、位置検出磁場発生コイル103からの位置検出用磁場BpをZg軸上方から見た様子を示す図である。XgYg平面は、位置検出磁場発生コイル103の中心を原点としてひろがっている。位置検出磁場発生コイル103の中心からBpが放射状に広がるため、XgYg面に平行な面では等強度な位置は円周上にある。
図17において、この等強度の円周上の異なる位置に、情報端末107がXgYg平面に平行に(端末座標系のx軸y軸がXgYg平面に平行)、かつ端末座標系のx軸が円の接線に垂直な外側を向いている姿勢a、b、cが描かれている。姿勢a、b、cは、絶対座標系のXgYg座標に対して姿勢と位置が異なっているが、端末座標系で測定される磁場ベクトルmは同じである。したがって、いずれの姿勢a、b、cであるか区別する姿勢情報を求めることで、絶対座標系と端末座標系の関係がわかり、端末座標系の磁場ベクトルmpを絶対座標系で表すことができ、等強度円周上のどの位置のBpを測定したか判断できるため、情報端末107が存在する位置を決定できる。例えば、情報端末107がさらに静電容量型又はピエゾ抵抗型素子を利用した加速度センサを備え、磁場検出部111から地磁気をさらに検出し、その地磁気と加速度を利用して予め情報端末107の姿勢を検出すれば、上述のように不均一な磁場を利用して位置を決定することも可能である。また、情報端末107が圧電素子を利用した振動ジャイロセンサと、加速度センサを備えており、情報端末107(磁場検出部111)の任意の姿勢を検出する機能を備え、姿勢情報を算出し、その姿勢情報と、上述の不均一磁場を利用して位置を決定することも可能である(これらは後述の実施形態8を参照)。
そこでまず、情報端末107の姿勢情報を求める。
ここでは、均一な交流磁場を利用して姿勢情報を算出する方法について以下に説明する。
磁場ベクトル算出部119で算出された端末座標系の均一磁場ベクトルm、mから絶対座標系を表す正規直交基底ベクトルe、e、eが次のように表現できる。
=m/|m| ・・・(式34)
=m×m/|m×m| ・・・(式35)
=m/|m| ・・・(式36)
ここで、|x|は、xの絶対値を表し、×はベクトル同士の外積演算を表す演算子である。そして、X=(e)で3行3列行列を表現すると、任意の絶対座標系の任意のベクトルrは、次のような変換で端末座標系のベクトルrとして表現されることになる。
Xr=r ・・・(式37)
すなわち、端末座標系のベクトルrから、
=X-1r=Xr ・・・(式38)
として、絶対座標系でのベクトルrへと変換することができる。
は、絶対座標系から見た端末座標系の正規直交基底より成る行列であり、情報端末107の姿勢を表す姿勢情報にもなっている。例えば、情報端末107の長手方向(端末座標系のx軸方向)はr=(1,0,0)と表されるが、このベクトルをXによって絶対座標系で表したベクトルrxg=(Rx,Ry,Rz)へと変換されるとすると、このベクトルの各成分は、Xの1列目の成分である。そして、この長手方向が、Xg軸となす角Ψ、XgYg平面となす角αを以下の式で算出することができる。
Ψ=tan-1(Ry/Rx) ・・・(式39)
α=tan-1(Rz/(Rx2+Ry21/2) ・・・(式40)
これらは、情報端末107の長手方向の姿勢を表している。同様に短手方向r=(0,1,0)及び端末座標系のz軸方向r=(0,0,1)を、それぞれXの2列目、Xの3列目の成分を利用して姿勢を表現できる。これによって、情報端末107の任意の姿勢を表す姿勢情報を求めることができた。なお、上述した方法に限らず、端末座標系から絶対座標系への変換が行うために、姿勢情報としてオイラー角(ヨー角・ピッチ角・ロール角など)などで姿勢を表現しても良い。
そして、端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、不均一磁場ベクトルmを絶対座標系へと変換したベクトルJが求められる。
=X ・・・(式41)
そして、位置検出磁場発生コイル103からの位置検出用磁場Bpが絶対座標系のある任意の座標点r=(X,Y,Z)でBp=(Bpx,Bpy,Bpz)であったとすると、
Bp=J ・・・(式42)
より、位置情報としてrを求めることができる。
例えば、本発明における位置検出磁場発生コイル103が作る磁場が、磁気双極子(それをmcoilと定義する)からの磁場としてビオ・サバールの法則から求めることができる場合、rにおける位置検出用磁場Bpは、位置検出磁場発生コイル103の絶対座標系での位置がr0で表されるとすると、
Bp=1/4π×(−mcoil/|r−r03+3(mcoil・(r−r0))(r−r0)/|r−r05) ・・・(式43)
として一意に求めることができる。この式を(式42)に当てはめることによって簡単に位置情報rを求めることができる。
もちろん、(式43)のような代数式ではなく、有限要素法などのようなシミュレーションによって位置検出磁場発生コイル103からの位置検出用磁場Bpを算出する方法や、予め計測した位置検出用磁場Bpを記憶しておいて、測定値として求めたJと(式42)でテーブル参照によって比較して位置情報rを求めても良い。
図18は、本発明の空間情報検出システムの実施形態4の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、各コイル101,102,103からXg軸方向磁場Bx、Zg軸方向磁場Bz、位置検出用磁場Bpの各磁場を発生する(ステップS1)。次に、各コイル101,102,103から発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118において、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、上述のように各軸における複数の周波数成分中の振幅と位相を算出する。すなわち、各軸において、各磁場の各周波数成分中の振幅と位相を算出する(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119において、各軸における各磁場の周波数成分中の振幅と位相から、各磁場に対して、各軸の複数の周波数成分の位相関係を利用し、各軸の振幅について符号を求め、各磁場の向きと大きさを表す、位置姿勢検出に必要な磁場ベクトルm、m、mを算出する(ステップS5)。
そして、位置姿勢算出部120において、姿勢検出用の磁場ベクトルm、mから、情報端末107の姿勢を表す姿勢情報を算出する(ステップS6)。そして、情報端末107の姿勢情報から端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、位置検出用の磁場ベクトルmを絶対座標系へと変換したベクトルJが求められ、(式20)により情報端末107の位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、均一空間内において、交流の均一磁場Bx、Bzから情報端末107の姿勢情報を、そして、情報端末107の姿勢情報と交流の不均一磁場Bpから情報端末107の位置情報を求めることができた。すなわち、情報端末107の姿勢と位置を検出できた。そして、続けて位置と姿勢の検出を行う場合には、ステップS2へと戻ればよい。
本発明の空間情報検出システムの実施形態4の構成において、必ずしも位置検出磁場発生コイル103の中心軸は、Zg軸と一致させなくてもよい。(式42)のように位置検出用磁場Bpを測定して求めたJと比較して位置情報を求めることができるならば、任意の位置に配置可能である。
また、実施形態4の構成において、均一磁場発生部としてXg軸ヘルムホルツコイル101とZg軸ヘルムホルツコイル102の2対のヘルムホルツコイルで構成したが、情報端末107が加速度センサを備え、Zg軸方向に重力加速度を検出できる場合には、Xg軸ヘルムホルツコイル101の1対だけを利用して、磁場ベクトルmxと加速度センサで検出する加速度ベクトルを利用して情報端末107の任意姿勢を検出でき、不均一な交流磁場Bpから情報端末107の位置情報を求めることもできる。このような構成も本発明に含まれる。
[実施形態5]
<1つのコイルでZg軸用磁場と位置検出用磁場を発生する場合>
図19は、本発明の空間情報検出システムの実施形態5を示す全体構成図である。発明の実施形態4の図13と異なる構成に関して説明を行う。図19においては、発明の実施形態4の位置検出磁場発生コイル103と位置検出磁場発生用電源106がなく、Zg軸ヘルムホルツコイル用電源105の代わりに、電源125aと電源125bからなるZg軸ヘルムホルツコイル用電源部125を備えている。また、Zg軸ヘルムホルツコイル122は、コイル122aとコイル122bに区別され、それぞれ電源125aと電源125bに接続されている。この構成はコイル122aから、Zg軸方向磁場Bzだけでなく、位置検出用磁場Bpの成分を重ね合わせて発生させるように構成したものである。すなわち、Zg軸ヘルムホルツコイル122から均一磁場と不均一磁場を重ね合わせて出力するように構成したものである。
電源125aから角周波数がMω、Nω及びMωとNωの交流電流をコイル122aに供給し、電源125bから角周波数がMω、Nωの交流電流をコイル122bに供給する。
そして、Zg軸ヘルムホルツコイル122のコイル122aとコイル122bから角周波数MωとNωの異なる周波数の交流磁場が、さらにコイル122aからは角周波数がMωとNωである交流磁場が重なって発生する。このとき、電源125aと電源125bによってコイル122aとコイル122bから発生する角周波数MωとNωの交流磁場の成分は、大きさと位相が一致するように調整されているものとする。
Zg軸ヘルムホルツコイル122を構成するコイル122aとコイル122bから同時に角周波数MωとNωの成分の交流磁場を発生させることで、コイル間中心付近に均一なZg軸方向磁場Bzを形成し、コイル122aからの角周波数MωとNωの成分は不均一な位置検出用磁場Bpを形成することができる。
このとき、周波数の整数比M:N及びM:Nは、発明の実施形態4において説明したように互いの偶奇が異なる整数比である。例えば、M:Nは1:2、M:Nは、3:8などである。そのため、発明の実施の形態2の(式18)乃至(式24)の演算をこれらの周波数成分に対して適用できる。
このような不均一磁場と均一磁場を重ね合わせて発生するコイルの構成にすることで、位置検出磁場発生コイル103は不要となり、空間情報検出システムの構成がさらに簡略化される。また、本発明の実施の形態において、Zg軸ヘルムホルツコイル用電源部125として、電源125aと電源125bと同等な出力が1台で可能な、2系統出力の交流電源を利用しても良い。
この実施形態において、情報端末107の位置と姿勢の検出は、実施形態4と同様の手順で行える。すなわち、空間情報検出方法及び空間情報検出装置は、実施形態4と同様である。
実施形態において、均一な磁場とは、ある定義された空間内の任意の点で、実質的に磁場の方向が一定でかつ大きさも一定であるとみなせる磁場である。また、実施形態において、不均一な磁場とは、ある定義された空間内で位置により、実質的に磁場の向きまたは大きさが異なっているとみなせる磁場である。
以上、本発明によって、実施形態4乃至5において、均一な磁場を構成することで、簡単な計算によって姿勢検出が行えるようになり、また、そのような均一な磁場で構成された均一空間内の任意の座標で、不均一な磁場を発生させることで、姿勢の検出に加えて位置の検出が可能となり、しかも、簡単な計算で算出できる。
次に、不均一磁場として勾配磁場を用いた位置と姿勢の検出について以下に説明する。
この勾配磁場を用いた位置と姿勢の検出については、均一磁場+均一・勾配合成磁場で位置と姿勢を検出する場合(実施形態6)、地磁気+均一・勾配合成磁場で位置と姿勢を検出する場合(実施形態7)、加速度センサ+ジャイロセンサ+勾配磁場で位置と姿勢を検出する場合(実施形態8)、加速度センサ+地磁気+勾配磁場で位置と姿勢を検出する場合(実施形態9)、均一・勾配合成磁場+加速度センサを使用する場合(実施形態10)がある。実施形態8乃至10において、本発明の空間情報システム並びに装置は、姿勢検出部を新たに備えている。実施形態8においては、姿勢検出部が検出する姿勢は、任意姿勢であり、姿勢検出部の出力信号だけから磁場検出部の姿勢すべてを表現できる。一方、実施形態9及び10においては、姿勢検出部が検出する姿勢は、座標系のいずれかの軸について自由度の残った姿勢であり、姿勢検出部の出力信号からは一部の姿勢を表現できる。いずれの実施形態においても、最終的に検出する姿勢とは自由度を残さずに決定できる実施形態4から5で述べたような任意姿勢のことである。これらの実施形態について以下に説明する。
[実施形態6]
<均一磁場+均一・勾配合成磁場で位置と姿勢を検出する場合>
図20は、本発明の空間情報検出システムの実施形態6を示す全体構成図である。以下、実施形態5との相違点を中心に説明する。
実施形態6と実施の形態5では、位置検出用磁場Bpが異なる。実施形態5では、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知で、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なっている交流の不均一磁場として、磁気双極子から発生する磁場を近似した1つのコイルから発生する磁場を用いているのに対し、発明の実施形態6では、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である各軸方向に線形な交流の勾配磁場を用いている。この線形な交流勾配磁場は、コイル間中心付近にある均一空間内にXgYgZg軸の各軸方向に線形な勾配をもっている。また、本発明において、線形な勾配磁場とは、各軸方向に沿って強度が線形に変化する磁場のことをいい、その変化割合のことを勾配という。
次に、勾配磁場の発生機構について、図21A及び図21Bを用いて説明する。図21Aでは、右手系のXgYgZg座標系があり、原点は1対のヘルムホルツコイルのコイル間中心に一致し、またZg軸はヘルムホルツコイルの中心軸に一致している。
ヘルムホルツコイルの一方のコイル122aへは電流Iaが、もう一方のコイル122bへは電流Ibが流れる。電流Iaがコイル122aを流れる方向は、Zg軸を軸としてZg軸の正方向を向いて時計回りに回転する方向となっている。一方、電流Ibがコイル122bを流れる方向は、Zg軸の正方向を向いて反時計回りに回転する方向へと流れている。このとき、コイル122aから発生した磁場(図中の原点付近の実線矢印)とコイル122bから発生した磁場(図中の原点付近の点線矢印)により合成された磁場はXg、Yg軸成分は原点から離れる方向、Zg軸成分は原点に向かう方向を向いて、原点付近ではXg、Yg、Zg軸の各軸の成分の強度が次のように各軸の方向に線形に変化する勾配磁場Bp(Xg成分、Yg成分、Zg成分がそれぞれBpx,Bpy,Bpz)となる。
Bp=(Bpx,Bpy,Bpz)=(kX,kY,−2kZ)
・・・(式44)
ここで、X,Y,ZはXgYgZg座標系の座標を表している。また、kはコイルの形状や電流によって決まる比例定数である。図21Bは、BpxがXg軸の座標に沿って磁場の強度が線形に変化する様子を示している。Bpy,Bpzについても同様に各軸の座標に沿って磁場の強度が線形に変化することになる(但し、Bpzは傾きが負)。従って、ある位置座標(X,Y,Z)での磁場の各軸の成分の強度が測定されれば、比例定数kによってその位置を決定できる。
各電流が交流電流の場合には、電流の流れる向きは各電流の位相を180度ずらすことによって互いに逆向きとして流すことができる。また発生する磁場は交流磁場のため、磁場の各軸の成分の強度は当該周波数の振幅で表す。そして、その振幅が各軸方向に線形に変化する。振幅の正負は、以下ではコイル122aの交流電流の正出力時における磁場の方向が座標軸の正方向に一致している場所では正、一致していない場所では負として考えることにする。
そして、交流電流Ia、Ibを異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流電流として利用するとき、発生する磁場は異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場となる。なお、電流の流れる向きを互いに同じ方向にする(位相を一致させる)と、原点付近に発生する磁場は均一な磁場となる。すなわち、よく知られたヘルムホルツコイルによって発生する均一な磁場である。なお、Zg軸ヘルムホルツコイル122は、勾配磁場と、Zg軸方向磁場Bzとを、重ね合わせて発生できるような構成となっている。
また、発明の実施形態6では、Zg軸ヘルムホルツ用電源部125に、電流を制御するための電流制御部124が備わっている点で、発明の実施形態5と異なる。ここで、電流制御部124は、主に、Zg軸ヘルムホルツコイル122に供給する電流の発生周期や電流量を制御するものである。具体的には、図20に記載のZg軸ヘルムホルツコイル122の一方(コイル122a)に電流を供給する電源125aと、他方(コイル122b)に電源を供給する電源125bのヘルムホルツコイルに供給する電流を、制御している。他の構成および座標系は発明の実施形態5と同じである。
ここで、電源125aは、Mω、Nω、Mω、Nωの角周波数(各角周波数はそれぞれ互いに異なるものであるとし、周波数の整数比M:N及びM:Nは、発明の実施形態4と同様にそれぞれ互いの偶奇が異なる整数比である)を持つ交流電流(又は電圧)を発生させる。電源125aに供給される電流Iaは次のように表される。
Ia=Iz*(sin(Mωt)+sin(Nωt))+Ip*(sin(Mωt)+sin(Nωt)) ・・・(式45)
ここで、Iz、Ipは電流振幅を表している。
電源125bも同様にMω、Nω、Mω、Nωの角周波数を持つ交流電流を発生する。電源125bに供給される電流Ibは次のように表される。
Ib=Iz*(sin(Mωt)+sin(Nωt))−Ip*(sin(Mωt)+sin(Nωt)) ・・・(式46)
ここで、IaとIbの電流において、Mω、Nωの周波数成分は位相が一致しており、Mω、Nωの周波数成分は位相が180度ずれていることを表している。
電流制御部124は、この電流IaとIbの発生周期や電流振幅(電流量)を制御する。そして、上記のように各コイルに各電源からの電流を供給することで、Zg軸ヘルムホルツコイル122から交流の均一磁場であるZg軸方向磁場Bz及び不均一磁場である交流勾配磁場Bpを発生できる。また、発明の実施形態4,5と同様な方法で、Xg軸ヘルムホルツコイル101から交流の均一磁場であるXg軸方向磁場Bxを発生することができる。Bx、Bz、Bpはそれぞれ、MωとNω、MωとNω、MωとNωの組み合わせの角周波数を有することになる。
そして、発明の実施形態4に記載の方法を用いて、各軸における、各コイルから発生する交流磁場Bx、Bz、Bpの各周波数成分中の(それぞれ角周波数成分が、MωとNω、MωとNω、MωとNωの複数の周波数成分中の)信号強度(振幅)と位相から(実施形態4と同様にMω、Mω、Mωの周波数成分の振幅、MωとNω、MωとNω、MωとNωの周波数成分の位相から)、磁場ベクトルm、m、mを算出することができる。m、mは、均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトルであり、姿勢検出用である。mは位置検出用の不均一磁場の向きと大きさを表す不均一磁場ベクトルであり、位置検出用である。実施形態4と同様に、姿勢検出用の磁場ベクトルm、mから正規直交基底ベクトルe、e、eを求め、X=(e)で3行3列行列を表現すると、位置検出用の磁場ベクトルmを絶対座標系へと変換したベクトルFを求めることができる。
=X ・・・(式47)
ここで、BpのMωの周波数成分が絶対座標系のある任意の座標点r=(X,Y,Z)でF=(Fpx,Fpy,Fpzとして情報端末107によって測定されたとすると、Zg軸ヘルムホルツコイル122から発生している勾配磁場Bpの勾配は(式44)から比例定数をkとして、Fとの関係が
Bp=(kX,kY,−2kZ)=F=(Fpx,Fpy,Fpz
・・・(式48)
となっているので、比例定数kを求めることで位置情報としてrを求めることができる。
さらに実施形態における構成では、同じヘルムホルツコイルから均一磁場と勾配磁場を発生しているので、IzとIpの関係を調整することで、均一磁場の大きさを測定すると勾配磁場の比例定数kを簡単に求めることができる。例えば、Zg軸ヘルムホルツコイル122を半径Rの円形コイルとし、コイル122aとコイル122bをRの距離間隔で離して構成し、Iz,Ipによって発生するコイル122a及びコイル122bからの磁場の絶対値は等しいものとするとき、BzのMωの周波数成分の絶対値|m|から次式を利用して勾配磁場の比例定数kを求めることができる。
2k=6|m|/(5R) ・・・(式49)
すなわち、交流の均一磁場の大きさ|m|を測定すると、既知のRから(式49)によって勾配磁場の比例定数kを求めることができ、予め比例定数を測定しなくても良い。均一空間内では|m|は一定だから、均一空間内のどこを最初に測っても比例定数kを直ちに求めて位置情報を求めることが可能となる。
図22は、本発明の空間情報検出システムの実施形態6の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、各コイルから異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場Xg軸方向磁場Bx、Zg軸方向磁場Bzの2つと、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場Bpの各磁場を重ね合わせて発生する(ステップS1)。次に、各コイルから発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118において、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相を算出する(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119において、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相から、位置姿勢検出に必要な、2つの均一磁場と、勾配磁場を示す磁場ベクトルm、m、mを算出する(ステップS5)。
そして、位置姿勢算出部120において、2つの均一磁場を示す磁場ベクトルm、mから、情報端末107の姿勢を表す姿勢情報を算出する(ステップS6)。そして、情報端末107の姿勢情報から端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、勾配磁場を示す磁場ベクトルmから絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)により情報端末107の位置を表す位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、均一空間内において、交流の均一磁場Bx、Bzから情報端末の姿勢情報を、そして、情報端末の姿勢情報と交流の勾配磁場Bpから情報端末の位置情報を求めることができた。すなわち、情報端末の姿勢と位置を検出できた。そして、続けて位置と姿勢の検出を行う場合には、ステップS2へと戻ればよい。
[実施形態7]
<地磁気+均一・勾配合成磁場で位置と姿勢を検出する場合>
図23は、本発明の空間情報検出システムの実施形態7を示す全体構成図である。発明の実施形態6の図20と異なる構成に関して説明を行う。図23では図20におけるXg軸ヘルムホルツコイルがなく、代わりにXg軸方向に地磁気がBxとして存在している。すなわち、1つの均一磁場発生部の代わりに地磁気を利用している。均一空間は地磁気Bxと異なる複数の周波数の位相関係が既知である交流の均一磁場Bzがともに均一である空間となっている。その他の構成は発明の実施形態6と同様である。
情報端末内の磁場検出部111は、地磁気BxとZg軸ヘルムホルツコイル122からの異なる複数の周波数の位相関係が既知である交流の均一磁場Bzと交流の勾配磁場Bpとを同時に測定する。そして、磁場検出部111のデータ送信部116から磁気データを無線で演算部108へと送信し、この演算部108においてデータ受信部117がデータ送信部116からの磁気データを受信し、フーリエ変換部118へと送る。
フーリエ変換部118では、発明の実施形態6と同様にFFT演算を実行し、各軸における複数の周波数成分中の振幅と位相を算出する。また、各軸の直流成分(0Hzの周波数成分)の振幅を算出する。磁場ベクトル算出部119では、実施形態6と同様に磁場ベクトルm及びmを算出すると同時に、各軸の直流成分の振幅をベクトルmとして算出する。この直流成分ベクトルmが地磁気Bxを示す磁場ベクトルを含んでいる。例えば、磁気データが8bitのコード(0〜255)で表され、x軸磁気センサ110aがBxと平行、Bxの大きさが30LSB、0uTの磁場が128LSBであったとすると、mはm=(158,128,128)として求められる。従って、この場合地磁気信号の中心となる0uTを示すオフセット分128LSBを除去してやることで、地磁気Bxを示す直流磁場ベクトルとすることができる。したがって、オフセット分を除去した地磁気Bxを示す直流磁場ベクトルm’を算出する。なお、オフセット分を求める方法は、地磁気による信号の描く円もしくは球面の中心を求める方法ならば何でもよいが、例えば、情報端末107を水平方向に一周回転させ、得られた軌跡のX 座標およびY 座標の最大値および最小値から求める方法や、出願人が特許文献6に提示しているように、情報端末107を3次元方向に任意に動かした時の地磁気情報から統計的手法により球の中心を求める方法などを利用して求めておく。以後、発明の実施形態6と同様な演算によって姿勢と位置を検出することができる。
地磁気Bxを示す直流磁場ベクトルm’を、式(34)と式(35)のmに置き換えれば、地磁気Bxと交流の均一磁場Bzから情報端末107の姿勢情報を求めることができる。そして、発明の実施形態6と同様にmから絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)により情報端末107の位置情報を求めることができる。尚、(式49)により(式48)の勾配磁場の比例定数kをmの測定から求めることもできる。
図24は、本発明の空間情報検出システムの実施形態7の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、地磁気Bxが存在する場所にて、Zg軸コイルから、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場であるZg軸方向磁場Bzと、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の線形な勾配磁場Bpの各磁場を重ね合わせて発生する(ステップS1)。次に、発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118において、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相を算出する。すなわち、各軸における、Bz、Bpの各周波数成分中の振幅と位相と、Bxを表す直流成分(0Hz)の振幅を算出する。(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119において、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相から、方位角センサ111aが測定している各磁場の向きと大きさを表す、位置姿勢検出に必要な地磁気Bxと、均一磁場Bzと勾配磁場Bpを示す磁場ベクトルm’、m、mを算出する(ステップS5)。
そして、位置姿勢算出部120において、1つの均一磁場Bzと地磁気を示す磁場ベクトルm、m’から、情報端末107の姿勢を表す姿勢情報を算出する(ステップS6)。そして、情報端末107の姿勢情報から端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、勾配磁場Bpを示す磁場ベクトルmから絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)により情報端末107の位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、均一空間内において、地磁気Bxと交流の均一磁場Bzから情報端末の姿勢情報を、そして、情報端末の姿勢情報と交流勾配磁場Bpから情報端末の位置情報を求めることができた。すなわち、情報端末の姿勢と位置を検出できた。そして、続けて位置と姿勢の検出を行う場合には、ステップS2へと戻ればよい。
なお、実施形態7において、交流の均一磁場と勾配磁場を発生させるヘルムホルツコイルをZg軸に配置したが、Yg軸に配置した場合にも、(式34)〜(式36)と(式48)の演算式を座標系にあわせて適切に変換するだけで、同様な手順により情報端末の姿勢と位置を検出することができる。
[実施形態8]
<加速度センサ+ジャイロセンサ+勾配磁場で位置と姿勢を検出する場合>
図25は、本発明の空間情報検出システムの実施形態8を示す全体構成図である。発明の実施形態7の図23との相違点に関して説明を行う。この発明の実施形態では、情報端末107は新たに姿勢検出部140を備えている。この姿勢検出部140は、例えば、圧電素子を利用した振動ジャイロセンサと、静電容量型又はピエゾ抵抗型素子を利用した加速度センサを利用して、情報端末107(磁場検出部111)の任意の姿勢を検出する機能を備えている。この姿勢検出部140から、出力信号である姿勢データが演算部108へ出力される。この演算部108へのデータ送信は、発明の実施形態7と同様に有線でも無線でも良い。また、均一な磁場を利用しないので均一空間は表していない。
この空間情報検出システムは、磁場発生部として、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の線形な勾配磁場を発生する不均一磁場発生部(Zg軸ヘルムホルツコイル122とZg軸ヘルムホルツコイル用電源部125)と、この不均一磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサ110a,110b,110cを有する磁場検出部111と、この磁場検出部111の姿勢を検出する姿勢検出部140と、姿勢検出部140からの出力信号と、磁場発生部により発生される交流の勾配磁場に基づく磁場検出部111の出力信号とから磁場検出部111の姿勢情報と位置情報を算出する演算部108とを備えている。
つまり、この空間情報検出システムは、Zg軸ヘルムホルツコイル122とZg軸ヘルムホルツコイル用電源部125と、磁場検出部111と姿勢検出部140を有する情報端末107と、演算部108とデータ表示部109とから構成されている。情報端末107と演算部108とデータ表示部109は、空間情報検出装置を構成している。
この位置検出システムにおいて、右手系の座標系XgYgZg座標系が、Zg軸ヘルムホルツコイル122の中心軸に沿ってZg軸が配置され、Xg軸、Yg軸は互いに垂直、かつZg軸に垂直になるように配置されているものとする。
図26は、本発明の空間情報検出システムにおける実施形態8の空間情報検出装置の具体的な構成ブロック図である。この空間情報検出装置は、磁場検出部111と姿勢検出部140と演算部108とから構成され、この演算部108は、データ受信部117とフーリエ変換部118と磁場ベクトル算出部119と位置・姿勢算出部120とを備えている。磁場検出部111は、発明の実施形態6と同様に方位角センサ111aとデータ送信部116から構成されている。この演算部108では、姿勢検出部140からの出力信号である姿勢データを磁気データと同様にデータ受信部117で受信し、姿勢データは位置・姿勢算出部120へ送られ、磁気データは発明の実施形態6,7と同様に処理されるよう、フーリエ変換部118へと送られる。
Zg軸ヘルムホルツコイル用電源部内の電源125aは、発明の実施形態6,7とは異なり、Mω、Nωの角周波数(各角周波数はそれぞれ互いに異なり、最小の整数比の偶奇が異なっている)を持つ交流電流(又は電圧)を発生させる。このとき、供給される電流Ia’は次のように表されるものとする。
Ia’=Ip*(sin(Mωt)+sin(Nωt))
・・・(式50)
ここで、Ipは電流振幅を表している。
また、電源125bは、同様にMω、Nωの角周波数を持つ交流電流を発生するが、このとき供給される電流Ib’は次のように表されるものとする。
Ib’=−Ip*(sin(Mωt)+sin(Nωt))
・・・(式51)
これらの交流電流により、Mω、Nωの角周波数をもち、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知のである交流の線形な勾配磁場BpをZg軸ヘルムホルツコイル122から発生する。
磁場検出部111の構成及び動作は発明の実施形態6,7と同様であるので説明を省略する。
演算部108において、データ受信部117は、磁場検出部111のデータ送信部116からの磁気データと姿勢検出部140からの姿勢データを受信する。姿勢データは位置・姿勢算出部120へ送られ、磁気データはフーリエ変換部118へと送る。このフーリエ変換部118は、データ受信部117からの所望量の3軸の磁気センサ110からの磁気データを取得した後に、それらに対しFFT演算を実行し、各軸において、Zg軸ヘルムホルツコイル122から発生する交流勾配磁場Bpの複数の周波数成分(角周波数成分が、MωとNω)中の、信号強度(振幅)と位相を算出し、磁場ベクトル算出部119へと送る。磁場ベクトル算出部119は、発明の実施形態6と同様の手順により、角周波数がMωの周波数成分の不均一磁場ベクトルmを算出する。
そして、位置・姿勢算出部120は、姿勢検出部140からの姿勢データから、姿勢情報を算出する。例えば、実施形態4のように絶対座標系から見た端末座標系の正規直交基底より成る行列を算出し、それから、(式39)〜(式40)やオイラー角などの所望の形式で、姿勢情報を算出する。そして、姿勢情報から、端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、不均一磁場ベクトルmを端末座標系から絶対座標系のベクトルFへの変換し、(式48)により、情報端末107の位置情報を算出し、データ表示部109へと送る。
図27は、本発明の空間情報検出システムの実施形態8の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。まず、Zg軸ヘルムホルツコイル122から異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の線形な勾配磁場Bpを発生する(ステップS1)。次に、Zg軸ヘルムホルツコイル122から発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118において、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、各軸における交流勾配磁場Bpの二つの周波数成分中の振幅と位相を算出する(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119において、各軸における交流勾配磁場Bpの二つの周波数成分中の振幅と位相から、方位角センサ111aが測定している交流勾配磁場Bpの向きと大きさを表す、位置検出に必要な磁場ベクトルmを算出する(ステップS5)。
そして、姿勢検出部140から、情報端末107の姿勢を表す姿勢データを取得し、位置姿勢情報算出部120において、取得した姿勢データから所望の形式の情報端末107の姿勢情報を算出する(ステップS6)。そして、端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、位置検出用の磁場ベクトルmを絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)により情報端末107の位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、姿勢検出部140により情報端末107の姿勢データを取得して所望の形式の姿勢情報を算出し、交流勾配磁場Bpから情報端末107の位置情報を求めることができた。すなわち、情報端末107の姿勢と位置を検出できた。
[実施形態9]
<加速度センサ+地磁気+勾配磁場で位置と姿勢を検出する場合>
発明の実施形態8において、姿勢検出部140として加速度センサを備え、発明の実施形態7において説明した地磁気を磁場検出部111で同時に検出することで情報端末107の姿勢情報を算出することも考えられる。
この実施形態9の空間情報検出システムの構成は、発明の実施形態8と同様であるが、姿勢検出部140として加速度センサを利用する。また、地磁気BxをXg軸に、重力加速度の反対方向にZg軸をとる。
姿勢検出部140からの加速度データからは一部の姿勢が表現できるが、Zg軸を軸とした動きの自由度が残っているので、実施形態8のように情報端末107の任意の姿勢すべてを表現できない。そのため、さらに地磁気を利用して情報端末107の任意姿勢を検出する。地磁気の検出から地磁気を示す直流磁場ベクトルの算出は実施形態7と同様である。
図28は、本発明の空間情報検出システムの実施形態9の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。地磁気Bxが存在している場所にて、Zg軸ヘルムホルツコイル122から異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の線形な勾配磁場Bpを発生する(ステップS1)。次に、Zg軸ヘルムホルツコイル122から発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118にて、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
そして、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相を算出する。すなわち、各軸におけるBpの二つの周波数成分中の振幅と位相と、Bxを表す直流成分(0Hz)の振幅を算出する。(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119にて、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相から、方位角センサ111aが測定している各磁場の向きと大きさを表す、位置姿勢検出に必要な地磁気Bxと勾配磁場Bpを示す磁場ベクトルm’、mを算出する(ステップS5)。そして、位置姿勢算出部120において、姿勢検出部140から検出した姿勢データである加速度データaと、地磁気を示す磁場ベクトルm’(直流磁場ベクトル)とから新たに情報端末107の姿勢情報を算出する(ステップS6)。このとき、加速度データaはZg軸の方向を表す端末座標系から見たベクトルを示しているので(式35)〜(式36)のmに置き換えることで姿勢情報が算出できる。
そして、算出した情報端末107の姿勢情報から端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、勾配磁場を示す磁場ベクトルmから絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)により情報端末107の位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、地磁気Bxと重力加速度による加速度データから情報端末107の姿勢情報を、そして、情報端末107の姿勢情報と交流勾配磁場Bpから情報端末107の位置情報を求めることができる。すなわち、情報端末107の姿勢と位置を検出できる。そして、続けて位置と姿勢の検出を行う場合には、ステップS2へと戻ればよい。
[実施形態10]
<均一・勾配合成磁場+加速度センサを使用する場合>
図29は、本発明の空間情報検出システムの実施形態10を示す全体構成図である。発明の実施形態7の図23と異なり、ヘルムホルツコイルがZg軸ではなく、Xg軸ヘルムホルツコイル101として配置されている。また、Zg軸ヘルムホルツコイル用電源部の代わりに、同様の機能と構成を持つXg軸ヘルムホルツコイル用電源部135があり、Xg軸ヘルムホルツコイル101は、コイル101aとコイル101bとに分かれ、Xg軸ヘルムホルツコイル用電源部135内の電源135aと電源135bにそれぞれ接続されている。また、電源135aと135bは電流制御部134に接続され、発生周期や電流量を制御されている。電源135aと電源135bから供給される交流電流Ia及びIbは、(式45)及び(式46)の均一磁場Bzを発生させる部分を均一磁場Bx用に置き換え、勾配磁場の部分は実施の形態6又は7と同様である。そして、Xg軸ヘルムホルツコイル101から、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場Bxと、交流の勾配磁場Bpとを同時に発生する。均一空間は、均一磁場Bxが発生している空間である。
また、空間情報検出装置は、実施形態9と同様である。すなわち、図26と構成が同じとなっているので、説明を省略する。
この実施形態10での情報端末107の位置と姿勢検出の手順は、実施の形態9における地磁気を、Xg軸ヘルムホルツコイルからの異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場Bxに置き換え、勾配磁場Bpの発生方向を変更したことに相当する。この場合も、姿勢検出部140からの加速度データからは、一部の姿勢が表現できる。しかし、Zg軸を軸とした動きの自由度が残っているので、実施形態8のように情報端末107の任意の姿勢すべてを表現できない。そのため、さらに均一磁場Bxを利用して情報端末107の任意姿勢を検出する。また、勾配磁場Bpの発生方向を変更したので、(式44)を座標系にあわせて変換した
Bp=(−2kX,kY,kZ)・・・(式52)
を利用して位置情報を算出する。
図30は、本発明の実施形態10の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。すなわち、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場であるXg軸方向磁場Bxと、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の線形な勾配磁場Bpの各磁場を重ね合わせて発生する(ステップS1)。次に、Xg軸ヘルムホルツコイル101から発生中の磁場を、3軸の磁気センサ110を有する方位角センサ111aで測定し、デジタル信号である各軸の磁気データを取得する(ステップS2)。
次に、フーリエ変換部118にて、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得したかどうか判断する(ステップS3)。FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していれば次のステップS4へ進み、FFT演算に必要な所望量の磁気データを取得していなければステップS2へ戻る。
次に、取得された所望量の各軸の磁気データに対してFFT演算を行い、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相を算出する(ステップS4)。そして、磁場ベクトル算出部119にて、各軸における各磁場の各周波数成分中の振幅と位相から、方位角センサ111aが測定している各磁場の向きと大きさを表す、位置姿勢検出に必要な均一磁場Bxと勾配磁場Bpを示す磁場ベクトルm、mを算出する(ステップS5)。そして、位置姿勢算出部120にて、姿勢検出部140から検出した姿勢データである加速度データaと、均一磁場を示す磁場ベクトルmとから情報端末107の姿勢情報を算出する(ステップS6)。このとき、加速度データaはZg軸の方向を表す端末座標系から見たベクトルを示しているので(式35)〜(式36)のmに置き換えることで姿勢情報が算出できる。
そして、情報端末107の姿勢情報から端末座標系から絶対座標系への座標変換ができるようになったので、測定された勾配磁場を示す磁場ベクトルmから絶対座標系へと変換したベクトルFが求められ、(式48)の演算式中の勾配磁場Bpを(式52)で表して利用することにより情報端末107の位置情報を算出する(ステップS7)。
以上のような手順によって、交流の均一磁場Bxと重力加速度による加速度データから情報端末107の姿勢情報を、そして、情報端末107の姿勢情報と交流勾配磁場Bpから情報端末107の位置情報を求めることができる。すなわち、情報端末107の姿勢と位置を検出できる。そして、続けて位置と姿勢の検出を行う場合には、ステップS2へと戻ればよい。
以上のように、本発明によって、実施形態7乃至10において、位相関係が既知である異なる複数の周波数の交流の線形な勾配磁場を発生させることで、情報端末の姿勢情報から簡単な構成と計算で情報端末の位置を算出できる。
なお、実施形態7乃至10において、不均一磁場を線形な勾配磁場としたが、勾配磁場の代わりに、実施形態4から5で示した不均一磁場を利用することも可能である。例えば、実施形態7及び10においては、不均一磁場発生部を実施形態5の不均一磁場発生部へと変更しても、同じ空間情報検出装置を利用して同様の手順で情報端末の位置姿勢検出を行うことができる。また、実施形態8及び9においては、不均一磁場発生部を発明の実施形態4の、1つのコイルから発生する磁場に置き換え、同じ空間情報検出装置を利用して同様の手順で情報端末の位置姿勢検出を行うことができる。但し、これらの場合には、位置情報を算出する(式48)を(式42)に変更し、適切な座標系にあわせて利用する。
また、実施形態7乃至10において位置情報を算出する場合、必ずしも(式48)のような代数式で算出するのではなく、予め検出する位置の磁場を測定しておき、使用の際に参照する形で位置を決定する方式でも良い。また、(式44)、(式52)で表される磁場の勾配も予め測定することで求めても良いし、シミュレーションによって求めても良い。また、磁場の勾配は実施形態7乃至9において(式44)、実施形態10において(式52)によって示した形となっているが、これらの式以外で表される勾配磁場でも本発明によって簡単に姿勢と位置の検出ができることは明らかである(例えば、(式44)、(式52)中の定数kが各軸において異なっている場合などがある。)。(式44)、(式52)のような式で表されない場合でも、上記のような代数式算出ではなく、予め測定することで求めても良いし、シミュレーションによって求めても良い。
また、実施形態7及び9において地磁気を利用した例を示したが、地磁気をコイルから発生する直流の磁場(静磁場)に置き換えることも可能である。例えば実施形態6において、Xg軸ヘルムホルツコイルから直流の均一磁場を発生させることで、実施形態7と同様の手順によって情報端末の姿勢と位置を求めることができる。なお、実施形態7及び9では、地磁気を利用することで磁場を発生するコイルを削減でき、システムの構成を簡単にすることができる。また、実施形態10において、交流の均一磁場Bxの代わりに直流の磁場を勾配磁場Bpに重ね合わせることも可能であって、この場合にも実施形態9と同様の手順で姿勢と位置を求めることができる。よって地磁気ではなく、直流の磁場を利用する場合も本発明に含まれている。
また、以上すべての実施形態1乃至10において説明したフーリエ変換部は、FFTではなくDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)を利用してもよいことは明らかである。さらにまた、利用したい周波数のみ取り出せるようにデジタルフィルタを構成し、ヒルベルト変換を行うことによって位相を算出するような、デジタル信号処理に通じた者なら容易に行えるような振幅と位相を算出する演算処理と置き換えることも可能である。このような場合も本発明に含まれている。
以上のように、本発明によって様々な形態の空間情報検出が簡単な構成と簡単な計算で可能となった。
本発明において、フーリエ変換部は、磁場検出部からの各軸の信号に基づいて、各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅を算出している。そして、直流成分の振幅も算出している。以下、実施形態ごとに場合分けしてこの意味を説明する。
(1)実施形態1から実施形態3、実施形態8及び実施形態9
実施形態1から実施形態3、実施形態8及び実施形態9においては、二つの周波数成分が含まれている交流磁場を一つ利用する。フーリエ変換部は、各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅として、各軸において二つの周波数成分の位相と、少なくともいずれか一つの周波数成分の振幅を算出する。
(2)実施形態4から実施形態7、及び実施形態10
実施形態4から実施形態7、及び実施形態10においては、二つの周波数成分が含まれている交流磁場を複数利用する(均一、不均一、勾配などの複数種類の磁場を利用する)。フーリエ変換部は、各軸における複数の周波数成分中の位相と振幅として、各軸における各磁場の有する二つの周波数成分の位相を算出し、二つの周波数成分のうち少なくともいずれか一つの周波数成分の振幅を算出する。
(3)実施形態7及び実施形態9
直流磁場を利用する実施形態7及び実施形態9においては、フーリエ変換部は上記(1)又は(2)の位相と振幅に加え、各軸における直流成分(0Hzの周波数成分)の振幅を算出している。
本発明では、検出したい磁場が特定の周波数であることがわかっているので、その他の周波数の交流磁場やノイズ磁場がある磁場環境でも識別が可能である。さらに、発生させる磁場は、最小の整数で表される周波数比が偶数対奇数であって、位相が既知である周波数成分を含むだけであり、測定した信号を周波数帯域毎に分離するフィルタを利用する必要がないので、構成が容易で、また周波数選択の自由度が高い。また、システムを構成後に自由に周波数を選択できる。
また、磁場検出部で測定軸ごとに周波数帯域を分離するフィルタが必要でないことは、回路規模も小さく済み、小型かつ安価な磁気センサとして実現可能である。また、磁場の発生と測定を同期して行わなくてよいので、参照信号が必要なく構成が容易で、一度磁場を発生すれば、任意のタイミングでの測定と、連続的な測定が可能である。
また、異なる複数の周波数の位相関係が既知である交流の均一磁場を構成することで、簡単な計算によって任意の姿勢検出が行えるようになり、また、そのような均一な磁場で構成された均一空間内の任意の座標で、不均一な磁場を発生させることで、姿勢の検出に加えて位置の検出が可能となり、しかも簡単な計算で算出できることは今まで説明した実施の形態で明らかである。また、いくつかの形態において説明したように、磁気センサのみで情報端末の位置と姿勢を検出することもできる。
さらに、異なる複数の周波数の位相関係が既知である交流の均一磁場と不均一磁場は同一のコイルから発生させることもでき、システムの構成を簡単にし、不均一磁場が勾配磁場である場合には、均一磁場の強度を測定すると同時に勾配磁場の勾配を求めることができる。すなわち、位置検出のための勾配磁場の勾配を予め測定しなくても良い。
また、フーリエ変換部によってフィルタを使わずとも直流成分と交流成分が同時に分離できるので、地磁気のような直流成分も同時に検出して姿勢情報算出などに利用することもできる。
本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
本発明は、空間情報検出システム及びその検出方法並びに空間情報検出装置に関するもので、交流磁場を利用して連続的に測定ができ、また、周波数の設定の自由度が大きく、さらに、構成が簡単な空間情報検出システムを提供することができる。また、同様に、その空間情報検出方法及び空間情報検出装置を提供することができる。
1 磁場発生部
1a 電源
1b コイル
2 情報端末
3 演算部
20 磁場検出部
20a 方位角センサ
21 磁気センサ
21a x軸磁気センサ
21b y軸磁気センサ
21c z軸磁気センサ
22 マルチプレクサ部
23 磁気センサ駆動部
24 信号増幅部
25 A/D変換部
26 データ送信部
31 データ受信部
32 フーリエ変換部
33 磁場ベクトル算出部
34 方向算出部
101 Xg軸ヘルムホルツコイル
102 Zg軸ヘルムホルツコイル
103 位置検出磁場発生コイル
104 Xg軸ヘルムホルツコイル用電源
105 Zg軸ヘルムホルツコイル用電源
106 位置検出磁場発生用電源
107 情報端末
108 演算部
109 データ表示部
110 磁気センサ
110a x軸磁気センサ
110b y軸磁気センサ
110c z軸磁気センサ
111 磁場検出部
111a 方位角センサ
112 マルチプレクサ部
113 磁気センサ駆動部
114 信号増幅部
115 A/D変換部
116 データ送信部
117 データ受信部
118 フーリエ変換部
119 磁場ベクトル算出部
120 位置・姿勢算出部
122(122a,122b) Zg軸ヘルムホルツコイル
124 電流制御部
125 Zg軸ヘルムホルツコイル用電源部
125a,125b 電源
134 電流制御部
135 Xg軸ヘルムホルツコイル用電源部
135a,135b 電源
140 姿勢検出部

Claims (26)

  1. 異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を発生する磁場発生部と、
    該磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部と、
    該磁場検出部の各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換部と、
    該フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、該符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出部と
    を備えたことを特徴とする空間情報検出システム。
  2. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    該姿勢検出部の出力信号と前記磁場ベクトル算出部の出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出部と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空間情報検出システム。
  3. 前記磁場検出部が、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、
    前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力信号と、前記直流磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場発生部からの交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の空間情報検出システム。
  4. 前記直流磁場は、地磁気であることを特徴とする請求項3に記載の空間情報検出システム。
  5. 前記磁場発生部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場を少なくとも1つ発生させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空間情報検出システム。
  6. 前記不均一磁場が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場であることを特徴とする請求項5に記載の空間情報検出システム。
  7. 前記磁場発生部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを発生させ、
    前記磁場検出部が、前記均一磁場と、前記不均一磁場とを検出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場および前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出するとともに、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、
    記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空間情報検出システム。
  8. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部を備え、
    前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の空間情報検出システム。
  9. 前記磁場検出部が、前記均一磁場と前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、
    前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出部が、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の空間情報検出システム。
  10. 前記直流磁場は、地磁気であることを特徴とする請求項9に記載の空間情報検出システム。
  11. 前記不均一磁場は、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の勾配磁場であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の空間情報検出システム。
  12. 前記磁場発生部は、前記均一磁場と、前記不均一磁場とを重ね合わせて発生させるコイルを有することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の空間情報検出システム。
  13. 前記複数の周波数成分の整数比が、偶数対奇数であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の空間情報検出システム。
  14. 前記整数比が、2対1であることを特徴とする請求項13に記載の空間情報検出システム。
  15. 多軸の磁気センサを有する磁場検出部を用いて、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を検出する磁場検出ステップと、
    該磁場検出ステップからの各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換ステップと、
    該フーリエ変換ステップからの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、該符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出ステップと
    を有することを特徴とする空間情報検出方法。
  16. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
    前記姿勢検出ステップの出力信号と前記磁場ベクトル算出ステップの出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出ステップと
    を有することを特徴とする請求項15に記載の空間情報検出方法。
  17. 前記磁場検出ステップが、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出し、
    前記フーリエ変換ステップは、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出ステップが、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出ステップが、前記姿勢検出ステップからの出力信号と、前記直流磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と前記交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項16に記載の空間情報検出方法。
  18. 前記磁場検出ステップが、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを検出し、
    前記磁場ベクトル算出ステップが、前記フーリエ変換ステップからの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場に加え、前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出し、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、
    記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出ステップを有する
    ことを特徴とする請求項15に記載の空間情報検出方法。
  19. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出ステップを有し、
    前記位置・姿勢算出ステップが、前記姿勢検出ステップからの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項18に記載の空間情報検出方法。
  20. 前記磁場検出ステップが、前記均一磁場及び前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出し、
    前記フーリエ変換ステップは、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出ステップが、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出ステップが、前記磁場ベクトル算出ステップから出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項18に記載の空間情報検出方法。
  21. 異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流磁場を発生する磁場発生部から発生された磁場を検出する多軸の磁気センサを有する磁場検出部と、
    該磁場検出部の各軸の出力信号に基づいて、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅を算出するフーリエ変換部と、
    該フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から前記各軸の振幅について符号を算出し、前記符号と前記振幅から前記交流磁場の向きと大きさを表す磁場ベクトルを算出する磁場ベクトル算出部と
    を備えたことを特徴とする空間情報検出装置。
  22. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢検出部の出力信号と前記磁場ベクトル算出部の出力信号とから、前記磁場検出部の姿勢情報と位置情報を算出する位置・姿勢算出部と
    を備えたことを特徴とする請求項21に記載の空間情報検出装置。
  23. 前記磁場検出部が、前記交流磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、
    前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記交流磁場に基づく磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力信号と、前記直流磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と前記交流磁場に基づく磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項22に記載の空間情報検出装置。
  24. 前記磁場検出部が、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知である交流の均一磁場と、異なる複数の周波数成分の位相関係が既知であり、位置によって磁場の向きまたは大きさが異なる交流の不均一磁場とを発生させる磁場発生部から発生された磁場を検出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記フーリエ変換部からの出力信号に基づいて、前記各軸の前記複数の周波数成分の位相関係から、前記均一磁場に加え、前記不均一磁場に対する前記各軸の振幅について符号を算出するとともに、前記各軸の振幅と前記符号から前記均一磁場及び不均一磁場の向きと大きさを表す均一磁場ベクトル及び不均一磁場ベクトルを算出し、
    記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する位置・姿勢算出部を備える
    ことを特徴とする請求項21に記載の空間情報検出装置。
  25. 前記磁場検出部の姿勢を検出する姿勢検出部を備え、
    前記位置・姿勢算出部が、前記姿勢検出部からの出力と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項24に記載の空間情報検出装置。
  26. 前記磁場検出部が、前記均一磁場と前記不均一磁場に加え、直流磁場を検出する多軸の磁気センサを有し、
    前記フーリエ変換部は、前記各軸における前記複数の周波数成分中の位相と振幅に加え、前記各軸における直流成分の振幅を算出し、
    前記磁場ベクトル算出部が、前記均一磁場ベクトル及び前記不均一磁場ベクトルに加え、前記直流成分の振幅から前記直流磁場の向きと大きさを表す直流磁場ベクトルを算出し、
    前記位置・姿勢算出部が、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記均一磁場ベクトルと、前記直流磁場ベクトルとから、前記磁場検出部の姿勢情報を算出し、該姿勢情報と、前記磁場ベクトル算出部から出力される前記不均一磁場ベクトルとから前記磁場検出部の位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項24に記載の空間情報検出装置。
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